JP6147163B2 - 蒸発装置、成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機材料の蒸気を生成する技術分野に係り、特に、有機材料を少量ずつ加熱して蒸気を放出させる蒸発装置と、その蒸気によって有機薄膜を形成する成膜装置に関する。
有機材料を真空雰囲気中で蒸発させ、放出装置から蒸気を放出して有機薄膜を形成する成膜装置には、放出装置の中に有機材料を配置して蒸気を生成する成膜装置と、放出装置とは別の蒸発装置内で蒸気を発生させ、放出装置から放出させる成膜装置がある。
蒸発装置を用いる成膜装置は「輸送式」、と呼ばれており、図4は、輸送式の成膜装置120を示しており、蒸発槽122を有している。
蒸発槽122の上部には、開口129が形成されており蒸発槽122よりも上方に位置する供給装置から、この開口129を通って蒸発槽122の内部に粉体の有機材料が供給される。
蒸発槽122の底面には、蒸発皿121が配置されており、開口129を通過して供給された有機材料は、蒸発皿121上に落下する。図中の符号111は、落下して蒸発皿121上に配置された有機材料を示している。
蒸発皿121と蒸発槽122との外周には、導電線125が巻き回され、蒸発皿121と蒸発槽122とは、導電線125によって形成されたコイルの内部に配置されている。
蒸発皿121と蒸発槽122とはステンレス鋼によって構成されており、導電線125に交流電流が流されると、電磁誘導による起電力が蒸発皿121の内部と蒸発槽122の内部とに発生し、蒸発槽122と蒸発皿121とのうち、導電線125に近い部分に電流が流れ、発熱する。
蒸発槽122の内部空間である蒸発空間127は真空雰囲気にされており、有機材料111は真空雰囲気中で発熱する蒸発皿121と蒸発槽122とで加熱され、蒸発又は昇華し、蒸気が生成される。
蒸発槽122には配管149が接続されており、蒸発槽122内で生成された蒸気は蒸発空間127に充満し、配管149を通って放出装置に移動する。放出装置は、成膜対象物が配置される真空槽の内部に設けられており、放出装置から真空槽の内部に蒸気が放出され、蒸気が成膜対象物の表面に到達すると、成膜対象物の表面に有機材料の薄膜が形成される。
蒸発皿に工夫が成された技術は、例えば下記文献に記載されている。
特開2010−159454号公報
しかしながら上記従来技術の成膜装置120では、有機材料111が蒸発した後の蒸発皿121の表面に、有機材料の焦げや蒸発残渣が発生し、また、焦げの発生により、生成する蒸気の純度が低下する問題がある。
そのため、蒸発皿121を交換するために、成膜装置120を停止させる必要が生じる場合があった。
本発明は、焦げや蒸発残渣のない蒸発装置と成膜装置を提供することにある。
焦げについては、蒸発皿121の面内で大きな温度分布が発生し、部分的に過熱されることが原因であると考えられる。
焦げを観察すると、焦げは蒸発皿121の表面で同心状に発生している。このことは、蒸発皿121の面内に生じた温度分布のために、有機材料111の蒸着面積が蒸発皿121より小さくなることにより、一定の成膜速度を得るためには有機材料111が過剰に加熱されるためだと考えられる。またステンレス鋼(430材)で構成された蒸発皿121の底面の加工痕の形状(同心円状)に焦げが発生しており、蒸発皿121の底面の凹凸が材料付着の足がかりになっていると考えられる。
そこで、ステンレス鋼を使用していた蒸発皿121の材料を変更し、又、表面に被膜を形成する比較実験を行ったところ、Cu材にNiメッキを施した蒸発皿が、焦げが無く、安定して蒸気を生成できることを見出した。
材料を銅(Cu材)にして均熱性を向上させたことと、Niメッキによって蒸発皿の表面が滑らかになったことが寄与している。また、蒸発皿を加熱するキャップの形状も、均熱性に寄与していると考えられる。
なお、銅は誘電加熱では加熱され難いが熱伝導率が高いので、誘電加熱されて発熱している部材(キャップや蒸着槽)からの熱伝導で蒸発皿が加熱されるようにすると、過熱部分を無くし、蒸発皿面内の温度分布を均一化させることができる。
本発明は、上記知見に基づいて創作されたものであり、従来技術の問題を解決するために、本発明は、蒸発槽と、前記蒸発槽の内部で底部に有機材料が配置される蒸発皿と、前記蒸発皿を昇温させる加熱装置と、を有する蒸発装置であって、前記蒸発皿は、前記蒸発槽と密着部材を介して密着して前記蒸発槽に形成された開口を塞いで前記蒸発槽に取り付けられ、前記蒸発皿は、前記蒸発皿の形状に成形されている蒸発皿本体と、前記蒸発皿本体上に形成され、前記蒸発皿本体とは異なる組成の平坦化膜とを有し、前記蒸発皿の前記蒸発槽内に露出される部分には、前記平坦化膜が配置された蒸発装置である。
本発明は蒸発装置であって、前記平坦化膜はNi被膜である蒸発装置である。
本発明は蒸発装置であって、前記蒸発皿本体は、銅で形成された蒸発装置である。
本発明は蒸発装置であって、前記蒸発皿は、前記底部の外周でキャップと螺合して前記キャップに接触され、前記キャップは前記蒸発槽と螺合して前記蒸発槽に接触され、前記蒸発皿は、前記キャップと螺合した部分での、前記キャップから前記底部への熱伝導によって昇温するように構成され、前記Ni被膜が形成された部分には前記底部の表面が含まれており、前記底部の裏面には、前記キャップとの間の隙間が設けられた蒸発装置である。
本発明は蒸発装置であって、前記加熱装置は、前記蒸発槽と前記キャップに誘導電流を流し、発熱させる蒸発装置である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された放出装置とを有し、前記放出装置から有機材料の蒸気を放出させ、前記真空槽内に搬入された成膜対象物の表面に薄膜を形成する成膜装置であって、前記放出装置は、上記いずれかの蒸発装置を有し、前記放出装置は、前記蒸発装置に接続された成膜装置である。
焦げがなく、生成する蒸気の中に変質したガスが含まれないので、高純度の有機薄膜を形成することができる。
また、蒸発皿に対する焦げが解消されたので、蒸発皿の交換頻度が減少する。
本発明の蒸発装置と成膜装置 成膜装置中の蒸発装置の部分の拡大図 蒸発装置中の蒸発皿とキャップの拡大図 従来技術の蒸発装置
図1の符号10は本発明の成膜装置を示している。
この成膜装置10は真空槽11を有しており、真空槽11の内部には、本発明の蒸発装置12が配置されている。また、真空槽11の内部には、有機材料(有機化合物)の蒸気を生成する本発明の蒸発装置12に有機材料を供給する供給装置30と、蒸発装置12から蒸気が供給される蒸気放出装置50とが配置されている。符号13で示された蒸発装置については後述する。
供給装置30は、容器31と、供給筒体34とを有しており、符号36は、容器31に配置された有機材料である第一の材料を示している。
供給筒体34は、内部中空であり、供給筒体34の側面と容器31の側面とには、挿入孔が形成されている。
供給筒体34は、筒体の中心軸線が鉛直にされ、側面の挿入孔が連通するように、供給筒体34の側面が、容器31の側面に接触して配置されている。挿入孔の内部には、オーガ41が横設されており、オーガ41は、容器31の底面上から供給筒体34の内部に亘って位置している。
オーガ41は回転モータ32に接続されており、回転モータ32が動作すると、中心軸線を中心として、挿入孔の内部で回転する。
オーガ41の側面には、溝が螺旋状に形成されており、オーガ41の側面が、容器31の底面上で第一の材料36に接触した状態で回転すると、容器31に蓄積された第一の材料36のオーガ41と接触する部分は、溝の内部を通って供給筒体34側に移動する。
供給筒体34内の内部中空部分37には、回転軸42が挿入されており、供給筒体34の内周面と回転軸42の外周面との間には隙間が形成されている。昇降モータ47と回転モータ48とによって、回転軸42は、供給筒体34の中で、回転と昇降とが可能なように構成されている。
供給筒体34の下方には、筒状の断熱部35が配置され、断熱部35の下方には、蒸発槽22が配置されている。
蒸発槽22の上部には、貫通孔29が設けられており、蒸発槽22の内部空間である蒸発空間27は、貫通孔29と、断熱部35の内部中空部分45とを介して、供給筒体34の内部中空部分37に接続されている。
回転軸42は、下端に位置する栓部44を有しており、回転軸42は、断熱部35の内部空間と貫通孔29とを通って蒸発空間27内に下端が位置するように延びており、栓部44の下部は蒸発空間27内に位置し、上部の少なくとも一部は貫通孔29内に位置するようにされている。
ところで、真空槽11には、真空ポンプ8が接続されており、真空槽11の内部は真空排気されている。供給装置30と、蒸発装置12とは、真空槽11の内部に配置されており、供給装置30と蒸発装置12の内部も、真空ポンプ8によって真空排気され、蒸発槽22の内部空間である蒸発空間27は真空雰囲気にされている。
供給筒体34の内部中空部分37も真空雰囲気にされており、容器31側から供給筒体34側に移動し、内部中空部分37に到達した第一の材料36は、真空雰囲気にされた内部中空部分37内を落下する。
回転軸42の外周には、回転軸42と一緒に回転する攪拌板43が設けられている。ここでは、攪拌板43は、断熱部35の内部中空部分45に配置され、回転されている。
攪拌板43の表面は、傾斜して回転軸42に取り付けられており、落下して断熱部35内に入った第一の材料36が攪拌板43の傾斜した表面と衝突すると、第一の材料36は回転軸42の周囲に散布された状態で落下するようになる。
栓部44の外径は、下方の方が上方よりも大径の円錐台形状である。
貫通孔29は円形であり、栓部44の底面の直径は、貫通孔29の直径よりも大径にされており、昇降モータ47によって回転軸42が上方に移動することで栓部44が上方に移動すると、貫通孔29の開口周囲と栓部44の外周面とが密着し、貫通孔29が閉塞される。
その状態から回転軸42と栓部44とが下方に移動し、貫通孔29の開口周囲から栓部44が離間すると、貫通孔29は開栓され、内部中空部分37、45と貫通孔29とを落下した第一の材料36は、貫通孔29を通過して、蒸発槽22の蒸発空間27に入る。
蒸発装置12の拡大図を、図2に示す。
蒸発槽22の底部には開口20が形成されており、蒸発槽22よりも下方から見ると、開口20にはキャップ21が被せられている。
キャップ21の拡大図を図3に示す。
キャップ21は、有底の円筒形状であり、筒形状の取付部64と、筒形状の取付部64の底面となる板状の底面部68とを有しており、底面部68は、筒形状の取付部64の一端を塞いでいることになる。
キャップ21の底面部68の上には、第一の材料36が配置される容器状の蒸発皿23が配置されている。
蒸発皿23は、蒸発皿23の形状に成形された蒸発皿本体19を有している。蒸発皿本体19は金属材料で形成されており、同じ金属材料から成る平板状の底部18と、底部18の周囲に設けられた環状の側壁部63と、底部18の下方の一部に設けられた脚部66とを有している。脚部66と、底部18と、側壁部63の金属材料は同一組成であり、単一金属であっても合金であってもよい。
キャップ21の取付部64の内周面と、蒸発皿23の少なくとも底部18の外周面とは円形であり、それぞれネジが設けられている。
取付部64の内周面と底部18の外周面とは、ねじ込み可能な等しい大きさにされており、蒸発皿23の側壁部63がキャップ21の取付部64に対して一方向に回転されてネジ込まれており、取付部64の内周面と底部18の外周面とが螺合して密着されて、キャップ21に取り付けられている。図3の符号Aが示す一点鎖線で囲んだ部分は、螺合して互いに密着された取付部64の内周面と底部18の外周面の部分を示している。
キャップ21の取付部64が発熱したときに、螺合した部分で、キャップ21から蒸発皿23に熱が伝達されるようになっている。
蒸発皿23がキャップ21に取り付けられた状態では、蒸発皿23は脚部66がキャップ21の底面部68上に乗せられ、蒸発皿23の底部18とキャップ21の底面部68とは接触しておらず、間に隙間67が設けられており、蒸発皿23の底部18は、外周でキャップ21と接触するが、隙間67により、底面の中央部分は接触しないようになっている。
蒸発皿23がキャップ21に対して反対方向に回転されると、蒸発皿23をキャップ21から分離させることができる。
次に、キャップ21の取付部64の外周面と、蒸発槽22の筒部分の内周面の下部とも円形であり、それぞれネジが設けられている。
取付部64の外周面と、蒸発槽22の内周面とは、ねじ込める程の等しい大きさであり、キャップ21に取り付けられた蒸発皿23を蒸発空間27に向けた状態で一方向に回転させると、キャップ21の取付部64を蒸発槽22の内周面の下部にねじ込むことができる。逆方向に回転させると、キャップ21及び蒸発皿23とを、蒸発槽22から取り外すことができる。
蒸発槽22は、環状のリング突起部61を有している。このリング突起部61は、蒸発槽22の内周面の、ネジが設けられた部分よりも上方位置に設けられており、蒸発槽22の内周面から、蒸発空間27に向けて突き出されている。
キャップ21を蒸発槽22にねじ込む際には、蒸発皿23の側壁部63の上部と、リング突起部61の底面とが対面するようになっており、従って、蒸発皿23の側壁部63の上部の上に環状の密着部材(ガスケット)62を乗せ、キャップ21に蒸発皿23を取り付けた状態で、キャップ21を一方向に回転させて蒸発槽22にねじ込むときには、回転に従って、側壁部63の上部とリング突起部61とが近づき、密着部材62が、側壁部63とリング突起部61とで挟まれ、側壁部63とリング突起部61とは密着部材62にそれぞれ接触する。
側壁部63とリング突起部61の、密着部材62に接触する部分には、凸部又は凹部が設けられており、密着部材62の、少なくとも、側壁部63に接触する部分とリング突起部61に接触する部分は、蒸発皿23や蒸発槽22が密着部材62に接触する部分の材料よりも軟質にされている。
ここでは、蒸発槽22とキャップ21の材料はステンレス鋼であり、密着部材62の少なくとも表面の材料は黒鉛である。
従って、更に回転させてねじ込むと密着部材62は側壁部63とリング突起部61とで挟まれて押圧され、変形し、その結果、側壁部63とリング突起部61との間は変形した密着部材62によって気密に密着する。
このとき、取付部64と蒸発槽22とは螺合し、キャップ21と蒸発皿23とが、蒸発槽22に取り付けられており、密着部材62の変形により、リング突起部61と蒸発槽22の筒部分との間は気密になっている。
また、側壁部63は、底部18に対して隙間無く気密に設けられており、リング突起部61と、蒸発皿23には貫通孔は形成されていないから、蒸発槽22の開口20は、蒸発皿23と密着部材62とによって蓋がされており、蒸発空間27に充満した蒸気が、開口20から、蒸発槽22の外部に漏出しないようにされている。
図3の符号Bが示す一点鎖線で囲んだ部分は、螺合して互いに密着された取付部64の外周面と蒸発槽22の筒部分の内周面の下部の部分を示している。底部18の上方の空間は、密着部材62によって囲われている。
図3の符号Cが示す一点鎖線で囲んだ部分は、密着部材62を挟んで密着した側壁部63とリング突起部61の部分である。
蒸発空間27には、蒸発槽22の内周面の他、栓部44の表面と、蒸発皿23の表面とが露出されている。
蒸発皿23は銅を材料として構成されており、底部18と側壁部63の蒸発空間27に対面する部分の表面には、蒸発皿本体19とは異なる組成の金属材料から成る平坦化膜17が形成されている。ここでは、平坦化膜17は、Ni被膜である。
従って、蒸発空間27には、蒸発皿23の銅材料は露出されずに、蒸発皿23の表面の平坦化膜17が露出するようにされており、キャップ21は全く露出しないようにされている。
蒸発空間27に入った第一の材料36は、蒸発皿23の平坦化膜17上に落下する。所望量が落下したところで、貫通孔29は閉栓される。
蒸発槽22の外部には、加熱装置26が配置されている。ここでは、蒸発槽22の外周は、導電線25が巻き回されており、蒸発槽22は、巻き回された導電線25によって形成されたコイルから成る加熱装置26の内部に配置されている。導電線25は、交流電源に接続されており、交流電源が起動して導電線25に交流電流が流されると、導電線25の近くに位置するステンレス鋼の内部に誘導起電力が発生し、誘導電流が流れて発熱する。
キャップ21は、蒸発槽22が位置する方向とは逆方向に延びる発熱部65を有している。発熱部65もステンレス鋼で構成されており、蒸発槽22の外周を巻き回した導電線25は、発熱部65の周囲にも巻き回されている。従って、導電線25に交流電流が流れると、蒸発槽22と発熱部65とに誘導電流が流れ、発熱する。
このように、加熱装置26は、少なくとも蒸発槽22と発熱部65とを発熱させると、蒸発装置12が昇温し、蒸発皿23の底部18には、底部18の外周で螺合している蒸発装置12の取付部64から熱が伝導される。
蒸発皿23は銅材料で構成されており、銅材料はステンレス鋼よりも熱伝導率が高いので、蒸発皿23の底部18は、外周からの熱伝導によって、ステンレス鋼の蒸発皿よりも、均一な温度分布で昇温する。
他方、蒸発皿23の底部18とキャップ21の底面部68との間の隙間67により、蒸発皿23の中央には熱は伝達されず、底部18は、外周部分から伝達される熱によって昇温するようになっている。従って、底部18の中央部分は、外周部分よりも高温にならない。
底部18が第一の材料36の蒸発温度(昇華温度を含む)以下の温度に昇温した状態で、第一の材料36が底部18上に落下して、第一の材料36が底部18上に所望量の散布がされた後、閉栓された状態で底部18からの熱伝導によって、第一の材料36が、その蒸発温度以上の温度に昇温すると、蒸発(昇華を含む)し、第一の材料36の蒸気が蒸発空間27に充満する。底部18は均一に加熱されているので、底部18上の第一の材料36に焦げが生じることはない。
このとき、底部18上の第一の材料36は、表面が平坦な平坦化膜17に接触されており、平坦化膜17の表面には、焦げの起点となる突起や突条は形成されていない。
従って底部18上には、残渣が残ることや、第一の材料36の蒸気が析出することがなく、底部18上には、第一の材料36の焦げが残ることはない。
蒸発槽22は、配管49によって蒸気放出装置50に接続されており、蒸発空間27に充満した蒸気は、配管49を通って蒸気放出装置50に移動し、真空槽11の内部に放出されると、成膜対象物2の表面に薄膜を形成することができる。
但し、ここでは、蒸気放出装置50の筺体54内には、第一の混合容器51aと、第二の混合容器51bとが配置されており、蒸発槽22は、配管49によって、第一の混合容器51aに接続されている。
第一、第二の混合容器51a、51bは、それぞれ円環状であり、第一の混合容器51aの内側に、第二の混合容器51bが配置されている。
また、上述した蒸発装置12を第一の蒸発装置と呼び、蒸発槽22を第一の蒸発槽と呼ぶとすると、真空槽11の中には、第二の蒸発装置13が配置されており、第二の蒸発装置13は、第二の蒸発槽82を有している。
第二の蒸発槽82の内部には、るつぼ81が配置されている。符号83は、るつぼ81に配置された第二の材料を示している。第二の材料83も有機材料である。
第二の混合容器51bは、配管89によって、第二の蒸発槽82に接続されている。
第二の蒸発槽82の外周には、導電線85が巻き回されており、導電線85に交流電流を流して、第二の蒸発槽82に誘導電流を流して発熱させると、第二の材料83が昇温し、第二の蒸発槽82の内部で第二の材料83の蒸気が生成される。
第一、第二の蒸発槽22、82の内部で生成された蒸気は、それぞれ配管49、89を通って、第一、第二の混合容器51a、51bに移動する。
第一、第二の混合容器51a、51bの内部空間53a、53bには、複数の分散板52a、52bがそれぞれ配置されており、第一、第二の混合容器51a、51bに移動した蒸気は、複数の分散板52a、52bによって第一、第二の混合容器51a、51bの内部空間53a、53bで拡散され、第一、第二の混合容器51a、51bに設けられた第一、第二の放出部54a、54bから、筺体54の外部であって、真空槽11の内部に放出される。
筺体54には、発熱線58が設けられており、通電された発熱線58によって加熱され、筺体54は、第一、第二の材料36、83の蒸発温度以上の温度に昇温されており、筺体54に、蒸気が析出しないようになっている。
第一、第二の放出部54a、54bから別々に放出された第一、第二の材料36、83の蒸気は、筺体54の外部で混合され、その状態で、成膜対象物2に到達すると、第一、第二の材料36、83が混合された有機薄膜が形成される。
なお、容器31に配置された第一の材料36から蒸発槽22の内部には、第一の材料36は、一枚の成膜対象物に薄膜を形成する量が、一枚の成膜対象物毎に供給される。容器31は断熱部35によって蒸発槽22から断熱されており、加熱装置26によって蒸発槽22が加熱されたときに、蒸発槽22の発熱が容器31には伝達されず、容器31内に配置された第一の材料36は熱による劣化が無いようにされている。従って、第一の材料36には、熱による変質が発生しやすい有機化合物でも用いることができる。
他方、第二の材料83は、複数の成膜対象物に成膜可能な量がるつぼ81に配置されており、装置構造が簡単で、長時間蒸気を発生し易くなっているが、昇温した後の時間が長いので、第二の材料83には、熱による変質が発生しにくい有機材料を用いることが出来る。
蒸気放出装置50に到達した第一、第二の材料36、83の蒸気は、蒸気放出装置50から真空槽11の内部に放出される。
一枚の成膜対象物2の表面に所定膜厚の薄膜が形成されると、未成膜の成膜対象物が蒸気の到達位置に配置され、有機薄膜の形成が行われる。成膜対象物は、静止して有機薄膜を成長させてもよいし、移動しながら有機薄膜を成長させるようにしてもよい。
なお、蒸発装置12の蒸発空間27に露出する部分は、加熱装置26により、第一の材料36の蒸発温度以上の温度に昇温され、第一の材料36が析出しないようにされているが、導電線25は、キャップ21よりも栓部44に近い位置では粗に巻かれ、栓部44よりもキャップ21に近い部分では密に巻かれ、導電線25の各部分には、同じ大きさの電流が流れるようにされているから、キャップ21の温度が栓部44に近い部分の蒸発槽22の温度よりも高温になり、蒸発皿23上の第一の材料36が蒸発し易いようになっている。
なお、キャップ21の底面部68には、孔69が設けられ、隙間67と蒸発槽22の周囲の雰囲気とは、孔69によって繋がっている。
また、蒸発皿23とキャップ21の間の隙間67や、キャップ21と蒸発槽22との間の隙間72は、キャップ21に設けられた孔(不図示)によって、蒸発槽22の周囲の雰囲気に接続されており、真空槽11の内部が真空排気されると、隙間67、71、72も真空排気されるようになっている。
なお、理論的には、銅よりも熱伝導率が高い銀やダイヤモンドも、表面に平坦化膜を形成した蒸発皿として用いることができる。
上記平坦化膜17は、電解メッキ法によって形成してもよいし、スパッタリング等の真空成膜法によって形成してもよい。
10……成膜装置
11……真空槽
12……蒸発装置
21……キャップ
23……蒸発皿
22……蒸発槽
17……平坦化膜
26……加熱装置
62……密着部材
20……開口
30……供給装置

Claims (6)

  1. 蒸発槽と、
    前記蒸発槽の内部で底部に有機材料が配置される蒸発皿と、
    前記蒸発皿を昇温させる加熱装置と、
    を有する蒸発装置であって、
    前記蒸発皿は、前記蒸発槽と密着部材を介して密着して前記蒸発槽に形成された開口を塞いで前記蒸発槽に取り付けられ、
    前記蒸発皿は、前記蒸発皿の形状に成形されている蒸発皿本体と、前記蒸発皿本体上に形成され、前記蒸発皿本体とは異なる組成の平坦化膜とを有し、
    前記蒸発皿の前記蒸発槽内に露出される部分には、前記平坦化膜が配置された蒸発装置。
  2. 前記平坦化膜はNi被膜である請求項1記載の蒸発装置。
  3. 前記蒸発皿本体は、銅で形成された請求項2記載の蒸発装置。
  4. 前記蒸発皿は、前記底部の外周でキャップと螺合して前記キャップに接触され、
    前記キャップは前記蒸発槽と螺合して前記蒸発槽に接触され、
    前記蒸発皿は、前記キャップと螺合した部分での、前記キャップから前記底部への熱伝導によって昇温するように構成され、
    前記平坦化膜が形成された部分には前記底部の表面が含まれており、
    前記底部の裏面には、前記キャップとの間の隙間が設けられた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸発装置。
  5. 前記加熱装置は、前記蒸発槽と前記キャップに誘導電流を流し、発熱させる請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の蒸発装置。
  6. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置された放出装置とを有し、
    前記放出装置から有機材料の蒸気を放出させ、前記真空槽内に搬入された成膜対象物の表面に薄膜を形成する成膜装置であって、
    前記放出装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された蒸発装置を有し、
    前記放出装置は、前記蒸発装置に接続された成膜装置。
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