JP6141832B2 - コンパクトパウダー形態の固体化粧品組成物 - Google Patents

コンパクトパウダー形態の固体化粧品組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ケアおよび/またはメーキャップ用固体化粧品組成物、より詳細にはコンパクトパウダー形態の組成物の分野を対象とする。本発明はまた、皮膚、特に瞼に前記化粧品組成物を塗る方法に関する。
固体組成物に従来から採用されているガレヌス形態は、一般にルース、プレストまたはコンパクトパウダーである。メーキャップの分野においてより具体的に考えられる固体のガレヌス形態の非限定的実例として挙げることができるのは、とりわけファンデーションパウダー、フェイスパウダーおよびアイシャドウなどのルースパウダーまたはプレストパウダーである。
上述されているパウダーの機能は、主に、色、マット感を与えること、また、より具体的には、顔面皮膚を対象とするものについては、ファンデーションの磨耗性を改善すること、または単独で使用される場合、被覆率を与えることである。
これらのガレヌス形態は、特に、それらの軽さ、柔性、粘着性のない様相またはべたつかない感触に関してユーザーに価値を認められている。
一般に、これらの組成物は、一般に主要である粉体相と、液体脂肪相によって通常特色付けられるバインダー相とを組み合わせている。粉体相は、基本的には、着色剤と組み合わされる充填剤で形成され、これらの着色剤の量を変更することで、所望のメーキャップ効果、一般に色彩効果が得られる。
固体のコンパクト形態の組成物を得るために、例えばプレス(約10バールで)またはコンパクト化(約100バールで)によって形態化される、粉末と脂肪性バインダーとの混合物によって形成されるプレストまたはコンパクトメーキャップパウダーを使用することが従来技術から知られている。
しかし、これらのパウダーは脆弱であるという欠点を有し得る。したがって、顔料または真珠光沢剤(nacres)の割合が生成物中で増加する場合、その製造およびそのプレスまたはコンパクト化は複雑になるか、または品質および生産力の要求を考慮すれば、工業レベルでの実施が不可能にすらなる。
加えて、コンパクトパウダーは、砕けやすいことがあり、衝撃強度が弱い可能性がある。例えば、真珠光沢剤の含有率が30%以上の組成物は、より脆弱であるという欠点があり、したがって衝撃の事象においてより壊れやすいという欠点がある。この問題は、充填剤などの層状化合物を高含量で使用する場合にも生じる。
そのためには、一つの解決策として脂肪性バインダーの量の増加があるが、それではこの組成物は、蝋質になる傾向、すなわち使用時にそれを取ることができないくらいまで硬化する傾向があるであろう。また、このような組成物はコンパクト化が極めて難しく、その結果、低いプレス条件下でプレスが行われることが多い。しかし、一度プレスした時点で、これらの組成物は、脆弱のままであり、例えば生成物が落下すれば分解またはさらには破壊する傾向がある。
JP-A-09188830 JP-A-10158450 JP-A-10158541 JP-A-07258460 JP-A-05017710 米国特許第6 491 927号 US-A-2002/005562 US-A-5221534
「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(1997版、371〜386頁および524〜528頁、The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association発行)
したがって、本発明の一つの目的は、良好な凝集(cohesion)および良好な均質化を示すと同時に、満足のいく化粧品品質を提供し、したがって均一なメーキャップ結果を可能にし、かつ/または厚過ぎることまたは材料の影響が一切ない、コンパクトパウダー形態、好ましくはプレストパウダー形態のメーキャップ用組成物を得ることである。
本発明の一つの目的は、経時的に蝋質にならず、したがって、使用時に取ることができる特性を維持する組成物を得ることでもある。
本発明の一つの目的は、経時的にひび割れしない組成物を得ることでもある。
本発明の一つの目的は、コンパクトパウダー形態、好ましくはプレストパウダー形態の耐衝撃性メーキャップ用組成物を得ることでもある。
本発明の一つの目的は、メーキャップされるケラチン物質、特に瞼に対して良好な粘着性、特に水または摩擦に対して経時的に良好な磨耗性(例えば、8時間)を示す、コンパクトパウダー形態、好ましくはプレストパウダー形態のメーキャップ用組成物を得ることでもある。
本発明の一つの目的は、適用時快適である、すなわち適用された皮膚表面を引っ張らない組成物を作ることでもある。
これをするために、第1の態様によれば、本発明の一つの主題は、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも
- 組成物の総質量に対して35質量%以上の量の粉体相、
- 少なくとも1種の不揮発性油を含む液体脂肪相、および
- 少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマー
を含む、コンパクトパウダー形態、好ましくはプレストパウダー形態の固体メーキャップおよび/またはケア用化粧品組成物である。
このような組成物は、好ましくは、プレス製法を介して得られる。
したがって、このような組成物は、顔料および/または真珠光沢剤などの着色剤、特に真珠光沢剤を大量に含むアイシャドウを配合することを可能にできる。
したがって、このような組成物は、使用時に取ることができる特性を良好に維持しながら、製品を砕けにくくし、例えば、組成物の総質量に対して、50質量%超の着色剤、好ましくは50質量%超の真珠光沢剤を含有するアイシャドウを配合することを可能にできる。
このような組成物の質感は、皮膚への適用に、滑らかさ、良好な磨耗性を有する均一な薄膜を与える。
最後に、大量の層状化合物(真珠光沢剤または充填剤)が存在し得ても、この組成物はとりわけ衝撃に対する耐性が存続する。
本発明による組成物は、好ましくは、粉体相として少なくとも1種の充填剤を、例えば2%以上の含有率で含む。
本発明の解釈上、以下の定義が適用される。
- 「固体」は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)での組成物の状態、すなわち貯蔵中にその形態を保存する高い一貫性の組成物を意味する。「流体」組成物とは対照的に、それは、それ自体の質量下で流動しない。有利には、それは、以下に定義される硬度によって特徴付けられる。
- 「コンパクトパウダー」は、凝集が少なくとも部分的である、製造中にコンパクト化または好ましくはプレスすることによって得られる生成物の塊を意味する。具体的には、Stable Micro Systems社によって販売されているTA.XT.プラスTexture Analyserテクスチュロメーターを使用して測定することによって、本発明によるコンパクトパウダーは、有利には、使用されるスピンドルの表面積(本事例において7.07mm2)に対して、0.1kgから1kg、とりわけ0.2kgから0.8kgの耐圧力を有することができる。この耐性の測定は、粉末(コンパクト化または好ましくはプレスすることによって得ることができる)と接触しているSMS P/3の平頭円柱状スピンドルを、2mmの距離にわたって0.5mm/秒の速度で移動させることによって行われる。
- 「生理学的に許容できる媒体」は、本発明による組成物を皮膚に適用するのに特に適当である媒体を示すと意図される。
好ましくは、本発明による組成物は、総質量に対して、水を3質量%未満、好ましくは2質量%未満含み、または水を含みさえしない。
本発明による組成物は、有利には、95%以上、さらに望ましくは98%、または100%の固体含有率を含む。
本発明の解釈上、「固体含有率」は、不揮発物の含有率を示す。
本発明による組成物の固体含有率(SCと略される)は、Mettler Toledo製の市販のハロゲンデシケーター「Halogen Moisture Analyzer HR 73」を使用して測定される。測定は、ハロゲン加熱によって乾燥される試料の質量損失に基づいて行われ、したがって、水および揮発物が蒸発した時点での残留物の割合を表す。
この技法は、Mettler Toledoによって供給される機械マニュアルに完全に記載されている。
測定プロトコルは次の通りである:
本明細書において下記に試料として称される組成物およそ2gを金属るつぼ上に拡げ、るつぼを、上に記述されているハロゲンデシケーター内に置く。試料を次いで、恒量が得られるまで105℃の温度にかける。試料の初期の質量に相当する試料の湿質量、およびハロゲン加熱後の試料の質量に相当する試料の乾燥質量を、精密天秤を使用して測定する。
測定に伴う実験誤差は、プラスまたはマイナス2%のオーダーである。
固体含有率は、以下の方式において算出される。
固体含有率(質量百分率で表す)=100×(乾燥質量/湿質量)
該組成物は、粉体相を、組成物の総質量に対して50質量%以上、さらに望ましくは60質量%の量で含むことができる。粉体相は、有利には、真珠光沢剤から選択される少なくとも1種の着色剤を含む。この粉体相は、より一般的には、真珠光沢剤、顔料および反射性粒子ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の着色剤を含むことが好ましい。粉体相は、有利には、少なくとも1種の充填剤、および特に真珠光沢剤から選択される少なくとも1種の着色剤を含む。
前記組成物は、30%以上、さらに望ましくは40%以上、それよりさらに望ましくは50%の含有率の真珠光沢剤を有してもよい。特定すると、前記組成物は、組成物の総質量に対して30質量%から70質量%、好ましくは40質量%から60質量%の含有率の真珠光沢剤を有する。
前記組成物は、好ましくは、少なくとも1種の不揮発性炭化水素系油を含む。この不揮発性炭化水素系油は、好ましくは、少なくとも1種の安息香酸アルキル(C12〜C15)を含む。
前記組成物は、有利には、少なくとも1種の追加の不揮発性炭化水素系油または少なくとも1種の不揮発性シリコーン油およびそれらの1種または複数の混合物を含む。
好ましくは、前記組成物は、1種または複数の直鎖またはフェニル化、好ましくはフェニル化の不揮発性シリコーン油を含む。追加の不揮発性油は、組成物の総質量に対して8質量%以上の(総)含有率で存在する。
非晶質の炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、オレフィンの重合によって形成される非晶質ポリマーを含む。炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、スチレンのおよびオレフィンの非晶質ブロックポリマーを含む。炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、スチレンブロックおよびエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含有するコポリマー、場合により水素化されたコポリマーを含む。炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロックコポリマーを含む。炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、スチレン-ブチレン/エチレン-スチレントリブロックコポリマーとスチレン-エチレン/ブチレンジブロックコポリマーとのブレンドを含む。炭化水素系ブロックコポリマーは、組成物の総質量に対して1質量%以上、好ましくは組成物の総質量に対して1.5質量%から4質量%、さらに望ましくは組成物の総質量に対して2質量%から4質量%の総含有率で存在する。炭化水素系ブロックコポリマー、および安息香酸アルキル(C12〜C15)から選択される不揮発性炭化水素系油は、組成物中に、それぞれ、炭化水素系ブロックコポリマーの前記安息香酸アルキル(C12〜C15)に対する質量比が上下限を含む0.06から0.3、さらに望ましくは0.08から0.2であるような総含有率で存在する。
好ましくは、本発明による組成物は、アイシャドウ、アイブロー用組成物、ブラッシャーまたはフェイスパウダーである。より優先的には、組成物は、アイシャドウ、ブラッシャーおよび健康的顔色効果を有するパウダーから選択される。
特に好ましい一実施形態によれば、コンパクトパウダー形態の前記固体のメーキャップおよび/またはケア用化粧品組成物は、生理学的に許容できる媒体中に、組成物の総質量に対して、上下限を含め、考察されている各化合物について固体の質量として表される、少なくとも
- 0.5%から5%の非晶質炭化水素系ブロックコポリマー、
- 単体の、または好ましくは少なくとも1種の追加の不揮発性シリコーン油と混合した、30%から40%の不揮発性炭化水素系油、
- 以下を含む、50%から70%の着色剤、
a) 金属(ポリ)オキシド、好ましくは酸化鉄から特に選択される、好ましくは0.5%から15%の顔料、
b) 被覆雲母から特に選択される、35%から60%の真珠光沢剤、
- 2%から10%の充填剤、および
- 0%の水
を含む。
第2の態様によれば、本発明の主題は、ケラチン物質、特に皮膚、好ましくは顔面皮膚、とりわけ瞼をメーキャップおよび/またはケアするための方法でもあり、ここで、前に定義されている組成物は前記ケラチン物質に適用される。
粉体相
粉体相は、有利には、充填剤および着色剤を含む。
本発明による固体組成物は、有利には、組成物の総質量に対して35質量%以上、特定すると40質量%以上、より特定すると50質量%から80質量%、さらに望ましくは60質量%から70質量%の範囲の含有率の粉体相を有する。
充填剤
「充填剤」という用語は、不溶性であり、組成物の媒体中に分散される形態である、任意の形態の無色または白色の固体粒子を意味すると理解されるべきである。天然の鉱物または有機物は、柔性、マット感、およびメーキャップの均一性を、組成物に付与することを可能にする。
本発明による組成物中に使用される充填剤は、層状、球状または真球形の形態であってよく、繊維の形態またはこれらの規定された形態の間の任意の他の中間形態であってもよい。
本発明による充填剤は表面被覆されていても、またはされていなくてもよく、特にそれらは、シリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体、または組成物中の充填剤の分散および相容性を促進する任意の他の物質で表面処理することができる。
本発明による組成物中に使用することができる鉱物充填剤の中で、挙げることができるのは、タルク、雲母、シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、ベントン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、中空シリカ微小球(Maprecos製のシリカビーズ)、ガラスまたはセラミックのマイクロカプセル、シリカ系充填剤、例えばAerosil 200またはAerosil 300;旭硝子によって販売されているSunsphere H-33およびSunsphere H-51;旭化成によって販売されているChemicelen;シリカのおよび二酸化チタンの複合物、例えば日本板硝子によって販売されているTSGシリーズ、パーライト粉末およびフッ素金雲母、ならびにそれらの混合物である。
使用することができる有機充填剤の中で、挙げることができるのは、ポリアミド粉末[Atochem製のNylon(登録商標) Orgasol]、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末[Teflon(登録商標)]、ラウロイルリシン、スターチ、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie)などの(アルキル)アクリレートを含む中空ポリマー微小球、8個から22個の炭素原子、好ましくは12個から18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、Polypore(登録商標) L200(Chemdal Corporation)、シリコーン樹脂マイクロビーズ[例えば東芝製のTospearl(登録商標)]、ポリウレタン粉末、特に、トリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマー、例えばToshiki社によってPlastic Powder D-400(登録商標)またはPlastic Powder D-800(登録商標)の名称で販売されているヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーを含む架橋ポリウレタンの粉末、Micro Powders社によってMicro Care 350(登録商標)の名称で販売されている製品などのカルナバマイクロワックス、Micro Powders社によってMicroEase 114S(登録商標)の名称で販売されている製品などの合成マイクロワックス、Micro Powders社によってMicro Care 300(登録商標)および310(登録商標)の名称で販売されているものなどカルナバワックスおよびポリエチレンワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicro Care 325(登録商標)の名称で販売されている製品などカルナバワックスおよび合成ワックスの混合物から形成されるマイクロワックス、Micro Powders社によってMicropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)および250S(登録商標)の名称で販売されているものなどのポリエチレンマイクロワックス;合成または天然、鉱物または有機物起源の繊維である。これらは短くても長くても、個別でも組織化されていてもよく、例えば編まれていてもよく、中空でも中実であってもよい。これらは任意の形状を有することができ、とりわけ、予想される特定の適用に応じて円形または多角形(正方形、六角形または八角形)の断面を有することができる。具体的には、これらの端は、傷を予防するために鈍化および/または研磨されている。繊維は、1μmから10mm、好ましくは0.1mmから5mm、さらに望ましくは0.3mmから3mmを範囲とする長さを有する。それらの断面は、2nmから500μmを範囲とする、好ましくは100nmから100μmを範囲とする、さらに望ましくは1μmから50μmの直径を有する円の中に含まれ得る。本発明による組成物中に使用することができる繊維として、ポリアミド[Nylon(登録商標)]繊維などの非剛性繊維、またはポリイミドアミド繊維などの剛性繊維、例えばRhodia社によってKermel(登録商標)およびKermel Tech(登録商標)の名称で販売されているもの、またはとりわけDuPont de Nemours社によってKevlar(登録商標)の名称で販売されているポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(またはアラミド)繊維、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
本発明との関連で好ましく使用されるこうした充填剤の代表として、挙げることができるのは、とりわけタルク、スターチ、フッ素金雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの粘土、または中空ポリマー微小球である。
充填剤は、組成物中に、組成物の総質量に対して1質量%から40質量%、好ましくは2質量%から20質量%を範囲とする含有率で存在してもよい。
着色剤
本発明による着色剤または染料は、好ましくは、顔料、真珠光沢剤および反射性粒子、ならびにそれらの混合物から選択される。
有利な一実施形態によれば、真珠光沢剤は、顔料の(総)含有率より多い(総)質量含有率で存在する。
例えば、真珠光沢剤および顔料は、組成物中に、それぞれ、真珠光沢剤の顔料に対する質量比が12から1、より望ましくは11から4、好ましくは10から6、およそ9になる(総)含有率で存在する。
顔料
「顔料」という用語は、生理学的媒体中で不溶性であり、組成物を着色することを目的とする、任意の形状の白色または有色の鉱物または有機粒子を意味すると理解されるべきである。
顔料は、白色または有色の、鉱物および/または有機物であり得る。
鉱物顔料の中で挙げられるものは、任意選択により表面処理されている二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、およびまた酸化亜鉛、(黒色、黄色、もしくは赤色)酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物およびフェリックブルー、ならびに金属パウダー、例えば、アルミニウムパウダーおよび銅パウダーである。
有機顔料は、下記の物質およびそれらの混合物から選択できる:
- コチニールカルミン、
- アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、キサンテン染料、ピレン染料、キノリン染料、トリフェニルメタン染料およびフルオラン染料の有機顔料。
有機顔料の中では、とりわけ以下の名称で知られるD&C認証顔料を挙げることができる: D&C Blue No. 4、D&C Brown No. 1、D&C Green No. 5、D&C Green No. 6、D&C Orange No. 4、D&C Orange No. 5、D&C Orange No. 10、D&C Orange No. 11、D&C Red No. 6、D&C Red No. 7、D&C Red No. 17、D&C Red No. 21、D&C Red No. 22、D&C Red No. 27、D&C Red No. 28、D&C Red No. 30、D&C Red No. 31、D&C Red No. 33、D&C Red No. 34、D&C Red No. 36、D&C Violet No. 2、D&C Yellow No. 7、D&C Yellow No. 8、D&C Yellow No. 10、D&C Yellow No. 11、FD&C Blue No. 1、FD&C Green No. 3、FD&C Red No. 40、FD&C Yellow No. 5、FD&C Yellow No. 6。
先に言及した各有機染色物質に対応する化学物質は、刊行物「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(1997版、371〜386頁および524〜528頁、The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association発行)に記載されており、この内容は参照により本出願に組み込まれる。
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して0質量%から30質量%を範囲とする、好ましくは2質量%から20質量%を範囲とする、優先的には組成物の総質量に対して4質量%から10質量%を範囲とする含有率の顔料を含むことができる。
真珠光沢剤
「真珠光沢剤」という用語は、とりわけ特定の軟体動物によってそれらの殻中で産生されるかあるいは合成される、玉虫色であっても玉虫色でなくてもよい、光学干渉を介する色彩効果を有する、任意の形態の着色粒子を意味すると理解されるべきである。
言及し得る真珠光沢剤の例としては、酸化鉄で被覆した雲母チタン、オキシ塩化ビスマスで被覆した雲母、酸化クロムで被覆した雲母チタンなどの真珠光沢顔料、およびオキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料が挙げられる。また、金属酸化物および/または有機染色物質の少なくとも2つの連続する層が表面に積層している雲母粒子であってもよい。
真珠光沢剤は、より具体的には黄色、桃色、赤色、青銅色、橙色、茶色、金色および/もしくは銅色または輝きを有することができる。
組成物に導入できる真珠光沢剤の例として、特にEngelhard社によりBrilliant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)、およびMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されている金色真珠光沢剤、特にMerck社によりBronze fine(17384)(Colorona)およびBronze(17353)(Colorona)の名称で、ならびにEngelhard社によりSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されている青銅色真珠光沢剤、特にEngelhard社によりOrange 363C(Cloisonne)およびOrange MCR101(Cosmica)の名称で、ならびにMerck社によりPassion Orange(Colorona)およびMatte Orange(17449)(Microna)の名称で販売されている橙色真珠光沢剤、特にEngelhard社によりNu-antique copper 340XB(Cloisonne)およびBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されている茶色真珠光沢剤、特にEngelhard社によりCopper 340A(Timica)の名称で販売されている淡い銅色を伴う真珠光沢剤、特にMerck社によりSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されている淡い赤色を伴う真珠光沢剤、特にEngelhard社によりYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されている淡い黄色を伴う真珠光沢剤、特にEngelhard社によりSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されている淡い金色を伴う赤色真珠光沢剤、特にEngelhard社によりTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されている桃色真珠光沢剤、特にEngelhard社によりNu antique bronze 240AB(Timica)の名称で販売されている淡い金色を伴う黒色真珠光沢剤、特にMerck社によりMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されている青色真珠光沢剤、特にMerck社によりXirona Silverの名称で販売されている淡い銀色を伴う白色真珠光沢剤、ならびに特にMerck社によりIndian summer(Xirona)の名称で販売されている金色-グリーンピンク-橙色真珠光沢剤と、これらの混合物とが挙げられる。
真珠光沢剤のさらなる例として、酸化チタンで被覆したホウケイ酸基材を含む粒子をも挙げることができる。
酸化チタンで被覆されているガラス基材を有する粒子は、とりわけ、Toyal社によってMetashine MC1080RYの名称で販売されている。
最後に、さらに挙げることができる真珠光沢剤の例には、ポリエチレンテレフタレートフレーク、とりわけMeadowbrook Inventions社によってSilver 1P 0.004X0.004の名称で販売されているもの(銀色フレーク)が含まれる。
本発明による組成物は、好ましくは、組成物の総質量に対して30質量%以上、さらに望ましくは40質量%以上、それよりさらに望ましくは50質量%の含有率の真珠光沢剤を含む。特定すると、前記組成物は、優先的には、組成物の総質量に対して30質量%から70質量%、好ましくは40質量%から60質量%の含有率の真珠光沢剤を含む。
本発明による組成物は、好ましくは、着色剤の総質量に対して、50質量%から98質量%、例えば70質量%から95質量%、さらに望ましくは80質量%から92質量%の真珠光沢剤を含む。特定すると、それらは、有利には、着色剤の総質量に対して85質量%以上の含有率の真珠光沢剤を含む。
本発明による組成物は、好ましくは、粉体相の総質量に対して40質量%から95質量%、例えば50質量%から90質量%、さらに望ましくは60質量%から85質量%の真珠光沢剤を含む。特定すると、それらは、有利には、粉体相の総質量に対して70質量%以上の含有率の真珠光沢剤を含む。
反射性粒子
「反射性粒子」という用語は、サイズ、構造、とりわけそれらが作製されている層の厚さ、ならびにそれらの物理的および化学的性質ならびに表面状態が、それらが入射光を反射することを可能にする粒子を示す。この反射は、適切であれば、組成物または混合物の表面に、メーキャップされる基礎地に適用されたときに、肉眼でも視認される過度に明るい点、すなわち、きらめきを放つことで周辺との対比をなす発光のより強い点を生じさせるために十分な強度を有し得る。
反射性粒子は、併用される着色剤によって生ずる着色効果を著しく変化させないように、より具体的には、色収率の観点でこの効果を最適化するように選択され得る。反射性粒子は、より具体的には、黄色、桃色、赤色、青銅色、橙色、茶色、金色および/もしくは銅色の色または淡色を有し得る。
これらの粒子は様々な形態を有することができ、とりわけ平板状または球状であってもよく、特に真球形の形態であってもよい。
反射性粒子は、どのような形状であっても、多層構造であってもなくてもよく、多層構造の場合には、例えば、均一な厚みの、特に反射性物質の層を少なくとも1つ有し得る。
反射性粒子が多層構造を有しないとき、反射性粒子は、例えば、金属酸化物、とりわけ、合成により得られる酸化チタンまたは酸化鉄で構成され得る。
反射性粒子が多層構造を有するとき、反射性粒子は、例えば、天然または合成の基材、とりわけ、反射性物質、とりわけ少なくとも1種の金属または金属性物質の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された合成基材を含んでもよい。基材は、1種または複数の有機および/または無機材料から構成され得る。
より具体的には、基材材料は、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート、ホウケイ酸および合成雲母、ならびにそれらの混合物から選択され得るが、これらに限定されるわけではない。
反射性物質は、金属または金属性物質の層を含み得る。
反射性粒子は、特に文献JP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460およびJP-A-05017710に記載されている。
また金属の層で被覆された鉱物基材を含む反射性粒子の例としては、銀被覆ホウケイ酸基材を含む粒子をも挙げることができる。
平板状の形態の銀被覆ガラス基材を有する粒子は、Toyal社によってMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名称で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されているガラス基材を有する粒子は、この同じ会社によってCrystal Star GF 550およびGF 2525の名称で販売されている。
また、例えば、銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マンガン、鋼鉄、青銅またはチタンなどの金属性基材であって、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロムまたは酸化ケイ素、およびこれらの混合物などの少なくとも1種の金属酸化物を少なくとも1つの層で被覆した金属性基材を含む粒子も使用できる。
言及し得る例として、Eckart社よってVisionaireの名称で販売されている、SiO2で被覆されたアルミニウムパウダー、青銅パウダーまたは銅パウダーが挙げられる。
好ましくは、粉体相は、以下から選択される少なくとも1種の化合物を含む:
有機顔料、例えば:
- CTFAの「Color Additives - Batch Certified by the U.S. Food and Drug Administration」の項において列挙されている通りの米国食品医薬品局によってD&C認定された顔料;列挙し得るものとして、とりわけ、Blue 1および4、 Brown 1、Ext. Violet 2、Ext. Yellow 7、Green 3、5、6および8、Orange 4、5、10および11、Red 4、6、7、17、21、22、27、28、30、36および40、Violet 2、Yellow 5、6、7、8、10および11、
鉱物顔料、例えば:
- 酸化鉄、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、
- フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、ピンクもしくはバイオレット、クロム水和物、水酸化クロムまたはオキシ塩化ビスマスなど、
真珠光沢剤、例えば:
- 酸化チタンで被覆されている雲母、酸化チタンおよび酸化鉄で被覆されている雲母、およびラウロイルリシンなどのアミノ酸で被覆されている雲母、
- ポリエチレンテレフタレートフレーク、
- セリサイト、
- ならびにそれらの混合物など、
反射性粒子、例えば:
- 金属層で被覆されているホウケイ酸塩基材を含む粒子など。
液体脂肪相
本発明による固体の化粧品組成物は、少なくとも1つの液体脂肪相を含む。
この脂肪相は、有利には、前記粉体相のバインダーとして作用することができる。
液体脂肪相は、好ましくは、少なくとも1種の不揮発性油を含む。
用語「液体」は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である組成物を指す。
用語「油(オイル)」は、水と非混和性の非水性化合物であって、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味する。
「不揮発性油」という用語は、皮膚またはケラチン繊維上に室温および室圧で残存する油を意味する。より正確には、不揮発性油は、厳密には0.01mg/cm2/min未満の蒸発速度を有する。
本発明による固体組成物は、有利には、組成物の総質量に対して15質量%以上、特定すると25質量%以上、より特定すると25質量%から50質量%、さらに望ましくは30質量%から40質量%の範囲である含有率の液体脂肪相、特に不揮発性油を有する。
本発明による固体組成物は、好ましくは、少なくとも1種の不揮発性炭化水素系油を含む。好ましくは、この不揮発性炭化水素系油は、単体の、または好ましくは追加の不揮発性炭化水素系油もしくは好ましくは不揮発性シリコーン油と混合させた、少なくとも安息香酸アルキル(C12〜C15) を含む。
前記組成物中の安息香酸アルキル(C12〜C15)の含有率は、組成物の総質量に対して10質量%から35質量%、特定すると15質量%から30質量%、さらに望ましくは20質量%から25質量%を範囲とすることができる。
特定の一実施形態によれば、前記組成物は、総含有率が、組成物の総質量に対して8質量%以上、さらに望ましくは組成物の総質量に対して10質量%の追加の不揮発性炭化水素系油またはシリコーン油を有する。この追加の不揮発性炭化水素系油またはシリコーン油の総含有率は、より一般的には、組成物の総質量に対して2質量%から20質量%であることが好都合である。
不揮発性炭化水素系油
液体脂肪相は、好ましくは、次式(A)
Figure 0006141832
[式(A)中、RはC12〜C15アルキル基である]
の安息香酸アルキル(C12〜C15)から選択される不揮発性炭化水素系油を少なくとも1種含む。
この不揮発性油は、安息香酸と1種または複数のC12〜C15アルコールとのエステル化から得られる。
前記組成物中の安息香酸アルキル(C12〜C15)の含有率は、組成物の総質量に対して10質量%から35質量%、特定すると15質量%から30質量%、さらに望ましくは20質量%から25質量%を範囲とすることができる。
安息香酸アルキル(C12〜C15)は、本発明による組成物中に、単体で、または好ましくは1種もしくは複数の追加の不揮発性炭化水素系油もしくはシリコーン油およびこれらの混合物との混合物として、より優先的には、少なくとも1種の不揮発性シリコーン油との混合物として与えられ得る。
本発明による組成物は、1種または複数の追加の不揮発性炭化水素系油を含むこともできる。
特に挙げることができる追加の不揮発性炭化水素系油には、以下が含まれる:
- 植物起源の炭化水素系油、例えばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリルおよびグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルなどのフィトステアリルエステル;特に脂肪酸がC18からC36を範囲とする鎖長を有することができるグリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリドであって、これらの油は場合により直鎖または分岐鎖、および飽和または不飽和であり;これらの油は、とりわけヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター油、アロエ油、スイートアーモンド油、モモ核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、カメリナ油、ニンジン油、ベニバナ油、麻油、ナタネ油、綿実油、やし油、髄種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイオイル、ヘーゼルナッツ油、アンズ仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、クロフサスグリ種油、キーウィ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、ヒマシ油およびスイカ油、ならびにそれらの混合物、または代わりにStearineries Dubois社によって販売されているもの、もしくは、Dynamit Nobel社によって、Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)および818(登録商標)の名称で販売されているものなど、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリドであってよい、炭化水素系油、
- 10個から40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例えば安息香酸アルキル(C12〜C15)以外の式R1COOR2の油(式中、R1は1個から40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの直鎖または分岐鎖の脂肪酸残基を表し、R2は1個から40個の炭素原子を含有するとりわけ分岐鎖である炭化水素系鎖を表し、ただしR1+R2≧10である)であって、該エステルが、特に、アルコールの脂肪酸エステル、例えば、オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、特にヘプタン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸アルコールまたはポリアルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコールおよびそれらの混合物、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリルおよびリンゴ酸ジイソステアリルから選択できるエステル、
- ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル、例えば(テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、
- ジオール二量体のおよび二酸二量体のエステル、
- ジオール二量体のおよび二酸二量体のコポリマーならびにそれらのエステル、例えばジリノレイルジオール二量体/ジリノール二量体コポリマー、およびそれらのエステルなど、
- ポリオールのおよび二酸二量体のコポリマー、ならびにそれらのエステル、
- 12個から26個の炭素原子を含有する分岐鎖および/または不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12〜C22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸、ならびにそれらの混合物など、
- 2つのアルキル鎖が場合により同一または異なっている炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジカプリリルなど、
- 約400g/molおよび約10000g/molの間、特定すると約650g/molから約10000g/mol、特定すると約750g/molから約7500g/mol、さらに特定すると約1000g/molから約5000g/molの範囲のモル質量を有する油;挙げることができるのは、とりわけ、単体でまたは混合物として、(i)親油性のポリマー、例えばポリブチレン、ポリイソブチレン、例えば水素化されたポリデセンおよび水素化ポリデセン、ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、およびポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、例えばC3〜C22などのC2〜C30アルケンのコポリマーなど、ならびにそれらの組合せ、(ii)含有する合計炭素数が35個から70個を範囲とする直鎖脂肪酸エステル、例えばペンタエリスリチルテトラペラルゴネート、(iii)ヒドロキシル化エステル、例えば2-トリイソステアリン酸ポリグリセリル、(iv)芳香族のエステル、例えばトリメリト酸トリデシル、(v)脂肪アルコールのまたは分岐鎖C24〜C28脂肪酸のエステル、例えば米国特許第6 491 927号に記載されているものおよびペンタエリスリトールエステル、ならびにとりわけクエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、テトラデカン酸グリセリル2-トリデシル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリ(2-グリセリル)またはテトラデカン酸ペンタエリスリチル2-テトラデシル、(vi)ジオール二量体エステルおよびポリエステル、例えばジオール二量体のおよび脂肪酸のエステル、ならびにジオール二量体のおよび二酸のエステルである。
特定の一実施形態によれば、本発明による組成物は、追加の不揮発性炭化水素系油を含まない。
不揮発性シリコーン油
本発明の好ましい一実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の不揮発性シリコーン油を含む。
優先的には、本発明による組成物は、安息香酸アルキル(C12〜C15)から有利に選択される少なくとも1種の揮発性炭化水素系油を、1種または複数の不揮発性シリコール油との混合物として含む。
本発明で使用できる不揮発性シリコーン油は、25℃で9センチストーク(cSt)(9×10-6m2/s)以上、800000cSt未満、好ましくは50から600000cStの間、好ましくは100から500000cStの間の粘度を有するシリコーン油から選択することができる。このシリコーンの粘度は、ASTM D-445規格に従って測定することができる。
これらのシリコーン油の中でも、フェニルを含有するか否かに従って2つのタイプの油に区別することができる。
挙げることができるこれらの不揮発性直鎖シリコーン油の代表例には、ポリジメチルシロキサン;アルキルジメチコーン;ビニルメチルメチコーン;ならびに任意選択によりフッ素化されている脂肪族基で、またはヒドロキシル基、チオール基および/もしくはアミン基などの官能基で修飾されているシリコーンも含まれる。
したがって、挙げることができる非フェニル不揮発性シリコーン油には、以下が含まれる:
- ペンダントであり、かつ/またはシリコーン鎖の末端にある、2から24個の炭素原子をそれぞれ含有するアルキル基またはアルコキシ基を含むPDMS、
- 脂肪族基、またはヒドロキシル基、チオール基および/もしくはアミン基などの官能基を含むPDMS、
- ポリメチルトリフルオロプロピルジメチルシロキサンなどの、フッ素化基で任意選択により置換されているポリアルキルメチルシロキサン、
- ヒドロキシル基、チオール基および/またはアミン基などの官能基で置換されているポリアルキルメチルシロキサン、
- 脂肪酸、脂肪アルコールまたはポリオキシアルキレン、およびそれらの混合物で修飾されたポリシロキサン。
特定の一実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の非フェニル直鎖シリコーン油を含有する。
非フェニル直鎖シリコーン油は、特に、次式
Figure 0006141832
[式中、
R1、R2、R5およびR6は、一緒にまたは別々に、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基であり、
R3およびR4は、一緒にまたは別々に、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基、ビニル基、アミン基またはヒドロキシル基であり、
Xは、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基またはアミン基であり、
nおよびpは、流体化合物を有するように選択される整数である]
のシリコーンから選択することができる。
本発明に従って使用できる不揮発性シリコーン油として、以下を挙げることができる:
- General Electric社からSE30の名称で販売されている製品、Wacker社からAK 500000の名称で販売されている製品、Bluestar社からMirasil DM 500000の名称で販売されている製品、およびDow Corning社からDow Corning 200 Fluid 500000 cStの名称で販売されている製品などの、置換基R1からR6およびXがメチル基を表し、pおよびnが、粘度500000cStになるような数であるもの、
- Dow Corning社からDow Corning 200 Fluid 60000 CSの名称で販売されている製品およびWacker社からWacker Belsil DM 60000の名称で販売されている製品などの、置換基R1〜R6およびXがメチル基を表し、pおよびnが、粘度60000cStになるような数であるもの、
- Dow Corning社からDow Corning 200 Fluid 350 CSの名称で販売されている製品などの、置換基R1からR6およびXがメチル基を表し、pおよびnが、粘度350cStになるような数であるもの、
- Momentive社からBaysilone Fluid T0.7の名称で販売されている製品などの、置換基R1からR6がメチル基を表し、基Xがヒドロキシル基を表し、nおよびpが、粘度700cStになるような数であるもの。
好ましい一変形実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種のフェニルシリコーン油を含有する。
挙げることができるこれらの不揮発性フェニルシリコーン油の代表的な例には、次のようなものが含まれる:
- 次式
Figure 0006141832
[式(I)中、基Rは、互いがそれぞれ独立に、メチルまたはフェニルを表し、ただし、少なくとも1個の基Rは、フェニルを表す]
に相当するフェニルシリコーン油。好ましくは、この式中、フェニルシリコーン油は、少なくとも3個のフェニル基、例えば、少なくとも4個、少なくとも5個または少なくとも6個を含む。
- 次式
Figure 0006141832
[式(II)中、基Rは、互いがそれぞれ独立に、メチルまたはフェニルを表し、ただし、少なくとも1個の基Rは、フェニルを表す]
に相当するフェニルシリコーン油。好ましくは、この式中、前記オルガノポリシロキサンは、少なくとも3個のフェニル基、例えば、少なくとも4個または少なくとも5個を含む。前述のフェニルオルガノポリシロキサンの混合物は用いることができる。挙げることができる例には、トリフェニル、テトラフェニルまたはペンタフェニルオルガノポリシロキサンの混合物が含まれる。
- 次式
Figure 0006141832
[式(III)中、Meは、メチルを表し、Phは、フェニルを表す]
に相当するフェニルシリコーン油。このようなフェニルシリコーンは、Dow Corningによって、PH-1555 HRIまたはDow Corning 555 Cosmetic Fluid(化学名:1,3,5-トリメチル-1,1,3,5,5-ペンタフェニルトリシロキサン; INCI名:トリメチルペンタフェニルトリシロキサン)という参照名で特に製造される。参照名Dow Corning 554 Cosmetic Fluidも使用することができる。
- 次式
Figure 0006141832
[式(IV)中、Meはメチルを表し、yは1から1000の間であり、Xは-CH2-CH(CH3)(Ph)を表す]
に相当するフェニルシリコーン油。
- 次式(V)
Figure 0006141832
[式(V)中、化合物(V)が不揮発性油であるように、Meはメチルであり、Phはフェニルであり、OR'は、基-OSiMe3を表し、yは、0または1から1000の間の範囲であり、zは、1から1000の間の範囲である]。
に相当するフェニルシリコーン油。
第1の実施形態によれば、yは、1から1000の間の範囲である。使用できるのは、例えば、Wacker社によってBelsil PDM 1000という参照名で特に販売されているトリメチルシロキシフェニルジメチコーンである。
第2の実施形態によれば、yは0に等しい。使用できるのは、例えば、以下のものを使用できる。
- Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidという参照名で特に販売されているフェニルトリメチルシロキシトリシロキサン。
- 次式(VI)
Figure 0006141832
[式(VI)中:
- R1からR10は、互いがそれぞれ独立に、飽和または不飽和の、直鎖、環式または分岐鎖C1〜C30炭化水素系基であり、
- m、n、pおよびqは、互いがそれぞれ独立に、整数0から900の間であり、ただし合計m+n+qは0ではない]
に相当するフェニルシリコーン油、およびこれらの混合物。
好ましくは、m+n+qの合計は1から100の間である。好ましくは、m+n+p+qの合計は1から900の間であり、さらに望ましくは1から800の間である。好ましくは、qは0に等しい。
- 次式(VII)
Figure 0006141832
[式(VII)中、
- R1からR6は、互いがそれぞれ独立に、飽和または不飽和の、直鎖、環式または分岐鎖C1〜C30炭化水素系基であり、
- m、nおよびpは、互いがそれぞれ独立に、整数0から100の間であり、ただし合計n+mは1から100の間である]
に相当するフェニルシリコーン油、およびこれらの混合物。
好ましくは、R1からR6は、互いがそれぞれ独立に、飽和、直鎖もしくは分枝鎖のC1〜C30、特にC1〜C12炭化水素系基を表し、特にメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表す。
R1からR6は、特に同一であってもよく、さらに、メチル基であってもよい。
好ましくは、m=1もしくは2もしくは3、および/またはn=0および/またはp=0もしくは1が、式(VII)に適用され得る。
- 式(VIII)
Figure 0006141832
[式(VIII)中、
- Rは、C1〜C30アルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
- nは、0から100の範囲の整数であり、
- mは、0から100の範囲の整数であり、ただし、合計n+mは、1から100の範囲である]
に相当するフェニルシリコーン油、およびこれらの混合物。
特に、式(VIII)の基Rおよび前もって定義したR1からR10は、それぞれ、直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和のアルキル基、特にC2〜C20のアルキル基、特定するとC3〜C16のアルキル基、より特定するとC4〜C10のアルキル基を表し、または単環式もしくは多環式のC6〜C14アリール基、特にC10〜C13アリール基を表し、またはアリール残基およびアルキル残基が前もって定義した通りであるアラルキル基を表すことができる。
好ましくは、式(VIII)のRおよびR1からR10は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ドデシルまたはオクタデシル基、あるいはフェニル、トリル、ベンジルまたはフェネチル基を表すことができる。
一実施形態によれば、25℃の粘度が5から1500 mm2/sの間(すなわち、5から1500cSt)である、好ましくは、粘度が5から1000mm2/sの間(すなわち、5から1000cSt)である式(VIII)のフェニルシリコーン油を使用することができる。
式(VIII)のフェニルシリコーン油として、Dow Corning製のDC556(22.5cSt)、Rhone-Poulenc製の油Silbione 70663V30(28cSt)などのフェニルトリメチコーンまたはWacker製のBelsil油、特にBelsil PDM1000(1000cSt)、Belsil PDM 200(200cSt)およびBelsil PDM 20(20cSt)などのジフェニルジメチコーンを、特に使用することが可能である。括弧内の値は、25℃の粘度を表す。
- 次式
Figure 0006141832
[式(IX)中、
R1、R2、R5およびR6は、一緒にまたは別々に、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基であり、
R3およびR4は、一緒にまたは別々に、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基またはアリール基であり、
Xは、1個から6個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基またはビニル基であり、
nおよびpは、質量平均分子量200000g/mol未満、好ましくは150000g/mol未満、より好ましくは100000g/mol未満の油が得られるように選択される]
に相当するフェニルシリコーン油、およびこれらの混合物。
本発明において使用するのに最も具体的に適したフェニルシリコーンは、上の式(II)、特に式(III)、(V)および(VIII)に相当するものである。
より具体的には、フェニルシリコーンは、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、ならびにそれらの混合物から選択される。
好ましくは、本発明による不揮発性フェニルシリコーン油の質量平均分子量は、500から10000g/molの範囲である。
本発明によるシリコーン化合物の中で、フェニルシリコーン油が特に有益であることが判明していることに留意されたい。
揮発性油
液体脂肪相は、任意選択により、少なくとも1種の揮発性油を含むことができる。
「揮発性油」という用語は、室温および大気圧で、皮膚に接触すると1時間未満で蒸発することができる油(または非水性媒体)を意味する。揮発性油は、室温で液体である化粧品用揮発性油である。より詳細には、揮発性油は、0.01から200mg/cm2/min(上下限を含む)の間の蒸発速度を有する。
この蒸発速度を測定するために、試験を受ける15gの油または油性混合物を、25℃の温度に温度調節され、50%の相対湿度に湿度測定法で調節された約0.3m3の大きなチャンバー内にある天秤上に配置された直径7cmの結晶皿内に置く。前記油または前記混合物を含む結晶皿の上に垂直に配置させた送風機(Papst-Motoren、参照名8550N、2700rpmで回転)で換気を行いながら、液体を撹拌せずに自由に蒸発させるが、送風機の羽根は、結晶皿の方に向け、結晶皿の底部から20cm離れるように配置させる。結晶皿に残存する油の質量を、一定の間隔で測定する。蒸発速度は、単位面積(cm2)および単位時間(分)あたりの蒸発した油のmgで表される。
この揮発性油は、炭化水素系油、シリコーン油またはフルオロ油であってよい。それは好ましくは炭化水素系油である。
「炭化水素系油」という用語は、主に水素原子および炭素原子を含有する油を意味する。
「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子を含有し、とりわけSi-O基を含有する油を意味する。一実施形態によれば、前記組成物は、組成物の総質量に対して不揮発性シリコーン油を10質量%未満、さらに望ましくは5質量%未満を含むか、それどころかシリコーン油がない。
「フルオロ油」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含む油を意味する。
該油は、例えばヒドロキシル基または酸基の形態の、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および/またはリン原子を任意選択により含むことができる。
揮発性油は、8個から16個の炭素原子を含有する炭化水素系油、とりわけC8〜C16分岐鎖アルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えばイソドデカン、イソデカンおよびイソヘキサデカンから選択することができる。
揮発性炭化水素系油は、7個から17個の炭素原子、特定すると9個から15個の炭素原子、より特定すると11個から13個の炭素原子を含有する直鎖揮発性アルカンであってもよい。挙げることができるのは、とりわけn-ノナデカン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカンおよびn-ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物である。
好ましくは、組成物には揮発性油がない。このように揮発性油を含まないことにより、適切な場合、前記組成物のための完全に漏れ止めされているコンディショニングアセンブリを省くことが可能になる。
非晶質炭化水素系ブロックコポリマー
本発明による組成物は、少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマー、好ましくは液体脂肪相中に溶解性または分散性のブロックコポリマーを含む。したがって、このようなコポリマーは、この脂肪相のゲル化剤として作用し得る。
炭化水素系ブロックコポリマーは、とりわけジブロック、トリブロック、マルチブロック、放射状もしくは星形コポリマー、またはそれらの混合物であってもよい。
このような炭化水素系ブロックコポリマーは、特許出願US-A-2002/005562およびUS-A-5221534号に記載されている。
コポリマーは、ガラス転移温度が好ましくは20℃未満、好ましくは0℃以下、好ましくは-20℃以下、より好ましくは-40℃以下のブロックを少なくとも1つ含有することができる。前記ブロックのガラス転移温度は、-150℃から20℃、とりわけ-100℃から0℃であってもよい。
本発明による組成物中に存在する炭化水素系ブロックコポリマーは、好ましくは、オレフィンの重合によって形成される非晶質コポリマーである。オレフィンは、とりわけ弾性エチレン性不飽和モノマーであってもよい。
挙げることができるオレフィンの例として、とりわけ1つまたは2つのエチレン性不飽和結合および2個から5個の炭素原子を含有するエチレン性カーバイドモノマー(ethylenic carbide monomers)、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレーンまたはペンタジエンが含まれる。
炭化水素系ブロックコポリマーは、有利には、スチレンおよびオレフィンの非晶質ブロックコポリマーである。
少なくとも1つのスチレンブロックならびにブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソプレーンまたはそれらの混合物から選択される単位を含む少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーが、とりわけ好ましい。
好ましい一実施形態によれば、炭化水素系ブロックコポリマーは、モノマーの重合後に水素化されて残留のエチレン性不飽和結合を還元している。
具体的には、炭化水素系ブロックコポリマーは、スチレンブロックおよびエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含有する、任意選択により水素化されたコポリマーである。
挙げることができる、水素化されることが好ましいジブロックコポリマーとして、スチレン-エチレン/プロピレンコポリマー、スチレン-エチレン/ブタジエンコポリマーおよびスチレン-エチレン/ブチレンコポリマーが含まれる。ジブロックポリマーは、とりわけKraton Polymers社によってKraton(登録商標) G1701Eの名称で販売されている。
挙げることができる、水素化されることが好ましいトリブロックコポリマーとして、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンコポリマー、スチレン-エチレン/ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマーおよびスチレン-ブタジエン-スチレンコポリマーが含まれる。トリブロックポリマーは、とりわけKraton Polymers社によってKraton(登録商標) G1650、Kraton(登録商標) G1652、Kraton(登録商標) D1101、Kraton(登録商標) D1102およびKraton(登録商標) D1160の名称で販売されている。
本発明の一実施形態によれば、炭化水素系ブロックコポリマーは、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロックコポリマーである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、とりわけスチレン-ブチレン/エチレン-スチレントリブロックコポリマーのおよびスチレン-エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物、特にKraton Polymers社によってKraton(登録商標) G1657Mの名称で販売されている製品を使用することが可能である。
好ましくは、本発明のよる組成物は、組成物の総質量に対して上下限を含む0.5質量%から5質量%、さらに望ましくは1.5質量%から4質量%の含有率の炭化水素系ブロックコポリマーを含む。該組成物は、有利には、炭化水素系ブロックコポリマーを、組成物の総質量に対して1質量%以上の含有率で有する。
好ましくは、非晶質炭化水素系ブロックコポリマー、および安息香酸アルキル(C12〜C15)から選択される不揮発性炭化水素系油は、組成物中に、それぞれ、非晶質炭化水素系ブロックコポリマーの前記安息香酸アルキル(C12〜C15)に対する質量比が上下限を含む0.06から0.3、さらに望ましくは0.08から0.2であるような総含有率で存在する。
水性相
本発明による組成物は、水性相を含むことができる。
この水性相は、存在する場合、本発明に従って必要とされる粉状ガレヌス形態と相容性である量で使用される。
水性相は、脱塩水、またはヤグルマギク水などの花の水、および/またはVittel水、Lucas水もしくはLa Roche Posay水などの鉱水、および/または湧水であってよい。
水性相は、室温(25℃)で水と混和性であって、とりわけ2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から10個の炭素原子、優先的には2個から6個の炭素原子を有するポリオールから特に選択されるポリオール[例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコール]、グリコールエーテル(特に、3個から16個の炭素原子を有する)[例えばモノ-、ジ-またはトリプロピレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル、モノ-、ジ-またはトリエチレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル]、ならびにそれらの混合物を含むこともできる。
本発明による組成物は、室温で水と混和性であるポリオールを含むことができる。このようなポリオールは、組成物が適用される皮膚の表面の加湿を促進できる。
加えて、本発明による組成物は、2個から6個の炭素原子を有するモノアルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノールを含み得る。
本発明による組成物は、有利には、組成物の総質量に対して5質量%未満の水性相、特に水を含む。優先的には、本発明による組成物は、水性相を含まず、特に水を含まない。
アジュバント
該組成物は、保存剤、化粧品活性剤、保湿剤、紫外線遮断剤、増粘剤および香料など、化粧品中に通常使用される他の成分(アジュバント)を含むことができる。
言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物に本来伴う有利な特性が予想される添加によって悪く影響されないように、または実質的に悪く影響されないように、本発明による組成物に添加される任意選択のアジュバントを入念に選択するであろう。
アセンブリ
別の態様によれば、本発明は、
i) 閉鎖部材によって閉じられ、任意選択により漏れ止めされていない、1つまたは複数の区画に区切ってある容器、ならびに
ii) 前記区画の内部に置かれている本発明によるメーキャップおよび/またはケア用組成物
を含む化粧品アセンブリにも関する。
容器は、例えば、瓶または箱の形態であってよい。
閉鎖部材は、前記メーキャップおよび/もしくはケア用組成物を収容する容器に対して並動することによって、または軸回転することによって移動できるように取り付けられるキャップを含む蓋の形態であってもよい。
(実施例)
コンパクトパウダーまたはアイシャドウの形態の本発明による固体化粧品組成物は、以下の通りに調製し、次いで特に衝撃強度の観点から、様々な化粧品評価基準に従って試験した。
Figure 0006141832
下記の手順を、本発明による組成物を調製するのに使用した。
1-相1の調製:
相1の化合物(真珠光沢剤を除外する)を量り分け、次いでNovamix 1L-ミキサー-ディスパーサー中に3分半、3000rpmでパドル撹拌し、2700rpmで非粘結化(decaking)させながら分散させる。次いで真珠光沢剤をミキサーに投入し、3000rpmでパドル撹拌しながら3分間分散させる。
2-相2および相3の調製:
相2の化合物を加熱皿に量り分け、次いで95℃まで加熱し、デフロキュレーター(deflocculator)(Turbotest 33/300 PH - Rayneri、VMI group)を使用して均質化を行う。混合物が均質になれば、55℃まで冷却し、相3の化合物を投入する。
3-製剤の仕上げ:
相2および相3を、Kenwood Chef KM010ミキサー中の相1中に、数秒間にわたって最小限に撹拌しながら投入し、次いで混合物を約2分間均質化させる。次いで、得られる生成物をるつぼ中でプレスする。
衝撃強度の測定
測定原理
Co Pack(イタリア)社により販売されているPackage Drop Test機として知られる、このような測定を実施するのに使用される機械は、コンパクトパウダー形態の固体組成物の上で落下試験を行って、その衝撃強度を測定することを可能にする。落下の高さは30cmである。小型定規で、(るつぼの大きさに応じて)コンパクトを収容している支持体の大きさを設定し、次いで支持体の開口部を動かす圧縮空気によって落下させる。
この機械は、以前行われていた手動の落下試験を、30cmの定規を使用するフォーミュレーターに置き換える。この新しい方式で、これらを繰り返すことができ、したがってより信頼性が高い。
この落下試験は、調製したコンパクトの安定性の研究においても含まれる。
結果:
工程中に粉体相を実質的な脂肪相と混合させる従来のプレス方法によって得られる、例えば組成物の総質量に対して40質量%で存在するアイシャドウ(ES)は、落下に耐えられない。脂肪相含有率が類似している本発明による真珠光沢ティントに実施した様々な試験によって、本発明によるプレストパウダーが厳密に1回を上回る、例えば2回から5回の落下回数に耐えることが観察された。
衝撃強度におけるこの改良は、本発明者らによれば、ブロックコポリマーを含む脂肪相および特定の不揮発性炭化水素系油(このような化合物を欠いた従来の方法によって得られるプレストパウダーより耐性が高いプレストパウダーを得ることを可能にする)を含む本発明による固体組成物の特定の構造化によって説明される。
組成物の評価
評価プロトコルを65名のパネルに行い、本発明による組成物の柔らかい手触り、適用(取る量、塗りやすさ、適用時の付着力)、肌合い、メーキャップ結果(均一性、パウダー効果、被覆率、色彩効果)、1日にわたる快適性、磨耗性および除去しやすさを同じ者によって評価した。
結果
概して、パネルの85%超が、単独でまたは独立に考慮するこれらの基準に関して、メーキャップ結果に満足し、磨耗性が最も満足度が高い基準だったと述べた。
本発明による組成物を適用して得られた結果は、本発明によるESの磨耗性が非常に優れていることを示す。詳細には、7時間の適用(この間、パネリストは一切のストレスを受けない)後、この期間の後でも80%から100%の製品が瞼の上に残る。
本発明との関連で、化合物または化合物のファミリーのために与えられている質量百分率は、常に、当該の化合物の固体の質量として表されると理解される。
本出願の全体にわたって、「1を含む」または「1を含める」という用語は、別段の指定がない限り、「少なくとも1つを含むこと」または「少なくとも1つを含めること」を意味すると理解されるべきである。

Claims (15)

  1. 生理学的に許容される媒体中に、少なくとも
    - 組成物の総質量に対して35質量%以上の量の粉体相、
    - 少なくとも1種の不揮発性油を含む液体脂肪相、および
    - スチレンおよびオレフィンの非晶質ブロックコポリマーを含む少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマー
    を含む、コンパクトパウダー形態の固体化粧品組成物であって、
    前記不揮発性油の含有率が、組成物の総質量に対して15質量%以上であり、
    前記粉体相が、真珠光沢剤から選択される着色剤を少なくとも1種含む、組成物。
  2. 粉体相を、組成物の総質量に対して50質量%以上の量で含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 真珠光沢剤を、組成物の総質量に対して30質量%以上の含有率で含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記液体脂肪相が、組成物の総質量に対して25質量%以上の含有率で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記液体脂肪相が、不揮発性炭化水素系油またはシリコーン油、およびそれらの混合物から選択される不揮発性油を少なくとも1種含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記液体脂肪相が、安息香酸アルキル(C12〜C15)から選択される不揮発性炭化水素系油を少なくとも1種含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記液体脂肪相が、直鎖またはフェニル化不揮発性シリコーン油から選択される不揮発性シリコーン油を少なくとも1種含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 不揮発性油を、組成物の総質量に対して25質量%から50質量%の量の含有率で含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマーが、スチレンブロックおよびエチレン/C3〜C4アルキレンブロックを含有する、任意選択により水素化されたコポリマーを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマーが、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロックコポリマーを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマーが、スチレン-ブチレン/エチレン-スチレントリブロックコポリマーおよびスチレン-エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記少なくとも1種の非晶質炭化水素系ブロックコポリマーが、組成物の総質量に対して1質量%以上の含有率で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記不揮発性油が、1種または複数の安息香酸アルキル(C12〜C15)から選択される不揮発性炭化水素系油を含み、非晶質炭化水素系ブロックコポリマーおよびこのまたはこれらの安息香酸アルキル(C12〜C15)が、それぞれ、非晶質炭化水素系ブロックコポリマーの安息香酸アルキル(C12〜C15)に対する質量比が上下限を含めて0.06から0.3になるような総含有率で組成物中に存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. アイシャドウ、ブラッシャーおよび健康的顔色効果を有するパウダーから選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 顔に前記組成物を適用するステップを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のメーキャップ用組成物を瞼に塗るための方法。
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