JP6142324B2 - 有機el表示パネルとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気的発光素子である有機電界発光素子(以下「有機EL素子」と称する。)を用いた有機EL表示パネルとその製造方法に関する。本発明は特にインクジェットヘッドを用いた塗布技術に関する。
有機EL素子は電流駆動型の発光素子であり、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光層が配設された基本構造を有する。駆動時には一対の電極対間に電圧印加し、陽極側から注入したホールと、陰極側から注入した電子とを有機発光層中で再結合させ、この際に発生する電界発光現象を利用する。有機EL素子は自己発光するので視認性が高い。また完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるなどの特徴を有する。
有機EL素子の種類として、高分子材料や薄膜形成性の良い低分子材料を含むインクをウェットプロセス(塗布工程)で塗布し、インクを乾燥させて有機発光層や電荷注入層を形成する塗布型有機EL素子がある。多数の塗布型有機EL素子を基板上に行列方向に配設してなる有機EL表示パネルが開発されている。ウェットプロセスとしてはインクジェット方式等の方式が存在する。
例えばインクジェット方式では、有機EL表示パネルの製造中間体(塗布対象基板)をテーブルに載置し、塗布対象基板に対してインクジェットヘッドを走査する。塗布対象基板上において、バンク層に区画されて存在する開口部(有機EL素子形成予定領域)に対し、有機発光材料或いは電荷注入材料と、溶媒等を含むインク液滴をインクジェットヘッドの複数のノズルより吐出する(特許文献1を参照)。インクジェットヘッドの駆動方式としては圧電素子でインクを吐出制御するピエゾ方式等の方式がある。
図19(b)は、従来の塗布工程における、塗布対象基板100PXとインクジェットヘッド30との配置関係を示す部分拡大図である。図19(b)の13R、13G、13Bは開口部であり、塗布対象基板100PX上で行(X)方向に繰り返して存在する。開口部13R、13G、13Bには同順に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の有機発光材料のインク液滴が吐出される。インクジェットヘッド30は一列に配置されたノズル群を備える。図19(b)では連続する番号n1〜n11のノズルを含むノズル群を示す。図19(b)中、黒丸はインクを吐出するノズル、白丸はインクを吐出しないノズルを示す。ここでは番号n4〜n9のノズルを使用する。
塗布工程では図19(b)に示すように、行(X)方向を描画方向とし、同方向にインクジェットヘッド30を走査する。各列(Y)方向ラインLR1、LG1、LB1、・・・に並ぶ各開口部13R、13G、13Bのいずれかに対し、ノズル群(番号n4〜n9のノズル)よりインク液滴を吐出する。ここで、行列(XY)方向に複数の開口部を有する塗布対象基板100PXでは、列(Y)方向に並ぶ特定の各開口部に対して一定のノズル群を割り当てると、このノズル群は行(X)方向に並ぶ各開口部に対しても共通して割り当てられる。
図19(c)は完成した有機EL表示パネル100Xの列(Y)方向に沿った部分断面図である。図19(c)では、基板1と、TFT層2と、給電電極3と、平坦化膜4とを備え、且つ一対の電極対(第1電極6と第2電極10)とその間に形成された有機発光層9(ここでは赤(R)色)を備える3つの有機EL素子11Ra、11Rb、11Rcを示す。有機EL素子11Ra、11Rb、11Rcは図19(b)の列(Y)方向ラインLR1、LR2、LR3、LR4、・・・上の各開口部13Rの内部に形成される。
有機EL表示パネルでは各有機EL素子の特性が均一であることが重要である。このため、塗布工程において各開口部に吐出するインク量を均一にし、有機発光層や電荷注入層の各膜厚を揃えることが要求される。そこでインクジェットを設定する際、例えば各ノズルから射出されるインクの体積(以下、「液滴体積」と称する。)を揃え、各開口部に吐出するインクの液滴体積が均一になるように図られる。
特開2003−241683号公報 特開2004−014321号公報 特開2008−249781号公報
従来の有機EL表示装置における有機EL表示パネル100Xの正面図を図19(a)に示す。有機EL表示装置を駆動させた場合、有機EL表示パネル100Xの画面上で行(X)方向に沿って、筋状の輝度ムラ(以下、筋ムラと称する。)が発生しうる。筋ムラが発生する原因を図19(b)、図19(c)を用いて説明する。
インクジェットヘッドの製造時において、インクジェットヘッド内部に設けられる液室やノズル等の加工精度がばらつくことがある。また、インクジェットヘッドの使用経過に伴い、液室やノズル内部にインク成分が付着し、インクの流量が変動することがある。これらの理由により、インクジェットヘッドの各ノズル間で液滴吐出特性に誤差が生じうる。従って図19(b)に示す番号n4〜n9の各ノズルにおいても互いにインクの液滴体積のばらつきが発生しうる。
今、仮に番号n4〜n9のノズル群に吐出液滴量が多い誤差を持つノズルが含まれている場合を想定する。番号n4〜n9のノズル群を図19(c)に示す有機発光層9の形成に用いる場合を考える。この場合、行(X)方向に沿って番号n4〜n9のノズル群より列(Y)方向ラインLR1、LR2、LR3、LR4、・・・上の各開口部13Rに吐出するインクの液滴体積は、全て同一の誤差量を含んでいる。よって行(X)方向に並ぶ各有機EL素子11Rbの膜厚D2は、別の行(X)方向に並ぶ有機EL素子11Ra、11Rcの有機発光層9の膜厚D1、D3よりも膜厚が異なる(ここでは膜厚が厚くなる)場合がある。
また、膜厚の厚い有機発光層9を持つ有機EL素子11Rbは、有機EL表示パネル100Xで行(X)方向に連続的に並んで存在する。結果として有機EL表示パネル100Xでは、図19(a)に示すように、有機発光層9の膜厚差に起因した筋ムラが画面上に発生する。筋ムラは画面上に周期的に表れることがあり、画面を見た際には目立つため、有機EL表示パネルの画像表示性能を低下させる一因となる。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、インクジェット方式で形成された有機発光層を備え、筋ムラ発生による画像表示性能の低下を効果的に抑制可能な有機EL表示パネルとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様における有機EL表示パネルの製造方法は、基板の上方に、複数の第1電極の少なくとも一部を前記基板の表面の行列方向に沿って形成する第1電極形成工程と、前記基板の上方に、前記各第1電極を個別に露出する複数の開口部を存在させてバンク層を形成するバンク層形成工程と、複数のノズルを有するインクジェットヘッドと前記基板の少なくともいずれかを移動させることで、前記インクジェットヘッドと前記基板とを行方向に相対移動させ、各ノズルがいずれかの前記開口部と対向する際に、前記各ノズルより前記対向する前記開口部の内部にインク液滴を吐出し、前記インク液滴を乾燥させて有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、前記各有機発光層の上方に第2電極を形成する第2電極形成工程とを有し、前記バンク層形成工程では、前記複数の開口部のうち、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが、列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在するように前記バンク層を形成し、前記複数のノズルには第1ノズル群と第2ノズル群とが含まれ、前記有機発光層形成工程では、前記第1列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第1ノズル群より前記インク液滴を吐出し、前記第2列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第2ノズル群より前記インク液滴を吐出するように、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とを切り換えて使用するものとする。
本発明の一態様における有機EL表示パネルの製造方法では、バンク層形成工程において、第1及び第2列の各開口部群を列方向の前記開口部ピッチの半分以下の距離差で列方向に互いにずれるように配置調整する。これにより有機発光層形成工程において、行方向に基板とインクジェットヘッドの少なくともいずれかを互いに相対移動するように移動させる際、列方向の各開口部に割り当てるインクジェットヘッドのノズル群を、第1列と第2列の各開口部の位置に対応して第1ノズル群と第2ノズル群とに切り換えて使用できる。従って、第1ノズル群と第2ノズル群とを切り換えた際に、インクの吐出量の誤差を有するノズルが切り換えられる場合には、行方向に並ぶ開口部に対応して、連続して同一の誤差量のインクが吐出されるのを防止できる。これにより、ノズルのインクの液滴体積の誤差を第1列に並ぶ各開口部と第2列に並ぶ各開口部とで互いに異なるように分散できる。
この効果により有機EL表示パネルでは、同じ膜厚誤差を生じた有機発光層が行方向に連続して形成されるのを低減できる。よって、インクジェット方式で形成された有機発光層を備え、筋ムラ発生による画像表示性能の低下を効果的に抑制可能な有機EL表示パネルとその製造方法を提供することができる。
(a)は実施の形態1に係る有機EL表示パネル100の構成を示す模式的な断面図である。(b)は有機EL表示パネル100の1ピクセル分の有機EL素子11R、11G、11Bを示す部分正面図である。 有機EL表示パネル100の製造工程を示す図である。 インクジェット装置システム1000の主要構成を示す斜視図である。 インクジェット装置システム1000の機能ブロック図である。 (a)はヘッド部301の長手方向に沿った断面図である。(b)は(a)のW0−W0´矢視断面図(ヘッド部301の短手方向断面図)である。 インク塗布を実施する際のヘッド部301と塗布対象基板100Pとの配置関係を示す図である。 有機EL表示パネル100の製造工程を示す図である。 インク塗布直後の様子を示す塗布対象基板100Pの断面斜視図である。 有機EL表示パネルの製造工程を示す図である。 (a)は実施の形態1に係る有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100Pの拡大正面図である。(b)は実施の形態2に係る有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100P1の拡大正面図である。 (a)は実施の形態3に係る各有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100P2の拡大正面図である。(b)は実施の形態4に係る各有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100P3の拡大正面図である。 (a)は実施の形態5に係る各有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100P4の拡大正面図である。(b)は実施の形態6に係る各有機発光層形成工程を説明するための塗布対象基板100P5の拡大正面図である。 実施の形態1の効果確認試験の結果を示す図(筋ムラの模式的なマッピング図)である。 実施の形態1の効果確認試験の結果を示す図(列方向の開口部間でのインク体積のばらつき量)を示すグラフである。 実施の形態7に係る有機EL表示パネルの有機EL素子11、11´周辺の構成を示す部分拡大図である。 実施の形態7に係る有機EL表示パネルの有機EL素子11R周辺の構成を示す部分断面図(a)と、有機EL素子11R´周辺の構成を示す部分断面図(b)である。 実施の形態8に係る有機EL表示パネルの有機EL素子11、11´周辺の構成を示す部分拡大図である。 実施の形態8に係る有機EL表示パネルの有機EL素子11R周辺の構成を示す部分断面図(a)と、有機EL素子11R´周辺の構成を示す部分断面図(b)である。 従来構成における筋ムラの発生を説明するための図である。
<発明の態様>
本発明の一態様における有機EL表示パネルの製造方法は、基板の上方に、複数の第1電極を前記基板の表面の行列方向に沿って形成する第1電極形成工程と、前記基板の上方に、前記各第1電極を個別に露出する複数の開口部を存在させてバンク層を形成するバンク層形成工程と、複数のノズルを有するインクジェットヘッドと前記基板の少なくともいずれかを移動させることで、前記インクジェットヘッドと前記基板とを行方向に相対移動させ、各ノズルがいずれかの前記開口部と対向する際に、前記各ノズルより前記対向する前記開口部の内部にインク液滴を吐出し、前記インク液滴を乾燥させて有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、前記各有機発光層の上方に第2電極を形成する第2電極形成工程とを有し、前記バンク層形成工程では、前記複数の開口部のうち、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが、列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在するように前記バンク層を形成し、前記複数のノズルには第1ノズル群と第2ノズル群とが含まれ、前記有機発光層形成工程では、前記第1列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第1ノズル群より前記インク液滴を吐出し、前記第2列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第2ノズル群より前記インク液滴を吐出するように、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とを切り換えて使用するものとする。
上記本発明の一態様における有機EL表示パネルの製造方法では、バンク層形成工程において、第1列の開口部群と第2列の開口部群とを列方向に沿って開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在させる。これにより各開口部に割り当てたノズルは、行方向に沿って基板とインクジェットヘッドとを相対移動させる際、第1列の各開口部群に対応する第1ノズル群と、第2列の各開口部群に対応する第2ノズル群とに切り換えて使用する。ここで第1ノズル群と第2ノズル群とを切り換えた際に、インクの液滴体積の誤差を有するノズルが切り換えられる場合には、行方向に並ぶ開口部に対応して、連続して同一の誤差の液滴体積のインクが吐出されるのを防止できる。これによりノズルのインクの液滴体積の誤差を第1列に並ぶ各開口部と第2列に並ぶ各開口部とで互いに異なるように分散できる。
ここで本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程において、前記距離差は、列方向の前記開口部ピッチの10%以上50%以下の距離差とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記有機発光層形成工程では、行方向で隣接する前記各開口部の内部に対し、同順に互いに発光色が異なる前記インク液滴を吐出することにより第1、第2、第3の各有機発光層を形成し、前記第1の開口部群と前記第2の開口部群の前記各開口部には、前記第1、第2、第3の各有機発光層のうち、いずれか同一発光色の前記有機発光層を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記第1、第2、第3の各有機発光層を形成予定の各開口部に前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを存在させ、且つ、内部に前記第1、第2、第3の各有機発光層を同順に形成予定で行方向に隣接する3つの前記各開口部を1組とするとき、前記1組内では前記各開口部の配置が揃うように前記バンク層を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記1組の前記各開口部を行方向に2組以上100組以下にわたり連続して存在させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向で隣接して存在させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いに千鳥状にずれるように存在させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いに階段状にずれるように存在させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記バンク層形成工程では、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いにランダム状にずれるように存在させることもできる。
また本発明の別の態様として、前記有機発光層形成工程で使用するインクジェットヘッドは、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とにそれぞれ属するノズルの個数が10個以下である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記インクジェットヘッドにおいて、前記複数のノズルは一の方向に沿ってライン状に配設され、前記有機発光層形成工程では、前記一の方向を列方向と交差するように前記インクジェットヘッドを傾けた状態で、前記インクジェットヘッドと前記基板のすくなくともいずれかを移動させることもできる。
また本発明の別の態様として、少なくとも前記有機発光層形成工程前において、前記各第1電極と部分的に重ねて配置することにより、前記各開口部内の発光領域を規制する画素規制層を形成する画素規制層形成工程を有し、前記画素規制層形成工程では、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の位置が互いに行方向で揃うように、前記各開口部の列方向に沿った周縁の両端の少なくとも一端側となる領域に、絶縁性材料からなる前記画素規制層を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記画素規制層形成工程では、前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記画素規制層を形成することもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2電極の上方に封止層を形成する封止層形成工程と、前記封止層の上方に第2基板を配置する第2基板配置工程とを有し、前記第2基板は、前記開口部との対向位置に存在する透光性領域と、前記各透光性領域の周囲に存在するブラックマトリクスとを有し、前記透光性領域は、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の位置が互いに行方向で揃うように存在しているものとすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2基板配置工程で配置する前記第2基板において、前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記透光性領域が存在しているものとすることもできる。
本発明の一態様である有機EL表示パネルは、基板と、前記基板上に形成されたTFT層と、前記TFT層の上方において、行列方向に複数にわたり形成された第1電極と、各第1電極を個別に露出させる複数の開口部を行列方向に存在させるように形成されたバンク層と、各開口部の内部に形成された有機発光層と、前記有機発光層の上方に形成された第2電極とを有し、前記複数の開口部には第1列の開口部群と第2列の開口部群とが含まれ、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在している構成とする。
ここで本発明の別の態様として、前記距離差は、列方向の前記開口部ピッチの10%以上50%以下の距離差とすることもできる。
また本発明の別の態様として、行方向で隣接する前記各開口部の内部に対し、同順に互いに発光色が異なる前記インク液滴を吐出することにより第1、第2、第3の各有機発光層が形成され、前記第1の開口部群と前記第2の開口部群の前記各開口部には、前記第1、第2、第3の各有機発光層のうち、いずれか同一発光色の前記有機発光層が形成されている構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1、第2、第3の各有機発光層が形成された各開口部毎に前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とが存在し、且つ、内部に前記第1、第2、第3の各有機発光層を同順に形成予定で行方向に隣接する3つの前記各開口部を1組とするとき、前記1組内では前記各開口部の配置が揃うように前記バンク層が形成されている構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記1組の前記各開口部が行方向に2組以上100組以下にわたり連続して存在している構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とが行方向で隣接して存在する構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様として、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とが行方向に繰り返し存在し、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とが互いに千鳥状にずれるように存在している構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とが行方向に繰り返し存在し、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とが互いに階段状にずれるように存在している構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とが行方向に繰り返し存在し、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とが互いにランダム状にずれるように存在している構成とすることできる。
また本発明の別の態様として、前記各第1電極と部分的に重ねて配置されることにより、前記各開口部内の発光領域を規制する画素規制層を有し、前記画素規制層は、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の位置が互いに行方向で揃うように、前記各開口部の列方向に沿った周縁の両端の少なくとも一端側となる領域に、絶縁性材料により形成されている構成とすることもできる。また本発明の別の態様として、前記画素規制層は、前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように形成されている構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2電極の上方に形成された封止層と、前記封止層の上方に配置された第2基板とを有し、前記第2基板は、前記開口部との対向位置に存在する透光性領域と、前記各透光性領域の周囲に存在するブラックマトリクスとを有し、前記透光性領域は、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の位置が互いに行方向で揃うように存在している構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2基板において、前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記透光性領域が存在している構成とすることもできる。
<実施の形態1>
(有機EL表示パネル100の構成)
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る有機EL表示パネル100の構成を模式的に示す断面図である。図1(a)では有機EL表示パネル100で列(Y)方向に隣接して形成された、同色(赤色)の3つの有機EL素子11Rの構成を示す。
有機EL素子11Rの構成はTFT基板1(以下、単に「基板1」と称する。)と、TFT基板1の片側主面(図1(a)では上面)に順次積層された、TFT配線部(TFT層2)と、平坦化膜4と、第1電極6と、有機発光層9と、第2電極(陰極)10とを有してなる。
一方、有機EL表示パネル100を正面から見ると、有機EL表示パネル100の部分正面図(図1(b))に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する有機EL素子11R、11G、11Bが、行(X)方向に隣接して存在する開口部13R、13G、13Bに対し、サブピクセル(発光単位)として形成されている。有機EL素子11R、11G、11Bは、互いに有機発光層9の発光色が異なっている。
有機EL表示パネル100では、行(X)方向で隣接する3つの有機EL素子11R、11G、11Bをサブピクセルとする。これら3つのサブピクセルを1組として1ピクセル(画素)が構成される。図1(b)では、第1ピクセルPix1と、これに行(X)方向で隣接する第2ピクセルPix2とを図示している。第2ピクセルPix2は有機EL素子11R´、11G´、11B´を1組として構成される。
一方、有機EL表示パネル100では、列(Y)方向では図1(a)のように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれか同一発光色のサブピクセルが形成されている。
このように有機EL表示パネル100では、行列(XY)方向に沿って、マトリクス状に複数の有機EL素子が配列されている(以下、発光色及びピクセルを区別しない場合、有機EL素子11R、11G、11B、11R´、11G´、11B´を単に「有機EL素子11」と称し、開口部13R、13G、13Bを単に「開口部13」と称する。)。
次に有機EL素子11の構造を順に説明する。
各第1電極6の上には、図1(a)に示す有機EL素子11Rの開口部13Rのように、開口部13を有するバンク層7が形成される(図1(b))。開口部13は素子形成予定領域を区画するように存在する。開口部13の内部には、第1電極6の上方に、有機発光層9、第2電極(陰極)10が順次積層形成される。
[基板1]
基板1は有機EL表示パネル100のベース部分である。基板1は、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料のいずれかを用いて形成される。
[TFT層2]
TFT層2は、有機EL表示パネル100の全ての有機EL素子11をアクティブマトリクス方式で駆動するために設けられる。TFT層2は、導電材料と半導体材料と絶縁性材料を用いて形成される。
[平坦化膜4]
平坦化膜4は、絶縁性に優れる有機材料からなる層間絶縁膜であって、TFT層2の表面を平坦に被覆するために設けられる。平坦化膜4には、列(Y)方向で隣接する各開口部13同士の間の領域を厚み方向(Z方向)に貫通させることで、円形の孔(コンタクトホール5)が存在している(図1(a))。コンタクトホール5の内部において、TFT層が給電電極3を介して第1電極6と電気的に接続される。
[第1電極6]
第1電極6は陽極であり、第2電極10と一対の電極対を構成する。第1電極6はAg(銀)の他、例えばAPC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)、等の導電性材料を用いて形成される。有機EL素子11をトップエミッション型とする場合、第1電極6は光反射性材料を用いて形成する。或いは有機EL素子11をボトムエミッション型とする場合、第1電極6は光透過性材料を用いて形成する。第1電極6は基板1の上方において、各開口部13(各素子形成予定領域)の位置に合わせ、行列(XY)方向に複数にわたり形成される。
[バンク層7]
バンク層7は、主として有機EL表示パネル100の各素子形成予定領域を区画するために設けられる。バンク層7は、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)からなり、少なくとも表面において撥水性を有する。バンク層7のパターンは適宜調節可能であるが、有機EL表示パネル100では井桁状(ピクセルバンク状)とする。すなわち、行列(XY)方向に沿って、各素子形成予定領域を個別に区画する開口部13を複数有する形状に形成される。バンク層7は、全体的にはXY平面またはYZ平面に沿った断面が台形の断面形状を有している。尚、コンタクトホール5に対応するバンク層7の位置には、バンク材料がコンタクトホール5の内部に落ち込み、シュリンク(収縮)してなる窪み部12が存在する(図1(a))。
ここで図1(b)に、バンク層7で区画された、行(X)方向で隣接する2つのピクセル(第1ピクセルPix1、第2ピクセルPix2)を示す。第1ピクセルPix1と第2ピクセルPix2の配置関係に示すように、バンク層7では行(X)方向で隣接する各ピクセルにおいて、第1ピクセルPix1で列(Y)方向に並ぶRGB各色の開口部群と、第2ピクセルPix2で列(Y)方向に並ぶRGB各色の開口部群とが、互いに列(Y)方向でずれるように配置されている。
一例として図1(b)では、第1列(W1−W1´線上の列)に並ぶ複数の開口部13Rからなる開口部群と、第2列(W2−W2´線上の列)に並ぶ複数の開口部13Rからなる開口部群とを比較した場合、各開口部群は互いに列(Y)方向に沿って、列(Y)方向の開口部ピッチの10%以上50%の距離の差でずれるように配置されている。実施の形態1では、第1ピクセルPix1におけるRGB各色の開口部群の各第1列と、第2ピクセルPix2におけるRGB各色の開口部群の各第2列とが互いに列(Y)方向でずれるように配置される。一方、列(Y)方向での各ピクセル内での開口部13R、13G、13Bの配置が同一位置になるように設定している。このような開口部13の配置は、有機EL表示パネル100を駆動させた際に発生しうる筋ムラを防止するためである。
尚、図1(b)では説明を簡単にするため窪み部12を省略している。
行(X)方向で隣接する各ピクセルにおける、列(Y)方向での各開口部群のずれ量としては、少なくとも列(Y)方向の開口部ピッチの半分以下の距離であればよい。具体的には列(Y)方向の開口部ピッチの10%以上50%以下の距離差とするのが望ましい。これは一般的なウェットプロセスの有機発光層形成工程において、インクジェットヘッドを用いた場合、1つの開口部に対応して使用するノズル群中のノズル個数が10個程度以下(本実施の形態1では6個)であることと、1ピクセルを構成するサブピクセルの配置のバランス保持とを考慮したものである。
[有機発光層9]
有機発光層9は、有機EL素子11における発光部分である。有機発光層9は、開口部13R、13G、13B内の第1電極6の上方において、同順に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)で発光するように形成される。有機発光層9は所定の有機材料を含むように構成されているが、その材料には公知材料を利用できる。たとえば特開平5−163488号公報に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2、2´−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質等を挙げることができる。
[第2電極10]
第2電極10は陰極である。第2電極10は、例えばITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の導電性材料を用いて構成される。有機EL素子11をトップエミッション型にする場合は、光透過性材料を用いる。或いは有機EL素子11をボトムエミッション型にする場合は、光反射性材料を用いる。
[その他の構成]
図1には図示しないが、第2電極10の上方には公知の封止層が設けられる。封止層は、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の材料で形成され、有機発光層9が水分や空気等に触れて劣化するのを抑制する。有機EL素子11をトップエミッション型にする場合、封止層は光透過性材料で構成する。
また、図1には図示しないが、有機EL表示パネル100を平面視した際、各有機EL素子11を区画するようにブラックマトリクスを配し、各有機EL素子11との対向面にカラーフィルター層を設けたカラーフィルター基板を、第2電極10と対向するように設けることもできる。
尚、有機EL表示パネル100では、第1電極6の上に直接、有機発光層9を形成しているが、第1電極6と有機発光層9との間には公知の機能層(例えばホール輸送層、ホール注入層、バッファ層等)のいずれかを配置してもよい。また有機発光層9と第2電極10との間には公知の電子輸送層、電子注入層等、その他の公知の層のいずれかを配置してもよい。
(有機EL表示パネル100で奏される効果)
有機EL表示パネル100では図1(b)に示したように、行(X)方向に隣接するピクセル毎に、各ピクセル内の開口部13R、13G、13Bの列(Y)方向に沿った位置が、互いに一定間隔でずれて配置されている。
このため有機発光層9をウェットプロセスで製造する際に、行(X)方向にインクジェットヘッド30を相対的に走査して各開口部13R、13G、13Bにインク液滴8を塗布する場合(図6)、行(X)方向に並ぶ開口部13R、13G、13Bに対応して用いるノズル3030のノズル群を、1ピクセル毎に切り換えることができる。これにより、たとえいずれかのノズル3030がインクの液滴体積に誤差を有する場合であっても、ノズル群を切り換えた際に、インクの液滴体積に誤差を有するノズル3030が切り換えられる場合には、行(X)方向に並ぶ同一色の開口部13R、13G、13Bに対応して、連続して同一の誤差量の液滴体積のインクが吐出されるのが防止される。すなわち、個々のノズル3030のインクの液滴体積の誤差が、行(X)方向に並ぶ同一色の開口部13R、13G、13Bにおいて、1ピクセル毎に互いに異なるように分散される。
結果として有機EL表示パネル100では、同じ膜厚誤差を生じた有機発光層9が行(X)方向に連続して形成されるのが低減されている。従って駆動時における筋ムラの発生が抑制されており、良好な画像表示性能を期待できる。
(有機EL表示パネル100の全体的な製造方法)
有機EL表示パネル100の全体的な製造方法を図2、図6〜図9等を用いて例示する。その後、有機発光層形成工程について詳細を説明する。
まず基板1を準備し、スパッタ成膜装置のチャンバ内に載置する。チャンバ内に所定のスパッタガスを導入する。この状態で、例えば反応性スパッタ法に基づき、パターンマスクを介して導電性材料を基板1にスパッタリングする。これによりTFT層2と給電電極3とをそれぞれ形成する(図2(a))。ここで、後にバンク層形成工程でバンク層7に存在させる開口部13の配置位置によっては、TFT層2と給電電極3との各配置位置を予め調整する必要がある。従って反応性スパッタ法による成膜を行う際に、所定のパターニング及び配置位置でTFT層2と給電電極3とをそれぞれ形成する点に留意する。
次に、フォトレジスト法に基づき、TFT層2及び給電電極3の上に絶縁性に優れる公知の有機材料を用いて、厚み約4μmの平坦化膜4を形成する(図2(b))。このとき平坦化膜4の上に形成される予定の第1電極6と給電電極3とを電気接続するためのコンタクトホール5を、列(Y)方向で隣接する各開口部13の間の位置に合わせて存在させる。所望のパターンマスクを用いたフォトレジスト法を実施することで、平坦化膜4とコンタクトホール5を同時に形成することができる。尚、当然ながらコンタクトホール5の形成方法はこれに限定されない。例えば、一様に平坦化膜4を形成した後、所定の位置の平坦化膜4を貫通させることで、コンタクトホール5を存在させることもできる。
上記形成した平坦化膜4の上に、例えば真空蒸着法またはスパッタ法に基づき、厚み50nm程度の金属材料からなる第1電極6を形成する。このとき第1電極6を、給電電極3と電気接続させつつ、所望の形状(例えば素子形成予定領域毎に対応する形状)を有するように形成する(図2(c))。
尚、必要に合わせて反応性スパッタ法に基づき、第1電極6及び給電電極3の上から基板1の表面に沿って一様にホール注入層を成膜する。具体的には、モリブデンやタングステン等の金属材料をスパッタ源(ターゲット)として用い、スパッタガスとしてアルゴンガス、反応性ガスとして酸素ガスをそれぞれチャンバ内に導入する。これにより、モリブデンやタングステンの酸化物からなるホール注入層が形成する。
尚、実施の形態7で示すように、第1電極6の形成後、バンク層7の形成前において、第1電極6の上に部分的に重なるように画素規制層を設けてもよい。画素規制層形成工程は、フォトレジスト法に基づき、絶縁性材料等を含むペーストを塗布し、パターニングすることで実施できる。
続いてバンク層形成工程を実施する。バンク材料として、例えば感光性のレジスト材料、もしくはフッ素系やアクリル系材料を含有するレジスト材料を用意する。バンク層形成工程はフォトレジスト法に基づいて実施できる。すなわち、バンク材料を第1電極6上から基板1の表面に沿って一様に塗布し、その上にフォトレジストを重ねて塗布する。塗布したフォトレジスト上に、形成予定のバンク層7のパターンに合わせたマスクを重ねる。マスクには公知のハーフトーンマスクを利用できる。ここでは、各第1電極6の少なくとも一部が開口部13より露出するように、開口部13を存在させてバンク層7をパターニングするものとする。マスクを介してフォトレジストを感光させ、レジストパターンを形成する。余分なバンク材料及び未硬化のフォトレジストを水系もしくは非水系エッチング液(剥離剤)で洗い出す。以上でバンク材料のパターニングが完了する。その後はパターニングされたバンク材料の周囲に残留したレジスト残渣を純水で洗浄除去する。以上で図2(d)に示すように、素子形成予定領域に開口部13(色毎に13R、13G、13Bが存在する。図2(d)では赤色対応の13Rを示す)を有し、表面が少なくとも撥水性のバンク層7が完成する。尚、各開口部13の配置位置としては、図1(b)に示したように、行(X)方向に沿ってピクセル毎に開口部13R、13G、13Bの位置が列(Y)方向で一定距離をおいてずれるように調整する。各開口部13の配置位置は、マスクのパターン形状を調節することにより調整可能である。
尚、平坦化膜4にコンタクトホール5を存在させると、バンク材料がコンタクトホール5の内部でシュリンクする。このためバンク層7の頂部には自然に窪み部12が形成される(図2(d))。以上で有機EL表示パネル100の製造中間体である塗布対象基板100Pが完成する。
バンク層形成工程では、有機発光層形成工程で開口部13内に吐出予定のインクに対するバンク層7の接触角を調節してもよい。或いは、バンク層7の少なくとも表面に撥水性を付与してもよい。これらの調節は、バンク層7の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理したり、プラズマ処理を施して表面処理することで実施できる。
次に、有機発光層形成工程を実施する。発光層材料の有機材料と溶媒を所定比率で混合してインクを調整する。このインクを、図3のインクジェット装置システム1000に装備されたインクジェットヘッド30に供給する。そして公知のインクジェット方式によるウェットプロセスに基づき、行(X)方向を描画方向として、インクジェットヘッド30より各開口部13にインクの液滴8を塗布する(図7(a)、図7(b))。この際、塗布対象基板100Pとインクジェットヘッド30とが互いに相対移動するように、塗布対象基板100Pとインクジェットヘッド30の少なくともいずれかを移動させる。
図8は、塗布対象基板100Pの窪み部12´及び開口部13R、13G、13Bに対し、インク液滴を塗布した直後の様子を示す部分斜視図である。開口部13R、13G、13B内の各インク液滴8の溜まりは、いずれも走査中のインクジェットヘッド30の複数のノズル3030(ノズル群)から高速で滴下されてなる。インク液滴8中の溶媒を蒸発させて乾燥させれば、図9(a)に示すように開口部13R内に有機発光層9が形成される。また、同様に開口部13G、13B内にも有機発光層9が形成される。
次に、有機発光層9の表面に、ITO、IZO等の材料を用い、真空蒸着法で成膜する。これにより第2電極10が形成される(図9(b))。
尚、第2電極10の表面には、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の材料を真空蒸着法で成膜することで、封止層(不図示)を形成する。
以上の工程を経ることで有機EL素子11が形成される。これにより有機EL表示パネル100が完成する。
(有機発光層形成工程の詳細)
次に有機発光層形成工程について詳細を説明する。まず、有機発光層形成工程で使用するインクジェット装置システム1000について具体的に説明し、その後に有機発光層形成工程の実施内容を説明する。
(インクジェット装置システム1000)
図3は、インクジェット装置システム1000(以下、単に「システム1000」と称する。)の主要構成を示す斜視図である。図4は、システム1000の機能ブロック図である。
図4に示すように、システム1000は、制御装置(PC)15と、インクジェットテーブル20と、インクジェットヘッド30とで構成される。
制御装置15は、CPU150と、記憶手段151と、表示手段153と、入力手段152とを有して構成される。記憶手段151は、一例としてHDD等の大容量記憶手段である。表示手段153は、一例としてディスプレイである。制御装置15は、一例としてパーソナルコンピュータ(PC)である。記憶手段151には、CPU150がインクジェットテーブル20を駆動制御するために読み込む制御プログラムが格納されている。システム1000の駆動時には、CPU150が入力手段152を通じてオペレータにより入力された入力指示と、記憶手段151に格納された制御プログラムとに基づいてインクジェットテーブル20とインクジェットヘッド30の各駆動制御を行う。
尚、システム1000にはインクジェットヘッド30から吐出されるインクの状態を確認するための液滴観察装置がCPU150に制御可能に接続されることもある。
(インクジェットテーブル20)
インクジェットテーブル20は一例としてガントリー式の作業テーブルである。全体構造として、基台200の上に横架されたガントリー部(移動架台)210が一対のガイドシャフト203A、203Bに沿って往復移動可能とされた構造を有する(図3)。
具体的構成として、インクジェットテーブル20は、長方形状主面を持つ基台200と、4本のスタンド201A、201B、202A、202Bと、ガイドシャフト203A、203Bと、リニアモータ204、205と、ガントリー部210と、インクジェットヘッド30等とを有する。
スタンド201A、201B、202A、202Bは柱状体であり、板状の基台200のZ方向上面の四隅付近に立設されている。スタンド201A、201B、202A、202Bに囲まれた基台200上の内側領域には、塗布対象基板100Pを載置するための固定ステージSTと、ウェットプロセスの実施前に予めインクを吐出させて安定化するために用いるインクパン(皿状容器)60とが配設される(図3)。
ガイドシャフト203A(203B)は、基台200の長手(X)方向に延びる両側部において、スタンド201A、201B(202A、202B)により軸支される。リニアモータ204(205)はガイドシャフト203A(203B)に挿通される。ガントリー部210はリニアモータ204、205に対し、基台200の短手(Y)方向を横断するように搭載されている。この構成によりシステム1000の駆動時には、一対のリニアモータ204、205が同方向に等速駆動されると、ガントリー部210がガイドシャフト203A、203Bの長手(X)方向に沿って精密にスライドする(図3)。
ガントリー部210は、長手(Y)方向に沿ったガイド溝211を有する。ガイド溝211の内部には長手(Y)方向に沿って微細なラック(不図示)が形成されている。ガントリー部210にはL字型台座である移動体(キャリッジ)220が配設される。移動体220にはサーボモータ(移動体モータ)221が配設され、モータ軸の先端にはギヤ(不図示)が配されている。ギヤはガイド溝211のラックと噛合している。この構成によりシステム1000の駆動時には、サーボモータ221が回転駆動されると移動体220がピニオンラック機構により長手(Y方向)に精密にスライドする。図3中の212は移動体220を安定してスライドさせるためのガイド溝である。移動体220には図3に示すようにインクジェットヘッド30が装備される。
尚、リニアモータ204、205とサーボモータ221は図4に示すように、これらを個別に直接制御して駆動するための制御部206に接続される。制御部206は制御装置15内のCPU150に接続される。
また、リニアモータ204、205、サーボモータ221はそれぞれガントリー部210及び移動体220を移動させる機構の一例にすぎず、これらの構成は必須ではない。例えばタイミングベルト機構やボールネジ機構を利用してガントリー部または移動体の少なくともいずれかを移動させてもよい。
(インクジェットヘッド30)
インクジェットヘッド30は、図3に示すヘッド部301と、本体部302と、図4に示す制御部300とを有して構成される。インクジェットヘッド30はピエゾ方式を採用している。
本体部302は筐体の内部にサーボモータ303(図4)を内蔵する。筐体は移動体220に固定されている。
ヘッド部301は直方体の外観形状を有し、その上面の中央部付近でサーボモータ303のモータ軸の先端より垂下されている(図3)。これによりサーボモータ303のモータ軸が回転すると、ヘッド部301と固定ステージSTとの間の角度が変化する。
図5はヘッド部301の内部構成を示す断面図である。図5(a)はヘッド部301の長手方向に沿った断面図である。図5(b)は(a)のW0−W0´矢視断面図(ヘッド部301の短手方向断面図)である。図5(a)ではヘッド部301で隣接する5つのインク吐出機構部304a〜304eのみを部分的に示すが、ヘッド部301に存在する全てのインク吐出機構部は同一構成である。以下、図5(a)に示す構成を例示してヘッド部301の構成を説明する。
ヘッド部301は、複数のインク吐出機構部304a〜304eを備える。インク吐出機構部304a〜304eは、フレーム部3050と、振動板3040と、圧電素子3010(3010a〜3010e)とを有して構成される。インク吐出機構部304a〜304eは、ここではヘッド部301の長手方向に沿って一定間隔毎に複数個(一例として百〜数千個、具体例として128個)にわたり一列に形成される(図5(a))。
フレーム部3050は、内部に液室3020(3020a〜3020e)と、ノズル3030(3030a〜3030e)とを有する。フレーム部3050は、例えばSUS等の金属材料やセラミック材料で構成される。液室3020(3020a〜3020e)と、ノズル3030(3030a〜3030e)とは機械加工やエッチング、あるいは放電加工により、フレーム部3050の内部で一体的に形成されている。
液室3020(3020a〜3020e)はノズル3030(3030a〜3030e)より吐出される直前のインクの貯留空間である。液室3020(3020a〜3020e)の体積は、圧電素子3010(3010a〜3010e)及び振動板3040が液室3020(3020a〜3020e)側に変形すると縮小し、圧電素子3010(3010a〜3010e)及び振動板3040の形状が復元すると復元する。液室3020a〜3020eの各々は互いに隔壁3070で区画されている(図5(a)、図5(b))。液室3020a〜3020eの各後部はインク流路3060と連通する。インク流路3060にはヘッド部301の外部より輸液チューブL1が接続される(図3)。システム1000の駆動時には輸液チューブL1を通じ、外部のインクタンクからインクがインク流路3060に供給される。これにより各液室3020a〜3020eはインクで満たされる。
ノズル3030(3030a〜3030e)はインクの吐出手段である。各ノズル3030a〜3030eはフレーム部3050の底面において、各液室3020a〜3020eと連通して一定のピッチで列状に形成される。ヘッド部301でのノズル3030a〜3030e間のピッチは固定であるが、サーボモータ303のモータ軸の回転角を調節することで、塗布対象基板100Pに対する相対的なノズルピッチが調節可能である。ヘッド部301では、CPU150がサーボモータ303のモータ軸の回転角を制御することで、隣接する複数のノズル3030からなるいずれかのノズル群が塗布対象基板100P上の所定の開口部13の上方を走査可能に制御される。
振動板3040は、各液室3020a〜3020eの上方を覆うように配設される。振動板3040の上方には、各圧電素子3010a〜3010eが積層される。振動板3040は、ステンレスやニッケルからなる可撓性の薄板で構成される。従って振動板3040は各圧電素子3010a〜3010eの変形とともに変形する。
圧電素子3010(3010a〜3010e)はピエゾ素子である。一例として圧電素子3010dは、素子本体3012dと、素子本体3012dを挟設する一対の電極3011d、3013とを有してなる(図5(b))。素子本体3012dは、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等からなる板状体である。
図4に示す制御部300は、ヘッド部301における圧電素子3010の各々を個別に駆動可能な駆動回路を備える。システム1000の駆動時には特定の圧電素子3010に対し、例えば数百Hzの駆動周波数で波形電圧を印加する。この電圧印加による圧電素子3010の変形に伴って振動板3040が振動し、液室3020の体積が減少または復元される。圧電素子3010の印加電圧波形としては、例えば矩形パルス電圧波形を利用できる。矩形パルス電圧を利用すれば、パルスの立ち上がり時に合わせて圧電素子3010が変形し、これに伴って振動板3040が変形して液室3020の体積が減少する。また、パルスの立ち下がり時に合わせて圧電素子3010と振動板3040の形状が復元し、液室3020の体積が復元する。液室3020の体積減少時に合わせてインクがノズル3030から吐出される。圧電素子3010の印加電圧波形は矩形に限定されず、ステップ状や一部曲線状を持つ波形でもよい。
尚、各圧電素子3010への電圧印加は、CPU150が制御プログラムに基づき、塗布対象基板100Pに対するヘッド部301の走査速度を考慮して、各圧電素子3010に対して所定のタイミングでいずれの波形の電圧印加を行うかを制御部300に指示することで調整される。初期設定の一例としては、CPU150が制御プログラムに基づき、各ノズル3030の液滴体積(ノズルから吐出される液滴の体積)を全て揃うように制御する。
また、ヘッド部301におけるノズル3030a〜3030eの配列は1列に限定されず、複数にわたり配列したり、複数列で且つ千鳥状に配列することもできる。
また、インクジェットヘッド30が備えるヘッド部301は1個のみに限定されず、2個以上のヘッド部301を備えてもよい。例えば2個のヘッド部301を並設して本体部302のサーボモータ303の軸先端に固定することができる。尚、並設された複数のヘッド部301を用いて塗布対象基板100Pに対するノズルピッチを調節すれば、実際のインクのピッチ(着弾インクのピッチ)は、塗布対象基板100Pに対して傾斜させた2個のヘッド部301の各ノズルピッチを考慮した値になるため、塗布対象基板100P上におけるノズルピッチを1個のヘッド部301を用いた場合よりも緻密に設定することができる。
また、ヘッド部301の内部に設けるインク流路3060は一つに限定されず、複数にわたり形成してもよい。この場合、幾つかのインク吐出機構部をグループごとに分け、グループ毎に個別の経路で外部より色や成分が異なるインクを供給してもよい。
(有機発光層形成工程の実施内容)
システム1000を用いて有機発光層形成工程を行う場合の手順を説明する。
[システム1000の設定]
システム1000を用いて最初にウェットプロセスを実行する場合、オペレータは入力手段152を操作し、システム1000に対して例えば以下の設定を行う。
オペレータは、塗布対象基板100P上の開口部13の配列情報を制御装置15に入力する。配列情報には、行列(XY)方向の開口部13のサイズ、行列方向(XY)の開口部13同士のピッチ、行列(XY)方向の開口部13の数等の情報の他、各開口部群のずれに関する情報を含む。
配列情報を入力することで、CPU150は塗布対象基板100P上の各開口部13の位置を把握でき、且つ、ヘッド部301のどのノズル3030がどの開口部13に対応するかを把握できる。配列情報に基づき、CPU150は制御プログラムに従い、第1列と第2列の各開口部群へのインク塗布において、各列においてインク液滴を吐出するノズル3030と吐出しないノズル3030とを設定可能となる。
尚、各開口部群のずれに関する情報としては、以下のものを例示できる。当然ながらこれ以外の設定を行っても構わない。
a)塗布対象基板100P上の開口部群のずれを、行(X)方向に沿ってピクセル単位とサブピクセル単位のいずれで設定するかの情報
b)塗布対象基板100P上の開口部群のずれを、行(X)方向に沿って周期的或いはランダム的のいずれで設定するかの情報(列(Y)方向で切り換えるノズル数の情報を含む)
ここで、行(X)方向へのヘッド部301の走査において、吐出/不吐出状態を切り換えるノズルの数は適宜調整が可能である。目安の一つとして、通常の有機発光層形成工程を考慮すると、列(Y)方向の各開口部13のピッチの10%以上50%以下のずれ量の範囲で各開口部13を配置することで、各開口部13の位置に合わせて走査時に切り換えるノズル数を調節できる。
尚、ヘッド部301の走査時に切り換えるノズル数を増大させると、その分、インクの液滴体積に誤差を生じたノズル3030がノズル群の切り換えに伴って切り換えられる可能性も高まる。これにより一層、筋ムラの発生防止を効果的に図れるため望ましい。
或いは、各開口部13に吐出するインク液滴の着弾ピッチを増大させ、1の開口部13に対応してインク液滴を吐出させるノズル3030の数を減らすことで、ノズル群の切り換えに伴って切り換えるノズル数を減らすこともできる。この場合でも、第1列と第2列との開口部群の配置のずれ量は、少なくとも着弾ピッチ以上で且つ列(Y)方向の各開口部13のピッチの50%以下に設定することが望ましい。
具体的には有機発光層形成工程において、1の開口部13当たり7〜10個程度のノズル3030を含むノズル群によりインク液滴を吐出させる場合を考えると、ノズル群の切り換えに伴って切り換えるノズル3030の数としては、1個〜3個程度の範囲が適当であると考えられる。
[システム1000の準備]
システム1000の設定が完了したら、オペレータは固定ステージSTの上に塗布対象基板100Pを載置する。この際、オペレータはインクジェットテーブル20に対する塗布対象基板のアライメントを的確に行う。
オペレータからの入力情報に基づき、CPU150は制御部300を介し、サーボモータ303のモータ軸を一定角度に回転駆動させて、固定ステージSTに対するヘッド部301の角度を設定する。
ここで図6に、インク塗布を実施する際のインクジェットヘッド30(ヘッド部301)と塗布対象基板100Pとの配置関係を例示する。図6では、ヘッド部301の長手方向を塗布対象基板100Pの列(Y)方向と一定角度で交差するように傾斜させた状態とし、行(X)方向にヘッド部301を走査してインク液滴を描画する場合を示す。塗布対象基板に対してヘッド部301を傾斜すれば、各開口部13に対するインク液滴の実際のピッチ(着弾ピッチ)を狭く調節できる。このようなインク液滴の実際のピッチ(着弾ピッチ)の調整は、塗布対象基板100P及び開口部13の規格やサイズ等の条件に合わせて適宜行うことができる。
尚、塗布対象基板100Pに対するヘッド部301の角度調整を行うタイミングは、実際に塗布対象基板100Pにインクを塗布する前であればよい。
オペレータは、組成を調整したインクをインクタンクに貯留させ、ポンプを起動させる。輸液チューブL1を通してインクをヘッド部301内の液室3020に密に充填させる。
オペレータは制御装置15を操作し、ヘッド部301をインクパン60の上に移動させる。この状態でオペレータは、CPU150に制御プログラムに基づき、制御部300を介し、各圧電素子3010に電圧印加して、各ノズル3030からインクパン60にインクを吐出させる。
尚、システム1000において液滴観察装置を用いる場合は、ノズル3030から吐出されるインク状態をCCDカメラで撮影し、CPU150によりリアルタイムで表示手段153に表示させることができる。オペレータは表示手段153で全てのノズルから正しくインクが吐出されているかを確認し、インクの吐出が安定化するまで吐出を継続させる。
次にオペレータは、CPU150に制御プログラムに基づき、ノズル3030から吐出されるインクの液滴体積が一定になるように、各ノズル3030の印加電圧値を予め定められた電圧値(初期電圧値)に設定させる。
[塗布工程の実行指示]
システム1000の準備を完了した後、オペレータはシステム1000に塗布工程を実行するように指示する。
CPU150は制御プログラムに基づき、制御部206を介してリニアモータ204、205、サーボモータ221を駆動制御する(図4)。これによりCPU150は、図6に示すように塗布対象基板100Pに対し、行(X)方向に沿ってヘッド部301を走査させる。CPU150は走査中のヘッド部301における特定のノズル3030に所定のタイミングで、パルス電圧を印加し、各開口部13に対して間欠的にインク液滴を吐出させる。CPU150はヘッド部301を走査させ、同一色のインクを吐出すべき全ての開口部13に対して所定量のインクを吐出する。所定の開口部13にインクを全て吐出させたら、ヘッド部301より吐出するインクを切り換える。その後は、上記と同様の手順で、異なる色のインクを別の開口部13に吐出する。
[有機発光層形成工程]
システム1000を用いた有機発光層形成工程の実施の様子を図6〜図8、図9(a)、図10(a)を用いて具体的に説明する。図7(a)、図7(b)は、同順に図6に示す第1列(W1−W1´線に沿った列)と、第2列(W2−W2´線上に沿った列)とにおける塗布対象基板100Pの断面図を示す。図7(a)、図7(b)はノズル番号n1〜n22のノズル3030を制御する場合を例示するが、実際にはヘッド部301の全ノズル3030が制御対象とされる。図10(a)は塗布時の塗布対象基板100Pの様子を示す拡大正面図である。図10(a)では番号n4〜n9のノズル群(第1ノズル群)を使用する場合のモードを「A」と称する。また番号n5〜n10のノズル群(第2ノズル群)を使用する場合のモードを「B」と称する。「LR」、「LG」、「LB」は、同順にR、G、B各色の開口部群の列(Y)方向の配列(以下、「列(Y)方向ライン」と称する。)である。図10(a)では便宜上、ノズル番号は図6の図示分の一部のみを示す。図10(a)中の黒丸はインク液滴8を吐出するノズル番号を示す。
図6に示すようにヘッド部301が行(X)方向に走査され、図7(a)に示すようにW1−W1´線が横断する各開口部13Rの位置(図10(a)のラインLR1に相当)にまでヘッド部301が移動すると、CPU150は制御プログラムに基づき、モード「A」のノズル3030を使用する。すなわち図7(a)、図10(a)に示すように、番号n4〜n9、n14〜n19のノズル3030が駆動対象のノズル3030に割り当てられる。CPU150は番号n4〜n9、n14〜n19の各ノズル3030を駆動し、パルス電圧を印加して、開口部13Rの内部に赤色(R)のインク液滴8を吐出させる。一方、CPU150はこれ以外の図10(a)に示すノズル3030を駆動しない。具体的には、n4〜n9、n14〜n19のノズル3030をON制御し、n1〜n3、n10〜n13のノズル3030をOFF制御する。
次に、図7(b)に示すようにW2−W2´線が横断する各開口部13Rの位置(図10(a)のラインLR2に相当)にまでヘッド部301が移動すると、CPU150は制御プログラムに基づき、モード「B」のノズル3030を使用する。すなわち図7(b)、図10(b)に示すように、番号n5〜n10、n15〜n20のノズル3030が駆動対象のノズル3030に割り当てられる。CPU150は番号n5〜n10、n15〜n20のノズル3030を駆動し、パルス電圧を印加して、開口部13Rの内部にインク液滴8を吐出させる。一方、CPU150はこれ以外の図10(a)に示すノズル3030駆動しない。具体的には、n5〜n10、n15〜n20のノズルをON制御し、n1〜n4、n11〜n14のノズル3030をOFF制御する。
以降、走査中のヘッド部301が列(Y)方向ラインLR3、LR4、LR5、LR6、LR7、・・・の上に位置するたびに、CPU150は同順にモード「A」、モード「B」を相互に切り換え、定められたノズル3030を駆動対象とし、インク液滴8を開口部13に吐出する。
図10(a)に示すように、塗布対象基板100P上の対応する全ての列(Y)方向ラインLR3、LR4、LR5、LR6、LR7、・・・の開口部13に赤色(R)のインクを塗布し終わったら、次にCPU150は上記と同じ動作に基づき、緑色(G)のインクを列(Y)方向ラインLG1、LG2、LG3、・・・の各開口部13に対して吐出する。さらにCPU150は同じ動作に基づき、青色(B)のインクを列(Y)方向ラインLB1、LB2、LB3、・・・の各開口部13に対して塗布する。塗布対象基板100P上の全開口部13に吐出されたインク液滴8(図8)の溶媒を乾燥除去することで、各有機発光層9が形成される(図9(a))。
上記した有機発光層形成工程の例では、番号n1、n4、n10、n14、n20のノズル3030の使用状態をヘッド部301の走査中に切り換える。このため、番号n1、n4、n10、n14、n20のいずれかのノズル3030がインクの液滴体積に誤差を有している場合には、モード「A」とモード「B」の切り換えによって、インクの液滴体積の誤差を分散させることができ、行(X)方向に並ぶ同色の開口部13に同一の誤差量の液滴体積のインクが連続して吐出されるのを防止できる。
塗布対象基板100P上の全ての開口部13にインクを吐出した後、溶媒乾燥を経ることで有機発光層9が形成される。
このように有機発光層形成工程では、行(X)方向にヘッド部301を走査して各開口部13にインク液滴8を塗布する際、行(X)方向に並ぶ開口部13に対応して用いるノズル3030のノズル群を、列(Y)方向ライン毎に切り換える。従って、ヘッド部301において、インクの液滴体積に誤差を有するノズル3030が存在する場合であっても、ノズル群を切り換えた際にインクの液滴体積の誤差を有するノズル3030が切り換えられる場合には、行(X)方向に並ぶ開口部13に対応して、連続して同じ誤差量の液滴体積のインクが吐出されるのを低減できる。これにより、ノズル3030のインクの液滴体積の誤差を個々の列(Y)方向ライン毎で異なるように分散できる。
従って、この有機発光層形成工程によって有機発光層9を形成した有機EL表示パネル100では、インクの液滴体積に誤差を生じたノズル3030を用いたことにより、同じ膜厚誤差を生じた有機発光層9が行(X)方向のある線上に並んで連続して形成されるのが低減される。これにより駆動時における筋ムラの発生が抑制され、良好な画像表示性能を期待できる。
<効果確認試験>
実施の形態1の効果をシミュレーションで確認する試験を行った。この試験内容と結果考察について図13、図14を参照しながら説明する。
[試験内容]
本実験では、第1列の開口部群と第2列の開口部群を、互いにずらさないで配置した有機EL表示パネル(従来例)、インクジェットヘッドの1ノズル分だけずらして配置した有機EL表示パネル(適用例1)、インクジェットヘッドの2ノズル分だけずらして配置した有機EL表示パネル(適用例2)、インクジェットヘッドの3ノズル分だけずらして配置した有機EL表示パネル(適用例3)を評価対象とした。各パネルは、列(Y)方向に100ピクセル、行(X)方向に200ピクセルを有する構成とした。インクジェットヘッドは、1開口部当たり10個のノズルを対応させるように設定した。
インクジェットヘッドに配設された全ノズル(合計1500個)のインクの液滴体積の誤差ばらつきを±10%の範囲に設定し、その平均値を基準値1とした。これにより個々のノズルの液滴体積のばらつき(相対ずれ量)を、基準値1.00に対する比率(0.91〜1.08)の範囲で規格化して正規分布させた。このインクジェットヘッドを用いて各パネルにインク塗布を行った。
[結果考察]
次にシミュレーション結果を考察する。
従来例と各適用例1〜3の各パネルに対し、各相対ずれ量の範囲で発生する筋ムラを模式的にマッピングした結果を、同順に図13(a)〜(d)に示す。
図13(a)の従来例に示すように、すべての開口部群同士のずれが無い場合、インクジェットヘッドの全ノズルのインクの液滴体積の誤差が各行方向に並ぶ複数の開口部で共通する。このため、各規格分布の範囲において、明らかな筋ムラが多数生じているのを確認できる。
これに対し、図13(b)〜13(d)の適用例1〜3に示すように、行方向に並ぶ開口部のずれ量があると筋ムラのパターンがギザギザになり、行方向に連続しにくくなるのを確認できる。この効果は開口部のずれ量が大きくなるほど顕著になる。これは列方向の開口部群のピッチを行方向で異ならせることで、ノズルのインクの液滴体積の誤差が行方向の各開口部で連続するのが防止されたためであると考えられる。
尚、筋ムラの防止効果は、開口部のずれ量が最も大きい図13(d)において最も高く得られている。これにより、開口部のずれ量の増大に伴い、筋ムラの発生を効果的に抑制できることが推測される。しかしながら、あまり開口部のずれ量を大きくすると、行方向での各ピクセルの並びが必要以上にばらつくため、注意が必要である。
従来例と各適用例1〜3の各パネルに対し、列方向全100ピクセル間のインク体積ばらつき(筋ムラの程度を示す数値)を比較した結果を図14に示す。同一行方向200ピクセル分の各開口部に対するインク吐出量の平均値を列方向各ピクセルのインク体積とし、列方向全100ピクセルのインク体積の平均値をA、3σ(σは標準偏差)をBとすると、B/A(%)を、「インク体積ばらつき」として示すことができる。インク体積ばらつき(%)が大きいほど、列方向の開口部群でインク吐出量の誤差のばらつきが大きい、すなわち筋ムラの程度が悪いことを示す。
図14に示すように、従来例ではインク体積のばらつきが最も高い結果となった。この原因として、従来例では行方向に並ぶ各開口部に対して同一に割り当てられたノズル群でインクを塗布するため、列方向の開口部間において、ある特定の位置の開口部だけに液滴体積の誤差を含むインクが吐出されることが考えられる。このため、列方向の開口部群で見ると、各開口部のインクの液滴体積の誤差ばらつきが大きくなり易いことが考えられる。一方、適用例1〜3では、行方向に並ぶ各開口部に対し、異なるノズル群でインクを塗布するため、列方向の開口部間において、ある開口部だけに液滴体積の誤差を含むインクが吐出されるのが防止される。これにより、インク体積のばらつきが従来例に比べて小さく抑えられた結果が得られたと考えられる。
以上の結果より、従来例に対する本発明の実施の形態1の優位性を確認できた。
<開口部の配列パターンのバリエーションに係る実施の形態>
以下、開口部の配列パターンのバリエーションに係る本発明の実施の形態2〜6について、図10(b)〜図12を用いて説明する。各図の符号の表記方法は図10(a)と共通する。各図中、「B」、「C」、「D」は、それぞれ同順に、基準となるモード「A」に対して列(Y)方向にノズル1個分、2個分、3個分ずれた各ノズル群を切り換えてインク液滴を塗布する各モードを示す。図中のライン上にある数字はノズル3030のずれ個数を示す。
[実施の形態2]
図10(b)は実施の形態2に係る開口部の配列パターンを示す。図10(b)に示す実施の形態2は、塗布対象基板100P1上において、行(X)方向に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光色に対応するサブピクセル毎で、互いに千鳥状に開口部13R、13G、13Bを配置調整させた例である。有機発光層形成工程では千鳥状吐出プロセスに基づき、ヘッド部301の走査中にモード「A」と「B」とを各サブピクセルに対応する列(Y)方向ラインLR1、LG1、LB1、・・・毎に切り換えて実施する。
このような実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。また行(X)方向で隣接する開口部13R、13G、13Bの位置が全てずれているので、筋ムラの発生を一層防止できる。
[実施の形態3]
図11(a)は実施の形態3に係る開口部の配列パターンを示す。図11(a)に示す実施の形態3は、塗布対象基板100P2上において、行(X)方向で隣接して連続する2つのピクセル単位を一組とし、この一組の連続内では開口部13R、13G、13Bの各位置が揃うように調整し、隣接する一組間ではモード「A」とモード「B」とを切り換え、各開口部13R、13G、13Bの位置を互いに階段状に配置調整させた例である。有機発光層形成工程は階段状吐出プロセス基づき、2つのモード「A」と「B」とを隣接する2ピクセル毎に切り替えて実施する。
このような実施の形態3においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。また行(X)方向における各開口部13R、13G、13Bの位置のずれを比較的少なくできるため、走査中のモードの切り替えによるヘッド部301の位置変更が少なくてすみ、安定してインクを吐出できる利点がある。
尚、実施の形態3では隣接する2つのピクセル単位を一組としたが、組に含めるピクセル単位としては、例えば2以上100以下とすることも可能である。このような各ピクセルの配設もバンク層7のパターニングを適宜調節することで実現可能である。
[実施の形態4]
図11(b)は、実施の形態4に係る開口部の配列パターンを示す。図11(b)に示す実施の形態4は、塗布対象基板100P3上において、行(X)方向に隣接するピクセル単位でノズルずれ個数を3段階で徐々に増加させ、その後はノズルずれ個数を一気に0まで戻し、以降はこのノズルずれ個数の変化を繰り返す階段状パターンとして各開口部13R、13G、13Bを配置調整させた例である。有機発光層形成工程は階段状吐出プロセスに基づき、1ピクセル毎に4つのモード「A」〜「D」を順次切り換えて実施する。
このような実施の形態4においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。また実施の形態4では、モード「A」〜「D」を切り換えることで、ヘッド部301の走査中に番号n1、n2、n4、n5、n10、n11、n12の比較的多数のノズルを切り換えることができる。従って、インクの液滴体積の誤差を有するノズルを高確率で切り換えて使用することができるので、良好な筋ムラ防止効果を期待できる。
[実施の形態5]
図12(a)は、実施の形態5に係る開口部の配列パターンを示す。図12(a)に示す実施の形態5は、塗布対象基板100P4上において、行(X)方向に隣接するピクセル単位で、ランダムに開口部13R、13G、13Bの配置位置をずらした例である。ここではノズルずれ個数を3個以内の範囲で分散させている。有機発光層形成工程はランダム吐出プロセスに基づき、1ピクセル毎に4つのモード「A」〜「D」をランダムに切り換えて実施する。開口部13R、13G、13Bの配置位置のランダム性については特に限定されない。ノズルずれ個数も3個より多くてもよい。開口部13R、13G、13Bの配置位置のずれ量の範囲は、少なくとも着弾ピッチ以上、列(Y)方向の開口部ピッチの50%以下の範囲とする。また、行(X)方向に並ぶ開口部のずらし方についてもピクセル単位に限定されず、サブピクセル単位で行うことができる。
このような実施の形態5においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。さらに実施の形態5では、実施の形態4と同様にモード「A」〜「D」を切り換え、番号n4、n5、n10、n11、n12の比較的多数のノズルを切り換え可能であり、良好な筋ムラ防止効果を期待できる。
[実施の形態6]
図12(b)は、実施の形態6に係る開口部の配列パターンを示す。図12(b)に示す実施の形態6は、塗布対象基板100P5上において、行(X)方向に隣接するピクセル単位でノズルずれ個数を徐々に3段階まで増加させ、その後はノズルずれ個数を徐々に3段階まで減少させて0に戻し、以降はこのノズルずれ個数の変化を繰り返す階段状(波状)パターンとして各開口部13R、13G、13Bを配置調整させた例である。有機発光層形成工程は階段状吐出プロセスに基づき、1ピクセル毎に4つのモード「A」「B」「C」「D」を順に切り換えて実施した後、逆順にモード「C」「B」「A」を切り換えて実施する。
このような実施の形態6においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。さらに実施の形態6では、実施の形態4と同様にモード「A」〜「D」を切り換えることで、番号n4〜n6、n10〜n12の比較的多数のノズルを切り換え可能であり、良好な筋ムラの防止効果を期待できる。
<その他の実施の形態>
[実施の形態7]
図15は、実施の形態7に係る有機EL表示パネル100Aにおいて第1列の開口部群に対応して形成された第1ピクセルPix1の各有機EL素子11(11R、11G、11B)と、第1列と行(X)方向で隣接する第2列の開口部群に対応して形成された第2ピクセルPix2の各有機EL素子11´(11R´、11G´、11B´)とを示す模式的な部分拡大図である。図16(a)は図15における有機EL素子11R周辺のY1−Y1´矢視断面図である。図16(b)は図15における有機EL素子11R´周辺のY2−Y2´矢視断面図である。
有機EL表示パネル100Aが有機EL表示パネル100と異なる点は、各有機EL素子11、11´において、各開口部13R、13G、13Bの列(Y)方向に沿った周縁の両端の少なくとも一端側となる領域で、第1電極2と有機発光層9との間に画素規制層14(図15では、発光領域16A、16Bに対向する周縁を2点鎖線で示す)を配設した点である(図15、図16(a)、図16(b))。画素規制層14は有機または無機の絶縁性材料で構成される。このため有機EL素子11、11´において画素規制層14がある領域は非発光領域となり、画素規制層14がない領域は同順に発光領域16A、16Bとなる。画素規制層14は、有機EL素子11では紙面下方、有機EL素子11´では紙面上方の位置にそれぞれ対応して設けられている(図15)。
ここで図15に示すように、行(X)方向で隣接する第1ピクセルPix1と第2ピクセルPix2とにおいて、各画素規制層14の配置位置を調整することにより、第1ピクセルPix1の各有機EL素子11(11R、11G、11B)に対応する各第1発光領域16Aと、第2ピクセルPix2の各有機EL素子11´(11R´、11G´、11B´)に対応する各第2発光領域16Bの長手(Y)方向長を同一に設定しつつ、行(X)方向に沿った発光領域16A、16Bの各位置が揃うように設定する。これにより図16(a)、図16(b)において点線で示すように、Y方向に沿って、同一の幅Q1を有する第1ピクセルPix1の各発光領域(第1発光領域)16Aと、第2ピクセルPix2の各発光領域(第2発光領域)16Bとが、列(Y)方向で同じ位置に整列される。有機EL表示パネル100Aでは、全ピクセルの各発光領域が、第1ピクセルPix1及び第2ピクセルPix2の各発光領域と同様に、行(X)方向に沿って整列されている。
また図15に示す例では、各開口部13R、13G、13Bは列(Y)方向を長手とする楕円形状の周縁を有する。従って発光領域16A、16Bに近接する画素規制層14の周縁形状も、開口部13R、13G、13Bの周縁形状と略同一の形状となるように形成している。これは有機EL表示パネル100Aの全体における各発光領域16A、16Bの形状を揃え、良好な画像表示性能を得るためである。
このような構成を有する有機EL表示パネル100Aにおいても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。さらに、第1ピクセルPix1と第2ピクセルPix2の各開口部群を列(Y)方向で互いにずらして配置させても、発光領域16A、16Bの位置はずれずに整列した状態で保持される(図15)。従って、行列(XY)方向に整列された発光領域16A、16Bを有する有機EL素子11、11´によって、輝度ムラの少ない優れた画像表示性能を期待することが可能である。
尚、図15と図16の例では、各有機EL素子11、11´の長手(Y)方向両端の一方のみに画素規制層14を設けたが、各有機EL素子11、11´の長手(Y)方向両端に画素規制層14を設けてもよい。但し、この場合は長手(Y)方向に沿った発光領域16A、16Bのサイズが過度に小さくならないように注意する。
以下、画素規制層14を配設する方法を例示する。第1電極6を形成した後(図2(c))、有機発光層9を形成する前(バンク層7を形成する前が好適である。)において、フォトレジスト法に基づき、各開口部13の所定位置に上記した絶縁性有機材料或いは絶縁性無機材料を含むペーストを塗布し、パターニングする。これにより画素規制層14を配設することができる。
尚、当然ながら開口部13のサイズを小さくすると、これに合わせて有機EL素子11、11´を発光させる際の必要輝度は高くなる。一般に、有機EL素子の輝度を挙げると素子寿命は短くなる。従って開口部13のサイズを設定する際は、素子寿命と必要輝度のバランスを考慮することが重要である。この点、例えば、画素における有効発光面積である開口率が半分になると、有効発光面積当りの輝度は2倍必要となる。その場合、輝度加速度係数(一般的には1.6〜1.8程度)から鑑みると、素子寿命は29〜33%程度になると見積もることができる。しかしながら、発光層に用いられる材料の寿命特性の改善により、上記素子寿命は許容できる範囲であり、即ち、開口部13の面積を半分にすることも許容できると考えられる。
上記の点、及び現状の有機EL表示パネルの規格その他を考慮すると、一例として画素規制層14のY方向長は、各開口部13の列(Y)方向長の70%未満の範囲とすることができる。特に各開口部13の列(Y)方向長の40%未満の範囲とすると、発光領域16A、16Bで必要輝度を確保する観点において好適である。
言い換えると、列(Y)方向に沿って、開口部13内の発光領域16A、16Bの各長さを、少なくとも開口部13の長さの30%以上とすることができる。また、列(Y)方向に沿って、開口部13内の発光領域16A、16Bの各長さを開口部13の長さの60%以上にすれば好適である。
[実施の形態8]
図17は、実施の形態8に係る有機EL表示パネル100Bにおいて第1列の開口部群に対応して形成された第1ピクセルPix1の各有機EL素子11(11R、11G、11B)と、第1列と行(X)方向で隣接する第2列の開口部群に対応して形成された第2ピクセルPix2の各有機EL素子11´(11R´、11G´、11B´)とを示す模式的な部分拡大図である。図18(a)は図17における有機EL素子11R周辺のY1−Y1´矢視断面図である。図17(b)は図17における有機EL素子11R´周辺のY2−Y2´矢視断面図である。
有機EL表示パネル100Bが有機EL表示パネル100と異なる点は、第2電極10の上方に封止層17を形成し、封止層17の上方にCF基板18を配設した点である(図18(a)、図18(b))。CF基板18は、有機EL素子11の位置に対応して配された透光性領域19aと、透光性領域19a以外の位置に配された遮光性のブラックマトリクス19bとを有する(図17)。これにより、各有機EL素子11、11´はブラックマトリクス19bで囲繞される。
ここで、透光性領域19aのY方向に沿った幅Q2は、各開口部13の列(Y)方向長より狭く設定される。また各透光性領域19aは、CF基板18において、行(X)方向に沿った位置に整列して設けられる(図18(a)、図18(b))。このとき、各有機EL素子11、11´において、開口部13R、13G、13Bの列(Y)方向に沿った両端の少なくとも一方がブラックマトリクス19bで覆われる。図17では、有機EL素子11、11´は、同順に紙面下方、紙面上方の各領域がブラックマトリクス19bで覆われる。また、発光領域16A、16Bに近接する透光性領域19aの周縁形状も、開口部13R、13G、13Bの周縁形状と略同一の形状となるように形成される。
尚、開口部13R、13G、13Bと重なるブラックマトリクス19bのY方向長の具体的な値は、例えば実施の形態7の画素規制層14のY方向長と同様の値とする。すなわち各開口部13の列(Y)方向長の70%未満の範囲とする。特に各開口部13の列(Y)方向長の40%未満の範囲とすると、必要輝度を確保できる観点において好適である。
これにより列(Y)方向に沿って、開口部13内の発光領域16A、16Bの各長さを、少なくとも開口部13の長さの30%以上にできる。また好適な値として、列(Y)方向に沿って、開口部13内の発光領域16A、16Bの各長さを開口部13の長さの60%以上にすることができる。
これにより有機EL表示パネル100Bを正面から見た場合、実施の形態7の有機EL表示パネル100Aのように、列(Y)方向幅Q2を有し、且つ同一形状の発光領域16A、16Bが、行(X)方向で整列されて配置される。
このような構成を有する有機EL表示パネル100Bにおいても、各有機EL素子11、11´の発光領域16A、16Bが透光性領域19a及びブラックマトリクス19bによって規制され、行(X)方向で整列される。従って実施の形態7の有機EL表示パネル100Aとほぼ同様の効果を期待できる。
さらに有機EL表示パネル100Bは、基板1側とは別途にCF基板18を用意して構成することができる。従って、例えばすでに製造された有機EL表示パネル100を利用して比較的容易に実現できる利点を有する。
<その他の事項>
上記実施の形態では、ガントリー式のインクジェットテーブル20を用いる例を示したが、本発明はこれに限定しない。例えばインクジェットヘッド30の各位置を固定し、塗布対象基板をXYテーブルに載置して、インクジェットヘッド30に対して相対的に塗布対象基板を移動させることにより、インクを塗布することもできる。
本発明は、携帯電話用のディスプレイやテレビなどの表示素子、各種光源などに使用される有機EL素子及びこれを利用した有機EL表示パネルとその製造方法として利用可能である。いずれの用途においても、表示ムラの少ない良好な発光特性または画像表示性能を発揮することのできる有機EL素子や有機EL表示パネルを期待することが可能である。
1〜n22 ノズル番号
Pix1 第1ピクセル
Pix2 第2ピクセル
1 基板
2 TFT層
3 給電電極
4 平坦化膜
5 コンタクトホール
6 第1電極(陽極)
7 バンク層
8 インク液滴
9 有機発光層
10 第2電極(陰極)
11、11Ra〜11Rc、11R、11G、11B、11R´、11G´、11B´ 有機EL素子(サブピクセル)
12、12´ 窪み部
13、13R、13G、13B 開口部(素子形成予定領域)
14 画素規制層
15 制御装置
16A、16B 発光領域
17 封止層
18 CF基板
19a 透光性領域
19b ブラックマトリクス
20 インクジェットテーブル
30 インクジェットヘッド
100、100A、100B 有機EL表示パネル
100P、100P1〜100P5、100PX 塗布対象基板
150 CPU
151 記憶手段(メモリ)
152 表示手段(ディスプレイ)
200 基台
206、300 制御部
210 ガントリー部
220 移動体
301 ヘッド部
302 本体部
303 サーボモータ
304a〜304e インク吐出機構部
1000 インクジェット装置システム
3010、3010a〜3010e 圧電素子(ピエゾ素子)
3020、3020a〜3020e 液室
3030、3030b〜3030d ノズル
3050 フレーム部
3060 インク流路
3070 隔壁

Claims (19)

  1. 基板の上方に、複数の第1電極を前記基板の表面の行列方向に沿って形成する第1電極形成工程と、
    前記基板の上方に、前記各第1電極の少なくとも一部を個別に露出する複数の開口部を存在させてバンク層を形成するバンク層形成工程と、
    複数のノズルを有するインクジェットヘッドと前記基板の少なくともいずれかを移動させることで、前記インクジェットヘッドと前記基板とを行方向に相対移動させ、各ノズルがいずれかの前記開口部と対向する際に、前記各ノズルより前記対向する前記開口部の内部にインク液滴を吐出し、有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、
    前記各有機発光層の上方に第2電極を形成する第2電極形成工程とを有し、
    前記バンク層形成工程では、前記複数の開口部のうち、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが、列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在するように前記バンク層を形成し、
    前記複数のノズルには第1ノズル群と第2ノズル群とが含まれ、
    前記有機発光層形成工程では、前記第1列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第1ノズル群より前記インク液滴を吐出し、
    前記第2列の開口部群に含まれる前記各開口部上を前記インクジェットヘッドが移動する際には前記第2ノズル群より前記インク液滴を吐出するように、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とを切り換えて使用する
    有機EL表示パネルの製造方法。
  2. 前記バンク層形成工程において、
    前記距離差は、列方向の前記開口部ピッチの10%以上50%以下の距離の差とする
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  3. 前記有機発光層形成工程では、
    行方向で隣接する前記各開口部の内部に対し、互いに発光色が異なる前記インク液滴を吐出することにより第1、第2、第3の各有機発光層を形成し、
    前記第1の開口部群と前記第2の開口部群の前記各開口部には、前記第1、第2、第3の各有機発光層のうち、いずれか同一発光色の前記有機発光層を形成する
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  4. 前記バンク層形成工程では、
    前記第1、第2、第3の各有機発光層を形成予定の各開口部に前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを存在させ、
    且つ、内部に前記第1、第2、第3の各有機発光層を同順に形成予定で行方向に隣接する3つの前記各開口部を1組とするとき、前記1組内では前記各開口部の配置が揃うように前記バンク層を形成する
    請求項3に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  5. 前記バンク層形成工程では、
    前記1組の前記各開口部を行方向に2組以上100組以下にわたり連続して存在させる請求項4に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  6. 前記バンク層形成工程では、
    前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向で隣接して存在させる
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  7. 前記バンク層形成工程では、
    前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いに千鳥状にずれるように存在させる
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  8. 前記バンク層形成工程では、
    前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いに階段状にずれるように存在させる
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  9. 前記バンク層形成工程では、
    前記第1列の開口部群と前記第2列の開口部群とを行方向に繰り返し存在させ、前記第1列の開口部群中の前記各開口部と前記第2列の開口部群中の前記各開口部とを互いにランダム状にずれるように存在させる
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  10. 前記有機発光層形成工程で使用するインクジェットヘッドは、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とにそれぞれ属するノズルの個数が10個以下である
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  11. 前記インクジェットヘッドにおいて、前記複数のノズルは一の方向に沿ってライン状に配設され、
    前記有機発光層形成工程では、
    前記一の方向を列方向と交差するように前記インクジェットヘッドを傾けた状態で、前記インクジェットヘッドと前記基板の少なくともいずれかを移動させる
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  12. 少なくとも前記有機発光層形成工程前において、
    前記各第1電極と部分的に重ねて配置することにより、前記各開口部内の発光領域を規制する画素規制層を形成する画素規制層形成工程を有し、
    前記画素規制層形成工程では、
    前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の列方向の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の列方向の位置が、同一行において互いに揃うように、前記各開口部の列方向に沿った周縁の両端の少なくとも一端側となる領域に、絶縁性材料からなる前記画素規制層を形成する
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  13. 前記画素規制層形成工程では、
    前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記画素規制層を形成する
    請求項12に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  14. 前記第2電極の上方に封止層を形成する封止層形成工程と、
    前記封止層の上方に第2基板を配置する第2基板配置工程とを有し、
    前記第2基板は、前記開口部との対向位置に存在する透光性領域と、前記各透光性領域の周囲に存在するブラックマトリクスとを有し、
    前記透光性領域は、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の列方向の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の列方向の位置が、同一行において互いに揃うように存在している
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  15. 前記第2基板配置工程で配置する前記第2基板において、
    前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記透光性領域が存在している
    請求項14に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  16. 基板と、
    前記基板上に形成されたTFT層と、
    前記TFT層の上方において、行列方向に複数にわたり形成された第1電極と、
    各第1電極を個別に露出させる複数の開口部を行列方向に存在させるように形成されたバンク層と、
    各開口部の内部に形成された有機発光層と、
    前記有機発光層の上方に形成された第2電極と
    前記各第1電極と部分的に重ねて配置されることにより、前記各開口部内の発光領域を規制する画素規制層とを有し、
    前記複数の開口部には第1列の開口部群と第2列の開口部群とが含まれ、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在しており、
    前記画素規制層は、前記第1開口部群中の前記各開口部の内部における第1発光領域の列方向の位置と、前記第2開口部群中の前記各開口部の内部における第2発光領域の列方向の位置が、同一行において互いに揃うように、前記各開口部の列方向に沿った周縁の両端の少なくとも一端側となる領域に、絶縁性材料により形成されている
    有機EL表示パネル。
  17. 前記画素規制層は、
    前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように形成されている
    請求項16に記載の有機EL表示パネル。
  18. 基板と、
    前記基板上に形成されたTFT層と、
    前記TFT層の上方において、行列方向に複数にわたり形成された第1電極と、
    各第1電極を個別に露出させる複数の開口部を行列方向に存在させるように形成されたバンク層と、
    各開口部の内部に形成された有機発光層と、
    前記有機発光層の上方に形成された第2電極と
    前記第2電極の上方に形成された封止層と、
    前記封止層の上方に配置された第2基板とを有し、
    前記複数の開口部には第1列の開口部群と第2列の開口部群とが含まれ、第1列の開口部群と第2列の開口部群とが列方向に沿って前記開口部のピッチの半分以下の距離差で互いにずれて存在しており、
    前記第2基板は、前記開口部との対向位置に存在する透光性領域と、前記各透光性領域の周囲に存在するブラックマトリクスとを有し、
    前記透光性領域は、平面視で、前記第1開口部群中の前記各開口部と前記透光性領域とが重なる領域として規定される第1発光領域の列方向の位置と、前記第2開口部と前記透光性領域とが重なる領域として規定される第2発光領域の列方向の位置が、同一行において揃うように存在している
    機EL表示パネル。
  19. 前記第2基板において、
    前記列方向に沿って、前記開口部内の前記第1発光領域及び前記第2発光領域の各長さが、少なくとも前記開口部の長さの30%以上となるように前記透光性領域が存在している
    請求項18に記載の有機EL表示パネル。
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