以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、後述する打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
図2は、本実施形態の遊技機10のガラス枠15を開放した状態を示す斜視図である。図2に示すように、前面枠12の前面であってガラス枠15の背後に相当する位置に、球払出装置46から払い出された遊技球を上皿21へ払い出すための球払出口47が設けられ、ガラス枠15の裏面には、球払出口47から払い出された遊技球を上皿21へ誘導する上皿連通路48が設けられている。
また、前面枠12の前面の下部であって上記操作ハンドル24の上方には発射ユニット72が配設され、該発射ユニット72の左方には右下がりに傾斜した発射レール73とファール球流下口74が設けられ、ファール球流下口74の前方は落下球流下部材75で覆われている。落下球流下部材75の前面左側部には、ガラス枠15を開いた際に球払出し流路に残っている遊技球が落下するのを防止する球受け皿75aが設けられている。発射ユニット72と発射レール73とによって遊技球発射装置が構成される。
さらに、ガラス枠15の裏面には、上記発射ユニット72に対応して該ユニットへ上皿21上の遊技球を供給する発射球供給路76が設けられ、該発射球供給路76の出口に対応して発射ユニット72の前面には発射球供給口72aが設けられている。さらに、下皿23の奥部には、球払出装置46より払い出され上皿21からオーバーフローした遊技球が流出する下皿球出口77が設けられている。
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の右側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図6参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36が設けられている。また、センターケース40の右下部の近傍には平板状(ベロ状)の部材が遊技盤前方に移動して遊技球が流入し易い状態に変換する平板部材(図示省略)を備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の上記平板部材は、常時は遊技盤後方の閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図6参照)によって、上記平板部材が遊技盤前方に移動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、始動入賞口36の右方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図6参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図6参照)が配設されている。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50(図6参照)が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
第1特図表示器と第2特図表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図6参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の上記平板部材が所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図6参照)が駆動されることにより、上記平板部材が所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図6参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器又は特図2表示器で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、遊技機10の裏面構造について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、遊技機10の裏面図であり、図5は、遊技機10を構成する遊技盤30の裏面図であり演出制御装置300の裏面側のカバーを外した状態を示す図である。
図4に示すように、前面枠12の裏面上部には、払出し前の遊技球を貯留する貯留タンク81と外部への情報(例えば、図柄確定信号、大当り信号、確率変動信号、賞球信号、貸球信号等)を出力する外部情報端子板71が設けられている。また、該貯留タンク81の底部には、緩やかな傾斜を有し遊技球を遊技機10の一側へ向かって誘導するシュート82が接続され、シュート82の終端に、遊技球の流下方向を水平方向から垂直方向へ変換する屈曲流路装置83が接続されている。そして、この屈曲流路装置83の下端に駆動源を有する球払出装置46が配設され、該球払出装置46により所定数の遊技球を払出し可能に構成されている。
また、図4及び図5に示すように、前面枠12の裏面下部には、上記球払出装置46を制御する払出制御装置200、表示装置41における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御装置300、払出制御装置200や演出制御装置300等を統括制御する遊技制御装置100、電源回路を有し遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300等に電源供給を行う電源装置400などが配設されている。
また、前面枠12の裏面下部には、遊技機側とカードユニット側とで授受される信号を中継するカードユニット中継基板210等が設けられている。
図6は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の平板部材(図示省略)を開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図7を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各
種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、当該主制御用マイコン(1stCPU)311及び映像制御用マイコン(2ndCPU)312の検査に用いるデバッグ装置350を搭載可能な検査用接続手段としての接続領域360が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の上記平板部材を所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
例えば、この特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器もしくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。 この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図8及び図9参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図10参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFFであると判定した場合(ステップS9;No)、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONであると判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図9のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図9のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でないと判定した場合(ステップS20;No)は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図11に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器又は特図2表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器又は特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図12に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とデバッグ装置350との間、及び、映像制御用マイコン(2ndCPU)312とデバッグ装置350との間におけるコマンドの通信を許可するか否かを決定するための通信許可処理(ステップB22)を行う。なお、通信許可処理の詳細については後述する。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB23)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB23)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
次に、上述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB23)の詳細について説明する。図13に示すように、1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB31)、テストモード中である場合(ステップB31;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB31;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB32)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB32;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB33)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB34)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB34)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB34;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB35)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB36)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB32;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB34;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB38)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB39)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB40)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB41)を行う。この変動中処理(ステップB41)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別図柄の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB42)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB43)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB44)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB45)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態又は特定遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB46)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB47)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB48)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB49)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB50)を行う。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図14に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB51)を行い、RAMを0クリアして(ステップB52)、RAMの初期値を設定する(ステップB53)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB54)を行い、各種割込みを許可する(ステップB55)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB56)を行い、画面描画を許可する(ステップB57)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB58)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB59)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB59)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB59;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB60)、通常ゲーム処理(ステップB61)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB58)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB61)の詳細について説明する。図15に示すように、通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB71)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB71)では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、次の2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB72)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB73)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示、すなわち、保留数の増減や遊技状態などに応じて表示装置41に表示される飾り特図保留数の表示を変化させる設定を行う保留表示処理(ステップB74)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB75)を行う。そして、シーン制御/表示処理(ステップB76)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB77)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について図16に示すフローチャートを用いて説明する。
図16に示すVブランク割込み処理は、例えば16.6ms(フレーム周期33msの1/2)毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPU312に入力されることで開始される。
Vブランク割込み処理が開始されると、先ず、フレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB81)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか否かを判定する(ステップB82)。
ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB82;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB82;Yes)は、ステップB83へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか否かを判定する(ステップB83)。
そして、ステップB83で、システム周期待ちフラグが「0」でないと判定した場合(ステップB83;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」であると判定した場合(ステップB83;Yes)は、ステップB84へ移行し、VDP313が表示装置41へ表示する描画を完了したか否かを判定する(ステップB84)。
そして、ステップB84で、VDP313が描画を完了していないと判定した場合(ステップB84;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、VDP313が描画を完了したと判定した場合(ステップB84;Yes)は、ステップB85へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行った後、VDP313により切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB86)。上記規定値を例えば「2」に設定することによって、基本的には2回のVブランク割込みに1回、フレームの切り替えが行われるようにすることができる。
次いで、VDP313が描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ステップB87)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB88)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB89)を順次行い、当該Vブランク割込み処理を終了する。
〔通信許可処理〕
次に、上述の通常ゲーム処理における通信許可処理(ステップB22)の詳細について説明する。図17に示すように、通信許可処理では、まず、デバッグ装置350を実装(搭載)中であるか否かを判定する(ステップB91)。
ここで、デバッグ装置350を実装中であると判定した場合(ステップB91;Yes)は、1stCPU311と2ndCPU312との間の通信を許可する処理(ステップB92)を行う。次いで、1stCPU311とデバッグ装置350との間の通信を許可する処理(ステップB93)を行う。そして、2ndCPU312とデバッグ装置350との間の通信を許可する処理(ステップB94)を行って、通信許可処理を終了する。
一方、デバッグ装置350を実装中でないと判定した場合(ステップB91;No)は、1stCPU311と2ndCPU312との間の通信を許可する処理(ステップB95)を行うが、1stCPU311とデバッグ装置350との間の通信については非許可とする処理(ステップB96)を行い、また、2ndCPU312とデバッグ装置350との間の通信についても非許可とする処理(ステップB97)を行って、通信許可処理を終了する。
次に、デバッグ装置350を実装中であるか否かの判定方法の一例について、図18を用いて説明する。
図18(a)は、デバッグ装置350を実装している状態を示す図であり、同図(b)は、デバッグ装置350を実装していない状態を示す図である。
図18(a),(b)に示すように、1stCPU311と、デバッグ装置350を実装可能な接続領域360との間はオープンコレクタ出力形式の回路構成となっている。
そして、図18(a)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が実装されているときは、トランジスタTがONの状態となり、グラウンド接地によってLow電圧(
接続信号(接続コマンド))が出力されることとなる。
また、図18(b)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていないときは、トランジスタTがOFFの状態となり、プルアップ抵抗RによってHigh電圧(接続信号(接続コマンド))が出力されることとなる。
これにより、1stCPU311は、出力される電圧に応じて、接続領域360にデバッグ装置350が実装されているか否かを判定することができるようになっている。
次に、1stCPU311と2ndCPU312との間、1stCPU311とデバッグ装置350との間、及び、2ndCPU312とデバッグ装置350との間において送信されるコマンドについて、図19及び図20を用いて説明する。
図19に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が実装されている場合、上述のように、デバッグ装置350から1stCPU311にLow電圧(接続信号(接続コ
マンド))が出力されることにより、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていると判定され(ステップB91;図17参照)、1stCPU311と2ndCPU312との間、1stCPU311とデバッグ装置350との間、及び、2ndCPU312とデバッグ装置350との間における通信が可能となる(ステップB92〜B94;図17参照)。
そして、1stCPU311から2ndCPU312に対して、映像制御を行うための演出制御コマンドが送信可能となる。また、1stCPU311から2ndCPU312に対して送信される演出制御コマンドが当該1stCPU311により抽出された乱数値の抽選結果に基づいて選択されたコマンドである場合は、1stCPU311からデバッグ装置350に対して、当該乱数値を含む乱数値情報コマンドを送信する。
また、2ndCPU312は、1stCPU311から受信した演出制御コマンドをデバッグ装置350に送信可能となる。
また、接続領域360にデバッグ装置350が実装されている場合、デバッグ装置350は、開発者が演出表示内容の検証を行うことが可能なデバッグ要求信号(デバッグ要求コマンド)を1stCPU311に対して送信可能となっている。このとき、1stCPU311から2ndCPU312に対しては、デバッグ装置350から受信したデバッグ要求信号に基づく演出制御コマンドが送信され、当該演出制御コマンドにはデバッグ表示コマンドが含まれるようになっている。
ここで、デバッグ表示コマンドとは、デバッグ要求信号に対応する演出内容に関する情報等(図42参照)を表示装置41に表示させるためのコマンドである。
なお、デバッグ装置350は、開発検証治具370と接続されるようになっている。また、デバッグ装置350は、一時的に情報を記憶する記憶手段としてのRAM(図示省略)を備えている。これにより、デバッグ装置350は、2ndCPU312から受信した演出制御コマンドを当該RAMに記憶し、当該演出制御コマンドを検証用コマンドに変換して当該開発検証治具370に送信可能となっている。
図20は、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていない状態を示す図である。
図20に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていない場合、上述のように、デバッグ装置350から1stCPU311にHigh電圧(接続信号(接続コマンド))が出力されることにより、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていないと判定され(ステップB91;図17参照)、1stCPU311とデバッグ装置350との間、及び、2ndCPU312とデバッグ装置350との間における通信が不能となる(ステップB96及びB97;図17参照)。
これにより、接続領域360にデバッグ装置350が実装されていない場合は、1stCPU311からデバッグ装置350に対して、乱数値情報コマンドが送信されない状態となる。また、2ndCPU312からデバッグ装置350に対して、演出制御コマンドが送信されない状態となる。
次に、1stCPU311と2ndCPU312との間の通信プロトコルについて、図21を用いて説明する。
図21(a)は、通信パケット形式を模式的に示す図であり、同図(b)は、通信キャラクタ形式を模式的に示す図であり、同図(c)は、各キャラクタのデータ範囲を示す図で図あり、同図(d)は、通信パケットの送信間隔を説明するための図である。
通信パケット形式は、複数キャラクタを1つにまとめたパケット電文方式である。具体的には、各パケットは、16キャラクタの固定長パケットで定義されている。なお、未使用或いは予備のキャラクタには、「NULL」が規定されている。
図21(a)に示すように、各パケットの先頭は、「PT(Packet Top)」キャラクタとし、「PT」キャラクタ以降は、「PD(Packet Data)」キャラクタの順番を定義し
た固まりとなっている。なお、各パケットの終了は、PTごとのパケット長が決まっているため、ENDキャラクタは持たない。
図21(b)に示すように、各パケットを構成する16のキャラクタの各々は、1bit(0固定)のスタートビット(「Start」)と、8bitのデータビットと、1bit(EVENパリティ)のパリティビット(「Parity」)と、1bit(1固定)のストップビット(「Stop」)から構成されている。
また、各キャラクタのデータ範囲は、図21(c)に示すように、「PT」キャラクタは「F0H」〜「FFH」と、「PD」キャラクタは「01H」〜「EFH」と、「NULL」キャラクタは「00H」とされている。
なお、以下の説明にあっては、8bitのデータを4bitごとに区切って、上位4bit及び下位4bitの各々を「0」〜「F」の16個の文字に対応させて16進数で表記する。
また、図21(d)に示すように、各パケット送信開始から次のパケット送信開始までの送信間隔は、描画1フレーム以上となっている。
以下に、1stCPU311と2ndCPU312との間で通信されるパケット(演出制御コマンド)について、図22〜図33を参照して説明する。
1stCPU311から2ndCPU312に送信される通信パケットには、例えば、電源投入パケット(図22参照)、客待ち中パケット(図23参照)、客待ちデモパケット(図24参照)、変動パケット(継続0〜2回目)(図25〜図27参照)、飾り図柄停止パケット(図28参照)、ファンファーレパケット(図29参照)、ラウンド数パケット(図30参照)、インターバルパケット(図31参照)、エンディングパケット(図32参照)、イベント系パケット(図33参照)がある。
これら通信パケットの各々のデータ構造については、以下に各パケット毎に個別に説明する。
以下に、電源投入パケットについて、図22を参照して説明する。
図22(a)は、電源投入パケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図22(b)は、電源投入パケットのデータ構造の一例を示す図である。
図22(a)に示すように、電源投入パケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、遊技機10の電源投入に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図22(b)に示すように、第1キャラクタは、電源投入パケットの識別用のデータであり、「F0H」で表されるものである。
第2キャラクタは、電源投入を行うためのデータであり、「01H」で表されるデータはRAM初期化指定を行うためのものであり、「02H」で表されるデータは停電復旧指定を行うためのものであり、「03H」で表されるデータは停電復旧(客待ち)指定を行うためのものである。
第3キャラクタは、遊技モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、演出背景指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、保留指定(特1保留数・特2保留数指定)を行うためのデータであり、「00H」〜「44H」で表されるものである。
第6キャラクタは、表示装置41の左図柄及び右図柄(図柄1)の指定(電源投入時)を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7キャラクタは、表示装置41の中図柄、及び、特図1又は特図2の指定(電源投入時)を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第8〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、客待ち中パケットについて、図23を参照して説明する。
図23(a)は、客待ち中パケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図23(b)は、客待ち中パケットのデータ構造の一例を示す図である。
図23(a)に示すように、客待ち中パケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される客待ち中画面の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図23(b)に示すように、第1キャラクタは、客待ち中パケットの識別用のデータであり、「F1H」で表されるものである。
第2キャラクタは、客待ち中画面の指定を行うためのデータであり、「01H」で表されるデータは客待ち中A状態の指定を行うためのものであり、「02H」で表されるデータは客待ち中B状態の指定を行うものである。
第3キャラクタは、遊技モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、演出背景指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、客待ちデモパケットについて、図24を参照して説明する。
図24(a)は、客待ちデモパケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図24(b)は、客待ちデモパケットのデータ構造の一例を示す図である。
図24(a)に示すように、客待ちデモパケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される客待ち中デモ画面の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図24(b)に示すように、第1キャラクタは、客待ちデモパケットの識別用のデータであり、「F2H」で表されるものである。
第2キャラクタは、客待ちデモ画面の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、遊技モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、客待ちデモ用演出の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、表示装置41に表示される背景キャラクタの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6キャラクタは、センターケース40等に配設された可動役物の動作指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、変動パケット(継続0回目)について、図25を参照して説明する。
図25(a)は、変動パケット(継続0回目)のデータ構造を模式的に示す図であり、図25(b)は、変動パケット(継続0回目)のデータ構造の一例を示す図である。
図25(a)に示すように、変動パケット(継続0回目)は、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される特図変動表示ゲームのゲーム内容の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図25(b)に示すように、第1キャラクタは、変動パケットの識別用のデータであり、「F3H」で表されるものである。
第2キャラクタは、変動M(メインコマンドのMODEと等価)の表示や表示時間指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、変動A(メインコマンドのACTIONと等価)の表示や表示時間指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、図柄1、即ち、最初に停止する第1停止図柄(左図柄)、及びその次に停止する第2停止図柄(右図柄)の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、図柄2、即ち、第2停止図柄の次に停止する第3停止図柄(中図柄)、及び、特図1又は特図2の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6〜第15キャラクタは、変動予告の振り分け(予告1〜10の振り分けテーブル使用)指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第16キャラクタは、変動パケット(継続1回目)に継続するためのデータであり、「81H」で表されるものである。
以下に、変動パケット(継続1回目)について、図26を参照して説明する。
図26(a)は、変動パケット(継続1回目)のデータ構造を模式的に示す図であり、図26(b)は、変動パケット(継続1回目)のデータ構造の一例を示す図である。
図26(a)に示すように、変動パケット(継続1回目)は、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される特図変動表示ゲームのゲーム内容の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図26(b)に示すように、第1キャラクタは、変動パケットの識別用のデータであり、「F4H」で表されるものである。
第2〜第13キャラクタは、変動予告の振り分け(予告11〜22の振り分けテーブル使用)指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第14キャラクタは、表示装置41に表示される大当り回数の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第15キャラクタは、表示装置41に表示される時短回数の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第16キャラクタは、変動パケット(継続2回目)に継続するためのデータであり、「82H」で表されるものである。
以下に、変動パケット(継続2回目)について、図27を参照して説明する。
図27(a)は、変動パケット(継続2回目)のデータ構造を模式的に示す図であり、図27(b)は、変動パケット(継続2回目)のデータ構造の一例を示す図である。
図27(a)に示すように、変動パケット(継続2回目)は、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される特図変動表示ゲームのゲーム内容の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図27(b)に示すように、第1キャラクタは、変動パケットの識別用のデータであり、「F4H」で表されるものである。 第2〜第4キャラクタは、変動予告の振り分け(予告23〜25の振り分けテーブル使用)指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、左図柄及び右図柄の停止指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6キャラクタは、中図柄の停止指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7〜第15キャラクタは、予備のデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第16キャラクタは、特図変動表示ゲームを継続させるか否かを判定するためのデータであり、「0DH」以外で表されるデータは指定変動パケットに継続して演出(例えば、リーチ演出)を行うためのものであり、「0DH」で表されるデータは特図変動表示ゲームを終了するものである。
以下に、飾り図柄停止パケットについて、図28を参照して説明する。
図28(a)は、飾り図柄停止パケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図28(b)は、飾り図柄停止パケットのデータ構造の一例を示す図である。
図28(a)に示すように、飾り図柄パケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、表示装置41に表示される飾り図柄の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図28(b)に示すように、第1キャラクタは、飾り図柄停止パケットの識別用のデータであり、「F5H」で表されるものである。
第2キャラクタは、飾り図柄の停止の指定を行うためのデータであり、「01H」で表されるものである。
第3〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、ファンファーレパケットについて、図29を参照して説明する。
図29(a)は、ファンファーレパケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図29(b)は、ファンファーレパケットのデータ構造の一例を示す図である。
図29(a)に示すように、ファンファーレパケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、大当たりの際に出力されるファンファーレの指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図29(b)に示すように、第1キャラクタは、ファンファーレパケットの識別用のデータであり、「F6H」で表されるものである。
第2キャラクタは、大当りの種類に応じたファンファーレの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、大当たり図柄(確定図柄)の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、現在の演出モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、大当り回数の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6キャラクタは、可動役物の動作指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、ラウンド数パケットについて、図30を参照して説明する。
図30(a)は、ラウンド数パケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図30(b)は、ラウンド数パケットのデータ構造の一例を示す図である。
ラウンド数パケットは、サイクル遊技の際に(大当たりラウンド中)、1stCPU311から2ndCPU312に送信されるものであり、図30(a)に示すように、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、サイクル遊技にて表示装置41に表示されるラウンド数の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図30(b)に示すように、第1キャラクタは、ラウンド数パケットの識別用のデータであり、「F7H」で表されるものである。
第2キャラクタは、ラウンド数の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、大当り図柄(確定図柄)の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、現在の演出モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、大当りラウンド中の演出を指定するためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6キャラクタは、遊技機の内容紹介を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、インターバルパケットについて、図31を参照して説明する。
図31(a)は、インターバルパケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図31(b)は、インターバルパケットのデータ構造の一例を示す図である。
図31(a)に示すように、インターバルパケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、サイクル遊技のラウンドどうしの間(大入賞口を閉じている状態)に表示装置41に表示されるインターバル画面の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図31(b)に示すように、第1キャラクタは、インターバルパケットの識別用のデータであり、「F8H」で表されるものである。
第2キャラクタは、ラウンド昇格演出の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、大当り図柄(確定図柄)の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、現在の演出モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、インターバル演出の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、エンディングパケットについて、図32を参照して説明する。 図32(a)は、エンディングパケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図32(b)は、エンディングパケットのデータ構造の一例を示す図である。
エンディングパケットは、サイクル遊技のエンディング、即ち、全ての大当たりラウンドが終了して、次の変動が開始可能となるまでの間の表示演出に係るものであり、図32(a)に示すように、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、サイクル遊技の終了時に表示装置41に表示されるエンディング画面の指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第15キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図32(b)に示すように、第1キャラクタは、エンディングパケットの識別用のデータであり、「F9H」で表されるものである。
第2キャラクタは、エンディングの表示指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第3キャラクタは、大当り図柄(確定図柄)の表示指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第4キャラクタは、現在の演出モードの指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、次(大当りラウンド終了後)の状態(確率変動状態又は時短状態)予告演出の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6〜第15キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
第16キャラクタは、機種指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
以下に、イベント系パケットについて、図33を参照して説明する。
図33(a)は、イベント系パケットのデータ構造を模式的に示す図であり、図33(b)は、イベント系パケットのデータ構造の一例を示す図である。
図33(a)に示すように、イベント系パケットは、「PT」キャラクタである第1キャラクタと、遊技中のイベントの演出指定に関連した各種コマンドに係る第2〜第16キャラクタ(「PD1」〜「PD15」キャラクタ)から構成されている。
具体的には、例えば、図33(b)に示すように、第1キャラクタは、イベント系パケットの識別用のデータであり、「FAH」で表されるものである。
第2キャラクタは、入賞で増加する保留数や変動で減少する保留数の指定をそれぞれ行うためのデータであり、「01H」〜「44H」で表されるものである。
第3〜第4キャラクタは、エラー表示の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第5キャラクタは、演出ボタン25を押下した回数等の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第6キャラクタは、始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞数の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第7キャラクタは、始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞時の保留数の指定を行うためのデータであり、「00H」〜「04H」で表されるものである。
第8キャラクタは、先読み演出の指定を行うためのデータであり、「01H」〜「EFH」で表されるものである。
第9〜第16キャラクタは、未使用であり、「00H」で表されるものである。
次に、上述した各パケットの送信ダイヤグラムについて、図34を参照して説明する。
図34に示すように、演出制御装置300に電源が投入される電源投入ステージST1では、1stCPU311から2ndCPU312に電源投入パケットが送信される。
そして、電源投入パケットが送信されると、遊技機の機種指定、特図1保留数及び特図2保留数の指定、確率情報(遊技モード)の指定が行われる。
ここで、電源投入作業がRAM初期化時のものである場合は、ステージST2において客待ち中パケット及び客待ちデモパケットの送信に基づき、電源投入作業後、客待ちデモの表示を行う。また、電源投入作業が客待ちデモ時のものである場合は、ステージST2において客待ち中パケット及び客待ちデモパケットの送信に基づき、客待ちデモの表示を行う。
次いで、客待ちデモ中ステージST2において、始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に遊技球の入賞が発生し、保留情報コマンド及び飾り図柄コマンドが送信された場合、ステージST3において、1stCPU311から2ndCPU312に変動パケット(継続0〜2回目)が送信される。
次いで、飾り図柄の停止タイミングになると、ステージST4において、1stCPU311から2ndCPU312に飾り図柄停止パケットが送信される。そして、このときの停止図柄が大当りに係る図柄の場合、飾り図柄コマンド及び確率情報コマンドが送信され、ステージST5において、1stCPU311から2ndCPU312にファンファーレパケットが送信される。
次いで、ファンファーレが終了し、大当りラウンド遊技が開始されると大当りラウンド遊技中であるラウンドステージST6において、1stCPU311から2ndCPU312にラウンド数パケットが送信される。そして、大当り遊技ラウンドが終了し、当該大当り遊技ラウンドと次の大当り遊技ラウンド間のインターバルが開始されるとインターバル中であるインターバルステージST7において、1stCPU311から2ndCPU312にインターバルパケットが送信される。そして、最終の大当り遊技ラウンドが終了するまでの間、ラウンドステージST6とインターバルステージST7において、ラウンド数パケットの送信とインターバルパケットの送信が繰り返し行われる。
次いで、最終の大当り遊技ラウンドが終了すると、当該大当り遊技ラウンドのエンディング表示を行うエンディングステージST8において、1stCPU311から2ndCPU312にエンディングパケットが送信される。そして、確率情報コマンドが送信され、作動保留監視処理が行われる。
ここで、特図1保留数又は特図2保留数に係る情報が無い場合は、ステージST2に移行する。一方、特図1保留数又は特図2保留数に係る情報がある場合は、保留情報コマンド及び飾り図柄コマンドが送信され、ステージST3に移行する。
また、ステージST4において、停止図柄がはずれに係る図柄の場合、確率情報コマンドが送信され、作動保留監視処理を行う。
なお、当該確率情報コマンドは、例えば、変動時間短縮機能を有する遊技機における規定回数の変動終了時、所謂回数切り確率変動機能や転落抽選機能を有する遊技機における規定回数の変動終了時に送信されるようにする。
また、ステージST1における電源投入が客待ちデモ時以外の場合は、停電復旧コマンドが送信され、当該停電が発生したステージST2〜8の何れかの直後に移行する。例えば、特図変動表示ゲームにおいて飾り図柄が変動中(図柄変動中;ST3)に停電が発生し、停電復旧のため電源が投入されると、ステージST3の直後に移行することとなる。
また、ステージST1において電源が投入されると、始動口入賞監視ステージST9に移行し、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37等)の各エラー状態を監視し、当該始動口に遊技球の入賞がある場合は、保留情報コマンド及び始動口入賞演出コマンドを送信、当該始動口入賞演出が終了すると、始動口の各エラー状態を再度監視する処理を繰り返し行う。
また、ステージST1において電源が投入されると、始動口以外の各エラー状態を監視する各エラー監視ステージST10に移行し、各エラー状態を監視して、エラーが発生したときはエラー報知コマンドを送信し、エラーが解除されたときはエラー報知終了コマンドを送信する処理を行う。
次に、乱数値情報が固定長データの空き領域に格納された演出制御コマンドの一例について、図35を用いて説明する。なお、当該演出制御コマンドとして、変動パケット(継続2回目)を例示する。
図35(a)に示すように、演出制御コマンドの決定に基づく乱数値情報を格納する場合、予備領域である第7キャラクタをデバッグ用領域として、当該領域に乱数値情報を格納する(図35(b)参照)。
また、予備領域である第8及び第9キャラクタについてもデバッグ用領域として、当該領域にデバッグ用のその他のデータを格納することができるようになっている(図35(b)参照)。
次に、変動パケットの送信タイミングについて、図36及び図37を用いて説明する。
図36(a)は、演出制御装置300の接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態における変動パケットの送信タイミングを示す図である。また、同図(a)は、変動パケットの送信中、演出ボタン25の押下等に基づくイベント係パケット(図33参照)の送信が無い状態を示す図である。
図36(a)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態では、変動パケット0〜12はそれぞれ33.333ms間隔で送信されるようになっている。また、変動パケット0〜2が送信されるタイミングは、イベント係パケット挿入不可区間に設定されており、当該区間において演出ボタン25の押下等が発生してもイベント系パケットが送信されないようになっている。
図36(b)は、図36(a)と同様、演出制御装置300の接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態における変動パケットの送信タイミングを示す図である。また、同図(b)は、変動パケットの送信中、演出ボタン25の押下等に基づくイベント係パケット(図33参照)の送信が有る状態を示す図である。
図36(b)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態では、図36(a)と同様、変動パケット0〜12はそれぞれ33.333ms間隔で送信されるようになっている。また、変動パケット0〜2が送信されるタイミングは、イベント係パケット挿入不可区間に設定されており、当該区間において演出ボタン25の押下等が発生してもイベント系パケットが送信されないようになっている。そして、演出ボタン25の押下等が発生した場合は、イベント系パケットの挿入が可能となるイベント系パケット挿入可区間(図36(b)の矢印参照)においてイベント系パケットが送信されることとなる。
図37(a)は、演出制御装置300の接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態における変動パケットの送信タイミングを示す図である。また、同図(a)は、変動パケットの送信中、演出ボタン25の押下等に基づくイベント係パケット(図33参照)の送信が無い状態を示す図である。
図37(a)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態では、変動パケット0〜12はそれぞれ66.666(33.333×2)ms間隔で送信されるようになっている。また、変動パケット0〜2が送信されるタイミングは、イベント係パケット挿入不可区間に設定されており、当該区間において演出ボタン25の押下等が発生してもイベント系パケットが送信されないようになっている。
図37(b)は、図37(a)と同様、演出制御装置300の接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態における変動パケットの送信タイミングを示す図である。また、同図(b)は、変動パケットの送信中、演出ボタン25の押下等に基づくイベント係パケット(図33参照)の送信が有る状態を示す図である。
図37(b)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態では、図37(a)と同様、変動パケット0〜12はそれぞれ66.666(33.333×2)ms間隔で送信されるようになっている。また、変動パケット0〜2が送信されるタイミングは、イベント係パケット挿入不可区間に設定されており、当該区間において演出ボタン25の押下等が発生してもイベント系パケットが送信されないようになっている。そして、演出ボタン25の押下等が発生した場合は、イベント系パケットの挿入が可能となるイベント系パケット挿入可区間(図37(b)の矢印参照)においてイベント系パケットが送信されることとなる。
次に、演出制御コマンドを送信する際のタイミングチャートについて、図38を用いて説明する。
図38(a)は、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態(通常時)における演出制御コマンドの送信のタイミングチャートである。
図38(a)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されていない状態では、上述のように演出制御コマンド(例えば、変動パケット)は33.333ms間隔で送信されるようになっている。
図38(b)は、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態における演出制御コマンドの送信のタイミングチャートである。
図38(b)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されている状態では、上述のように演出制御コマンド(例えば、変動パケット)は66.666(33.333×2)ms間隔で送信されるようになっている。
また、図38(c)に示すように、接続領域360にデバッグ装置350が搭載されているとき、デバッグ要求コマンドは、1stCPU311から2ndCPU312に演出制御コマンドが伝送されていないタイミング(t1〜t2、t3〜t4、t5〜t6、t7〜t8等)で送信されるようになっている。
〔通信許可処理〕
次に、デバッグ装置350の搭載の有無に応じて演出制御コマンドの送信時間を変更する場合の通信許可処理について説明する。図39に示すように、当該通信許可処理では、まず、デバッグ装置350を実装中であるか否かを判定する(ステップB91)。
ここで、デバッグ装置350を実装中であると判定した場合(ステップB91;Yes)は、1stCPU311と2ndCPU312との間の通信を許可する処理(ステップB92)を行う。次いで、1stCPU311とデバッグ装置350との間の通信を許可する処理(ステップB93)を行う。そして、2ndCPU312とデバッグ装置350との間の通信を許可する処理(ステップB94)を行った後、演出制御コマンドの転送時間をデバッグ装置350搭載用に変更(通常時よりも遅く)して(ステップB98)、通信許可処理を終了する。
一方、デバッグ装置350を実装中でないと判定した場合(ステップB91;No)は、1stCPU311と2ndCPU312との間の通信を許可する処理(ステップB95)を行うが、1stCPU311とデバッグ装置350との間の通信については非許可とする処理(ステップB96)を行い、また、2ndCPU312とデバッグ装置350との間の通信についても非許可とする処理(ステップB97)を行った後、演出制御コマンドの転送時間を通常時用に変更して(ステップB99)、通信許可処理を終了する。
次に、本実施形態の遊技機10における特図変動表示ゲームにて発生し得るリーチ演出について、図40を用いて説明する。
図40(a)は、本実施形態の遊技機10において発生し得るリーチ演出の種類について説明する図である。
ここで、リーチ時発展先率とは、リーチ演出が発生する際の振り分け率である。例えば、リーチ演出が発生する場合、ノーマルリーチは、50/100の確率で出現するように設定されている。
また、出現時信頼度とは、各リーチ演出が発生したときに遊技結果が大当りとなる確率を示すものである。例えば、キャラAリーチが発生した場合、10%の確率で遊技結果が大当りとなるように設定されている。
また、上リーチ昇格率とは、一のリーチ演出が発生した後、他のリーチ演出に昇格する確率を示すものである。例えば、キャラBリーチが発生した後、当該リーチの演出中にキャラB発展リーチ又はストーリーリーチへは20%の確率で昇格するように設定されている。
図40(b)は、上リーチ昇格経路を示す図である。
図40(b)に示すように、例えば、ノーマルリーチからは、キャラAリーチ、キャラA発展リーチ、キャラBリーチ、キャラB発展リーチ、キャラCリーチ、キャラC発展リーチ、又はストーリーリーチの何れかに昇格するようになっている。なお、この場合、ノーマルリーチからの昇格率は25%に設定されている(図40(a)参照)。
次に、デバッグ装置350によって集計された各リーチ演出の実際の出現回数等を示すテーブルの一例について、図41を用いて説明する。
図41に示すように、デバッグ装置350によって、各リーチ演出の出現回数、各リーチ演出後のはずれ数、及び大当り数、出現時信頼度、及び上リーチ昇格率等を集計することができるようになっている。
これにより、デバッグ装置350によって集計された出現時信頼度や上リーチ昇格率が、予め設定されている出現時信頼度や上リーチ昇格率とを比較して高いか低いかを検証することができるようになる。
ここで、図41に示す集計結果のキャラC発展リーチからの上リーチ昇格率は、ストーリーリーチの出現回数(2回)を、キャラC発展リーチの出現回数(6回)とストーリーリーチの出現回数(2回)とを足した値(8回)で除した値により導き出される(25%)。なお、ストーリーリーチの出現回数(2回)は、何れもキャラC発展リーチから昇格したものとする。
次に、表示装置41に表示される各リーチ演出に関するデバッグ情報の表示態様について、図42を用いて説明する。
図42に示すように、デバッグ装置350が接続領域360に搭載された状態において、各リーチ演出が導出されると、表示装置41の右上部には導出されたリーチ演出の種類、デバッグ装置350による集計を開始してからの出現時信頼度、及び、上リーチ昇格率が表示されるようになっている。
具体的には、図42(a)に示すように、ノーマルリーチが導出された場合、表示装置41の右上部には導出されたリーチ演出の種類(ノーマルリーチ)、デバッグ装置350による集計を開始してからの出現時信頼度(0.00%)、及び、上リーチ昇格率(43.0%)が表示されるようになっている。
なお、図42(a)の下部に示す丸印は、特図保留数を示すものであり、具体的には、このとき特図1保留数が4で、特図2保留数が2であることを示している。また、特図1保留を示す丸印のうち黒塗りの丸印は、先読み演出が実行されることを示すものである。
以上のように、本実施形態の遊技機によれば、複数の画像を表示可能な表示部41aを有する表示装置41と、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの制御コマンドに基づいて、演出制御を行う第1演算処理装置を搭載した第1制御手段(1stCPU311(演出制御装置300))と、第1制御手段(1stCPU311)からの演出制御コマンドに基づいて、表示装置41における表示制御を行う第2演算処理装置を搭載した第2制御手段(2ndCPU312(演出制御装置300))と、を備えた遊技機10において、第1制御手段(1stCPU311)と第2制御手段(2ndCPU312)との間で送信される演出制御コマンドを外部へ出力可能な検査用接続手段(接続領域360)を備え、検査用接続手段(接続領域360)は、第1制御手段(1stCPU311)及び第2制御手段(2ndCPU312)の検査に用いるデバッグ装置350を搭載可能に構成され、演出制御コマンドは、デバッグ装置350による検査に用いられる検査用データを含むことが可能に構成され、デバッグ装置350は、一時的に情報を記憶する記憶手段を備え、第1制御手段(1stCPU311)から第2制御手段(2ndCPU312)に送信される演出制御コマンドを前記記憶手段に記憶させ外部への出力を可能とし、第1制御手段(1stCPU311)は、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されているか否かを判定する搭載判定手段(1stCPU311)を備え、搭載判定手段(1stCPU311)によって、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合、第1制御手段(1stCPU311)と第2制御手段(2ndCPU312)との間で送信される演出制御コマンドには検査用データを含めないようにしたこととなる。
これにより、搭載判定手段(1stCPU311)によって、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合、演出制御コマンドには検査用コマンドが含まれないようにすることができる。
従って、デバッグ装置350を非搭載にして市場に流通させたパチンコ機において、検査段階のみに行われる通常時には必要のない検査用データを用いた処理が各演算処理装置間で行われてしまうことを防止することができるようになり、各演算処理装置の処理負担を軽減することができる。
また、本実施形態の遊技機によれば、デバッグ装置350は、検査用接続手段(接続領域360)に搭載されているときに当該搭載されていることを示す接続信号(接続コマンド)を出力し、搭載判定手段(1stCPU311)は、接続信号が検査用接続手段(接続領域360)を介して第1制御手段(1stCPU311)に入力された場合に、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていると判定したこととなる。
これにより、デバッグ装置350が検査用接続手段(接続領域360)に搭載されているときに当該搭載されていることを示す接続信号(接続コマンド)を当該検査用接続手段(接続領域360)を介して第1制御手段(1stCPU311)に出力することができるので、当該デバッグ装置350の搭載の有無の判定を適切に行うことができる。
また、本実施形態の遊技機によれば、演出制御コマンドとして、表示装置41において表示させる演出内容を指定するコマンドが複数種類設定されており、演出制御コマンドは、第1制御手段(1stCPU311)によって抽出された乱数による抽選結果に基づいて決定され、第1制御手段(1stCPU311)は、検査用接続手段(接続領域360)に搭載されたデバッグ装置350にのみ演出制御コマンドの決定に用いられた乱数の値を含む乱数値情報を出力したこととなる。
これにより、第1制御手段(1stCPU311)によって、検査用接続手段(接続領域360)に搭載されたデバッグ装置350にのみ演出制御コマンドの決定に用いられた乱数の値を含む乱数値情報を出力することができるので、当該デバッグ装置350において、第1制御手段(1stCPU311)によって抽出される乱数に偏りがないかを検査することができるようになる。
また、第2制御手段(2ndCPU312)には当該乱数値情報を出力しないようにすることで、当該第2制御手段(2ndCPU312)による処理負担を軽減することができるようになる。
また、本実施形態の遊技機によれば、演出制御コマンドは、固定長のデータを含むコマンドであり、当該固定長のデータの一部に空き領域が形成され、乱数値情報は、前記空き領域に格納したこととなる。
これにより、乱数値情報は、演出制御コマンドに含まれる固定長データの空き領域に格納することができるので、当該空き領域を有効に活用することができるようになる。
また、本実施形態の遊技機によれば、デバッグ装置350は、第1制御手段(1stCPU311)及び第2制御手段(2ndCPU312)の検査の実行を指示するためのデバッグ要求コマンドを出力可能とし、第1制御手段(1stCPU311)は、デバッグ装置350から出力されるデバッグ要求コマンドに基づいて演出制御コマンドを決定し、演出制御コマンドには、デバッグ要求コマンドに基づいて表示装置41に表示される所望の演出内容に関する情報の表示を指示するデバッグ表示用情報(デバッグ表示コマンド)が含まれ、第2制御手段(2ndCPU312)は、デバッグ表示用情報を含む演出制御コマンドが入力されることで、表示装置41の表示部41aに当該デバッグ表示用情報に基づいて構成される情報を表示したこととなる。
これにより、所望のデバッグ要求コマンドを出力した際、当該デバッグ要求コマンドに基づいて表示装置41に表示される演出内容に関する情報を表示装置41の表示部41aに表示することができるので、当該表示部41aに表示された演出内容が適切なものであるか否かを容易に検証することができるようになる。
また、本実施形態の遊技機によれば、第1制御手段(1stCPU311)は、搭載判定手段(1stCPU311)によって検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていると判定された場合には、当該デバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合に比べて、演出制御コマンドの伝送速度を遅くしたこととなる。
これにより、搭載判定手段(1stCPU311)によって検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていると判定された場合には、第1制御手段(1stCPU311)によって、当該デバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合に比べて、演出制御コマンドの伝送速度を遅くすることができるので、当該デバッグ装置350が搭載される当該遊技機10の開発時における第1(1stCPU311)及び第2制御手段(2ndCPU312)の処理負担を軽減することができるようになる。
従って、当該遊技機10の開発時は、第1(1stCPU311)及び第2制御手段(2ndCPU312)において複数の処理を並行して行うことが可能となり、当該遊技機10の開発効率を向上させることができるようになる。
〔変形例1〕
次に、本実施形態の遊技機の変形例について説明する。なお、基本的には、上記実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図43に示すように、変形例1の遊技機の演出制御装置300は、1stCPU311によって制御される第1制御装置310と、2ndCPU312によって制御される第2制御装置320と、を備えている。
また、演出制御装置300の第1制御装置310及び第2制御装置320は、別々の基板によって構成されている。
第1制御装置310は、当該遊技機に特有の遊技盤30に配設された盤装飾装置42や盤演出装置44、及び、ガラス枠15に配設された枠装飾装置18や枠演出装置45等を制御するための装置である。
第2制御装置320は、表示装置41の表示内容を制御するための装置であって、第1制御装置310に比べて汎用性を有する装置となっている。
そして、変形例1の遊技機は、当該第2制御装置320の基板上にデバッグ装置350を実装(搭載)するための接続領域360を備えている。なお、デバッグ装置350は、遊技機の機種に関わらず、第1制御装置から出力された演出制御コマンドに基づいて1stCPU及び2ndCPUの検査が可能な汎用性を有する装置である。
以上のように、変形例1の遊技機によれば、複数の画像を表示可能な表示部41aを有する表示装置41と、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの制御コマンドに基づいて、演出制御を行う第1演算処理装置(1stCPU311)を搭載した第1制御手段(第1制御装置310)と、第1制御手段(第1制御装置310)からの演出制御コマンドに基づいて、表示装置41における表示制御を行う第2演算処理装置(2ndCPU312)を搭載した第2制御手段(第2制御装置320)と、を備えた遊技機10において、第2制御手段(第2制御装置320)は、第1制御手段(第1制御装置310)と第2制御手段(第2制御装置320)との間で送信される演出制御コマンドを外部へ出力可能な検査用接続手段(接続領域360)を備え、検査用接続手段(接続領域360)は、第1制御手段(第1制御装置310)及び第2制御手段(第2制御装置320)の検査に用いるとともに、遊技機の機種が異なっても当該検査に用いることができるデバッグ装置350を搭載可能に構成され、演出制御コマンドは、デバッグ装置350による検査に用いられる検査用データを含むことが可能に構成され、デバッグ装置350は、一時的に情報を記憶する記憶手段を備え、第1制御手段(第1制御装置310)から第2制御手段(第2制御装置320)に送信される演出制御コマンドを前記記憶手段に記憶させ外部への出力を可能とし、第1制御手段(第1制御装置310)は、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されているか否かを判定する搭載判定手段(1stCPU311)を備え、搭載判定手段(1stCPU311)によって、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合、第1制御手段(第1制御装置310)と第2制御手段(第2制御装置320)との間で送信される演出制御コマンドには検査用データを含めないようにしたこととなる。
これにより、搭載判定手段(1stCPU311)によって、検査用接続手段(接続領域360)にデバッグ装置350が搭載されていないと判定された場合、演出制御コマンドには検査用コマンドが含まれないようにすることができる。 従って、デバッグ装置350を非搭載にして市場に流通させたパチンコ機において、検査段階のみに行われる通常時には必要のない検査用データを用いた処理が各演算処理装置間で行われてしまうことを防止することができるようになり、各演算処理装置の処理負担を軽減することができる。
また、第2制御手段(第2制御装置320)は、検査用接続手段(接続領域360)に遊技機の機種が異なっても検査に用いることができるデバッグ装置350を搭載可能に構成したので、当該機種が異なる度にデバッグ装置350を変更する必要がなくなり、当該デバッグ装置350を用いた検査にかかるコストを軽減することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。