以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
第1実施形態について、図1から図8Bを参照しながら説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る外科手術システム10は、外科手術用デバイス12と、このデバイス12を制御するコントローラ14とを有する。なお、この実施形態及び後述する第2から第6実施形態では、外科手術用デバイス12が超音波処置具であるものとして説明する。
外科手術用デバイス12は、後述するエンドエフェクタを動作させて各種の処置を行うハンドルユニット22と、超音波振動子ユニット24と、プローブ26と、シースユニット28とを有する。ハンドルユニット22(後述する外装ケース32)は中心軸Cを有する。例えばハンドルユニット22に対して振動子ユニット24、プローブ26及びシースユニット28が中心軸C上に連結されている。
図2に示すように、外科手術用デバイス12用のハンドルユニット22は、例えば電気絶縁性の外装ケース(ハンドル本体)32を有する。プローブ26及びプローブ26の基端側に配設された振動子ユニット24は外装ケース32の内部に支持されている。
図2及び図3に示すように、振動子ユニット24は、コントローラ14(図1参照)からの適宜の電力の供給により超音波振動を発生する超音波振動子42と、超音波振動子42に発生させた超音波振動の振幅を拡大する円錐形状のホーン44とを有する。ホーン44は接続ネジ(雌ネジ)46によってプローブ26の基端の雄ネジ26aに取り付けられる。ホーン44はホーン44の中心軸Cに対して径方向外方に突出した外方フランジ44aを備える。
図2に示すように、外装ケース32には、内周面から内側に向けて突出した内方フランジ32aが形成されている。外装ケース32の内方フランジ32aにホーン44の外方フランジ44aが係合することにより、振動子ユニット24が外装ケース32に支持される。
なお、この実施形態では、超音波振動子ユニット24が外装ケース32の内部に支持された例について説明するが、超音波振動子ユニット24が外装ケース32に対して着脱可能であることも好適である。
外装ケース32の基端側には、後述するスイッチ102,104等から図1に示すコントローラ14に対して信号を送受信したり、コントローラ14によって制御された電力を超音波振動子42に供給するケーブル38が接続されている。
図3に示すプローブ26は全体の長さが超音波振動の半波長の整数倍になるように設計されている。プローブ26は、例えばチタン合金材等の金属製でロッド状のプローブ本体52と、プローブ本体52の先端側に設けられた処置部54とを有する。超音波振動子42により発生した超音波振動は、ホーン44により振幅が拡大されてプローブ本体52を通して処置部54に伝達される。プローブ本体52の外周面には、軸方向に沿って振動の節位置の数箇所に振動吸収部材56が配置されている。振動吸収部材56は例えばPTFE材等、耐熱性を有するとともに電気絶縁性を有する素材で形成されている。
図2及び図4に示すように、シースユニット28は、円筒体によって形成されたシース本体62と、シース本体62の先端側に配設されたエンドエフェクタとしてのジョー64とを有する。シース本体62は外筒である円筒状のアウターシース72と、内筒である円筒状の駆動パイプ(駆動部材)74とを有する。駆動パイプ74は、アウターシース72内を中心軸Cの軸方向に摺動可能に挿入されている。駆動パイプ74内には、プローブ26が挿通されている。プローブ本体52と駆動パイプ74との間は、上述した振動吸収部材56(図4参照)によって離間されている。
アウターシース72の先端には、支点ピン76によりジョー64の基端が回動可能に支持されている。そして、プローブ26とシースユニット28とを組み付ける際には、ジョー64は、プローブ26の処置部54と対峙する位置に配置される。
ジョー64は、その基端部の支点ピン76の周辺の両側部に、連結ピン支持体78を有する。それぞれの連結ピン支持体78には、ジョー64と駆動パイプ74との間を連結する連結ピン80が装着されている。駆動パイプ74が軸方向に進退動作することにより、駆動パイプ74の駆動力が連結ピン80を介してジョー64に伝達される。このため、ジョー64が支点ピン76を中心として回動され、ジョー64は処置部54に対して近接及び離隔、すなわち開閉される。このとき、駆動パイプ74が基端側に移動すると、ジョー64は処置部54に向かって近接する方向、すなわち閉じる方向に移動する。駆動パイプ74が先端側に移動すると、ジョー64は処置部54から離隔する方向、すなわち開く方向に移動する。
図1に示すように、ハンドルユニット22は、固定ハンドル(固定部材)92と、固定ハンドル92に対して移動可能な可動ハンドル(移動部材)94とを有する。ハンドルユニット22は、プローブ26及びシースユニット28を中心軸Cの軸回りに回転させることができる回転操作ノブ96をさらに有する。
この実施形態では、固定ハンドル92は、例えば親指以外の指がかけられる指掛部(環状部)92aを有する。なお、指掛部92aは必ずしも形成される必要はなく、固定ハンドル92の前面(中心軸Cに沿って前方側)を親指以外の指で支持するようにしても良い。
図2に示すように固定ハンドル92は、外装ケース(ハンドル本体)32に一体に形成され、又は、外装ケース32に固定されている。固定ハンドル92の先端面には、複数のスイッチ102,104が配置されている。スイッチ102,104を選択的に押圧することにより、プローブ26の処置部54における処置機能(例えば凝固、切開等)が選択される。
図5にはプローブ本体52、シースユニット28の基端とハンドルユニット22との連結部分を示す。図5に示すように、回転操作ノブ96は外装ケース32に対して、アウターシース72の中心軸Cを中心として軸回り方向に回動可能に取り付けられる。回転操作ノブ96はアウターシース72の外周側に配設されている。回転操作ノブ96は、プローブ本体52、駆動パイプ74及びアウターシース72に一体に組み付けられる。ここで、回転操作ノブ96と、プローブ本体52、駆動パイプ74及びアウターシース72との連結構造について説明する。
回転操作ノブ96は、その基端部に、内側に向けて突出した1対の係合爪112を有する。アウターシース72は、その基端部に、係合爪112が係合される1対の係合孔114を有する。回転操作ノブ96の係合爪112がアウターシース72の係合孔114にそれぞれ係合されると、アウターシース72が回転操作ノブ96に取り付けられる。駆動パイプ74は、その基端部に、係合爪112を相対的に移動可能な1対のスライド孔116を有する。スライド孔116は、プローブ本体52の軸方向に沿って係合爪112の厚さ(プローブ本体52の軸方向の寸法)よりも長い長孔状に形成されている。係合爪112をスライド孔116に挿通することにより、駆動パイプ74が回転操作ノブ96に取り付けられる。このため、回転操作ノブ96に駆動パイプ74を取り付けたとき、駆動パイプ74は中心軸Cの軸方向に沿って移動可能である。プローブ本体52は、係合爪112が係合される係合溝118を外周面に有する。係合溝118は振動の節位置に形成されている。係合爪112が係合溝118に係合されると、プローブ本体52は回転操作ノブ96に支持される。このように、プローブ本体52、駆動パイプ74、アウターシース72及び回転操作ノブ96は一体に組み付けられる。そして、アウターシース72の中心軸Cの軸回りに回転操作ノブ96を回動させると、回転操作ノブ96と一緒に外装ケース32の内部のアウターシース72、駆動パイプ74及びプローブ本体52が一体的に中心軸Cの軸回りに回転される。この動作に連動して、シースユニット28のジョー64及びプローブ26の処置部54もアウターシース72、駆動パイプ74及びプローブ本体52と一体的に中心軸Cの軸回りに回転される。
図2に示すように、外装ケース32は、固定ハンドル92の基端側に、可動ハンドル94の可動範囲を規定する開口122を有する。可動ハンドル94は、一端が外装ケース32の内部にあり、他端が外装ケース32の外部にある。開口122は固定ハンドル92に対して可動ハンドル94を接離させる回動範囲を規定するだけでなく、後述する連結部166の位置によっては後述する支持部136の回動範囲を規定することができる。
なお、外装ケース32と可動ハンドル94との間には図示しないバネ等の弾性部材が配置され、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94が離隔されていることが好ましい。すなわち、可動ハンドル94は、ユーザが保持しない状態では、開口122のうち、固定ハンドル92に対して遠位の位置に配置されていることが好ましい。
図2に示すように、可動ハンドル94は、駆動パイプ74に対して作用する作用部132と、外装ケース32に連結される第1連結部としての回動支点134と、ユーザの親指で支持される支持部136とを有する。なお、作用部132と回動支点134との間はアーム138により連結されている。
可動ハンドル94の回動支点134は、中央部に支点孔134aを有する。回動支点134の支点孔134aには回動軸としての回動ピン142が配設されている。回動ピン142の軸方向はシースユニット28の中心軸Cに対して直交していることが好ましい。このため、可動ハンドル94は、外装ケース32に対して、回動支点134の回動ピン142を支点として回動可能に取り付けられている。すなわち、可動ハンドル94は回動支点134の支点孔134aに配設された回動ピン142により、固定ハンドル92に対して近接及び離隔可能である。そして、このように固定ハンドル92に対して可動ハンドル94が近接及び離隔することにより回動面S1(図7B参照)が規定される。
可動ハンドル94の他端の支持部136は、ユーザの親指がかけられる指掛部(環状部)94aを有する。ユーザの片手で固定ハンドル92及び可動ハンドル94の指掛部92a,94aに指を掛けた状態で、可動ハンドル94を回動ピン142を中心として回動させると、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94を近接及び離隔することができる。なお、図7Bに示すように、可動ハンドル94の指掛部94aには、作用部132に対して支持部136が回動していないニュートラル状態で、回動面S1上に、指掛部94aの縁部によって円盤状の面(仮想面)S11が規定される。
図6A及び図6Bに示すように、作用部132は、この実施形態では可動ハンドル94の一端にある。作用部132は、互いに対向する1対の爪部152a,152bを有する略U字状のU字体152を有する。図5から図6Bに示すように、駆動パイプ74は、その基端部に、駆動パイプ74の他の部分の外径よりも外径が大きい大径部154を有する。大径部154は、アウターシース72の基端よりも基端側に配置されている。図6A及び図6Bに示すように、駆動パイプ74の大径部154は、作用部132の爪部152a,152bが係合される切欠き溝154a,154bを有する。爪部152a,152bが切欠き溝154a,154bに係合されてU字体152が駆動パイプ74の外周面に取り付けられることにより、可動ハンドル94を駆動パイプ74に取り付けて、可動ハンドル94の回動に合わせて駆動パイプ74を連動させて移動させることができる。
すなわち、可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して近接及び離隔させると、可動ハンドル94のU字体152に連結する駆動パイプ74に操作力が伝達され、駆動パイプ74が中心軸Cの軸方向に沿って移動する。この駆動パイプ74の移動に連動して、ジョー64はプローブ26の処置部54に対して近接及び離隔し、すなわち開閉される。例えば可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して近接させる閉操作を行うと、駆動パイプ74が中心軸Cに沿って基端側に移動する。このため、駆動パイプ74の移動に連動して、ジョー64がプローブ26の処置部54に対して閉じられる。一方、例えば可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して離隔させる開操作を行うと、駆動パイプ74が中心軸Cに沿って先端側に移動する。このため、駆動パイプ74の移動に連動して、ジョー64がプローブ26の処置部54に対して開く。
図2に示すように、可動ハンドル94の回動支点134と支持部136との間は、可動アーム160により連結されている。図7A及び図7Bに模式的に示すように、可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部(第2連結部)166とを有する。すなわち、第1アーム162は回動支点134に例えば一体的であり、第2アーム164は支持部136に例えば一体的である。
ここで、可動ハンドル94を回動可能に支持する回動ピン142から支持部136に向かって長手軸(回動支点134と支持部136とにより規定される延出軸)Lを規定する。長手軸Lは回動面S1上にある。連結部166は、回動支点134及び回動ピン142に直交し長手軸Lに沿って配置され後述する第2回動体174を模式的に示す回動軸168を有する。このため、連結部166は、長手軸Lの軸回りに支持部136を回動可能である。つまり、第2アーム164は第1アーム162に対して回動軸168により長手軸Lの軸回りに回動可能である。したがって、連結部166は、可動ハンドル94の指掛部94aの円盤状の面S11を、回動面S1から外れるように長手軸Lの軸回りに動作させることができ、可動ハンドル94の指掛部94aに入れた指にかける負担を抑制し、軽減できる。
なお、連結部166は、外装ケース32の内部に配設されていても、外部に配設されていても良い。連結部166が外装ケース32の内部に配設されている場合、開口122の縁部で支持部136の回動範囲を規制することができる。
次に、連結部166の具体的構造について図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bに示すように、連結部166は、後述する板バネ等の弾性部材188a,188bにより第1アーム162に連結された第1回動体172と、第2アーム164と第1回動体172との間に配置された回動軸としての第2回動体174と、第3回動体176とを有する。この実施形態では、第3回動体176はボルトとして形成されている。第1回動体172及び第2回動体174は相対的に回動可能である。図示しないが、第1回動体172と第2回動体174との間にボールベアリング等の軸受が配置されていることも好適である。このため、連結部166は、長手軸Lの軸回りに支持部136を回動可能である。つまり、第2アーム164は第1アーム162に対して第2回動体174により長手軸Lの軸回りに回動可能である。したがって、連結部166は、可動ハンドル94の指掛部94aの円盤状の面S11を、回動面S1から外れるように長手軸Lの軸回りに動作させることができ、可動ハンドル94の指掛部94aに入れた指にかける負担を抑制し、軽減できる。
第1回動体172は長手軸Lに沿って、第3回動体176の後述する雄ネジ部176cが螺合される雌ネジ部172aを有する。なお、この実施形態では第3回動体176は、頭部176aと、軸部176bと、雄ネジ部176cとを有する。
第2回動体174は、第3回動体176の軸部176bが挿通される筒状部174aを有する。筒状部174aの中心軸は長手軸Lに一致又は略一致していることが好ましい。また、筒状部174aの中心軸は長手軸Lに一致又は略一致しなくても、平行又は略平行であることが好ましい。すなわち、回動軸168は長手軸Lに一致していても、長手軸Lからずらされていても良い。第2回動体174は、第1回動体172の、第2回動体174の筒状部174aの軸回りの回動を所定の範囲内に規制する1対の規制体182a,182bを有する。
第1回動体172は、第2回動体174の筒状部174aの中心軸に対して直交する方向に突出し1対の規制体182a,182bの間に配置され、1対の規制体182a,182bに当接可能な突部184を有する。すなわち、第1回動体172の突部184及び第2回動体174の1対の規制体182a,182bは、第1アーム162に対する第2アーム164の回動量を規制する回動規制部を形成する。
第1アーム162と第1回動体172との間には、1対の緩衝部材186a,186bが配置されている。これら緩衝部材186a,186bは、例えばシリコーン材等のフレキシブル性を有する素材で形成され弾性変形可能である。これら緩衝部材186a,186bは、第1回動体172に対して第2回動体174が回動する際に、第1アーム162との間で弾性変形する。このため、これら緩衝部材186a,186bは、第1回動体172の突部184が規制体182a,182bの中央近傍に配置された状態(支持部136の指掛部94aの円盤状の面S11が回動面S1上にある状態)を維持しようとするとともに、第1アーム162に対して第2アーム164が急激に動くのを抑制している。
図8Bに示すように、第1アーム162には、第2アーム164に向かって延出された板バネ等の弾性部材188a,188bが配設されている。弾性部材188a,188bは、第1アーム162及び第1回動体172をネジ等の固定部材192a,192bで連結している。これら弾性部材188a,188bは、第1アーム162に対して第2アーム164が捩じれるのを防止するように付勢力を発揮する。このため、第1回動体172の突部184が規制体182a,182bの中央近傍に配置された状態(支持部136の指掛部94aの円盤状の面S11が回動面S1上にある状態)を維持しようとするとともに、第1アーム162に対して第2アーム164が急激に動くのを抑制している。
なお、緩衝部材186a,186b及び弾性部材188a,188bのうち、少なくとも一方が設けられていれば良い。したがって、連結部166は、緩衝部材186a,186bで、弾性部材188a,188bで、又は、緩衝部材186a,186b及び弾性部材188a,188bで、可動ハンドル94の指掛部94aの円盤状の面S11が回動面S1上から外れることを許容しながら、その面S11を回動面S1上に維持しようとしている。
次に、本実施形態に係る外科手術システム10の作用について説明する。
本実施形態に係る外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、固定ハンドル92の指掛部92aにユーザの親指以外の指をかけて固定ハンドル92を支持し、可動ハンドル94の指掛部94aにユーザの同じ手の親指をかけて可動ハンドル94を支持する。
固定ハンドル92に対して可動ハンドル94を近接、すなわち閉操作する。可動ハンドル94の作用部132に連結された駆動パイプ74に操作力が伝達され、駆動パイプ74が軸方向に前進する。この動作に連動して、ジョー64がプローブ26の処置部54に対して近接して閉じる。この状態で、例えば図示しないトロッカ等を介して狭い管孔内にある処置対象の生体組織に対して、ジョー64及びプローブ26の処置部54を挿入する。そして、外科手術用デバイス12のユーザは、固定ハンドル92及び可動ハンドル94を支持した状態で、処置対象の生体組織に対してジョー64及びプローブ26の処置部54を対峙させる。このとき、可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して離隔させて、ジョー64をプローブ26の処置部54に対して離隔させても良い。
回転操作ノブ96をシースユニット28の中心軸Cの軸回りに回転させて、処置対象の生体組織に対してジョー64及びプローブ26の処置部54の向きを適宜に調整する。また、ユーザは固定ハンドル92及び可動ハンドル94を支持した状態でハンドルユニット22を移動させて処置対象の生体組織にジョー64及びプローブ26の処置部54を対峙させる。このとき、ユーザは手の平を天井に向けたり、手の甲を天井を向けたりしながら、処置対象の生体組織にジョー64及びプローブ26の処置部54を対峙させた状態を維持する。すなわち、ユーザは、プローブ26の処置部54の先端及びジョー64の先端の位置を極力変えず、位置決めした状態でハンドルユニット22を移動させる。すなわち、ユーザは固定ハンドル92及び可動ハンドル94を支持して、プローブ26の処置部54の先端及びジョー64の先端の位置を位置決めした状態で維持する。
そして、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94を近接させて処置対象の生体組織をジョー64とプローブ26の処置部54との間に把持する。この状態を維持したまま外装ケース32の前面に配置されたスイッチ102,104の一方を押圧すると、超音波振動子ユニット24の超音波振動子42から超音波振動が発生して、押圧したスイッチに割り当てられた処置が行われる。
ここで、ユーザの親指が可動ハンドル94の指掛部94aの縁部に当たると、可動ハンドル94の支持部136に長手軸Lの軸回りの負荷がかけられる。このような場合、第2アーム164は緩衝部材186a,186bの弾性力及び弾性部材188a,188bの付勢力に抗して第1アーム162を回動させることができる。しかしながら、第1アーム162に対する第2アーム164の回動範囲は例えば開口122の縁部、緩衝部材186a,186b及び弾性部材188a,188bにより規制されているので、第1アーム162に対して第2アーム164が回動しすぎることは抑制されている。
このように、この実施形態に係る外科手術用デバイス12のハンドルユニット22は、可動ハンドル94を回動ピン142による回動により規定される回動面S1(図7B参照)に沿って移動させるだけでなく、ユーザの親指が可動ハンドル94の指掛部94aに当接することにより回動軸168(第2回動体174)により可動ハンドル94の支持部136を回動させた状態で移動させることができる。このため、ユーザの手にかける負担を軽減することができる。
また、例えば、外科手術用デバイス12のハンドルユニット22を把持しながらユーザの手の平を上(天井側)に向けた状態と、手の甲を上(天井側)に向けた状態とで、手にかかる負担は異なる。また、手の平を上に向けた状態、又は、手の甲を上に向けた状態において、手首を回す角度によっても手にかかる負担は異なる。ユーザが手の平を上に向け、あるいは、手の甲を上に向けてジョー64をプローブ26の処置部54に近接させた状態を例えば数分にわたって保持し続ける場合がある。このとき、可動ハンドル94を操作する際に第1アーム162に対して第2アーム164を長手軸Lの軸回りに回動させることで、ユーザの手にかかる負担を軽減することができる。
そして、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置を変えずに固定ハンドル92に対して可動ハンドル94を近接させた状態を保持し続けているとき、可動ハンドル94の指掛部94aに対して親指で負荷する力によって、時々刻々と第1アーム162に対する第2アーム164の回動量を変化させることができる。すなわち、ユーザの親指が可動ハンドル94の指掛部94aに当接する当接具合により、可動ハンドル94の第2アーム164が第1アーム162に対して回動する回動量を変化させる。
したがって、可動ハンドル94を動作させる際、さらには、可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して一定の位置に保持し続ける場合に、ユーザに対する負荷を軽減することができる。
以上説明したように、この実施形態に係る外科手術システム10によれば、以下のことが言える。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94の支持部136(第2アーム164)を回動軸168(第2回動体174)の軸回り、この実施形態では第2回動体174の筒状部174aの中心軸の軸回りに回動させることができる。すなわち、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かした際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
ユーザすなわち医師はエンドエフェクタ(この実施形態ではジョー64)をある位置に維持したまま、手の平を上に向けたり手の甲を上に向けたりしてハンドルユニット22全体の向きを種々の位置に変えながら処置を行う場合がある。エンドエフェクタをある位置に維持(位置決め)したままハンドルユニット22全体を移動させることはユーザの手に負担がかかるので非常に難しい。すなわち、エンドエフェクタで同一の処置対象に対して様々な角度から処置を行う際、ハンドル全体の移動にともなってユーザの手に大きな負担がかかるので、難しい作業となっている。この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、例えば国際公開第2005/112795号に開示された固定ハンドルの向きを調整可能なデバイスとは異なり、可動ハンドル94の角度をその指掛部94aに配置した親指に対する負荷に応じて調整することができる。このため、可動ハンドル94を動作させるとき、及び、可動ハンドル94を動作させた後その状態を維持するときに、固定ハンドル92及び可動ハンドル94を把持したユーザの手にかかる負担をより軽減可能であり、抑制可能である。このため、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させる際、及び、可動ハンドル94を動作させた後にその状態を維持する際に、ユーザに負荷をかけ難く、良好な操作感を得ることができる。したがって、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。したがって、可動ハンドル94が操作される際、ユーザの操作によりハンドルユニット22を傾けるなどしたときに、連結部166で支持部136を回動面S1から外れる方向に動作させることができる。このため、ハンドルユニット22の傾きによらずエンドエフェクタとしてのジョー64を一定の位置に保持し易くすることができる。
また、第1アーム162と第1回動体172との間に緩衝部材186a,186bが配設されているので、第1回動体172の突部184を第2回動体174の1対の規制体182a,182bの間に維持し続けようとすることができる。このため、第1アーム162に対して第2アーム164が急激に回動することが抑制されている。したがって、1対の規制体182a,182b及び突部184に急激に大きな負荷がかかるのを防止できるとともに、第1アーム162に対する第2アーム164の最大可動範囲を規定することができる。
さらに、1対の板バネ等の弾性部材188a,188bの作用によって、第1アーム162に対する第2アーム164の位置をニュートラル位置(第1回動体172の突部184が第2回動体174の1対の規制体182a,182bの間に配置された位置、すなわち、回動面S1と指掛部94aの円盤状の面S11とが同一面上にある状態)に付勢することができる。このため、最大可動範囲内で、ユーザの親指にかかる負荷が大きくなるにつれて第1アーム162に対して第2アーム164の回動量が大きくなり、負荷が小さくなるにつれて第1アーム162に対して第2アーム164の回動量を小さくすることができる。
なお、この実施形態では作用部132を可動ハンドル94の一端に配置し、回動支点134を可動ハンドル94の一端と他端との間に配置した例について説明した。作用部132の位置はこのような位置に限られず、回動支点134及び作用部132の位置が反対であることも好適である。すなわち、回動支点134が可動ハンドル94の一端に、作用部132が回動支点134と支持部136との間に配置されていることも好適である。
また、この実施形態では2つの連結部134,166を有するものとして説明したが、これら2つの連結部134,166を、例えばユニバーサルジョイント等を用いて1つの連結部として形成しても良い。
次に、第2実施形態について図9A及び図9Bを用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図9Aに模式的に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部(第2連結部)202とを有する。
連結部202は、回動支点134及び回動ピン142に直交し、かつ、長手軸Lに直交する回動軸204を有する。このため、連結部202は、長手軸Lに直交する軸回りに支持部136を回動可能である。つまり、第2アーム164は、第1アーム162に対して回動軸204により長手軸Lに直交する軸回りに回動可能である。したがって、連結部202は、支持部136を、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94が移動することにより形成される回動面S1に対して直交する回動面S2上を移動するように動作させることができ、可動ハンドル94の指掛部94aに入れた指にかける負担を抑制し、軽減できる。
回動軸204を支点とする支持部136の回動範囲、すなわち第2アーム164の回動範囲は、例えば回動軸204の軸方向に対する対向する当接面206a,206b,208a,208bの角度により規定される。また、図示しないが、この実施形態においても、第1実施形態で説明した緩衝部材186a,186b及び弾性部材188a,188bの少なくとも一方が配置される。このため、支持部136が回動面S1から外れる回動面S2上を回動する際、長手軸Lは回動面S1上に配置された状態を維持しようとする。
なお、連結部202は、外装ケース32の内部に配設されていても、外部に配設されていても良い。連結部202が外装ケース32の内部に配設されている場合、開口122の縁部で支持部136の回動範囲を規制することができる。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94を回動軸204の軸回りに回動させることができる。すなわち、第1実施形態で説明したのと同様に、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かした際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させるとき、及び、可動ハンドル94を動作させた後その状態を維持するときに、ユーザの手にかかる負担をより軽減可能であり、抑制可能である。このため、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させる際、及び、可動ハンドル94を動作させた後にその状態を維持する際に、ユーザに負荷をかけ難く、良好な操作感を得ることができる。したがって、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。したがって、可動ハンドル94が操作される際、ユーザの操作によりハンドルユニット22を傾けるなどしたときに、連結部202で支持部136を回動面S1から外れる方向に動作させることができる。このため、ハンドルユニット22の傾きによらずエンドエフェクタとしてのジョー64を一定の位置に保持し易くすることができる。
なお、この実施形態では、連結部202の回動軸204を長手軸Lに直交する軸回りに回動可能としたが、長手軸Lから逸れた状態であれば、直交することに限ることはない。
次に、第3実施形態について図10A及び図10Bを用いて説明する。この実施形態は第1及び第2実施形態の変形例であって、第1及び第2実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図10A及び図10Bに模式的に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部212,214とを有する。すなわち、可動ハンドル94は2つの連結部212,214を有する。ここで、連結部212は第2実施形態で説明した連結部202(図9A及び図9B参照)と同様の構造であり、連結部214は第1実施形態で説明した連結部166(図7A及び図7B参照)と同様の構造である。すなわち、一方の連結部(第2連結部)212は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸204により長手軸Lに直交する軸回りに回動可能である。他方の連結部(第3連結部)214は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸168により長手軸Lに沿った軸回りに回動可能である。なお、連結部214の具体的構造は例えば図8A及び図8Bに示す構造を採用することができる。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、作用部132に対して支持部136を、回動軸168(図7A及び図7B参照)により長手軸Lの軸回りに、かつ、回動軸204(図9A及び図9B参照)により長手軸Lに直交する軸の軸回りにそれぞれ所定範囲内を回動させることができる。このため、第1実施形態及び第2実施形態で説明したハンドルユニット22の可動ハンドル94に対してさらに可動範囲の自由度を増やすことができる。したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、第1及び第2実施形態で説明した外科手術用デバイス12よりもさらに良好な操作感を得ることができる。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。したがって、可動ハンドル94が操作される際、ユーザの操作によりハンドルユニット22を傾けるなどしたときに、連結部212,214で支持部136を回動面S1から外れる方向に動作させることができる。このため、ハンドルユニット22の傾きによらずエンドエフェクタとしてのジョー64を一定の位置に保持し易くすることができる。
なお、この実施形態では、長手軸Lに沿って、回動支点134に近接する側に長手軸Lに直交する回動軸204を配置し、回動支点134に離隔する側に長手軸Lに沿った回動軸168を配置した例について説明した。第9実施形態(図18参照)で説明するように、これら回動軸168,204の配置が逆であることも好適である。
また、この実施形態では、連結部214の回動軸204を長手軸Lに直交する軸回りに回動可能としたが、長手軸Lから逸れた状態であれば、直交することに限ることはない。
次に、第4実施形態について図11及び図12を用いて説明する。この実施形態は第1から第3実施形態の変形例であって、第1から第3実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、超音波振動子ユニット24、プローブ26及びシースユニット28が外装ケース32に対して着脱可能である。
この実施形態は、第1から第3実施形態で説明したハンドルユニット22の形状を変形させている。第1から第3実施形態に係るハンドルユニットは、中心軸Cに沿って前方側に固定ハンドル92が配置され、その後方側に可動ハンドル94が配置された例について説明した。これに対し、この実施形態に係るハンドルユニット22は、中心軸Cに沿って前方側に可動ハンドル94が配置され、その後方側に固定ハンドル92が配置されている。
固定ハンドル92は、その背面に親指がかけられ、この実施形態では指掛部が除去されている。このため、固定ハンドル92には指掛部は必ずしも必要ではない。可動ハンドル94の支持部136には、親指以外の指がかけられる指掛部(環状部)94bが形成されている。このため、この実施形態に係るハンドルユニット22は、固定ハンドル92は親指又は親指の付け根付付近で支持され、可動ハンドル94の指掛部94bに親指以外の指がかけられて支持される。
なお、可動ハンドル94の指掛部94bには、作用部132に対して支持部136が回動していないニュートラル状態で、回動面S1上に、指掛部94cの縁部によって円盤状の面(仮想面)S11が規定される。
そして、可動ハンドル94を固定ハンドル92に近接させると、プローブ26の処置部54に対してジョー64が近接し、可動ハンドル94の支持部136を固定ハンドル92に離隔させるとプローブ26の処置部54に対してジョー64が離隔する。このようにして、外科手術用デバイス12のハンドルユニット22に回動面S1が規定される。なお、このように外科手術用デバイス12が動作する機構は公知であり、機構の詳細な説明は省略する。
図12に模式的に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部222,224とを有する。すなわち、可動ハンドル94は2つの連結部222,224を有する。ここで、連結部222は第2実施形態で説明した連結部202(図9A及び図9B参照)と同様の構造であり、連結部214は第1実施形態で説明した連結部166(図7A及び図7B参照)と同様の構造である。すなわち、一方の連結部(第2連結部)222は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸204により長手軸Lに直交する軸回りに回動可能である。他方の連結部(第3連結部)224は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸168により長手軸Lに沿った軸回りに回動可能である。したがって、連結部222,224は、可動ハンドル94の指掛部94bの円盤状の面S11を、可動ハンドル94の回動面S1から外れるように支持部136を動作させることができる。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、作用部132に対して支持部136を、回動軸168(図7A及び図7B参照)により長手軸Lの軸回りに、かつ、回動軸204(図9A及び図9B参照)により長手軸Lに直交する軸の軸回りにそれぞれ所定範囲内を回動させることができる。このため、第3実施形態で説明したように、第1実施形態及び第2実施形態で説明したハンドルユニット22の可動ハンドル94に対してさらに可動範囲の自由度を増やすことができる。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94の支持部136(第2アーム164)を回動軸168,204の軸回りに回動させることができる。すなわち、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かした際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
ユーザすなわち医師はエンドエフェクタ(この実施形態ではシースユニット28のジョー64)をある位置に維持したまま、手の平を上に向けたり手の甲を上に向けたりしてハンドルユニット22全体の向きを種々の位置に変えながら処置を行う場合がある。エンドエフェクタをある位置に維持したままハンドルユニット22全体を移動させることはユーザの手に負担がかかるので非常に難しい。すなわち、エンドエフェクタで同一の処置対象に対して様々な角度から処置を行う際、ハンドル全体の移動にともなってユーザの手に大きな負担がかかるので、難しい作業となっている。この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、例えば国際公開第2005/112795号に開示され固定ハンドル92の向きを調整可能なデバイスとは異なり、可動ハンドル94の角度をその指掛部94bに配置した親指以外の指に対する負荷に応じて調整することができる。このため、可動ハンドル94を動作させるとき、及び、可動ハンドル94を動作させた後その状態を維持するときに、ユーザの手にかかる負担をより軽減可能であり、抑制可能である。このため、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させる際、及び、可動ハンドル94を動作させた後にその状態を維持する際に、ユーザに負荷をかけ難く、良好な操作感を得ることができる。したがって、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。
なお、この実施形態では、長手軸Lに沿って、回動支点134に近接する側に長手軸Lに直交する回動軸204を配置し、回動支点134に離隔する側に長手軸Lに沿った回動軸168を配置した例について説明した。第9実施形態(図18参照)で説明するように、これら回動軸168,204の配置が逆であることも好適である。また、第1及び第2実施形態で説明したように、回動軸168,204のいずれか一方のみが配置されていることも好適である。
次に、第5実施形態について図13及び図14を用いて説明する。この実施形態は第1から第4実施形態の変形例であって、第1から第4実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、超音波振動子ユニット24、プローブ26(図示せず)及びシースユニット28が外装ケース32に対して着脱可能である。
この実施形態は、第1から第4実施形態で説明したハンドルユニット22の形状を変形させている。第1から第4実施形態に係るハンドルユニット22は、中心軸Cに対して一方の側に固定ハンドル92及び可動ハンドル94が配置された例について説明した。これに対し、この実施形態に係るハンドルユニット22は、固定ハンドル92及び可動ハンドル94が中心軸Cを挟んで反対側に配置されている。
固定ハンドル92は、この実施形態では指掛部92bを有する。可動ハンドル94の支持部136には、親指以外の指がかけられる指掛部(環状部)94cが形成されている。この実施形態に係るハンドルユニット22は、固定ハンドル92の指掛部92bに親指以外の指がかけられ、可動ハンドル94の指掛部94cに親指がかけられて支持される。なお、可動ハンドル94の指掛部94cには、作用部132に対して支持部136が回動していないニュートラル状態で、回動面S1上に、指掛部94cの縁部によって円盤状の面(仮想面)S11が規定される。
そして、可動ハンドル94を固定ハンドル92に近接させると、プローブ26の処置部54に対してジョー64が近接し、可動ハンドル94の支持部136を固定ハンドル92に離隔させるとプローブ26の処置部54に対してジョー64が離隔する。このようにして、外科手術用デバイス12のハンドルユニット22に回動面S1が規定される。なお、このように外科手術用デバイス12が動作する機構は公知であり、機構の詳細な説明は省略する。
図14に模式的に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部232,234とを有する。すなわち、可動ハンドル94は2つの連結部232,234を有する。連結部232,234は第2実施形態で説明した連結部202(図9A及び図9B参照)とそれぞれ同様の構造である。ここで、一方の連結部232が第2実施形態で説明した回動軸204と同じ構造を有する回動軸242を有し、他方の連結部234が第2実施形態で説明した回動軸204と同じ構造を有する回動軸244を有するものとする。なお、図14中、回動軸242,244の軸方向を互いに直交した状態に描いたが、必ずしも直交している必要はない。
一方の連結部(第2連結部)232は、第1アーム162に対して回動軸242により第2アーム164を回動面S1から外れる位置に移動させることができる。同様に、他方の連結部(第3連結部)234は、第1アーム162に対して回動軸244により第2アーム164を回動面S1から外れる位置に移動させることができる。したがって、連結部232,234は、可動ハンドル94の指掛部94cの円盤状の面S11を、可動ハンドル94の回動面S1から外れるように支持部136を動作させることができる。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、作用部132に対して支持部136を、回動軸242,244によりそれぞれ所定範囲内を回動させることができる。このため、第3及び第4実施形態で説明したように、第1実施形態及び第2実施形態で説明したハンドルユニット22の可動ハンドル94に対してさらに可動範囲の自由度を増やすことができる。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94の支持部136(第2アーム164)を回動軸242,244の軸回りに回動させることができる。すなわち、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かした際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
ユーザすなわち医師はエンドエフェクタ(この実施形態ではシースユニット28のジョー64)をある位置に維持したまま、手の平を上に向けたり手の甲を上に向けたりしてハンドルユニット22全体の向きを種々の位置に変えながら処置を行う場合がある。エンドエフェクタをある位置に維持したままハンドルユニット22全体を移動させることはユーザの手に負担がかかるので非常に難しい。すなわち、エンドエフェクタで同一の処置対象に対して様々な角度から処置を行う際、ハンドル全体の移動にともなってユーザの手に大きな負担がかかるので、難しい作業となっている。この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、例えば国際公開第2005/112795号に開示され固定ハンドル92の向きを調整可能なデバイスとは異なり、可動ハンドル94の角度をその指掛部94cに配置した親指に対する負荷に応じて調整することができる。このため、可動ハンドル94を動作させるとき、及び、可動ハンドル94を動作させた後その状態を維持するときに、ユーザの手にかかる負担をより軽減可能であり、抑制可能である。このため、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させる際、及び、可動ハンドル94を動作させた後にその状態を維持する際に、ユーザに負荷をかけ難く、良好な操作感を得ることができる。したがって、プローブ26の処置部54及びジョー64の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。
なお、この実施形態では、第1及び第2実施形態で説明したように、回動軸242,244のいずれか一方のみが配置されていることも好適である。
次に、第6実施形態について図15を用いて説明する。この実施形態は第1から第5実施形態の変形例であって、第1から第5実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図15に模式的に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部252,254とを有する。すなわち、可動ハンドル94は2つの連結部252,254を有する。連結部252,254は第1実施形態で説明した連結部166(図7A及び図7B参照)とそれぞれ同様の構造である。ここで、一方の連結部252が第1実施形態で説明した回動軸168と同じ構造を有する回動軸262を有し、他方の連結部254が第1実施形態で説明した回動軸168と同じ構造を有する回動軸264を有するものとする。なお、図15中、回動軸262,264の軸方向を互いに直交した状態に描いたが、必ずしも直交している必要はない。
一方の連結部(第2連結部)252は、第1アーム162に対して回動軸262により、縁部によって回動面S1と同様に面が規定される指掛部94cを、回動面S1から外れるように動作させることができ、すなわち、第2アーム164を回動面S1から外れる位置に移動させることができる。他方の連結部(第3連結部)254は、第1アーム162に対して回動軸264により、縁部によって回動面S1と同様に面が規定される指掛部94cを、回動面S1から外れるように動作させることができ、すなわち、第2アーム164を回動面S1から外れる位置に移動させることができる。したがって、連結部252,254は、可動ハンドル94の指掛部94cの円盤状の面S11を、可動ハンドル94の回動面S1から外れるように支持部136を動作させることができる。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、作用部132に対して支持部136を、回動軸262,264によりそれぞれ所定範囲内を回動させることができる。このため、第3から第5実施形態で説明したように、第1実施形態及び第2実施形態で説明したハンドルユニット22の可動ハンドル94に対してさらに可動範囲の自由度を増やすことができる。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、第5実施形態で説明したのと同様に、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94の支持部136(第2アーム164)を回動軸262,264の軸回りに回動させることができる。すなわち、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かした際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
なお、この実施形態では、第1及び第2実施形態で説明したように、回動軸262,264のいずれか一方のみが配置されていることも好適である。
次に、第7実施形態について図16を用いて説明する。この実施形態は第1から第6実施形態の変形例、特に第5及び6実施形態の変形例であって、第1から第6実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施形態の外科手術用デバイス12は、ハンドルユニット22と、超音波振動子ユニット24と、プローブ26とを有する。ハンドルユニット22は中心軸Cを有する。例えばハンドルユニット22に対して振動子ユニット24及びプローブ26が中心軸C上に連結されている。
この実施形態では、上述したシースユニット28(図1から図5参照)が除去されている。すなわち、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は駆動パイプ74が除去されている。ハンドルユニット22の外装ケース32は、駆動パイプ74を有するシースユニット28の代わりに、単にプローブ26のプローブ本体52の外周を覆うシース28aを有する。シース28aは、外装ケース(ハンドル本体)32に一体に形成され、又は、外装ケース32の先端に固定されている。
図16に示すように、ハンドルユニット22は、固定ハンドル(固定部材)92と、固定ハンドル92に対して近接及び離隔可能な可動ハンドル(移動部材)272とを有する。固定ハンドル92に対して可動ハンドル272が近接及び離隔することにより、回動面S1が規定される。
固定ハンドル92は、外装ケース(ハンドル本体)32に一体に形成され、又は、外装ケース32に固定されている。固定ハンドル92の前面側には、複数のスイッチ102,104が配置されている。スイッチ102,104を選択的に押圧することにより、プローブ26の処置部54における処置機能(例えば凝固、切開等)が選択される。
この実施形態に係る可動ハンドル272は、プローブ26の処置部54に対して近接可能及び離隔可能、すなわち開閉可能なエンドエフェクタとしての作用部274と、ハンドルユニット22に連結される第1連結部としての回動支点134と、ユーザの親指で支持される支持部136とを有する。
可動ハンドル272の作用部274は、回動支点134に近接する側から先端側に向かって順に、湾曲部282と、台座284と、ジョー286とを有する。湾曲部282は可動ハンドル272が固定ハンドル92に対して近接及び離隔する際に、シース28aとの干渉を回避するために形成されている。台座284はプローブ26の処置部54に対向する位置にある。ジョー286は、台座284に対してピン285を介して揺動可能に支持されている。このため、ジョー286は可動ハンドル272の動作に連動して、プローブ26の処置部54に近接又は当接する閉状態と、プローブ26の処置部54から離隔する開状態との間を変位可能である。
上述した第1から第6実施形態では、固定ハンドル92に対する可動ハンドル94の操作により駆動パイプ74を介してエンドエフェクタとしてのジョー64を動作させる例について説明した。この実施形態では、固定ハンドル92に対する可動ハンドル272の操作によりエンドエフェクタとしての作用部274を直接動作させることができる。
図16に示すように、可動ハンドル272の回動支点134と支持部136との間は可動アーム160により連結されている。可動ハンドル94を回動可能に支持する回動ピン142から支持部136に向かって長手軸(回動支点134と支持部136とにより規定される延出軸)Lを規定する。長手軸Lは回動面S1上にある。連結部166は、回動支点134及び回動ピン142に直交し長手軸Lに沿って配置された回動軸168を有する。このため、連結部166は、長手軸Lの軸回りに支持部136を回動可能である。つまり、第2アーム164は第1アーム162に対して回動軸168により長手軸Lの軸回りに回動可能である。
可動ハンドル94の支持部136には、親指以外の指がかけられる指掛部(環状部)94cが形成されている。この実施形態に係るハンドルユニット22は、固定ハンドル92の指掛部92bに親指以外の指がかけられ、可動ハンドル94の指掛部94cに親指がかけられて支持される。なお、可動ハンドル94の指掛部94cには、作用部132に対して支持部136が回動していないニュートラル状態で、回動面S1上に、指掛部94cの縁部によって円盤状の面(仮想面)S11(図7B参照)が規定される。
したがって、連結部166は、可動ハンドル94の指掛部94cの円盤状の面S11を、回動面S1から外れるように長手軸Lの軸回りに動作させることができ、可動ハンドル94の指掛部94cに入れた指にかける負担を抑制し、軽減できる。そして、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、ハンドルユニット22を適宜に動かしながら生体組織を処置する際に、エンドエフェクタとしての作用部274の位置を極力移動させずに、移動させることができる。したがって、可動ハンドル272が操作される際、ユーザの操作によりハンドルユニット22を傾けるなどしたときに、連結部166で支持部136を回動面S1から外れる方向に動作させることができる。このため、ハンドルユニット22の傾きによらずエンドエフェクタとしての作用部274を一定の位置に保持し易くすることができる。
なお、図16に示すように、シース28aの先端には、プローブ26の処置部54のうちプローブ本体52に近接する基部を保護するカバー(プローブ保護部材)28bが配設されていても良い。このカバー28bはシース28aの先端からさらに先端側(プローブ26の処置部54の先端側)に向かって延出されている。カバー28bは作用部274とは反対側に配置されている。
この実施形態では外科手術用デバイス12が超音波振動を伝達するプローブ26を有する例について説明したが、プローブ26の代わりに単に固定ジョーが配置されていることも好適である。
次に、第8実施形態について図17を用いて説明する。この実施形態は第1から第7実施形態の変形例、特に第7実施形態の変形例であって、第1から第7実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図17に示すように、この実施形態に係る可動ハンドル272の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部(第2連結部)202とを有する。
連結部202は、回動支点134及び回動ピン142に直交し、かつ、長手軸Lに直交する回動軸204を有する。このため、連結部202は、長手軸Lに直交する軸回りに支持部136を回動可能である。つまり、第2アーム164は、第1アーム162に対して回動軸204により長手軸Lに直交する軸回りに回動可能である。したがって、連結部202は、支持部136を、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94が移動することにより形成される回動面S1に対して直交する回動面S2(図9B参照)上を移動するように動作させることができ、可動ハンドル272の指掛部94aに入れた指にかける負担を抑制し、軽減できる。そして、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、ハンドルユニット22を適宜に動かしながら生体組織を処置する際に、エンドエフェクタとしての作用部274の位置を極力移動させずに、移動させることができる。したがって、可動ハンドル272が操作される際、ユーザの操作によりハンドルユニット22を傾けるなどしたときに、連結部202で支持部136を回動面S1から外れる方向に動作させることができる。このため、ハンドルユニット22の傾きによらずエンドエフェクタとしての作用部274を一定の位置に保持し易くすることができる。
なお、第7実施形態では長手軸Lの軸回りに回動支点134に対して支持部136が回動し、第8実施形態では長手軸Lから逸れる軸回りに回動支点134に対して支持部136が回動する例について説明した。可動ハンドル272に、図10A及び図10Bに示す第3実施形態で説明したように、2つの連結部212,214の両者が配設されていることも好適である。また、図18に示す後述する第9実施形態で説明するように、2つの連結部362,364の両者が配設されていることも好適である。
次に、第9実施形態について図18を用いて説明する。この実施形態は第1から第8実施形態の変形例であって、第1から第8実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。この実施形態は、第4実施形態(図11参照)で説明したハンドルユニット22を変形させている。
図18に示すように、この実施形態に係る外科手術システム10は、外科手術用デバイス12と、このデバイス12を制御するコントローラ14とを有する。この実施形態では、外科手術用デバイス12は、後述するバルーン334を拡張及び収縮させることが可能なカテーテル324であるものとして説明する。すなわち、この実施形態では、第1から第6実施形態で説明した超音波振動子ユニット24、プローブ26及びシースユニット28は不要である代わりに、ハンドルユニット22にカテーテル324が配設されている。なお、コントローラ14はバルーンを拡張及び収縮させるポンプ14aを有する。
外科手術用デバイス12は、ハンドルユニット22と、カテーテル324とを有する。カテーテル324は、チューブ状の本体332と、チューブ状の本体332の先端部の外周面に配設されたエンドエフェクタとしてのバルーン334とを有する。チューブ状の本体332は、例えばガイドワイヤ等の処置具380が挿通される管路342と、バルーン334を拡張又は収縮させるための流路344とを有する。流路344はバルーン334に連通されている。
また、管路342は、中心軸Cに沿ってハンドルユニット22に固定されている。ハンドルユニット22は、その後端に管路342の開口342aを有する。流路344は例えばハンドル本体32の内部でチューブ状の本体332から分岐されて、固定ハンドル92の下端に配置された口金352に接続されている。口金352は、ホース354によりコントローラ14内のポンプ14aに接続されている。
可動ハンドル94の下端のうち、例えば固定ハンドル92の前面に対峙する位置にスイッチ360が配設されている。スイッチ360はコントローラ14に電気的に接続されている。可動ハンドル94を固定ハンドル92に近接させ、スイッチ360が固定ハンドル92の前面により押圧されたときに、コントローラ14はポンプ14aを制御して、ホース354、口金352、カテーテル324の流路344の順に空気等の気体をバルーン334に送り込む。そして、バルーン334を拡径させる。コントローラ14は、ホース354内の圧力が所定の値に到達したらポンプ14aの動作を自動的に停止させる。一方、可動ハンドル94を固定ハンドル92に対して離隔させて、固定ハンドル92の前面によるスイッチ360の押圧が解除されたときに、コントローラ14はポンプ14aを制御して、バルーン334内の空気等の気体を吸引してバルーン334を収縮させる。
この実施形態に係る可動ハンドル94の可動アーム160は、回動支点134すなわち回動ピン142に近接する第1アーム(トップハンドル)162と、支持部136に近接する第2アーム(ボトムハンドル)164と、第1アーム162及び第2アーム164を連結する連結部362,364とを有する。すなわち、可動ハンドル94は2つの連結部362,364を有する。ここで、連結部362は第1実施形態で説明した連結部166(図7A及び図7B参照)と同様の構造であり、連結部364は第2実施形態で説明した連結部202(図9A及び図9B参照)と同様の構造である。すなわち、一方の連結部(第2連結部)362は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸168により長手軸Lに沿った軸回りに回動可能である。他方の連結部(第3連結部)364は、第2アーム164を第1アーム162に対して回動軸204により長手軸Lに直交する軸回りに回動可能である。
したがって、この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、作用部132に対して支持部136を、回動軸168(図7A及び図7B参照)により長手軸Lの軸回りに、かつ、回動軸204(図9A及び図9B参照)により長手軸Lに直交する軸の軸回りにそれぞれ所定範囲内を回動させることができる。このため、この実施形態に係る可動ハンドル94は、第1実施形態及び第2実施形態で説明したハンドルユニット22の可動ハンドル94に対してさらに可動範囲の自由度を増やすことができる。
本実施形態の外科手術システム10の外科手術用デバイス12では、ユーザが把持するハンドルユニット22の向きに応じて可動ハンドル94の支持部136(第2アーム164)を回動軸168,204の軸回りに回動させることができる。すなわち、可動ハンドル94の支持部136を作用部132に対して回動させることができるので、ハンドルユニット22を動かす際、及び、動かした状態を維持する際に、可動ハンドル94からユーザが受ける負担を抑制し、軽減することができる。
ユーザすなわち医師はエンドエフェクタ(この実施形態ではバルーン334)をある位置に拡径させたまま、手の平を上に向けたり手の甲を上に向けたりしてハンドルユニット22全体の向きを種々の位置に変えながら管路342を通した処置具380で処置を行う場合がある。エンドエフェクタをある位置に維持し、かつ、可動ハンドル94を固定ハンドル92に近接させたままハンドルユニット22全体を移動させることはユーザの手に負担がかかる。すなわち、エンドエフェクタで同一の処置対象に対して様々な角度から処置を行う際、ハンドル全体の移動にともなってユーザの手に大きな負担がかかるので、難しい作業となっている。この実施形態に係る外科手術用デバイス12によれば、例えば国際公開第2005/112795号に開示され固定ハンドル92の向きを調整可能なデバイスとは異なり、可動ハンドル94の角度をその指掛部94bに配置した親指以外の指に対する負荷に応じて調整することができる。このため、可動ハンドル94を動作させるとき、及び、可動ハンドル94を動作させた後その状態を維持するときに、ユーザの手にかかる負担をより軽減可能であり、抑制可能である。このため、この実施形態に係る外科手術用デバイス12は、可動ハンドル94を動作させる際、及び、可動ハンドル94を動作させた後にその状態を維持する際に、ユーザに負荷をかけ難く、良好な操作感を得ることができる。したがって、バルーン334の位置、すなわちエンドエフェクタの位置を極力移動させずに、ハンドルユニット22を動かし易くすることができ、また、ハンドルユニット22を動かした後にその状態を維持し易くすることができる。
この実施形態では、長手軸Lに沿って、回動支点134に近接する側に長手軸Lに沿った回動軸168を配置し、回動支点134に離隔する側に長手軸Lに直交する回動軸204を配置した例について説明した。第1及び第2実施形態で説明したように、回動軸168,204のいずれか一方のみが配置されていることも好適である。
上述した第1から第6実施形態では、エンドエフェクタとしてジョー64について説明し、第7及び第8実施形態ではエンドエフェクタとして作用部274について説明し、第9実施形態ではエンドエフェクタとしてバルーン334について説明した。エンドエフェクタはこれらに限られることはなく、固定ハンドル92に対して可動ハンドル94,272を移動させることによりエンドエフェクタを動作させて各種の処置を行うことができるのであれば、種々のものを用いることができる。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
[参考形態]
例えば、国際公開第2009/046234号には、ハンドルユニットを有する処置具が開示されている。この処置具のハンドルユニットには、2つの押圧スイッチが前面に配置されている。
2つの押圧スイッチを有するだけのハンドルユニットでは、通常、2つのモード切り替えしかできない。例えば、2つの押圧スイッチのうちの一方を短時間で2回押圧する(ダブルクリック)や2つの押圧スイッチを同時に押圧することなどで、3つのモード切り替えを行うことが可能である。2つの押圧スイッチのうちの1つの押圧スイッチのダブルクリックの押圧タイミングや、2つの押圧スイッチの押圧タイミングによっては所望の操作が行われないことが考えられる。また、このような押圧スイッチを有する場合、ハンドルユニットの操作が複雑化してしまう。
この参考形態では、操作し易い、少なくとも3つのスイッチを有するハンドルユニットを提供する。
次に、図19から図22Cを用いて第1参考形態について説明する。なお、上述した第1から第9実施形態で説明した部材と同一の部材については極力説明を省略する。
図19に示すように、第1参考形態に係る外科手術システム500は、外科手術用デバイス502と、このデバイス502を制御するコントローラ504とを有する。なお、第1参考形態では、外科手術用デバイス502が高周波エネルギ及び超音波振動エネルギを用いるエネルギ処置具であるものとして説明する。
外科手術用デバイス502は、ハンドルユニット512と、超音波振動子ユニット514と、プローブ516(図3参照)と、シースユニット518とを有する。ハンドルユニット512は中心軸Cを有する。例えばハンドルユニット512に対して振動子ユニット514、プローブ516及びシースユニット518が中心軸C上に連結されている。
なお、超音波振動子ユニット514は第1コード504aによりコントローラ504に電気的に接続され、後述する図示しない高周波電極は後述する固定ハンドル534に着脱可能な第2コード504bによりコントローラ504に電気的に接続される。第1コード504a及び/又は第2コード504bは、後述する第1から第4スイッチ542,544,546,548とコントローラ504とをそれぞれ電気的に接続するのに用いられ得る。
図20に示すように、第1参考形態に係るハンドルユニット512は、略ピストル型に形成されている。このハンドルユニット512は右利きのユーザ及び左利きのユーザの両者が同じ操作感を得ることができるように略左右対称に形成されている。
ハンドルユニット512は、ハンドルボディ532と、ボディ532に設けられた固定ハンドル(グリップ)534と、ボディ532に支持された移動ハンドル(トリガ)536と、エンドエフェクタ538(図19参照)を回動させる回転ノブ540と、ボディ532に設けられた第1から第4スイッチ542,544,546,548とを有する。なお、この参考形態では、第1から第4スイッチ542,544,546,548が指先で押圧することでOFFからONに切り替えられ、押圧を解除するとONからOFFに切り替えられる押圧スイッチであるものとして説明する。
ハンドルユニット512は、中心軸Cに沿って前方側に移動ハンドル536が配置され、その後方側に固定ハンドル534が配置されている。このため、移動ハンドル536を後方側の固定ハンドル534に向かって移動、すなわち回動させることで、エンドエフェクタ538を機能させることができる。
第1から第4スイッチ542,544,546,548は図19に示すコントローラ504に電気的に接続される。各スイッチ542,544,546,548にはコントローラ504で後述するような各種の機能が適宜に割り当てられる。このため、各スイッチ542,544,546,548を押圧するとコントローラ504にスイッチ542,544,546,548からそれぞれ信号が伝達され、コントローラ504はスイッチ542,544,546,548に割り当てられた機能に基づいて、エンドエフェクタ538に後述するような各種の機能を発揮させる。
エンドエフェクタ538としては、上述した第1から第6実施形態で説明したようにジョー64を用いても良く、第7及び第8実施形態で説明したように作用部274を用いても良く、第9実施形態で説明したようにバルーン334を用いても良い。さらに、エンドエフェクタはこれらに限られることはなく、固定ハンドル534に対して移動ハンドル536を移動させることによりエンドエフェクタ538を動作させて各種の処置を行うことができるのであれば、種々のものを用いることができる。
この参考形態では、エンドエフェクタ538は、例えば、プローブ516の処置部516a、処置部516aに対して接離可能で図示しない高周波電極が把持面に配置されたジョー518aを有する。プローブ516の処置部516aは、超音波振動を生体組織に付加するのに用いられるだけでなく、ジョー518aの把持面の高周波電極との間に把持された処置対象の生体組織を通して閉ループを作成して高周波エネルギ(熱エネルギ)で処置するのに用いられる。すなわち、この場合のプローブ516の処置部516a及びジョー518aの把持面の高周波電極はバイポーラタイプ電極として用いられる。一方、ジョー518aの把持面の高周波電極、又は、高周波電極としてのプローブ516の処置部516aは、人体等に貼り付けられる対極板(図示せず)との間で閉ループを作成して高周波エネルギ(熱エネルギ)で処置するのに用いられる。すなわち、この場合のプローブ516の処置部516a及びジョー518aの把持面の高周波電極はモノポーラタイプ電極として用いられる。
図20に示すように、ボディ532は、中心軸Cが規定される筒状部552と、筒状部552に一体的に形成された延出部554とを有する。中心軸Cに沿った筒状部552の軸方向長さは適宜に設定可能である。延出部554は中心軸Cに対して離隔するように延出されている。第1から第4スイッチ542,544,546,548は延出部554に配置されている。延出部554には、固定ハンドル534が一体的に形成されている。なお、中心軸Cに対して延出部554、固定ハンドル534の順に遠位となる。
ボディ532に移動可能に支持された移動ハンドル536は、固定ハンドル534に対して中心軸Cに略平行に近接及び離隔可能である。通常、移動ハンドル536は固定ハンドル534と移動ハンドル536との間に支持された図示しないバネ等の弾性体の付勢力によって固定ハンドル534に対して離隔している。移動ハンドル536には親指以外の指がかけられる指掛部(環状部)536aが形成されている。なお、移動ハンドル536の前面536bはこの参考形態では延出部554の前面562よりも前方側にある。移動ハンドル536の上面536cは第2スイッチ544の下面に対して僅かな隙間をもって離間している。
ボディ532の筒状部552の先端には、中心軸Cの軸回りに回転可能な回転ノブ540が配設されている。回転ノブ540は第1実施形態で説明した機構(図5から図6B参照)によりエンドエフェクタ538を中心軸Cの軸回りに回転させることができる。回転ノブ540の外周面には、複数のリブ540aが形成されている。リブ540a同士の間隔は例えば人差し指の幅程度であることが好適である。このため、人差し指の指先の指球でリブ540aの最外周を保持し、又は、隣接するリブ540a間に人差し指の指先を配置して、回転ノブ540を中心軸Cの軸回りに回転させることができる。
ボディ532の延出部554は、前面562と、後面564と、1対の側面566,568とを有する。延出部554の前面562と右側面566及び左側面568との境界は滑らかな曲面に形成されている。延出部554の後面564と右側面566及び左側面568との境界は滑らかな曲面に形成されている。延出部554の前面562は中心軸Cに対して近接する方向に法線が向けられた略弧状の曲面に形成されている。図19及び図20中、延出部554の前面562のうち筒状部552に近接する部位は筒状部552の先端よりも基端側にあるが、同じ位置にあっても良い。延出部554の後面564は筒状部552の基端に対して、中心軸Cの先端側に向かって凸の滑らかな曲面564aに形成されている。
固定ハンドル534は、前面572と、後面574と、1対の側面576,578とを有する。固定ハンドル534の前面572は中心軸Cに対して離隔する方向に法線が向けられた弧状の曲面に形成されている。固定ハンドル534の後面574と右側面576及び左側面578との境界は滑らかな曲面に形成されている。固定ハンドル534の後面574は中心軸Cに近接する方向に法線が向けられた略弧状の曲面に形成されている。固定ハンドル534の後面574は中心軸Cから離れるにつれて、中心軸Cの基端側に向かって延出されている。
延出部554の後面564及び固定ハンドル534の後面574は連続して形成されている。延出部554の後面564の曲面564aには、ユーザの手Hの親指と人差し指との付け根、すなわち、親指と人差し指との間の付け根の水かきが当てられる。このため、親指と人差し指との間の水かきを延出部554の後面564の曲面564aに当てた状態で、延出部554を保持することができる。そして、固定ハンドル534の後面574及び1対の側面576,578はユーザの同じ手Hの掌の母指球と小指球との間で保持される。
なお、親指と人差し指との間の水かきが当てられる部位、すなわち、延出部554の後面564及び固定ハンドル534の後面574は、筒状部552の基端から連続した曲面に形成されている。この参考形態では、延出部554の後面564のうち筒状部52に離隔する部位又は、固定ハンドル534の後面574は、筒状部552の基端よりもさらに基端側にある。固定ハンドル534のうち、中心軸Cに対して遠位の部位には、図19に示す第2コード504bが配置される。
図19及び図20に示すように、延出部554の前面562には、第1スイッチ542が配設される第1スイッチ配設部582と、第2スイッチ544が配設される第2スイッチ配設部584と、第1スイッチ542及び第2スイッチ544の間を仕切る仕切り586とが形成されている。仕切り586は第1スイッチ542及び第2スイッチ544を人差し指の指先の指球で明確に区別することができる。第1スイッチ配設部582及び第2スイッチ配設部584は延出部554の前面562に対して凹状に形成されている。第1スイッチ配設部582は第2スイッチ配設部584よりも中心軸Cに近接している。すなわち、延出部554の前面562には、中心軸Cに対して近接する第1スイッチ542と、中心軸Cに対して第1スイッチ542よりも離隔する第2スイッチ544とが配置されている。第1スイッチ542のうち前方側の表面の中央部と第2スイッチ544のうち前方側の表面の中央部との間の距離は略13mm程度である。
なお、第1及び第2スイッチ542,544に割り当てられる機能はそれぞれ第1及び第2スイッチ542,544を押圧したときにエンドエフェクタ538に各種の機能を発揮させる押圧スイッチとしてコントローラ504で設定される。
図20に示すように、延出部554の右側面566には第3スイッチ546が配設される第3スイッチ配設部588aが形成されている。図19に示すように、延出部554の左側面568には第4スイッチ548が配設される第4スイッチ配設部588bが形成されている。このため、図20に示すように第3スイッチ546は延出部554の右側面566にあり、図19に示すように第4スイッチ548は延出部554の左側面568にある。なお、第3及び第4スイッチ546,548は例えば左利きのユーザ及び右利きのユーザの両方が同じ操作感を得るように左右対称の位置にあることが好適である。
図21Aに示すように、第3スイッチ配設部588aは、第3スイッチ546が収容される収容部592を有する。第3スイッチ546の外表面の縁部546aは、右側面566と面一に形成されている。すなわち、第3スイッチ配設部588aは第3スイッチ546の外表面が右側面566に面一となるように形成されている。このため、例えば図22Aに示す状態から図22Cに示す状態に指を動かす際に、第3スイッチ546の縁部に人差し指などの指が引っ掛かるのを防止することができる。
したがって、右手Hでハンドルユニット512を保持した状態で、例えば右手Hの掌が第3スイッチ546に当接しても、第3スイッチ546が右手Hの掌で押圧されるのが防止されている。このため、第3スイッチ546は誤操作が防止されている。
図21Bに示すように、第3スイッチ配設部588aは、第3スイッチ546が収容される収容部594aと、右側面566に収容部594aに連続して形成された環状凹部594bとを有することも好ましい。そして、第3スイッチ546の外表面は、環状凹部594bに対して外側に突出する。一方、第3スイッチ546の外表面は右側面566の外表面に対して面一となるように形成されている。このため、第3スイッチ546を視認せずに、指を動かして第3スイッチ546の縁部546aを指の触覚で探し出すことができる。
また、環状凹部594b及びその内側の第3スイッチ546の縁部546aは指先の指球であれば第3スイッチ546を押圧可能であるが、指の第1関節から手首にかけての位置では第3スイッチ546を押圧できない大きさに形成されていることが好ましい。したがって、右手Hでハンドルユニット512を保持した状態で、右手Hの掌が第3スイッチ546に当接しても、第3スイッチ546が押圧されるのが防止されている。このため、第3スイッチ546は誤操作が防止されている。
なお、ここでは、右側面566に対する第3スイッチ546の配置について説明したが、左側面568に対する第4スイッチ548の配置も同様であることが好ましい。
ボディ532の延出部554の後面564及び固定ハンドル534の後面574のうち、ユーザの手Hの親指と人差し指との間の水かきが当てられる位置を原点Oとする。原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第3スイッチ546から回転ノブ540までの距離Lbを比較すると、同じか、原点Oから第3スイッチ546までの距離が長い(La≧Lb)ことが好適である。なお、この参考形態では、回転ノブ540のうち、中心軸Cに沿った方向の先端と基端との中央位置を基準として、原点Oから回転ノブ540までの距離L3(La+Lb)を規定するものとする。
なお、第3及び第4スイッチ546,548に割り当てられる機能はそれぞれ第3及び第4スイッチ546,548を押圧したときにエンドエフェクタ538に同種の機能を発揮させる押圧スイッチとしてコントローラ504で設定される。又は、第3及び第4スイッチ546,548に割り当てられる機能はそれぞれ第3及び第4スイッチ546,548を押圧したときにエンドエフェクタ538に異なる種類の機能を発揮させる押圧スイッチとしてコントローラ504で設定される。後者の場合、右手Hでハンドルユニット512を保持したとき、第3スイッチ546を右手Hの人差し指で操作し、第4スイッチ548を左手で操作する。同様に、左手でハンドルユニット512を保持したとき、第4スイッチ548を左手の人差し指で操作し、第3スイッチ546を右手で操作する。
なお、原点Oから第1スイッチ542の前面の中央部までの距離L1は略62mm程度であり、原点Oから第2スイッチ544の前面の中央部までの距離は略66mm程度であり、原点Oから回転ノブ540の中央位置までの距離L3(La+Lb)は略75mm程度である。また、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laは略43mm程度である。特に、第3スイッチ546は人差し指の指先の指球で回転ノブ540を支持した状態で、人差し指の第2関節より指先側に配置されていることが好ましい。
第1参考形態では、第1スイッチ542の、延出部554の前面562側の表面の中央部の位置は、原点Oを通り中心軸Cに平行な軸に対して略4°上側(中心軸Cに近接する側)に傾けられている。第2スイッチ544の、延出部554の前面562側の表面の中央部の位置は、原点Oを通り中心軸Cに平行な軸に対して略7°下側(中心軸Cに離隔する側)に傾けられている。このため、原点Oに対する第1スイッチ542の表面の中央部と第2スイッチ544の表面の中央部との間の角度は略11°である。また、回転ノブ540の中央位置は、原点Oを通り中心軸Cに平行な軸に対して略27°上側(中心軸Cに近接する側)に傾けられている。このため、原点Oに対する回転ノブ540の中央位置と第2スイッチ544の表面の中央部との間の角度は略35°である。また、回転ノブ540の中心軸Cと第2スイッチ544の表面の中央部との間の距離は略43mmである。
このため、図22Aから図22Bに示すように、右手Hでハンドルユニット512を保持する場合、ボディ532の延出部554の後面564及び固定ハンドル534の後面574にユーザの右手Hの親指と人差し指との間の水かきが当てられた状態で、回転ノブ540及び第1から第3スイッチ542,544,546はユーザの手Hの人差し指の指先の指球がそれぞれ届く位置に配置されている。図示しないが、左手でハンドルユニット512を保持する場合も同様に、ボディ532の延出部554の後面564及び固定ハンドル534の後面574にユーザの左手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた状態で、回転ノブ540、第1スイッチ542、第2スイッチ544、第4スイッチ548はユーザの手の人差し指の指先の指球がそれぞれ届く位置に配置されている。
ここで、(L3−La)/Laは1以上であることが好適である。すなわち、第3スイッチ546は原点Oよりも回転ノブ540に近接する位置にある。このため、回転ノブ540から第3スイッチ546に、第1スイッチ542から第3スイッチ546に、又は、第2スイッチ544から第3スイッチ546に人差し指を動かす量を、原点Oに近接させるよりも少なくすることができる。
そして、このような角度及び距離であれば、延出部554の後面564に親指と人差し指との間の水かきを当てた状態で回転ノブ540の中央位置と第2スイッチ544の表面の中央部との間で人差し指の指先の指球を動かすのは、人間工学的に、人差し指の可動範囲として無理がない、と言える。すなわち、第1スイッチ542と第2スイッチ544との間、回転ノブ540と第1スイッチ542との間に人差し指の指先の指球を動かすのも当然に無理がない、と言える。さらに、人差し指を延ばして人差し指の指先の指球で回転ノブ540を保持した状態で、第3スイッチ546は人差し指により隠される位置にある。一方、人差し指の関節を曲げることで回転ノブ540から人差し指の指先の指球を離して、第3スイッチ546を押圧することができる。
次に、この参考形態に係る外科手術用デバイス502の作用について説明する。
図22Aに示すように、右手Hでハンドルユニット512を把持する。このとき、延出部554の後面564の曲面564aに、ユーザの手Hの親指と人差し指との付け根、すなわち、親指と人差し指との間の付け根の例えば水かきを当てる。そして、固定ハンドル534の後面574及び延出部554の1対の側面576,578を右手Hの掌の母指球と小指球との間で挟持するように保持する。このため、親指と人差し指との間の水かきを延出部554の後面564の曲面564aに当てた状態で、ハンドルユニット512を容易に保持することができる。なお、移動ハンドル536の指掛部536aに右手の中指、薬指及び小指をかける。そして、図22Bに示すように、回転ノブ540を人差し指の指球で中心軸Cの軸回りに回転させると、エンドエフェクタ538が中心軸Cの軸回りに回転する。
処置対象の生体組織にエネルギを付加する場合、図22Aに示すように、人差し指の指球を第1スイッチ542又は第2スイッチ544にかけて押圧する。例えば、第1スイッチ542の表面の中央部を人差し指の指球で押圧すると、バイポーラエネルギにより血管等の処置対象の生体組織を凝固させながら、超音波エネルギによりその血管等の処置対象の生体組織を切開することができる。第2スイッチ544の表面の中央部を人差し指の指球で押圧すると、高周波エネルギにより血管等の処置対象の生体組織をシールしたり、止血したりすることができる。
図22Cに示すように、人差し指の関節を曲げて、人差し指の指球を第3スイッチ546にかけて押圧する。このとき、第3スイッチ546は人差し指の指球の可動範囲内にあるので、容易に押圧することができる。第3スイッチ546の表面の中央部を人差し指の指球で押圧すると、モノポーラエネルギにより生体組織を止血したり、剥離させたりすることができる。モノポーラエネルギによる止血等の処置は、一般に、電流密度の関係で、バイポーラエネルギによる止血等の処置よりも、より狭い範囲で行うことができる。
なお、第3スイッチ546の機能の割り当てによっては、超音波エネルギによりその血管等の処置対象の生体組織を切開することができ、又は、モノポーラエネルギにより処置対象の生体組織を凝固させて止血させながら、超音波エネルギによりその処置対象の生体組織を切開することができる。
第3スイッチ546は図21A及び図21Bに示すように右側面566と面一に形成されている。また、第3スイッチ546の操作力量は、人差し指の第1関節と第2関節との間の指球で押圧できるようなものではない。このため、第3スイッチ546が誤って操作されることが防止されている。したがって、第3スイッチ546は、回転ノブ540、第1及び第2スイッチ542,544を操作しながら操作されるのが防止される。
第4スイッチ548は左利き用のユーザのために、第3スイッチ546と同じ機能を発揮するように設定されていても良い。ところで、第4スイッチ548は、右手Hの人差し指の指球が届く位置にはないが、左手で押圧することができる。このため、第4スイッチ548が第3スイッチ546と異なる機能を発揮させるようにしても良い。
以上説明したように、第1参考形態によれば、以下のことが言える。
原点Oに対してL1,L2,L3はそれぞれ角度が異なる直線であり、原点Oと回転ノブ540の中心軸Cに沿った方向の先端及び基端の中央位置との間で、原点Oと回転ノブ540の中央位置とを結ぶ直線上に第3スイッチ546を配置している。このため、ユーザが右手Hでハンドルユニット512を把持した状態で、人差し指の指先位置を変えることで、第3スイッチ546を容易に操作することができる。第3スイッチ546は原点Oに対して、操作ノブ540の中央位置と第2スイッチ544の表面の中央部とにより形成される三角形の内側にあるので、人差し指を人間工学的に無理なく動かすことができる。特に、第3スイッチ546は、原点Oと操作ノブ540の中央位置との中点よりも操作ノブ540に近接する位置にあるので、人差し指を小さく動かすだけで第3スイッチ546に指先の指球を第3スイッチ546に配置することができる。
なお、第1から第3スイッチ542,544,546は互いの色がそれぞれ判別可能な程度に異なり、第3スイッチ546と第4スイッチ548とが同じ色であることが好適である。例えば第1スイッチ542は紫色、第2スイッチ544は青色、第3及び第4スイッチ546,548は黄色等、適宜に設定できる。
第1参考形態に係る外科手術用デバイス502は、エンドエフェクタ538により、生体組織を例えば以下の(1)から(5)のような処置をすることが可能である。第1から第3スイッチ542,544,546には、例えば以下の(1)から(5)のうちからそれぞれ1つが選択されて設定される。この外科手術用デバイス502は、(1)超音波振動エネルギとバイポーラエネルギの同時出力による、血管のシールや切開(超音波振動で処置するとともにバイポーラ処置するためのエネルギをエンドエフェクタ538から出力させること)、(2)バイポーラエネルギの出力による、血管のシールや止血、(バイポーラ処置するためのエネルギをエンドエフェクタ538から出力させること)、(3)モノポーラエネルギの出力による、ピンポイントの止血や粘膜剥離(モノポーラ処置するためのエネルギをエンドエフェクタ538から出力させること)、(4)超音波振動エネルギの出力による生体組織の切開(超音波振動で処置するためのエネルギをエンドエフェクタから出力させること)、(5)モノポーラエネルギと超音波振動エネルギの同時出力による、ピンポイントの止血、粘膜剥離、又は、プローブ516の処置部516aに対する生体組織の張り付き抑制(モノポーラ処置するとともに超音波振動で処置するためのエネルギをエンドエフェクタ538から出力させること)、を行うことができる。なお、第4スイッチ548には第3スイッチ546と同じ機能を設定でき、又は、第1から第3スイッチ542,544,546とは異なる機能を設定することができる。
この参考形態では、第1から第4スイッチ542,544,546,548がそれぞれ押圧することによりエンドエフェクタ538に機能を発揮させる押圧スイッチであるものとして説明した。第1及び第2スイッチ542,544としては、例えば中立位置(延出部554の前面562の中央)をOFFの状態として、左側面568に向かって、又は、右側面566に向かって移動させることによりONに切り替えられるスライドスイッチ等を用いることも好適である。このとき、第1スイッチ542を中立位置から左側面568に向かって又は右側面566に向かって移動させたときに、エンドエフェクタ538から同じ機能を発揮させるようにすることが好適である。同様に、第2スイッチ544を中立位置から左側面568に向かって又は右側面566に向かって移動させたときに、エンドエフェクタ538から同じ機能を発揮させるようにすることが好適である。また、第3及び第4スイッチ546,548は、延出部554の前面562側にあるときにOFFであり、後面564側に移動させることによりONに切り替えられるスライドスイッチ等を用いることも好適である。これらスライドスイッチも、押圧スイッチと同様に、指を離すことでOFFに切り替えられるように形成されていることが好適である。
もちろん、第1及び第2スイッチ542,544を押圧スイッチとし、第3及び第4スイッチ546,548をスライドスイッチ等とすることも好適である。
ハンドルユニット512には、ハンドルユニット512を保持したときに手Hの指や掌が当たる位置、例えば側面566,568に、多数の突起を有する滑り止め(図示せず)が形成されていても良い。このとき、第3及び第4スイッチ546,548の表面を例えば平滑に形成すると、第3及び第4スイッチ546,548を視認せずに第3及び第4スイッチ546,548を手Hの触感で探すことができる。
次に、第2参考形態について図23を用いて説明する。この参考形態は第1参考形態の変形例であって、第1参考形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図23に示すように、この参考形態では、第1参考形態とは異なり、第3スイッチ546が原点Oと第2スイッチ544の、延出部554の前面562側の表面の中央部との間に配置された例である。この参考形態においても、第3スイッチ546は原点Oよりも第2スイッチ544の、延出部554の前面562側の表面の中央部に近接している。
そして、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第3スイッチ546から第2スイッチ544までの距離Lbを比較すると、同じか、原点Oから第3スイッチ546までの距離が長い(La≧Lb)ことが好適である。ここで、(L2−La)/Laは1以上である。
第3スイッチ546がこのような位置にあっても、第1参考形態と同様に、人差し指の可動範囲内にあるので、第2スイッチ544を操作する際に第3スイッチ546を操作してしまうのを防止でき、第3スイッチ546を操作する際には人差し指を曲げて、指先で第3スイッチ546を操作することが容易である。
次に、第3参考形態について図24を用いて説明する。この参考形態は第1及び第2参考形態の変形例であって、第1及び第2参考形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図24に示すように、この参考形態では、第2参考形態とは異なり、第3スイッチ546が原点Oと第1スイッチ542の、延出部554の前面562側の表面の中央部との間に配置された例である。この参考形態においても、第3スイッチ546は原点Oよりも第1スイッチ542の、延出部554の前面562側の表面の中央部に近接している。
そして、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第3スイッチ546から第1スイッチ542までの距離Lbを比較すると、同じか、原点Oから第3スイッチ546までの距離が長い(La≧Lb)ことが好適である。ここで、(L1−La)/Laは1以上である。
第3スイッチ546がこのような位置にあっても、第1及び第2参考形態と同様に、人差し指の可動範囲内にあるので、第1スイッチ542を操作する際に第3スイッチ546を操作してしまうのを防止でき、第3スイッチ546を操作する際には人差し指を曲げて、指先で第3スイッチ546を操作することが容易である。
次に、第4参考形態について図25を用いて説明する。この参考形態は第1から第3参考形態の変形例であって、第1から第3参考形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図25に示すように、この参考形態では、第1から第3参考形態とは異なり、第3スイッチ546が、原点Oと、回転ノブ540のうち中心軸Cに沿った方向の先端及び基端の中央位置との間に配置されておらず、原点Oと第2スイッチ544の、延出部554の前面562側の表面の中央部との間に配置されていない。さらに、この参考形態の第3スイッチ546は、原点Oと第1スイッチ542の、延出部554の前面562側の表面の中央部との間に配置されていない。このため、回転ノブ540、第1スイッチ542又は第2スイッチ544に人差し指の指先を配置した状態で、第3スイッチ546が誤操作されることが防止されている。
そして、この参考形態では、第3スイッチ546は、原点O、回転ノブ540のうち中心軸Cに沿った方向の先端及び基端の中央位置、及び、第2スイッチ544の、延出部554の前面562側の表面の中央部によって形成される三角形の内側にある。このため、第3スイッチ546は人差し指の可動範囲内にある。したがって、回転ノブ540を操作する際、第1及び第2スイッチ544を操作する際に第3スイッチ546を操作してしまうのを防止でき、第3スイッチ546を操作する際には人差し指を曲げて、指先で第3スイッチ546を操作することが容易である。
なお、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第3スイッチ546から回転ノブ540までの距離Lb0とを比較すると、両者が同じか、原点Oから第3スイッチ546までの距離が長い(La≧Lb0)ことが好適である。同様に、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第1スイッチ542までの距離Lb1とを比較すると、両者が同じか、原点Oから第3スイッチ546までの距離が長い(La≧Lb1)ことが好適である。そして、第3スイッチ546は原点Oよりも延出部554の前面562に近接する位置にある。このため、延出部554の前面562に近接した回転ノブ540から第3スイッチ546に人差し指を動かす量(関節の曲げ伸ばしの量)を、原点Oに近接させる(La<Lb0)よりも少なくすることができる。同様に、延出部554の前面562に近接した第1スイッチ542から第3スイッチ546に人差し指を動かす量(関節の曲げ伸ばしの量)を、原点Oに近接させる(La<Lb1)よりも少なくすることができる。
さらに、原点Oから第3スイッチ546までの距離Laと、第3スイッチ546から第2スイッチ544までの距離Lb2とを比較すると、同じであっても良いし、異なっていても良い。ただし、第3スイッチ546は人差し指で操作するので、第2スイッチ544から第3スイッチ546へ、又は、その逆に人差し指を移動させる際に、人差し指の関節の曲げ伸ばしの量を少なくすることが好ましい。このため、第3スイッチ546は延出部554の後面564側よりも前面562側に近接する位置にあることが好ましい。
上述した参考形態によれば、以下の項目が得られる。
(項目1)エンドエフェクタを動作させる、略ピストル形状のハンドルユニットであって、
前面、後面及び1対の側面を有する、中心軸が規定されたボディと、
前記ボディの前記後面に連続して設けられた固定ハンドルと、
前記固定ハンドルよりも前記ボディの前面に近接する側で前記ボディに支持され、前記固定ハンドルに対して近接及び離隔可能な移動ハンドルと、
前記ボディの前記前面に、前記中心軸の軸回りに回転可能に設けられ、前記エンドエフェクタを前記中心軸の軸回りに回動させる回転ノブと、
前記ボディの前面に設けられた第1スイッチと、
前記ボディの前面に設けられ前記第1スイッチよりも前記回転ノブに対して離隔した第2スイッチと、
前記ボディの1対の側面の少なくとも一方に設けられた第3スイッチと
を具備し、
前記ボディの後面に前記ユーザの手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた状態で、前記回転ノブ及び前記第1から第3スイッチが前記手と同じ手の人差し指の指先の指球がそれぞれ届く位置にある、ハンドルユニット。
(項目2)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記ボディの後面のうち前記ユーザの手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた位置を原点としたとき、前記第3スイッチは前記原点、前記回転ノブ及び前記第2スイッチに囲まれた領域の内側にある、ハンドルユニット。
(項目3)項目2に記載のハンドルユニットであって、
前記原点から前記第3スイッチまでの距離をLaとし、前記原点から前記回転ノブ、前記第1スイッチ、又は、前記第2スイッチまでの距離をLa+Lbとしたとき、La≧Lbである、ハンドルユニット。
(項目4)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記ボディの後面に前記ユーザの手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた状態で、前記第3スイッチは、前記ユーザの手の人差し指の指先の指球で前記回転ノブが支持されたとき前記人差し指の前記指先の指球と前記人差し指の付け根との間で隠される位置、前記ユーザの手の人差し指の指先の指球で前記第1スイッチが支持されたとき前記人差し指の前記指先の指球と前記人差し指の付け根との間で隠される位置、又は、前記ユーザの手の人差し指の指先の指球で前記第2スイッチが支持されたとき前記人差し指の指先の指球と前記人差し指の付け根との間で隠される位置にある、ハンドルユニット。
(項目5)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記ボディの後面のうち前記ユーザの手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた位置を原点とし、前記中心軸に平行で前記原点を通る仮想的な平行線を規定したとき、
前記回転ノブ及び前記第3スイッチは、前記平行線に対して略20度傾斜した位置にある、ハンドルユニット。
(項目6)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記第3スイッチの外表面は前記ボディの側面に対して、面一の位置にある、ハンドルユニット。
(項目7)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記ボディの側面は、前記第3スイッチが収容される収容部と、前記収容部に連続して形成された環状凹部とを有し、
前記第3スイッチの外表面は前記環状凹部に対して突出し、前記ボディの側面に対して、面一の位置にある、ハンドルユニット。
(項目8)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記ボディの後面のうち前記ユーザの手の親指と人差し指との間の水かきが当てられた位置を原点としたとき、
前記原点から前記第1スイッチまでの距離よりも、前記原点から前記第2スイッチまでの距離の方が長い、ハンドルユニット。
(項目9)項目1に記載のハンドルユニットであって、
前記第1から第3スイッチには、前記エンドエフェクタにより生体組織を
i) 超音波振動で処置するとともにバイポーラ処置するためのエネルギを前記エンドエフェクタから出力させること、
ii)バイポーラ処置するためのエネルギを前記エンドエフェクタから出力させること、
iii) モノポーラ処置するためのエネルギを前記エンドエフェクタから出力させること、
iv) 超音波振動で処置するためのエネルギを前記エンドエフェクタから出力させること、
v) モノポーラ処置するとともに超音波振動で処置するためのエネルギを前記エンドエフェクタから出力させること、
の機能のうちからそれぞれ1つが選択されて設定される、ハンドルユニット。
これまで、いくつかの参考形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この参考形態の要旨は、上述した参考形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。