JP2015074781A - 撥水撥油性複合材料の製造方法、及び撥水撥油性複合材料 - Google Patents
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Abstract
Description
前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を製造する工程、
前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物を作製する工程、
前記分散物を基材に付着させる工程、及び
前記分散物が付着した基材の表面を処理し前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を覆っている前記バインダーの一部を除去し、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を露出させる工程
を有することを特徴とする。
(1)構造
本発明の撥水撥油性複合材料1は、図1及び図2に示すように、撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子2がバインダー3によって基材4に付着してなり、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子2の一部が前記基材4の表面を覆っている前記バインダー3から露出していることを特徴とする。ここで、図1はシート状の基材に撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を付着させた例であり、図2は繊維状の基材に撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を付着させた例である。
シート状の基材に撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子をバインダーによって付着させることにより、図1に示すように、撥水撥油性を有するシート又はフィルムとすることができる。撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の付着は、シート状の基材の片面であっても良いし、両面であっても良い。さらに前記バインダーとして、ハードコート層を形成する材料を使用して、撥水撥油性を有するハードコート層を形成してもよい。これらの撥水撥油性シート又はフィルムは、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子がバインダーによって強固にシート又はフィルムに固定されているため、容易に剥離することがない。そのため、撥水撥油性効果が容易に低下しないので、指紋の付着防止効果、指紋の拭き取り性が長期間持続し、例えばタッチパネル、各種ディスプレイ等の保護用に好適である。
繊維状の基材に撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子をバインダーによって付着させることにより、図2に示すように、撥水撥油性を有する繊維とすることができる。この撥水撥油性繊維は、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子がバインダーによって強固に繊維に固定されているため、容易に剥離することがない。そのためこの撥水撥油性繊維を使用した衣類、寝具等の繊維製品は、繰り返し洗濯しても容易に撥水撥油効果が低下しない洗濯耐性を有する。
撥水撥油性複合材料で用いる基材としては、特に限定されないが、シート状又は繊維状のものが好ましい。
シート状基材としては、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、目的に応じて選択することができる。プラスチック製の基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル系フィルム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式構造含有重合体等のポリオレフィン系フィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム等を用いることができる。
繊維状基材としては、従来から使用されているものがいずれも使用可能である。例えば、木綿等のセルロース繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維、ベンベルグ、レーヨン、テンセル(登録商標)等の再生繊維、及び羊毛や絹等のタンパク質繊維等が挙げられる。これらの繊維は、単独で用いても良いし、2種以上を混紡、混織、交撚、交編織等で混用しても良いし、2種以上をコンジュゲート繊維(複合繊維)や混合繊維としても良い。2種以上の繊維を前記の方法により使用する場合、少なくとも1種の繊維は撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を有する繊維とする。全ての成分を、撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を有する繊維としてもよい。これらの繊維は、フィラメント、ステーブル、編み物、織物、不織布、縫製品等の任意の形態で使用することができる。
撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子としては、例えば、ケイ素を有するダイヤモンド微粒子、及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子が挙げられる。ケイ素を有するダイヤモンド微粒子は、10〜500nm程度のダイヤモンド微粒子の表面に、ケイ素原子又はケイ素原子を含有する基を結合させることによって得られたケイ素修飾ダイヤモンド粒子であり、同様に、フッ素を有するダイヤモンド微粒子は、フッ素原子又はフッ素原子を含有する基を結合させたフッ素修飾ダイヤモンド粒子である。ケイ素原子、ケイ素原子を含有する基、フッ素原子、及びフッ素原子を含有する基は、ダイヤモンド微粒子の表面に存在するsp3炭素、sp2炭素、−COOH、−OH等の親水性官能基等に共有結合により結合するため、容易にダイヤモンド微粒子から分離することはない。これらの撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の一部がバインダー中に埋もれてアンカーの役割を担うことで、バインダーを介して基材と強固に結合することが可能となり、撥水撥油性の効果を長期間持続させることができる。撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子は、前記ケイ素のみ又はフッ素のみを有するダイヤモンド微粒子であってもよいし、ケイ素及びフッ素を有するダイヤモンド微粒子であってもよい。特に、フッ素を有するダイヤモンド微粒子が撥水撥油性の効果が大きいので好ましい。
バインダーは、特に限定されず、水性又は水溶性の樹脂、油溶性の樹脂等、基材の材質・形状に応じて適宜選択することができる。
撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子が基材に付着してなる撥水撥油性複合材料は、
(1)前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を製造する工程、
(2)前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物を作製する工程、
(3)前記分散物を基材に付着させる工程、及び
(4)前記分散物が付着した基材の表面を処理し前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を覆っている前記バインダーの一部を除去し、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を露出させる工程
を有する。
(a)爆射法によるダイヤモンド微粒子の合成
撥水撥油性基を修飾するためのダイヤモンド微粒子の一例として、爆射法でダイヤモンド微粒子を製造する方法を説明する。爆射法としては、水及び/又は氷の存在下で爆薬を爆発させて行うウエット法、水及び/又は氷を使用しないで気流によって冷却するドライ法等があるが、本発明では爆射法であればどの方法を採用しても良い。
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理して得られたナノダイヤモンドに、シリル化剤、アルコキシシラン、シランカップリング剤等を反応させることによりナノダイヤモンドの表面にある水酸基等の親水性基を、ケイ素を含む有機基に置換することができる。ケイ素化処理は、シリル化剤を用いるのが好ましい。
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理により得られたナノダイヤモンドは、(i)フルオロアルキル基含有オリゴマーを使用した方法、(ii)フルオロアルキルアゾ化合物を用いた方法、(iii)フッ素ガスと直接反応させる方法、(iv)ClF、ClF3、ClF5等のハロゲンフッ化物を反応させる方法、(v)フッ素プラズマによる方法等により、その表面をフッ素又はフッ素を有する基で修飾することができる。
高分子主鎖の両末端にフルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合により導入された高分子界面活性剤(含フッ素オリゴマー)は、水溶液中又は有機溶媒中において自己組織化したナノレベルの分子集合体を形成することが知られている。このフルオロアルキル基が末端に導入された含フッ素オリゴマーを用いることにより、フルオロアルキル基で修飾したナノダイヤモンドを形成することができる。
下記反応式に記載したように、ナノダイヤモンドの存在下で、パーフルオロヘキサンに溶解したアゾビスパーフルオロオクチル1に、Xeエキシマランプにより波長172nmの光を室温で照射することによりナノダイヤモンドにパーフルオロオクチルを付加させることができる。この反応はアルゴン気流下で行い、前記照射時間は10分〜2時間程度である。なお、この方法に用いるナノダイヤモンドは、パーフルオロヘキサンに分散しやすいようにあらかじめ疎水化処理を行うのが好ましい。
フッ素ガスと直接反応させる方法は、ナノダイヤモンドを入れた反応管(ニッケル製等)に、フッ素ガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを300〜500℃で10〜500時間流すことにより行う。
撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物は、撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の親疎水性、バインダーの種類、基剤の種類、分散物の塗布方法等に応じて、水系分散物、又は有機溶剤系分散物を適宜選択することができる。取り扱い性を考慮すると、撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の分散媒は、水、アルコール等の親水的な溶剤が好ましい。分散液中の撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の濃度は、特に限定されないが、2%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましく、0.5%以下であるのが最も好ましい。撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物に、さらに分散剤を添加しても良い。分散剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が使用できる。
撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物を基材に付着させるには、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法で分散物を塗布することによって行う。これらの方法は、塗装される基材となる成形品の形状に応じて適宜選択する。特にシート状基材に塗布する場合は、ディップコート法、フローコート法、及びスピンコート法が好ましく、繊維状基材に塗布する場合は、ディップコート法、及びスプレーコート法が好ましい。塗布した分散物は、常温又は加熱して乾燥する。
バインダー表面に存在する撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子2bは、図3(a)に示すように、バインダー3の表面から突出してはいるが、その粒子表面はバインダー3bにより薄く覆われているため、撥水撥油生を十分に発揮できない。この撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子2bの表面を薄く覆っているバインダー3bを除去することにより、撥水撥油性複合材料は高い撥水撥油性の効果を発揮するようになる。前記バインダー3bを除去するための表面処理方法としては、プラズマ処理法、コロナ処理法、エキシマUV光照射法、紫外線照射法等の方法が挙げられる。特にプラズマ処理法及びコロナ処理法が好ましい。またシート状の基材にハードコート層を設ける態様の場合には、プラズマ処理法が好ましい。
プラズマ処理の方法としては、(a)前記分散物を付着させた基材を酸素含有ガス雰囲気に設置し、プラズマ放電することにより行う直接法、又は(b)酸素含有ガスにプラズマ放電して得られたプラズマガスを、前記分散物を付着させた基材に吹き付けることにより行う間接法(ダウンフロー法等)が好ましい。酸素含有ガスとしては、酸素、空気、10〜50体積%の酸素と窒素以外の不活性ガスとの混合ガス等が挙げられるが、酸素が好ましい。直接法及び間接法のいずれを用いる場合でも、プラズマ処理は大気圧下で行っても、減圧下で行ってもよいが、処理の簡便さから大気圧プラズマが好ましい。
コロナ処理は、空気中で行うのが好ましい。コロナ処理時における圧力は、特に限定されず、例えば常圧又はその近傍とすることができる。また、コロナ放電の照射量は、通常、1m2あたり200〜2000W・minであるのが好ましい。照射量が200W・min/m2未満であるとバインダーの除去効果がほとんど得られず、2000W・min/m2超になるとバインダー表面に精製した親水性基が多くなり撥水撥油性の効果が減少してしまう。コロナ放電の照射量は、より好ましくは300〜1000W・minである。
エキシマUV光照射法、及び紫外線照射法は高エネルギー光の照射により、バインダーを構成する原子間の共有結合を切断し、バインダーの表面を除去する方法である。これらの処理により、高い撥水撥油性の効果を発揮するようになる。これらの方法においては、エキシマUV光、紫外線等の照射によりオゾンが発生し、水素原子源や酸素原子と反応して活性水素又は活性酸素を発生させる。これらの活性種は前記バインダーに作用して、バインダー表面に親水性基を生成させ、撥水撥油性を低下させるので、あまり長時間の照射は好ましくない。
(1)ナノダイヤモンドの作製
TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメチレントリニトロアミン)を60/40の比で含む0.65kgの爆発物を3m3の爆発チャンバー内で爆発させて、生成するナノダイヤモンドを保存するための雰囲気を形成した後、同様の条件で2回目の爆発を起こし未精製のナノダイヤモンドを合成した。爆発生成物が膨張し熱平衡に達した後、15mmの断面を有する超音速ラバルノズルを通して35秒間ガス混合物をチャンバーより流出させた。チャンバー壁との熱交換及びガスにより行われた仕事(断熱膨張及び気化)のため、生成物の冷却速度は280℃/分であった。サイクロンで捕獲した生成物(黒色の粉末)の比重は2.55g/cm3、メジアン径(動的光散乱法)は220nmであった。この未精製のナノダイヤモンドは、比重から計算して、76体積%のグラファイト系炭素と24体積%のダイヤモンドからなっていると推定された。
得られたナノダイヤモンドの粉末をメチルイソブチルケトンに3質量%の濃度で分散させ、トリメチルクロロシランのメチルイソブチルケトン溶液(濃度7.5質量%)を1:1の容量で加え、48時間撹拌してナノダイヤモンドをトリメチルシランで修飾した。得られた分散物をメチルイソブチルケトンで洗浄後、乾燥し、トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末を得た。
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、O−PET、75μm)の表面にスパッタリングで20nmのITO層を形成させたシートを上部電極として得た。この上部電極の表面固有抵抗は300Ω/cm2であった。
プラズマ処理の代わりに、600Wmin/m2の放電量でコロナ処理を行った後、ハードコートフィルム表面の接触角を実施例1と同様にして測定したところ125°であった。
(1)フッ素化処理
実施例1で作製したナノダイヤモンドの粉末を3質量%の濃度でメタノールに分散させ、下記式:
トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末の代わりに、フルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を使用した以外実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたハードコートフィルム表面の接触角を測定(水滴を滴下後0.5秒後の値)したところ163°であった。
ハードコートフィルムの作製
トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末の代わりに、実施例1で作製したトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末、及び実施例3で作製したフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を6:4の質量比となるように混合した粉末を使用した以外実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたハードコートフィルム表面の接触角を測定(水滴を滴下後0.5秒後の値)したところ160°であった。
(1)ケイ素化及びフッ素化
実施例1で作製したトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド分散物を用いて、実施例3と同様にして、ナノダイヤモンド表面をフルオロアルキル基で修飾し、ナノダイヤモンド表面がトリメチルシラン及びフルオロアルキル基で修飾されたダイヤモンド微粒子(トリメチルシラン及びフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド)を得た。
トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末の代わりに、トリメチルシラン及びフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を使用した以外実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。得られたハードコートフィルム表面の接触角を測定(水滴を滴下後0.5秒後の値)したところ161°であった。
(1)撥水撥油性繊維からなる織物の作製
ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント56dtex/24fil(延伸糸、帝人ファイバー(株)製)を経糸に配し、一方、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント86dtex/36fil(延伸糸、帝人ファイバー(株)製)を緯糸に配し、通常の織機でタフタ織物(平組織織物)を製織した。この織物を、通常の液流染色機(ノズル径80mm)を使用して、0.8g/Lのトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド微粒子及び1g/Lの濃度のバインダー(アクリル樹脂)を含む水分散液中(35℃)に5分間浸漬し、引き上げた後でニップロールで絞り、80℃で乾燥することにより、トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド微粒子を付着させた撥水撥油性繊維からなる織物を作製した。得られた織物は、繊維1kgあたり2.0gのトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末が付着していた。
(1)撥水撥油性繊維からなる織物の作製
実施例6で用いたトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド微粒子を含む水分散液の代わりに、0.4g/Lのフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド微粒子(実施例3で作製したもの)、20g/Lのディスパノール(登録商標)WI−133(日油株式会社製)、1g/Lの濃度のバインダー(アクリル樹脂)を含む水分散液を用いた以外は実施例6の織物と同様にして、フルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド微粒子の付着した織物を作製した。
(1)撥水撥油性繊維からなる織物の作製
実施例6で用いたトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド微粒子を含む水分散液の代わりに、0.6g/Lのトリメチルシラン及びフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド微粒子(実施例5で作製したもの)、10g/Lのディスパノール(登録商標)WI−133(日油株式会社製)、1g/Lの濃度のバインダー(アクリル樹脂)を含む水分散液を用いた以外は実施例6の織物と同様にして、トリメチルシラン及びフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド微粒子の付着した織物を作製した。
2・・・撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子
2a・・・バインダー中に全体が埋もれて存在する粒子
2b・・・バインダー表面に存在する粒子
3・・・バインダー
3b・・・撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を覆っているバインダー
4・・・基材
Claims (14)
- 撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子が基材に付着してなる撥水撥油性複合材料を製造する方法であって、
前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を製造する工程、
前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子とバインダーとを含む分散物を作製する工程、
前記分散物を基材に付着させる工程、及び
前記分散物が付着した基材の表面を処理し前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を覆っている前記バインダーの一部を除去し、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子を露出させる工程
を有することを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。 - 請求項1に記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記基材の表面処理方法が、プラズマ処理法、コロナ処理法、エキシマUV光照射法、及び紫外線照射法からなる群から選ばれた少なくとも一種の方法であることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子が、フッ素及び/又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子であることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記バインダーが、水性樹脂又は水溶性樹脂からなることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項4に記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記バインダーが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂ラテックス、グリオキザール樹脂、イソシアネート系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子が、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子を、ケイ素化処理及び/又はフッ素化処理して得られたものであることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子が、2.55〜3.48g/cm3の比重を有することを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記基材が、シート状又は繊維状であることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項8に記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記シート状基材がポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選ばれた少なくとも一種からなるフィルムであることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 請求項8に記載の撥水撥油性複合材料の製造方法において、前記繊維状基材が木綿、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンベルグ、レーヨン、テンセル、羊毛及び絹からなる群から選ばれた少なくとも一種の繊維であることを特徴とする撥水撥油性複合材料の製造方法。
- 撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子がバインダーによって基材に付着してなる撥水撥油性複合材料であって、前記撥水撥油性基を有するダイヤモンド微粒子の一部が、前記基材の表面を覆っている前記バインダーから露出しており、純水に対する接触角が110°以上であることを特徴とする撥水撥油性複合材料。
- 請求項11に記載の撥水撥油性複合材料において、前記基材が、繊維状であることを特徴とする撥水撥油性複合材料。
- 請求項11に記載の撥水撥油性複合材料において、前記基材が、シート状であることを特徴とする撥水撥油性複合材料。
- 請求項13に記載の撥水撥油性複合材料において、前記バインダーがハードコート層を形成するものであることを特徴とする撥水撥油性複合材料。
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