JP2004014321A - 画像表示装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布する。
【解決手段】
有機EL層からなる複数色R、G、Bの単位画素を第1の方向xに配置してカラー表示を行うための画素を上記第1の方向xに第1の画素ピッチPgxで多数並べて画素列を構成すると共に、上記画素を第1の方向xと交差する第2の方向yに第2の画素ピッチPgyで多数配列し、上記第1の方向xに対して傾けたノズルNZLに有するノズル孔NHのピッチPNと画素の位置が合うように隣接する画素行を第2の方向yに所定のずれをもって並設した。
【選択図】 図5
【解決手段】
有機EL層からなる複数色R、G、Bの単位画素を第1の方向xに配置してカラー表示を行うための画素を上記第1の方向xに第1の画素ピッチPgxで多数並べて画素列を構成すると共に、上記画素を第1の方向xと交差する第2の方向yに第2の画素ピッチPgyで多数配列し、上記第1の方向xに対して傾けたノズルNZLに有するノズル孔NHのピッチPNと画素の位置が合うように隣接する画素行を第2の方向yに所定のずれをもって並設した。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に係り、特に画素を構成する発光層やカラーフィルタ層を有する画像表示装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化社会の到来に伴い、パソコン、カーナビ、携帯情報端末、情報通信機器あるいはこれらの複合製品の需要が増大している。これらの製品の表示手段には、薄型、軽量、低消費電力のディスプレイデバイスが適しており、液晶表示装置あるいは発光ダイオードなどの自発光型の電気光学素子を用いた画像表示装置が用いられている。また、自発光型画像表示装置として、プラズマ表示装置も実用化されている。
【0003】
自発光型の電気光学素子を用いた表示装置は、視認性がよいこと、広い視角特性を有すること、高速応答で動画表示に適していることなどの特徴があり、映像表示には特に好適と考えられている。特に、近年の有機物を発光層とする有機EL表示装置を用いた画像表示装置は発光効率の急速な向上と映像通信を可能にするネットワーク技術の進展とが相まって、実用化の期待が高い。有機EL発光素子(OLED)は有機発光層(有機EL層)を2枚の電極で挟んだダイオード構造を有する。このような有機EL発光素子を用いて構成した有機EL表示装置では、その画素選択を薄膜トランジスタ(以下、TFTとも称する)をスイッチング素子(アクティブ素子)としたものが一般的である。
【0004】
図21は薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL発光素子(OLED)の発光機構を説明する1画素付近の模式図である。図中の参照符号Iで示した矢印は発光に寄与する電流の経路を示す。有機EL発光素子(OLED)を用いた表示装置では、ガラス等の絶縁基板SUB上にポリシリコン層PSIなどで形成した各画素の薄膜トランジスタTFTを有する。薄膜トランジスタTFTは、ポリシリコン層PSI上に第1の絶縁層IS1、ゲート配線(走査線)GL、第2の絶縁層IS2、ソース配線SD、第3の絶縁層IS3を有し、第3の絶縁層IS3の上層部に形成した保護膜PSVの上に第1の電極層となるITOのパターンが形成される。この第1の電極層ADは保護膜PSVと第3の絶縁層IS3を貫通して開けたコンタクトホールでソース配線SDに接続されている。
【0005】
そして、保護膜PSVの上に有機EL層OLEを塗布する前に、アクリル樹脂からなる流動性のある層間絶縁層ILIを塗布して表面の平滑性を向上させると共に、フォトリソグラフィ技法等の加工手段で当該層間絶縁層ILIの画素領域に開口を形成する。この開口は第1の電極層ADのパターンの内側において有機EL層を設けるために要する領域だけに形成される。
【0006】
したがって、画素領域には層間絶縁層ILIがテーパをもつ内壁となって底面に平坦な第1の電極層ADが露出した凹部が形成されることになる。この凹部に有機EL層OLEを塗布することで、画素領域には所要の厚みで均一な有機EL層OLEが収容される。また、画素領域の周囲に塗布された有機EL層OLEは層間絶縁層ILIで第1の電極層ADから隔離される。
【0007】
有機EL層OLEの塗布後、上層を覆って第2の電極層CDが形成される。この第2の電極層CDは金属膜を好適とする。層間絶縁層ILIがテーパをもつことで、その上に塗布される有機EL層OLEおよび第2の電極層CDに、所謂段切れは発生し難い。有機EL層OLEの周囲にある端縁で形成される当該第2の電極層CDは、その端縁を含めて第1の電極層ADから離間される。そのため、第1の電極層AD、第2の電極層CDの何れかあるいは双方の端縁の間でのリーク電流の発生は充分に防止される。
【0008】
薄膜トランジスタTFTはドライバトランジスタ(図11で後述する薄膜トランジスタTFT2に相当)であり、この薄膜トランジスタTFTがゲート線GLで選択されたとき、電流供給バスラインから分岐した電流供給線より、コンデンサに保持されたデータ信号に応じた階調の電流値の電流Iが当該薄膜トランジスタTFTを通して有機EL層OLEを挟む一方の電極である第1の電極層ADに供給される。
【0009】
有機EL発光素子OLEDは、その有機EL層OLE内で第2の電極層CDからの電子と第1の電極層ADからのホールとが再結合し、当該有機発光層OLEの材料特性に応じたスペクトルの光Lを発光する。第1の電極層ADは各画素毎に独立であるが、第2の電極層CDは全画素についてべた膜状に形成されている。薄膜トランジスタTFTから有機発光素子OEを通った電流は第2の電極層CDから図示しない電流引抜き線を通して流れ出る。このような画素が多数マトリクス配列されて2次元の画像表示装置が構成される。
【0010】
有機EL画像表示装置(または、単に有機EL表示装置とも言う)の表示面にはガラスを好適とする基板を用い、その基板の内面に有機EL層を有する多数の画素構造を形成している。そして、有機EL層の光学特性が湿度によって劣化するのを回避するために他のガラス材あるいは金属製の缶(封止缶)で背面を覆い、周縁を封止して外部雰囲気からの湿気や酸素等のガスの浸入を遮断している。
【0011】
上記画素構造は、基板面にマトリクス状に配列した多数の薄膜トランジスタ、画素電極、有機EL層、対向電極を有し、各薄膜トランジスタで駆動される画素電極を一方の電極とし、対向電極である他方の電極の間に有機EL層を挟んで構成される。そして、有機EL層は画素電極と対向電極の間に形成される電界により発光し、当該有機EL層の組成に応じた光を発光することは前記のとおりである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
通常、有機EL層は画素領域に形成した上に塗布され、その後に対向電極が形成される。この有機EL層の塗布には印刷方式あるいはインクジェット方式等が用いられるが、高精細な画素を形成する上では現在のところインクジェット方式が好適である。このためのインクジェット装置に有するインクジェットノズル(以下、単にノズルとも称する)は一方向に複数のノズル孔(インク吐出孔)を一線上に配列し、マトリクス配列された画素領域に対してある一方向に沿ってノズルを移動させながらノズル孔から有機EL材料(以下、有機ELインクと称する)を吐出する方法を採用している。しかし、インクジェット方式では有機EL層を塗布する場合、所定間隔で多数配列された画素(カラー表示では各色を構成する単位画素)とインクジェット装置のノズルに他の所定間隔で配置したノズル孔のピッチを合わせることが難しい。
【0013】
本発明の第1の目的は、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布した画像表示装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布する製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1は画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチずれと有機EL層の塗布精度を上げる一方法を説明する模式図である。図1において、参照符号ARは表示領域であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の単位画素からなるカラー1画素をx方向(例えば、画面の水平走査方向:x方向)およびy方向(例えば、画面の垂直走査方向)に多数マトリクス状に配列してある。このカラー1画素はx方向のピッチPgxで配列されている。(本明細書では、赤、緑、青の3色の単位画素を1カラー画素としたとき、x方向に配列する同色の画素の間のピッチを画素ピッチPgxとして説明する)。
【0015】
参照符号NZLはインクジェット装置のノズル、NH(NH1〜・・NHn)はノズルNZLに所定のピッチ(ノズルピッチPN)で配列されたノズル孔を示す。このような表示領域の各単位画素R、G、Bに対して、インクジェット装置のインクジェットノズルNZLを各色毎に位置合わせし、ノズル孔NHから各単位画素毎に有機EL層となるの有機ELインクを吐出させることで所定の画素に所定の有機EL層を塗布する。
【0016】
画素ピッチPgxでマトリクス配列された画素領域の一方向のピッチ(x方向の画素ピッチPgx)とインクジェットノズルの配列ピッチPNに当該方向を位置合わせすることは困難である。通常、ノズルピッチPN>画素ピッチPgxであり、例えば、222μmの画素ピッチPgxに対してノズル孔NHの配列ピッチPNは例えば338.667μm(75dpi)である。したがって、この場合、ノズル孔NHの配列個数を128としたとき、視覚的に許容される両ピッチの合わせ誤差±10μmを得るためには、使用できるノズル孔NHは12個となる。
【0017】
図2は画素ピッチとインクジェットノズルのノズルピッチが、実用的に許容される合わせ誤差±10μm以内となる場合のノズル孔の個数とその合わせ誤差の説明図である。図2において、三角印は合わせ誤差±10μm以内となるノズル孔の分布を示す。
【0018】
また、画素ピッチとインクジェット装置のノズル孔のピッチずれを補正して有機EL層の塗布精度を上げる他の方向も提案されている。
【0019】
図3はインクジェット方式による有機EL層の塗布精度を上げる他の方法を説明する模式図である。この方法は、画素ピッチPgxとノズル孔NHの配列ピッチPNのx方向誤差を表示領域ARの画素配列パターンをずらすことで対策するものである。図3では、x方向誤差を三画素毎に表示領域DRを分割し、分割した領域AR1とAR2の間、AR2とAR3の間にノズル孔NHとのずれ量に応じた分の間隙Δxを設けている。
【0020】
しかし、表示領域で画素配列パターンの間に間隙Δxを設けると、有機EL層の塗布精度は向上するが、画素の稠密性が低下し、間隙Δxで区切られた隣接画素間の非発光部分が目立ち、画質を低下させてしまう。
【0021】
このような画素領域とインクジェット装置のノズル孔とのピッチ合わせを行うための一方法として、インクジェットノズルを単位画素の配列方向(x方向)に対して傾斜させて(y方向)に所定の角度で傾斜させることでノズル孔ピッチの余弦サイズを画素ピッチに合わせる方法がある。
【0022】
図4は画素ピッチにノズル孔ピッチを合わせるためにノズルを傾ける方法を説明する模式図である。画素(R、G、B)はx方向ピッチPgx、y方向ピッチPgyで規則的に配列されている。ノズルNZLに有するノズル孔NHはピッチPNで配列されている。ここでは、x方向の画素ピッチPgxは222μm、ノズル孔NHのピッチPNは前記と同様の75dpi(338.667μm)である。この場合、インクジェットノズルNZLは、そのノズル配列線をx方向に対して49°傾けることでノズル孔NHを画素に合わせている。
【0023】
しかし、x方向でのノズル孔ピッチPgxをx方向の画素ピッチPgxに合わせてもy方向では画素ピッチPgyにノズル孔ピッチPNが合わなくなる。図4ではインクジェット装置の図中の左下にある一端のノズル孔NH1を最初の画素の中央部に合わせたとき、次のノズル孔NH2、さらにその次のノズル孔NH2、・・・・は順にy方向上方にずれて行き、ノズル孔NH5では上方に隣接する画素の境界にかかってしまう。そのため、ノズル孔から吐出された有機ELインクが図21で説明した第2電極cdの凹みに納まらずに隣接する単位画素に塗布されてしまうことが起こる。
【0024】
このy方向の画素ピッチPgyにノズル孔ピッチPNを合わせ、画素の位置に合ったノズルを選択して有機ELを吐出させる必要があり、全ノズルから同時に有機ELインクを吐出する場合に比べてその吐出周波数が極めて高いものとなる。したがって、その制御は複雑なものとなる。
【0025】
以上の事実を踏まえ、上記第1の目的を達成するために、本発明は、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列とし、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設した。
【0026】
これにより、カラー表示を行うための画素を構成する単位画素の発光領域を構成する有機EL層が正確な位置に形成され、均一なカラー表示を実現できる。以下、本発明の第1の目的を達成するための代表的な特徴を記述する。
【0027】
(1)、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置であって、
前記第1の方向xに対して傾けたノズルに有するノズル孔のピッチと画素の位置が合うように隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されていることを特徴とする。
【0028】
(2)、(1)において、前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2であることを特徴とする。
【0029】
(3)、(2)において、前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2である画素行を一組み単位の画素行とし、前記一組み単位の画素行が前記画素領域の前記第1の方向と第2の方向で繰り返しパターンを形成していることを特徴とする。
【0030】
(4)、第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記第1の方向に直線的に形成されて前記スイッチング素子との間に前記画素列のずれに応じた距離を有することを特徴とする。
【0031】
(5)、第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記スイッチング素子との間の距離を等しくする如く、前記画素列のずれに応じて前記第2の方向に曲がりもって形成されていることを特徴とする。
【0032】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、インクジェット装置のノズル配列方向を画素領域の一方向(x方向)に対して、上記一方向(x方向)と直交する他方向(y方向)に隣接するカラー画素(R、G、B)の同一単位画素がノズル孔のピッチに一致するように傾斜させ、多数のノズル孔から同時に有機ELを同一単位画素に吐出するようにした。これにより、ノズルの吐出周波数が下がり、有機EL層の塗布制御が容易になる。以下、本発明の第2の目的を達成するための代表的な構成を記述する。
【0033】
(6)、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置の製造方法であって、
前記第1の画素ピッチより大きいノズルピッチで一列配列した多数のノズルを有するインクジェットノズルの各ノズル孔が隣接する前記画素の各単位画素に対応するように前記第1の方向に対して所定の角度で傾斜させて配置し、
前記インクジェットノズルを前記第2の方向に移動させながら前記複数のノズル孔から同時に有機ELを吐出させて前記第1の方向に配列される画素を構成する単位画素に塗布することを特徴とする。
【0034】
(7)、(6)において、前記インクジェットノズルによる有機ELの吐出は前記単位画素につき1回であることを特徴とする。
【0035】
(8)、(6)において、前記インクジェットノズルによる有機ELの吐出は前記単位画素につき2回以上であることを特徴とする。
【0036】
なお、本発明は上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更が可能であることは言うまでもない。本発明の他の目的および構成は後述する実施の形態の記載から明らかになるであろう。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図5は本発明の一実施例を説明する画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチの配置説明図である。図1、図3および図4と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本実施例では、各画素(R、G、B)のy方向の中央部を図4で説明したノズル孔NHのずれに合わせてy方向にずらして配置している。
【0038】
図5では図4と同様の画素ピッチPgx、ノズル孔ピッチPNでインクジェットノズルNZLがx方向で画素の位置に合わせて傾斜させた場合である。この場合、各ノズル孔NH1〜NH5がそれぞれカラー画素を構成する同一色の単位画素の中央部に合わせて画素のy方向ピッチPgyを図5の右上方向(以下、+方向)にずらしてある。
【0039】
表示領域におけるカラー画素に許容されるy方向ずれをPgy/2とすると、ノズル孔NH6で塗布される単位画素をノズル孔NH1のx方向中央をとおる線に対して図5の右下方向(以下、−方向)にPgy/2だけ戻して配置する。こうすることでノズル孔NH1〜NH6から同時に有機ELインクを吐出させることができる。
【0040】
したがって画素のy方向ピッチPgyをx方向の6画素分について同時に有機EL層の塗布ができ、インクジェット装置のノズル制御が容易になる。
【0041】
図6はインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチを変えた場合の+方向および−方向におけるy方向の画素間のずれ量の許容範囲を算出した結果の説明図である。図6の横軸は画素ピッチPgy(mm)、縦軸は各画素間のずれ量(mm)である。なお各画素間のずれ量Dは、画素ピッチPgy、ノズル孔ピッチPNについて、D=Pgy−PN×sin(acosPgy/PN)で計算される。
【0042】
図6では、ノズル孔のピッチPNを75dpi、50dpi、37.5dpi、100dpiとした各場合のy方向の画素間の+方向と−方向のずれ量の許容範囲を太直線で示してある。このように、画素間の+方向と−方向のずれ量は画素ピッチPgyとノズル孔のピッチPNに応じて設定される。
【0043】
図7は本発明における画素とゲート線の第1の配置例の説明図である。画素をy方向にずらした場合、各画素に対応する薄膜トランジスタのゲート線GLが開口率に大きく影響しないように敷設することも必要になる。図7において、参照符号DLはデータ線、GL(GLn、GLn+1)はゲート線、GTはゲート電極、LDは単位画素領域、TFTは薄膜トランジスタを示す。
【0044】
この配置例は画素をy方向にずらしたときのゲート線GLをx方向に直線的に敷設したもので、ゲート線GLと薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTの距離が前記したy方向の画素のずれに応じて変化している。ゲート電極GTはゲート線GLから薄膜トランジスタTFT形成部分に延びるようにパターニングする必要がある。この例では、ゲート線GLの一部が画素領域LDに若干入り込んでいる。画素領域LDへのゲート線GLの入り込み量が最小となるように画素のy方向の+と−の両方向の繰り返し数を設定する。
【0045】
図8は本発明における画素とゲート線の第2の配置例の説明図である。この例では、ゲート線GLはy方向の画素のずれに応じて屈曲させて形成させている。従って、薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTはゲート線GL上でよく、ゲート線GLとゲート電極GTは何れの薄膜トランジスタTFTについても同じとなり、ゲート線GLは画素の開口率に影響を及ぼすことはない。
【0046】
図9はインクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機EL層の塗布を1単位画素に1滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。ここでの有機EL層の塗布条件は、画素ピッチが222μmに対してノズルピッチが75dpiである。図9において、LD(R)は赤の単位画素、LD(G)は緑の単位画素、LD(B)は青の単位画素であり、x方向に並設される単位画素LD(R)、LD(G)、LD(B)で1カラー画素を構成する。
【0047】
参照符号NXL−Lはx方向に所定の角度で傾けたインクジェット装置のノズルのノズル孔の整列線、xn、xn+1はy方向に隣接する基準の画素(a、a’)の中央を通るx方向線示す。また、参照符号DPは有機ELインクの塗布位置(吐出位置)で、各単位画素への有機ELインクの吐出は各単位画素の中央において行われる。y方向に隣接するx方向線xnとxn+1の間で塗布される位置にある画素a,a’、b,b’、c,c’、d,d’は前記した+方向に順次ずらして行き、x方向線xnを超えてy方向+側にずれる画素からy方向−方向に鏡像になるよう(画素dが画素e’の位置に、画素d’が画素eの位置)になるように戻して、画素h、h’が画素a、a’の位置になるように塗布することを繰り返す。
【0048】
図10はインクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機ELインクの塗布を1単位画素に2滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。ここでの有機ELの塗布条件も、画素ピッチが222μmに対してノズルピッチが75dpiである。各単位画素への有機ELインクの吐出は各単位画素におけるx方向線をy方向に略等間隔で挟んだ位置(y方向の単位画素サイズの1/2の位置)において行われる。a,a’、b,b’、c,c’、d,d’、e,e’、f,f’、g,g’、h,h’はインクジェットノズルの配列線NZL−Lの移動により各画素のy方向端部とx方向線xn、xn+1の間隔の1/2以内で2滴ずつ有機ELインクの吐出が行われように各画素がy方向の+、−方向にずらされる。
【0049】
以上のような方法で有機ELインクの塗布を行うことにより、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布することができる。
【0050】
図11は有機EL表示装置の画素構成例の説明図である。画素PXはデータ線DLとゲート線GLで囲まれた領域に配置されたスイッチングトランジスタである第1の薄膜トランジスタTFT1、ドライバトランジスタである第2の薄膜トランジスタTFT2、コンデンサCPR、および有機EL発光素子OLEDで構成される。薄膜トランジスタTFT1のゲートはゲート線GLに、ドレインはデータ線DLに接続されている。薄膜トランジスタTFT2のゲートは薄膜トランジスタTFT1のソースに接続され、この接続点にコンデンサCPRの一方の電極(+極)が接続されている。
【0051】
画素PXが走査線GLで選択されて薄膜トランジスタTFT1がターンオンすると、データ線DLから供給される画像信号がコンデンサCPRに蓄積される。そして、薄膜トランジスタTFT1がターンオフした時点で薄膜トランジスタTFT2がターンオンし、電流供給線CSLからの電流が有機ELOLEDに流れ、ほぼ1フレーム期間(または、1フィールド期間、以下同様)にわたってこの電流が持続する。このとき流れる電流はコンデンサCPRに蓄積されている信号電荷で規定される。
【0052】
図12は有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。図11で説明した画素をマトリクス状に配列して表示領域ARを形成する。データ線DLはデータ駆動回路DDRにより駆動される。また、ゲート線GLはゲート駆動回路GDRで駆動される。参照符号CSLは電流供給線で、電流供給バスラインCSLBを介して図示しない電流供給回路に接続している。なお、TMは外部入力端子を示す。
【0053】
図13はカラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。図12における画素PXは単位画素であり、ゲート線GL方向に3つの単位画素R、G、Bで1カラー画素を構成する。他の構成は図12と同様である。
【0054】
図14は本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第1の構成を説明する平面図である。1単位画素はゲート線GLとデータ線DLに囲まれた領域に形成される。なお、参照符号ADは第1の電極層(ここでは陽極)、CSLは電流供給線である。単位画素回路は、第1の薄膜トランジスタTFT1(スイッチングトランジスタ)と第2の薄膜トランジスタTFT2(ドライバトランジスタ)およびコンデンサCPRで構成される。そして、有機EL層を収容する開口DEは上記の画素回路や各配線を避けた部分に設けられる。
【0055】
図15は本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第2の構成を説明する平面図である。図14と同一参照符号は同一機能部分に対応する。前記と同様に1単位画素はゲート線GLとデータ線DLに囲まれた領域に形成される。本構成例では、有機EL層OLEを収容する開口DEは上記の画素回路や各配線を避けた部分に設ける必要がない。したがって、本構成としたことで開口率が大きく、広い面積の画素を形成できるという利点があり、全体として明るい画面の表示装置を、また同じ明るさであればより低消費電力、長寿命の表示装置を得ることができる。
【0056】
図6は本発明による有機EL表示装置の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。本構成例では図21で説明した保護膜PSV(=第1の保護膜PSV1)の上にさらに第2の保護膜PSV2を形成したものである。他の構成は図21と同様である。
【0057】
本構成例は、有機EL形成層の最上層がさらに平坦化されると共に外部からのガスや湿気の侵入がより確実に防止されるため、表示装置の信頼性をさらに高めることができる。
【0058】
図17は本発明による有機EL表示装置の製造工程の一実施例を説明する1単位画素付近の断面を工程順に説明する模式図である。本実施例は、所謂トップゲート構造の薄膜トランジスタを用いたものであるが、所謂ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの場合も同様である。以下、本工程を(1)〜(11)の順で説明する。
【0059】
(1)ガラス基板SUBの上にポリシリコン半導体層PSIをパターニングし、結晶化のためのレーザアニールを施す。
【0060】
(2)その上に第1の絶縁層IS1を形成する。
【0061】
(3)チタン(Ti)あるいはタングステン(W)等の導電性薄膜を被着し、パターニングしてゲート配線(走査線)GLを形成する。
【0062】
(4)第2の絶縁層IS2を形成し、必要な箇所にコンタクトホールを開ける。
【0063】
(5)ソース電極SDとなるアルミニウム配線を形成する(必要に応じて、アルミニウム薄膜の上下をチタン(Ti)あるいはタングステン(W)等でサンドイッチする)。
【0064】
(6)アルミニウム配線を覆って第3の絶縁層IS3を形成する。
【0065】
(7)さらに保護膜PSVをp−SiN等で形成し、この保護膜PSVと第3の絶縁層IS3を貫通してソース電極SDに達するコンタクトホールを開ける。
【0066】
(8)ITOを被着して第1の電極層ADを形成する。この第1の電極層ADをコンタクトホールを通してソース電極SDに接続する。
【0067】
(9)有機発光層を第1の電極層ADの端部から絶縁するための層間絶縁層ILIを形成する。そして、層間絶縁層ILIに、発光に要する画素領域および外部接続に必要な箇所に開口を開ける。層間絶縁層ILIは流動性のあるアクリル樹脂を用いる。画素領域の開口のパターン形成時に熱を加えることによって内壁にはテーパが形成される。
【0068】
(10)画素領域の開口に有機発光層OLEを塗布する。この有機発光層OLEの塗布は、マスク印刷、インクジェットなどの手法で行われる。
【0069】
(11)有機発光層OLEを覆って金属層を形成して第2の電極層CDを設ける。図16の構造とする場合は、第2の電極層CDの上に第2の保護膜PSV2を形成する。
【0070】
以上の工程の後、封止缶あるいはガラス、セラミックス等の適宜の部材で封止し、モジュール化して表示装置を完成する。
【0071】
図18は本発明による有機EL表示装置の他の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図16と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例では、図16に示した層間絶縁層ILIの膜厚が1μm程度であるのに対し、これを例えば2〜3μmと厚くして有機発光層OLEが収容される開口(凹部)の容積を大きくしたものである。
【0072】
本構成例は、特に有機発光層OLEをインクジェット方式で塗布する場合に適している構造としたものである。インクジェット方式で有機EL層OLEを塗布する場合は、有機EL材料を何らかの溶媒で希釈して容量が大きくなった状態でインクジェットノズルから層間絶縁層の開口に飛ばして第1の電極層AD上に到達させる。
【0073】
このとき、開口の容積を大きく(深く)したことで、隣接する単位画素の開口同士の混色を避けることができる。また、層間絶縁層の開口を形成する内壁のテーパ角を緩やかなものとすることでさらに隣接する画素への混色が効果的に避けることができる。すなわち、本構成例によれば、前記構成例の効果に加えて、各画素に塗布した有機発光層を明確に分離でき、発光色の彩度の劣化が回避できる。
【0074】
図19は本発明による表示装置のさらに他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図18と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例は、絶縁層ISや保護膜PSVを画素領域で除去し、有機EL層OLEが収容される開口(凹部)の容積をさらに大きくしたものである。
【0075】
開口である凹部の内壁に層間絶縁層ILIが形成されるようにし、有機発光層OLEの絶縁層は第1の電極層ADの上に形成され、凹部の底部で開口するようにしている。この開口に有機発光層OLEを収容し、その上に第2の電極層CDを形成する。本構成例も有機発光層OELをインクジェット方式で塗布する場合に適しており、前記構成例の効果に加えて、各画素に塗布した有機EL層を明確に分離でき、発光色の彩度の劣化が回避できる。
【0076】
図20は本発明による有機EL表示装置のまた他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図19と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例は、発光の出射方向を基板SUBと反対側とした構成である。図中、CD’は金属薄膜で形成した第1の電極層(ここでは陰極)、AD’はITO等の透明な導電膜で形成した第2の電極層(ここでは陽極)を示す。
【0077】
本構成例では、有機EL層OLEでの発光光が第2の電極層AD’側から出射する。したがって、第2の電極層AD’側に設ける図示しない封止部材はガラス等の透明部材とする。
【0078】
また、本発明は上記した有機EL表示装置に限るものではなく、例えばプラズマ表示装置の蛍光体層の塗布などにも適用できる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に精度よく塗布でき、モノクロ画素でも、あるいはカラー表示を行うための画素を構成する単位画素に対してもその発光領域を構成する有機EL層は正確な位置に形成され、均一なカラー表示を実現した画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチずれと有機EL層の塗布精度を上げる一方法を説明する模式図である。
【図2】画素ピッチとインクジェットノズルのノズルピッチが、実用的に許容される合わせ誤差±10μm以内となる場合のノズル孔の個数とその合わせ誤差の説明図である。
【図3】インクジェット方式による有機EL層の塗布精度を上げる他の方法を説明する模式図である。
【図4】画素ピッチにノズル孔ピッチを合わせるためにノズルを傾ける方法を説明する模式図である。
【図5】本発明の一実施例を説明する画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチの配置説明図である。
【図6】インクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチを変えた場合の+方向および−方向におけるy方向の画素間のずれ量の許容範囲を算出した結果の説明図である。
【図7】本発明における画素とゲート線の第1の配置例の説明図である。
【図8】本発明における画素とゲート線の第2の配置例の説明図である。
【図9】インクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機EL層の塗布を1単位画素に1滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。
【図10】インクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機ELインクの塗布を1単位画素に2滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。
【図11】有機EL表示装置の画素構成例の説明図である。
【図12】有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。
【図13】カラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。
【図14】本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第1の構成を説明する平面図である。
【図15】本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第2の構成を説明する平面図である。
【図16】本発明による有機EL表示装置の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図17】本発明による有機EL表示装置の製造工程の一実施例を説明する1単位画素付近の断面を工程順に説明する模式図である。
【図18】本発明による有機EL表示装置の他の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図19】本発明による表示装置のさらに他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図20】本発明による有機EL表示装置のまた他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図19と同一参照符号は同一機能部分に対応する。
【図21】薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL表示装置(OLED表示装置)の発光機構を説明する1画素付近の模式図である。
【符号の説明】
SUB・・・・絶縁基板、PSI・・・ポリシリコン層、TFT・・・・薄膜トランジスタ、FTを有する。IS1・・・・第1の絶縁層、GL・・・・ゲート線(走査線)、IS2・・・・第2の絶縁層、SD・・・・ソース配線、IS3・・・・第3の絶縁層、PSV・・・・保護膜、AD・・・・第1の電極層、OLE・・・・有機EL層、IL1・・・・層間絶縁層、CD・・・・第2の電極層、NZL・・・・インクジェット装置、NH(NH1〜・・NHn)・・・・ノズル孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に係り、特に画素を構成する発光層やカラーフィルタ層を有する画像表示装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化社会の到来に伴い、パソコン、カーナビ、携帯情報端末、情報通信機器あるいはこれらの複合製品の需要が増大している。これらの製品の表示手段には、薄型、軽量、低消費電力のディスプレイデバイスが適しており、液晶表示装置あるいは発光ダイオードなどの自発光型の電気光学素子を用いた画像表示装置が用いられている。また、自発光型画像表示装置として、プラズマ表示装置も実用化されている。
【0003】
自発光型の電気光学素子を用いた表示装置は、視認性がよいこと、広い視角特性を有すること、高速応答で動画表示に適していることなどの特徴があり、映像表示には特に好適と考えられている。特に、近年の有機物を発光層とする有機EL表示装置を用いた画像表示装置は発光効率の急速な向上と映像通信を可能にするネットワーク技術の進展とが相まって、実用化の期待が高い。有機EL発光素子(OLED)は有機発光層(有機EL層)を2枚の電極で挟んだダイオード構造を有する。このような有機EL発光素子を用いて構成した有機EL表示装置では、その画素選択を薄膜トランジスタ(以下、TFTとも称する)をスイッチング素子(アクティブ素子)としたものが一般的である。
【0004】
図21は薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL発光素子(OLED)の発光機構を説明する1画素付近の模式図である。図中の参照符号Iで示した矢印は発光に寄与する電流の経路を示す。有機EL発光素子(OLED)を用いた表示装置では、ガラス等の絶縁基板SUB上にポリシリコン層PSIなどで形成した各画素の薄膜トランジスタTFTを有する。薄膜トランジスタTFTは、ポリシリコン層PSI上に第1の絶縁層IS1、ゲート配線(走査線)GL、第2の絶縁層IS2、ソース配線SD、第3の絶縁層IS3を有し、第3の絶縁層IS3の上層部に形成した保護膜PSVの上に第1の電極層となるITOのパターンが形成される。この第1の電極層ADは保護膜PSVと第3の絶縁層IS3を貫通して開けたコンタクトホールでソース配線SDに接続されている。
【0005】
そして、保護膜PSVの上に有機EL層OLEを塗布する前に、アクリル樹脂からなる流動性のある層間絶縁層ILIを塗布して表面の平滑性を向上させると共に、フォトリソグラフィ技法等の加工手段で当該層間絶縁層ILIの画素領域に開口を形成する。この開口は第1の電極層ADのパターンの内側において有機EL層を設けるために要する領域だけに形成される。
【0006】
したがって、画素領域には層間絶縁層ILIがテーパをもつ内壁となって底面に平坦な第1の電極層ADが露出した凹部が形成されることになる。この凹部に有機EL層OLEを塗布することで、画素領域には所要の厚みで均一な有機EL層OLEが収容される。また、画素領域の周囲に塗布された有機EL層OLEは層間絶縁層ILIで第1の電極層ADから隔離される。
【0007】
有機EL層OLEの塗布後、上層を覆って第2の電極層CDが形成される。この第2の電極層CDは金属膜を好適とする。層間絶縁層ILIがテーパをもつことで、その上に塗布される有機EL層OLEおよび第2の電極層CDに、所謂段切れは発生し難い。有機EL層OLEの周囲にある端縁で形成される当該第2の電極層CDは、その端縁を含めて第1の電極層ADから離間される。そのため、第1の電極層AD、第2の電極層CDの何れかあるいは双方の端縁の間でのリーク電流の発生は充分に防止される。
【0008】
薄膜トランジスタTFTはドライバトランジスタ(図11で後述する薄膜トランジスタTFT2に相当)であり、この薄膜トランジスタTFTがゲート線GLで選択されたとき、電流供給バスラインから分岐した電流供給線より、コンデンサに保持されたデータ信号に応じた階調の電流値の電流Iが当該薄膜トランジスタTFTを通して有機EL層OLEを挟む一方の電極である第1の電極層ADに供給される。
【0009】
有機EL発光素子OLEDは、その有機EL層OLE内で第2の電極層CDからの電子と第1の電極層ADからのホールとが再結合し、当該有機発光層OLEの材料特性に応じたスペクトルの光Lを発光する。第1の電極層ADは各画素毎に独立であるが、第2の電極層CDは全画素についてべた膜状に形成されている。薄膜トランジスタTFTから有機発光素子OEを通った電流は第2の電極層CDから図示しない電流引抜き線を通して流れ出る。このような画素が多数マトリクス配列されて2次元の画像表示装置が構成される。
【0010】
有機EL画像表示装置(または、単に有機EL表示装置とも言う)の表示面にはガラスを好適とする基板を用い、その基板の内面に有機EL層を有する多数の画素構造を形成している。そして、有機EL層の光学特性が湿度によって劣化するのを回避するために他のガラス材あるいは金属製の缶(封止缶)で背面を覆い、周縁を封止して外部雰囲気からの湿気や酸素等のガスの浸入を遮断している。
【0011】
上記画素構造は、基板面にマトリクス状に配列した多数の薄膜トランジスタ、画素電極、有機EL層、対向電極を有し、各薄膜トランジスタで駆動される画素電極を一方の電極とし、対向電極である他方の電極の間に有機EL層を挟んで構成される。そして、有機EL層は画素電極と対向電極の間に形成される電界により発光し、当該有機EL層の組成に応じた光を発光することは前記のとおりである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
通常、有機EL層は画素領域に形成した上に塗布され、その後に対向電極が形成される。この有機EL層の塗布には印刷方式あるいはインクジェット方式等が用いられるが、高精細な画素を形成する上では現在のところインクジェット方式が好適である。このためのインクジェット装置に有するインクジェットノズル(以下、単にノズルとも称する)は一方向に複数のノズル孔(インク吐出孔)を一線上に配列し、マトリクス配列された画素領域に対してある一方向に沿ってノズルを移動させながらノズル孔から有機EL材料(以下、有機ELインクと称する)を吐出する方法を採用している。しかし、インクジェット方式では有機EL層を塗布する場合、所定間隔で多数配列された画素(カラー表示では各色を構成する単位画素)とインクジェット装置のノズルに他の所定間隔で配置したノズル孔のピッチを合わせることが難しい。
【0013】
本発明の第1の目的は、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布した画像表示装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布する製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1は画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチずれと有機EL層の塗布精度を上げる一方法を説明する模式図である。図1において、参照符号ARは表示領域であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の単位画素からなるカラー1画素をx方向(例えば、画面の水平走査方向:x方向)およびy方向(例えば、画面の垂直走査方向)に多数マトリクス状に配列してある。このカラー1画素はx方向のピッチPgxで配列されている。(本明細書では、赤、緑、青の3色の単位画素を1カラー画素としたとき、x方向に配列する同色の画素の間のピッチを画素ピッチPgxとして説明する)。
【0015】
参照符号NZLはインクジェット装置のノズル、NH(NH1〜・・NHn)はノズルNZLに所定のピッチ(ノズルピッチPN)で配列されたノズル孔を示す。このような表示領域の各単位画素R、G、Bに対して、インクジェット装置のインクジェットノズルNZLを各色毎に位置合わせし、ノズル孔NHから各単位画素毎に有機EL層となるの有機ELインクを吐出させることで所定の画素に所定の有機EL層を塗布する。
【0016】
画素ピッチPgxでマトリクス配列された画素領域の一方向のピッチ(x方向の画素ピッチPgx)とインクジェットノズルの配列ピッチPNに当該方向を位置合わせすることは困難である。通常、ノズルピッチPN>画素ピッチPgxであり、例えば、222μmの画素ピッチPgxに対してノズル孔NHの配列ピッチPNは例えば338.667μm(75dpi)である。したがって、この場合、ノズル孔NHの配列個数を128としたとき、視覚的に許容される両ピッチの合わせ誤差±10μmを得るためには、使用できるノズル孔NHは12個となる。
【0017】
図2は画素ピッチとインクジェットノズルのノズルピッチが、実用的に許容される合わせ誤差±10μm以内となる場合のノズル孔の個数とその合わせ誤差の説明図である。図2において、三角印は合わせ誤差±10μm以内となるノズル孔の分布を示す。
【0018】
また、画素ピッチとインクジェット装置のノズル孔のピッチずれを補正して有機EL層の塗布精度を上げる他の方向も提案されている。
【0019】
図3はインクジェット方式による有機EL層の塗布精度を上げる他の方法を説明する模式図である。この方法は、画素ピッチPgxとノズル孔NHの配列ピッチPNのx方向誤差を表示領域ARの画素配列パターンをずらすことで対策するものである。図3では、x方向誤差を三画素毎に表示領域DRを分割し、分割した領域AR1とAR2の間、AR2とAR3の間にノズル孔NHとのずれ量に応じた分の間隙Δxを設けている。
【0020】
しかし、表示領域で画素配列パターンの間に間隙Δxを設けると、有機EL層の塗布精度は向上するが、画素の稠密性が低下し、間隙Δxで区切られた隣接画素間の非発光部分が目立ち、画質を低下させてしまう。
【0021】
このような画素領域とインクジェット装置のノズル孔とのピッチ合わせを行うための一方法として、インクジェットノズルを単位画素の配列方向(x方向)に対して傾斜させて(y方向)に所定の角度で傾斜させることでノズル孔ピッチの余弦サイズを画素ピッチに合わせる方法がある。
【0022】
図4は画素ピッチにノズル孔ピッチを合わせるためにノズルを傾ける方法を説明する模式図である。画素(R、G、B)はx方向ピッチPgx、y方向ピッチPgyで規則的に配列されている。ノズルNZLに有するノズル孔NHはピッチPNで配列されている。ここでは、x方向の画素ピッチPgxは222μm、ノズル孔NHのピッチPNは前記と同様の75dpi(338.667μm)である。この場合、インクジェットノズルNZLは、そのノズル配列線をx方向に対して49°傾けることでノズル孔NHを画素に合わせている。
【0023】
しかし、x方向でのノズル孔ピッチPgxをx方向の画素ピッチPgxに合わせてもy方向では画素ピッチPgyにノズル孔ピッチPNが合わなくなる。図4ではインクジェット装置の図中の左下にある一端のノズル孔NH1を最初の画素の中央部に合わせたとき、次のノズル孔NH2、さらにその次のノズル孔NH2、・・・・は順にy方向上方にずれて行き、ノズル孔NH5では上方に隣接する画素の境界にかかってしまう。そのため、ノズル孔から吐出された有機ELインクが図21で説明した第2電極cdの凹みに納まらずに隣接する単位画素に塗布されてしまうことが起こる。
【0024】
このy方向の画素ピッチPgyにノズル孔ピッチPNを合わせ、画素の位置に合ったノズルを選択して有機ELを吐出させる必要があり、全ノズルから同時に有機ELインクを吐出する場合に比べてその吐出周波数が極めて高いものとなる。したがって、その制御は複雑なものとなる。
【0025】
以上の事実を踏まえ、上記第1の目的を達成するために、本発明は、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列とし、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設した。
【0026】
これにより、カラー表示を行うための画素を構成する単位画素の発光領域を構成する有機EL層が正確な位置に形成され、均一なカラー表示を実現できる。以下、本発明の第1の目的を達成するための代表的な特徴を記述する。
【0027】
(1)、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置であって、
前記第1の方向xに対して傾けたノズルに有するノズル孔のピッチと画素の位置が合うように隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されていることを特徴とする。
【0028】
(2)、(1)において、前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2であることを特徴とする。
【0029】
(3)、(2)において、前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2である画素行を一組み単位の画素行とし、前記一組み単位の画素行が前記画素領域の前記第1の方向と第2の方向で繰り返しパターンを形成していることを特徴とする。
【0030】
(4)、第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記第1の方向に直線的に形成されて前記スイッチング素子との間に前記画素列のずれに応じた距離を有することを特徴とする。
【0031】
(5)、第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記スイッチング素子との間の距離を等しくする如く、前記画素列のずれに応じて前記第2の方向に曲がりもって形成されていることを特徴とする。
【0032】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、インクジェット装置のノズル配列方向を画素領域の一方向(x方向)に対して、上記一方向(x方向)と直交する他方向(y方向)に隣接するカラー画素(R、G、B)の同一単位画素がノズル孔のピッチに一致するように傾斜させ、多数のノズル孔から同時に有機ELを同一単位画素に吐出するようにした。これにより、ノズルの吐出周波数が下がり、有機EL層の塗布制御が容易になる。以下、本発明の第2の目的を達成するための代表的な構成を記述する。
【0033】
(6)、それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置の製造方法であって、
前記第1の画素ピッチより大きいノズルピッチで一列配列した多数のノズルを有するインクジェットノズルの各ノズル孔が隣接する前記画素の各単位画素に対応するように前記第1の方向に対して所定の角度で傾斜させて配置し、
前記インクジェットノズルを前記第2の方向に移動させながら前記複数のノズル孔から同時に有機ELを吐出させて前記第1の方向に配列される画素を構成する単位画素に塗布することを特徴とする。
【0034】
(7)、(6)において、前記インクジェットノズルによる有機ELの吐出は前記単位画素につき1回であることを特徴とする。
【0035】
(8)、(6)において、前記インクジェットノズルによる有機ELの吐出は前記単位画素につき2回以上であることを特徴とする。
【0036】
なお、本発明は上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変更が可能であることは言うまでもない。本発明の他の目的および構成は後述する実施の形態の記載から明らかになるであろう。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図5は本発明の一実施例を説明する画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチの配置説明図である。図1、図3および図4と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本実施例では、各画素(R、G、B)のy方向の中央部を図4で説明したノズル孔NHのずれに合わせてy方向にずらして配置している。
【0038】
図5では図4と同様の画素ピッチPgx、ノズル孔ピッチPNでインクジェットノズルNZLがx方向で画素の位置に合わせて傾斜させた場合である。この場合、各ノズル孔NH1〜NH5がそれぞれカラー画素を構成する同一色の単位画素の中央部に合わせて画素のy方向ピッチPgyを図5の右上方向(以下、+方向)にずらしてある。
【0039】
表示領域におけるカラー画素に許容されるy方向ずれをPgy/2とすると、ノズル孔NH6で塗布される単位画素をノズル孔NH1のx方向中央をとおる線に対して図5の右下方向(以下、−方向)にPgy/2だけ戻して配置する。こうすることでノズル孔NH1〜NH6から同時に有機ELインクを吐出させることができる。
【0040】
したがって画素のy方向ピッチPgyをx方向の6画素分について同時に有機EL層の塗布ができ、インクジェット装置のノズル制御が容易になる。
【0041】
図6はインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチを変えた場合の+方向および−方向におけるy方向の画素間のずれ量の許容範囲を算出した結果の説明図である。図6の横軸は画素ピッチPgy(mm)、縦軸は各画素間のずれ量(mm)である。なお各画素間のずれ量Dは、画素ピッチPgy、ノズル孔ピッチPNについて、D=Pgy−PN×sin(acosPgy/PN)で計算される。
【0042】
図6では、ノズル孔のピッチPNを75dpi、50dpi、37.5dpi、100dpiとした各場合のy方向の画素間の+方向と−方向のずれ量の許容範囲を太直線で示してある。このように、画素間の+方向と−方向のずれ量は画素ピッチPgyとノズル孔のピッチPNに応じて設定される。
【0043】
図7は本発明における画素とゲート線の第1の配置例の説明図である。画素をy方向にずらした場合、各画素に対応する薄膜トランジスタのゲート線GLが開口率に大きく影響しないように敷設することも必要になる。図7において、参照符号DLはデータ線、GL(GLn、GLn+1)はゲート線、GTはゲート電極、LDは単位画素領域、TFTは薄膜トランジスタを示す。
【0044】
この配置例は画素をy方向にずらしたときのゲート線GLをx方向に直線的に敷設したもので、ゲート線GLと薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTの距離が前記したy方向の画素のずれに応じて変化している。ゲート電極GTはゲート線GLから薄膜トランジスタTFT形成部分に延びるようにパターニングする必要がある。この例では、ゲート線GLの一部が画素領域LDに若干入り込んでいる。画素領域LDへのゲート線GLの入り込み量が最小となるように画素のy方向の+と−の両方向の繰り返し数を設定する。
【0045】
図8は本発明における画素とゲート線の第2の配置例の説明図である。この例では、ゲート線GLはy方向の画素のずれに応じて屈曲させて形成させている。従って、薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTはゲート線GL上でよく、ゲート線GLとゲート電極GTは何れの薄膜トランジスタTFTについても同じとなり、ゲート線GLは画素の開口率に影響を及ぼすことはない。
【0046】
図9はインクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機EL層の塗布を1単位画素に1滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。ここでの有機EL層の塗布条件は、画素ピッチが222μmに対してノズルピッチが75dpiである。図9において、LD(R)は赤の単位画素、LD(G)は緑の単位画素、LD(B)は青の単位画素であり、x方向に並設される単位画素LD(R)、LD(G)、LD(B)で1カラー画素を構成する。
【0047】
参照符号NXL−Lはx方向に所定の角度で傾けたインクジェット装置のノズルのノズル孔の整列線、xn、xn+1はy方向に隣接する基準の画素(a、a’)の中央を通るx方向線示す。また、参照符号DPは有機ELインクの塗布位置(吐出位置)で、各単位画素への有機ELインクの吐出は各単位画素の中央において行われる。y方向に隣接するx方向線xnとxn+1の間で塗布される位置にある画素a,a’、b,b’、c,c’、d,d’は前記した+方向に順次ずらして行き、x方向線xnを超えてy方向+側にずれる画素からy方向−方向に鏡像になるよう(画素dが画素e’の位置に、画素d’が画素eの位置)になるように戻して、画素h、h’が画素a、a’の位置になるように塗布することを繰り返す。
【0048】
図10はインクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機ELインクの塗布を1単位画素に2滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。ここでの有機ELの塗布条件も、画素ピッチが222μmに対してノズルピッチが75dpiである。各単位画素への有機ELインクの吐出は各単位画素におけるx方向線をy方向に略等間隔で挟んだ位置(y方向の単位画素サイズの1/2の位置)において行われる。a,a’、b,b’、c,c’、d,d’、e,e’、f,f’、g,g’、h,h’はインクジェットノズルの配列線NZL−Lの移動により各画素のy方向端部とx方向線xn、xn+1の間隔の1/2以内で2滴ずつ有機ELインクの吐出が行われように各画素がy方向の+、−方向にずらされる。
【0049】
以上のような方法で有機ELインクの塗布を行うことにより、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に効率よく塗布することができる。
【0050】
図11は有機EL表示装置の画素構成例の説明図である。画素PXはデータ線DLとゲート線GLで囲まれた領域に配置されたスイッチングトランジスタである第1の薄膜トランジスタTFT1、ドライバトランジスタである第2の薄膜トランジスタTFT2、コンデンサCPR、および有機EL発光素子OLEDで構成される。薄膜トランジスタTFT1のゲートはゲート線GLに、ドレインはデータ線DLに接続されている。薄膜トランジスタTFT2のゲートは薄膜トランジスタTFT1のソースに接続され、この接続点にコンデンサCPRの一方の電極(+極)が接続されている。
【0051】
画素PXが走査線GLで選択されて薄膜トランジスタTFT1がターンオンすると、データ線DLから供給される画像信号がコンデンサCPRに蓄積される。そして、薄膜トランジスタTFT1がターンオフした時点で薄膜トランジスタTFT2がターンオンし、電流供給線CSLからの電流が有機ELOLEDに流れ、ほぼ1フレーム期間(または、1フィールド期間、以下同様)にわたってこの電流が持続する。このとき流れる電流はコンデンサCPRに蓄積されている信号電荷で規定される。
【0052】
図12は有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。図11で説明した画素をマトリクス状に配列して表示領域ARを形成する。データ線DLはデータ駆動回路DDRにより駆動される。また、ゲート線GLはゲート駆動回路GDRで駆動される。参照符号CSLは電流供給線で、電流供給バスラインCSLBを介して図示しない電流供給回路に接続している。なお、TMは外部入力端子を示す。
【0053】
図13はカラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。図12における画素PXは単位画素であり、ゲート線GL方向に3つの単位画素R、G、Bで1カラー画素を構成する。他の構成は図12と同様である。
【0054】
図14は本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第1の構成を説明する平面図である。1単位画素はゲート線GLとデータ線DLに囲まれた領域に形成される。なお、参照符号ADは第1の電極層(ここでは陽極)、CSLは電流供給線である。単位画素回路は、第1の薄膜トランジスタTFT1(スイッチングトランジスタ)と第2の薄膜トランジスタTFT2(ドライバトランジスタ)およびコンデンサCPRで構成される。そして、有機EL層を収容する開口DEは上記の画素回路や各配線を避けた部分に設けられる。
【0055】
図15は本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第2の構成を説明する平面図である。図14と同一参照符号は同一機能部分に対応する。前記と同様に1単位画素はゲート線GLとデータ線DLに囲まれた領域に形成される。本構成例では、有機EL層OLEを収容する開口DEは上記の画素回路や各配線を避けた部分に設ける必要がない。したがって、本構成としたことで開口率が大きく、広い面積の画素を形成できるという利点があり、全体として明るい画面の表示装置を、また同じ明るさであればより低消費電力、長寿命の表示装置を得ることができる。
【0056】
図6は本発明による有機EL表示装置の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。本構成例では図21で説明した保護膜PSV(=第1の保護膜PSV1)の上にさらに第2の保護膜PSV2を形成したものである。他の構成は図21と同様である。
【0057】
本構成例は、有機EL形成層の最上層がさらに平坦化されると共に外部からのガスや湿気の侵入がより確実に防止されるため、表示装置の信頼性をさらに高めることができる。
【0058】
図17は本発明による有機EL表示装置の製造工程の一実施例を説明する1単位画素付近の断面を工程順に説明する模式図である。本実施例は、所謂トップゲート構造の薄膜トランジスタを用いたものであるが、所謂ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの場合も同様である。以下、本工程を(1)〜(11)の順で説明する。
【0059】
(1)ガラス基板SUBの上にポリシリコン半導体層PSIをパターニングし、結晶化のためのレーザアニールを施す。
【0060】
(2)その上に第1の絶縁層IS1を形成する。
【0061】
(3)チタン(Ti)あるいはタングステン(W)等の導電性薄膜を被着し、パターニングしてゲート配線(走査線)GLを形成する。
【0062】
(4)第2の絶縁層IS2を形成し、必要な箇所にコンタクトホールを開ける。
【0063】
(5)ソース電極SDとなるアルミニウム配線を形成する(必要に応じて、アルミニウム薄膜の上下をチタン(Ti)あるいはタングステン(W)等でサンドイッチする)。
【0064】
(6)アルミニウム配線を覆って第3の絶縁層IS3を形成する。
【0065】
(7)さらに保護膜PSVをp−SiN等で形成し、この保護膜PSVと第3の絶縁層IS3を貫通してソース電極SDに達するコンタクトホールを開ける。
【0066】
(8)ITOを被着して第1の電極層ADを形成する。この第1の電極層ADをコンタクトホールを通してソース電極SDに接続する。
【0067】
(9)有機発光層を第1の電極層ADの端部から絶縁するための層間絶縁層ILIを形成する。そして、層間絶縁層ILIに、発光に要する画素領域および外部接続に必要な箇所に開口を開ける。層間絶縁層ILIは流動性のあるアクリル樹脂を用いる。画素領域の開口のパターン形成時に熱を加えることによって内壁にはテーパが形成される。
【0068】
(10)画素領域の開口に有機発光層OLEを塗布する。この有機発光層OLEの塗布は、マスク印刷、インクジェットなどの手法で行われる。
【0069】
(11)有機発光層OLEを覆って金属層を形成して第2の電極層CDを設ける。図16の構造とする場合は、第2の電極層CDの上に第2の保護膜PSV2を形成する。
【0070】
以上の工程の後、封止缶あるいはガラス、セラミックス等の適宜の部材で封止し、モジュール化して表示装置を完成する。
【0071】
図18は本発明による有機EL表示装置の他の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図16と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例では、図16に示した層間絶縁層ILIの膜厚が1μm程度であるのに対し、これを例えば2〜3μmと厚くして有機発光層OLEが収容される開口(凹部)の容積を大きくしたものである。
【0072】
本構成例は、特に有機発光層OLEをインクジェット方式で塗布する場合に適している構造としたものである。インクジェット方式で有機EL層OLEを塗布する場合は、有機EL材料を何らかの溶媒で希釈して容量が大きくなった状態でインクジェットノズルから層間絶縁層の開口に飛ばして第1の電極層AD上に到達させる。
【0073】
このとき、開口の容積を大きく(深く)したことで、隣接する単位画素の開口同士の混色を避けることができる。また、層間絶縁層の開口を形成する内壁のテーパ角を緩やかなものとすることでさらに隣接する画素への混色が効果的に避けることができる。すなわち、本構成例によれば、前記構成例の効果に加えて、各画素に塗布した有機発光層を明確に分離でき、発光色の彩度の劣化が回避できる。
【0074】
図19は本発明による表示装置のさらに他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図18と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例は、絶縁層ISや保護膜PSVを画素領域で除去し、有機EL層OLEが収容される開口(凹部)の容積をさらに大きくしたものである。
【0075】
開口である凹部の内壁に層間絶縁層ILIが形成されるようにし、有機発光層OLEの絶縁層は第1の電極層ADの上に形成され、凹部の底部で開口するようにしている。この開口に有機発光層OLEを収容し、その上に第2の電極層CDを形成する。本構成例も有機発光層OELをインクジェット方式で塗布する場合に適しており、前記構成例の効果に加えて、各画素に塗布した有機EL層を明確に分離でき、発光色の彩度の劣化が回避できる。
【0076】
図20は本発明による有機EL表示装置のまた他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図19と同一参照符号は同一機能部分に対応する。本構成例は、発光の出射方向を基板SUBと反対側とした構成である。図中、CD’は金属薄膜で形成した第1の電極層(ここでは陰極)、AD’はITO等の透明な導電膜で形成した第2の電極層(ここでは陽極)を示す。
【0077】
本構成例では、有機EL層OLEでの発光光が第2の電極層AD’側から出射する。したがって、第2の電極層AD’側に設ける図示しない封止部材はガラス等の透明部材とする。
【0078】
また、本発明は上記した有機EL表示装置に限るものではなく、例えばプラズマ表示装置の蛍光体層の塗布などにも適用できる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画素配列ピッチとノズル孔ピッチのずれに対して有機EL層を所定の単位画素部分に精度よく塗布でき、モノクロ画素でも、あるいはカラー表示を行うための画素を構成する単位画素に対してもその発光領域を構成する有機EL層は正確な位置に形成され、均一なカラー表示を実現した画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチずれと有機EL層の塗布精度を上げる一方法を説明する模式図である。
【図2】画素ピッチとインクジェットノズルのノズルピッチが、実用的に許容される合わせ誤差±10μm以内となる場合のノズル孔の個数とその合わせ誤差の説明図である。
【図3】インクジェット方式による有機EL層の塗布精度を上げる他の方法を説明する模式図である。
【図4】画素ピッチにノズル孔ピッチを合わせるためにノズルを傾ける方法を説明する模式図である。
【図5】本発明の一実施例を説明する画素ピッチとインクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチの配置説明図である。
【図6】インクジェット装置のノズルに有するノズル孔のピッチを変えた場合の+方向および−方向におけるy方向の画素間のずれ量の許容範囲を算出した結果の説明図である。
【図7】本発明における画素とゲート線の第1の配置例の説明図である。
【図8】本発明における画素とゲート線の第2の配置例の説明図である。
【図9】インクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機EL層の塗布を1単位画素に1滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。
【図10】インクジェット装置のノズル配列方向を傾けて有機ELインクの塗布を1単位画素に2滴ずつ吐出させて塗布する場合の画素のずれを説明する模式図である。
【図11】有機EL表示装置の画素構成例の説明図である。
【図12】有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。
【図13】カラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。
【図14】本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第1の構成を説明する平面図である。
【図15】本発明による有機EL表示装置の1単位画素付近の第2の構成を説明する平面図である。
【図16】本発明による有機EL表示装置の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図17】本発明による有機EL表示装置の製造工程の一実施例を説明する1単位画素付近の断面を工程順に説明する模式図である。
【図18】本発明による有機EL表示装置の他の構成例を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図19】本発明による表示装置のさらに他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。
【図20】本発明による有機EL表示装置のまた他の構成例の構成を説明する1単位画素付近の模式的断面図である。図19と同一参照符号は同一機能部分に対応する。
【図21】薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL表示装置(OLED表示装置)の発光機構を説明する1画素付近の模式図である。
【符号の説明】
SUB・・・・絶縁基板、PSI・・・ポリシリコン層、TFT・・・・薄膜トランジスタ、FTを有する。IS1・・・・第1の絶縁層、GL・・・・ゲート線(走査線)、IS2・・・・第2の絶縁層、SD・・・・ソース配線、IS3・・・・第3の絶縁層、PSV・・・・保護膜、AD・・・・第1の電極層、OLE・・・・有機EL層、IL1・・・・層間絶縁層、CD・・・・第2の電極層、NZL・・・・インクジェット装置、NH(NH1〜・・NHn)・・・・ノズル孔。
Claims (8)
- それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置であって、
前記第1の方向xに対して傾けたノズルに有するノズル孔のピッチと画素の位置が合うように隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されていることを特徴とする画像表示装置。 - 前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記ずれの最大値が前記第2の画素ピッチの1/2である画素行を一組み単位の画素行とし、前記一組み単位の画素行が前記画素領域の前記第1の方向と第2の方向で繰り返しパターンを形成していることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
- 第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記第1の方向に直線的に形成されて前記スイッチング素子との間に前記画素列のずれに応じた距離を有することを特徴とする画像表示装置。 - 第1の方向に延在して前記第1の方向と交差する第2の方向に並設された多数の走査信号線と前記第2の方向に延在して前記第1の方向に並設された多数の画像信号線と、前記走査信号線と画像信号線の交差部に設けたスイッチング素子と、隣接する前記走査信号線と画像信号線で囲まれた領域に形成した多数の単位画素を有し、
前記第1の方向に順次隣接する複数の前記単位画素でカラー表示を行うための画素が構成され、
前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列が構成されると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行が構成され、
隣接する前記画素行が前記第2の方向に所定のずれをもって並設されており、前記走査信号線は前記スイッチング素子との間の距離を等しくする如く、前記画素列のずれに応じて前記第2の方向に曲がりもって形成されていることを特徴とする画像表示装置。 - それぞれ有機EL層からなる複数色の単位画素を第1の方向に配置してカラー表示を行うための画素とし、前記画素を前記第1の方向に第1の画素ピッチで多数並べて画素列を構成すると共に、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記画素を第2の画素ピッチで多数配列して画素行を構成し、前記画素列と画素行で画素領域を構成した画像表示装置の製造方法であって、
前記第1の画素ピッチより大きいノズルピッチで一列配列した多数のノズル孔を有するインクジェットノズルの各ノズル孔が隣接する前記画素の各単位画素に対応するように前記第1の方向に対して所定の角度で傾斜させて配置し、
前記インクジェットノズルを前記第2の方向に移動させながら前記複数のノズル孔から同時に有機ELインクを吐出させて前記第1の方向に配列される画素を構成する単位画素に塗布することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 前記インクジェットノズルによる有機ELインクの吐出は前記単位画素につき1回であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記インクジェットノズルによる有機ELインクの吐出は前記単位画素につき2回以上であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置の製造方法。
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