JP6144899B2 - 嵌合具付き袋体 - Google Patents

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Description

本発明は、嵌合具付き袋体に関する。
食品、薬品等の様々な分野において、袋本体の開口部近傍の内面に、開口部を開閉自在に封じる嵌合具が取り付けられた嵌合具付き袋体が広く用いられている。嵌合具としては、例えば、一対の帯状の基材のそれぞれの対向面に、突条の雄側嵌合部及び該雄側嵌合部に着脱自在に嵌合する雌側嵌合部が、それら基材の長手方向に沿ってそれぞれ設けられた嵌合具が知られている(特許文献1)。嵌合具付き袋体においては、袋体の開口部近傍の内面に該開口部の縁に沿って嵌合具が取り付けられ、該嵌合具の雄側嵌合部と雌側嵌合部とを着脱することで、袋体の開口部を開閉自在に封じることができる。
一方、食品、薬品等の分野においては、保存時や使用時等における内容物の温度を制御する必要がある場合が多い。例えば、保存時においては冷蔵また冷凍保存が要求され、使用時には常温に戻して使用されるもの等が挙げられる。
このような場合、保存時間や、室温等で放置して常温に戻すための時間が長ければ、嵌合具付き袋体に収容した内容物の温度を判断することは比較的容易である。しかし、これらの時間が充分に長くない場合は、内容物の温度を判断することが難しい。また、嵌合具付き袋体の袋本体の材質によっても袋体内の温度変化の速度が変わることから、内容物の温度を直ちに判断することは難しい。
特開2003−160147号公報
本発明は、袋体内に収容した内容物の温度を容易に判断できる嵌合具付き袋体を提供する。
本発明の嵌合具付き袋体は、内容物を収容する袋本体と、前記袋本体の内面に取り付けられた嵌合具と、を有し、前記嵌合具は、前記袋本体に形成される開口部の縁に沿うように前記袋本体の対向する内面に帯状の基材を介して又は直接取り付けられ、互いに着脱自在に嵌合する一対の嵌合部を有し、前記袋本体における少なくとも前記嵌合具が取り付けられている部分が透明になっており、前記嵌合具に、下記条件(1)及び下記条件(2)のいずれか一方又は両方を満たすように感温変色性材料が含有され、前記嵌合具の色が前記袋本体内の温度に依存して変化し、前記袋本体の外側から前記嵌合具の色の変化が判別できる。
条件(1):前記基材に感温変色性材料が含有され、前記基材中の前記感温変色性材料の含有量が、前記基材100質量%に対して5〜40質量%である。
条件(2):前記嵌合部に感温変色性材料が含有され、前記嵌合部中の前記感温変色性材料の含有量が、前記嵌合部100質量%に対して5〜40質量%である。
本発明の嵌合具付き袋体は、袋体内に収容した内容物の温度を容易に判断できる。
本発明の嵌合具付き袋体の一例を示した正面図である。 図1の嵌合具付き袋体のI−I’断面図である。 図1の嵌合具付き袋体の開口部を開いた様子を示した斜視図である。
本発明の嵌合具付き袋体の一例を図1〜3に基づいて説明する。
本実施形態の嵌合具付き袋体1(以下、「袋体1」という。)は、図1及び図2に示すように、内容物を収容する袋本体20と、袋本体20の内面に取り付けられた嵌合具10と、を有する。
嵌合具10は、一対の帯状の第1の基材11及び第2の基材12を有している。第1の基材11の対向面11aには、第1の基材11の長手方向に沿って突条の雄側嵌合部13が設けられている。第2の基材12の対向面12aには、第2の基材12の長手方向に沿って、雄側嵌合部13と着脱自在に嵌合する雌側嵌合部14が設けられている。
第1の基材11の形状は、公知の嵌合具で通常用いられる帯状の形状であれば特に限定されない。
第1の基材11としては、対向面11a側から、耐熱層とヒートシール層が積層された積層フィルムが好ましい。また、第1の基材11は、耐熱層とヒートシール層の間にバリア層を有していてもよい。
耐熱層を形成する樹脂材料としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
ヒートシール層を形成する樹脂材料としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
バリア層を形成する樹脂材料としては、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
第1の基材11を形成する樹脂材料は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。また、第1の基材11には、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤が添加されていてもよい。
また、第1の基材11は、積層フィルムからなる基材には限定されず、単層フィルムからなる基材であってもよい。
第2の基材12としては、例えば、第1の基材11と同じ基材が挙げられ、好ましい態様も同じである。
雄側嵌合部13は、図2に示すように、第1の基材11の対向面11aから立ち上がる幹部13aと、幹部13aの先端側に設けられ、幹部13aよりも大きい頭部13bを有している。雌側嵌合部14は、第2の基材12の対向面12aから断面円弧状に立ち上がる一対の第1のアーム部14aと第2のアーム部14bからなり、第1のアーム部14aと第2のアーム部14bによって凹条14cが形成されている。
雄側嵌合部13と雌側嵌合部14は、雄側嵌合部13の頭部13bを雌側嵌合部14の凹条14cに嵌め込むことで、着脱自在に嵌合できるようになっている。
雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の断面形状は、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を互いに着脱することで、袋本体の開口部の開閉が繰り返し行えるものであればよい。例えば、雌側嵌合部は、第2の基材12の対向面12aから立ち上がる首部と、該首部から断面円弧状に立ち上がる一対のアーム部とを有し、それら一対のアーム部によって雄側嵌合部の頭部を嵌め込む凹条が形成される雌側嵌合部であってもよい。
雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の材質としては、例えば、第1の基材11及び第2の基材12で挙げたものと同じものが挙げられる。
嵌合具10は、温度に依存して色が変化するようになっている。嵌合具10は、袋本体20の内面に取り付けられているため、嵌合具10の色は袋本体20内の温度が反映された色となる。これにより、嵌合具10の色から、袋体1の袋本体20内に収容された内容物の温度を容易に判断することができる。
嵌合具10の色の変化は、嵌合具10全体で色が変化するようにしてもよく、嵌合具10の一部で色が変化するようにしてもよい。例えば、第1の基材11及び第2の基材12の色は変化せず、雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の色が変化するようにしてもよく、雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の色は変化せず、第1の基材11及び第2の基材12の色が変化するようにしてもよい。
嵌合具10の色調は、袋体1の外側から色の変化が視認できる範囲であれば特に限定されない。
嵌合具10の色を温度に依存して変化させる態様としては、嵌合具10に、周囲の温度に感応して色が変わる感温変色性材料を含有させる態様が好ましい。
感温変色性材料は、嵌合具10の全体に含有させてもよく、嵌合具10の一部のみに含有させてもよい。例えば、嵌合具10における第1の基材11及び第2の基材12のみに感温変色性材料を含有させてもよく、雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14のみに感温変色性材料を含有させてもよい。また、第1の基材11や第2の基材12が積層フィルムである場合には、該積層フィルムの全ての層に感温変色性材料を含有させてもよく、一部の層のみに感温変色性材料を含有させてもよい。
感温変色性材料としては、例えば、電子供与性化合物(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)とを含む混合物が挙げられる。該混合物では、温度変化に感応して結晶を形成し、電子供与性化合物と電子受容性化合物との間で電子の授受が起きて変色する。このような色の変化は、温度変化によって可逆的に起こる。
電子供与性化合物としては、特に限定されず、例えば、電子受容性化合物と反応して呈色する公知のロイコ化合物が挙げられる。具体的には、フルオラン類等が挙げられる。
電子受容性化合物としては、特に限定されず、例えば、ロイコ化合物から電子を受け取ることによって顕色させる公知の化合物が挙げられる。具体的には、ビスフェノール類等が挙げられる。
嵌合具10の色を安定して可逆的に変化させるようにする点では、電子供与性化合物と電子受容性化合物を含む混合物がマイクロカプセル化されていることが好ましい。該混合物をマイクロカプセル化する方法は、公知の方法を採用できる。
嵌合具10の全体に感温変色性材料を含有させる場合、嵌合具10(100質量%)中の感温変色性材料の含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。前記感温変色性材料の含有量が下限値以上であれば、嵌合具10の色を判別しやすく、袋体1内に収容した内容物の温度を判断しやすい。前記感温変色性材料の含有量が上限値以下であれば、充分な嵌合強度が得られやすい。
第1の基材11に感温変色性材料を含有させる場合、第1の基材11(100質量%)中の感温変色性材料の含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。第2の基材12に感温変色性材料を含有させる場合の好ましい含有量は、第1の基材11の場合と同様である。
雄側嵌合部13に感温変色性材料を含有させる場合、雄側嵌合部13(100質量%)中の感温変色性材料の含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。雌側嵌合部14に感温変色性材料を含有させる場合の好ましい含有量は、雄側嵌合部13の場合と同様である。
袋本体20は、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22が重ね合わされ、それらの周縁部23が全てヒートシールされることで形成されており、密封された状態になっている。袋本体20における嵌合具10よりも上部側に、横方向に沿って切断補助線24が設けられており、その端部にノッチ25が形成されている。
袋体1は、ノッチ25から切断補助線24に沿って袋本体20の上部を切断して除去することで、図3に示すように、上部に開口部26を形成して開封することができる。袋体1では、袋本体20の対向する内面に、開口部26の縁に沿うように雄側嵌合部13と雌側嵌合部14が設けられるように嵌合具10が取り付けられている。具体的には、図2に示すように、嵌合具10の第1の基材11の外面11bが袋本体20の第1のフィルム材21に溶着され、嵌合具10の第2の基材12の外面12bが袋本体20の第2のフィルム材22に溶着されている。
袋体1に形成した開口部26は、嵌合具10によって、開閉自在に封じることができる。
袋本体20の形状は、本実施形態では矩形である。ただし、袋本体20の形状は矩形には限定されない。また、袋本体20の大きさも特に限定されず、袋本体20に収容する内容物によって適宜選定すればよい。
袋本体20は、袋本体20の外側から嵌合具10の色の変化が判別できるようになっている。具体的には、袋本体20における少なくとも嵌合具10が取り付けられている部分が透明になっている。袋本体20は、全体が透明であってもよく、嵌合具10が取り付けられている部分が透明で、その他の部分が着色されて不透明であってもよい。
袋本体20を形成する第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、ヒートシールにより嵌合具10を溶着できるものであればよく、内面側からシーラント層と基材層を少なくとも有する積層フィルムが好ましい。
基材層としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
シーラント層としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
また、前記積層フィルムには、バリア層等の機能層を設けてもよい。
第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、シーラント層のみからなる単層フィルムであってもよい。
第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、嵌合具10の色の変化を判別できる範囲であれば、着色剤等によって着色されていてもよい。
切断補助線24は、袋本体20を切断して開封するのを補助する線である。切断補助線24としては、例えば、袋本体20の第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22における切断補助線24の部分をそれ以外の部分に比べて薄肉化した弱化線、ミシン目からなる弱化線、列状に形成された細孔からなる弱化線が挙げられる。また、切断補助線24は、前記弱化線には限定されず、ハサミやカッター等で切断する位置を示す、印刷等で形成した線であってもよい。
切断補助線24は、本実施形態では袋本体20の幅方向に沿って形成されているが、この形態には限定されず、袋本体20の幅方向に対して傾斜して設けられていてもよい。
ノッチ25の形状は、この例では三角形状である。ノッチ25の形状は、三角形状には限定されず、半円形状、直線状等であってもよい。
以上説明した嵌合具付き袋体にあっては、嵌合具の色が温度に依存して変化し、袋本体の外側から前記嵌合具の色の変化が判別できるようになっているため、袋体内の温度が反映された嵌合具の色から、収容した内容物の温度を容易に判断できる。
なお、本発明の嵌合具付き袋体は、本発明の効果を奏する範囲であれば袋体1には限定されない。
例えば、一対の嵌合部は、それぞれの基材に複数の雄側嵌合部が設けられ、それらを互いに嵌め込むことで、袋体の開口部を開閉するものであってもよい。また、それぞれの基材に1つ以上の雌側嵌合部が設けられ、それら雌側嵌合部同士を互いに嵌め込むことで、袋体の開口部を開閉するものであってもよい。
また、嵌合具は、基材を有さず、一対の嵌合部が袋本体の内面に直接形成されていてもよい。
また、袋本体も特に限定されず、嵌合具付き袋体の袋本体として知られる様々な形態の袋本体を採用できる。例えば、袋体1は切断補助線を利用して開口部を形成するまでは密封状態の袋体であったが、予め開口部が形成された袋本体を有する嵌合具付き袋体であってもよい。
1 嵌合具付き袋体
10 嵌合具
11 第1の基材
12 第2の基材
13 雄側嵌合部
14 雌側嵌合部
20 袋本体
26 開口部

Claims (1)

  1. 内容物を収容する袋本体と、前記袋本体の内面に取り付けられた嵌合具と、を有し、
    前記嵌合具は、前記袋本体に形成される開口部の縁に沿うように前記袋本体の対向する内面に帯状の基材を介して又は直接取り付けられ、互いに着脱自在に嵌合する一対の嵌合部を有し、
    前記袋本体における少なくとも前記嵌合具が取り付けられている部分が透明になっており、
    前記嵌合具に、下記条件(1)及び下記条件(2)のいずれか一方又は両方を満たすように感温変色性材料が含有され、
    前記嵌合具の色が前記袋本体内の温度に依存して変化し、前記袋本体の外側から前記嵌合具の色の変化が判別できる、嵌合具付き袋体。
    条件(1):前記基材に感温変色性材料が含有され、前記基材中の前記感温変色性材料の含有量が、前記基材100質量%に対して5〜40質量%である。
    条件(2):前記嵌合部に感温変色性材料が含有され、前記嵌合部中の前記感温変色性材料の含有量が、前記嵌合部100質量%に対して5〜40質量%である。
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