JP2012252983A - 有機el表示パネルの製造方法、カラーフィルターの製造方法、有機el表示パネルの製造装置および有機el表示パネル - Google Patents

有機el表示パネルの製造方法、カラーフィルターの製造方法、有機el表示パネルの製造装置および有機el表示パネル Download PDF

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Abstract

【課題】隣接する開口部に吐出される液滴の体積の総量を、簡易な制御で均一化することが可能な有機EL表示パネルの製造方法等を提供する。
【解決手段】開口部17を形成したEL基板と、ノズル3030を所定のノズルピッチL1で複数配置したヘッド部301とを準備する第1工程と、EL基板に対しヘッド部301をX方向に走査させながら、各開口部17に対し、それらに対応するノズル3030からそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、第2工程において、各開口部17に対しヘッド部301を複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、ノズルピッチL1の整数倍に相当する距離であって、Y方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ、ヘッド部301をY方向に移動させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、有機EL表示パネルの製造方法、カラーフィルターの製造方法、有機EL表示パネルの製造装置および有機EL表示パネルに関する。
近年、表示装置として基板上に有機EL素子を配設した有機EL表示パネルが普及しつつある。有機EL表示パネルは、自己発光を行う有機EL素子を利用するため視認性が高く、さらに完全固体素子であるため耐衝撃性に優れるなどの特徴を有する。
有機EL素子は電流駆動型の発光素子であり、陽極及び陰極の電極対の間に、キャリアの再結合による電界発光現象を行う有機発光層等を積層して構成される。また、有機EL表示パネルでは、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色に対応する有機EL素子をそれぞれサブピクセルとし、R,G,Bの3つのサブピクセルの組み合わせが1ピクセル(1画素)に相当する。
このような有機EL表示パネルとして、有機EL素子の有機発光層をインクジェット方式等のウエットプロセス(塗布工程)で形成したものが知られている(例えば、特許文献1)。インクジェット方式では、基板上の隔壁層に行列状に設けられた開口部(有機発光層形成領域に対応する。)に対してインクジェットヘッドを走査させる。そして、インクジェットヘッドが備える複数のノズルから、各開口部に対し有機発光層を構成する有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出させる。このとき、通常、一の開口部に対しては、液滴が複数回にわたって吐出される。また、ピエゾ方式のインクジェット装置にあっては、各ノズルが備えるピエゾ素子に与える駆動電圧の波形を変化させることにより、各ノズルから吐出される液滴の体積が調整される。
有機EL表示パネルにおいては、各画素間の発光輝度が均一である必要があるが、特に、隣接する画素間ではより精度の高い均一性が要求される。これは、隣接しない画素間で発光輝度が異なっていても人間の視覚上視認し難いのに対し、近接する画素間では発光輝度が僅かに異なるだけでも視認し易いからである。発光輝度は有機EL素子の有機発光層の膜厚に依存するため、上記方法により有機発光層を形成する場合には、隣接する開口部に吐出される液滴の体積の総量を均一にする必要がある。しかしながら、各ピエゾ素子に同一波形の駆動信号を与えた場合であっても、ノズル毎に吐出特性が異なるために、各ノズルから吐出される液滴の体積にバラツキが生じることがある。その結果、吐出される液滴の体積の総量が隣接する開口部間で異なってしまい、隣接する画素間で発光輝度にバラツキが生じる。
これに対し、特許文献1では、予めノズル毎に吐出される液滴の体積を検出しておき、このノズル毎の検出結果に基づき、各ノズルのピエゾ素子毎に与える駆動電圧の波形を変化させる技術が開示されている。これにより、各ノズルから吐出される液滴の体積を均一化することが可能となり、その結果、吐出される液滴の体積の総量が隣接する開口部間で均一化される。
特開2009−117140号公報 特開2001−219558号公報
特許文献1に開示されている技術においては、ノズル毎に所望の波形の駆動電圧を生成する必要がある。しかしながら、インクジェットヘッドが備えるノズル全てについてこれを行おうとすると、インクジェット装置は非常に複雑な制御を強いられるという問題がある。さらに、有機EL表示パネルの大判化に伴って、インクジェットヘッドが備えるノズルの数も増大することが予想されるため、特許文献1に記載の技術を適用することは現実的には難しい。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、隣接する開口部に吐出される液滴の体積の総量を、簡易な制御で均一化することが可能な有機EL表示パネルの製造方法等を提供することを目的とする。
本発明の一態様である有機EL表示パネルは、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、前記第2工程において、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる構成とした。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、第2工程において、各開口部に対し、インクジェットヘッドの複数回走査により液滴吐出を行う。そして、1走査毎に、ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、二の開口部の一端から他端までの距離以下だけインクジェットヘッドを列方向に移動させる。ここで、「向かい合う開口部の端部同士の距離」とは、二の開口部における近接する開口部の端部同士の距離を指す。また、「二の開口部の一端から他端までの距離」とは、二の開口部における遠隔する開口部の端部同士の距離を指す。
この方法によれば、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを重複させることができる。その結果、1走査毎にインクジェットヘッドを移動させない場合と比較して、液滴体積の総量を隣接する開口部間で均一にすることができる。このように、本発明の一態様においては、1走査毎にインクジェットヘッドを移動させるのみであるため、特許文献1のように、ノズル毎に異なる波形の駆動電圧を生成するといった複雑な制御を行う必要がない。
したがって、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法によれば、隣接する開口部に吐出される液滴の体積の総量を、簡易な制御で均一化することが可能である。
実施の形態1に係る有機EL表示パネルの構成を示す部分断面図である。 実施の形態1に係る有機EL表示パネルの隔壁層の形状を示す模式図である。 実施の形態1に係る有機EL表示パネルの製造工程例を示す図である。 実施の形態1に係る有機EL表示パネルの製造工程例を示す図である。 インクジェット装置の主要構成を示す図である。 インクジェット装置の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係(横打ち時)を示す図である。 実施の形態1に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。 実施の形態1の変形例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。 実施の形態2の変形例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。 実施の形態3に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。 変形例(1)に係る開口部とヘッド部の位置関係(縦打ち時)を模式的に示す図である。 変形例(3)(実施の形態2の変形例)に係る開口部とヘッド部の位置関係(縦打ち時)を模式的に示す図である。 変形例(4)に係る開口部とヘッド部の位置関係(縦打ち時)を模式的に示す図である。 変形例(5)に係る開口部とヘッド部の位置関係(縦打ち時)を模式的に示す図である。 変形例(6)に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。 比較例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を示す図である。
≪本発明の一態様の概要≫
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、前記第2工程において、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記インクジェットヘッドを、1走査毎に前記開口部のピッチに相当する距離だけ列方向に移動させる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、所定回数目の走査時に一の開口部に用いられていた各ノズルが、前記所定回数目の走査からさらにn回目の走査時に、前記一の開口部から列方向にn個目に隣接する開口部に用いられるように、前記インクジェットヘッドを移動させる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記隔壁層に形成された前記各開口部は、前記有機EL表示パネルの表示部に相当する表示領域と、当該表示領域の少なくとも列方向に存在し前記表示部に相当しないダミー領域を含み、前記第2工程において、前記ダミー領域の各開口部に対応するノズルからは、当該ダミー領域の各開口部に対して液滴を吐出させる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記各開口部における、列方向に配列された開口部の中心を結ぶ仮想線上に液滴が吐出される。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料である。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記有機材料は、正孔輸送層を形成するために用いられる材料である。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、列方向に配列された各開口部の間に対応するノズルからは液滴を吐出させない。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記各開口部の形状は、列方向に長辺を有する長尺状である。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記各開口部の形状は、行方向に長辺を有する長尺状である。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記各開口部は1サブピクセルとして1の発光色が定められており、同一列に属する開口部には、同一発光色の前記有機材料を含有したインクの液滴が吐出される。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、前記第2工程において、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ、前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる。
本発明の一態様に係るカラーフィルターの製造方法は、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、カラーフィルター材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、前記第2工程において、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造装置は、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドと、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層が設けられたEL基板に対し、前記インクジェットヘッドを行方向に走査させるヘッド走査部と、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴吐出を行わせる吐出制御部と、を備え、前記ヘッド走査部は、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、表示部が形成される表示領域と表示部が形成されないダミー領域とを有するEL基板と、前記EL基板の上方においてピクセル単位に行列状に設けられた画素電極と、前記EL基板の上方に設けられ、前記複数の画素電極に対応する複数の開口部が形成された隔壁層と、前記表示領域の上方に存在する前記各開口部に形成された有機発光層と、前記ダミー領域の上方に存在する前記各開口部に形成され、前記有機発光層を構成する材料を含む有機層と、前記有機発光層を挟んで前記画素電極と対向して設けられた対向電極と、を備え、前記有機層は、行方向または列方向に膜厚が異なる。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、表示部が形成される表示領域と表示部が形成されないダミー領域とを有するEL基板と、前記EL基板の上方においてピクセル単位に行列状に設けられた画素電極と、前記EL基板の上方に設けられ、前記複数の画素電極に対応する複数の開口部が形成された隔壁層と、前記表示領域の上方に存在する前記各開口部に形成された有機発光層と、前記ダミー領域の上方に存在する前記各開口部に形成され、前記有機発光層を構成する材料を含む有機層と、前記有機発光層を挟んで前記画素電極と対向して設けられた対向電極と、を備え、前記有機発光層は、有機発光層を構成する有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドを、前記EL基板に対して行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させ、かつ、前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させることにより形成され、前記有機層は、前記ダミー領域に移動したノズルから、前記ダミー領域に存在する各開口部に対して液滴を吐出させて形成されることにより、列方向に膜厚が異なる。
≪実施の形態1≫
[全体構成]
図1は実施の形態1に係る有機EL表示パネル100の構成を示す部分断面図である。有機EL表示パネル100は、同図上側を表示面とする、いわゆるトップエミッション型である。
図1に示すように、基板(EL基板)1上には、TFT層2、給電電極3、平坦化膜4、画素電極6、正孔注入層9が順次積層されている。正孔注入層9の上には、有機発光層11の形成領域となる複数の開口部17が形成された隔壁層7が設けられている。開口部17の内部には、正孔輸送層10、有機発光層11、電子輸送層12、電子注入層13、対向電極14が順次積層されている。
<基板、TFT層、給電電極>
基板1は有機EL表示パネル100における背面基板であり、その表面には、有機EL表示パネル100をアクティブマトリクス方式で駆動するためのTFT(薄膜トランジスタ)を含むTFT層2が形成されている。TFT層2の上面には、各TFTに対して外部から電力を供給するための給電電極3が形成されている。
<平坦化膜>
平坦化膜4は、TFT層2および給電電極3が配設されていることにより生じる表面段差を平坦に調整するために設けられており、絶縁性に優れる有機材料で構成されている。
<コンタクトホール>
コンタクトホール5は、給電電極3と画素電極6とを電気的に接続するために設けられ、平坦化膜4の表面から裏面にわたって形成されている。コンタクトホール5は、列方向に配列されている開口部17の間に位置するように形成されており、隔壁層7により覆われた構成となっている。コンタクトホール5が隔壁層7により覆われていない場合には、コンタクトホール5の存在により、有機発光層11が平坦な層とはならず、発光ムラ等の原因となる。これを避けるため、上記のような構成としている。
<画素電極>
画素電極6は陽極であり、開口部17に形成される一の有機発光層11毎に形成されている。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、画素電極6の材料としては光反射性材料が選択されている。
<正孔注入層>
正孔注入層9は、画素電極6から有機発光層11への正孔の注入を促進させる目的で設けられている。
<隔壁層>
隔壁層7は、有機発光層11を形成する際、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する有機発光層材料と溶媒を含むインクが互いに混入することを防止する機能を果たす。
コンタクトホール5の上方を覆うように設けられている隔壁層7は、全体的にはXY平面またはYZ平面に沿った断面が台形の断面形状を有しているが、コンタクトホール5に対応する位置では、隔壁層材料が収縮して落ち込んだ形状となっている。以下、この落ち込んだ部分を窪み部8と称する。
図2は有機EL表示パネル100を表示面側から見た隔壁層7の形状を模式的に示す図であり、説明の都合上、正孔輸送層10、有機発光層11、電子輸送層12、電子注入層13、対向電極14を取り除いた状態を示している。また、図1の部分断面図は、図2におけるA−A’断面図に相当し、以下、X方向を行方向、Y方向を列方向とする。
図2に示すように、隔壁層7に設けられた開口部17は、ピクセル単位に行列状に(XY方向に)配列されている。開口部17は有機発光層11が形成される領域であり、有機発光層11の配置および形状は、開口部17の配置および形状により規定される。開口部17は列(Y)方向に長辺を有する長尺状であり、例えば、行(X)方向に沿った辺が約50〜100[μm]、列(Y)方向に沿った辺が約150〜300[μm]の寸法で形成されている。
開口部17には、R,G,Bの各色に対応する開口部17R,17G,17Bがある。開口部17RにはR、開口部17GにはG、開口部17BにはBにそれぞれ対応する有機発光層11が形成される。開口部17R,17G,17Bがそれぞれサブピクセルであり、当該開口部17R,17G,17Bの3つのサブピクセルの組み合わせが1ピクセル(1画素)に相当する。また、開口部17はR,G,Bの色単位に列毎に配列されており、同一列に属する開口部17は同色に対応する開口部である。
コンタクトホール5は、列方向に配列された開口部17の間、すなわち隔壁層7の下部に位置している。なお、上記で画素電極6は開口部17に形成される一の有機発光層11毎に形成されていることを述べたが、これはすなわち、画素電極6がサブピクセル毎に設けられていることを意味する。
<正孔輸送層>
図1の部分断面図に戻り、正孔輸送層10は、画素電極6から注入された正孔を有機発光層11へ輸送する機能を有する。
<有機発光層>
有機発光層11は、キャリア(ホールと電子)の再結合による発光を行う部位であり、R,G,Bのいずれかの色に対応する有機材料を含むように構成されている。開口部17RにはRに対応する有機材料、開口部17GにはGに対応する有機材料、開口部17BにはBに対応する有機材料をそれぞれ含む有機発光層11が形成される。
窪み部8には有機発光層11を構成する材料を含む有機層16が形成されている。この有機層16は、塗布工程において、開口部17とともに窪み部8にもインクを塗布することで、有機発光層11と同時に形成されたものである。
<電子輸送層>
電子輸送層12は、対向電極14から注入された電子を有機発光層11へ輸送する機能を有する。
<電子注入層>
電子注入層13は、対向電極14から有機発光層11への電子の注入を促進させる機能を有する。
<対向電極>
対向電極14は陰極である。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、対向電極14の材料としては光透過性材料が選択されている。
<その他>
なお、図1には図示しないが、対向電極14の上には、有機発光層11が水分や空気等に触れて劣化することを抑制する目的で封止層が設けられる。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、封止層の材料としては、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の光透過性材料を選択する。
なお、各開口部17に形成される有機発光層11を、すべて同色の有機発光層とすることもできる。
<各層の材料>
次に、上記で説明した各層の材料を例示する。言うまでもなく、以下に記載した材料以外の材料を用いて各層を形成することも可能である。
基板1:無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、アルミナ等の絶縁性材料
平坦化膜4:ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂
画素電極6:Ag(銀)、Al(アルミニウム)、銀とパラジウムと銅との合金、銀とルビジウムと金との合金、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)
隔壁層7:アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂
有機発光層11:オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)
正孔注入層9:MoOx(酸化モリブデン)、WOx(酸化タングステン)又はMoxWyOz(モリブデン−タングステン酸化物)等の金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物
正孔輸送層10:トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)
電子輸送層12:バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム
電子注入層13:ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)
対向電極14:ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)
以上、有機EL表示パネル100の構成等について説明した。次に、有機EL表示パネル100の製造方法を例示する。
[製造方法]
ここでは、先に有機EL表示パネル100の全体的な製造方法を例示する。その後、製造方法中の塗布工程について詳細を説明する。
<概略>
まず、TFT層2及び給電電極3が形成された基板1を準備する(図3(a))。
その後、フォトレジスト法に基づき、TFT層2及び給電電極3の上に絶縁性に優れる有機材料を用いて、厚み約4[μm]の平坦化膜4を形成する。このとき、コンタクトホール5を列方向に隣接する各開口部17の間の位置に合わせて形成する(図3(b))。所望のパターンマスクを用いたフォトレジスト法を行うことで、平坦化膜4とコンタクトホール5を同時に形成することができる。なお、当然ながらコンタクトホール5の形成方法はこれに限定されない。例えば、一様に平坦化膜4を形成した後、所定の位置の平坦化膜4を除去して、コンタクトホール5を形成することもできる。
続いて、真空蒸着法またはスパッタ法に基づき、厚み150[nm]程度の金属材料からなる画素電極6を、給電電極3と電気接続させながら、サブピクセル毎に形成する。つづいて、反応性スパッタ法に基づき、正孔注入層9を形成する(図3(c))。
次に、隔壁層7をフォトリソグラフィー法に基づいて形成する。まず隔壁層材料として、感光性レジストを含むペースト状の隔壁層材料を用意する。この隔壁層材料を正孔注入層9上に一様に塗布する。この上に、図2に示した開口部17のパターンに形成されたマスクを重ねる。続いてマスクの上から感光させ、隔壁層パターンを形成する。その後は、余分な隔壁層材料を水系もしくは非水系エッチング液(現像液)で洗い出す。これにより、隔壁層材料のパターニングが完了する。以上で有機発光層形成領域となる開口部17が規定されるとともに、列方向で隣接する開口部17の間の上面に窪み部8が形成された、表面が少なくとも撥水性の隔壁層7が完成する(図3(d))。本実施の形態のようにコンタクトホール5が形成されている場合、通常は隔壁層材料がコンタクトホール5の内部に入り込むため、窪み部8が自然に形成される。このため、別途窪み部8を形成するための工程が不要であり、生産コスト及び製造効率上において有利である。
なお、隔壁層7の形成工程においては、さらに、開口部17に塗布するインクに対する隔壁層7の接触角を調節する、もしくは、表面に撥水性を付与するために隔壁層7の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理するか、プラズマ処理を施すこととしてもよい。
次に、正孔輸送層10を構成する有機材料と溶媒を所定比率で混合し、正孔輸送層用インクを調製する。このインクをヘッド部301に供給し、塗布工程に基づき、各開口部17に対応するノズル3030から、正孔輸送層用インクよりなる液滴19を吐出する(図3(e))。その後、インクに含まれる溶媒を蒸発乾燥させ、必要に応じて加熱焼成すると正孔輸送層10が形成される(図4(a))。
次に、有機発光層11を構成する有機材料と溶媒を所定比率で混合し、有機発光層用インクを調製する。このインクをヘッド部301に供給し、塗布工程に基づき、開口部17及び窪み部8に対応するノズル3030から、有機発光層用インクよりなる液滴18を吐出する(図4(b))。その後、インクに含まれる溶媒を蒸発乾燥させ、必要に応じて加熱焼成すると有機発光層11及び有機発光層11と同一材料から成る有機層16が形成される(図4(c))。
また、図4(b)において、開口部17だけでなく窪み部8に対しても有機発光層用インクの液滴を吐出させているのは、ノズルの目詰まりを防止するためである。一般的に、有機発光層および正孔輸送層形成のために使用されるインクは、インクジェットプリンタで用いられる印字用インクに比べて高粘度である。このため、仮にインクを吐出しないように設定したとすると、当該ノズルの内部でインクが凝固してしまい目詰まりの原因となる。いったん目詰まりが生じたノズルからは設定時間内に設定量のインクを吐出できなくなり、開口部17に所定量のインクを吐出できないために基板のロスが生じたり、ヘッド部301の交換が必要となることがある。このような場合には、ヘッド部301の取り外し、洗浄、再度高精度にアライメントして装着する作業が必要であり、生産効率を低下させる原因となる。しかしながら、上記の構成によれば、このような問題を防止することができる。
さらに、開口部17におけるコンタクトホール5に近接する領域においては、溶媒の蒸気濃度が低いために他の部分よりも溶媒の蒸発が促進される。不均一な蒸気濃度下で乾燥が進むと、溶媒の蒸気濃度が低い領域における膜厚が厚くなり、全体として膜厚が均一な層を得ることができない恐れがある。しかしながら、図4(b)に示すように、開口部17及び窪み部8の両方に対しインクを塗布することで、開口部17におけるコンタクトホール5に近接する領域における蒸気濃度が高められる。その結果、開口部17における溶媒の蒸気濃度の均一化が図られ、開口部17全域にわたって均一な膜厚で有機発光層11を形成することができる。よって、筋ムラや面ムラ等、各種発光ムラの発生が抑制され、従来に比べて良好な画像表示性能を発揮させることが可能である。
ここで、図3(e),図4(b)に示す塗布工程においては、各開口部17に対して、ヘッド部301(インクジェットヘッド)を複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎にヘッド部301を所定の距離だけ移動させる。この方法によれば、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルを重複させることができる。その結果、1走査毎にヘッド部301を移動させない場合と比較して、液滴体積の総量を隣接する開口部17間で均一にすることが可能である。この詳細については、後の<塗布工程>の項で説明する。
次に、有機発光層11の表面に、電子輸送層12を構成する材料を真空蒸着法に基づいて成膜する。これにより、電子輸送層12が形成される。つづいて、電子注入層13を構成する材料を蒸着法、スピンコート法、キャスト法などの方法により成膜し、電子注入層13が形成される。そして、ITO、IZO等の材料を用い、真空蒸着法、スパッタ法等で成膜する。これにより対向電極14が形成される(図4(d))。
なお、図示しないが、対向電極14の表面には、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法、CVD法等で成膜することで、封止層を形成する。
以上の工程を経ることにより有機EL表示パネル100が完成する。
<塗布工程>
以下、特に、正孔輸送層10および有機発光層11を形成する際の塗布工程について詳細に説明する。まず、塗布工程に使用されるインクジェット装置(製造装置)について説明する。
(インクジェット装置)
図5は、本実施の形態で使用するインクジェット装置1000の主要構成を示す図である。図6は、インクジェット装置1000の機能ブロック図である。
図5,6に示すように、インクジェット装置1000は、インクジェットテーブル20、インクジェットヘッド30、制御装置(PC)15で構成される。
図6に示すように、制御装置15は、CPU150、記憶手段151(HDD等の大容量記憶手段を含む)、表示手段(ディスプレイ)153、入力手段152で構成される。当該制御装置15は具体的にはパーソナルコンピューター(PC)を用いることができる。記憶手段151には、制御装置15に接続されたインクジェットテーブル20、インクジェットヘッド30を駆動するための制御プログラム等が格納されている。インクジェット装置1000の駆動時には、CPU150が入力手段152を通じてオペレータにより入力された指示と、前記記憶手段151に格納された各制御プログラムに基づいて所定の制御を行う。
(インクジェットテーブル)
図5に示すように、インクジェットテーブル20はいわゆるガントリー式の作業テーブルであり、基台のテーブルの上をガントリー部(移動架台)が一対のガイドシャフトに沿って移動可能に配されている。
具体的構成として、板状の基台200には、その上面の四隅に柱状のスタンド201A、201B、202A、202Bが配設されている。これらのスタンド201A、201B、202A、202Bに囲まれた内側領域には、塗布対象となる基板を載置するための固定ステージSTと、塗布直前にインクを吐出させることにより吐出特性を安定化させるために用いるインクパン(皿状容器)IPがそれぞれ配設されている。
また、スタンド201A、201B、202A、202Bには、基台200の長手(Y)方向に沿って、ガイドシャフト203A、203Bが平行軸支されている。ガイドシャフト203A、203Bにはリニアモーター部204、205が挿通されており、リニアモーター部204、205に対してガイドシャフト203A、203Bを架け渡すように、ガントリー部210が搭載されている。この構成により、インクジェット装置1000の駆動時において、一対のリニアモーター部204、205が駆動されることで、ガントリー部210がガイドシャフト203A、203Bの長手方向に沿ってスライド自在に往復運動する。
ガントリー部210には、L字型の台座からなる移動体(キャリッジ)220が配設される。移動体220にはサーボモーター部(移動体モーター)221が配設され、各モーターの軸の先端に不図示のギヤが配されている。ギヤはガントリー部210の長手方向(X方向)に沿って形成されたガイド溝211に嵌合される。ガイド溝211の内部にはそれぞれ長手方向に沿って微細なラックが形成されている。ギヤはラックと噛合しているので、サーボモーター部221が駆動すると、移動体220はいわゆるピニオンラック機構によって、X方向に沿って往復自在に精密に移動する。
ここで、上記の制御部213、ガントリー部210とでヘッド走査部を構成している。移動体220にはインクジェットヘッド30が装備されるので、ヘッド走査部により、塗布対象基板に対してインクジェットヘッド30を走査させることができる。また、上述したように、移動体220AはX方向に沿って移動するので、インクジェットヘッド30の走査方向は行(X)方向である。
なお、リニアモーター部204,205、サーボモーター部221はそれぞれ直接駆動を制御するための制御部213に接続され、当該制御部213は制御装置15内のCPU150に接続されている。インクジェット装置1000の駆動時には、制御プログラムを読み込んだCPU150により、制御部213を介してリニアモーター部204,205、サーボモーター部221の各駆動が制御される(図6)。
(インクジェットヘッド)
インクジェットヘッド30は公知のピエゾ方式を採用し、ヘッド部301及び本体部302で構成されている。ヘッド部301は本体部302を介して移動体220に固定されている。本体部302はサーボモーター部304(図6)を内蔵しており、サーボモーター部304を回転させることにより、ヘッド部301の長手方向と固定ステージSTのX軸とのなす角度が調節される。なお、本実施の形態においては、ヘッド部301の長手方向とY軸とが一致するように調整している。
ヘッド部301は固定ステージSTに対抗する面に複数のノズルを備えており、これらのノズルはヘッド部301の長手方向に沿って列状に配置されている。ヘッド部301に供給されたインクは、各ノズルから液滴として塗布対象基板に対して吐出される。
各ノズルにおける液滴の吐出動作は、各ノズルが備えるピエゾ素子(圧電素子)3010(図6)に与えられる駆動電圧によって制御される。吐出制御部300は、各ピエゾ素子3010に与える駆動信号を制御することにより、各ノズルからそれぞれ液滴吐出を行わせる。具体的には、図6に示すように、CPU150が所定の制御プログラムを記憶手段151から読み出し、吐出制御部300に対して、所定の電圧を対象のピエゾ素子3010に印加するように指示する。
以上の構成を有するインクジェット装置1000を用い、インクジェット方式による塗布工程を行う。ここでは、長尺状の各開口部17の長辺が、インクジェットヘッド30(ヘッド部301)の走査方向(行(X)方向)に対して直交している場合(いわゆる横打ちを行う場合)について説明する。
(ヘッド部と塗布対象基板の開口部との位置関係〈横打ち〉)
図7は有機EL表示パネルに係る製造工程における、塗布対象基板とヘッド部の位置関係(横打ち時)を示す図である。
図7に示す600は塗布対象基板であり、塗布工程を経る前段階の状態の基板、すなわち、複数の開口部17がピクセル単位に行列状に形成された隔壁層7が設けられた状態の基板を示すものである。ヘッド部301には、インクを吐出するノズル3030が列(Y)方向に所定のノズルピッチL1で複数配置されている。この際、ヘッド部301の長手方向を列方向に対して若干傾斜させることでノズル3030の塗布ピッチを調節することができる。図7の例では、ヘッド部301を傾斜させなくとも、ノズル群a,a,a,aが開口部17に対応するように、ノズルb,b,bが列方向に配列された開口部17間(コンタクトホール5上)に対応するようなヘッド部301を使用している。図7においては、各ノズル群a,a,a,aに属するノズル3030は3個である。
塗布工程においては、ヘッド部301を行(X)方向に走査させながら、各開口部17に対し、当該各開口部17に対応するノズルからそれぞれ所望のインクの液滴を吐出させる。そして、上記の工程を経ることにより、正孔輸送層10および有機発光層11が形成される。このとき、吐出される液滴の体積の総量は、隣接する開口部17間で均一にされる必要がある。
そこで、本実施の形態においては、各開口部17に対し、ヘッド部301を複数回にわたって走査させることとしている。このとき、1走査毎に開口部17のピッチL2に相当する距離だけ、ヘッド部301を列方向に移動させる。このヘッド部301の移動動作は、上記のヘッド走査部によって行われる。
(ヘッド部301の移動動作)
図8は、実施の形態1に係る開口部17とヘッド部301の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。図8を参照しながらヘッド走査部によるヘッド部301の移動動作について説明する。
図8において、各開口部17およびコンタクトホール5と、各走査毎のヘッド部301との位置関係を対応させて示している。図8の上方には、塗布対象基板600の一部を示しており、塗布対象基板600は、有機EL表示パネル100の表示部に相当する表示領域と、表示領域の列方向に存在し表示部に相当しないダミー領域を含む。開口部17aは表示領域内の開口部であり、開口部17bはダミー領域内の開口部である。以下、(1),(2),(3)の符号を付した開口部17a、および(1),(2)の符号を付したコンタクトホール5を、ぞれぞれ、開口部(1),開口部(2),開口部(3)およびコンタクトホール(1),コンタクトホール(2)と称する。また、ヘッド部301のノズル3030の上方の数字は、各ノズル3030を区別するために付した番号であり、以下、例えば「1」を付したノズル3030は「1番ノズル」と称する。
ここでは、各開口部に所定のインクからなる液滴を、例えば、12滴ずつ吐出させる場合を例に挙げて説明する。
先ず、1走査目では、表示領域内に位置するノズルを1〜3番ノズルのみとし、この1〜3番ノズルから開口部(1)に液滴を1回吐出させる。
2走査目では、列(Y)方向に配列された開口部17のピッチL2に相当する距離だけ、ヘッド部301を列(Y)方向に移動させる。言い換えれば、1走査目に開口部17aに用いられていたノズル群(1〜3番ノズルからなる)が、2走査目に開口部17aから列方向に1個目に隣接する開口部17aに用いられるように、ヘッド部301を移動させる。すなわち、所定回数目の走査時に一の開口部に用いられていたノズル群が、前記所定回数目の走査からさらにn回目の走査時に、前記一の開口部から列方向にn個目に隣接する開口部に用いられるように、ヘッド部301を移動させる。そして、1〜6番ノズルから開口部(1),(2)およびコンタクトホール(1)に対し液滴を1回ずつ吐出させる。
ここで、2走査目においては、コンタクトホール(1)上を通過するノズルは、当該コンタクトホール(1)に対しても液滴吐出を行う。これにより、上述したように、ノズルの目詰まりを防止することができる。2走査目に限らず、各走査において、コンタクトホール5上を通過する各ノズルからは、対応するコンタクトホールに対して液滴吐出が行われる。
続いて、1〜2走査目の同様のヘッド部301の移動動作を6走査目まで行うことにより、開口部(1),(2),(3)それぞれに対して12回ずつ液滴が吐出される。
なお、特に図示していないが、ダミー領域に移動したノズル3030からは、ダミー領域に存在する開口部17bに対して液滴を吐出させることとしている。このように、ダミー領域内におけるノズルについても液滴を吐出させ、不吐出期間が存在しないすることにより、当該ノズルが表示領域内に移動した際に、目詰まりによって吐出できないといった問題を防止することが可能である。
開口部(1)に対して液滴を吐出したノズルを見てみると、図8に示すように、1〜12番ノズルから1回ずつであることが分かる。一方、開口部(2),(3)についても、1〜12番ノズルから1回ずつ液滴が吐出されたことがわかる。すなわち、隣接する開口部(1),(2),(3)において、液滴吐出に関与したノズルは完全に一致している。したがって、各ノズルで吐出される液滴体積にバラツキがある場合であっても、隣接する開口部間でそのバラツキを相殺することができる。その結果、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にすることが可能である。
(比較例との対比)
図17は、比較例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を示す図である。比較例では、本実施の形態と同様にヘッド部301を複数回にわたって走査させる。しかし、本実施の形態と異なり、1走査毎にヘッド部301を列(Y)方向に移動させない。
図17に示す比較例では、開口部(1)に対して液滴を吐出したノズルは10〜12番ノズルから3回ずつである。これに対し、開口部(2)に対して液滴を吐出したノズルは7〜9番ノズルから3回ずつであり、隣接する開口部(1),(2)において液滴吐出に関与したノズルは一致していない。したがって、比較例の構成では、吐出される液滴体積が各ノズルでばらついている場合には、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にすることはできない。
比較例に対し、本実施の形態においては、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを一致するため、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にすることが可能である。
[まとめ]
有機EL表示パネルの場合、有機発光層11の膜厚は約20[nm]程度と非常に薄いため、微小な液滴の体積バラツキが発光輝度差となって表れ、表示品質に与える影響は大きくなる。表示パネルの高精細化に伴ってより高い表示品質が求められるので、各開口部間の液滴の体積バラツキはより一層抑制される必要がある。
本実施の形態によれば、1走査毎にヘッド部301を所定の距離分移動させるのみで、簡易に隣接する開口部間で液滴体積の総量を精度良く均一にすることが可能である。したがって、特許文献1のようにノズル毎に予め液滴体積を検出したり、ノズル毎に異なる波形の駆動電圧を生成するといった複雑な制御を行う必要がなく、有機EL表示パネルの大判化に伴うインクジェットヘッドのノズル数増大にも対応し得る。また、本実施の形態によれば簡易な制御で済むので、特許文献1のような制御を行うための回路基板は小規模のもので足り、その分、製造装置の簡素化および低コスト化を図ることが可能である。
さらに、仮に、各開口部に対し、1回の走査で複数回液滴を吐出させる場合には、液滴の高精度な着弾精度が要求される。特に、有機EL表示パネルを高精細化する場合は、開口部の面積がさらに縮小される結果、より一層高精度な着弾精度が要求されるが、これを実現するには高価な製造装置を準備しなくてはならない。しかしながら、本実施の形態では、複数回にわたってヘッド部を走査させるので、1走査当たりの液滴吐出回数は1回で済む。この場合、列(Y)方向に配列された開口部17の中心を結ぶ仮想線I1(図8)上に、液滴を吐出させることができる。よって、多少液滴の着弾位置がずれたとしても、ヘッド部301の走査方向(X方向)に隣接する開口部17に誤って液滴が着弾することはないので、それほど高い着弾精度は必要ではない。言うまでもなく、着弾させるべき開口部に液滴が吐出されていれば、開口部におけるどの位置に液滴を吐出させた場合であっても、隣接する開口部間で液滴体積を均一にする効果が減殺されることはない。
また、図8に示すヘッド部301はノズル3030を12個備えているが、上記の効果を得るにあたっては、ヘッド部301が備えるノズル3030の個数、すなわちヘッド部301の長さは特に限定されない。ヘッド部301の長さが塗布対象基板における表示領域の列方向に沿った長さよりも長い場合、短い場合のどちらの場合であっても、上記のようにヘッド部301を1走査毎に移動させることにより、表示領域内における各開口部への液滴吐出回数を同一とし、かつ、液滴吐出に関与するノズルを一致させることが可能である。
≪実施の形態1の変形例≫
図8において、開口部(1)から1走査目を開始することとしたが、1走査目をどこから開始することとしても、比較例(図17)に対して、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にする効果を得ることができる。
図9は、実施の形態1の変形例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。図8と相違する点は、1走査目で開口部(1)〜(3)に液滴が吐出される点である。1走査毎にヘッド部301を移動させる距離は図8と変わりはない。
本変形例の場合、開口部(1)に対して液滴を吐出するノズルは7〜18番ノズル、開口部(2)に対して液滴を吐出するノズルは4〜15番ノズル、開口部(3)に対して液滴を吐出するノズルは1〜12番ノズルである。このように、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルは完全には一致しないものの、吐出に関与するノズルのうち4分の3のノズルは隣接する開口部17間で一致する。したがって、比較例(図17)の場合と比較して、隣接する開口部17間で液滴体積を均一にすることが可能である。
さらに、本変形例においては、実施の形態1と比較して、1走査目において表示領域の開口部17aに対し液滴吐出を行うノズルの数が多い。したがって、実施の形態1よりも少ない走査回数で塗布対象基板に対してインクの塗布を行うことができ、塗布工程に要する時間を短縮することができる。
なお、図9においては、1走査目で開口部(1)〜(3)に液滴が吐出されることとしたが、これは単なる例示である。例えば、1走査目で開口部(1),(2)に液滴が吐出されることとしてもよい。
≪実施の形態2≫
実施の形態1では、1走査毎に開口部17のピッチL2に相当する距離だけ、ヘッド部301を列方向に移動させることにより、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを完全に一致させる実施例について説明した。
しかしながら、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを完全に一致させなくとも、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルが一部でも重複していれば、比較例の場合よりも液滴体積の総量を均一にする効果を得ることができる。行列状に配列された複数の開口部17を有する塗布対象基板(図7)に対し、行方向にヘッド部301を走査させる場合において、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルを重複させることが可能な、1走査毎のヘッド部301の移動量の範囲は、図7を用いて説明すると以下のように規定される。
すなわち、1走査毎のヘッド部301の移動量の最小距離は、ノズルピッチL1の整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部17A,17Bにおける向かい合う開口部の端部(近接する開口部の端部)17c,17d同士の距離L3以上である。また、1走査毎のヘッド部301の移動量の最大距離は、ノズルピッチL1の整数倍に相当する距離であって、二の開口部17A,17Bの一端から他端までの距離L4(二の開口部17A,17Bにおける遠隔する開口部の端部17e,17fとの距離L4、または、二の開口部17A,17Bを一まとめと見た場合の一端から他端までの距離L4)以下である。
本実施の形態では、1走査毎に上記の最小距離に相当する距離だけ、ヘッド部301を列方向に移動させる実施例について説明する。
図10は、実施の形態2に係る開口部17とヘッド部301の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同様に、各開口部には液滴を12滴ずつ吐出させる場合を説明する。
先ず、1走査目では、9〜11番ノズルから開口部(1)に対して、5〜7番ノズルから開口部(2)に対して、1〜3番ノズルから開口部(3)に対して液滴を1ずつ回吐出させる。
2走査目では、ノズルピッチL1(図7)の整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部17A,17Bにおける向かい合う開口部の端部17c,17d同士の距離L3(図7)以上、すなわちL5で示す距離(図10)だけ、ヘッド部301を列(Y)方向に移動させる。そして、11〜13番ノズルから開口部(1)に対して、7〜9番ノズルから開口部(2)に対して、3〜5番ノズルから開口部(3)に対して液滴を1ずつ回吐出させる。
同様の動作を4走査目まで行うことにより、開口部(1),(2),(3)それぞれに対して12回ずつ液滴が吐出される。開口部(1),(2),(3)それぞれに対して液滴を吐出したノズルを見てみると、開口部(1),(2)間については、11番ノズルが2回、9番ノズル,10番ノズル,12番ノズル,13番ノズルがそれぞれ1回ずつ、開口部(2),(3)間については、7番ノズルが2回、5番ノズル,6番ノズル,8番ノズル,9番ノズルがそれぞれ1回ずつ、重複している。すなわち、隣接する開口部17間で、半数のノズルが重複していることになる。よって、このような構成によっても、比較例(図17)に比べて、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にすることができる。
≪実施の形態3≫
本実施の形態では、1走査毎に上記の最大距離に相当する距離だけ、ヘッド部301を列方向に移動させる実施例について説明する。
図11は、実施の形態3に係る開口部17とヘッド部301の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同様に、各開口部には液滴を12滴ずつ吐出させる場合を説明する。
先ず、1走査目では、9〜11番ノズルから開口部(1)に対して、5〜7番ノズルから開口部(2)に対して、1〜3番ノズルから開口部(3)に対して液滴を1ずつ回吐出させる。
2走査目では、ノズルピッチL1(図7)の整数倍に相当する距離であって、二の開口部17A,17Bの一端から他端までの距離L4(図7)以下、すなわちL6で示す距離(図11)だけ、ヘッド部301を列(Y)方向に移動させる。そして、15〜17番ノズルから開口部(1)に対して、11〜13番ノズルから開口部(2)に対して、7〜9番ノズルから開口部(3)に対して液滴を1ずつ回吐出させる。
同様の動作を4走査目まで行うことにより、開口部(1),(2),(3)それぞれに対して12回ずつ液滴が吐出される。開口部(1),(2),(3)それぞれに対して液滴を吐出したノズルを見てみると、開口部(1),(2)間については、11番ノズル,17番ノズル,23番ノズルが、開口部(2),(3)間については、7番ノズル,13番ノズル,19番ノズルがそれぞれ1回ずつ、重複している。すなわち、隣接する開口部17間で、4分の1のノズルが重複していることになる。よって、このような構成によっても、比較例(図17)に比べて、隣接する開口部間で液滴体積の総量を均一にすることができる。
以上、実施の形態1〜3について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例等が考えられる。
[変形例]
(1)上記の実施の形態では、コンタクトホール5が隔壁層7により覆われた構成となっていたが、本発明はこれに限られない。例えば、図12に示す塗布対象基板600Aのように、コンタクトホール5が隔壁層7により覆われておらず、開口部17の下部に存在するような構成であってもよい。図12では、一例として、実施の形態1のようにヘッド部301の1走査毎の移動量が、列(Y)方向に配列された開口部17のピッチL2である例について示している。コンタクトホール5が隔壁層7で覆われていない構成であっても、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルを完全に一致させることが可能である。
なお、隣接する開口部17間で液滴吐出を行うノズルを重複させるために必要な、1走査毎のヘッド部301の移動距離の範囲は、コンタクトホール5が隔壁層7で覆われているか否かに関わらず、実施の形態2で述べた定義と変わりはない。
(2)実施の形態2(図10)において、1走査毎にヘッド部301を距離L5(最小の移動量)ずつ移動させる例について説明した。図7に示す塗布対象基板のように、列方向に配列された開口部17の間にコンタクトホール5(窪み部)があり、かつ、そのコンタクトホール5がノズルピッチL1の整数倍に相当する距離の間隔で形成されている場合には、図10における距離L5は、ノズルピッチL1(図7)の2倍に相当する距離と表現することもできる。
(3)上記の実施の形態2においては(図10)、塗布対象基板の列方向の長さよりも長いヘッド部301を用いる例を示した。ここで、塗布対象基板の列方向の長さよりも短いヘッド部301を使用することにより、実施の形態1のように、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを完全に一致させる構成を採ることも可能である。ここでは、実施の形態2の変形例について説明する。
図13は、実施の形態2の変形例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。なお、各開口部には液滴を12滴ずつ吐出させることとし、ヘッド部301の長さは、表示領域の列方向に沿った長さよりも短いこととする。また、各ノズル3030について、液滴を吐出させるノズルは実線で、液滴を吐出させないノズル(不吐出ノズル)を点線で示している。つまり、図13においては、1〜8番ノズルのみから液滴が吐出され、それ以外のノズルからは液滴が吐出されないように設定されていることになる。
先ず、1走査目では、表示領域内に位置するノズルを1,2番ノズルの2個のみとし、この1,2番ノズルから開口部(1)に液滴を1ずつ回吐出させる。そして、2走査目では、列(Y)方向に配列された開口部17のピッチL2の2倍に相当する距離(L1×2)だけ、ヘッド部301を列(Y)方向に移動させるとともに、1〜4番ノズルから開口部(1),(2)およびコンタクトホール(1)に対し液滴を1回ずつ吐出させる。
同様の動作を9走査目まで行うことにより、開口部(1),(2),(3)それぞれに対して12回ずつ液滴が吐出される。図13に示すように、液滴吐出に関与したノズルを見ると、開口部(1),(2),(3)において完全に一致していることが分かる。
なお、本変形例において、表示領域内における各開口部への液滴吐出回数を同一とし、かつ、上記のように隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを完全に一致させるためには、1走査目で表示領域内に位置するノズルを1番,2番ノズルの2個のみとしている必要がある。言い換えると、1走査目で表示領域内に配置するノズルの個数は、1走査毎にヘッド部301がノズルピッチの何個分移動させるかによって決まる。例えば、本変形例のように、ヘッド部301をノズルピッチの2個分移動させる場合は、1走査目で表示領域内に配置するノズルの個数は2個である。
(4)図7に示す塗布対象基板のように、列方向に配列された開口部17の間にコンタクトホール5(窪み部)があり、かつ、そのコンタクトホール5がノズルピッチL1の整数倍に相当する距離の間隔で形成されている場合には、1走査毎にヘッド部301をノズルピッチL1に相当する距離だけ移動させることとしても、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルを一致させることができる。
図14は、変形例(4)に係る開口部17とヘッド部301の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。なお、各開口部には液滴を12滴ずつ吐出させることとし、ヘッド部301の長さは、表示領域の列方向に沿った長さよりも短いこととする。また、図14においては、1〜4番ノズルのみから液滴が吐出され、それ以外のノズルからは液滴が吐出されないように設定されている。
先ず、1走査目では、表示領域内に位置するノズルを1番ノズルのみとし、この1番ノズルから開口部(1)に液滴を1回吐出させる。変形例(3)で説明したように、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルを一致させるため、1走査目で表示領域内に位置するノズルを1個としている。
そして、2走査目では、ノズルピッチL1に相当する距離だけ、ヘッド部301を列(Y)方向に移動させるとともに、1,2番ノズルから開口部(1)に液滴を1回ずつ吐出させる。同様の動作を3走査目,4走査目でも行う。なお、4走査目において、コンタクトホール(1)上を通過する1番ノズルは、当該コンタクトホール(1)に対しても液滴吐出を行う。
続いて、1〜4走査目の同様のヘッド部301の移動動作を10走査目まで行うことにより、開口部(1),(2)それぞれに対して12回ずつ液滴が吐出される。このような走査の結果、図14に示すように、各開口部に対して液滴を吐出したノズルを見てみると、開口部(1),(2)いずれについても1〜4番ノズルから3回ずつであることが分かる。したがって、液滴吐出に関与したノズルは完全に一致する。
(5)上記の実施の形態では、いわゆる横打ちを行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。図15に示すように、長尺状の各開口部17の長辺が、ヘッド部301の走査方向(行(X)方向)と一致している場合、いわゆる縦打ちの場合であっても適用することが可能である。この場合、開口部17は行(X)方向に長辺を有する長尺状である。
図15では、各走査において1〜12番ノズルから1回ずつ液滴を吐出させることにより、各開口部17に対し12回ずつ液滴が吐出される例を示している。これ以外でも、1〜6番ノズルから2回ずつ液滴を吐出させることとしてもよい。このようにすることで、塗布工程に要する時間を短縮することが可能である。
また、本変形例では、長尺状の長辺方向に沿ってヘッド部301を走査させる。したがって、1回の走査で複数回液滴を吐出させる場合であっても、液滴の着弾位置のずれによって、ヘッド部301の走査方向(開口部17の長辺方向)に隣接する開口部17に誤って液滴が着弾することはない。なお、図15においては、一の開口部17に対応するノズル数は1個であるが、個数は特に限定されない。
(6)上記の実施の形態では、主に、塗布対象基板の表示領域における、ヘッド部の走査方向に直交する方向に沿った長さよりも短いヘッド部を用いて塗布工程を行う場合について説明した。本発明はこれに限定されず、表示領域の長さよりも長いヘッド部を用いた場合であっても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
図16は、本変形例に係る開口部とヘッド部の位置関係(横打ち時)を模式的に示す図である。図16では、ヘッド部301の長さが表示領域よりも長く、かつ、1走査毎のヘッド部301の移動距離が、列(Y)方向に配列された開口部17のピッチL2(図7)に相当する距離である例を示している。また、本変形例では、ヘッド部301を4回にわたって走査させ、各開口部17には液滴を12滴ずつ吐出させることとしている。
本変形例の場合、開口部(1)に対して液滴を吐出するノズルは7〜18番ノズル、開口部(2)に対して液滴を吐出するノズルは4〜15番ノズル、開口部(3)に対して液滴を吐出するノズルは1〜12番ノズルである。ヘッド部301の長さが表示領域よりも長い場合、隣接する開口部17間で液滴吐出に関与するノズルは完全には一致しないものの、吐出に関与するノズルのうち4分の3のノズルは隣接する開口部17間で一致する。したがって、比較例(図17)の場合と比較して、隣接する開口部17間で液滴体積を均一にすることが可能である。
また、本変形例の場合に必要なダミー領域の列(Y)方向に沿った長さは、少なくとも列(Y)方向に配列された開口部17のピッチL2の3個分に相当する距離以上である。すなわち、1走査毎のヘッド部の移動距離に対し、走査回数(本変形例では4回)から1を減じた数値(本変形例では3)を乗じたものに相当する距離以上である。
さらに、図16において、右側のダミー領域に存在する開口部(A),(B),(C)に吐出される液滴は、それぞれ、9滴,6滴,3滴である。すなわち、ダミー領域に存在する開口部に形成される有機層は、ヘッド部301の走査方向と直交する方向である列(Y)方向に膜厚が異なることになる。これは、ヘッド部301の長さに関わらず、他の実施の形態においても同様である。
(7)隣接する開口部間で液滴体積を均一にするためであれば、1走査毎にヘッド部を移動させる距離は、ノズルピッチL1の整数倍に相当する距離であって、列方向に配列された開口部のピッチL2(図7)に相当する距離以下であればよく、上記の実施の形態におけるものに限定されない。仮に、1走査毎にヘッド部を移動させる距離を、列(Y)方向に配列された開口部のピッチL2に相当する距離以上とした場合、隣接する開口部間で液滴体積を均一にすることはできない。しかしながら、この場合でも、塗布対象基板全体における各開口部間で液滴体積を均一にすることは可能である。
(8)図1には図示していないが、対向電極14の上方には、各有機発光層11の位置に合わせて、各々の色に対応するカラーフィルターが配設されている。カラーフィルターは、R,G,Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層である。
カラーフィルターは、具体的には、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層が設けられたカラーフィルター形成用の基板に対し、カラーフィルター材料および溶媒を含有したインクを塗布する工程により形成される。本発明は、このカラーフィルターを形成する際の塗布工程にも適用することが可能である。
より詳しくは、先ず、上記のカラーフィルター用インクの液滴を吐出するノズルを、列方向に所定のノズルピッチで複数配置したヘッド部を用意する。次に、カラーフィルター形成用の基板に対して、ヘッド部を行方向に走査させるとともに、各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる。このとき、各開口部に対しヘッド部を複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎にノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に配列された開口部のピッチに相当する距離以下だけ、ヘッド部を列方向に移動させる。このようにすることで、上記の実施の形態および変形例で述べた効果を、カラーフィルター形成工程においても得ることができる。
なお、カラーフィルター材料としては、例えば、JSR株式会社製のカラーレジスト等を用いることができる。
(9)「開口部の形状が長尺状である」とは、開口部が長辺と短辺を有する形状であることを指し、必ずしも矩形状である必要はない。例えば、正方形、円形、楕円形等の形状とすることとしてもよい。
(10)図1において、基板1上にTFT層2〜対向電極14の各層が積層形成されてなる構成を示した。本発明においては、各層のうちの何れかの層を欠いている、もしくは、例えば透明導電層などの他の層をさらに含む構成とすることもできる。
(11)図3(e)において、正孔輸送層用インクからなる液滴19を窪み部8に対しては吐出しない構成を示した。本発明では、正孔輸送層用インクからなる液滴19をさらに窪み部8にも吐出し、正孔輸送層と同一材料から成る有機層を形成することとしてもよい。このようにすることで、正孔輸送層用インクから蒸発する溶媒の蒸気濃度の均一化が図られ、均一な膜厚で正孔輸送層10形成することができる。一方、図4(b)において、有機発光層用インクからなる液滴18を窪み部8に吐出しないこととしてもよい。
(12)本発明において、コンタクトホールに追従して形成される窪み部は必須の構成要件ではなく、例えば、隔壁層上の窪み部に相当する部分を、隔壁層を構成する材料と同一の材料で埋めた構成であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、隔壁層を設ける際に自然形成される窪みを窪み部として利用したが、本発明はこれに限定されない。隔壁層の形状を調整することで窪み部を別途形成することとしてもよい。
(13)上記実施の形態において、リニアモーター部204,205、サーボモーター部221はそれぞれガントリー部210、移動体220の移動手段の例示にすぎず、これらの利用は必須ではない。例えば、タイミングベルト機構やボールネジ機構を利用することにより、ガントリー部または移動体の少なくともいずれかを移動させることしてもよい。
(14)上記の実施の形態においては、1走査当たりの各ノズルからの液滴の吐出回数を1回としていたが、この回数は特に限定されない。1走査当たりの液滴の吐出回数を増やす程、より高い着弾精度が要求されるものの、塗布工程に要する時間の短縮を図ることが可能である。
(15)上記の実施の形態においては、塗布対象基板において表示領域およびダミー領域となる範囲を予め決めておき、それに合わせて1走査目におけるヘッド部の位置を決めることとしたが、本発明はこれに限定されない。ヘッド部を上記の実施の形態と同様の方法で移動動作させた結果、液滴吐出回数が同一であり、かつ、隣接する開口部間で液滴吐出に関与するノズルが少しでも重複している領域を表示領域とすることとしてもよい。
(16)上記の実施形態においては、塗布対象基板に対してヘッド部側を走査させる方法を示したが、本発明はこれに限定されない。ノズルが複数配列されたヘッド部に対して塗布対象基板側を動かすこととしてもよい。
(17)上記の有機EL表示パネルの製造方法において、塗布対象基板を1枚準備する毎に、インクジェットヘッドを1基準備する必要はない。例えば、10枚毎のように、塗布対象基板を複数枚準備する毎に、インクジェットヘッドを1基準備することとしてもよい。
(18)本発明において、ヘッド部の長さは特に限定されないが、可能な限り長いヘッド部を用いた方が、塗布工程に要する時間を短縮することが可能である。
本発明の有機EL表示パネルの製造方等は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等として用いられる有機EL表示パネルの製造方等に好適に利用可能である。
1 基板
2 TFT層
3 給電電極
4 平坦化膜
5 コンタクトホール
6 下部電極
7 バンク
8 窪み部
9 正孔注入層
10 正孔輸送層
11 有機発光層
12 電子輸送層
13 電子注入層
14 上部電極
16 有機発光層材料を含む有機層
17 開口部
17a 表示領域の開口部
17b ダミー領域の開口部
17c、17d、17e、17f 開口部の端部
18 有機発光層用インクからなる液滴
19 正孔輸送層用インクからなる液滴
20 インクジェットテーブル
30 インクジェットヘッド
100 有機EL表示パネル
150 CPU
151 記憶手段
152 入力手段
200 基台
201A、201B、202A、202B スタンド
203A,203B ガイドシャフト
204、205 リニアモーター部
210 ガントリー部
211 ガイド溝
213 制御部
220 移動体
221 サーボモーター部
300 吐出制御部
301 ヘッド部
302 本体部
304 サーボモーター部
600、600A 塗布対象基板
1000 インクジェット装置
3010 ピエゾ素子
3030 ノズル
IP インクパン
ST 固定ステージ

Claims (16)

  1. 複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、
    前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、
    前記第2工程において、
    前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  2. 前記第2工程において、
    前記インクジェットヘッドを、1走査毎に前記開口部のピッチに相当する距離だけ列方向に移動させる、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  3. 前記第2工程において、
    所定回数目の走査時に一の開口部に用いられていた各ノズルが、前記所定回数目の走査からさらにn回目の走査時に、前記一の開口部から列方向にn個目に隣接する開口部に用いられるように、前記インクジェットヘッドを移動させる、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  4. 前記隔壁層に形成された前記各開口部は、前記有機EL表示パネルの表示部に相当する表示領域と、当該表示領域の少なくとも列方向に存在し前記表示部に相当しないダミー領域を含み、
    前記第2工程において、
    前記ダミー領域の各開口部に対応するノズルからは、当該ダミー領域の各開口部に対して液滴を吐出させる、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  5. 前記第2工程において、
    前記各開口部における、列方向に配列された開口部の中心を結ぶ仮想線上に液滴が吐出される、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  6. 前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料である、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  7. 前記有機材料は、正孔輸送層を形成するために用いられる材料である、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  8. 前記第2工程において、
    列方向に配列された各開口部の間に対応するノズルからは液滴を吐出させない、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  9. 前記各開口部の形状は、列方向に長辺を有する長尺状である、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  10. 前記各開口部の形状は、行方向に長辺を有する長尺状である、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  11. 前記各開口部は1サブピクセルとして1の発光色が定められており、
    同一列に属する開口部には、同一発光色の前記有機材料を含有したインクの液滴が吐出される、
    請求項9に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  12. 複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、
    前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、
    前記第2工程において、
    前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ、前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  13. 複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板と、カラーフィルター材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドとを準備する第1工程と、
    前記EL基板に対し前記インクジェットヘッドを行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させる第2工程を含み、
    前記第2工程において、
    前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる、
    カラーフィルターの製造方法。
  14. 有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドと、
    複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層が設けられたEL基板に対し、前記インクジェットヘッドを行方向に走査させるヘッド走査部と、
    前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴吐出を行わせる吐出制御部と、を備え、
    前記ヘッド走査部は、
    前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させる、
    有機EL表示パネルの製造装置。
  15. 表示部が形成される表示領域と表示部が形成されないダミー領域とを有するEL基板と、
    前記EL基板の上方においてピクセル単位に行列状に設けられた画素電極と、
    前記EL基板の上方に設けられ、前記複数の画素電極に対応する複数の開口部が形成された隔壁層と、
    前記表示領域の上方に存在する前記各開口部に形成された有機発光層と、
    前記ダミー領域の上方に存在する前記各開口部に形成され、前記有機発光層を構成する材料を含む有機層と、
    前記有機発光層を挟んで前記画素電極と対向して設けられた対向電極と、を備え、
    前記有機層は、行方向または列方向に膜厚が異なる、
    有機EL表示パネル。
  16. 表示部が形成される表示領域と表示部が形成されないダミー領域とを有するEL基板と、
    前記EL基板の上方においてピクセル単位に行列状に設けられた画素電極と、
    前記EL基板の上方に設けられ、前記複数の画素電極に対応する複数の開口部が形成された隔壁層と、
    前記表示領域の上方に存在する前記各開口部に形成された有機発光層と、
    前記ダミー領域の上方に存在する前記各開口部に形成され、前記有機発光層を構成する材料を含む有機層と、
    前記有機発光層を挟んで前記画素電極と対向して設けられた対向電極と、を備え、
    前記有機発光層は、
    有機発光層を構成する有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するノズルを列方向に所定のノズルピッチで複数配置したインクジェットヘッドを、前記EL基板に対して行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ液滴を吐出させ、かつ、
    前記各開口部に対し前記インクジェットヘッドを複数回にわたって走査させるとともに、1走査毎に、前記ノズルピッチの整数倍に相当する距離であって、列方向に隣接する二の開口部における向かい合う開口部の端部同士の距離以上、前記二の開口部の一端から他端までの距離以下だけ前記インクジェットヘッドを列方向に移動させることにより形成され、
    前記有機層は、前記ダミー領域に移動したノズルから、前記ダミー領域に存在する各開口部に対して液滴を吐出させて形成されることにより、列方向に膜厚が異なる、
    有機EL表示パネル。
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