JP6144187B2 - レール用安全帯取付具 - Google Patents
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Description
この命綱取付具は、レールベース部を両端から上方へ突出する支持棒を設けた挟持部本体と引掛部で挟み込むようにして固定し、その支持棒に命綱取付部を有する中空鋼管から命棒を差し込み引き抜き自在な状態で取り付けたものであり、命棒の上端にランヤード先端部のフックが掛止できる環を設けた構造である。
線路閉鎖をする場合、安全帯用コロ付掴み器および命綱取付具は運行することがないレールに確実に取付けられることから、墜落防止対策は非常に有効である。
命綱取付具は、挟持部本体をレールベース部に取り付けており、又、支持棒も列車の底部に接触しない高さなので列車運行の邪魔にならないが、支持棒に差し込んだ命棒は、列車の底部より上方に位置しているので、列車運行の邪魔になる。
このように、線路を閉鎖しない点検作業では、列車が通過する前に安全帯用コロ付掴み器はその掴み器全体をレールから取り外さなければならなかった。又、命綱取付具は命棒を取り外さなければならなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、鉄道が運行されている際において、鉄橋上の枕木の間の下にある空間に簡単に設置でき、列車運行に差し障りなくレールに取付けることができ、列車通過時の振動によって外れることがないレール用安全帯取付具を提供することをその目的とする。
レールベース部には嵌合可能な形状のレール保持溝を設けた固定挟持金具と移動挟持金具の各々のレール保持溝を対向させて掛止軸に挿通し、固定挟持金具の外側には安全帯取付環と固定具を挿通し、移動挟持金具の外側には弾性体と保持金具を設けた締付具を挿通する。
掛止軸一端部の固定挟持金具が挿入される部分において、断面の円弧部分を軸方向に所定長切欠して摺動軸部とし、固定挟持金具には摺動軸部の断面形状と対応する摺動孔を設けて、掛止軸部での固定挟持金具の回動を防止する構造とする。
締付具を弾性体の押圧に抗して螺進操作することにより移動挟持金具を軸上で押し進め、締付具に一体的に設けた保持金具を移動挟持金具に当接させることで移動挟持金具の掛止軸上での固定を行ない、両挟持金具のレール保持溝間に挟持されたレールベース部への取付けを強固に行うことを特徴とするレール用安全帯取付具を発明した。
更に、固定挟持金具を掛止軸に固定することにより、レール用安全帯取付具をレールベース部に取り付けたときに、固定挟持金具が掛止軸を中心に回動することがないので、簡単にレールベース部に嵌合させることがきる、取付時の作業性が向上する。河川敷
また、移動挟持金具がレールベース部方向に押圧された状態で締付具の保持金具を回動して移動挟持金具の引掛け部の幅部分に当接させることにより、移動挟持金具が掛止軸上を移動することがないので、列車通過時の振動でも弛むことなく、安全性が向上する。
尚、レールには列車の運行頻度により50kgレールと60kgレールの2種類あり、本発明を実施するための形態は60kgレールに取付けたものとして説明している。
詳細について以下に記載する。
図3のAA矢視図および図4のBB矢視図に示すように、摺動軸部24は、掛止軸2一端部の固定挟持金具3が挿入される部分であり、断面が円形の軸の上方円弧部分を図3に示すように切欠し、その切欠長さは図1に示すように掛止軸2の右側端部より所定の長さとする。この摺動軸部24の切欠した面を摺動当接部23とする。
また、摺動孔35は図3に示すように摺動軸部24の断面形状と対応するものとする。
同様に、移動挟持金具4も、引掛け部41とレール保持溝43と摺動孔45を備える。このレール保持溝43は、固定挟持金具3の引掛け部31と同様、レールRの長手方向に対して直交する方向にレールRのレールベース部RBの外側から嵌合可能なようにレールベース部RBの上面BHと下面BLが挿入できる大きさの空間を有し、レールベース部RBが嵌合した際は、引掛け部41とレール保持溝43の下面でレールベース部RBを挟持できる構造である。
又、摺動孔45は、摺動軸2の円形断面と対応するものとする。
次に、掛止軸2の一端部は、固定挟持金具3の外側に、墜落防止用安全帯のランヤード先端部フックが掛止できる環状の安全帯取付環71を挿入し、固定具72で締結する。尚、図示しないが、安全帯取付環71はD形、あるいはO形の形状をした環である。
これにより、固定挟持金具3は、摺動孔35と掛止軸2の摺動当接部23の相互の形状により、掛止軸2を中心として回動しないで、摺動軸部24に沿って軸方向にのみ移動可能となる。
また、掛止軸2の一端部を固定挟持金具3と安全帯取付環71を挿入してから固定具72で締結していることから、固定挟持金具3と安全帯取付環71は掛止軸2から抜け落ちない構造となっている。
掛止軸2の他端部は、移動挟持金具4の外側に弾性体すなわち圧縮コイルばね61を挿入し、掛止軸2の雄ねじ22に締付具5をねじ結合させて取り付ける。移動挟持金具4は、圧縮コイルばね61の押圧によって絶えず固定挟持金具3、すなわちレールベース部RB方向に押されている。
そして、掛止軸2の雄ねじ22先端付近にピン26を打ち込むことにより、締付具5が掛止軸2から抜け落ちない構造となっている。
橋上ガードレールGRが設置された鉄橋上のレールRに本発明のレール用安全帯取付具1を取り付ける方法について以下に記載する。
点検作業場所まで移動した作業者は、図5(a)に示すようにレールRと橋上ガードレールGRの間からレール用安全帯取付具1を差し込む。
次に図5(b)に示すように固定挟持金具3のレール保持溝33をレールベース部RBに挿入する。
このとき、掛止軸2と固定挟持金具3は、摺動当接部23と摺動孔35の断面形状が対応していることにより、固定挟持金具3は掛止軸2を中心に回動しない構造となっており、固定挟持金具3のレール保持溝33は、レールベース部RBに掛止し易い位置を保持できる。
従って、例えば、右手で掛止軸2を持った場合、左手で固定挟持金具3のレール保持溝33をレールベース部RBに介添えして嵌め込むことなく、右手のみの操作でレール保持溝33をレールベース部RBに嵌め込むことができる。
また、掛止軸2の一端部に雄ねじ22を設け、固定挟持金具3の摺動孔に掛止軸2の雄ねじに合致する雌ねじを設けて、掛止軸2一端部の雄ねじと固定挟持金具3の摺動孔を螺合することで掛止軸2と固定挟持金具3の回動を防止することもできる。
従って、レールベース部RBを固定挟持金具3のレール保持溝33と移動挟持金具4のレール保持溝43で挟持しているので、レールベース部RBから抜け落ちることはない。
この結果、レール用安全帯取付具1は、点検作業に近い箇所に簡単に取り付けられ、作業者はこのレール用安全帯取付具1を中心にランヤードの長さを半径とした範囲で枕木交換や点検等の作業を行なうことができる。又、レールベース部RBに取り付けられるので列車の運行に支障がなく、列車が通過する際もレール用安全帯取付具1をレールRに装着したままで、作業者だけ退避することができる。
更に、移動挟持金具4はレールベース部BR方向に押圧された状態で締付具5の保持金具56を移動挟持金具4に当接させることにより掛止軸上に固定されているので、列車通過時の振動で移動挟持金具4が外れる方向に移動してレール用安全帯取付具1がレールベース部RBから外れることはない。
2 掛止軸
22 雄ねじ
23 摺動当接部
24 摺動軸部
3 固定挟持金具
31 引掛け部
33 レール保持溝
35 摺動孔
4 移動挟持金具
41 引掛け部
43 レール保持溝
45 摺動孔
5 締付具
53 取付軸
56 保持金具
58 保持片
61 圧縮コイルばね
71 安全帯取付環
72 固定具
R レール
RB レールベース部
GR 橋上ガードレール
Claims (1)
- 鉄橋に敷設し枕木間に空間を有する状態のレールに列車が通行可能な状態で設置できるレール用安全帯取付具であって、
レールベース部に嵌合可能な形状のレール保持溝を設けた固定挟持金具と移動挟持金具とを、各々のレール保持溝を対向させて掛止軸に挿通し、
前記固定挟持金具の外側には安全帯取付環と固定具とを挿通し、
前記移動挟持金具の外側には弾性体と、保持金具とを設けた締付具とを挿通し、
前記掛止軸一端部の前記固定挟持金具が挿入される部分において、断面の円弧部分を所定長切欠して摺動軸部とし、前記固定挟持金具には当該摺動軸部の断面形状と対応する摺動孔を設けて、掛止軸上の固定挟持金具の回動を防止し、
前記締付具を前記弾性体の押圧に抗して螺進操作することにより前記移動挟持金具を軸上で押し進め、当該締付具に一体的に設けた保持金具を前記移動挟持金具に当接させることで移動挟持金具の掛止軸上での固定を行ない、両挟持金具のレール保持溝間に挟持されたレールベース部への取付けを強固に行うことを特徴とするレール用安全帯取付具。
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