JP2010238776A - 導線係止構造、表示装置及び樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】割型及び入れ子により成形されるリブによって導線が損傷しないようにすることができる導線係止構造、表示装置及び樹脂成形品の成形方法を提供する。
【解決手段】樹脂製の前キャビネットの一部に設けられている板状のリブ2に、該リブ2の頂面から基端側へ窪み、導線が嵌入される嵌入溝を設け、該嵌入溝の内面に、該嵌入溝の窪み方向に沿う溝22を設け、溝22に割型及び入れ子の型合わせ面が位置するようにリブ2を成形することができ、割型及び入れ子の型合わせ面にて生じる尖鋭縁及びバリを溝22内に生じさせることができるようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は画像を表示する表示部等の導線接続部に接続される導線の中間を係止する導線係止構造、該導線係止構造を備える表示装置、プラズマ表示装置、SEDディスプレイ、ELディスプレイ等の表示装置及びリブを有する樹脂成形品の成形方法に関する。
液晶表示装置は、画像を表示する表示面を前側に有する表示部の後側に複数本のランプ及び該ランプを収容支持したケース体を有する光源部を配し、前記ケース体の後面に、各ランプに接続されたインバータ回路基板を取付け、該インバータ回路基板に複数本の導線が接続されており、該導線の中間を係止する導線係止構造を前記ケース体の一側部に設けられている(例えば、特許文献1参照)。導線係止構造は、ケース体と一体に成形されたリブと、該リブに開設された嵌入溝とを有し、該嵌入溝に導線の中間を嵌入することにより係止するように構成されている。
また、液晶テレビジョン等の表示装置は、前記光源部の外周り及び後側に、電源回路基板、信号処理回路基板、複数の操作スイッチを集約した操作回路基板、表示ランプ及びリモートコントロール用受光素子等を集約した表示回路基板等の多くの部品が配されている。これら部品のうち、操作回路基板及び表示回路基板は、前記表示部及び光源部を被覆し、外郭部品である樹脂製のキャビネットに取付けられることが多いため、換言すると、前記信号処理回路基板等の回路基板は前記表示部の後中央側に配され、前記操作回路基板及び表示回路基板は前記表示部の後周縁側に配され、前記後中央側の回路基板に対して比較的離隔するため、この後周縁側に配される操作回路基板及び表示回路基板と後中央側に配される回路基板とに接続される導線は比較的長い非直線経路に配されることになる。
また、樹脂成形品にリブを一体に成形する方法は、樹脂成形品に対応するキャビティを有する割型と、リブに対応するキャビティを有する入れ子との各キャビティに溶融樹脂材を供給することにより、嵌入溝を有するリブを前記樹脂成形品と一体に成形するように構成されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−350851号公報 特開平6−143333号公報
導線係止用のリブは、特許文献2に記載されているように割型と入れ子とを用いることにより簡易に形成することができる。
図15は従来の樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図、図16は成形されたリブの構成を示す斜視図である。図15に示すように割型100と入れ子101との合わせ面が板状リブ102の厚さ方向一縁にあるため、成形されたリブ102は、厚さ方向一縁102aが尖鋭となり、また、厚さ方向一縁102aにバリが発生し易くなる。
因って、リブ102の嵌入溝103に嵌入係止される導線が所定の非直線経路に配線される際に、該導線がリブ102の尖鋭縁、バリにて断線したりすることがある。
図17は従来の樹脂成形品の成形方法に使用される割型の構成を示す模式的説明図である。上述の課題をなくするには、リブ102に対応するキャビティ104を放電加工にて割型100に形成し、入れ子をなくすることが考えられる。しかし、この場合、放電加工によるキャビティ104の加工が難しく、また、放電加工により形成されたキャビティ104の表面を仕上げ加工する必要があるため、割型100のコスト、ひいては金型にて形成されるリブを有する樹脂成形品のコストが高くなり、さらなる改善策が要望されていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は割型及び入れ子により成形されるリブによって導線が損傷しないようにすることができる導線係止構造、表示装置及び樹脂成形品の成形方法を提供することにある。
本発明に係る導線係止構造は、樹脂成形品の一部に設けられているリブに、導線が嵌入されるリブ横断方向の嵌入溝を設けてある導線係止構造において、前記嵌入溝は、該嵌入溝の窪み方向に沿う溝を有することを特徴とする。
この発明にあっては、割型及び入れ子にて樹脂成形品と一体のリブが成形される場合、リブにおける嵌入溝の溝に割型及び入れ子の型合わせ面が位置するようにリブを成形することができるため、割型及び入れ子の型合わせ面にて生じる尖鋭縁及びバリを前記溝内に生じさせることができる。因って、所定の経路に配される導線がリブの嵌入溝に嵌入される際、導線がリブにて損傷するのをなくすることができる。
また、本発明に係る導線係止構造は、前記リブの頂面に、前記溝に連なる第2の溝を有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、所定の経路に配される導線が嵌入溝に嵌入される際、リブの外縁に接触しても、導線が損傷するのをなくすることができる。
また、本発明に係る導線係止構造は、前記溝は断面略V字形をなしている構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、割型及び入れ子にて樹脂成形品と一体にリブが成形されるとき、断面略V字形をなすキャビティに沿って溶融樹脂材を導くことができるため、リブの先端まで溶融樹脂材を行き渡らせることができ、定形のリブを得ることができる。
また、本発明に係る表示装置は、一側に表示面を有し、他側に導線接続部を有する表示部と、前記導線接続部に接続される導線と、前記表示部の他側を隠蔽するキャビネットと、前述した発明の導線係止構造とを備えることを特徴とする。
この発明にあっては、表示部の周縁側に配される部品と表示部の後中央側に配される部品との離隔距離が比較的長く、導線が非直線経路に配される場合であっても、この非直線経路に導線を配する際、導線がリブにて損傷するのをなくすることができる。
また、本発明に係る樹脂成形品の成形方法は、被嵌入物が嵌入される嵌入溝を有するリブが一部に設けられている樹脂成形品の成形方法において、前記樹脂成形品の一側部に対応する第1のキャビティを有する第1の割型と、前記樹脂成形品の他側部に対応する第2のキャビティ及び前記リブの一側部に対応する第3のキャビティを有し、且つ該第3のキャビティの前記嵌入溝に対応する縁に第1凸条を有する第2の割型と、前記リブの他側部に対応する第4のキャビティ及び該第4のキャビティの前記嵌入溝に対応する縁に第2凸条を有する入れ子とを用い、前記第1及び第2の割型と入れ子とを型合わせした後、前記各キャビティに溶融樹脂材を供給して前記嵌入溝の窪み方向に沿う溝を前記嵌入溝に有する樹脂成形品を成形することを特徴とする。
この発明にあっては、第3のキャビティの嵌入溝に対応する縁に第1凸条を有し、第4のキャビティの嵌入溝に対応する縁に第2凸条を有するため、第1及び第2の割型と入れ子とを型合わせした後、第1〜第4のキャビティに溶融樹脂材を供給することにより、嵌入溝の内面に、該嵌入溝の窪み方向に沿う溝を有し、該溝内に尖鋭縁、バリが生じ得るリブを樹脂成形品と一体に成形することができる。因って、リブによる導線の損傷をなくすることができる導線係止構造及び表示装置を簡易に得ることができる。
本発明によれば、割型及び入れ子にて樹脂成形品と一体のリブが成形される場合、リブにおける嵌入溝の溝に割型及び入れ子の型合わせ面が位置するようにリブを成形することができるため、割型及び入れ子の型合わせ面にて生じる尖鋭縁及びバリを前記溝内に生じさせることができる。因って、所定の経路に配される導線がリブの嵌入溝に嵌入される際、導線がリブにて損傷するのをなくすることができる。
本発明に係る導線係止構造の構成を示す斜視図である。 図1のII−II線拡大断面図である。 図1のIII −III 線拡大断面図である。 図1のIV−IV線拡大断面図である。 本発明に係る樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図である。 本発明に係る成形方法の割型と入れ子との型合わせ部の拡大断面図である。 本発明に係る表示装置の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。 本発明に係る表示装置の構成を示す一部を省略した背面図である。 本発明に係る表示装置の前キャビネットの構成を示す背面側の斜視図である。 本発明に係る表示装置の前キャビネットのリブ部分の構成を示す拡大斜視図である。 本発明に係る導線係止構造の他の構成を示す縦断側面図である。 本発明に係る導線係止構造の他の構成を示す横断平面図である。 本発明に係る樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図である。 本発明に係る成形方法の割型と入れ子との型合わせ部の拡大断面図である。 従来の樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図である。 従来の成形方法により成形されたリブの構成を示す斜視図である。 従来の樹脂成形品の成形方法に使用される割型の構成を示す模式的説明図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る導線係止構造の構成を示す斜視図、図2は図1のII−II線拡大断面図、図3は図1のIII −III 線拡大断面図、図4は図1のIV−IV線拡大断面図である。
図1〜図4に示す導線係止構造は、前側に表示面を有し略直方体をなす表示部の周縁部前側から周縁部を隠蔽する前キャビネット1と一体に成形される板状のリブ2を有し、該リブ2に、前記表示部に装着される部品と前キャビネット1に装着される部品とに接続される導線3の中間を嵌入係止する嵌入溝21が設けられている。
リブ2は基端から先端に亘って漸次小幅となる略台形をなし、幅方向中央部に、先端から基端側へ窪むリブ横断方向の嵌入溝21が設けられている。リブ2の嵌入溝21の内面には、該嵌入溝21の窪み方向に沿う溝22が設けられており、また、リブ2の頂面及び該頂面に連なる幅方向の両側面には溝22に連なる溝22が設けられている。また、リブ2の厚さ方向両面の基部には該リブ2を補強するための補強凸部23が設けられている。尚、リブ2の頂面及び両側面の溝22が第2の溝を構成している。
溝22は、リブ2の厚さ方向中央に、断面略V字形に形成されている。
図5は樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図、図6は割型と入れ子との型合わせ部の拡大断面図である。樹脂成形品を構成する前キャビネット1の成形方法は、前キャビネット1の表側部に対応する第1のキャビティ41aを有する第1の割型41と、前キャビネット1の裏側部に対応する第2のキャビティ42a及びリブ2の一面側部に対応する第3のキャビティ42bを有し、且つ第3のキャビティ42bの嵌入溝21に対応する縁に尖鋭の第1凸条42cを有する第2の割型42と、リブ2の他面側部に対応する第4のキャビティ43a及び第4のキャビティ43aの嵌入溝21に対応する縁に尖鋭の第2凸条43bを有し、第2の割型42に対して第1の割形41と離隔する方向(図5矢印X方向)への摺動が可能な入れ子43とを用い、図5に示すように第1及び第2の割型41,42と入れ子43とを型合わせした後、第1〜第4のキャビティ41a,42a,42b,43aに溶融樹脂材を供給することにより、第1及び第2のキャビティ41a,42aにて前キャビネット1を一体に形成し、第3及び第4のキャビティ42b,43aにてリブ2を前キャビネット1と一体に成形する。
第2の割型42の第1凸条42c及び入れ子43の第2凸条43bは尖鋭であり、第2の割型42と入れ子43とを型合わせしたとき、第1凸条42c及び第2凸条43bが合わさって断面略V字形をなす凸条となり、該凸条により、リブ2の嵌入溝21及びリブ2の頂面を含む周面に断面略V字形をなす溝22を成形する。
リブ2を成形するための第3及び第4のキャビティ42b,43aの嵌入溝21に対応する縁には第1凸条42c及び第2凸条43bがあり、該第1凸条42c及び第2凸条43bが合わさって断面略V字形をなす溝22をリブ2の嵌入溝21及びリブ2の頂面を含む周面に成形するため、第1凸条42c及び第2凸条43bの合わせ面間に尖鋭縁、バリが生じる場合でも、この尖鋭縁、バリをリブ2の溝22内に生じさせることができる。
以上のように成形されたリブ2を備える導線係止構造は、液晶テレビジョン等の薄型の表示装置に装着される。
図7は本発明に係る表示装置の構成を示す一部を省略した縦断側面図、図8は表示装置の構成を示す一部を省略した背面図、図9は前キャビネット1の構成を示す背面側の斜視図、図10は前キャビネット1のリブ2部分の構成を示す拡大斜視図である。
図7〜図10に示した薄型の表示装置は、前側にパネル部11を有し、後側に該パネル部11へ光を照射する光源部12を有し、略直方体をなす表示部10と、該表示部10の後側に配されている信号処理回路基板13及び電源回路基板14と、該信号処理回路基板13及び電源回路基板14等の部品に接続してある複数本の導線3の中間を固定する導線係止具15と、表示部10の周縁部前側及び周縁部を隠蔽する樹脂製の前キャビネット1と、表示部10の周縁部から後側を隠蔽する樹脂製の後キャビネット16とを備える液晶テレビジョンである。
パネル部11は、前側に表示面を有し略直方体をなすパネル11a、及び該パネル11aの後側に配された拡散板等の光学シート11bを備える。光源部12は、光学シート11bの後側に上下に離隔して並置され、該光学シー11b側へ光を照射する複数本のランプ12aと、該ランプ12aを収容して支持するケース体12bとを備え、該ケース体12bの後面にインバータ回路基板12cが装着されている。ランプ12aは両端部に電極を有する冷陰極管であり、ランプ12a夫々の端部の電極にインバータ回路基板12cが接続され、パルス幅変調信号により明るさが制御されるように構成されている。
ケース体12bは略直方体をなし、後面の一側部には、光源部12を駆動するインバータ回路基板12cが取付けられており、後面の下部で横方向中央部には、パネル部11の駆動及び制御を行う制御回路基板17が取付けられている。
信号処理回路基板13はパネル部11に表示する映像信号を処理させるもので、略四角形をなし、複数の電子部品及び導線接続部13aが実装されている。電源回路基板14は、信号処理回路基板13、インバータ回路基板12c及び制御回路基板17等の部品に電圧を供給するもので、複数の電子部品及び導線接続部が実装されている。
前キャビネット1は、パネル部11の周縁部前面に対向する環板部1a及びパネル部11の周縁に対向する角枠部1bを有し、環板部1aの一側部に、複数の操作スイッチを集約した操作回路基板18が装着され、環板部1aの下部に、表示ランプ及びリモートコントロール用受光素子等を集約した表示回路基板19が装着されており、また、環板部1aの下部に複数のリブ2が横方向に離隔して一体に成形されている。
後キャビネット16は深皿形をなし、該後キャビネット16及び前キャビネット1がケース体12bの周縁部にビス等の雄螺子により取付けられている。
導線3は、信号処理回路基板13と電源回路基板14とに接続された導線31、信号処理回路基板13と制御回路基板17とに接続された導線32、信号処理回路基板13とインバータ回路基板12cとに接続された導線33と、電源回路基板14と制御回路基板17とに接続された導線34、信号処理回路基板13と操作回路基板18とに接続された導線35、信号処理回路基板13の導線接続部13aと表示回路基板19とに接続された断面丸形をなす導線36等、太さ及び断面形状が異なる複数本の導線3を有する。各導線31〜36夫々の両端にコネクタが結合されており、このコネクタが各回路基板の導線接続部に接続されている。
以上のように構成された表示装置は、前キャビネット1における環板部1aの下部に、導線係止構造を構成する複数のリブ2が前述した成形方法により前キャビネット1と一体に成形されている。
リブ2は導線36が嵌入される嵌入溝21を有するため、該嵌入溝21へ導線36の中間を嵌入することにより、該導線36を簡易に係止することができる。リブ2の嵌入溝21及びリブ2の頂面を含む周面で、厚さ方向中央には溝22が設けられているため、第1凸条42c及び第2凸条43bの合わせ面間に尖鋭縁、バリが生じる場合でも、この尖鋭縁、バリをリブ2の溝22内に生じさせることができる。因って、非直線の経路に配される導線36がリブ2の嵌入溝21に嵌入される際、導線36が溝22内の尖鋭縁及びバリに接触するのをなくすることができ、尖鋭縁及びバリにて導線36が損傷するのをなくすることができる。
実施の形態2
図11は本発明に係る導線係止構造の他の構成を示す縦断側面図、図12は導線係止構造の他の構成を示す横断平面図、図13は樹脂成形品の成形方法を示す模式的説明図、図14は割型と入れ子との型合わせ部の拡大断面図である。
この導線係止構造は、リブ2の嵌入溝21及びリブ2の頂面を含む周面に断面略V字形をなす溝22を設ける代わりに、基端から先端に亘って漸次小幅となる略台形をなし、幅方向中央部に、先端から基端側へ窪む嵌入溝21が設けられているリブ2の嵌入溝21の内面に、該リブ2の厚さ方向に離隔して対向する対向面24a,24a及び対向面24a,24aに連なる連絡面24bを有する断面略凹形をなす溝24を嵌入溝21の深さ方向に沿って設け、リブ2の頂面及び該頂面に連なる幅方向の両側面に、溝24に連なる溝24を設けたものである。尚、リブ2の頂面及び両側面の溝24が第2の溝を構成している。
この実施の形態のリブ2の成形方法は、第1凸条42c及び第2凸条43bに代えて、第3のキャビティ42bの嵌入溝21に対応する縁と、第4のキャビティ43aの嵌入溝21に対応する縁とに、断面角形凸の第3凸条42d,43cを設けてあり、図13に示すように第1及び第2の割型41,42と入れ子43とを型合わせした後、第1〜第4のキャビティ41a,42a,42b,43aに溶融樹脂材を供給することにより、第1及び第2のキャビティ41a,42aにて前キャビネット1を一体に形成し、第3及び第4のキャビティ42b,43aにてリブ2を前キャビネット1と一体に成形する。
第2の割型42及び入れ子43の第3凸条42d,43cは断面角形凸であり、第2の割型42と入れ子43とを型合わせしたとき、第3凸条42d,43cが合わさって断面角形凸の凸条となり、該凸条により、リブ2の嵌入溝21及びリブ2の頂面を含む周面に断面角形凹の溝24を成形する。
リブ2を成形するための第3及び第4のキャビティ42b,43aの嵌入溝21に対応する縁には第3凸条42d,43cがあり、該第3凸条42d,43cが合わさって断面角形凹の溝24をリブ2の周面に成形するため、第3凸条42d,43cの合わせ面間に尖鋭縁、バリが生じる場合でも、この尖鋭縁、バリをリブ2の溝24内に生じさせることができる。
因って、非直線の経路に配される導線36がリブ2の嵌入溝21に嵌入される際、導線36が溝24内の尖鋭縁及びバリに接触するのをなくすることができ、尖鋭縁及びバリにて導線36が損傷するのをなくすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、以上説明した実施の形態では、リブ2の幅方向の両側面、頂面及び嵌入溝21の内面に、嵌入溝21の窪み方向に沿う溝22,24を設けたが、その他、溝22,24は嵌入溝21の内面にだけ設けてもよい。この構成においても、導線3がリブ2の嵌入溝21に嵌入される際、導線3が溝22,24内の尖鋭縁及びバリに接触するのをなくすることができ、尖鋭縁及びバリにて導線3が損傷するのをなくすることができる。
また、以上説明した実施の形態では、前キャビネット1が導線係止構造のリブ2を有する構成としたが、その他、導線係止構造のリブ2は後キャビネット16が備える構成としてもよく、導線係止構造を備える樹脂成形品はキャビネットに制限されない。
また、本発明に係る表示装置は液晶テレビジョン等の液晶表示装置である他、プラズマ表示装置、ELディスプレイ等の表示装置であってもよい。
1 前キャビネット(キャビネット、樹脂成形品)
2 リブ
21 嵌入溝
22,24 溝
3,36 導線
10 表示部
13a 導線接続部
41 第1の割型
41a 第1のキャビティ
42 第2の割型
42a 第2のキャビティ
42b 第3のキャビティ
42c 第1凸条
43 入れ子
43a 第4のキャビティ
43b 第2凸条

Claims (5)

  1. 樹脂成形品の一部に設けられているリブに、導線が嵌入されるリブ横断方向の嵌入溝を設けてある導線係止構造において、前記嵌入溝は、該嵌入溝の窪み方向に沿う溝を有することを特徴とする導線係止構造。
  2. 前記リブの頂面に、前記溝に連なる第2の溝を有する請求項1記載の導線係止構造。
  3. 前記溝は断面略V字形をなしている請求項1又は2記載の導線係止構造。
  4. 一側に表示面を有し、他側に導線接続部を有する表示部と、前記導線接続部に接続される導線と、前記表示部の他側を隠蔽するキャビネットと、請求項1から3のいずれか一つに記載の導線係止構造とを備えることを特徴とする表示装置。
  5. 被嵌入物が嵌入される嵌入溝を有するリブが一部に設けられている樹脂成形品の成形方法において、前記樹脂成形品の一側部に対応する第1のキャビティを有する第1の割型と、前記樹脂成形品の他側部に対応する第2のキャビティ及び前記リブの一側部に対応する第3のキャビティを有し、且つ該第3のキャビティの前記嵌入溝に対応する縁に第1凸条を有する第2の割型と、前記リブの他側部に対応する第4のキャビティ及び該第4のキャビティの前記嵌入溝に対応する縁に第2凸条を有する入れ子とを用い、前記第1及び第2の割型と入れ子とを型合わせした後、前記各キャビティに溶融樹脂材を供給して前記嵌入溝の窪み方向に沿う溝を前記嵌入溝に有する樹脂成形品を成形することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
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