本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の説明では、図1の右下側、左上側、左下側、右上側、上側、下側を、それぞれテープ印字装置1及びテープカセット30の前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。なお、テープ印字装置1及びテープカセット30の前後左右上下の方向は、便宜上定義されたものであり、テープ印字装置1及びテープカセット30は、必ずしも、図1に示すように上側が上方を向いた姿勢にあるとは限らない。
本実施形態では、テープカセット30に収納される各種テープ(例えば、感熱紙テープ、後述する印字テープ57、両面粘着テープ、チューブテープ、フィルムテープ)を、総称してテープという。テープカセット30に収納されるテープの種類(例えば、テープ幅、印字態様、テープの色、文字色など)を、総称してテープ種類という。
テープ印字装置1について説明する。図2において、カセット装着部8に装着されているテープカセット30は、上ケース311が取り外された状態である。テープ印字装置1は、1台でサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等、各種のテープカセットが使用可能な汎用のテープ印字装置である。サーマルタイプのテープカセットは、感熱紙テープを備えている。レセプタタイプのテープカセットは、印字テープとインクリボンとを備えている。ラミネートタイプのテープカセットは、両面粘着テープとフィルムテープとインクリボンとを備えている。チューブタイプのテープカセットは、熱収縮可能なチューブテープとインクリボンとを備えている。
図1に示すように、テープ印字装置1は、略直方体形状の本体カバー2を備えている。本体カバー2は、本体カバー2の上部を形成する上カバー201と下部を形成する下カバー202とを含む。上カバー201は、カセットカバー6(後述)が開かれた場合におけるテープ印字装置1の上部、及びテープ印字装置1の側面の外装壁を形成する。下カバー202は、テープ印字装置1の底面及び側面の外装壁を形成する。本体カバー2の前面には、テープ印字装置1の電源スイッチ等、テープ印字装置1を操作するための3つのスイッチ3が配置されている。テープ印字装置1の右面には、USB(Universal Serial Bus)ジャック(図示外)等が設けられている。テープ印字装置1は、USBジャックに接続されたUSBケーブル(図示外)等を介してパーソナルコンピュータ(図示外。以下、PCという。)に接続される。テープ印字装置1はPCから送信されるキャラクタ(文字、数字、図形等)のデータに基づいて、テープにキャラクタの印字を行う。
テープ印字装置1の上面には、テープカセット30の交換時に開閉されるカセットカバー6が設けられている。カセットカバー6は、平面視略長方形状の蓋部である。カセットカバー6は、本体カバー2の背面上方の左右両端部で軸支され、閉鎖位置(図示外)と、図1に示す開放位置との間で回動可能である。本体カバー2には、テープカセット30を着脱可能な領域であるカセット装着部8が設けられている。カセット装着部8を形成する壁部は、上カバー201の一部である。カセット装着部8は、カセットカバー6が閉鎖位置にあるときに被覆され、カセットカバー6が開放位置にあるときに露出する。本体カバー2の左側面には、排出部111が設けられている。排出部111は、印字済みのテープをカセット装着部8から排出される部位である。
テープ印字装置1の後部には、電池ケース5が配置されている(図6参照)。電池ケース5は、上カバー201と下カバー202との間に挟まれ、支持される。電池ケース5、上カバー201、及び下カバー202は何れも合成樹脂からなり、金型を用いた射出成型により形成される。電池ケース5は、6つの電池を収納可能である。
カセットカバー6下の本体カバー2の構造について説明する。カセット装着部8は、キャビティ801を含む。キャビティ801は、カセットケース31の底面302の形状と略対応するように凹設された凹部である。図1及び図2に示すように、カセット装着部8の前部には、ヘッドホルダ74が立設されている。ヘッドホルダ74は、左右方向に延びる1枚の板状部材で形成されている。ヘッドホルダ74の前面には、発熱体(図示せず)を備えるサーマルヘッド10(図2参照)が設けられている。ヘッドホルダ74の後方には、リボン巻取軸95が立設されている。リボン巻取軸95は、テープカセット30のリボン巻取スプール44(図1参照)に着脱可能な軸体である。ヘッドホルダ74の左方には、テープ駆動軸100が立設されている。テープ駆動軸100は、テープカセット30のテープ駆動ローラ46(図1参照)に着脱可能な軸体である。テープ駆動軸100の右後方には、補助軸110が立設されている。補助軸110は、テープカセット30の第一テープ支持孔65(図1参照)に着脱可能な軸体である。カセット装着部8の右後部には、ガイド軸120が立設されている。ガイド軸120は、テープカセット30のガイド孔47(図2参照)に着脱可能な軸体である。カセット装着部8の下側には、ステッピングモータであるテープ駆動モータ711(図4参照)が配置されている。リボン巻取軸95及びテープ駆動ローラ46は、複数のギアを介してテープ駆動モータ711に接続されており、テープ駆動モータ711の駆動に伴って回転する。この場合、テープカセット30内のテープが搬送されながら、サーマルヘッド10によって印字が行われ、排出部111から印字済みのテープが排出される。
ヘッドホルダ74の前側には、左右方向に延びるアーム状のプラテンホルダ12が配置されている。プラテンホルダ12は、軸支部121を中心に揺動可能に軸支されている。プラテンホルダ12の左端部には、プラテンローラ15及び可動搬送ローラ14が回転可能に軸支されている。プラテンローラ15は、サーマルヘッド10に相対して、サーマルヘッド10と接離可能である。可動搬送ローラ14は、テープ駆動軸100に装着されているテープ駆動ローラ46に相対して、テープ駆動ローラ46と接離可能である。カセットカバー6が閉鎖されるとプラテンホルダ12が印字位置に向けて移動する。印字位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8に近接する。具体的には、レセプタタイプのテープカセット30がカセット装着部8に装着されている場合、プラテンローラ15が印字テープ57とインクリボン60とを介してサーマルヘッド10を押圧する。同時に、可動搬送ローラ14が印字テープ57を介してテープ駆動ローラ46を押圧する。印字位置では、テープ印字装置1がカセット装着部8に装着されているテープカセット30を使用して印字を行うことが可能である。
排出部111(図1参照)の右側には、切断機構80の切断刃81が設けられている(図7参照)。切断刃81は、印字済みのテープを所定位置で切断する。切断機構80の詳細については後述する。なお、排出部111は、上カバー201の左外装壁204が右側に凹むことによって形成されている。左外装壁204のうち、排出部111を形成する壁部114の右端部には、右側面視で矩形状の開口部112が形成されている(図8参照)。切断刃81によって切断されたテープは、開口部112を介して排出部111から排出される。
図1及び図2を参照して、テープカセット30について説明する。テープカセット30は、内部に収納されるテープの種類、及び、インクリボンの有無などを適宜変更することによって、前述のサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等に実装可能な汎用カセットである。図2では、一例として、レセプタタイプに実装されたテープカセット30を示している。
図1に示すように、テープカセット30は、その筐体であるカセットケース31を備えている。カセットケース31は、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略長方体状(箱型)である。カセットケース31は、上ケース311と下ケース312とを含む。下ケース312は、カセットケース31の底面を含む。上ケース311は、カセットケース31の上面を含み、下ケース312の上部に固定される。カセットケース31の左前部の角部324には、テープカセット30から排出されるテープを案内する排出案内部49が設けられている。
カセットケース31には、カセットケース31内に装着されるスプール類を回転可能に支持するための4つの支持孔65〜68が設けられている。以下の説明では、カセットケース31の左側後部、右側後部、右側前部に設けられた孔部を、それぞれ、第一テープ支持孔65、第二テープ支持孔66、リボン支持孔67という。平面視で第一テープ支持孔65とリボン支持孔67との間に設けられた孔部を、巻取スプール支持孔68という。
第一テープ支持孔65は、第一テープスプール40(図2参照)を回転可能に支持する。リボン支持孔67は、リボンスプール42(図2参照)を回転可能に支持する。巻取スプール支持孔68は、リボン巻取スプール44を回転可能に支持する。図2に示すように、レセプタタイプのテープカセット30の場合、第一テープスプール40には、印字テープ57が巻回される。印字テープ57は、第一テープスプール40から引き出され、排出部111に向けて案内される。リボンスプール42には、インクリボン60が巻回される。リボン巻取スプール44は、印字に使用された後のインクリボン60を巻き取る。図示しないが、例えば、カセットケース31がラミネートカセットに実装される場合、第二テープ支持孔66は、印字媒体であるフィルムテープが巻回された第二テープスプールを回転可能に支持する。
図3〜図5を参照して、ユニット70について説明する。ユニット70は、第一フレーム701、第二フレーム702、印字機構71、及び切断機構80、センサ931等を備えている。印字機構71は、カセット装着部8から供給されるテープに、PC(図示外)から送信されるデータに基づいて印字動作を実行する。第一フレーム701は、前後左右に延びる板状の金属フレームであり、カセット装着部8の下側に配置される。印字機構71は第一フレーム701に配置されている。印字機構71は、ヘッドホルダ74、サーマルヘッド10(図2参照)、プラテンホルダ12、プラテンローラ15、可動搬送ローラ14、リボン巻取軸95、テープ駆動軸100、テープ駆動モータ711、ギア715〜ギア723等を含む。なお、図3及び図4においては、図2に示すプラテンホルダ12の外装の図示は省略している。
プラテンホルダ12の軸支部121の下端部は、第一フレーム701の右前部に軸支されている。図4に示すように、第一フレーム701の下側にはテープ駆動モータ711が配置されている。図3に示すように、テープ駆動モータ711の駆動軸713は、第一フレーム701に設けられた孔(図示略)を介して第一フレーム701の上側に突出している。駆動軸713における第一フレーム701の上側の部位には、ギア715が固着されている。ギア715は、ギア716と噛み合う。ギア717は、ギア716及びギア718と噛み合う。ギア719は、ギア718、ギア720、及びギア721に噛み合う。リボン巻取軸95は、ギア717の上面に立設されている。テープ駆動軸100は、ギア720の上面に立設されている。
プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動すると、プラテンローラ15の下側に設けられたギア722がギア721と噛み合い、可動搬送ローラ14の下側に設けられたギア723がギア720と噛み合う。
テープ駆動モータ711が駆動すると、ギア715〜723を介してプラテンローラ15、可動搬送ローラ14、リボン巻取軸95、及びテープ駆動軸100が回転し、テープカセット30内の印字テープ57及びインクリボン60を搬送する。同時に、サーマルヘッド10によってインクリボン60を使用した印字が実行される。
図3〜図5を参照して、切断機構80について説明する。切断機構80は、印字済みのテープを所定の長さで切断し、ラベルを生成するよう構成されたヒンジ式の切断機構である。所定の長さは、例えば、PCから送信されるデータによって規定される。第一フレーム701の左端部の底面には、第二フレーム702がねじ止めされている。第二フレーム702は、第一フレーム701の底面から下方に延び、その下端から左方に延び、左端から上方に延びる。第二フレーム702の左側の壁部を支持板84という。
切断機構80は、切断刃81、ヒンジ部83、及びモータ90を備える。切断刃81は、固定刃811と可動刃812とを備えている。図5に示すように、固定刃811は、上下方向に伸び、前側に刃部85を有する。可動刃812は、左側面視略V字状をなし、刃部86、柄部87、屈曲部88、及び伝達部89を備える。刃部86は、柄部87の後側に形成され、固定刃811の刃部85に対向している。屈曲部88は、柄部87と、伝達部89とを連結する屈曲した部位である。屈曲部88には、ヒンジ部83が設けられている。可動刃812は、ヒンジ部83を支点として回動可能なように支持板84に支持されている。モータ90は、支持板84の左面に固定されている。モータ90の外装は、金属製のモータフレーム901である。モータ90の駆動軸(図示略)は、支持板84に設けられた孔部を介して支持板84の右側に突出している。モータ90の駆動力は、支持板84の右面に設けられたギヤ部(図示略)を介して可動刃812の伝達部89に伝達され、可動刃812を回転駆動させる。可動刃812の回転駆動によって、刃部85と、刃部86との間で挟まれたテープが切断される。
支持板84の左面の上後部には、センサ931が設けられている。センサ931は、前斜め上方に延びる棒状の端子932を備えている。端子932の先端は、搖動部材935の後端に当接している。図示しないが、搖動部材935の後端は、可動刃812が移動することで切断刃81が開いた場合に上方に揺動し、切断刃81が閉じた場合に下方に揺動する。端子932は、常に上方に付勢されており、搖動部材935の後端の搖動に伴って上下に回動する。センサ931は、端子932の回動に応じた電圧値を、ハーネス92(後述)を介して、電気基板91(後述)に実装されたCPU(図示外)に出力する。CPUは、センサ931の出力値に基づいて、切断刃81の開閉状態を検出する。
図6は、下カバー202を取り外した状態のテープ印字装置1である。図6に示すように、上カバー201の内側には、ユニット70と電気基板91とが配置されている。ユニット70は、上カバー201に対してねじ止めされる。図7に示すように、ユニット70は、左右方向において上カバー201の左端部から中央部の右側の範囲の配置される。図6に示すように、電気基板91は、上下方向においてユニット70の第一フレーム701より下側に位置している。電気基板91は、第一部位911及び第二部位912を備えている。第一部位911は、上カバー201の左前部から右方に延びる部位である。第二部位912は、第一部位911の右部から後方に延びる部位である。テープ駆動モータ711は、第一部位911の後側、且つ、第二部位912の左側に位置する。
第一部位911の左端部には、コネクタ93が設けらている。コネクタ93には、ハーネス92が接続されている。ハーネス92は、後述するリブ51,52,54に支持され、テープ印字装置1の左端部を下方に延びる。ハーネス92の後側の端部は、センサ931に接続されている。これによって、電気基板91に実装されたCPU(図示外)とセンサ931とが電気的に接続される。
図8に示すように、上カバー201は、左外装壁204、複数のリブ51,52,53,54を備えている。左外装壁204の左側の面である外面205は、テープ印字装置1の外装面を形成する。図7に示すように、ユニット70は、左外装壁204の右側の面である内面206の右方に配置される。このとき、ユニット70のモータ90のモータフレーム901の左端部は、内面206に対して左右方向に対向する。
複数のリブ51〜54は、夫々、内面206の右側に設けられ、内面206に沿って上下方向に延びる。複数のリブ51〜54は、夫々、内面206からユニット70に向けて右方向に突出している。リブ51〜54のうち、リブ51,52,54は、ハーネス92を支持するリブである(図6参照)。リブ53は、下カバー202の左外装壁208を支持するリブである(図11参照)。
リブ51は、排出部111を形成する壁部114の下側に設けられている。リブ51は、下端にハーネス支持部511を備えている。ハーネス支持部511は、リブ51の下端から上方に延びる2つのスリット512,513を含む。スリット512,513の少なくとも一方にハーネス92が配置されることで、ハーネス支持部511がハーネス92を支持する。
リブ52は、排出部111を形成する壁部114の後方に設けられている。リブ52は、モータ90のモータフレーム901に向かって内面206から右方に突出している。リブ52は、下端にハーネス支持部521を備えている。ハーネス支持部521は、リブ52の下端から上方に延びる1つのスリット522を含む。スリット522にハーネス92が配置されることで、ハーネス支持部521がハーネス92を支持する。
リブ53は、リブ52の後方に設けられている。リブ53は、モータ90のモータフレーム901に向かって内面206から右方に突出している。リブ53の下部には、リブ53が左方に向かって凹んだ凹部534が設けられている。リブ53は、下端に壁部支持部531を備えている。壁部支持部531の詳細については、後述する。
リブ54は、リブ53の後方に設けられている。リブ54は、下端にハーネス支持部541を備えている。ハーネス支持部541は、リブ54の下端から上方に延びる2つのスリット542,543を含む。スリット542,543の少なくとも一方にハーネス92が配置されることで、ハーネス支持部541がハーネス92を支持する。図6に示すように、本実施形態では、ハーネス92は、コネクタ93から、スリット512,522、凹部534の右側、及びスリット542を介してセンサ931に延びる。
図9に示すように、複数のリブ52,53の右端部は、モータフレーム901と離間している。複数のリブ52,53とモータフレーム901との間の距離は、夫々、同じ距離L1である。距離L1は、例えば、1.2mmである。
リブ53が備える壁部支持部531について説明する。図8及び図11に示すように、左外装壁204の下端部には、下方に突出する縁部207が設けられている。縁部207は、外面205の一部をなす。縁部207は、左外装壁204における縁部207より上側の部位より左右方向の厚みが小さい。リブ53の壁部支持部531は、下端の右部に、下方に突出する凸部535を備えている。凸部535と縁部207とは、左右方向に対向している。凸部535と縁部207とが設けられていることによって、左外装壁204とリブ53との間に凹部532が形成されている。
図10及び図11に示すように、下カバー202の左部には、上方に向かって湾曲した左外装壁208が設けられている。左外装壁208の上端部には、上方に突出する縁部209が設けられている。縁部209は、左外装壁208の右側の内面の一部をなす。縁部209は、左外装壁208における縁部209より下側の部位より左右方向の厚みが小さい。
図11に示すように、上カバー201及び下カバー202が互いに装着されると、上カバー201の左外装壁204が、下カバー202の左外装壁208と接続される。このとき、下カバー202の縁部209が、上カバー201の凹部532に嵌る。これによって、リブ54と縁部209とが、左外装壁208を支持する。
なお、上カバー201の右外装壁214側にも、凹部532と同様に、凹部565が形成されている。また、下カバー202の右外装壁218には、縁部209と同様に縁部210が形成されている。上カバー201及び下カバー202が互いに装着されると、下カバー202の縁部210が、上カバー201の凹部565に嵌る。なお、下カバー202が成形される場合、下カバー202に反りが発生する可能性があるが、左外装壁208と右外装壁218とが夫々凹部532,565に嵌って下カバー202が支持されることで、反りが解消される。
図7に示すように、ユニット70が上カバー201に装着された場合、ユニット70において、切断刃81は左外装壁204側である左側に位置する。図9に示すように、切断刃81は、左外装壁204の開口部112と左右方向に互いに対向する。切断刃81と開口部112との間の距離L2は、リブ52,53とモータフレーム901との間の距離L1以上である。図9に示す例では、距離L2は距離L1より大きい。
以上のように、本実施形態におけるテープ印字装置1が形成される。例えば、落下等によって、リブ52,53からモータフレーム901に向かう方向である右方向に衝撃が加えられた場合、例えば、ユニット70を支持する合成樹脂製の上カバー201の部位の撓み等によって、ユニット70は、上カバー201に対して左方向に移動する。このため、図12に示すように、リブ52,53とユニット70(より詳細には、モータフレーム901)とが当接する。この時、仮に、リブ52がハーネス支持部521を備えていない場合、ハーネス92がリブ52,53とユニット70との間に挟まり、ハーネス92が破損する可能性がある。しかし、本実施形態では、リブ52がハーネス支持部521を備えているので、外部から衝撃が加えられた場合でも、ハーネス92を支持することができる。このため、外部からの衝撃によってリブ52,53と、ユニット70との間にハーネス92が挟まってハーネス92が破損することを防止できる。
また、ユニット70が、複数のリブ52,53に当たるので、1つのリブ52に当たる場合に比べて、リブ52に加えられる衝撃が小さくなる。よって、リブ52にユニット70が当たった場合に、リブ52が破損しにくい。よって、ハーネス支持部521を有するリブ52が破損することに伴ってハーネス92が破損することを防止できる。
また、ハーネス支持部521を有するリブ52は、ユニット70が当たった場合に衝撃を吸収することができ、ハーネス92を支持することもできる。すなわち、衝撃吸収の機能とハーネス92の支持する機能との2つの機能を1つのリブ52が備えている。このため、衝撃を吸収するためのリブと、ハーネスを固定するための固定部とを別々に設ける場合に比べて、省スペース化することができ、ひいてはテープ印字装置1を小型化できる。
また、壁部支持部531を有するリブ53は、ユニット70が当たった場合に衝撃を吸収することができ、下カバー202の左外装壁208を支持することもできる。すなわち、衝撃吸収の機能と下カバー202の左外装壁208を支持する機能との2つの機能を1つのリブ53が備えている。このため、衝撃を吸収するためのリブと、左外装壁208を支持する支持部とを別々に設ける場合に比べて、省スペース化することができ、ひいてはテープ印字装置1を小型化できる。
また、複数のリブ52,53とモータフレーム901との間の距離は、夫々、同じ距離L1である。このため、外部からの衝撃を受けた場合に左方向に移動するユニット70は、リブ52,53に同時に当たる。よって、ユニット70からリブ52,53に加えられる衝撃が相互に緩和される。よって、リブ52,53が夫々破損する可能性を低減できる。
また、テープ印字装置1を小型化する場合、例えば、リブ52,53と、ユニット70とを近づける必要がある。仮に、リブ53が設けられていない場合、ユニット70は、1つのリブ52にのみ当たる。この場合、複数のリブ52,53にユニット70が当たる場合に比べてリブ52に加えられる衝撃が大きくなる。よって、リブ52が破損し、ひいてはハーネス92が破損する場合がある。リブ52の破損を防止するためには、ユニット70がリブ52に当たらないように、リブ52とユニット70との間の距離を大きくする必要がある。このため、テープ印字装置1が大型化してしまう。本実施形態では、複数のリブ52,53がユニット70に当たるので、リブ52が破損する可能性を低減できる。よって、複数のリブ52,53とユニット70との間の距離L1(図9参照)を小さくできる。このため、左外装壁204とユニット70との間の距離を小さくでき、テープ印字装置1を小型化することができる。すなわち、本実施形態では、テープ印字装置1に衝撃が加えられた場合に複数のリブ52,53がユニット70に当接する構成にすることによって、テープ印字装置1を小型化できたのである。
また、リブ52,53とユニット70とを近づけることができるので、左外装壁204の外面205とユニット70との間の距離小さくすることができる。この結果、外面205と切断刃81との間の距離L3(図9参照)が小さくなる。よって、外面205と開口部112との間に設けられる排出部111の左右方向の距離が短くなり、ユーザは、排出された印字済みの印字テープ57を排出部111から取り出し易くなる。
また、切断刃81と開口部112との間の距離L2は、リブ52,53とモータフレーム901との間の距離L1以上である。このため、衝撃等が加えられたことによってユニット70が左方向に移動した場合、モータフレーム901がリブ52,53に当たるため、切断刃81が開口部112に当たる可能性を低減できる。よって、切断刃81が開口部112に当たって、開口部112が破損する可能性を低減できる。
また、従来のリブは、外装ケースの内壁から突出する3つの突出壁部と、各突出壁部の突出端を夫々連結する連結壁部とによって、底面視で筒状になるように構成されていた。この場合、射出成型によって外装ケースとリブとを成形する時に、外装ケースと内側にある突出壁部と連結壁部との間の厚肉部が増え、収縮が大きくなり、外装ケースの外観にヒケが発生する恐れがある。本実施形態では、左外装壁204からリブ51〜54が一方向(右方向)に延び、リブ51〜54のユニット70側(右側)の端部が連結されていない。このため、リブ51〜54のユニット70側の端部が連結されている場合に比べて、厚肉部が少なくなり、収縮が生じ難い。よって、射出成型によって上カバー201とリブ51〜54とを成形する時に、ヒケが発生し難い。
上記実施形態において、外面205は本発明の「外装面」の一例である。内面206は本発明の「他の面」の一例である。モータフレーム901は本発明の「金属フレーム」の一例である。リブ52は本発明の「ハーネス支持リブ」の一例である。テープ印字装置1は本発明の「電気機器」に相当する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、排出部111は、左外装壁204が右側に凹むことによって形成され、排出部111の右端部に開口部112が形成されている。しかし、例えば、排出部111が設けられず、開口部112は、左外装壁204の外面205に形成されてもよい。
また、リブ52,53は金属製のモータフレーム901に当接していたが、これに限定されない。例えば、ユニット70の左端部に、金属製のフレームの面が設けられ、該フレームの面が、リブ51〜54に対向してもよい。この場合、衝撃によってユニット70が移動した場合に、リブ51〜54が該フレームの面に当接してもよい。また、リブ51〜54と該フレームとの間の距離は、夫々同じ距離であってもよい。本変形例の場合、リブ51,52,54が本発明の「ハーネス支持リブ」に相当する。
また、モータフレーム901に当接するのは、ハーネス支持部521を有する1つのリブ52と、壁部支持部531を有する1つのリブ53とであったが、これに限定されない。モータフレーム901に当接するのは、ハーネス支持部を有するリブが少なくとも1つあればよく、例えば、ハーネス支持部を有するリブが、モータフレーム901に当接してもよい。また、ハーネス支持部を有する複数のリブがモータフレーム901に当接する場合、壁部支持部531を有するリブ53が設けられなくてもよい。また、リブ53の他に、壁部支持部を有するリブが設けられ、モータフレーム901に当接してもよい。
本発明の電気機器は、テープ印字装置1であるが、他の電気機器でもよく、例えば、画像表示部を有する端末でもよい。この場合、例えば、リブ51〜54に相当するリブに対向するユニットは、画像表示のデバイスを支持する金属フレームであってもよい。このように、ユニット70は、切断機構80と印字機構71とを有するユニットに限られない。
また、複数のリブ52,53とモータフレーム901との間の距離は、夫々、同じ距離L1であるが、正確に同じ距離でなくてもよく、略同じ距離であればよい。また、例えば、ユニット70と当接するリブ52,53のうち、リブ52からモータフレーム901との間の距離が、ハーネス支持部521を有するリブ52以外のリブ53と、モータフレーム901との間の距離より長くてもよい。例えば、図13に示す変形例に係るテープ印字装置101のリブ53は、図9に示すテープ印字装置1のリブ53より、右方向に長い。このため、リブ52からモータフレーム901との間の距離L1が、リブ53と、モータフレーム901との間の距離L4より長くなっている。
図13に示す変形例の場合、衝撃を受けた場合に左方向に移動するユニット70は、リブ52より先に、リブ53に当たる。このため、ユニット70がハーネス支持部521を有するリブ52に当たる場合の衝撃が緩和される。よって、ハーネス支持部521を有するリブ52が破損し、ハーネス92が破損する可能性を低減できる。なお、リブ53は、ハーネス支持部を有するリブ以外のリブであればよく、例えば、ハーネス支持部及び壁部支持部531を有さないリブであってもよい。