JP7160377B2 - 鉗子 - Google Patents
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ここで、回動ハンドルの開き角度の調整は、回動ハンドルが固定ハンドルに対して開く最大開き角度の調整で行うことができる。そして、回動ハンドルの開き角度が調整されることにより、回動ハンドルと固定ハンドルの間隔が調整され、術者にとって使いやすい最適な開き状態に調整がされる。
そして、シャフト部は、先端作動部が一端部に固定される細長い円筒形状のシースとシース内に往動自在に収納されたロッドとを備えるシャフトと、シースの他端部を保持するシャフト保持部とを有し、ハンドル部は、シャフト部がシャフト保持部によって固定されるシャフト部固定基部と、固定ハンドルと、固定ハンドルに対して回動自在に構成された回動ハンドルとを有していて、回動ハンドルが固定ハンドルに対して開閉するように回動されることによって、ロッドが往動し、先端作動部が作動されるように構成され、少なくともシースを、固定ハンドルに対して軸方向の相対位置を移動させることによって、回動ハンドルが固定ハンドルに対して開く最大開き角度を変えることができるように構成されていることを特徴とする。
なお、以下の説明においては、術者が鉗子を手に保持した状態での、術者側から見た状態で、鉗子の前後方向、上下方向、左右方向を示し、先端作動部のある方向を前方向、その反対の方向を後方向または背面方向と呼ぶこととする。
但し、以下に示す前後、上下、左右の方向は、説明の便宜上示すものであり、本技術はこれらの方向に限定して適用されることはない。
図1乃至図13を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、図1乃至図4を用いて、鉗子1の構成について、説明する。
図1は、鉗子1を前から見た斜視図である。図1に示すように、鉗子1(鉗子)は長いシャフト部2(シャフト部)と、シャフト部2の一端にある先端作動部3(先端作動部)と、シャフト部2の他端にあって先端作動部3の操作を行うハンドル部4(ハンドル部)を有している。ハンドル部4には、シャフト部2が固定されるシャフト部固定基部5(シャフト部固定基部)と、固定ハンドル部6(固定ハンドル)と、固定ハンドル部6に対して回動自在に構成される回動ハンドル部7(回動ハンドル)を有している。また、固定ハンドル部6には、ラチェット操作部8(移動規制部)とハンドル開き角調整部9(ハンドル開き角調整部)が設けられている。
図5(A)および図5(B)は、術者が手術用の手袋をして鉗子1を把持している状態を示すものであり、図5(A)は術者が小さな手HSの場合、図5(B)は大きな手HLの場合を示している。この鉗子1では、小さな手HSの場合でも大きな手HLの場合でも、術者は鉗子1を把持した状態で、ハンドル開き角調整部9のハンドル開き角調整レバー92を操作することにより、手の大きさに合わせて、固定ハンドル部6に対する回動ハンドル部7の最大開き角度を調整可能に構成されている。ここで、回動ハンドル部7の開きの角度の調整というのは、回動ハンドル部7と固定ハンドル部6の間隔の調整であって、術者にとって最適な開き状態に調整するということになる。
以上のような使用上の特徴を鉗子1は有しているが、これを実現している構成について、以下順次、詳細な説明を行っていく。
図6は、鉗子1がどのように作動するかを示すための、前方から見た一部分解斜視図である。図6に示すように、ロッド23の後ろ側の端部は、いったん細くなり、その先に球状のロッド端球状部23aが形成されている。一方、連結軸51の前側の端部には、ロッド端球状部23aを収納し係合可能な穴と溝からなる軸端ホルダ部51aが形成されている。すなわち、ロッド23と連結軸51とは、脱着可能に係合し連結される。
図7(A)および図7(B)は、ハンドル開き角調整カム軸91aの位置と、それによって変わる固定ハンドル部6に対する、シャフト部固定基部5とシャフト部2、そして回動ハンドル部7の動きについて示す鉗子1の一部断面図である。
なお、回転つまみ53は、鉗子1が組織を把持するときにシャフト部2を回動させて、先端作動部3の向きを変えるために設けられている。
ここで、回動ハンドル部7を固定ハンドル部6に対して開閉すると、先端作動部3もこれに合わせて開閉する。すなわち、図7(A)において、回動ハンドル部7を固定ハンドル部6に対して開くように回動すると、ロッド23が前進し、シャフト部2の先端に固定された先端作動部3も開いていく。そして、先端作動部3が開ききったときに、ロッド23の前進が止まり、回動ハンドル部7もこれ以上回動できなくなる。このときの回動ハンドル7の固定ハンドル部6に対する角度が最大開き角度である。
ここで、回動ハンドルの開きの角度の調整というのは、回動ハンドルと固定ハンドルの間隔の調整であって、術者にとって最適な開き状態に調整するということになる。
図8(A)に示すように、手を軽く握ったとき、手の指と手のひら全体が円柱の形になっていることが分かる。すなわち、図8(A)および図8(B)に示すように、人間の手は、円柱Bを握るのに適した形になっていると考えられる。
なおここで、従来の鉗子100についての説明は、本実施形態の人間工学的な回動ハンドル部7における第2指~第5指の指の配置等と対比するためのものであり、本発明の他の部分における技術が、この説明により限定を受けるものではない。
このため、術者は無理な形で鉗子1を保持することなく、手の疲れや痛みが少なく手に負担のかからない状態で、術者の持つ高度な技術を発揮することができる。すなわち、術者の手により優しい鉗子1を実現することができる。
それでは、図12(A)および図12(B)、図13(A)、図13(B)を用いて、それらの構成や動きを詳説する。
図12(A)に示すように、ラチェット操作レバー部81はラチェット操作レバー83とラチェット操作レバーホルダ84を有している。ラチェット操作レバー83の背面部には多数のラチェットダボ受け凹部83c、83c…83cが形成されている。背面下部にはラチェットカム溝部83e、83d、83eが形成されており、中央のラチェットカム溝部83dは浅く、左右のラチェットカム溝部83eは深く(すなわち、前方方向に深く凹んで)形成されている。一方、ラチェット操作レバーホルダ84は、前後の円板部84a、84aとこれらを連結する下部連結部84bを有し、側面から見て略コの字状に形成されている。そして、背面側の円板部84a下部には四角い穴であるラチェット爪用穴84bが形成されている。
図13(A)に示すように、ラチェット操作レバー83が中立状態にあるときには、ラチェット爪前部85bが浅いラチェットカム溝部83dに後ろ方向に押されてラチェット爪85が後退する。すると、ラチェット爪部85aは爪歯車部71bから外れるため、回動ハンドル本体71のラチェットは解除される。
図14乃至図16を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、腹腔鏡手術等の内視鏡下で行われる手術で従来から用いられている鉗子と同様な構造のものにおいても、本発明の技術的思想が適用できて、鉗子1の利便性が向上することを示すものである。
図14に鉗子1を左側面から見た側面図、図15に分解斜視図、図16に断面図を示す。
図17及び図18を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、第2の実施形態と同様、従来から用いられているタイプの鉗子に、本発明の技術的思想が適用できることを示すものである。
図17に鉗子1を左側面から見た側面図、図18に部分断面図を示す。
また、従来の交換可能なシャフト部が使える鉗子であれば、従来から使われている鉗子と同じ構造でなくても、回動ハンドル部7の開き角度を変えることが可能となる。
例えば、上述した実施の形態においては、ハンドル開き角調整部にレバー付きのカムやリング状のねじを用いたものを示したが、これに限定されず、つまみやダイヤル、把手等でもよいことは、勿論である。
T 母指球
B 丸棒
1 鉗子
2 シャフト部
21 シャフト
22 シャフト保持部
23 ロッド
24 シース
4 ハンドル部
5 シャフト部固定基部
6 固定ハンドル部
7 回動ハンドル部
8 ラチェット操作部
9 ハンドル開き角調整部
100 従来の形の鉗子
Claims (8)
- シャフト部と、前記シャフト部の一端にある先端作動部と、前記シャフト部の他端にあって前記シャフト部が固定され前記先端作動部の操作がされるハンドル部とを有する鉗子であって、
前記シャフト部は、前記先端作動部が一端部に固定される細長い円筒形状のシースと前記シース内に往動自在に収納されたロッドとを備えるシャフトと、前記シースの他端部を保持するシャフト保持部とを有し、
前記ハンドル部は、前記シャフト部が前記シャフト保持部によって固定されるシャフト部固定基部と、固定ハンドルと、前記固定ハンドルに対して回動自在に構成された回動ハンドルとを有していて、
前記回動ハンドルが前記固定ハンドルに対して開閉するように回動されることによって、前記ロッドが往動し、前記先端作動部が作動されるように構成され、
少なくとも前記シースを、前記固定ハンドルに対して軸方向の相対位置を移動させることによって、前記回動ハンドルが前記固定ハンドルに対して開く最大開き角度を変えることができるように構成されている
ことを特徴とする鉗子。 - 前記鉗子は、前記最大開き角度を調整するハンドル開き角調整部を有していて、
前記ハンドル開き角調整部を調整すると、前記固定ハンドルに対する前記シースの軸方向の相対位置が変わることにより、前記最大開き角度が変わるように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の鉗子。 - 前記固定ハンドルは前記シャフト部固定基部を軸方向に移動可能に保持していて、
前記ハンドル開き角調整部を調整することにより、前記シャフト部固定基部が前記固定ハンドルに対して移動して、前記固定ハンドルに対する前記シースの軸方向の相対位置が変わるよう構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の鉗子。 - 前記シャフト保持部は前記シースを軸方向に移動可能に保持していて、
前記ハンドル開き角調整部を調整することにより、前記シースが前記シャフト保持部に対して移動して、前記固定ハンドルに対する前記シースの軸方向の相対位置が変わるよう構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の鉗子。 - 前記ハンドル部本体は、前記回動ハンドルと前記固定ハンドルの相対運動を一方向のみに規制する移動規制部を有している
を特徴とする請求項1乃至4記載の鉗子。 - 前記固定ハンドルは、前記回動ハンドルの後方に位置しており、略長円の穴を有していて、
前記略長円の穴の前部には所定幅の前部内面を有していて、前記略長円の穴に手の母指球を入れ、親指と人差し指の間とその下の手のひらの部分を前記前部内面に当接するようにして前記固定ハンドルを把持することにより、前記鉗子を保持できるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至5記載の鉗子。 - 前記回動ハンドルには、中指から小指までの3指のうちの少なくとも1指が入る穴を有し、全体として前記固定ハンドルに対して中央部が前側に膨らむアーチ型に形成されている
ことを特徴とする請求項6記載の鉗子。 - 前記固定ハンドルの背面側の上部には、前記移動規制部により前記回動ハンドルと前記固定ハンドルの相対運動を一方向のみに規制するかまたは規制しないかを切り替える操作手段が設けられている
ことを特徴とする請求項5記載の鉗子。
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