JP6145030B2 - 複合繊維の製造方法、及び複合繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、複合繊維の製造方法、及び複合繊維に関し、詳しくは少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に固体微粒子が担持してなる複合繊維を製造する方法、及び前記方法によって得られた複合繊維に関するものである。
従来から、繊維製品からなる衣料用品、産業資材用品等に撥水性を付与するために、フッ素系化合物等の撥水剤を繊維製品等の表面に付着させる処理が行われている。フッ素系化合物等の撥水剤を繊維製品等の表面に付着させ、繊維製品等に撥水性を付与する方法として、撥水剤を含有する液を繊維製品等にスプレーする方法、撥水剤を含有する処理浴中に繊維製品等を浸漬させる方法等が知られている(例えば、特開2006−200082号公報(特許文献1)、特開2006−291372号公報(特許文献2)参照)。
しかしながら、撥水剤を含有する液をスプレーして繊維製品等に付着させる方法は、撥水剤の付着力が低いため十分な耐久性が得られず、短期間で撥水効果が低下してしまう。また、繊維製品等を浸漬させて撥水剤を付着させる方法は、スプレー法に比べて耐久性は高いものの、長期間使用する間にはやはり撥水効果が低下してしまうとともに、繊維製品等に含まれる単糸同士が撥水剤により凝集密着してしまい、ソフトな風合いが損なわれるという問題がある。
さらに欧州では2008年6月27日から、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やPFOSを含有している製品等の販売や使用の制限、いわゆるPFOS規制が始まっており、PFOSとその関連物質の使用が厳しく制限されている。PFOS等は優れた撥水撥油効果を有しており表面処理剤や界面活性剤として広く使われてきたが、非常に分解されにくいことから環境への残留性及び人体への蓄積性が問題視されている。従って、水撥油効果を有するPFOSに代わる新たな素材の開発が強く望まれている。
特開2012−107370号(特許文献3)は、ケイ素を有するダイヤモンド微粒子、フッ素を有するダイヤモンド微粒子、並びにケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子からなる群から選ばれた少なくとも一種を繊維に付着又は含有させてなる撥水撥油性繊維を開示しており、この撥水撥油性繊維は撥水効果が長期間にわたって持続すると記載している。しかしながら、特許文献3に記載のケイ素等を有するダイヤモンド微粒子を付着させてなる撥水撥油性繊維は、より厳しい条件で洗濯適性をテストしたところ、撥水性の低下が見られた。またケイ素等を有するダイヤモンド微粒子を繊維中に含有させてなる撥水撥油性繊維は、前記ケイ素等を有するダイヤモンド微粒子がほとんど表面に露出していないため、十分な撥水性を得るためには大量の前記ケイ素等を有するダイヤモンド微粒子を使用する必要がある。
特開2004−3070号(特許文献4)は、熱可塑性樹脂の融点より高い融点又は分解温度を有する固体粒子を、前記熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱し、前記熱可塑性樹脂の融点より高い温度に維持された状態で加熱固体粒子を前記繊維と接触させて、前記繊維表面に前記繊維表面の融着により前記固体粒子を担持させ、固体粒子融着繊維を冷却することにより、前記繊維表面に固体粒子を固着させる方法を開示している。しかしながら特許文献4に記載の方法は、加熱固体粒子の繊維への融着が不十分であるため、大量の固体粒子を使用して時間をかけて製造する必要があり、製造工程の効率アップが望まれている。
特開2006−200082号公報 特開2006−291372号公報 特開2012−107370号公報 特開2004−3070号公報
従って、本発明の目的は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に固体微粒子を効率よく熱融着により担持させることのできる複合繊維の製造方法を提供することにあり、さらに前記固体微粒子としてフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を使用した高い撥水撥油性を有する複合繊維を提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に、加熱した固体微粒子を融着させることにより前記固体微粒子が担持してなる複合繊維を製造する方法において、前記固体微粒子として熱伝導率の高い材料からなる粒子を使用することにより、固体微粒子の熱可塑性樹脂への融着が効率よく行われ、固体微粒子が熱可塑性樹脂を表面に有する繊維へ強固に担持してなる複合繊維が得られることを見出し、本発明に想到した。
さらに本発明者らは、前記固体微粒子としてフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を使用することにより、前記ダイヤモンド微粒子の繊維への融着が効率よく行われるとともに、得られた繊維が高い撥水撥油性を長期間にわたって発揮することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の方法は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に、前記熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱した固体微粒子を接触させて、前記繊維表面に前記固体微粒子を融着させることにより前記固体微粒子が担持してなる複合繊維を製造する方法であって、前記固体微粒子が100W/m・K以上の熱伝導率を有することを特徴とする。
前記繊維を室温以上及び前記熱可塑性樹脂の融点より低い温度で加熱しながら、前記加熱した固体微粒子を接触させるのが好ましい。
前記固体微粒子は2.5g/cm以上の比重を有するのが好ましい。
前記固体微粒子はダイヤモンドを含む粒子であるのが好ましい。
前記固体微粒子は撥水撥油性を有するのが好ましい。
前記撥水撥油性を有する固体微粒子は、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子であるのが好ましい。
前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子を、ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理して得られたものであるのが好ましい。
前記爆射法で得られたダイヤモンド微粒子は、2.55〜3.48g/cmの比重を有するのが好ましい。
前記熱可塑性樹脂はポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリアクリロニトリル、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンからなる群から選ばれた少なくとも一種であるのが好ましい。
本発明の複合繊維は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子が担持してなる複合繊維であって、前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子の一部が、前記繊維の表面から露出しており、純水に対する接触角が110°以上であることを特徴とする。
本発明の複合繊維の製造方法は、繊維表面に有する熱可塑性樹脂への固体微粒子の融着が効率よく行われるとともに、融着した固体微粒子が前記繊維に強固に担持されるので、製造工程が効率アップするとともに、固体微粒子の剥離がほとんど起こらない複合繊維を提供することができる。
前記固体微粒子としてフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を使用した本発明の複合繊維は、高い撥水撥油性を発揮するとともに、前記撥水撥油効果が長期間にわたって持続する。本発明の撥水撥油性を有する複合繊維は、繰り返し洗濯しても容易に撥水撥油効果が低下しないため、スポーツウエア、肌着、スーツ、雨具、靴、等の衣料用品、手術用ガウン、シーツ、シューズカバー、キャップ、エプロン等の医療材、紙おむつ等の衛生材、各種保護具、包装材等の工業資材、風呂敷などの包装材、ランドリー袋等の収納用品、エプロン、鞄、カーテン、カーペット等の家庭用材等の様々な繊維製品用途として好適である。
本発明の複合繊維の一例を示す(a)模式断面図、及び(b)表面部を拡大した断面図である。 本発明の複合繊維の他の一例を示す模式断面図である。
[1]複合繊維
(1)構造
本発明の複合繊維1は、図1に示すように、繊維2の表面に固体微粒子3が担持してなる構造を有しており、前記固体微粒子3はその一部が前記繊維2の表面から突出しており、他の部分が前記繊維2の内部に埋没して前記繊維2の少なくとも表面を構成する熱可塑性樹脂に融着されている。このような構造を有することにより、前記固体微粒子3が前記繊維2に強固に固定され容易に剥離することはない。前記繊維2は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる。繊維の全表面が熱可塑性樹脂からなる必要はなく、繊維表面の一部が熱可塑性樹脂からなればよい。
固体微粒子3として様々な特性又は機能を有するものを使用することにより、繊維2にその固体微粒子3が有する特性を付与することができる。例えば、固体微粒子3として、高い撥水撥油を有する粒子を使用した場合、高い撥水撥油を有する複合繊維1が得られ、また高い導電性を有する粒子を使用した場合、高い導電性を有する複合繊維1が得られる。固体微粒子3の有する特性又は機能としてはその他に、親水性、熱伝導性、脱臭性、ガス吸着性、ガス分解性、吸水性、電磁波放射性、電磁波遮蔽性、イオン発生、研磨材、抗菌、難燃性、触媒、イオン交換等が挙げられる。
(2)固体微粒子
固体微粒子は、100W/m・K以上の熱伝導率を有するものを使用する。固体微粒子の材質としては、100W/m・K以上の熱伝導率を有するものであればどのようなものでも選択することができる。100W/m・K以上の熱伝導率を有する材料としては、カーボンナノチューブ(3000〜5000W/m・K)、ダイヤモンド(1000〜2000W/m・K)、銀(430W/m・K)、銅(400W/m・K)、金(320W/m・K)、アルミニウム(240W/m・K)、シリコン(170W/m・K)等が挙げられる。固体微粒子3の熱伝導率は、200W/m・K以上であるのが好ましく、500W/m・K以上であるのがより好ましい。固体微粒子が複数の材料からなる場合は、各材料の熱伝導率の質量平均の値で複合材料の熱伝導率を評価することができる。
固体微粒子を構成する材料は、2.5g/cm以上の比重を有するものが好ましい。100W/m・K以上の熱伝導率を有し、かつ2.5g/cm以上の比重を有する材料としては、ダイヤモンド(3.50g/cm)、銀(10.5g/cm)、銅(8.93g/cm)、金(19.3g/cm)、アルミニウム(2.70g/cm)等が挙げられる。
固体微粒子のメジアン径は、繊維径よりも小さいことが好ましい。固体微粒子のメジアン子径が繊維径を超えると、固体微粒子を繊維表面に担持させることが困難になり、また担持させたとしても繊維表面より脱落し易くなる。固体微粒子のメジアン径は10〜200nmであるのが好ましく、20〜150nmであるのがより好ましい。
固体微粒子の繊維への担持量は、繊維に固体微粒子を担持させる目的にもよるが、繊維1kgあたり0.01mg〜2kgであるのが好ましく、0.1mg〜1kgであるのがより好ましく、1mg〜200gであるのがさらに好ましい。
これらの材質からなる固体微粒子は、そのままで使用してもよいが、前述したような様々な特性又は機能を有する粒子とするために、表面を機能性の基で修飾して使用するのが好ましい。このような表面を修飾するという観点から、ダイヤモンドを含む固体微粒子を使用するのが好ましい。特に爆射法によって得られたダイヤモンド微粒子は、sp構造のナノサイズのダイヤモンド粒子の表面を、sp構造のグラファイトを含む炭素(以下、グラファイト系炭素という。)が覆ったコア/シェル構造を有しており、sp炭素からなる表面は−COOH、−OH等の親水性官能基等に富んだ構造をしているため、これらの官能基に様々な機能を発現する置換基を結合させることにより、容易にダイヤモンド微粒子に新たな機能を付与することができる。
(3)撥水撥油性を有する複合繊維
例えば複合繊維に撥水撥油性を付与するためには、前記固体微粒子3として、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を用いるのが好ましい。フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を用いることにより、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子の一部が、前記繊維の表面から露出し、他の一部が繊維の少なくとも表面に有する熱可塑性樹脂に強固に担持してなる複合繊維が得られる。このようにして得られた複合繊維は、例えば純水に対する接触角が110°以上の高い撥水撥油性を発揮する。接触角の測定方法は液適法によって行い、純水を滴下して0.5秒後の接触角で評価する。前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を担持してなる複合繊維は、純水に対する接触角は120°以上であるのが好ましく、130°以上であるのがより好ましい。
前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を担持してなる複合繊維は、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子が繊維表面の熱可塑性樹脂に融着することによって強固に担持されているため、容易に剥離することがない。そのためこの撥水撥油性繊維を使用した衣類、寝具等の繊維製品は、繰り返し洗濯しても容易に撥水撥油効果が低下しない洗濯耐性を有する。
洗濯耐性は、例えばJIS L 1096 Gで規定されている家庭用洗濯機法によって繰り返し洗濯したときにどれだけ撥水撥油効果が低下するかを評価することによって行う。撥水撥油効果は、接触角を測定することによって評価することができる。前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を担持させてなる複合繊維からなる布は、前記JIS L 1096 G法によって100回洗濯した後の接触角が、110°以上であるものが好ましい。
フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子の含有量は、撥水撥油性の効果が発揮されるような量であれば良く特に限定されないが、繊維1kgあたり0.01mg〜10gであるのが好ましく、0.1mg〜5gであるのがより好ましく、1mg〜2gであるのが最も好ましい。フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子の含有量が、繊維1kgあたり0.01mg未満である場合、撥水効果が不十分であり、1gを越える場合、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子同士が重なり合う場合があり、繊維表面からの脱落が起こりやすくなる。
(4)フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子
フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子としては、例えば、ケイ素を有するダイヤモンド微粒子、及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子が挙げられる。ケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、10〜500nm程度のダイヤモンド微粒子の表面に、ケイ素原子又はケイ素原子を含有する基を結合させることによって得られたケイ素修飾ダイヤモンド粒子であり、同様に、フッ素を有するダイヤモンド微粒子は、フッ素原子又はフッ素原子を含有する基を結合させたフッ素修飾ダイヤモンド粒子である。ケイ素原子、ケイ素原子を含有する基、フッ素原子、及びフッ素原子を含有する基は、ダイヤモンド微粒子の表面に存在するsp炭素、sp炭素、−COOH、−OH等の親水性官能基等に共有結合により結合するため、容易にダイヤモンド微粒子から分離することはない。これらのフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子の一部が熱可塑性樹脂に埋もれた状態で融着しアンカーの役割を担うことで、ケイ素原子、ケイ素原子を含有する基、フッ素原子、フッ素原子を含有する基等が強固に結合したダイヤモンド微粒子となり、撥水撥油性の効果を長期間持続させることができる。フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、前記ケイ素のみ又はフッ素のみを有するダイヤモンド微粒子であってもよいし、ケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子であってもよい。特に、フッ素を有するダイヤモンド微粒子が撥水撥油性の効果が大きいので好ましい。
ケイ素を有するダイヤモンド微粒子、又はケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子中のケイ素原子の量は、特に限定されないが、ダイヤモンド微粒子に対して、0.1〜25質量%であるのが好ましく、0.2〜20質量%であるのがより好ましい。フッ素を有するダイヤモンド微粒子、又はケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子中のフッ素原子の量は特に限定されないが、ダイヤモンド微粒子に対して、0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.2〜15質量%であるのがより好ましい。
撥水撥油性基を修飾するためのダイヤモンド微粒子としては、前記粒径を有していれば、天然のものであっても人工のものであってもよい。なかでも爆射法で得られたナノサイズのダイヤモンド粒子が修飾のしやすさや、溶媒等への分散性の観点から好ましい。
(5)繊維
繊維は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリアクリロニトリル、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等が挙げられる。繊維は、熱可塑性樹脂からなる繊維を単独で用いても良いし、2種以上の(少なくとも1種の繊維は熱可塑性樹脂からなる)繊維を混紡、混織、交撚、交編織等で混用しても良い。熱可塑性樹脂からなる繊維とそれ以外の繊維とを混紡、混織、交撚、交編織等で混用する場合、熱可塑性樹脂の使用量は全繊維に対して50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのが最も好ましい。
本発明で使用する繊維の平均径は、0.1μm〜3mmであるのが好ましく、0.1〜500μmであるのがより好ましく、0.1〜100μmであるのが最も好ましい。繊維の平均径は、繊維の断面形状が円以外の場合には、繊維の断面積と同じ面積の円の直径とし、繊維の任意の500個所以上を測定し平均した値である。
さらに2種以上の樹脂(少なくとも1種は熱可塑性樹脂)からなるコンジュゲート繊維(複合繊維)又は混合繊維としても良い。繊維を構成する全てが熱可塑性樹脂からなるコンジュゲート繊維又は混合繊維であってもよいし、熱可塑性樹脂とそれ以外の樹脂又は繊維とからなるコンジュゲート繊維又は混合繊維であってもよい。コンジュゲート繊維(複合繊維)及び混合繊維は、公知の方法によって製造することができる。
コンジュゲート繊維としては、例えば図2に示すように、芯部分22が熱可塑性樹脂以外の繊維からなり、鞘部分21として熱可塑性樹脂が前記芯部分にコーティングされた構造の芯鞘型のコンジュゲート繊維20であるのが好ましい。前記芯部分22としては、レーヨン繊維、アセテート繊維、羊毛繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維等が挙げられる。熱可塑性樹脂とそれ以外の繊維とからなる芯鞘型のコンジュゲート繊維20の場合、鞘成分21(熱可塑性樹脂)の割合は、全繊維に対して10質量%以上であるのが好ましく、20質量%以上であるのがより好ましい。少なくとも10質量%の熱可塑性樹脂が繊維表面を構成することにより、固体微粒子3が効率よく熱融着される。鞘成分21(熱可塑性樹脂)の割合の上限は、繊維の特性(強度、重さ、靱性等)によって適宜決定すべきものであり特に設ける必要はない。コンジュゲート繊維の例としては、芯鞘型のコンジュゲート繊維20以外にも、並列型、多重並列型、多芯型、放射状型等の繊維が挙げられる。
混合繊維の構造としては、粒状混合型、針状混合型等のものが好ましい。混合繊維においても、熱可塑性樹脂が繊維表面に露出するように構成する。
これらの繊維は、フィラメント、ステーブル、編み物、織物、不織布、縫製品等の任意の形態で使用することができる。
[2]製造方法
本発明の前記固体微粒子3が担持してなる複合繊維1は、少なくとも繊維表面2aが熱可塑性樹脂からなる繊維2に、前記熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱した固体微粒子3を接触させて、前記繊維表面2aに前記固体微粒子3を融着させることにより製造する。このとき、前記固体微粒子3としては、100W/m・K以上の熱伝導率を有するものを用いる。前記固体微粒子3が100W/m・K以上の熱伝導率を有することにより、加熱した固体微粒子の熱エネルギーがすみやかに前記熱可塑性樹脂に伝わり、固体微粒子3が接触した部分の熱可塑性樹脂が融解し固体微粒子3と融着する。その結果、固体微粒子3の一部が前記繊維2の表面から突出しており、他の部分が前記繊維2の内部に埋没して強固に担持された構造を有する複合繊維1が得られる。
(1)加熱した固体微粒子の接触方法
前記固体微粒子の加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点より高い温度である必要があり、好ましくは熱可塑性樹脂の融点+30℃以上、より好ましくは熱可塑性樹脂の融点+50℃以上、最も好ましくは熱可塑性樹脂の融点+80℃以上である。加熱温度の上限は、固体微粒子の分解等が発生しない温度であれば特に限定はないが、熱可塑性樹脂の融点+100℃以下であるのが好ましい。
固体微粒子は、100W/m・K以上の熱伝導率を有するものを使用する。固体微粒子の材質としては、100W/m・K以上(好ましくは200W/m・K以上、より好ましくは500W/m・K以上)の熱伝導率を有するものであればどのようなものでも選択することができる。さらに固体微粒子を構成する材料は、2.5g/cm以上の比重を有するものが好ましい。具体的には前述した材料を使用するのが好ましい。このように100W/m・K以上の熱伝導率を有する固体微粒子を使用することにより、固体微粒子の熱可塑性樹脂への融着が効率よく行われ、固体微粒子が熱可塑性樹脂を表面に有する繊維へ強固に担持してなる複合繊維が得られる。すなわち、固体微粒子を繊維に接触させたときに固体微粒子が繊維に担持する確率が高くなり、製造効率が向上するとともに、不十分な強度で繊維表面に担持した固体微粒子がほとんどなくなるため、固体微粒子の剥離がほとんど起こらない複合繊維を提供することができる。
加熱した固体微粒子を接触させるときに、室温以上で、かつ繊維の少なくとも表面を構成する熱可塑性樹脂の融点より低い温度で繊維を加熱するのが好ましい。繊維の加熱温度は、室温+50℃〜熱可塑性樹脂の融点であるのが好ましく、室温+50℃〜熱可塑性樹脂の融点−50℃であるのがより好ましい。繊維を加熱しながら加熱した固体微粒子を接触させることで、よりすみやかに固体微粒子を融着させることができるとともに、冷却時に繊維が収縮するため、固体微粒子をより強固に繊維表面に担持させることができる。
加熱した固体微粒子を接触させる繊維の形態は、モノフィラメント状でもよいし、マルチフィラメント状でもよい。また編み物、織物、不織布等のシート状(繊維シート)もよい。繊維シートを用いる場合は、繊維シートに荷重をかけて引き延ばし、繊維と繊維との間に隙間を形成した状態で加熱した固体微粒子を接触させるのが好ましい。繊維と繊維との間に隙間を形成することにより、前記隙間にも固体微粒子又は固体微粒子を含む気流が通過するようになるため、乱流が生じ固体微粒子がより繊維表面に接触しやすくなる。
加熱した固体微粒子を繊維に接触させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)加熱固体微粒子を含有する気流を繊維又は繊維シート表面に吹き付ける方法、(b)加熱固体微粒子を繊維又は繊維シートに対して自然落下させる方法、(c)加熱固体微粒子中に繊維又は繊維シートを浸漬する方法等が挙げられる。
(a)加熱固体微粒子を含有する気流を吹き付ける方法
加熱固体微粒子を含有する気流を繊維又は繊維シート表面に吹き付ける方法を用いる場合には、熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱した固体微粒子を、室温+50℃〜熱可塑性樹脂の融点−50℃の空気に混合してなる混合気流を用いる。
このような混合気流は、熱可塑性樹脂の融点より高い所定の温度の空気中に固体微粒子を供給し、所定の温度に加熱された固体微粒子を含む気流Aを、前記気流Aよりも低い温度の空気からなる気流Bと混合することによって調製できる。気流A及び気流Bの温度及び混合量は、気流Aと気流Bとを混合したときに、混合気流の温度が、(i)熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂の融点より低い温度(好ましくは、室温+50℃)に加熱する程度の温度となり、かつ(ii)固体微粒子が繊維に接触した時点での固体微粒子の温度が熱可塑性樹脂の融点より高い温度(好ましくは、熱可塑性樹脂の融点+30℃以上)となるように設定する。このとき前記混合気流の温度が繊維の加熱温度となる。気流A及び気流Bの温度及び混合量は、混合気体の温度及び固体微粒子の温度が所望の温度となるようにあらかじめ何度か予備実験をすることによって決定する。混合気体中の固体微粒子の量は、繊維に担持させたい量に応じて適宜調節することができる。
固体微粒子の加熱方法としては、前述のように加熱した空気と混合して気流Aを得る方法の他に、例えば、気流Bへの固体微粒子の供給手段(ホッパー、供給容器等)の内外にヒーターを取り付けて、直接固体微粒子を加熱する方法を用いてもよい。加熱した気流は、例えば、気流発生手段(例えば、ブロアー又はコンプレッサーなど)によって発生させた気流を、公知の加熱手段によって所定温度に加熱することによって得られる。
このような加熱した固体微粒子を含む混合気流を作製する方法及び前記気流を作製するための装置は、例えば特開2004−3070号に記載の方法及び装置を使用することができる。
固体微粒子を繊維表面に接触させ固体微粒子を繊維に融着させた後、繊維及び固体微粒子を冷却し固体微粒子を繊維表面に担持させる。繊維及び固体微粒子の冷却方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、室温又は室温よりも低い温度の環境に固体微粒子の融着した繊維を放置する方法、室温又は室温よりも低い温度の気流を固体微粒子の融着した繊維に当てる方法等を挙げることができる。担持しなかった固体微粒子は、繊維を傾斜させ振動を与えて落下させる方法、気流で吹き飛ばす方法、水洗する方法等の除去手段によって除去するのが好ましい。
(b)加熱固体微粒子を散布する方法
加熱した固体微粒子を繊維に接触させる他の方法としては、あらかじめ加熱した固体微粒子を、繊維又は繊維シートに対して自然落下により散布する方法が挙げられる。加熱した固体微粒子が繊維表面の熱可塑性樹脂と接触し、その部分を融解することによって固体粒子が繊維に融着する。固体微粒子を加熱する方法としては、固体微粒子全体を加熱できる方法であれば任意の加熱方法を用いることができるが、例えば、耐熱性の容器に固体微粒子を入れオーブンで加熱する方法、耐熱性のコンベアー上に固体微粒子を載せコンベアーを移動させながらコンベアー上部のヒーターを用いて連続的に加熱する方を挙げることができる。
加熱した固体微粒子を接触させた繊維又は繊維シートは、前述の方法と同様の方法で冷却し固体微粒子を繊維表面に担持させた後、繊維又は繊維シートに担持しなかった固体微粒子を除去する。担持しなかった固体微粒子は、前述の除去手段によって除去するのが好ましい。
(c)加熱固体微粒子中に浸漬する方法
加熱した固体微粒子を繊維に接触させるさらに他の方法としては、耐熱性容器に加熱した固体微粒子を装入し、その中に繊維又は繊維シートを浸漬する方法が挙げられる。繊維又は繊維シートは、加熱した固体微粒子の中を通過させるだけでも良いが、加熱した固体微粒子入れた容器全体を振盪することにより、繊維表面に加熱した固体微粒子を均一に接触させることができる。加熱した固体微粒子を接触させた後の繊維又は繊維シートは、耐熱性容器から取り出した後、冷却して、固体微粒子を繊維表面に担持させる。担持しなかった固体微粒子は、前述の除去手段によって除去するのが好ましい。
(2)アイロン処理
前述したように、加熱した固体微粒子を繊維に接触させて、固体微粒子を繊維表面に融着させた後、さらに前記固体微粒子を強固に繊維表面に担持させるため、繊維又は繊維シートをニップロールでプレスしてもよい。プレス時の温度は熱可塑性樹脂の融点より低い温度、好ましくは室温+50℃〜熱可塑性樹脂の融点、より好ましくは室温+50℃〜熱可塑性樹脂の融点−50℃で行う。このようなアイロン処理を行うことにより、洗濯耐性がより向上する。
(3)撥水撥油性を有する複合繊維
固体微粒子として撥水撥油性基を有するものを使用することにより、例えば純水に対する接触角が110°以上の高い撥水撥油性を有する複合繊維が得られる。撥水撥油性基を有する固体微粒子としては、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を用いるのが好ましい。フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、爆射法で得られたナノサイズのダイヤモンド粒子を、ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理して得ることができる。
(a)爆射法によるダイヤモンド微粒子の合成
ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理するためのダイヤモンド微粒子の一例として、爆射法でダイヤモンド微粒子を製造する方法を説明する。爆射法としては、水及び/又は氷の存在下で爆薬を爆発させて行うウエット法、水及び/又は氷を使用しないで気流によって冷却するドライ法等があるが、本発明では爆射法であればどの方法を採用しても良い。
これらの爆射法としては、Science,Vol.133,No.3467(1961),pp1821−1822、特開平1−234311号、特開平2−141414号、Bull.Soc.Chem.Fr.Vol.134(1997),pp.875−890、Diamond and Related materials Vol.9(2000),pp861−865、Chemical Physics Letters,222(1994),pp.343−346、Carbon,Vol.33,No.12(1995),pp.1663−1671、Physics of the Solid State,Vol.42,No.8(2000),pp.1575−1578、K.Xu.Z.Jin,F.Wei and T.Jiang,Energetic Materials,1,19(1993)、特開昭63−303806号、特開昭56−26711報、英国特許第1154633号、特開平3−271109号、特表平6−505694号(WO93/13016号)、炭素,第22巻,No.2,189〜191頁(1984)、Van Thiei.M.& Rec.,F.H.,J.Appl.Phys.62,pp.1761〜1767(1987)、特表平7−505831号(WO94/18123号)、米国特許第5861349号及び特開2006−239511号等に記載の方法を用いることができる。
爆射法で得られたダイヤモンド微粒子(以下、「爆射法で得られたダイヤモンド微粒子」のことを「ナノダイヤモンド」と言う)は、sp構造のナノサイズのダイヤモンド粒子の表面を、sp構造のグラファイトを含む炭素(以下、グラファイト系炭素という。)が覆ったコア/シェル構造を有しており、未精製の状態では黒く着色している。前記sp構造のダイヤモンド粒子とsp構造のグラファイト系炭素とは一部共有結合によって強固に結合されている。未精製のナノダイヤモンドをこのまま用いても良いが、より着色の少ない複合繊維を得るためには、未精製のナノダイヤモンドを酸化処理し、グラファイト相の一部を除去して用いるのが好ましい。また、ナノダイヤモンド中に含まれる鉄等の不純物は、ダイヤモンドの酸化を促進するので、できるだけ除去するのが好ましい。
未精製のナノダイヤモンドは、約2.55g/cmの比重を有し、200〜250nm程度のメジアン径(動的光散乱法)を有する。この未精製のナノダイヤモンドを酸化処理等の方法で精製したダイヤモンド微粒子は2〜10nm程度のダイヤモンドの一次粒子からなるメジアン径150〜250nm程度の二次粒子である。ダイヤモンド微粒子は、分散度を高め散乱を低減させるためさらにメディア分散等の方法によりできるだけ凝集を解いて使用するのが好ましく、そのメジアン径は10〜200nmであるのが好ましく、20〜150nmであるのがより好ましい。
ダイヤモンド微粒子は、2.55〜3.48g/cmの比重を有するのが好ましい。前記比重を有するダイヤモンド微粒子は、表面に−COOH、−OH等の親水性官能基を多く有するため、ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理により、多くのケイ素原子、ケイ素原子を有する基、フッ素原子、フッ素原子を有する基等を共有結合させることができるとともに、より高い効率で繊維への融着を行うことができる。ダイヤモンド微粒子の比重は、ナノダイヤモンドの精製度(グラファイト系炭素の除去率)に伴って増加するので、比重から粒子中のダイヤモンド含率(粒子表面に存在するグラファイト系炭素の量)を求めることができる。すなわち、比重が2.55g/cmの場合のダイヤモンド含率は24体積%、比重が3.48g/cmの場合のダイヤモンド含率は98体積%である。
ダイヤモンド微粒子の比重が2.55g/cm未満、すなわち酸化処理を行わない場合であっても、その表面にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基を有しているが、さらに酸化処理を施すことによって、それらの数を増加させることができる。また過剰に酸化処理を施した場合、ナノダイヤモンドのシェル部分のグラファイト系炭素がほとんど除去されるため、逆にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基が少なくなってしまう。その結果、水、アルコール等の親水的な溶剤への分散性が低下することがあるので、比重は3.48g/cmを越えない程度であるのが好ましい。また必要に応じて溶剤への分散性を高める効果を有する官能基で表面修飾を行うのが好ましい。前記比重は、3.0g/cm(ダイヤモンド84体積%)以上3.46g/cm(ダイヤモンド97体積%)以下であるのがより好ましく、3.38g/cm(ダイヤモンド90体積%)以上3.45g/cm(ダイヤモンド96体積%)以下であるのが最も好ましい。なおナノダイヤモンド中のダイヤモンドの体積%は、ダイヤモンドの比重3.50g/cm及びグラファイトの比重2.25g/cmを用いて、ナノダイヤモンドの比重から算出した値である。
爆射法で得られた未精製のダイヤモンドの酸化処理方法としては、(a)硝酸等の共存下で高温高圧処理する方法(酸化処理A)、(b)水及び/又はアルコールからなる超臨界流体中で処理する方法(酸化処理B)、(c)水及び/又はアルコールからなる溶媒に酸素を共存させて、前記溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1MPa(ゲージ圧)以上の圧力で処理する方法(酸化処理C)、(d)380〜450℃で酸素を含む気体により処理する方法(酸化処理D)等が挙げられる。これらの酸化処理は、単独で行ってもよいし、組み合せて行っても良い。酸化処理を組み合せる場合は、未精製のナノダイヤモンドにまず酸化処理Aを施し、さらに酸化処理B〜Cのいずれかを施すのが好ましい。
フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、前記未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理して得られたナノダイヤモンドを、ケイ素化処理又はフッ素化処理することによって得られる、フッ素を有するダイヤモンド微粒子、ケイ素を有するダイヤモンド微粒子、又はフッ素及びケイ素を有するダイヤモンド微粒子であるのが好ましい。これらのフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、前記ナノダイヤモンド表面に存在するsp炭素、sp炭素、−COOH、−OH等の親水性官能基にケイ素原子、ケイ素原子を有する基、フッ素原子、フッ素原子を有する基等が共有結合したものである。
(b)ケイ素を有するダイヤモンド微粒子の製造
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理して得られたナノダイヤモンドに、シリル化剤、アルコキシシラン、シランカップリング剤等を反応させることによりナノダイヤモンドの表面にある水酸基等の親水性基を、ケイ素を含む有機基に置換することができる。ケイ素化処理は、シリル化剤を用いるのが好ましい。
好ましいシリル化剤としては、トリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、アセトキシトリメチルシラン、アセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、2−トリメチルシロキシペント−2−エン−4−オン、n−(トリメチルシリル)アセトアミド、2−(トリメチルシリル)酢酸、n−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルプロピオレート、ノナメチルトリシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチルシラノール、ジフェニルシランジオール等が挙げられる。本発明に用いられるシリル化剤は、これらの化合物に限定されない。
シリル化剤溶液の溶媒はヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物が好ましい。
シリル化剤の種類や濃度にもよるが、シリル化反応は10〜40℃で十分攪拌しながら進行させるのが好ましい。10℃未満では反応が進行しにくく、40℃超ではナノダイヤモンド表面に均一にシリル化されなくなる。例えば、トリエチルクロロシランのヘキサン溶液をシリル化剤として使用した場合、10〜40℃で10〜40時間程度攪拌しながら反応させると、ナノダイヤモンド表面の水酸基が十分にシリル修飾される。
ダイヤモンド微粒子中のケイ素原子又はケイ素原子を有する基の含有量は、特に限定されないが、ダイヤモンド微粒子に対して、0.1〜25質量%であるのが好ましく、0.2〜20質量%であるのがより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、ケイ素を含有させる効果があまり得られない。ケイ素含有量が25wt%以上であると凝集性が逆に高くなってしまう場合がある。
(c)フッ素を有するダイヤモンド微粒子の製造
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理により得られたナノダイヤモンドは、(i)フルオロアルキル基含有オリゴマーを使用した方法、(ii)フルオロアルキルアゾ化合物を用いた方法、(iii)フッ素ガスと直接反応させる方法、(iv)ClF、ClF3、ClF5等のハロゲンフッ化物を反応させる方法、(v)フッ素プラズマによる方法等により、その表面をフッ素又はフッ素を有する基で修飾することができる。フッ素原子を含有するダイヤモンド微粒子は、粒子同士の凝集が起こりにくいため、繊維に付着させるための固体微粒子として好適である。
フッ素を有するダイヤモンド微粒子は、酸素とフッ素との元素比(O/F)を0.06〜0.2とすることにより、エタノール等のアルコール類への高い分散性を付与することができるとともに、粒子同士の凝集を防止することができる。前記酸素とフッ素との元素比は、X線光電子分光(XPS)測定によって得られる酸素及びフッ素に帰属されるピークの、積分強度比によって算出される値である。O/Fが0.06未満では、フッ素を有するダイヤモンド微粒子とアルコールとの親和性が低下し、アルコールとの溶媒和が形成されず分散性が低下する。一方、O/Fが0.2を超える場合、フッ素を有するダイヤモンド微粒子同士の凝集を防止する効果が小さくなる。
(i)フルオロアルキル基含有オリゴマーを使用した方法
高分子主鎖の両末端にフルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合により導入された高分子界面活性剤(含フッ素オリゴマー)は、水溶液中又は有機溶媒中において自己組織化したナノレベルの分子集合体を形成することが知られている。このフルオロアルキル基が末端に導入された含フッ素オリゴマーを用いることにより、フルオロアルキル基で修飾したナノダイヤモンドを形成することができる。
フルオロアルキル基で修飾したナノダイヤモンドは、爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理により得られたナノダイヤモンドを、一般式(A)で表される含フッ素オリゴマーで処理することによって得ることができる。
Figure 0006145030
ここで、Rはフルオロアルキル基であり、具体的には、−CF(CF)OC、−CF(CF)OCFCF(CF)OC等の基が好ましい。Rは置換基であり、−N(CH、−OH、−NHC(CHCHC(=O)CH、−Si(OCH、−COOH等の基が好ましい。nは5〜2000であるのが好ましい。
ナノダイヤモンドと一般式(A)で表される含フッ素オリゴマーとをメタノール、エタノール等のアルコール溶媒中で混合し、室温〜80℃で2〜48時間撹拌することによりナノダイヤモンド表面にフルオロアルキル基(R)が修飾された複合粒子を高い収率で得ることができる。反応を促進させるために、アンモニア等の塩基を使用してもよい。
(ii)フルオロアルキルアゾ化合物を用いた方法
下記反応式に記載したように、ナノダイヤモンドの存在下で、パーフルオロヘキサンに溶解したアゾビスパーフルオロオクチル1に、Xeエキシマランプにより波長172nmの光を室温で照射することによりナノダイヤモンドにパーフルオロオクチルを付加させることができる。この反応はアルゴン気流下で行い、前記照射時間は10分〜2時間程度である。なお、この方法に用いるナノダイヤモンドは、パーフルオロヘキサンに分散しやすいようにあらかじめ疎水化処理を行うのが好ましい。
Figure 0006145030
(iii)フッ素ガスと直接反応させる方法
フッ素ガスと直接反応させる方法は、ナノダイヤモンドを入れた反応管(ニッケル製等)に、フッ素ガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを300〜500℃で10〜500時間流すことにより行う。
また、フッ素ガスと反応させる他の方法として、ナノダイヤを入れた反応炉に、150℃、で3〜4時間不活性ガス中で加熱し、その後反応炉にフッ素ガス及びフッ化水素(3:1)を入れ、150℃のまま48時間加熱することによりフッ素化を行う方法がある。不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴンが使用でき、又は真空で処理しても良い。
フッ素化ダイヤモンド微粒子のフッ素又はフッ素を有する基の含有量は0.1〜20wt%であるのが好ましく、0.2〜15wt%であるのが好ましい。前記含有量が0.1wt%未満であると、フッ素の効果がほとんど得られず、フッ素含有量が20wt%以上であると、逆に凝集性が低下する場合がある。
またケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子を使用する場合も、ケイ素(又はケイ素を有する基)の総量とフッ素(又はフッ素を有する基)の総量との質量比率は撥水撥油性等の効果に応じて設定すればよい。これらの修飾ダイヤモンド微粒子は、未修飾のダイヤモンド微粒子と混合して使用してもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)ナノダイヤモンド粉末の作製
TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメチレントリニトロアミン)を60/40の比で含む0.65kgの爆発物を3mの爆発チャンバー内で爆発させて、生成するナノダイヤモンドを保存するための雰囲気を形成した後、同様の条件で2回目の爆発を起こし未精製のナノダイヤモンドを合成した。爆発生成物が膨張し熱平衡に達した後、15mmの断面を有する超音速ラバルノズルを通して35秒間ガス混合物をチャンバーより流出させた。チャンバー壁との熱交換及びガスにより行われた仕事(断熱膨張及び気化)のため、生成物の冷却速度は280℃/分であった。サイクロンで捕獲した生成物(黒色の粉末)の比重は2.55g/cm、メジアン径(動的光散乱法)は220nmであった。この未精製のナノダイヤモンドは、比重から計算して、76体積%のグラファイト系炭素と24体積%のダイヤモンドからなっていると推定された。
この未精製のナノダイヤモンドを60質量%硝酸水溶液と混合し、160℃、14気圧、20分の条件で酸化性分解処理を行った後、130℃、13気圧、1時間で酸化性エッチング処理を行った。酸化性エッチング処理により、未精製のナノダイヤモンドからグラファイトが一部除去された粒子が得られた。この粒子を、アンモニアを用いて、210℃、20気圧、20分還流し中和処理した後、自然沈降させデカンテーションにより35質量%硝酸での洗浄を行い、さらにデカンテーションにより3回水洗し、遠心分離により脱水し、120℃で加熱乾燥し、ナノダイヤモンドの粉末を得た。このナノダイヤモンドの粉末の比重は3.38g/cmであり、メジアン径は120nm(動的光散乱法)であった。比重から計算して、90体積%のダイヤモンドと10体積%のグラファイト系炭素からなっていると推定された。
(2)ポリエチレンテレフタレートからなる織物の作製
ポリエチレンテレフタレート(融点:250℃)からなるマルチフィラメント56dtex/24fil(延伸糸、帝人ファイバー(株)製)を経糸に配し、一方、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント86dtex/36fil(延伸糸、帝人ファイバー(株)製)を緯糸に配し、通常の織機でタフタ織物(平組織織物)を製織した。
(3)ナノダイヤモンド粉末を担持した複合繊維からなる織物の作製
180℃に加熱した前記ポリエチレンテレフタレートからなる織物の両面に、300℃に加熱した前記ナノダイヤモンド粉末を散布した後、室温まで冷却した。この繊維を水洗し、担持されなかったナノダイヤモンド粉末を除去し、ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物を得た。得られた織物は、繊維1kgあたり2.0gのナノダイヤモンド粉末が担持していた。
得られた複合繊維からなる織物の洗濯適性を、JIS L 1096 Gで規定されている家庭用洗濯機法によって洗濯したときに担持されているナノダイヤモンド粉末がどれだけ低下するかで評価した。結果を表1に示す。
比較例1
(1)酸化チタン粉末を有する複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、酸化チタン粉末(平均粒径22nm)を散布した以外実施例1と同様にして酸化チタン粉末が担持した複合繊維からなる織物を得た。得られた織物は、繊維1kgあたり1.3gの酸化チタン粉末が担持していた。
得られた複合繊維からなる織物の洗濯適性を、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006145030
表1から明らかなように、ナノダイヤモンド粉末を担持した複合繊維からなる織物は、酸化チタン粉末を担持した複合繊維からなる織物に比べて、粉末(固体微粒子)の担持量が多く、かつ洗濯を繰り返した後でも担持量がほとんど減少しないことが分かった。
実施例2
(1)トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド微粒子の作製
実施例1で作製したナノダイヤモンドの粉末をメチルイソブチルケトンに3質量%の濃度で分散させ、トリメチルクロロシランのメチルイソブチルケトン溶液(濃度7.5質量%)を1:1の容量で加え、48時間撹拌してナノダイヤモンドをトリメチルシランで修飾した。得られた分散物をメチルイソブチルケトンで洗浄後、乾燥し、トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末を得た。
(2)トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、得られたトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末を散布した以外実施例1と同様にしてトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物を得た。この繊維は、繊維1kgあたり2.0gのトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末が担持されていた。
得られた複合繊維からなる織物の接触角(製造直後)及び洗濯適性を測定した。接触角の測定は液適法によって行い、純水を滴下して0.5秒後の接触角で評価した。洗濯適性は、JIS L 1096 Gで規定されている家庭用洗濯機法によって洗濯したときにどれだけ撥水性が低下するかで評価した。結果を表2に示す。
実施例3
(1)フッ素化ダイヤモンド微粒子の作製
実施例1で作製したナノダイヤモンドの粉末を、1kPaの圧力で400℃3時間加熱して含まれる水分を除去した。乾燥後のナノダイヤモンドの粉末を20g、ニッケル製の反応管に入れ、フッ素ガス(10vol%)とアルゴンガス(90vol%)との混合ガスを450℃で120時間流すことによりフッ素原子がナノダイヤモンド粒子に付加したフッ素化ダイヤモンド微粒子を得た。
(2)フッ素化ダイヤモンド微粒子が担持した複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、得られたフッ素化ダイヤモンド微粒子を散布した以外実施例1と同様にしてフッ素化ダイヤモンド微粒子が担持した複合繊維からなる織物を得た。この繊維は、繊維1kgあたり2.0gのフッ素化ダイヤモンド微粒子が担持されていた。
得られた複合繊維からなる織物の接触角、及び洗濯適性を実施例2と同様にして測定した。結果を表2に示す。
実施例4
(1)フルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末の作製
実施例1で作製したナノダイヤモンドの粉末を3質量%の濃度でメタノールに分散させ、下記式:
Figure 0006145030
(Rは−CF(CF)OC基、Rは−OH基、nは約800である。)表される含フッ素オリゴマー、及び28質量%アンモニア水を、ナノダイヤモンド分散物100質量部に対してそれぞれ50質量部及び10質量部加え、80℃で20時間撹拌して反応させた。得られた分散物を中和、洗浄及び乾燥し、フルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を得た。
(2)フルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、得られたフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を散布した以外実施例1と同様にしてフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物を得た。この繊維は、繊維1kgあたり2.2gのフッ素化ダイヤモンド微粒子が担持されていた。
得られた複合繊維からなる織物の接触角、及び洗濯適性を実施例2と同様にして測定した。結果を表2に示す。
実施例5
(1)トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末及びフッ素化ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、実施例2で作製したトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末、及び実施例3で作製したフッ素化ダイヤモンド微粒子を6:4の質量比となるように混合した粉末を使用した以外実施例1と同様にして、トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末及びフッ素化ナノダイヤモンド粉末が担持した複合繊維からなる織物を得た。この繊維は、繊維1kgあたり合計で2.1gのトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末及びフッ素化ナノダイヤモンド粉末が担持されていた。
得られた複合繊維からなる織物の接触角、及び洗濯適性を実施例2と同様にして測定した。結果を表2に示す。
実施例6
(1)トリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子の製造
実施例2で作製したトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド分散物を用いて、実施例3と同様にして、ナノダイヤモンド表面をフッ素原子で修飾し、ナノダイヤモンド表面がトリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子を得た。
(2)トリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子が担持した複合繊維からなる織物の作製
ナノダイヤモンド粉末の代わりに、得られたトリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子を使用した以外実施例1と同様にして、トリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子が担持した複合繊維からなる織物を得た。この繊維は、繊維1kgあたり2.1gのトリメチルシラン及びフッ素原子で修飾されたダイヤモンド微粒子が担持されていた。
得られた複合繊維からなる織物の接触角、及び洗濯適性を実施例2と同様にして測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006145030
表2から明らかなように、本発明のフッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子を担持した複合繊維からなる織物は、高い撥水性を有するとともに、繰り返し洗濯した後でも高い撥水性を維持している。
1・・・複合繊維
2・・・繊維
20・・・芯鞘型のコンジュゲート繊維
21・・・鞘部分
22・・・芯部分
2a・・・繊維表面
3・・・固体微粒子

Claims (8)

  1. 少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維に、前記繊維を室温以上及び前記熱可塑性樹脂の融点より低い温度で加熱しながら、前記熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱した固体微粒子を接触させて、前記繊維表面に前記固体微粒子を融着させることにより前記固体微粒子が担持してなる複合繊維を製造する方法であって、
    前記固体微粒子が100W/m・K以上の熱伝導率を有することを特徴とする複合繊維の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合繊維の製造方法において、前記固体微粒子が2.5g/cm以上の比重を有することを特徴とする複合繊維の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の複合繊維の製造方法において、前記固体微粒子がダイヤモンドを含む粒子であることを特徴とする複合繊維の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の複合繊維の製造方法において、前記固体微粒子が撥水撥油性を有することを特徴とする複合繊維の製造方法。
  5. 請求項に記載の複合繊維の製造方法において、前記撥水撥油性を有する固体微粒子が、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子であることを特徴とする複合繊維の製造方法。
  6. 請求項に記載の複合繊維の製造方法において、前記フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子が、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子を、ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理して得られたものであることを特徴とする複合繊維の製造方法。
  7. 請求項に記載の複合繊維の製造方法において、前記爆射法で得られたダイヤモンド微粒子が、2.55〜3.48g/cmの比重を有することを特徴とする複合繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の複合繊維の製造方法において、前記熱可塑性樹脂がポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリアクリロニトリル、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする複合繊維の製造方法。
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