<第1発明第1実施形態>
以下、図1〜18を参照して第1発明の第1実施形態について説明する。図1は同実施形態の遊技機10の斜視図である。
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ(例えばLED(発光ダイオード))を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置(装飾装置)18や、音声(例えば、効果音)を出力可能なスピーカ(上スピーカ:音出力装置、装飾装置)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ:音出力装置、装飾装置)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。操作部24には、遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ24a(図3参照)が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのスイッチ251a,252a(図3参照)を内蔵した演出ボタン251および選択ボタン252(以下、両者を区別しない場合は押しボタン251,252と称する)からなる押しボタンユニット25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。なお、タッチセンサを設ける箇所は操作部24に限られず、遊技を行う際に遊技者が触れることになる箇所であれば何処でも良い。また、タッチセンサ24aの代わりに、遊技者が遊技機の前にいることを検出する人感センサを設けても良い。
さらに、前面枠12の下部には、スピーカ19a,19bが出力する音声の音量を調節するための音量調節スイッチ29(図4参照)を内蔵した音量設定部(図示省略)が設けられている。音量調節スイッチ29は例えばロータリースイッチからなり、この音量設定部の操作部を操作する(回転させる)ことにより複数段階の音量レベル(例えば0から5の6段階)を設定可能となっている。つまり、音量設定部は、音出力装置が出力する音声の音量を、遊技者の所定操作により設定可能な音量設定手段である。
なお、音量調節スイッチ29は、遊技機10の裏面側に設けて遊技店の店員のみ操作できるようにしてもよい。
また、ロータリースイッチを用いずに、演出ボタン251の操作によって音量を選択するようにしてもよい。この場合、選択した音量レベルを、表示装置41に数値やメーターを表示したり、枠装飾装置18の発光態様を変化させたり、スピーカ19a,19bからサンプル音を出力したりすることにより認識できるようにするとよい。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン251を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。以下、遊技球の発射操作や、複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム、変動表示ゲームに伴う演出等、遊技者が興趣を感じることのできる遊技者の行為や遊技機の動作を「遊技」と称することがある。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、本実施形態の遊技盤30の構成例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示部41aの周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
本実施形態の表示装置(演出表示装置)41は、LCD(液晶表示器)で構成されている。すなわち、表示装置41は、表示部41aをなす液晶パネル(図示省略)と液晶パネルの背後に設けられたバックライト411(図4参照)とを備え、バックライト411から液晶パネルに向かって光を照射して表示部41aを発光させることにより液晶パネルに形成された演出画像が視認可能となるように構成されるとともに、バックライト411の輝度を変更することにより表示部41aの輝度を変更可能に構成されている。バックライト411は、例えば図22(b)に示すように、複数のLED411aをマトリクス状に配列したものとなっている。なお、表示装置41は、発光する複数のLEDの組合せによって図柄を形成するようにしたものや、CRT(ブラウン管)、有機EL等、電力により表示部が発光するよう構成されたものであれば何でも良い。
表示装置41の表示部41aには、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示部41aにおいては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示部41aには遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材(可動部材)37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor16ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成しても良い。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチ等からなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄等を用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現等多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態の遊技機10が備える制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備えている。遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータ等からなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成しても良い。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いても良い。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が16R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成したりして出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数等に基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチ等からの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、操作部24のタッチセンサ24aからのタッチ検出信号や、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。なお、タッチセンサ24aが出力するタッチ検出信号は、払出制御装置200を経由して入力するようにしても良い。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や、払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また入力部120の第1入力ポート123は、遊技店に設置される遊技場管理装置(情報収集装置、いわゆるホールコンピュータ)Hと接続することが可能となっている。このポート123に遊技場管理装置Hが接続された状態では、遊技場管理装置Hが出力した各種制御信号(節電制御信号等)を、第1入力ポート123を経由して遊技用マイコン111に入力することが可能となる。なお、遊技場管理装置Hからの制御信号は、外部情報端子71を経由して入力できるようにしても良い。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしても良い。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしても良い。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の開閉部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場管理装置Hに供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであっても良い。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしても良い。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各
種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしても良い。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路307等が設けられている。
また、VDP313には、電源装置400から供給された電源を、所定周期でオン/オフを繰り返すパルス波に変換して表示装置41のバックライト411等に供給するPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)出力回路308が設けられている。PWM出力回路308は、映像制御用マイコン312からの制御信号に基づき、出力するパルス波のデューティ比を任意に変化させることが可能に構成されている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられているランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウエイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー報知コマンド、節電開始(解除)コマンド、枠開放エラーコマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置(装飾装置)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18等を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(装飾装置:例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置(装飾装置:例えばムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた押しボタン251,252に内蔵されているスイッチ251a,252aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態や、音量調節スイッチ29の設定状態(音量レベル)を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336a、遊技場管理装置Hと接続することが可能であり、遊技場管理装置Hが出力した節電制御信号を主制御用マイコン311に入力することが可能な外部入力回路336b、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
この外部入力回路336bを備えることで、本実施形態の遊技機10は、遊技場管理装置Hを演出制御装置300および遊技制御装置100にそれぞれ接続可能となり、遊技場管理装置Hからの節電制御信号を遊技制御装置100、演出制御装置300の両方で受信できるようになっているが、演出制御装置300のみで受信するようにしても良いし、遊技場管理装置Hを遊技制御装置100のみに接続するとともに節電制御信号を遊技制御装置100のみで受信するようにしても良い。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしても良い。
電源装置400の制御信号生成部430は、遊技制御装置100だけでなく、演出制御装置300の主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314にも停電監視信号を出力する。制御信号生成部430は、停電発生を検出すると、停電監視信号を変化させるとともに、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bへリセット信号を出力し、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対する停電監視信号およびリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御しても良い。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
また、遊技制御装置100は、所定条件の成立に基づいて、演出制御装置300に節電開始コマンド(節電開始指令信号)や節電解除コマンド(節電解除指令信号)を送信するようになっている。なお、所定条件の詳細については後述する。
また、演出制御装置300は、図5に示すように、各種装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45を少ない消費電力で駆動するように制御する節電機能を有している。遊技場管理装置Hから受信した節電制御信号がハイになっている状態で遊技制御装置100から節電開始コマンドを受信すると、この節電機能がオンになり、各種装飾装置に供給される電力が減少するとともに、装飾装置の装飾態様が所定の節電装飾態様に変化する。一方、受信した節電制御信号がロウになったり節電解除コマンドを受信したりすると、節電機能がオフになり、各種装飾装置への電力の供給量が通常の供給量に戻るとともに、装飾装置の装飾態様が非節電装飾態様に戻る。
なお、節電制御信号を遊技制御装置100のみで受信するようにした場合には、節電開始(解除)コマンドを受信するだけで節電機能がオン(オフ)に変化することとなる。
装飾態様とは、装飾装置が音出力装置であれば音量やメロディ等、表示装置であれば表示される図柄や背景、表示部の明るさ(輝度)等、発光手段であれば明るさ(輝度)や点灯時間、点滅パターン等、可動役物(以下、可動役物に限っては、装飾態様を動作態様と称することがある)であれば動作の有無や移動速度、移動量等可動役物の位置や移動方向、移動距離、移動速度等のことである。
本実施形態では、装飾装置が表示装置41であれば表示部41aを暗くした(輝度を低下させた)状態、スピーカ19a,19bであれば音声が出力されない(音量レベルを0にした)状態、枠装飾装置18や盤装飾装置42であれば内蔵したLEDの一部または全てを消灯した状態、盤演出装置44や枠演出装置45であれば可動役物の動作を停止させた状態を節電装飾態様としている。なお、消費電力が低下するのであれば、小音量での音声出力、低輝度でのLED発光、低速度または短距離での可動役物の移動を節電装飾態様としてもよい。以下、装飾装置の消費電力が減少するとともに、該装飾装置の装飾態様が所定の節電装飾態様となった状態を節電状態と称する。
また、演出制御装置300は、一部の装飾装置を選択して節電状態にすることが可能に構成されている。この機能を用いて本実施形態では、節電機能がオンになっても表示装置41を節電状態にすることはせず、他の装飾装置だけを節電状態にするようにしている。このとき、表示装置41の表示部41aには、遊技機10が節電状態になっていることを遊技者に報知する画像(例えば「節電中」の文字等)を表示するようになっている。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図7のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図7のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定等がCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38a等)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御等を行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠12やガラス枠が開放されていないか等)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。この特図普段処理の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor16R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor16R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
このような処理を行うことで、一括表示装置50や表示装置41において特図変動表示ゲームが実行されるようになる。すなわち、遊技制御装置100は、所定の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図10に示すように、特図普段処理では、まず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。ここで、第2特図保留数が0でないと判定した場合(ステップA302;No)は、特図2変動開始処理(ステップA303)を行い、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA304)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値等)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
ステップA302において、第2特図保留数が0であると判定した場合(ステップA302;Yes)は、第1特図保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA305)。ここで、ここで、第1特図保留数が0でないと判定した場合(ステップA306;No)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されるようになる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されるようになる。
また、ステップA306において第1特図保留数が0であると判定した場合(ステップA306;Yes)は、節電制御信号がハイになっているか否かを判定する(ステップA309)。ここで、節電制御信号がハイになっていると判定した場合(ステップA309;Yes)は、普図ゲーム処理番号をチェックする(ステップA310)。ここで、普図ゲーム処理番号が普図普段処理の実行中であることを示すものであると判定した場合(ステップA311;Yes)は、普図保留数が0であるか否かをチェックする(ステップA312)。ここで、普図保留数が0であると判定した場合(ステップA313;Yes)は、遊技機のエラー状態を取得する(ステップA314)。ここで、取得した情報が遊技機にエラー状態が発生していないことを示すものであった場合(ステップA315;Yes)は、操作部24のタッチセンサ24aのタッチ検出信号をチェックして、ハイからロウまたはロウからハイへの変化があったか否かを判定する(ステップA316)。ここで、タッチ検出信号に変化があったと判定した場合(ステップA317;Yes)は、ステップA318以降の処理を行う。
ステップA309において節電制御信号がロウになっていると判定した場合(ステップA309;No)、ステップA311において普図ゲーム処理番号が普図普段処理の実行中であることを示すものではないと判定した場合(ステップA311;No)、ステップA313において普図保留数が0ではないと判定した場合(ステップA313;No)、ステップA315において取得した情報が遊技機にエラー状態が発生していることを示すものであった場合(ステップA315;No)、ステップA317においてタッチ検出信号に変化がないと判定した場合(ステップA317;No)は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA322)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
ステップA318では、タッチ検出信号がハイからロウ、ロウからハイのどちらに変化したかを判定する。タッチ検出信号がハイからロウに変化した、すなわち遊技者が操作部24(遊技機の所定箇所)から手を離したと判定した場合(ステップA318;No)は、節電機能をオンにすることを演出制御装置に指示する節電開始コマンドを準備し(ステップA319)、コマンド設定処理を行って(ステップA321)、ステップA322に進む。つまり、本実施形態では、遊技場管理装置Hから受信した節電制御信号がハイになっていること、特図、普図ともに保留がない(遊技が停止している)こと、遊技機10にエラー状態が発生していないこと、遊技者が操作部24から手を離したこと、が全て満たされることが節電状態を発生させるための「所定条件の成立」ということになる。
一方、ステップA318において、タッチ検出信号がロウからハイに変化した、すなわち遊技者が操作部24に手を触れたと判定した場合(ステップA318;Yes)は、節電機能をオフにすることを指示する節電解除コマンドを準備し(ステップA320)、コマンド設定処理を行って(ステップA321)、ステップA322に進む。
このような処理を行うことで、所定条件が全て成立した場合に節電開始コマンドが演出制御装置300に送信され、上記各条件の少なくとも一つが満たされなくなった場合に節電解除コマンドが演出制御装置300に送信されるようになる。つまり、遊技制御装置100は、遊技者が当該遊技機の所定箇所に接触したか否かを検出する操作接触検出手段として機能するとともに、変動表示ゲーム実行手段100が変動表示ゲームを実行していない場合であって当該遊技機10に異常が発生したことを検出していない場合に、節電開始指令信号を演出制御手段300に送信する機能や、遊技者が当該遊技機の所定箇所に接触したことを操作接触検出手段が検出した場合に、節電解除指令信号を演出制御手段に送信する機能を有することになる。
なお、上記所定条件を全て満たすのではなく、その内の一部を満たした場合に、節電開始コマンドを送信するようにしても良い。
以上、遊技制御装置100が上記の各種制御(タイマ割込み処理〜特図普段処理)を行うことで、変動表示ゲームや、遊技機10に対する不正行為の監視が行われ、遊技が進行して行くようになる。つまり、遊技制御装置100は、遊技の進行を管理する遊技制御手段として機能することになる。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。図4に示したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stCPUメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図11に示す1stCPUメイン処理を行う。この1stCPUメイン処理においては、はじめに、プログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は、所定の復帰操作(電源投入や、電源投入後のリセット操作等)後に行われるもので、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン251の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置18,42、演出装置44,45等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置18,42のLEDの発光、演出装置44,45の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理を行い(ステップB22)、遊技機エラー監視処理を行う(ステップB23)。この遊技機エラー監視処理では、遊技機10にエラー状態が発生しているか否かを監視し、エラー状態が発生したことを検出した場合にそのことを報知するための処理を行う。具体的には、遊技制御装置100が管理する各種装置で所定の事象(例えば、挿入された異物によって不正操作されたことや、所定以上の強さの衝撃や振動が加えられたこと等の異常)が発生したことに基づいて遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドを受信した場合や、演出制御装置300が管理する(遊技制御装置100が直接管理していない)各種装置で同様の事象(遊技制御手段が検出する異常とは異なる異常)が発生したことを検出した場合に、各装飾装置の装飾態様をエラー報知態様に変更するための処理を行う。
また、エラー状態が発生したことを検出した後は、エラー状態が収まったかどうかの監視を行い、エラー状態が収まると(遊技制御装置100で検出したエラーの場合は収まってから所定時間(Terror)経過後)、各装飾装置の装飾態様をエラー報知態様からエラー非報知態様に変更するための処理を行う。
このような処理を行うことで、遊技機10に何らかのエラー状態が発生している間はそのことが報知されるようになる。つまり、演出制御装置300は、遊技制御手段100が検出する異常とは異なる異常を検出する機能や、所定の事象に基づいて当該遊技機10に異常が発生したことを検出し、異常を検出した場合に該異常が解消されたか否かの監視を行う機能を有することになる。
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を行う(ステップB24)。映像制御用マイコン312は、この処理で編集されたコマンドに基づいて、表示装置41の表示制御を行う。例えば、バックライト411の輝度を変更させるための処理や、表示部41aに節電中であることやエラー状態発生中であることを示す画像を表示させるための処理等を行う。
その後、サウンド制御処理(ステップB25)を行う。このサウンド制御処理では、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)の音声出力に関する制御を行う。例えば、音量調節部で設定されている音量レベルで音声を出力させるための処理や、節電機能がオンになった場合にスピーカ19a,19bの出力音量レベルを「0」にするための処理、エラー状態が発生した場合にスピーカ19a,19bの出力音量レベルを設定値と関係なく最大値に変更し、エラー報知音の出力を指示するコマンドを送信する処理等を行う。
このような処理を行うことで、スピーカ19a,19bからは遊技機10の状態に合わせて音声が出力されるようになる。つまり、演出制御装置300は、音出力装置が出力する音声の音量を、音量設定手段の設定状態に基づいて制御する機能や、遊技機に異常が発生したことを検出した場合は、異常を報知する音声を音量設定手段の設定状態に基づかない所定の音量で、音出力装置に出力させる機能を有することになる。
次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。この装飾制御処理、モータ/SOL制御処理では、遊技制御装置100からの制御コマンドや、節電機能のオンオフ、一時解除フラグの有無、エラー状態発生の有無等に基づいて各種装飾装置を所定の装飾態様で動作するよう制御するための処理を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)、節電機能のオン/オフを設定する節電実行設定処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
上記ステップB24〜27のような処理を行うことで、各種装飾装置の装飾態様が遊技の進行に合わせて変化するようになる。つまり、遊技制御装置300は、遊技制御手段100から送信される制御指令に基づいて可動体装置80の動作態様を含む装飾装置の装飾態様を制御したり、表示部41aにおける演出画像の表示制御を行ったりする演出制御手段や、所定条件の成立に基づいて、装飾装置(可動体装置)に供給される電力が減少するとともに、該装飾装置(可動役物)の装飾態様(動作態様)が所定の節電装飾態様(節電動作態様)となる節電状態を発生させる節電制御手段として機能するとともに、装飾装置の装飾態様を当該遊技機に異常が発生していることを報知する異常報知態様に変化させる機能を有することになる。
〔節電実行設定処理〕
次に、上述の1stCPUメイン処理における節電実行設定処理(ステップB29)の詳細について説明する。
図12に示すように、節電実行設定処理では、まず、節電機能の状態を取得する(ステップB201)。ここで、節電機能がオンになっていると判定した場合(ステップB202;Yes)は、図13に示すステップB214に進む。一方、節電機能がオフになっていると判定した場合(ステップB202;No)は、節電機能がオンになっているが節電状態が一時的に解除されていることを示す一時解除フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB203)。ここで、一時解除フラグが設定されていると判定した場合(ステップB203;Yes)は、ステップB214に進む。一方、一時解除フラグが設定されていないと判定した場合(ステップB203;No)は、ステップB204に進む。
ステップB204では、節電制御信号がハイになっているか否かを判定する。ここで、節電制御信号がロウになっていると判定した場合(ステップB204;No)は、節電実行設定処理を終了する。一方、節電制御信号がハイになっていると判定した場合(ステップB204;Yes)は、各種エラー状態の発生状況を取得する(ステップB205)。ここで、何かしらのエラー状態が発生していると判定した場合(ステップB206;Yes)は、節電実行設定処理を終了する。一方、エラー状態が何ら発生していないと判定した場合(ステップB206;No)は、ステップB207に進む。
ステップB207では、節電開始コマンドを受信してから節電機能がオンになるまでの開始ウエイト期間であることを示す開始ウエイトフラグが設定されているか否かを判定する。ここで、開始ウエイトフラグが設定されていると判定した場合(ステップB207;Yes)は、ステップB211に進む。一方、開始ウエイトフラグが設定されていないと判定した場合(ステップB207;No)は、遊技制御装置100から節電開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB208)。ここで、節電開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB208;No)は、節電実行設定処理を終了する。一方、節電開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップB208;Yes)は、開始ウエイトタイマに所定のタイマ値(Twait)を設定し(ステップB209)、開始ウエイトフラグを設定して(ステップB210)、ステップB211に進む。
ステップB211では、開始ウエイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する。ここで、開始ウエイトタイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップB211;No)は、節電実行設定処理を終了する。一方、開始ウエイトタイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップB211;Yes)は、節電機能をオンにする処理を行い(ステップB212)、開始ウエイトタイマをクリアして(ステップB213)、節電実行設定処理を終了する。
図13に移り、ステップB214では、節電制御信号がハイになっているか否かを判定する。ここで、節電制御信号がロウになっていると判定した場合(ステップB214;No)は、ステップB229に進む。一方、節電制御信号がハイになっていると判定した場合(ステップB214;Yes)は、押しボタンスイッチ251a,252aの状態を取得する(ステップB215)。ここで、演出ボタンスイッチ251aまたは選択ボタンスイッチ252aの少なくとも何れかに入力があったと判定した場合(ステップB216;Yes)は、ステップB229に進む。一方、演出ボタンスイッチ251aと選択ボタンスイッチ252aのどちらにも入力がなかったと判定した場合(ステップB216;No)は、ステップB217に進む。
ステップB217では、各種エラー状態の発生状況を取得する。ここで、何かしらのエラー状態が発生していると判定した場合(ステップB218;Yes)は、一時解除フラグを設定し(ステップB219)、節電機能をオフにする処理を行って(ステップB220)、節電実行設定処理を終了する。一方、エラー状態が何ら発生していないと判定した場合(ステップB218;No)は、一時解除フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB221)。ここで、一時解除フラグが設定されていないと判定した場合(ステップB221;No)は、ステップB224に進む。一方、一時解除フラグが設定されていると判定した場合(ステップB221;Yes)は、節電機能をオンにする処理を行い(ステップB222)、一時解除フラグをクリアして(ステップB223)、ステップB224に進む。
ステップB224では、節電解除コマンドを受信してから節電機能がオフになるまでの解除ウエイト期間であることを示す解除ウエイトフラグが設定されているか否かを判定する。ここで、解除ウエイトフラグが設定されていると判定した場合(ステップB224;Yes)は、ステップB228に進む。一方、解除ウエイトフラグが設定されていないと判定した場合(ステップB224;No)は、遊技制御装置100から節電解除コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB225)。ここで、節電解除コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB225;No)は、節電実行設定処理を終了する。一方、節電解除コマンドを受信したと判定した場合(ステップB225;Yes)は、解除ウエイトタイマにタイマ値(Twait)を設定し(ステップB226)、解除ウエイトフラグを設定して(ステップB227)、ステップB228に進む。
ステップB228では、解除ウエイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する。ここで、解除ウエイトタイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップB228;No)は、節電実行設定処理を終了する。一方、解除ウエイトタイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップB228;Yes)は、節電機能をオフにする処理を行い(ステップB229)、解除ウエイトフラグをクリアして(ステップB230)、節電実行設定処理を終了する。
このような処理を行うことで、所定条件が成立した場合に装飾装置が節電状態になり、遊技機10にエラー状態が発生すると、その間装飾装置のエラー状態が解除されるようになる。つまり、演出制御装置300は、当該遊技機の外部から送信されてくる節電制御信号を受信したことに基づいて、節電状態を発生させる機能や、節電状態において当該遊技機に異常が発生したことを検出した場合は、該異常が解消されたことを検出するまでの間、節電状態を一時的に解除する機能を有することになる。
なお、ここでは、押しボタン251,252が押下された場合に節電機能をオフにするようにしたが、押しボタン251,252以外のボタン(例えば球貸ボタン27等)が押下された場合や、音量調節スイッチ29の設定が変更された場合などに節電機能をオフにするようにしても良い。
また、開始ウエイト期間に節電解除コマンドを受信した場合には、開始ウエイトタイマおよび解除ウエイトフラグをクリアして節電機能のオフ状態を継続するようにし、解除ウエイト期間に節電開始コマンドを受信した場合には、解除ウエイトタイマおよび解除ウエイトフラグをクリアして節電機能のオン状態を継続するようにしても良い。
また、開始(解除)ウエイトタイマ、開始(解除)ウエイトフラグに関する処理を行わないようにすることで、所定条件が成立した(しなくなった)後、所定時間待つことなく直ちに節電機能をオン(オフ)にするようにしても良い。
また、遊技制御装置100と演出制御装置300の両方で節電制御信号を監視するようにしているが、どちらか一方(特図普段処理のステップA309または本処理のステップB232,B233)の処理を省略するようにしても良い。
また、節電解除コマンドを受信した場合に節電状態を解除するようにしたが、遊技制御装置から節電解除コマンド以外の他のコマンドを受信した場合に解除するようにしてもよい。
次に、遊技機10の節電機能のオン/オフ動作の流れについて説明する。
本実施形態の遊技機10は、例えば、遊技場管理装置Hに接続され、スピーカ19a,19bの音量レベルが「4」に設定された状態では、図14に示すように動作する。具体的には、遊技場管理装置Hに所定の操作がなされると、遊技場管理装置Hが遊技機10へ出力している節電制御信号がハイに変化し、節電機能をオンにすることが可能(節電機能が有効)な状態となる(t1)。なお、節電制御信号の状態(ハイ/ロウ)によって節電機能の有効期間を決めるのではなく、所定の開始コマンドが送信されてから終了コマンドが送信されるまでの間を有効期間としてもよい。
その後、保留がない、遊技者が操作部24にから手を離した等の所定条件が成立すると、遊技制御装置100から演出制御装置300に節電開始コマンドが送信される(t2)。それから所定期間(Twait)経過後に節電機能がオンになり、スピーカ19a,19bは音声を出力しなくなる(音量レベルが「0」になる:t3)。また、スピーカ19a,19b以外の装飾装置が、その装飾態様をエラー未報知態様としたまま節電状態になる。
ここで、演出制御装置300或いは演出制御装置300が管理する装置に何らかのエラー状態が発生すると、直ちに節電機能がオフになり、装飾装置が非節電状態になる(t4)。そして、音源LSI314からアンプ回路337a,337bにエラー報知音の出力を指示するコマンドが送信され、スピーカ19a,19bからは、予め設定されていた音量レベル「4」とは関係なく最大の音量レベル「5」でエラー報知音が出力されるようになる(t5)。また、スピーカ19a,19b以外の他の装飾装置の装飾態様がエラー未報知態様からエラー報知態様に変更される(t5)。
発生していたエラー状態が収まると、再び節電機能がオンになり、装飾装置が節電状態に戻る(t6)。また、音源LSI314からアンプ回路337a,337bにエラー報知音の出力停止を指示するコマンドが送信され、スピーカ19a,19bは再び音声を出力しなくなる(t7)。また、スピーカ19a,19b以外の装飾装置の装飾態様がエラー報知態様からエラー未報知態様に変化する(t7)。
ここで、保留が記憶される、遊技者が操作部24に手を触れる等、所定条件が成立しなくなると、遊技制御装置100から演出制御装置300に節電解除コマンドが送信され(t8)、所定期間(Twait)経過後に節電機能がオフになり、スピーカ19a,19bは音量レベル「4」で音声を出力するようになる(音量レベルが当初から設定されていた「4」に戻る:t9)。また、スピーカ19a,19b以外の装飾装置が、その装飾態様をエラー未報知態様としたまま非節電状態になる。
ところで、遊技制御装置100または遊技制御装置100が管理する装置においてエラー状態が発生した場合は、遊技機10は図15に示すように動作する。具体的には、エラー状態が発生すると、遊技制御装置100から演出制御装置300へエラー報知コマンドが送信される(t14)。そして、音源LSI314からアンプ回路337a,337bにエラー報知音の出力を指示するコマンドが送信され(t15)、スピーカ19a,19bからは音量レベル「5」でエラー報知音が出力されるようになる(t16)。
発生していたエラー状態が収まると(t17)、その後も節電機能がオフとなった状態が所定時間(Terror)継続する。この所定期間経過後に節電機能がオンになり(t18)、スピーカ19a,19bは音声を出力しなくなる(t19)。
このように、エラー状態が収まってから装飾装置の装飾態様をエラー非報知態様に戻すまでに所定時間置くと、エラー状態が収まった直後にエラー状態が再び発生して、装飾装置の装飾態様が頻繁に変更されるのを防止することができる。
(変形例1)
なお、節電状態の発生中にエラー状態が発生し、収まった後は、節電機能をオンにすることなくオフにし続けるようにしてもよい。具体的には、図16に示すように、エラー状態が収まってから所定期間(Terror)経過後、節電機能をオンにはせず、演出制御装置300からアンプ回路337a,337bにエラー音停止を指示する音源LSI制御コマンドを送信する(t38)。すると、音量レベルは当初から設定されていた「4」に戻り、遊技制御装置100から節電解除コマンドが送信される前であってもスピーカ19a,19bから音量レベル「4」で音声が出力されるようになる。
(変形例2)
また、エラー状態の発生中に遊技制御装置100から演出制御装置300に節電開始コマンドを送信できるようにする(所定条件からエラー状態の発生を除く)とともに、エラー報知中に節電開始コマンドが送信された場合には節電機能を作動させないようにしてもよい。すなわち、演出制御装置300に、装飾装置の装飾態様が異常報知態様となっている間に、遊技制御手段から節電開始指令信号を受信した場合には、装飾装置の装飾態様を節電装飾態様に変更することなく異常報知態様を継続させる機能を持たせるようにしてもよい。具体的には、図17に示すように、節電機能がオンになっているときに、所定条件が成立しなくなると、遊技制御装置100から演出制御装置300に節電解除コマンドが送信され(t41)、所定期間(Twait)経過後に節電機能がオフになる(t42)。ここで、遊技制御装置100または遊技制御装置100が管理する装置にエラー状態が発生すると、遊技制御装置100から演出制御装置300へエラー報知コマンドが送信される(t43)。そして、装飾装置の装飾態様がエラー未報知態様からエラー報知態様に変化する(t44)。
ここで、所定条件が成立すると、遊技制御装置100から演出制御装置300に節電開始コマンドが送信されるが(t45)、エラー状態発生中であるため節電機能をオフにした状態が継続される。
発生していたエラー状態が収まると(t46)、その後も節電機能がオフとなった状態が所定時間(Terror)継続する。この所定期間経過後に演出制御装置300からアンプ回路337a,337bにエラー音停止を指示する音源LSI制御コマンドが送信され(t47)、スピーカ19a,19bは音量レベル「4」で音声を出力するようになる(t48)。一方、節電機能がオフとなった状態は、再び節電開始コマンドが送信されるまでの間継続される。
なお、上記変形例1,2では、遊技制御装置100または遊技制御装置100が管理する装置でエラー状態を検出した場合を例にして説明したが、演出制御装置300または演出制御装置300が管理する装置でエラー状態を検出した場合に同様の動作を行うようにしても良い。
(変形例3)
また、節電機能をオンにすることが可能な状態とするか否か(節電機能を有効/無効の何れにするか)を、遊技場管理装置Hから送信される節電制御信号ではなく、音量設定部の音量調節スイッチ29で設定した音量レベルに基づいて決定するようにしてもよい。
例えば、図18(a)に示すような音量調節スイッチ(ここでの設定可能な音量レベルは「0」〜「9」の10段階)29を遊技機10の裏面に設け、遊技店でのみ設定可能にする。そして、音量レベルを「0」〜「4」の何れかに設定した場合は節電機能を有効、音量レベルを「5」〜「9」の何れかに設定した場合は節電機能を無効となるようにする。そして、特図普段処理のステップA309の処理を、現在の設定音量レベルが節電機能を有効にする値(「5」以上)になっているか否かを判定する処理に変更する。
このようにすれば、音量調節と節電機能の設定を効率よく行うことができる。また、日頃から音量を小さく設定している節電意識の高い遊技店は、より一層の節電効果を得ることができる。
なお、このような構成の場合、節電状態の発生中に音量レベルを「5」〜「9」に変更すると遊技制御装置から節電解除コマンドが送信され節電状態が解除されることになるが、節電解除コマンド以外の他のコマンドを受信した場合に解除するようにしてもよい。
また、音量レベル「0」〜「4」で節電機能を無効、音量レベル「5」〜「9」で節電機能を有効としても良い。
また、音量レベルが低いときに節電機能を有効、高いときに無効とするのではなく、例えば、図18(b)に示すように、偶数の音量レベル「0,2,4,6,8」の何れかに設定したときは節電機能を有効にし、奇数の音量レベル「1,3,5,7,9」の何れかに設定したときは節電機能を無効にするようにしてもよい。
このようにすれば、音量調節と節電状態の設定を効率よく、且つきめ細かく行うことができる。
なお、遊技機10の前面に遊技者のみ操作可能な第1音量調節スイッチを設けるとともに、遊技機の裏面に遊技店の店員のみ操作可能な第2音量調節スイッチを設け、前面の第1音量調節スイッチでは音量レベルの設定のみ可能とし、裏面の第2音量調節スイッチにおいてのみ節電機能の有効又は無効を設定できるようにしてもよい。この場合、第1音量調節スイッチで選択できる音量レベルは、第2音量調節スイッチで設定された音量レベルが上限となるよう制限をかけるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の遊技機10が備える演出制御手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づいて、装飾装置(枠装飾装置18、上スピーカ19a、下スピーカ19b、盤装飾装置42、盤演出装置44、枠演出装置45)に供給される電力が減少するとともに、該装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様が所定の節電装飾態様となる節電状態を発生させる節電制御手段(演出制御装置300)を備え、所定の事象に基づいて当該遊技機10に異常が発生したことを検出し、異常を検出した場合に該異常が解消されたか否かの監視を行い、節電状態において当該遊技機10に異常が発生したことを検出した場合は、該異常が解消されたことを検出するまでの間、節電状態を一時的に解除するとともに、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を当該遊技機10に異常が発生していることを報知する異常報知態様に変化させるようにしている。
従って、遊技を演出する装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45のみ節電状態となるので、遊技制御手段(遊技制御装置100)が管理する遊技に影響を及ぼすことなく消費電力を低減することができる。
また、節電制御中に遊技機10の異常が検出された場合は、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の節電状態が一時的に解除されるとともに異常が報知されるので、異常の報知が行なわれないまま異常のある遊技機10で遊技者が遊技してしまうような事態が起こるのを防ぐことができる。
また、本実施形態の節電制御手段300は、当該遊技機10の外部から送信されてくる節電制御信号を受信したことに基づいて、節電状態を発生させるようにしている。
従って、節電状態を発生可能とするか否かの設定操作が遊技機10の外部から可能となるため、対象の遊技機10で遊技が行われている最中でも設定を行うことができる。
また、一つの設定操作手段(例えば遊技店に設置された遊技場管理装置)から複数の遊技機10に対して節電制御信号を送信し、複数の遊技機10の設定を一斉に行えるようなシステムを構築することができる。
また、本実施形態の装飾装置には、音声を出力可能な音出力装置(スピーカ19a,19b)が含まれ、音出力装置19a,19bが出力する音声の音量を、遊技者の所定操作により設定可能な音量設定手段(音量調節スイッチ29)を備え、演出制御手段300は、音出力装置19a,19bが出力する音声の音量を、音量設定手段の設定状態に基づいて制御する機能を有し、遊技機10に異常が発生したことを検出した場合は、異常を報知する音声を音量設定手段の設定状態に基づかない所定の音量で、音出力装置19a,19bに出力させるようにしている。
従って、異常の発生が検出されると、音量設定手段の設定状態に基づかない所定の音量で異常を報知する音声が出力されるので、音出力装置19a,19bの出力音量が下げられた状態で不正が行なわれた場合でも、確実に異常を報知することができる。
また、本実施形態の遊技制御手段100は、所定の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)を備え、所定の事象に基づいて当該遊技機10に異常が発生したことを検出し、異常を検出した場合に該異常が解消されたか否かの監視を行い、変動表示ゲーム実行手段100が変動表示ゲームを実行していない場合であって当該遊技機10に異常が発生したことを検出していない場合に、節電開始指令信号を演出制御手段300に送信するようにしている。
従って、変動表示ゲームが実行されていない場合であって遊技機10に異常が発生したことを検出していない場合に、遊技制御手段100から演出制御手段300に節電状態を発生させるための節電開始指令信号が送信されるので、遊技に支障を及ぼすことなく消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様には、当該遊技機10に異常が発生していることを報知する異常報知態様(エラー報知態様)が含まれ、演出制御手段300は、遊技制御手段100が検出する異常とは異なる異常を検出するとともに、異常を検出した場合に該異常が解消されたか否かの監視を行い、節電状態において当該遊技機10に異常が発生したことを検出した場合は、該異常が解消されたことを検出するまでの間、節電状態を一時的に解除するとともに、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を異常報知態様に変化させるようにしている。
従って、節電制御中に、演出制御手段300が、遊技制御手段100が検出する異常とは異なる異常を検出した場合であっても、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の節電状態が一時的に解除されるとともに異常が報知されるので、より確実に異常の発生を報知することができる。
また、本実施形態の演出制御手段300は、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様が異常報知態様となっている間に、遊技制御手段100から節電開始指令信号を受信した場合には、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を節電装飾態様に変更することなく異常報知態様を継続させるようにしている。
従って、異常発生の報知を行っている最中に装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45が節電状態になることがないため、異常が解消されるまで異常発生を確実に報知することができる。
また、本実施形態の演出制御手段300は、遊技制御手段100から送信される節電開始指令信号を受信したことに基づいて、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45に供給される電力が減少するとともに、該装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様が所定の節電装飾態様となる節電状態を発生させ、遊技制御手段100から送信される節電解除指令信号を受信したことに基づいて、節電状態を解除する制御を行なう節電制御手段300と、を備え、遊技制御手段100は、所定の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段100を備え、所定の事象に基づいて当該遊技機10に異常が発生したことを検出し、異常を検出した場合に該異常が解消されたか否の監視を行い、変動表示ゲーム実行手段100が変動表示ゲームを実行していない場合であって当該遊技機10に異常が発生したことを検出していない場合に、節電開始指令信号を演出制御手段300に送信し、遊技者が当該遊技機10の所定箇所に接触したことを操作接触検出手段(遊技制御装置100)が検出した場合に、節電解除指令信号を演出制御手段300に送信するようにしている。
従って、変動表示ゲームが実行されていない場合であって遊技機10に異常が発生したことを検出していない場合に、遊技制御手段100から演出制御手段300に節電状態を発生させるための節電開始指令信号が送信されるので、遊技に支障を及ぼすことなく消費電力を低減することができる。
また、遊技者が遊技機10の所定箇所に接触したことを検出した場合に、遊技制御手段100から演出制御手段300に節電状態を解除するための節電解除指令信号が送信されるので、遊技者が遊技機10に何らかの操作を行っているのに節電状態が解除されないという事態が起こるのを防ぐことができる。
<第1発明第2実施形態>
次に、図19〜31を参照して本発明の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、本実施形態で変更した点のみ説明する。
第1実施形態の遊技機10は、節電機能がオンになったとき、表示装置41を節電状態にはせず、表示部41aに装飾装置が節電状態となっている旨(例えば「節電中」の文字)を表示させるだけとなっていた。これに対し、本実施形態の遊技機10は、表示装置41を含めた全ての装飾装置を節電状態にするようになっており、さらに、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンに合わせて、表示装置41の節電の度合いを変化させるようになっている。また、本実施形態では、特別変動入賞装置38にも節電機能を備えている。このため、本実施形態の遊技機10は、遊技盤30や遊技制御装置100の構成、演出制御装置300が行う制御処理が第1実施形態と異なっている。
まず、遊技盤30の変更点について説明する。
本実施形態の遊技盤30は、図19(a)に示すように、可動体装置80を備えている。この可動体装置80は、図示しないセンターケース40の所定部位(ここでは右側部)にその回転軸が盤面と垂直になるよう取り付けられた第1駆動モータ81と、第1駆動モータ81の回転軸に取り付けられ、回転軸の回転によって盤面に沿って回動する支持部82と、支持部82の先端に設けられ、表示装置41の表示部41aを遮蔽しない初期位置(ここでは表示部41aの上方)と、表示部41aを遮蔽する遮蔽位置(表示部41aの前方、初期位置以外の所定位置)との間を、回転軸を中心とする円弧を描きながら移動可能な可動役物83と、可動役物83が初期位置にあるときに位置検出信号を演出制御装置300に出力する第1位置検出センサ84と、からなる。
なお、可動体装置80は、表示装置41の表示部41aを遮蔽した状態と遮蔽していない状態とに変化させることが可能なものであれば、その構成は任意である。
可動役物83は、図19(b)に示すように、支持部82に、その回転軸が盤面と垂直になるよう支持された第2駆動モータ85と、回転軸に取り付けられ、回転軸の回転によって回転する回転板86と、回転板86の裏面に形成された突出部86aが初期位置(対向する位置)にあるときに位置検出信号を演出制御装置300に出力する第2位置検出センサ87と、からなる。突出部86aが図19(b)に示す位置にあるとき、回転板86は、図19(a)の破線で示した状態になる。
次に、遊技制御装置100の変更点について説明する。
本実施形態の遊技制御装置100は、大入賞口を駆動するドライバ138aにPWM出力回路(図示省略)を備え、開閉扉38cの開放動作を低消費電力で行うことができるようになっている。具体的には、16R大当りのときのように開閉扉38cを長時間開放させる場合は、図20(a)に示すように、開閉扉38cが開放を開始してから開放状態となるまでの間(t51〜t52,t55〜t56)および開閉扉38cが閉鎖を開始してから閉鎖状態となるまでの間(t53〜t54,t57〜t58)は、通常消費電力(例えばデューティ比100%)で大入賞口ソレノイド38bを励磁させ、開閉扉38cが開放状態になっている間(t52〜t53,t56〜t57)は低消費電力(例えばデューティ比50%)でソレノイドを励磁するようになっている。一方、2R大当りのときのように開閉扉38cを短時間開放させる場合は、図20(b)に示すように、全ての期間(t59〜t60,t61〜t62)、通常消費電力で大入賞口ソレノイド38bを励磁させるようになっている。
なお、大入賞口ソレノイド38bのみを低消費電力で励磁させるのでなく、普電ソレノイド37cのみ、または両者を低消費電力で励磁させるようにしても良い。
なお、第1実施形態では具体的な説明を省略したが、第1実施形態、本実施形態共に、遊技制御装置100の遊技用マイコン111には、図21(a),(b)に示すように、短縮変動(変動時間4秒)、通常変動(同10秒)、ノーマルリーチ変動(同30秒)、スペシャル1リーチA,B(同60秒)、スペシャル2リーチA,B(同90秒)、スペシャル3リーチ(同120秒)の8種類の変動パターンを含む変動パターンテーブルが記憶されている。各変動パターンは、遊技者に与える大当りになる可能性の高さを示す信頼度がそれぞれ異なるように(ここでは、変動時間が長い変動パターンほど信頼度が大きくなるように)その内容が設定されている。
また、各変動パターンには、特図変動表示ゲームの結果や特図変動表示ゲームを開始する際の特図保留数に応じて異なる振分数が設定されており、場合によって各変動パターンの選択確率が異なるようになっている。例えば結果がはずれとなる場合のノーマルリーチの振分数は、保留数が1〜3であれば100(選択確率10%)、4であれば50(選択確率5%)となり、結果が大当りとなる場合のスペシャル2リーチの振分数は、保留数に関係なく300(選択確率30%)となる。
変動パターンテーブルを上記のように設定することにより、変動態様には、第1変動態様と、該第1変動態様よりも信頼度が高い第2変動態様と、第1変動態様及び第2変動態様よりも変動時間が短い通常変動態様と、通常変動態様よりも変動時間が短い短縮変動態様と、が含まれることになる。また、遊技制御装置100は、上記の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することで、特別結果が導出される可能性の高さを示す信頼度がそれぞれ異なるように設定された複数の変動態様から一の変動態様を、変動表示ゲームの変動態様として選択する変動態様選択手段として機能することになる。
次に、演出制御装置300の変更点について説明する。
本実施形態の演出制御装置300の映像制御用マイコン312は、PWM出力回路308に5種類の異なる幅のパルス波を出力させることが可能となっている。すなわち、バックライト411の発光態様として、図22(a)に示すように、通常態様、節電態様1〜4の5種類が設定されている。具体的には、PWM出力回路306が出力するパルス波のデューティ比を100%(常時オン)にしたとき、バックライト411の発光態様は通常態様となり、図22(c)に示すように表示装置41の表示部41aには明るく鮮明な画像が表示される。また、パルス波のデューティ比を80%,50%、20%にしたとき、発光態様はそれぞれ節電態様1、節電態様2、節電態様3となり、図22(d)〜(f)に示すように表示部41aが通常態様よりも薄暗くなる。また、パルス波のデューティ比を0%にしたとき、発光態様は節電態様4(消灯)となり、図22(g)に示すように表示部41aには何も映らなくなる(非表示状態となる)。
また、本実施形態の演出制御装置300の主制御用マイコン311には、特図変動表示ゲームの変動パターンとバックライト411の発光態様とを対応付けるための節電制御テーブルが記憶されている。そして、主制御用マイコン311は、発光態様を決定するための乱数を抽出し、その値を節電制御テーブルに参照することにより、バックライト411の発光態様を決定する。つまり、演出制御装置300は、変動表示ゲームの進行に関連して、表示部41aの輝度を低下させる輝度低下制御を実行可能な輝度制御手段として機能することになる。
図23(a)は、特図変動表示ゲームがはずれとなる場合に用いられる節電制御テーブル1である。表示装置41が通常態様(節電なし)となっている場合、変動パターンが短縮変動であれば100%の確率で通常態様が選択され、通常変動ノーマルリーチであれば、30%の確率で通常態様、60%の確率で節電態様1、10%の確率で節電態様2が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、60%の確率で通常態様、40%の確率で節電態様1が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択される。
表示装置41が節電態様1となっている場合、変動パターンが短縮変動であれば100%の確率で節電態様1が選択され、通常変動ノーマルリーチであれば、70%の確率で節電態様1、30%の確率で節電態様2が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、60%の確率で通常態様、40%の確率で節電態様1が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択される。
表示装置41が節電態様2となっている場合、変動パターンが短縮変動であれば100%の確率で節電態様2が選択され、通常変動ノーマルリーチであれば、60%の確率で節電態様1、40%の確率で節電態様2が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、60%の確率で節電態様1、40%の確率で節電態様2が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択される。
なお、現在の発光態様が節電態様3,4となっている(特図変動表示ゲームが行われていない場合、操作されていない場合等)は、この節電制御テーブル1には規定されていない。これは、特図変動表示ゲームが実行される前には必ず遊技機10が操作される(表示装置41の発光態様が節電態様1,2に変更される)ためである。
この節電制御テーブル1を用いて節電態様を決定することで、特図変動表示ゲームの変動パターンが変動時間の短い短縮変動となる場合には、現在の節電態様が維持されて表示部41aの輝度が低下しなくなる。このため、頻繁な輝度の変化により遊技者が違和感を持ったり、遊技者の目が疲れてしまったりするのを防ぐことができる。また、変動パターンが信頼度の高いスペシャル1リーチとなる場合には高い確率で輝度の高い発光態様が選択され、スペシャル2,3リーチとなる場合には現状より低い輝度の発光態様が選択されることがなくなる。このため、信頼度の高い変動に対する遊技者の期待感をより効果的に高めることができる。つまり、演出制御装置300は、節電制御テーブル1を上記のように設定することで、特別結果が導出されない変動表示ゲームにおいては、輝度低下制御を実行可能とする機能や、第2変動態様が選択された場合に、輝度低下制御を実行しない機能、変動態様選択手段が短縮変動態様を選択した場合に、輝度低下制御を実行しない機能を有することになる。
図23(b)は、特図変動表示ゲームが大当りとなる場合に用いられる節電制御テーブル2である。表示装置41の発光態様が通常態様、節電態様1,2の何れであっても、ノーマルリーチ以上の変動パターンであれば、100%の確率で通常態様が選択される。
この節電制御テーブル2を用いて節電態様を決定することで、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、必ず通常態様が選択されて表示部41aの輝度が維持されるか上昇するようになる。このため、変動表示ゲームにおいて特別結果が導出されるか否かをバックライトの発光態様によって事前に報知することができる。つまり、演出制御装置300は、節電制御テーブル2を上記のように設定することで、特別結果が導出される変動表示ゲームにおいては、輝度低下制御を実行しない機能を有することになる。
なお、特図変動表示ゲームで大当りとなる場合には、節電制御テーブル2を図24に示すように変更しても良い。具体的には、表示装置41が通常態様(節電なし)となっている場合、変動パターンがノーマルリーチであれば、70%の確率で通常態様、10%の確率で節電態様1、20%の確率で節電態様2が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、90%の確率で通常態様、10%の確率で節電態様1が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択されるようにする。
表示装置41が節電態様1となっている場合、変動パターンがノーマルリーチであれば、70%の確率で通常態様、30%の確率で節電態様1が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、80%の確率で通常態様、20%の確率で節電態様1が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択されるようにする。
表示装置41が節電態様2となっている場合、変動パターンがノーマルリーチであれば、70%の確率で通常態様、30%の確率で節電態様1が選択される。また、変動パターンがスペシャル1リーチであれば、80%の確率で通常態様、20%の確率で節電態様1が選択され、スペシャル2,3リーチであれば、100%の確率で通常態様が選択されるようにする。
この変更した節電制御テーブル2を用いて節電態様を決定すると、特図変動表示ゲームの変動パターンがノーマルリーチ、スペシャル1リーチとなる場合には高い確率で輝度の高い発光態様が選択され、スペシャル2,3リーチとなる場合には現状より低い輝度の発光態様が選択されることがなくなる。このため、バックライトの発光態様によって信頼度を報知することができるだけでなく、信頼度の高い変動に対する遊技者の期待感をより効果的に高めることができる。
〔特図普段処理〕
次に、特図普段処理の変更点について説明する。
図示は省略するが、本実施形態の特図普段処理では、特図変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に、可動体装置80の可動役物83を動作させるか否かを決定する処理も行うようになっている。そして、この処理で決定された変動パターンおよび可動役物83の動作に関する情報を変動パターンコマンドとして演出制御装置300に送信するための設定を行なう。
こうすることで、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの内容に関する情報および可動役物83の動作を行なうか否かに関する情報を含む制御指令を演出制御手段300に送信する機能を有することになる。
〔可動体制御処理〕
次に、1stCPUメイン処理における可動体制御処理(ステップB27)の変更点について説明する。
第1実施形態において本処理の説明は省略したが、本実施形態の可動体制御処理は、節電状態の発生、解除に伴う処理が追加されている点で第1実施形態の同処理と異なっている。具体的には、図25に示すように、まず、可動体処理番号に応じて分岐処理(ステップB101)を行う。ステップB101において可動体処理番号が「0」の場合は、初期化シーケンス処理(ステップB102)を行い、可動体処理番号が「1」の場合は、通常シーケンス処理(ステップB103)を行う。ステップB101において可動体処理番号が「2」の場合は、演出装置44,45の可動体(可動体装置80の可動役物83)を節電状態とするための節電開始シーケンス処理(ステップB104)を行い、可動体処理番号が「3」の場合は、可動体の節電状態を解除するための節電解除シーケンス処理(ステップB105)を行う。
〔初期化シーケンス処理〕
上述の可動体制御処理における初期化シーケンス処理(ステップB102)では、図26に示すように、まず、節電機能がオンになっているか否かを判定する(ステップB111)。ここで、節電機能がオンになっていると判定した場合(ステップB111;Yes)は、初期化シーケンス処理を終了する。一方、節電機能がオフになっていると判定した場合(ステップB111;No)は、可動体を初期位置に移動させる初期化動作を開始するための処理を行い(ステップB112)、可動体が初期位置にあることを検出したか否かを判定する(ステップB113)。ここで、可動体が初期位置にあることを検出していない、すなわち、可動体が初期位置に向けて移動中であると判定した場合(ステップB113;No)は、ステップB113の処理を繰り返す。一方、可動体が初期位置にあることを検出した場合(ステップB113;Yes)は、初期化動作を停止し(ステップB114)、可動体処理番号に1を設定して(ステップB115)、初期化シーケンス処理を終了する。
このような処理を行うことで、電源投入後や節電状態解除後、可動役物83が初期位置に移動するようになる。また、この処理は変動パターンコマンドの内容を判断する処理を含まないので、可動役物83の初期化動作が途中で中断されることがない。つまり、演出制御装置300は、可動役物が初期位置にあるか否かを検出する初期位置検出手段として機能するとともに、遊技機に電源が投入された場合、或いは、節電状態が解除された場合には、初期位置検出手段によって可動役物が初期位置にあるか否かの確認を行い、初期位置にない場合は可動役物を初期位置まで移動させる初期化動作を実行する機能や、可動役物の初期化動作の実行中に、遊技制御手段から可動役物を動作させないことを含む制御指令を受信した場合、表示装置には、制御指令に基づく変動表示ゲームを表示させる一方、可動体装置には、可動役物が初期位置へ移動するまで、可動役物の初期化動作を停止させることなく継続して行わせる機能を有することになる。
〔通常シーケンス処理〕
上述の可動体制御処理における通常シーケンス処理(ステップB103)では、図27に示すように、まず、特図変動表示ゲームを開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップB121)。ここで、特図変動表示ゲームを開始するタイミングではないと判定した場合(ステップB121;No)は、通常シーケンス処理を終了する。一方、特図変動表示ゲームを開始するタイミングであると判定した場合(ステップB121;Yes)は、変動パターンに基づいて可動体の動作の有無を決定し、動作がある場合にはその動作パターンを決定する処理を行い(ステップB122)、可動体の動作の有無を判定する(ステップB123)。ここで、可動体の動作がないと判定した場合(ステップB123;No)は、通常シーケンス処理を終了する。一方、可動体の動作があると判定した場合(ステップB123;Yes)は、決定した動作パターンに応じた可動体の動作を開始する処理を行って(ステップB124)、通常シーケンス処理を終了する。
〔節電開始シーケンス処理〕
上述の可動体制御処理における節電開始シーケンス処理(ステップB104)では、図28に示すように、まず、可動体が節電状態となっているか否か、すなわち可動体の動作態様が節電動作態様となっているか否かを判定する(ステップB131)。ここで、可動体が節電状態になっていると判定した場合(ステップB131;Yes)は、節電開始シーケンス処理を終了する。一方、可動体が節電状態となっていないと判定した場合(ステップB131;No)は、可動体を節電状態にするための処理を行って(ステップB132)、節電開始シーケンス処理を終了する。
このような処理を行うことで、節電中に可動役物83が降りてきて、表示装置41の表示部41aの一部が可動役物83によって遮蔽されるようになる。つまり、演出制御装置300は、節電状態を発生させる際に、可動役物83表示装置41の前方に移動させる機能を有することになる。
〔節電解除シーケンス処理〕
上述の可動体制御処理における節電解除シーケンス処理(ステップB105)では、図29に示すように、まず、可動体が非節電状態となるよう動作を開始するための処理を行い(ステップB141)、可動体処理番号に1を設定して、節電解除シーケンス処理を終了する。
次に、電源投入後の遊技機10の動作について説明する。
遊技機10に電源が投入されると、図30に示すように、電源装置400において24V,32V,12V,5Vの電源が生成されるとともに、遊技制御装置100の初期化処理が開始される(t71)。電源投入から所定期間(t71〜t75)は節電機能が無効になる。遊技制御装置100の初期化処理が終了すると、遊技制御装置100から演出制御装置300に電源投入コマンドが送信され(t72)、可動役物83の位置の監視が開始される。このとき、可動役物83が図19(a)の破線で示した初期位置以外の位置(例えば図19(a)の実線で示す表示装置41の前方)に位置していた場合は、可動体装置80の初期化動作が開始される。可動役物83は、初期位置に移動し終えると、そのまま待機状態に入る(t74)。
また、遊技制御装置100の初期化処理が終了すると、演出制御装置300は表示装置41に電力を供給し、表示装置41の表示部41aが電源投入態様(図柄等の表示が可能な状態)になる(t72)。この後、遊技制御装置100から演出制御装置300に変動パターンコマンドが送信されると、表示部41aの表示態様が、電源投入態様から飾り特図変動表示ゲームを表示する変動表示態様に変化する(t73)。そして、所定期間(t73〜t76)特別図柄の変動表示が行われた後、表示部41aの表示態様が、特別図柄が停止表示した停止表示態様に変化する(t76)。
この遊技機10においては、可動体装置80の初期化動作中に遊技制御装置100から演出制御装置300に変動パターンコマンドが送信され、特図変動表示ゲームが開始される場合がある(t73)。更に、この変動パターンコマンドが可動役物83の動作を行わないことを指示する内容となっている場合がある。しかし、このような場合であっても、可動役物83が初期位置にない限りは可動体初期化動作が継続され、可動役物83が図19(a)の破線で示す初期位置に戻り次第待機状態となる(t74)。
従来の遊技機では、電源投入後の所定期間に可動役物の初期化動作が行なわれ、表示装置には初期化中であることを示す電源投入画面が表示されようになっていた。このため、電源投入時に可動役物の動作確認と、始動口スイッチでの遊技球の検出に基づいて実行される表示装置での変動表示ゲームの動作確認を同時に確認することができず、出荷時の検査において、変動表示ゲームの動作確認を行う場合に初期化動作が終了するまで待つ必要が生じ、検査作業を効率的に行うことができなかった。しかし、このような動作を行うようにすれば、可動役物の初期化と変動表示ゲームの開始確認とを並行して行うことができ、検査作業の効率を高めることができる。
(変形例)
また、本実施形態において、電源投入後だけでなく、前面枠12、ガラス枠15のいずれかの開放が行われた場合に、可動体の初期化動作を行うようにしても良い。その場合、例えば、遊技機に電源が投入されている間繰り返し実行される処理(例えば1stCPUメイン処理)において節電中枠開放監視処理を行うようにする。
〔節電中枠開放監視処理〕
節電中枠開放監視処理では、図31に示すように、まず、節電機能が作動中であるか否かを判定する(ステップB301)。ここで、節電機能が作動中ではないと判定した場合(ステップB301;No)は、節電中枠開放監視処理を終了する。一方、節電機能が作動中であると判定した場合(ステップB301;Yes)は、前枠開放スイッチの状態を取得して(ステップB302)、ガラス枠(前枠)15が開放されているか否か、すなわち、遊技制御装置100からガラス枠開放エラーコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB303)。ここで、ガラス枠15が開放されていると判定した場合(ステップB303;Yes)は、可動体処理番号に0を設定して(ステップB306)、節電中枠開放監視処理を終了する。
一方、ガラス枠15が開放されていないと判定した場合(ステップB303;No)は、遊技枠開放スイッチの状態を取得し(ステップB304)、前面枠(遊技枠)12が開放されているか否か、すなわち、遊技制御装置100から前面枠開放エラーコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB305)。ここで、前面枠12が開放されていると判定した場合(ステップB305;Yes)は、ステップB306の処理を行って、節電中枠開放監視処理を終了する。一方、前面枠12が開放されていないと判定した場合(ステップB306;No)は、節電中枠開放監視処理を終了する。
以上の処理を行うことで、前面枠12またはガラス枠15が開放された後に可動役物83が初期位置に戻るようになる。このため、節電中(モータの励磁がOFFとなっているとき)に、メンテナンス等により枠を開放して、可動体に当たって可動体が動いてしまっても、可動体が初期位置にないまま稼動を再開し、トラブルが発生してしまうのを防ぐことができる。つまり、演出制御装置300は、前面枠12が開放されたか否かの監視を行ない、該前面枠が開放されたことを検出した場合に、初期化動作を行う機能を有することになる。
なお、本実施形態では、遊技制御装置100から送信される枠開放エラーコマンドの有無によって枠が開放されているか否かを判定したが、例えば、遊技制御装置100に接続されている前枠開放検出スイッチ63および遊技枠開放検出スイッチ64を演出制御装置300のみ、或いは遊技制御装置100と演出制御装置300の両方に接続することにより、演出制御装置300が枠の開放を直接検出するようにしても良い。
以上のように、本実施形態の遊技機10が備える装飾装置には、識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置41と、初期位置と、初期位置以外の所定位置との間を移動可能な可動役物83を有する可動体装置80と、が含まれ、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの内容に関する情報および可動役物83の動作を行なうか否かに関する情報を含む制御指令を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段300は、可動役物83が初期位置にあるか否かを検出する初期位置検出手段(演出制御装置300)を備え、遊技制御手段100から送信された制御指令に基づいて、表示装置41に表示する変動表示ゲームの表示内容および可動役物83の動作を行なうか否かを決定する機能を有し、当該遊技機10に電源が投入された場合には、初期位置検出手段300によって可動役物83が初期位置にあるか否かの確認を行い、初期位置にない場合は可動役物83を初期位置まで移動させる初期化動作を実行し、可動役物83の初期化動作の実行中に、遊技制御手段100から可動役物83を動作させないことを含む制御指令を受信した場合、表示装置41には、制御指令に基づく変動表示ゲームを表示させる一方、可動体装置80には、可動役物83が初期位置へ移動するまで、可動役物83の初期化動作を停止させることなく継続して行わせるようにしている。
従って、遊技を演出する装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45のみ節電状態となるので、遊技制御手段100が管理する遊技に影響を及ぼすことなく消費電力を低減することができる。
また、節電状態の発生中は可動役物83の動作態様が節電動作態様になり、節電状態が解除されると可動役物83の初期化動作が行われるので、可動役物83が節電動作態様になったことにより、節電状態の解除時に可動役物83が正常な動作開始位置(初期位置)から動作できなくなるような事態を防ぐことができる。
また、可動役物83の初期化動作中に、可動役物83を動作させずに変動表示ゲームを開始する制御指令を受信した場合であっても、可動役物83が初期位置に戻るまで可動役物83の初期化動作が継続されるので、可動役物83が中途半端な位置に停止したまま変動表示ゲームが実行されて遊技者に違和感を与えるのを防ぐことができる。
また、出荷時の検査の際に可動役物83の初期化動作と変動表示ゲームの確認を同時に行うことができ、検査の効率を上げることができる。
また、本実施形態の遊技機10が備える遊技盤30には、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを表示可能な表示装置41が設けられ、演出制御手段300は、節電状態を発生させる際に、可動役物83を表示装置41の前方に移動させるようにしている。
従って、節電状態の発生中は、可動役物83が表示装置41の前方に配置される。つまり、遊技者から見れば、可動役物83により表示装置41の表示部41aの少なくとも一部が遮蔽され、表示部41aが視認しにくい、或いは視認できない状態となる。このため、節電状態の発生により、表示部41aが演出画像の表示されない非表示状態や、演出画像を視認しにくい状態となっていても、節電中の表示部41aに対し遊技者が違和感を持つのを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機10は、本体枠11と、本体枠11に対し開閉可能に設けられ、遊技盤30を覆う前面枠12と、を備え、演出制御手段300は、前面枠12が開放されたか否かの監視を行ない、該前面枠12が開放されたことを検出した場合に、初期化動作を行うようにしている。
従って、前面枠12が開放された場合に、可動役物83の初期化動作が行われるので、例えば遊技盤30のメンテナンス等で誤って可動役物83に接触し、可動役物83の位置が変わってしまったことにより、前面枠12を閉じた時に可動役物83が正常な動作開始位置(初期位置)から動作できなくなるような事態を防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機10は、変動表示ゲームの進行に関連して、複数の飾り識別情報を変動表示させる飾り変動表示ゲームを含む演出画像を表示可能な表示部41aを有する演出表示装置(表示装置41)と、遊技制御手段100から送信される制御指令に基づいて、表示部41aにおける演出画像の表示制御を行う演出制御手段300と、を備え、演出表示装置41は、その表示部41aを発光させることにより演出画像が視認可能となるよう構成されるとともに、表示部41aの輝度を変更可能に構成され、演出制御手段300は、変動表示ゲームの進行に関連して、前記表示部41aの輝度を低下させる輝度低下制御を実行可能な輝度制御手段(演出制御装置300)を備え、輝度制御手段300は、特別結果(大当り)が導出されない変動表示ゲームにおいては、輝度低下制御を実行可能とし、特別結果が導出される変動表示ゲームにおいては、輝度低下制御を実行しないようにしている。
従って、変動表示ゲーム実行中の表示部41aの輝度が、当該変動表示ゲームにおいて特別結果が導出される場合には低下せず、特別結果が導出されない場合には低下することがある。このため、変動表示ゲームが実行される際に表示部41aの輝度が低下しなければ、高い輝度で十分な演出表示が行われることとなり、遊技者は特別結果が導出されることに対して期待感を高めることができる。一方、表示部41aの輝度が低下すれば、特別結果が導出されないことが予め分かるので、特別結果を期待する遊技者を落胆させることなく消費電力を低減することができる。
本実施形態の遊技制御手段100は、特別結果が導出される可能性の高さを示す信頼度がそれぞれ異なるように設定された複数の変動態様(変動パターン)から一の変動態様を、変動表示ゲームの変動態様として選択する変動態様選択手段(遊技制御装置100)を備え、変動態様には、第1変動態様(ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ)と、該第1変動態様よりも信頼度が高い第2変動態様(スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ)と、が含まれ、輝度制御手段300は、第2変動態様が選択された場合に、輝度低下制御を実行しないようにしている。
従って、第2変動態様で変動表示ゲームが実行される場合には表示部41aの輝度が低下しないので、信頼度の高い変動態様で変動表示ゲームが実行されているのに表示部41aが暗くなることで遊技者の期待感が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、本実施形態の遊技機10で実行される変動表示ゲームの変動態様には、第1変動態様及び第2変動態様よりも変動時間が短い通常変動態様と、通常変動態様よりも変動時間が短い短縮変動態様と、が含まれ、輝度制御手段300は、変動態様選択手段100が短縮変動態様を選択した場合に、輝度低下制御を実行しないようにしている。
従って、変動表示ゲームを短縮変動態様で実行する場合には、表示部41aの輝度がそれまでと同じ輝度に維持されるので、短時間のうちに節電態様の切り替え制御が繰り返し行われ、表示部41aの輝度が頻繁に変化することにより、遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
<第2発明実施形態>
次に、図32〜39を参照して第2発明の実施形態について説明する。以下、第1発明と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1発明と相違する点のみ説明する。
本実施形態の遊技機10は、予め設定された設定情報に基づいて、装飾装置の節電状態を発生可能とするか否か(節電機能を有効/無効の何れにするか)を決定したり、非節電状態における各種装飾装置の装飾態様を制御したりするようになっている。このため、押しボタンユニット25の構成や、演出制御装置300に記憶されるデータ、演出制御装置300が実行する制御処理が第1発明と異なっている。
まず、押しボタンユニット25について説明する。
図示は省略するが、押しボタンユニット25には、演出ボタン251、選択ボタン252の他に、遊技機10を設定情報の変更が可能な状態にするための図示しない設定開始ボタンが設けられている。詳細は後述するが、設定情報の変更が可能な状態になると、押しボタン251,252による各種装飾装置の装飾態様の変更操作が可能となる。つまり、本実施形態の押しボタンユニット25は、遊技者が所定の設定操作を行うための設定操作手段ということになる。
なお、押しボタンユニット25に設定開始ボタンを設けず、演出ボタン251または選択ボタン252を、通常の遊技では行わないような所定の操作態様で操作する(例えば、両者を同時に押す等)ことにより本処理を開始するようにしても良い。
次に、演出制御装置について説明する。
本実施形態の演出制御装置300の主制御用マイコン311には、図32(a),(b)に示すように、「遊技機設定情報」、「遊技店設定情報」、「遊技者設定情報」の3種類の設定情報(装飾設定情報)が記憶されている。これらは何れも、各種装飾装置の装飾態様を規定するためのものであるが、設定を行う主体や、設定可能な期間、設定を開始するための条件、記憶される場所がそれぞれ異なっている。
遊技機設定情報は、遊技機10の製造時に製造者によって設定される初期情報であり、プログラムROM321に記憶されている。この遊技機設定情報は、一度記憶した後の変更ができないようになっている。
遊技店設定情報は、所定の遊技店設定情報変更有効期間(変更操作有効期間:例えば、前面枠や遊技機枠の開放中、電源投入後から所定時間が経過するまで(遊技可能な状態となるまで)の間、RAMの初期化を行っている間、遊技機にエラー状態が発生している間等)に遊技店の店員によって設定される復帰情報であり、主制御用マイコン311のRAM311aの遊技店設定情報記憶領域に記憶されている。なお、遊技店設定情報は、遊技機10の外部に設けられた遊技場管理装置Hから設定情報を演出制御装置300に送信することにより設定するようにしてもよい。
遊技者設定情報は、遊技を行うことができる期間中(例えば、客待ちデモ中、変動表示中、大当り中等)に遊技者によって設定される遊技中設定情報であり、RAM311aの遊技者設定情報記憶領域に記憶されている。
つまり、プログラムROM321は、装飾装置の装飾態様が規定される装飾設定情報の初期値を書き換え不能に記憶する初期情報記憶手段をなし、RAM311aは、遊技中における装飾装置の装飾態様を規定する装飾設定情報を書き換え可能に記憶する遊技中設定情報記憶手段、および遊技中設定情報記憶手段とは別に装飾装置の装飾態様を規定する装飾設定情報を書き換え可能に記憶する復帰情報記憶手段をなすことになる。
上記3種類の設定情報は、それぞれ「節電作動設定値」、「音量設定値」、「バックライト輝度設定値」、「装飾輝度設定値」、「可動体作動設定値」の5種類の設定値から構成される。各設定値は、予め記憶されている複数の値の中から選択することが可能となっている。各値には、それぞれ異なる装飾装置の動作や装飾態様が対応付けられており、主制御用マイコン311は、各種装飾装置を、設定値として選択された値に対応する装飾態様となるよう制御することになる。
節電作動設定値は、装飾装置の節電機能を有効とするか否かを規定するための設定情報で、選択可能な値には「0(無効)」,「1(有効)」の2つがある。
音量設定値は、スピーカ19a,19bの上限出力音声レベルを規定するための設定情報で、選択可能な値には「0(音量1)」〜「4(音量5)」の5つがある。
バックライト輝度設定値は、表示装置41の表示部41aの上限輝度を規定するための設定情報で、選択可能な値には「0(輝度1)」〜「3(輝度4)」の4つがある。
装飾輝度設定値は、枠装飾装置18や盤装飾装置44のLEDの上限輝度を規定するための設定情報で、選択可能な値「0(輝度1)」〜「3(輝度4)」の4つがある。
可動体作動設定値は、枠演出装置44や盤演出装置45が備える可動役物の動作機能を有効とするか否かを規定するための設定情報で、選択可能な値には「0(無効)」,「1(有効)」の2つがある。
また、主制御用マイコン311は、押しボタンユニット25の設定開始ボタンが操作されると、操作された時期に応じて表示装置41に図39(a)に示すような遊技店設定情報の設定/変更画面や、表示装置41に図39(c)に示すような遊技者設定情報の設定/変更画面を表示させるようになっている。具体的な流れについては後述するが、遊技者は、その設定/変更画面を見ながら押しボタン251,252を押すことにより、遊技店設定情報または遊技者設定情報の設定値を変更することができるようになっている。なお、押しボタン251,252の操作によって設定値の変更を行うのではなく、操作部24を設定/変更操作に用いるようにしても良いし、表示装置41の表示部41aをタッチパネル式にして表示部41aを直接手で触れることにより操作するようにしても良い。
また、主制御用マイコン311は、製造者が製造時に遊技機設定情報を設定した場合や、電源投入後に遊技機にエラー状態が発生したことを検出した場合に、遊技店設定情報および遊技者設定情報の内容を、遊技機設定情報と同じ内容に書き換えるようになっている。つまり、製造直後やエラー状態から復帰した直後の遊技機10は、図32(a),(b)に示すように、遊技機設定情報、遊技店設定情報、遊技者設定情報の各設定値がそれぞれ同じ値になる。
また、主制御用マイコン311は、遊技機10の電源を落とした(外部からの電源の供給が断たれた)後もバックアップ電源420から電源の供給を受けることにより記憶している遊技店設定情報を保持し、遊技機10の初期化(例えば営業開始前の電源投入や所定のリセット操作)が行われた場合に、遊技者設定情報の内容を遊技店設定情報と同じ内容に書き換えるようになっている。つまり、開店直後であって遊技者に操作される前や遊技店の店員によるメンテナンス直後の遊技機10は、遊技店設定情報、遊技者設定情報の各設定値がそれぞれ同じ値になる。
また、主制御用マイコン311は、遊技店設定情報の内容に基づいて、遊技者設定情報の設定値として選択可能な値を制限するようになっている。具体的には、選択可能な複数の値から遊技店設定情報の設定値を越える値を除いたものの中でしか遊技者設定情報の設定値を選択できないようになっている。例えば、音量設定値として選択可能な値は本来「0」〜「4」の5つあるが、図32(c)に示すように遊技店設定情報のバックライト輝度設定値が「3」に設定されている場合には、遊技者設定情報のバックライト輝度設定値は「0」〜「3」の4つの中から選択することになる(図では遊技者は「1」を選択している)。また、遊技店設定情報で設定値が「0」に設定された場合には、遊技者設定情報の対応する設定値は変更することができない(0しか選択できない)ことになる。
次に、演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
〔押しボタン入力処理〕
押しボタン入力処理は、押しボタンユニット25の設定開始ボタンが操作されることにより開始される。
この処理では、図33に示すように、まず、設定開始ボタンが操作されたのが遊技店設定情報変更有効期間中であるか否かを判定する(ステップB401)。ここで、遊技店設定情報変更有効期間中であると判定した場合(ステップB401;Yes)は、遊技店設定情報変更操作監視処理を行って(ステップB402)、押しボタン入力処理を終了する。一方、遊技店設定情報変更有効期間中ではないと判定した場合(ステップB401;No)は、遊技者設定情報変更操作監視処理を行って(ステップB403)、押しボタン入力処理を終了する。
また、具体的な処理の説明は省略するが、ステップB401の処理結果に基づいて、表示装置41に遊技店設定情報変更画面または遊技者設定情報変更画面を表示させるための処理が行われる。
このような処理が行われることで、遊技店設定情報変更有効期間中に設定開始ボタンが操作されれば遊技店設定情報を変更可能な状態となり、当該期間外に設定開始ボタンが操作されれば遊技者設定情報を変更可能な状態となる。つまり、演出制御装置300は、遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を、遊技可能な期間中に行われる設定操作手段の設定操作に基づいて変更することが可能、かつ復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を、所定の変更操作有効期間中に行われる設定操作手段の設定操作に基づいて変更することが可能に構成されていることになる。
〔遊技店設定情報変更操作監視処理〕
上述の押しボタン入力処理における遊技店設定情報変更操作監視処理(ステップB402)では、図34に示すように、まず、遊技店設定情報の変更操作がなされたか否かを判定する(ステップB411)。ここで、変更操作がなされていないと判定した場合(ステップB411;No)は、遊技店設定情報変更操作監視処理を終了する。一方、変更操作がなされたと判定した場合(ステップB411;Yes)は、節電作動設定が変更されたか否かを判定する(ステップB412)。ここで、節電作動設定が変更されたと判定した場合(ステップB412;Yes)は、変更後の節電作動設定を設定して(ステップB413)、ステップ414に進む。一方、節電作動設定が変更されていないと判定した場合(ステップB412;No)は、ステップ414に進む。
ステップ414では、音量設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、音量設定上限値が変更されたと判定した場合(ステップB414;Yes)は、変更後の音量設定上限値を設定して(ステップB415)、ステップB416に進む。一方、音量設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB414;No)は、ステップB416に進む。
ステップ416では、バックライト輝度設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、バックライト輝度設定上限値が変更されたと判定した場合(ステップB416;Yes)は、変更後のバックライト輝度設定上限値を設定して(ステップB417)、ステップB418に進む。一方、バックライト輝度設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB416;No)は、ステップB418に進む。
ステップ418では、装飾輝度設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、装飾輝度設定上限値が変更されたと判定した場合(ステップB418;Yes)は、変更後の装飾輝度設定上限値を設定して(ステップB419)、ステップB420に進む。一方、装飾輝度設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB418;No)は、ステップB420に進む。
ステップB420では、可動体作動設定が変更されたか否かを判定する。ここで、可動体作動設定が変更されたと判定した場合(ステップB420;Yes)は、変更後の可動体作動設定を設定して(ステップB421)、遊技店設定情報変更操作監視処理を終了する。一方、可動体作動設定が変更されていないと判定した場合(ステップB420;No)は、遊技店設定情報変更操作監視処理を終了する。
このような処理が行われることで、遊技店の店員による押しボタンユニット25の操作に基づいて遊技店設定情報が設定され、後で(電源の再投入時)設定した遊技店設定情報の内容が遊技者設定情報にコピーされるようになる。つまり、演出制御装置300は、設定操作手段の設定操作に基づいて、対応する装飾態様がそれぞれ異なる複数の値の中から何れか一つを選択し、該選択した値を装飾設定情報として前記遊技中設定情報記憶手段及び前記復帰情報記憶手段に記憶させることが可能に構成されていることになる。
〔遊技者設定情報変更操作監視処理〕
上述の押しボタン入力処理における遊技者設定情報変更操作監視処理(ステップB403)では、図35に示すように、まず、遊技者設定情報の変更操作がなされたか否かを判定する(ステップB431)。ここで、変更操作がなされていないと判定した場合(ステップB431;No)は、遊技者設定情報変更操作監視処理を終了する。一方、変更操作がなされたと判定した場合(ステップB431;Yes)は、節電作動設定が変更されたか否かを判定する(ステップB432)。ここで、節電作動設定が変更されていると判定した場合(ステップB432;Yes)は、その変更が遊技店で設定した情報の範囲内であるか否かを判定する(ステップB433)。ここで、範囲内であると判定した場合(ステップB433;Yes)は、変更後の節電作動設定を設定して(ステップB434)、ステップ435に進む。ステップB432において節電作動設定が変更されていないと判定した場合(ステップB432;No)、ステップB433において、変更が遊技店で設定した情報の範囲外であると判定した場合(ステップB433;No)は、ステップB435に進む。
ステップ435では、音量設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、音量設定上限値が変更されていると判定した場合(ステップB435;Yes)は、その変更が遊技店で設定した情報の範囲内であるか否かを判定する(ステップB436)。ここで、範囲内であると判定した場合(ステップB436;Yes)は、変更後の音量設定上限値を設定して(ステップB437)、ステップ438に進む。ステップB435において音量設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB435;No)、ステップB436において、変更が遊技店で設定した情報の範囲外であると判定した場合(ステップB436;No)は、ステップB438に進む。
ステップ438では、バックライト輝度設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、バックライト輝度設定上限値が変更されていると判定した場合(ステップB438;Yes)は、その変更が遊技店で設定した情報の範囲内であるか否かを判定する(ステップB439)。ここで、範囲内であると判定した場合(ステップB439;Yes)は、変更後のバックライト輝度設定上限値を設定して(ステップB440)、ステップ441に進む。ステップB438においてバックライト輝度設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB438;No)、ステップB439において、変更が遊技店で設定した情報の範囲外であると判定した場合(ステップB439;No)は、ステップB441に進む。
ステップ441では、装飾輝度設定上限値が変更されたか否かを判定する。ここで、装飾輝度設定上限値が変更されていると判定した場合(ステップB441;Yes)は、その変更が遊技店で設定した情報の範囲内であるか否かを判定する(ステップB442)。ここで、範囲内であると判定した場合(ステップB442;Yes)は、変更後の装飾輝度設定上限値を設定して(ステップB443)、ステップ444に進む。ステップB441において装飾輝度設定上限値が変更されていないと判定した場合(ステップB441;No)、ステップB442において、変更が遊技店で設定した情報の範囲外であると判定した場合(ステップB442;No)は、ステップB444に進む。
ステップ444では、可動体作動設定が変更されたか否かを判定する。ここで、可動体作動設定が変更されていると判定した場合(ステップB444;Yes)は、その変更が遊技店で設定した情報の範囲内であるか否かを判定する(ステップB445)。ここで、範囲内であると判定した場合(ステップB445;Yes)は、変更後の可動体作動設定を設定して(ステップB446)、遊技者設定情報変更操作監視処理を終了する。ステップB444において可動体作動設定が変更されていないと判定した場合(ステップB444;No)、ステップB445において、変更が遊技店で設定した情報の範囲外であると判定した場合(ステップB445;No)は、遊技者設定情報変更操作監視処理を終了する。
このような処理が行われることで、節電作動の有無、音量、バックライトの輝度、装飾装置の輝度、可動体の作動の有無を遊技店が設定した範囲内で遊技者の好みに合わせて調節可能となる。つまり、演出制御装置300は、遊技中設定情報記憶手段に記憶される装飾設定情報を選択する場合には、複数の値から前記復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の値よりも大きな値を除いたものの中から何れか一つを選択する機能を有することになる。
〔1stCPUメイン処理〕
次に、本実施形態の1stCPUメイン処理の相違点について説明する。
本実施形態の1stCPUメイン処理は、図36に示すように、ステップB12,B14の処理が除かれ、ステップB13の処理の後にステップB30の処理が、ステップB29の処理の後にステップB31の処理がそれぞれ追加されている点で、第1発明の同処理(図11参照)と異なっている。すなわち、ステップB11の処理の後、CPU初期化処理(ステップB13)、RAM初期設定処理(ステップB14)を行って、ステップB15の処理に進む。また、ステップB29の処理の後、設定情報初期化処理(ステップB31)を行って、ステップB18の処理に戻る。
また、図示は省略したが、ステップB24〜27では、遊技者設定情報の各設定値に基づいて、節電機能や可動役物の動作機能の有効/無効を決定する処理や、非節電状態における各種装飾装置の装飾態様を決定する処理を行う。
このような処理が行われることで、遊技者が設定した装飾態様(遊技者が設定を行わなかった場合には遊技店が設定した装飾態様)で各種装飾装置が駆動されるようになる。つまり、演出制御装置300は、遊技中設定情報記憶手段に記憶された装飾設定情報に基づいて装飾装置の装飾態様を制御する機能を有することになる。
〔RAM初期設定処理〕
上述の1stCPUメイン処理におけるRAM初期設定処理(ステップB30)では、図37に示すように、まず、停電検査領域1のデータの値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かを判定する(ステップB501)。ここで、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップB502;Yes)は、停電検査領域2のデータの値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かを判定する(ステップB503)。ここで、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップB504;Yes)は、チェックサムを算出する処理を行う(ステップB505)。
そして、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップB506)、値が一致するか否かを判定する(ステップB507)。ここで、値が一致する、すなわち、RAM331aの記憶内容に異常がないと判定した場合(ステップB507;Yes)は、全ての停電検査領域をクリアし(ステップB508)、チェックサム領域をクリアする(ステップB509)。そして、遊技者設定情報の内容をRAMに記憶されている遊技店設定情報の内容に書き換えて(ステップB510)、RAM初期設定処理を終了する。
ステップB502において停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップB502;No)、ステップB504において停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップB504;No)、ステップB507においてチェックサムが一致しない、すなわち、RAM331aの記憶内容に異常があると判定した場合(ステップB507;No)は、遊技店設定情報および遊技者設定情報の内容を遊技者設定情報にROMに記憶されている遊技機設定情報の内容に書き換えて(ステップB511)、RAM初期設定処理を終了する。つまり、RAM331aの異常の有無が、遊技店設定情報と遊技機設定情報の何れかを選択するための「当該遊技機の状態」に含まれることになる。
このような処理が行われることで、電源投入時にエラー状態が発生していれば、各種装飾装置が出荷時に(製造者によって)設定された装飾態様で駆動可能となり、エラー状態が発生していなければ、各種装飾装置が遊技店で設定された装飾態様で駆動可能となる。つまり、演出制御装置300は、所定の復帰操作が行われた場合に、遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容に書き換える機能や、当該遊技機に電源が投入された場合に、当該遊技機の状態に基づいて初期情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報及び前記復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の何れか一方を選択し、前記遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を、選択した装飾設定情報の内容に書き換える機能、電源投入時に復帰情報記憶手段の記憶内容に異常が発生していることを検出した場合には、遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を初期情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容に書き換え、電源投入時に復帰情報記憶手段の記憶内容に異常が発生していることを検出しなかった場合には、遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容に書き換える機能を有することになる。
〔設定情報初期化処理〕
上述の1stCPUメイン処理における設定情報初期化処理(ステップB31)では、図38に示すように、まず、ガラス枠15が開放中であるか否かを判定する(ステップB601)。ここで、開放中であると判定した場合(ステップB601;Yes)は、演出ボタンスイッチ251aに入力があったか否かを判定する(ステップB602)。ここで、入力があったと判定した場合(ステップB602;Yes)は、選択ボタンスイッチに入力があったか否かを判定する(ステップB603)。ここで、入力があったと判定した場合(ステップB603;Yes)は、遊技者設定情報の内容をRAM311aに記憶されている遊技店設定情報の内容に書き換えて(ステップB604)、設定情報初期化処理を終了する。
ステップB601においてガラス枠15が開放中ではないと判定した場合(ステップB601;No)や、ステップB602において演出ボタンスイッチに入力がなかったと判定した場合(ステップB602;No)、ステップB603において選択ボタンスイッチに入力がなかったと判定した場合(ステップB603;No)は、設定情報初期化処理を終了する。
このような処理が行われることで、ガラス枠15が開放された状態で演出ボタン251と選択ボタン252が押されると(所定のリセット操作が行われると)、各種装飾装置が遊技店で設定した装飾態様で駆動可能な状態に戻るようになる。つまり、演出制御装置300は、所定の復帰操作が行われた場合に、前記遊技中設定情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容を前記復帰情報記憶手段に記憶されている装飾設定情報の内容に書き換える機能を有することになる。
なお、リセット操作は、ガラス枠15の開放および押しボタン251,252の操作に限られず、ステップB601〜B603の処理内容を変更することにより変更することが可能である。
次に、各種設定情報の設定の流れの一例について説明する。
遊技店設定情報変更有効期間に設定開始ボタンが押されると、表示装置41の表示部41aに、遊技店設定情報変更画面が表示される。遊技店設定情報変更画面は、例えば図39(a)に示すように、遊技店設定情報の名称nや、選択可能な動作や装飾態様(設定値として選択可能な値)が書かれたアイコンin、各種操作(決定,変更を反映、終了)が書かれたアイコンid,ir,ie等を表示する。そして、現在変更することが可能な遊技店設定情報の名称nおよび設定中のアイコンinの表示態様を他のものと異ならせる(例えば網掛け表示する、色を異ならせる(選択色とする))ことで、現在選択されている遊技店設定情報および設定値(動作や装飾態様)を認識可能とする。なお、図39(a)に示す画面は、可動体動作設定値が現在変更可能であり、現状は節電機能が有効、音量レベルが1、バックライト輝度が3、装飾輝度が3、可動体動作が有効に設定されていることを示している。
そして、演出ボタン251、選択ボタン252が操作されることで、これから変更する遊技店設定情報が選択され、更に、変更したい動作や装飾態様のアイコンが選択される。そして、決定アイコンidが選択された状態で演出ボタン251が押されると変更が確定する。また、反映アイコンirが選択された状態で演出ボタン251を押されると変更が反映される。そして、終了アイコンieが選択された状態で演出ボタン251が押されると遊技店設定情報の変更操作が終了となる。
ここまで説明は行ってこなかったが、本実施形態の遊技機10は、遊技店設定情報の変更後、表示装置41の表示部41aに、遊技店設定情報表示設定画面を表示するようになっている。遊技店設定情報表示設定画面は、例えば図39(b)に示すように、各遊技店設定情報の名称nや、各情報を有効とするか無効とするかのアイコンis等を表示する。そして、現在変更することが可能な遊技店設定情報の名称nおよび設定中のアイコンisの表示態様を他のものと異ならせることで、現在変更可能な遊技店設定情報および現在の状態を認識可能とする。ここで、遊技者に遊技者設定情報の変更を行わせたくない場合には、遊技店設定情報の設定時と同様に選択ボタン252を操作して、各遊技者設定情報の変更の有効/無効を設定する。最後に終了アイコンieが選択されている状態で演出ボタン251が押されると、遊技店設定情報の表示設定操作が終了となる。
なお、遊技者が5種類全ての遊技者設定情報を常に変更可能とする場合には、この遊技店設定情報表示設定画面は表示しなくてもよい。
一方、遊技可能な期間中に設定開始ボタンが押されると、表示装置41の表示部41aに、図39(c)に示すような遊技者設定情報変更画面が表示される。遊技者設定情報変更画面は、例えば図39(a)に示した遊技店設定情報変更画面と同様のレイアウトとし、遊技店設定情報表示設定画面で無効に設定した(遊技者に変更させないようにした)遊技店設定情報の名称および対応するアイコンは表示せず、設定変更の可否自体を認識できないようにする。また、遊技店設定情報の設定値を越える値に対応する、すなわち遊技者が選択できないアイコンは、他のアイコンと異なる表示態様(例えば薄い色や破線)で表示し、遊技者が選択できないことを認識できるようにする。なお、遊技者が選択できないアイコンを通常通り表示して、選択だけできないようにしてもよい。
ここで、遊技店設定情報の設定時と同様に押しボタン251,252を操作して、現状の設定情報を変更したい場合には、所望の動作や装飾態様を示すアイコンが選択色となるよう各遊技者設定情報を変更する。最後に「終了」と書かれたアイコンieが選択されている状態で演出ボタン251が押されると、遊技店設定情報の表示設定操作が終了となる。
以上のように、本実施形態の遊技機10が備える演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技中における装飾装置(枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、表示装置41、盤装飾装置42、盤演出装置44、枠演出装置45(可動役物装置80))の装飾態様を規定する装飾設定情報(遊技者設定情報)を書き換え可能に記憶する遊技中設定情報記憶手段(RAM311a)と、遊技中設定情報記憶手段311aとは別に装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を規定する装飾設定情報(遊技店設定情報)を書き換え可能に記憶する復帰情報記憶手段(RAM311a)と、を備え、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報に基づいて装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を制御する機能を有し、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を、遊技可能な期間中に行われる設定操作手段(ボタンユニット25)の設定操作に基づいて変更することが可能であり、復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を、所定の変更操作有効期間中(遊技店設定情報変更有効期間)に行われる設定操作手段25の設定操作に基づいて変更することが可能であり、所定の復帰操作が行われた場合に、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容に書き換えるようにしている。
従って、所定の復帰操作が行われた場合に、遊技中に遊技中設定情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報が復帰情報記憶手段311aに記憶されているものに書き換えられる。すなわち、復帰操作が行われると、遊技者によって変更された装飾態様に係る設定が、直ちに遊技店で予め決めていた設定に戻される。このため、復帰操作を行うだけで、すなわち、特定の設定変更操作を行うことなく、遊技中に変更されていた装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を遊技店で設定した所定の装飾態様に効率的に設定し直すことができる。
また、本実施形態の遊技機10は、本体枠11と、本体枠11に対し開閉可能に設けられ、所定の遊技領域が形成された遊技盤を覆う前面枠12と、を備え、演出制御手段300は、前面枠12が開放されている期間中に行われる設定操作手段25の設定操作に基づいて復帰情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報の内容を変更することが可能となっている。
従って、通常、遊技店の関係者のみが開閉操作できる前面枠12が開放されている期間中に、復帰情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報を変更することが可能な状態となるので、遊技店関係者のみ復帰情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報を変更することが可能となり、遊技者によって変更されることを防止することができる。
また、遊技者が遊技を行っている間を除き、遊技機10に電源が投入されている間はいつでも復帰情報記憶手段311aに記憶された装飾設定情報を変更することができるので、装飾設定情報の設定作業をより効率的に行なうことができる。
また、本実施形態の演出制御手段300は、設定操作手段25の設定操作に基づいて、対応する装飾態様がそれぞれ異なる複数の値の中から何れか一つを選択し、該選択した値(設定値)を装飾設定情報として遊技中設定情報記憶手段311a及び復帰情報記憶手段311aに記憶させることが可能であり、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶される装飾設定情報を選択する場合には、複数の値から復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の値よりも大きな値を除いたものの中から何れか一つを選択するようにしている。
従って、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶される装飾設定情報は、復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報を超えない範囲で設定可能となるので、遊技店側で意図しない装飾設定情報が遊技者によって設定されることを防止することができる。
また、本実施形態の復帰情報記憶手段311aは、外部からの電源の供給が断たれたときに、バックアップ電源420から電源の供給を受けることにより記憶している装飾設定情報を保持することが可能であり、演出制御手段300は、装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様が規定される装飾設定情報の初期値(遊技機設定情報)を書き換え不能に記憶する初期情報記憶手段(ROM321)を備え、電源投入時に復帰情報記憶手段311aの記憶内容に異常が発生していることを検出した場合には、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を初期情報記憶手段321に記憶されている装飾設定情報の内容に書き換え、電源投入時に復帰情報記憶手段311aの記憶内容に異常が発生していることを検出しなかった場合には、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容に書き換えるようにしている。
従って、バックアップ電源420により遊技機10へ電源が投入されているか否かにかかわらず復帰情報記憶手段311aの装飾設定情報が保持され、電源投入時に復帰情報記憶手段311aの記憶内容に異常が発生していなければ、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報が復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報に書き換えられる。つまり、電源が投入される毎に、遊技者によって変更された装飾態様に係る設定が、遊技店で予め決めていた設定に戻される。このため、電源を投入した後に、遊技店の店員が装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を改めて設定する必要がなく、装飾設定情報の設定し直しの作業をより効率的に行うことができる。
また、電源投入時に復帰情報記憶手段311aの記憶内容に異常が発生していても、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報が初期情報記憶手段321に記憶されている装飾設定情報に書き換えられるので、効率的な設定作業をより確実に行うことができる。
また、本実施形態の演出制御装置300は、当該遊技機10に電源が投入された場合に、当該遊技機10の状態に基づいて初期情報記憶手段321に記憶されている装飾設定情報及び復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の何れか一方を選択し、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容を、選択した装飾設定情報の内容に書き換えるようにしている。
従って、遊技機10の状態に応じて、遊技中設定情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容が初期情報記憶手段321または復帰情報記憶手段311aに記憶されている装飾設定情報の内容に書き換えられるので、電源投入を行うだけで、すなわち、特定の設定変更操作を行うことなく、遊技中に変更されていた装飾装置18,19a,19b,41,42,44,45の装飾態様を遊技店で設定した所定の装飾態様に効率的に設定し直すことができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、上記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。