JP6145818B2 - 照明システム - Google Patents

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Description

本発明は、照明光の配光及び波長成分を変化させる照明システムに関する。
従来から、舞台やスタジオ等では、舞台上の演者やセットといった視対象を目立たせるために、高出力の光を照射できるスポットライトやダウンライト等の照明装置を用いて視対象を照明する照明システムが用いられている。
しかしながら、高出力の照明光で照射された演者は、眩しさや熱線による暑さといった不快感を覚えることがある。特に、楽器や演劇の演者にとって、照明光による不快感は演奏等の妨げになる。そこで、光源から放射された赤外光をカットするフィルタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このフィルタを照明装置の光照射面に配置することにより、演者に照射される熱線を低減することができる。
特開2010―78714号公報
しかしながら、上記特許文献1の照明装置では、可視光そのものによる眩しさや煩わしさによる演者の不快感を低減することはできない。ところが、演者の不快感を低減するために、可視光の出力を低下させると、演者等が十分に照明されず、観客等に対する目立ち感が得られなくなる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、観客等に対する演者等の目立ち感を維持しつつ、照明光による演者の不快感を低減することができる照明システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、互いに異なる発光スペクトルを有する2種以上の光源と、前記光源の点灯状態を設定するための操作部と、前記操作部により設定された点灯状態が得られるように前記光源の出力を個別に制御する制御部と、を備えた照明システムであって、前記光源は、互いに照明光の目立ち指数FCIが異なる少なくとも2種の白色光源を含み、目立ち指数FCIが低い白色光源は、目立ち指数FCIが高い白色光源よりも、相対的に発光効率が高く、前記操作部は、前記制御部による照明光の複数の調光モードを切り替えるためのモード切替部を有し、前記複数の調光モードには、前記光源から照射される照明光による照度を変化させる第1調光モードと、前記光源から照射される照明光の目立ち指数FCIを変化させる第2調光モードと、を含み、前記制御部は、前記第1調光モードでは、前記操作部の操作に応じて相対的に目立ち指数FCIの低い白色光源の出力を変化させ、前記第2調光モードでは、前記操作部の操作に応じて相対的に目立ち指数FCIの低い白色光源と相対的に目立ち指数FCIの高い白色光源との出力比を変化させることを特徴とする。
上記照明装置において、前記操作部は、前記光源の点灯状態として、前記第1調光モードにおける照度の変化量、及び前記第2調光モードにおけるFCIの変化量を入力する入力部を更に有することが好ましい。
上記照明装置において、前記モード切替部は、ユーザの操作に応じて前記調光モードを切り替えることが好ましい。
上記照明装置において、照射対象を検知するセンサを更に備え、前記モード切替部は、前記センサの検知結果に応じて前記調光モードを切り替えることが好ましい。
本発明によれば、ユーザの操作により、又は自動的に調光モードを切り替え、目立ち感の高い照明光を用いることで、観客等に対する演者等の目立ち感を維持しつつ、照明光による演者の不快感を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る照明システムの構成図。 (a)乃至(e)は同照明システムのコントローラにおける操作手段のバリエーションを示す図。 同照明装置に用いられるLEDの側断面図。 同照明システムに用いられる光源の分光スペクトルを示す図。 同照明システムに用いられる電源ユニットの構成図。 同照明システムの動作フローを示す図。 同照明システムの各調光モードにおける照明光の分光スペクトルを示す図。 上記実施形態の変形例に係る照明システムの構成図。 同照明システムに用いられる光源の分光スペクトルを示す図。 同照明システムの各調光モードにおける照明光の分光スペクトルを示す図。 上記実施形態の別の変形例に係る照明システムの構成図。
本発明の一実施形態に係る照明システムについて、図1乃至図7を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る照明システム1は、光源2と、光源2による照明光の色温度を設定するためのコントローラ3(操作部)と、照明光がコントローラ3により設定された色温度となるように光源2の出力を個別に制御する制御部4と、を備える。光源2には、互いに異なる発光スペクトルを有する2種以上の固体発光素子(以下、LED)、図例では、光源2として3種のLED2a,2b,2cが用いられ、これらが灯具10に組み込まれている。ただし、光源の種類は3種に限られず、各種LEDが複数用いられてもよい。また、照明システム1は、各LED2a〜2cに所定の電力を供給する電源ユニット5を備える。電源ユニット5は、図示したように、それ自体が独立した構成であってもよいし、コントローラ3又は灯具10のいずれかに組み込まれていてもよい。
コントローラ3は、ハウジング30と、ユーザが照明光の色温度を設定するための円筒形のボリュームスイッチ31(入力部)と、照明システム1をオンオフするための電源スイッチ32と、を備える。ボリュームスイッチ31は、ハウジング30に対して回動自在に設けられており、ユーザが所望の色温度を設定することができる。電源スイッチ32は、タンブラスイッチ又は押釦スイッチ等から成り、交流電源ACから電源ユニット5への給電経路を開閉する。
また、コントローラ3は、照明システム1における調光モードを切り替えるためのモード切替スイッチ33a,33b(モード切替部)を備える。調光モードには、光源2から照射される照明光による照度を変化させる第1調光モードと、光源2から照射される照明光の目立ち指数FCIを変化させる第2調光モードと、が含まれる。ここでは、モード切替スイッチ33aが第1調光モードを選択するためのスイッチであり、モード切替スイッチ33bが第2調光モードを選択するためのスイッチである。なお、これらのスイッチは、電源スイッチ32と同様、タンブラスイッチ又は押釦スイッチ等から成る。
照明環境にある視対象物の色の鮮やかさは、視対象物から受ける目立ち感による影響を受けることが知られている。ところが、この目立ち感による影響は、従来の演色性の評価に一般的に用いられる平均演色評価数(Ra)では適切に評価できない。そこで、目立ち感の評価数である目立ち指数(FCI:Feeling of contrast index)を、Raと併せて用いることにより、光源の演色性を、多面的により適切に評価することができる(新編色彩科学ハンドブック[第3版]日本色彩学会編参照)。
FCIとは、光源の色再現の目立ちや鮮やかさの程度を表す指標であり、下記式(1)により定義される。
Figure 0006145818
LAB(T):テスト光源下での赤・青・緑・黄の4色配色サンプルのLAB表色系における色域面積
LAB(D65):基準光源D65下での同4色配色サンプルのLAB表色系における色域面積
すなわち、目立ち指数FCIは、上記式(1)により定義される値である。すなわち、FCIは、テスト光源下での赤・青・緑・黄の4色配色サンプルのLAB表色系における色域面積をGLAB(T)とし、基準光源D65下での同4色配色サンプルのLAB表色系における色域面積をGLAB(D65)としたとき、[GLAB(T)/GLAB(D65)]1.5×100で表される。FCIは、基準光源D65で100となり、このFCIが100より大きい光源は、基準光源D65よりも色を鮮やかに演色し空間を明るく感じさせる。
制御部4は、コントローラ3のハウジング30内に内蔵されており、ボリュームスイッチ31の操作によって設定された相関色温度から、直流電圧信号を生成する。
図1では、ユーザによる操作手段として回転式のボリュームスイッチ31を例示しているが、ユーザが所望の色温度を設定することができれば、操作手段は他の構成であってもよい。例えば、図2(a)に示すように、フェーダを縦方向にスライドさせるものでもよいし、図2(b)に示すように、高低ボタンを押すもの、図2(c)に示すように、所定の色温度に対応付けられた多段階のスイッチであってもよい。また、図2(d)に示すように、回転式ボリュームスイッチと多段スイッチとを組み合わせたものであってもよく、図2(e)に示すように、色温度の数値を入力するものであってもよい。更に、上述したボタンやフェーダがタッチパネル上に表示され、設定色温度に対応する色によって表現されていてもよい。その表示は、文字でもよいし、橙色や青色といったように、色彩であってもよい。更に、コントローラ3に上記の各スイッチの設定状態を表示する表示部(不図示)が設けられてもよく、この表示部には、数字や記号だけでなく、人や物の形状を模った図形が表示されてもよい。
図3に示すように、光源2(LED2a〜2c)は、断面矩形状の基材20と、基材20上に実装された発光部(LEDチップ)21と、LEDチップ21を取り囲む凹部を有する枠体22と、枠体22に充填される充填材23と、を備える。充填材23には、シリコン等が用いられ、LEDチップ21からの出射光の波長を変換する蛍光体24a,24bが含有される。なお、図例では、2種の蛍光体24a,24bが用いられた構成を示すが、蛍光体の種類は2種に限られず、光源2の出射光が後述する発光スペクトルとなるように適宜に調整される。
基材20の一側面にはカソード電極25が、他側面にはアノード電極26が設けられ、基材20の下面両端部に形成された外部接続電極27,28に夫々接続される。また、カソード電極25及びアノード電極26は、ワイヤ29によってLEDチップ21の各電極端子(不図示)に夫々接続される。枠体22の内周面は、光の導出方向に開口した円錐面として形成されており、円錐面の表面は光反射機能を有する。
LEDチップ21、特に、LED2aのものには、好ましくは、青色光を出射する青色LED素子が用いられ、蛍光体24a,24bの種類又は含有量を調整することによって、所望の色度の光を出射するLEDが得られる。図1に示した各LED2a,2b,2cの光色の色度座標が夫々(x,y),(x,y),(x,y)であり、各LED2a,2b,2cの光量が夫々Y,Y,Yであるとき、混色光である照明光の光色の色度座標(x,y)及び光量Yは、下記式(2)で表される。そして、LED2a,2b,2cの光量Y,Y,Yの比率を変化させることにより、混色光として得られる照明光の色度を変更することができる。
Figure 0006145818
なお、蛍光体24a,24bに加えて、又はそれに換えて所定の波長の光を選択的に透過させることによってLED2a〜2cの出射光の波長を変換するフィルタ(不図示)が用いられてもよい。このフィルタは、灯具10の保護カバー(不図示)に設けられたものであってもよい。また、LED2〜2cには、適宜に出射光の配光を制御するためのレンズ部材(不図示)が設けられ、上述した蛍光体24又はフィルタは、このレンズ部材に、又はLED2とレンズ部材との間に組み込まれていてもよい。
上記のようにして、LED2a〜2cは、互いに異なる発光スペクトルを有するように構成される。本実施形態では、LED2aには青色LEDチップとYAG系黄色蛍光体とを組み合わせたB−Y系の白色LEDが用いられ、LED2bには窒化ガリウム系の緑色LED、また、LED2cにはAlGaP系の赤色LEDが用いられる。図4は、これらLED2a〜2cの出射光の分光スペクトルを示す。LED2aは、青色LEDチップ自体の発光に起因する波長成分とYAG系蛍光体による変換光に起因する波長成分とか含まれる。本実施形態で用いられるLED2aの出射光によるFCIは108、相関色温度は3000Kであるとする。また、LED2b,2cは、各LED自体の発光に起因する緑色及び赤い色のピーク波長を夫々有する。本実施形態で用いられるLED2b,2cの混色光によるFCIは132、相関色温度は3000Kであるとする。
図5に示すように、電源ユニット5は、コントローラ3からの制御信号が入力される制御信号入力部51と、コントローラ3を通じて給電される交流電圧を所望の直流電圧に変換する交流/直流変換部52と、を備える。また、電源ユニット5は、各LED2a〜2c(図1参照)を駆動する第1〜第3LED駆動部53a〜53cと、制御信号入力部51に入力される制御信号を、第1〜第3LED駆動部53a〜53cに出力される駆動信号に変換する駆動信号変換部54と、を備えている。駆動信号変換部54は、オンデューティ比が可変である一定周期の矩形波信号からなる駆動信号を出力することにより、第1〜第3LED駆動部53a〜53cのスイッチング素子(不図示)をPWM(パルス幅変調)制御してLED2a〜2cへの給電量を調節する。
電源ユニット5では、コントローラ3の制御信号生成部から出力される制御信号が、制御信号入力部51によってオンデューティ比(色温度)に対応した電圧レベルの直流電圧信号に変換される。そして、この直流電圧信号が、駆動信号変換部54で第1〜第3LED駆動部53a〜53cに対する駆動信号に変換される。駆動信号変換部54は、マイコン及びメモリから構成される。このメモリには、直流電圧信号の信号レベル(色温度)、設定された色温度に対応する照明光の光色の色度座標(x,y)、この色度座標と対応する各LED2a〜2cの光量Y,Y,Yの比率、及びそれらの対応関係を表した変換テーブルが格納される。マイコンは、メモリに格納された変換テーブルに基づいて直流電圧信号を駆動信号に変換する。
上記のように構成された照明システム1の動作を、上述した図1に加えて図6及び図7を説明する。まず、ユーザが電源スイッチ32を押してシステムの電源をオンにすると、LED2aが点灯する(図6のS1)。ユーザが、目立ち指数FCIを変化させる場合(S2でYes)、モード切替スイッチ33a,33bのいずれかを押して、照明システム1の調光モードを選択する。例えば、ユーザがモード切替スイッチ33aを押して、第1調光モードを選択した後に、ボリュームスイッチ31を操作すると(S3)、制御部4は、その操作量に応じて、LED2aの出力の変化量を決定して(S4)、灯具10からの照明光の照度を変化させる。この第1調光モードでは、LED2aのみを点灯させるので、その照明光の分光スペクトルは、図7に示すように、青色LEDチップの出射光とYAG系蛍光体による変換光に起因する2つのピークが見られる。
また、ユーザがモード切替スイッチ33bを押して、第2調光モードを選択した後に、ボリュームスイッチ31を操作すると(図6のS3)、制御部4は、その操作量に応じて、設定FCIの変化量を決定する(S5)。そして、制御部4は、LED2a〜2cの総出力を変化させることなく、それらの混色光のFCIが設定されたFCIとなるように、LED2a〜2cの出力比を決定する(S6)。例えば、上述したように、LED2aの出射光のFCIが108であり、LED2b,2cの混色光のFCIが132であるとき、ボリュームスイッチ31が低FCIに設定されているときは、LED2aの出力を高く、LED2b,2cの出力を止め、ボリュームスイッチ31が高FCIに順次設定されると、その操作に応じて、LED2aの出力を低減し、LED2b,2cの出力を増加させる。こうすれば、照明光の出力を変化させることなく、FCIを108から132の範囲で制御することができる。この場合、低FCIから高FCIに変化させることで、照度を約1.2倍にする場合と同等の目立ち感増加効果が得られる。この第2調光モードでは、LED2a〜2cをFCIに応じて点灯させるので、その照明光の分光スペクトルでは、図7に示すように、白色LEDチップであるLED2aの出射光、緑色LEDであるLED2bの出射光、及び赤色LEDであるLED2cの出射光が混合される。なお、FCIが最も高い値に設定されるときは、白色LEDチップであるLED2aの出射光に起因するピークが無くなり、緑色LEDであるLED2bの出射光、及び赤色LEDであるLED2cの出射光に起因するピークが高くなる。
このように、ユーザは、モード切替スイッチ33a,33bにより調光モードを選択した上で、ボリュームスイッチ31を相さすることで、照明システム1における点灯状態を容易に変更することができる(S7)。なお、電源スイッチ32がオン状態であるときは(S8でNo)、ユーザは、上記変更をいつでも行なうことができ、電源スイッチ32をオフしたとき、照明システム1の灯具10は消灯する(S8でYes)。このとき、制御部4のメモリ(不図示)は、消灯前の点灯状態を記憶しており、次に電源スイッチ32がオンされたときは、記憶された点灯状態に従って点灯する。
本実施形態によれば、第1調光モードでは、発光効率の良い白色LEDから構成されたLED2aを点灯させることで省エネルギ化を図ることができる。また、第2調光モードでは、出力光の照度を変化させることなく、照明光のFCIを変化させることで、照射対象の目立ち感を高めることができる。そして、ユーザは、照射対象に合わせて、調光モードを切り替えることがきる。例えば、人物を照らす場合には第2調光モードにすることで、観客等に対する演者等の目立ち感を維持しつつ、照明光による演者の不快感を低減することができる。このように、照明空間の状態に応じて、調光モードを切り替え、目立ち感の高い照明光を用いることで、省エネルギ化を図ると共に、観客等に対する演者等の目立ち感を維持しつつ、照明光による演者の不快感を低減することができる。
また、ボリュームスイッチ31は、モード切替スイッチ33a,33bの操作状況に応じて、第1調光モードにおける照度の変化量、及び第2調光モードにおけるFCIの変化量の両方を入力する入力部として機能する。そのため、コントローラ3の構成を簡素化することができ、また、ユーザの操作性も良くすることができる。
次に、上記実施形態の変形例に係る照明システムについて、図8乃至図10を参照して説明する。図8に示すように、本変形例の照明システム1は、光源2として2種のLED2a,2bを備える。これらのLED2a,2bは、いずれも白色光源であり、互いに照明光のFCIが異なるように構成されている。図9は、これらの分光スペクトルを示す。ここでは、LED2aの照明光のFCIが相対的に低く、LED2bの照明光のFCIが相対的に高いものとする。また、制御部4は、第1調光モードでは、ボリュームスイッチ31の操作に応じて相対的にFCIの低いLED2aの出力を変化させる。一方、第2調光モードでは、ボリュームスイッチ31の操作に応じて相対的にFCIの低いLED2a白色光源と相対的にFCIの高いLED2bとの出力比を変化させる。図10は、これら各モードの分光スペクトルを示す。
本変形例において、相対的にFCIの高いLED2aには、例えば、青色LEDチップとYAG系黄色蛍光体とを組み合わせたB−Y系の白色LEDが用いられ、その出射光のFCIが100、相関色温度が3000Kとされる。また、相対的にFCIの高いLED2bには、例えば、青色LEDチップにBOSE系の緑色蛍光体及びCASN系の赤色蛍光体を組み合わせた白色LEDが用いられ、その出射光のFCIが150、相関色温度が3000Kとされる。なお、LED2bには、ネオジウムタイプのLEDが使用されてもよい。本変形例における他の構成は、上記実施形態と同様である。
ここで、本変形例における、ボリュームスイッチ31の操作量に応じた各調光モードでの出力の変化を説明する。LED2a及びLED2bから出力された各出射光の、灯具10の直下で測定された照度(直下照度)を夫々xルクス及びyルクスとする。この場合、各LED2a,2bから出力された光の混色光のFCIは、(100x+150y)/(x+y)となり、また、混色光の直下照度は、(x+y)ルクスとなる。このときの混色光の目立ち感は、FCIが100であるLED2aに比べて、下記式(3)で示されるルクスの目立ち感に相当する。
Figure 0006145818
すなわち、ユーザが、第2調光モードでボリュームスイッチ31を操作して、目立ち度を1.2倍にするような操作をしたとき、制御部4は、(100x+150y)/(x+y)の値が1.2倍に、且つ(x+y)の値は変化しないように、LED2a及びLED2bの出力比を決定する。
ここで、本変形例のより具体的な動作例を下記表1,表2を参照して説明する。表1は、第1調光モードにおけるボリュームスイッチ31の操作量と、照度、FCI及び各光源(LED2a,2b)の出力を示す。
Figure 0006145818
第1調光モードでは、ボリュームスイッチ31の操作量に応じて、相対的にFCIの低いLED2aの点灯出力を制御する。これにより、上記実施形態と同様、発光効率の良い白色LEDから構成されたLED2aを点灯させることで省エネルギ化を図ることができる。
表2は、第2調光モードにおけるボリュームスイッチ31の操作量と、照度、FCI及び各光源(LED2a,2b)の出力を示す。
Figure 0006145818
第2調光モードでは、照度を変化させることなく、LED2a,2bの出力比を制御して、照明光のFCIを変化させることで、照射対象の目立ち感を高めることができる。上記実施形態では、3種のLED2a〜2cを用いていたので、照明光の色度の可変範囲を広くすることができたが、3種の出力比を制御する必要があるため、制御部4における調光制御や灯具10の配線等が複雑であった。一方、本変形例では、光源が2種なので、制御部4における調光制御等を簡易にすることができる。なお、第2調光モードにおける照度は、上述した1000Lxに限られず任意に設定することができ、例えば、第1調光モードで設定された照度に従って制御される。
次に、上記実施形態の別の変形例に係る照明システムについて、図11を参照して説明する。図11に示すように、本変形例の照明システム1は、照射対象を検知するセンサ34を更に備える。そして、このセンサ34の検知結果に応じて調光モードを切り替える。すなわち、センサ34がモード切替部のための信号出力部として機能する。センサ34には、例えば、人の存在の有無を検知する焦電センサが用いられる。また、センサ34の検知エリアは、灯具10による照明光の照射範囲と同等に設定される。なお、図11では、センサ34が灯具10と別の構成として示されているが、センサ34が灯具10に組み込まれていてもよい。また、センサ34は、焦電センサの他に、CMOSセンサや熱画像センサ等であってもよい。更に、コントローラ3に表示部(不図示)を設け、この表示部にセンサ34の検知結果を表示してもよい。
上記実施形態及び変形例では、ユーザがコントローラ3のモード切替スイッチ33a,33bを用いて、照明システム1の調光モードを手動で切り替えていた。これに対して、本変形例では、例えば、センサ34が人を検知したとき、照明システム1の調光モードを第1調光モードから第2調光モードに切り替え、一方、センサ34による検知が無いとき、第2調光モードから第1調光モードに切り替える。
この変形例によれば、ユーザは予めボリュームスイッチ31で目立ち度の調節をするだけで、対象に合わせて調光モードが自動的に切り替えられる。そして、照射エリアに演者等の人がいる場合には、第2調光モードになることで、目立ち感を維持したまま、演者が感じる光の煩わしさを低減することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。上述した実施形態及び各変形例では、調光モードは2種である動作例を示したが、照度と目立ち指数とを相関づけた調光カーブと、ボリュームスイッチ31における操作量とを相対させて、照度と目立ち指数の両方を可変とした更なる調光パターンが用いられてもよい。また、光源の構成としては、各LEDの分光分布の実現に関して、蛍光体の組合せは例示したものに限らない。また、LEDの種類及びそれらの組合せは、実施例に示した数、組合せに限らず、相関色温度の変化と、目立ち指数FCIを維持することができるものであればよい。更には、光源は、LEDに限らず、色度及び照度が可変であれば、白熱灯、蛍光灯、有機EL等、他の光源であってもよい。
1 照明システム
2 光源
2a,2b,2c LED
3 コントローラ(操作部)
31 ボリュームコントローラ(入力部)
33a,33b モード切替スイッチ(モード切替部)
34 センサ(モード切替部の構成要素)
4 制御部

Claims (4)

  1. 互いに異なる発光スペクトルを有する2種以上の光源と、前記光源の点灯状態を設定するための操作部と、前記操作部により設定された点灯状態が得られるように前記光源の出力を個別に制御する制御部と、を備えた照明システムであって、
    前記光源は、互いに照明光の目立ち指数FCIが異なる少なくとも2種の白色光源を含み、目立ち指数FCIが低い白色光源は、目立ち指数FCIが高い白色光源よりも、相対的に発光効率が高く、
    前記操作部は、前記制御部による照明光の複数の調光モードを切り替えるためのモード切替部を有し、
    前記複数の調光モードには、前記光源から照射される照明光による照度を変化させる第1調光モードと、前記光源から照射される照明光の目立ち指数FCIを変化させる第2調光モードと、を含み
    前記制御部は、前記第1調光モードでは、前記操作部の操作に応じて相対的に目立ち指数FCIの低い白色光源の出力を変化させ、前記第2調光モードでは、前記操作部の操作に応じて相対的に目立ち指数FCIの低い白色光源と相対的に目立ち指数FCIの高い白色光源との出力比を変化させることを特徴とする照明システム。
  2. 前記操作部は、前記光源の点灯状態として、前記第1調光モードにおける照度の変化量、及び前記第2調光モードにおけるFCIの変化量を入力する入力部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記モード切替部は、ユーザの操作に応じて前記調光モードを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
  4. 照射対象を検知するセンサを更に備え、
    前記モード切替部は、前記センサの検知結果に応じて前記調光モードを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
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