JP6148385B2 - アルミニウム構造部材 - Google Patents
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Description
また、重量の増加を抑えつつ構造材を部分的に補強するため、形状変化部に補強部材を入れる場合があるが、形状変化している箇所には、このような補強部材も形状変化部に沿った形状に作製しなければならない。そのため、補強部材の製造が難しく、更に補強部材を精度よく所定の位置に配置することが難しいという問題がある。
一方、鋳物部材の場合は、複雑な形状であっても1回の鋳込みにより所的の形状を形成することができるため、生産性に優れる。しかし、鋳物部材を他の部材と接合するためには、取付精度を出すための取付面を形成する必要があるため、切削工程が必須となり生産性の向上を図ることが難しい。また、鋳物部材は薄肉部の形成が難しく、大型部材を作製することが難しいため、大型部材では鋳物部材と展伸材を接合して用いることがある。鋳物部材と展伸材との接合は、鋳物内部に存在する気孔(巣)により溶接することができないため、接着剤による接合やボルト等による機械的締結手段により接合する必要がある。
接着剤を用いて接合する場合、所定の接合部強度を得ることが難しく、特に経年劣化により接合強度が低下するという問題がある。また、接着剤塗布後から接着剤の樹脂が硬化するまで、取付位置を維持するための治具へのセッティングが必要となるため施工性に劣る。また、機械的締結手段によつ接合する場合、構造全体の重量が増加すると共に、製造に手間がかかるという問題がある。
また、特許文献4に記載の構造体では、端部にアルミ溶湯が流入するのを防ぐため、流入抑制手段を設けているが、この流入抑制手段の周辺では溶湯の流れ(湯回り)が悪くなる。そのため、接合部において中空部材と鋳物部材とが密着しない隙間部が生じる可能性がある。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム展伸材と、該アルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ状態で接合するアルミニウム合金鋳物と、を備えるアルミニウム構造部材であって、
前記アルミニウム展伸材は、前記アルミニウム合金鋳物から一部を外部に突出させた接合部を有し、前記アルミニウム合金鋳物の積層部において、前記アルミニウム展伸材が溶融する溶融接合部が形成され、
前記アルミニウム展伸材と前記アルミニウム合金鋳物は熱処理型合金であり、
前記アルミニウム合金鋳物が前記アルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ状態での、前記アルミニウム展伸材のビッカース硬度と前記アルミニウム合金鋳物のビッカース硬度、及び前記アルミニウム展伸材の前記積層部における前記溶融接合部のビッカース硬度が、60以上であることを特徴とするアルミニウム構造部材。
<第1構成例>
図1Aは本発明の実施形態を説明するための図で、第1構成例のアルミニウム構造部材の斜視図、図1Bは図1Aの平面図、図1Cは図1AのA−A線断面図である。
図2Aは第2構成例のアルミニウム構造部材110の斜視図、図2Bは図2AのB−B線断面図である。なお、以降の説明においては、同一の部材や対応する部材に対しては、同一の符号を付与することで、その説明を簡略化又は省略する。
図3Aは第3構成例のアルミニウム構造部材120の斜視図、図3Bは図3AのC−C線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材120は、アルミニウム展伸材11のコーナー部に面取部27を設けている他は、図2Aに示すアルミニウム構造部材110と同様の構成である。面取部27は、アルミニウム展伸材11の露出面19と、一対の平行な側面23及び端面25との境界となるコーナー部に切削又は研磨することによって形成される。面取部27は、R面取、C面取のいずれであってもよい。
図4Aは第4構成例のアルミニウム構造部材130の斜視図、図4Bは図4AのD−D線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材130は、1枚のアルミニウム展伸材11がアルミニウム合金鋳物13の鋳ぐるみ部15から2箇所で突出して接合部17となっている。図示のアルミニウム合金鋳物13は、簡素な形状例であるが、実際には、例えばアルミニウム合金鋳物13の基材にボルト固定部や補強用リブ、ボルト穴を備える複雑な形状に作製することもできる。
図5Aは第5構成例のアルミニウム構造部材140の斜視図、図5Bは図5AのE−E線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材140は、図4Aに示したアルミニウム構造部材130におけるアルミニウム展伸材11の片面を露出面19とした他は、アルミニウム構造部材130と同様の構成である。アルミニウム展伸材11は、片面(図5Bの下面21)の一部分と、下面21に隣接する一対の平行な側面23とがアルミニウム合金鋳物13の鋳ぐるみ部15に鋳ぐるまれる。
図6Aは第6構成例のアルミニウム構造部材150の斜視図、図6Bは図6AのF−F線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材150は、図5Aに示したアルミニウム構造部材140における、アルミニウム展伸材11に面取部27を設けた他は、アルミニウム構造部材140と同様の構成である。面取部27は、アルミニウム展伸材11の露出面19と一対の平行な側面23との境界におけるコーナー部を、切削又は研磨することによって形成される。面取部27は、R面取、C面取のいずれであってもよい。
図7Aは第7構成例のアルミニウム構造部材160の斜視図、図7Bは図7AのG−G線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材160は、アルミニウム鋳物の中に複数のアルミニウム展伸材11,29が鋳込まれる。アルミニウム展伸材11とアルミニウム展伸材29とは、互いに隙間Cを有して平行に重ねられ、アルミニウム展伸材11の端面25側の一端部と、アルミニウム展伸材29の端面31側の一端部とが、鋳ぐるみ部15の内側に配置される。
図8Aは第8構成例のアルミニウム構造部材170の斜視図、図8Bは図8AのH−H線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材170は、図7Aに示したアルミニウム構造部材160におけるアルミニウム展伸材11,29のそれぞれ背面側となる片面が露出面19,33となっている。アルミニウム展伸材11は、片面(図8Bの上面35)の一部分と、上面35に隣接する一対の平行な側面23と、端面25とがアルミニウム合金鋳物13の鋳ぐるみ部15に鋳ぐるまれる。アルミニウム展伸材29は、片面(図8Bの下面21)の一部分と、下面21に隣接する一対の平行な側面37と、端面31とがアルミニウム合金鋳物13の鋳ぐるみ部15に鋳ぐるまれる。アルミニウム展伸材11,29は、厚み方向に隙間Cを有して配置され、その隙間C内にアルミニウム合金鋳物13が充填される。
図9Aは第9構成例のアルミニウム構造部材180の斜視図、図9Bは図9AのI−I線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材180は、矩形板状のアルミニウム展伸材11の中央部分が、アルミニウム合金鋳物13によって鋳ぐるまれる。アルミニウム展伸材11は、一方向の両端が、鋳ぐるみ部15から突出した接合部17となる。鋳ぐるみ部15には、このアルミニウム展伸材11の一方向と垂直な方向に、他のアルミニウム展伸材29が配置されて、共に鋳ぐるまれる。アルミニウム展伸材29は、アルミニウム展伸材11との間に隙間Cを空けた状態で、一端側が鋳ぐるみ部15に鋳ぐるまれている。
図10Aは第10構成例のアルミニウム構造部材190の斜視図、図10Bは図10AのJ−J線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材190は、矩形板状のアルミニウム展伸材11の図10Bに示す下面21が、アルミニウム合金鋳物13によって鋳ぐるまれる。つまり、アルミニウム展伸材11は、図10Bにおける上面が露出面19となる。また、アルミニウム展伸材11は、長手方向の両端が、鋳ぐるみ部15から突出した接合部17となる。鋳ぐるみ部15には、このアルミニウム展伸材11の板面に垂直な方向で他のアルミニウム展伸材29が鋳ぐるまれる。アルミニウム展伸材29は、一端側がアルミニウム展伸材11との間に隙間Cを空けて配置され、鋳ぐるみ部15に鋳ぐるまれる。このアルミニウム展伸材29は、鋳ぐるみ部15から外側向けて露出した面(図10Bにおける右側面)が露出面33となっている。
図11は第11構成例のアルミニウム構造部材200の斜視図である。
本構成のアルミニウム構造部材200は、図1に示すアルミニウム構造部材100と同様の構成であり、鋳ぐるみ部15から突出するアルミニウム展伸材11の接合部17の先端に、被接合部材41が溶接部43を介して接合されている。
図12Aは第12構成例のアルミニウム構造部材210の斜視図、図12Bは図12AのK−K線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材210は、鋳ぐるみ部15から突出するアルミニウム展伸材11の接合部17に、被接合部材41が板厚方向に重ねられて抵抗スポット溶接される。溶接面と反対側となる接合部17及び被接合部材41の片側面には、それぞれ溶接痕45が現れる。溶接箇所の数、位置は、必要とされる強度によって任意に設定できる。
図13は第13構成例のアルミニウム構造部材220の斜視図である。
本構成のアルミニウム構造部材220は、鋳ぐるみ部15から突出するアルミニウム展伸材11の接合部17に、被接合部材41が板厚方向に重ねられてMIG溶接される。接合部17は、このMIG溶接による溶接部43を介して被接合部材41と接合される。MIG溶接は、接合部17の端面25と、端面25に重なり合う被接合部材41の片面との間に限らず、他の部位に施して接合することであってもよい。
図14Aは第14構成例のアルミニウム構造部材230の斜視図、図14Bは図14AのL−L線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材230は、鋳ぐるみ部15から突出するアルミニウム展伸材11の接合部17に、被接合部材41が板厚方向に重ねられてクリンチ締結される。図示例では、TOX(登録商標)クリンチ方式によってクリンチ締結された構造を表す。TOX(登録商標)クリンチ方式は、接合部17と下側で重ねた被接合部材41の下面21側に配置されるダイ(図示略)に対し、接合部17の上面35側からパンチで加圧し、接合部17及び被接合部材41を塑性変形させ、パンチ凹部47を形成する。次いで、被接合部材41の下面21側からパンチ凹部47の下面を潰し、接合部17と被接合部材41とを締結する。
<第15構成例>
図16Aは第15構成例のアルミニウム構造部材240の斜視図、図16Bは図16AのM−M線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材240は、アルミニウム展伸材51が筒状に形成される。アルミニウム構造部材160は、外筒となる大径のアルミニウム展伸材51の内側に、内筒となる小径のアルミニウム展伸材53が挿入される。アルミニウム展伸材51の端面55は、アルミニウム展伸材53の外周面に溶接され、環状の溶接部43が形成される。アルミニウム展伸材53の内側には、アルミニウム合金鋳物13が鋳ぐるまれた円柱状の鋳ぐるみ部(インサート部)57が形成される。
図17Aは第15構成例のアルミニウム構造部材の内部に配置されたアルミニウム合金鋳物部を軸方向の一方(矢印N方向)から見た側面図である。図示例のアルミニウム合金鋳物部(インサート部)59は、十字状の補強リブ61を有する。補強リブ61は、図16Bに示したアルミニウム構造部材240の鋳ぐるみ部57の鋳ぐるみ時に、中子等により略三角柱状の肉抜き空間部63を形成して、アルミニウム合金鋳物部59に貫通させることで形成される。
本変形例のアルミニウム合金鋳物部65は、放射状の補強リブ61を有する。補強リブ61は、上記同様に中子等によって形成される。
図18Aは第16構成例のアルミニウム構造部材250の斜視図、図18Bは図18AのO−O線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材250は、内筒である小径のアルミニウム展伸材53の内径部に鋳ぐるみ部57が形成される。アルミニウム展伸材53の外周には、外筒である大径のアルミニウム展伸材51が被せられる。アルミニウム展伸材51は、軸方向一部の外径が縮径されたかしめ部67を有し、アルミニウム展伸材53も同様のかしめ部68を有する。アルミニウム展伸材51は、その内周面にアルミニウム展伸材53の外周面が軸方向に挿入される。そして、かしめ部67,68が重なる位置でアルミニウム展伸材51と53とがかしめ固定される。
図19Aは第17構成例のアルミニウム構造部材260の斜視図、図19Bは図19AのP−P線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材260は、大径のアルミニウム展伸材51の内側に、小径のアルミニウム展伸材53が挿入される。アルミニウム展伸材53は、アルミニウム展伸材51から一部を露出させた状態で、アルミニウム展伸材51の端面55が、アルミニウム展伸材53の外周面にMIG溶接等により接合される。これにより、端面55に環状の溶接部43が形成される。大径のアルミニウム展伸材51は、一部を露出させた状態で、一端側の外周にアルミニウム合金鋳物13による円筒状の鋳ぐるみ部69が形成される。これら、アルミニウム展伸材53、アルミニウム展伸材51、鋳ぐるみ部69は、同軸に配置される。
図20Aは第18構成例のアルミニウム構造部材270の斜視図、図20Bは図20AのR−R線断面図である。
本構成のアルミニウム構造部材270は、図19Bに示した大径のアルミニウム展伸材51が、かしめ部67,68によって、小径のアルミニウム展伸材53の外周に固定される。かしめ部67,68は、アルミニウム展伸材51及びアルミニウム展伸材53を軸方向の一部で全周に亘って縮径することにより、アルミニウム展伸材51とアルミニウム展伸材53を相互に固定している。
このアルミニウム構造部材は、大径のアルミニウム展伸材51の一端側に、小径のアルミニウム展伸材53が挿入された状態で接合される。これらアルミニウム展伸材51とアルミニウム展伸材53との接合は、溶接、かしめのいずれであってもよい。そして、大径のアルミニウム展伸材51の他端側には、本変形例の鋳ぐるみ部71が外周に形成されている。
本変形例の鋳ぐるみ部71は、図20Aに示す鋳ぐるみ部69の外径部75に、軸線に沿って複数(図示例では4つ)の補強リブ77が形成されている。各補強リブ77は、径方向外側に突起する凸状のリブであり、円周方向に等間隔で設けられる。
図22はアルミニウム構造部材を用いたインストルメントパネルレインフォースメント構造を車室内側から見た概略正面図である。
自動車等の車両には、車室の車両前後方向における前部側の上方にフロントガラス79が設けられる。フロントガラス79の下方には、インストルメントパネル81が配置される。
本実施例では、図23A,図23Bに示すアルミニウム構造部材に溶体化処理と時効処理を施した。
アルミニウム構造部材280は、筒状のアルミニウム展伸材51の内周に有底円筒状の支持部材となる鋳ぐるみ部57が形成され、外周に鋳ぐるみ部57と相対する位置に円筒状の鋳ぐるみ部69が形成される。鋳ぐるみ部57,69は、いずれもアルミニウム合金鋳物からなり、アルミニウム展伸材51の長手方向の一部分で、厚さ方向に少なくとも一部が重なるように配置される。
まず、アルミニウム展伸材51となるアルミニウム合金管(押出材、材質A6063(熱処理型合金)、調質:T5、外径φ60mm)を金型にセットする。
(1) アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム展伸材と、該アルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ状態で接合するアルミニウム合金鋳物と、を備えるアルミニウム構造部材であって、
前記アルミニウム展伸材は、前記アルミニウム合金鋳物から一部を外部に突出させた接合部を有することを特徴とするアルミニウム構造部材。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材のアルミニウム合金鋳物によって鋳ぐるまれている部分が、アルミニウム合金鋳物と高強度に接合され、それぞれが一体となって固定される。アルミニウム構造部材は、一端側のアルミニウム展伸材に加わる荷重を、他端側のアルミニウム合金鋳物によって受けることができる。また、その逆も可能となる。
アルミニウム展伸材は、鋳物材のように部材内に空孔(巣)がないため、寸法精度に優れ、溶接性にも優れる。このようなアルミニウム展伸材を接合部に用いることで、展伸材の高い寸法精度を利用でき、鋳物のように特に機械加工しなくても高い寸法精度の接合が可能となる。
また、アルミニウム合金鋳物は、様々な形状(例えば、丸形、角形、テーパ形状、リブ付形状等)に成形でき、溶湯を鋳型に流し込んで作製するので、アルミニウム展伸材よりも形状の設計自由度が高い。
そして、アルミニウム構造部材は、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とからなるので、鉄等を用いた構造部材よりも軽量にできる。アルミニウム合金鋳物でアルミニウム展伸材を鋳ぐるむので、水分が存在する環境化においても腐食の発生や進行を抑制できる。また、アルミニウム合金鋳物とアルミニウム展伸材とを互いにろう付け状態で密着させ、又はアルミニウム展伸材の厚み方向の少なくとも一部を溶融させて接合部を形成できるため、より高い接合強度が得られる。
上記のように、本構成のアルミニウム構造部材は、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物のそれぞれの短所を補いつつ、それぞれの長所を同時に発揮させることができ、秀逸な構造部材にすることができる。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材の少なくとも一面がアルミニウム合金鋳物に覆われずに露出しているので、この露出部分に、展伸材に接続される被接合部材を、様々な継手の配置、継手形状で容易に溶接できる。また、アルミニウム展伸材の寸法精度をそのまま活かすことができ、構造部材の組み立てが容易になる。
このアルミニウム構造部材によれば、複数のアルミニウム展伸材を、鋳ぐるみ部によって接合できる。また、複数のアルミニウム展伸材を、任意の相対位置で、鋳ぐるみ部によって鋳ぐるむことができる。これにより、アルミニウム構造部材は、異なる任意の位置の被接合部材同士を接合する継手として使用できる。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材同士の間の隙間にアルミニウム合金鋳物が充填されるので、鋳ぐるみ部におけるアルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物の接合面積が増加する。これにより、アルミニウム構造部材は、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物との接合強度と剛性が向上し、構造部材全体の強度が向上する。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材の貫通孔を通じて、アルミニウム展伸材の表裏面に形成されるアルミニウム合金鋳物が互いに連結される。これにより、アルミニウム構造部材は、貫通孔に充填されたアルミニウム合金鋳物が係合部となって、引張強度等の機械的強度が更に高められる。
前記アルミニウム展伸材の径方向内側に設けられ、前記アルミニウム展伸材の長手方向の少なくとも一部を径方向内側から支持する支持部材を備え、
前記アルミニウム合金鋳物は、前記支持部材に相対する前記アルミニウム展伸材の外周面を鋳ぐるんだ状態で接合されていることを特徴とする(1)に記載のアルミニウム構造部材。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材の径方向内側に支持部材が形成され、更に、この支持部材に相対する外周面にアルミニウム合金鋳物が形成されるため、アルミニウム構造部材の強度を更に向上できる。
(7)前記アルミニウム展伸材の少なくとも一部は、前記アルミニウム合金鋳物に溶融していることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一つに記載のアルミニウム構造部材。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とが溶融していることで、相互の接合強度をより向上できる。
(8)前記アルミニウム展伸材のビッカース硬度と前記アルミニウム合金鋳物のビッカース硬度は、共に60以上であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか一つに記載のアルミニウム構造部材。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物のビッカース硬度が共に60以上であることで、高強度な構造にできる。
(9) 前記アルミニウム展伸材と前記アルミニウム合金鋳物の少なくとも一方は熱処理型合金であり、
前記アルミニウム展伸材の、前記アルミニウム合金鋳物と溶融して形成された溶融部の硬度は、鋳ぐるみ前の前記アルミニウム展伸材の硬度よりも高いことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか一つに記載のアルミニウム構造部材。
このアルミニウム構造部材によれば、アルミニウム展伸材のアルミニウム合金鋳物と溶融した溶融部及び、アルミニウム展伸材の軟化した部分が鋳ぐるみ前の展伸材よりも高い硬度を有することで、溶融部の接合強度が高くなり、アルミニウム構造部材全体の強度が向上する。
13 アルミニウム合金鋳物
17 接合部
49 貫通孔
57 鋳ぐるみ部(支持部材)
69,71 鋳ぐるみ部
100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280 アルミニウム構造部材
C 隙間
Claims (7)
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム展伸材と、該アルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ状態で接合するアルミニウム合金鋳物と、を備えるアルミニウム構造部材であって、
前記アルミニウム展伸材は、前記アルミニウム合金鋳物から一部を外部に突出させた接合部を有し、前記アルミニウム合金鋳物の積層部において、前記アルミニウム展伸材が溶融する溶融接合部が形成され、
前記アルミニウム展伸材と前記アルミニウム合金鋳物は熱処理型合金であり、
前記アルミニウム合金鋳物が前記アルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ状態での、前記アルミニウム展伸材のビッカース硬度と前記アルミニウム合金鋳物のビッカース硬度、及び前記アルミニウム展伸材の前記積層部における前記溶融接合部のビッカース硬度が、60以上であることを特徴とするアルミニウム構造部材。 - 前記アルミニウム展伸材の少なくとも一面は、前記アルミニウム合金鋳物に覆われずに露出していることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム構造部材。
- 前記アルミニウム合金鋳物には、複数の前記アルミニウム展伸材が鋳ぐるんだ状態で接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム構造部材。
- 複数の前記アルミニウム展伸材は、互いに隙間を有して配置され、前記隙間に前記アルミニウム合金鋳物が充填されていることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム構造部材。
- 前記アルミニウム展伸材は、少なくとも一つ以上の貫通孔を有し、前記アルミニウム合金鋳物が前記貫通孔に充填されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム構造部材。
- 前記アルミニウム展伸材は中空部材であり、
前記アルミニウム展伸材の径方向内側に設けられ、前記アルミニウム展伸材の長手方向の少なくとも一部を径方向内側から支持する支持部材を備え、
前記アルミニウム合金鋳物は、前記支持部材に相対する前記アルミニウム展伸材の外周面を鋳ぐるんだ状態で接合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム構造部材。 - 前記アルミニウム展伸材の、前記アルミニウム合金鋳物と溶融して形成された溶融部の硬度は、鋳ぐるみ前の前記アルミニウム展伸材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のアルミニウム構造部材。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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