JP6141758B2 - 注入器用カートリッジ及び注入器 - Google Patents

注入器用カートリッジ及び注入器 Download PDF

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Description

本発明は、接着剤、コーキング材、シーリング材等の流動性を有する注入剤を対象物に注入するための注入器及び注入器に用いられる注入器用カートリッジに関するものである。
建設現場や工事現場において接着剤、コーキング材、シーリング材等の注入剤を対象物に注入する場合、注入器としてコーキングガンやグリスガンを用いて作業が行われることがある。例えばコーキングガンとしては特許文献1に示されるようにシリンダとピストンとからなり、注入剤の貯められるカートリッジと、前記カートリッジと一体となっており、前記ピストンを前記シリンダ内で進退させるピストンロッドを具備するガン本体と、を備えたものがある。このコーキングガンは、まず、ガン本体のピストンロッドによりピストンをシリンダの先端側から基端側へ移動させて、注入剤を吸引してシリンダ内に注入剤を貯めた状態にし、その後、ピストンをシリンダの基端側から先端側へと移動させて対象物に注入剤を注入するよう構成されている。すなわち、シリンダ内に注入剤が無くなる度に吸引動作によってシリンダ内に注入剤を補充しなくてはならない。
このような補充作業を繰り返すのは非常に面倒な場合がある。例えば現場を注入剤で汚してはならない場合等には、現場から離れた補充場所に注入剤を置いておかなくてはならず、注入剤の補充のために現場と補充場所との行き来を繰り返さなくてはならない。また、仮に補充場所を現場のすぐ近くに設けることができたとしても、ピストンによる注入剤の吸引と注入を交互に繰り返し続けなくてはならず、作業者にとっては煩わしい。
そこで、特許文献2では前記ガン本体から前記カートリッジを着脱及び交換可能に構成し、複数本のカートリッジを用意してそれぞれに予め注入剤を吸引して溜め置きできるようにして、補充作業の煩わしさを低減することが提案されている。
より具体的に説明すると、このコーキングガンは、前記ガン本体のピストンロッドの先端部に設けられた係合爪と、ピストンにおける外側面に設けられ、前記係合爪と係合する係合穴とからなる接離機構を備えており、前記ガン本体と前記カートリッジとが分離可能に構成されている。
しかしながら、特許文献2に記載のコーキングガンでは、前記カートリッジとして前記係合爪と一致する係合穴を有した専用品でなければガン本体に取り付けることができない。したがって、ユーザが既に所有している任意のガン本体にこのような着脱可能なカートリッジを使用することはできない。
特開平10−337517号公報 特開平9−150091号公報
本発明は、上述したような問題を鑑みてなされたものであり、注入剤を注入する現場の態様に合わせて、注入剤の補充に関して例えば溜め置き等の手法を取ることができるとともに、任意のガン本体で使用が可能な注入器用カートリッジ及びこれを用いた注入器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の注入器用カートリッジは、先端に注入剤が吐出又は吸引される注入剤通過口を有し、基端にピストンロッドが挿入されるロッド挿入口を有したシリンダと、前記シリンダ内をがたなく進退可能に設けられたピストンと、前記ピストンロッドと前記ピストンとの間を着脱可能に接続する接続構造と、を備えた注入器用カートリッジであって、前記接続構造が、前記ピストンのロッド挿入口側に形成され、前記ピストンロッドの先端部に吸着される被吸着面を具備することを特徴とする。
ここで、「前記ピストンロッドの先端部に吸着される」とは、後述するアタッチメントを介して前記ピストンが前記ピストンロッドの先端部に間接的に吸着される態様や、前記ピストンが前記ピストンロッドの先端部自体に直接吸着される態様を含む概念である。また、「がたなく進退可能に設けられた」とは、例えば前記シリンダと前記ピストンとが大きな隙間を形成することなく、前記ピストンが略同じ姿勢を保ったまま前記シリンダ内を進退できる状態を言う。
このようなものであれば、前記ピストンロッドの先端部により前記ピストンを前記シリンダ内の先端へと押し込むことで、前記ピストンの前記被吸着面を前記ピストンロッドの先端部に直接又は間接的に吸着させることができる。したがって、前記シリンダ内から前記ピストンロッドを引き抜くことにより、吸着された前記ピストンを前記ピストンロッドに追従させて前記シリンダの基端側へと移動させることができる。
さらに、前記ピストンの前記被吸着面が前記シリンダのロッド挿入口まで到達すると前記ピストンロッドの先端部と前記ピストンの前記被吸着面との間に空気が入り、吸着が解除されて前記ピストンと前記ピストンロッドの先端部とを切り離すことができる。加えて、前記ピストンと前記ピストンロッドが自然に切り離されると、当該ピストン自体によって前記シリンダのロッド挿入口の蓋がされる。したがって、前記ピストンロッドをシリンダ内に押し込み、その後引き抜くだけで、シリンダ内に注入剤が充填され、しかも、前記ピストンにより蓋がされた状態となるので、複数の注入器用カートリッジに注入剤を充填する作業を効率よく行うことができる。
このように前記シリンダ内のピストンは前記接続構造により前記ピストンロッドの先端部に吸着されて接続されるので、どのようなガン本体に設けられているピストンロッドとも容易に接続することができる。したがって、ユーザが既に所有している任意のコーキングガンのガン本体であっても本発明の注入器用カートリッジを使用する事が可能となる。
また、本発明の注入器用カートリッジを用いれば任意のコーキングガンを用いて複数の注入器用カートリッジに注入剤を予め充填して溜め置きすることができるとともに、1つの注入器用カートリッジをコーキングガンに取り付け、逐次、注入と補充を繰り返すこともでき、作業現場における様々な状況に合わせた使い方に対応することができる。
上述したような注入器カートリッジによる注入剤の充填をどのようなコーキングガンのガン本体を用いても実現できるようにするための具体的な構成としては、前記接続構造が、前記ピストンロッドの先端部に取り付けられ、前記シリンダ内をがたなく進退するアタッチメントをさらに備え、前記アタッチメントが、前記ピストンの前記被吸着面と接触する接触面を有したものが挙げられる。
前記ピストンロッドにより前記ピストンを前記シリンダの先端へと押圧し、注入剤を前記注入剤通過口から吐出させる際に、前記ピストンから前記シリンダの基端側へ注入剤が漏れるのを防ぐには、前記ピストンの前記注入剤通過口側に注入剤が流入する凹部が形成されていればよい。このようなものであれば、前記凹部にある注入剤の圧力が前記ピストンの一部を前記シリンダの内周面に対して押しつけるように作用するので、前記シリンダと前記ピストンとの間の密閉性が増し、注入剤が漏れにくくなる。
前記ピストンと前記シリンダとの間の密閉性を向上させるための具体的なピストンの構成としては、前記ピストンが、前記凹部の側周面を形成する薄肉側壁を有し、薄肉側壁の外側周面が前記シリンダの内側周面と気密に接触するように構成されているものが挙げられる。
前記ピストンが前記ピストンロッドの先端部に対して十分に吸着されて、注入剤の吸引時等の力がかかる状態でも外れてしまわないようにするには、前記ピストンの前記被吸着面と前記アタッチメントの前記接触面とが略全面で密着して接触するように構成されていればよい。
前記ピストンの被吸着面と前記アタッチメントの接触面との間に真空を形成しやすくし、各部材の吸着状態を強固なものにしつつ、どのようなタイプのコーキングガンにも用いることができるようにするための具体的な構成としては、前記アタッチメントが、前記ピストンロッドの先端部にねじ止めされるアダプタと、前記接触面を有し、前記アダプタを覆うように取り付けられるカバー体と、を備え、前記カバー体は前記シリンダと気密に嵌合するように構成されているものが挙げられる。
注入剤の注入時には注入剤を少量ずつ注入し、細かな作業を可能とするとともに、注入剤の吸引時には短時間で注入剤を大量に前記シリンダ内へ吸引できるようにするには、前記シリンダの前記注入剤通過口と連通するように当該シリンダの先端部に着脱可能に設けられたノズルをさらに備えたものであればよい。より具体的には、注入時には前記ノズルを前記シリンダに取り付けておき、吸引時には前記ノズルをシリンダから取り外した状態にして使用すればよい。
注入作業時における注入剤の注入量を適宜調整できるようにするには、前記ノズルが、前記シリンダの先端部に取り付けられる大口径部と、前記大口径部の先端部に着脱可能に取り付けられる小口径部と、を備えたものであればよい。
本発明の注入器用カートリッジと、前記ピストンロッドと、を備えた注入器であれば、複数の注入器用カートリッジを用意しておくことで、注入剤をそれぞれの注入器用カートリッジ内へ吸引し、効率よく溜め置き作業を行うことができる。
このように本発明の注入器用カートリッジによれば、前記シリンダ内の前記ピストンを前記ピストンロッドの先端部に吸着させるという接続構造を有しているので、どのようなタイプのガン本体であってもピストンロッドの先端部に対してピストンが着脱可能である。また、前記ピストンロッドを前記シリンダ内へ押し込み引き込むだけで、シリンダ内に注入剤が充填された後に、前記ピストンから前記ピストンロッドを外し、前記ピストン自体で前記シリンダの基端の蓋をすることができる。つまり、複数の注入器用カートリッジに注入剤を充填する作業も効率よく行い、溜め置きの使用方法にも好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る注入器用カートリッジ及び注入器を示す模式的斜視図。 同実施形態における注入器用カートリッジの模式的斜視分解図。 同実施形態における注入器の初期状態を示す模式的断面図。 同実施形態における注入器用カートリッジへピストンロッドを押し込み、ピストンとアタッチメントとを接続する直前の状態を示す模式的断面図。 同実施形態における注入器用カートリッジからピストンロッドを引き抜き、注入剤を充填している途中状態を示す模式的断面図。 同実施形態における注入器用カートリッジからのピストンロッドを引き抜きが完了し、注入剤の充填が完了した状態を示す模式的断面図。 従来のピストンを用いた場合にシリンダとピストンとの隙間から注入剤が外へ漏れる問題を示す模式的断面図。 同実施形態におけるピストンによるシリンダへの密着効果を説明する模式的断面図。 同実施形態におけるシリンダ中央部でのピストンとアタッチメントとの離間方法について示す模式的断面図。
本発明の一実施形態について各図を参照しながら説明する。
本実施形態の注入器用カートリッジ100は、図1(a)に示すようにガン本体Gに対して着脱可能なものであり、前記ガン本体Gに取り付けられることでコーキングガン200(注入器)を構成するものである。このコーキングガン200は、接着剤、コーキング材、シーリング材等の注入剤AGを対象物に対して注入するために用いられる。
前記注入器用カートリッジ100は概略円筒状のものであり、前記ガン本体Gの銃身部分に取り付けられる。前記ガン本体Gの持ち手部分は、前記注入器用カートリッジ100内に挿入されるピストンロッドPLを進退させたり、所定の位置でピストンロッドPLを固定したりする機構を有している。
前記注入器用カートリッジ100は、図1(b)及び図2の分解斜視図に示すように中空円筒状のシリンダ1と、前記シリンダ1内に設けられるピストン3と、前記シリンダ1の先端に着脱可能に設けられるノズル2と、前記ピストン3と前記ピストンロッドPLの先端部とを接続するための接続構造4と、を備えたものである。
各部について詳述する。
前記シリンダ1は、硬質樹脂により成型してあり、図2(a)及び図5に示すように先端には注入剤AGが吐出又は吸引される注入剤通過口11が形成してあり、基端には前記ピストンロッドPLが挿入されるロッド挿入口12が形成してある。前記ロッド挿入口12は図3に示すようにシリンダ1の内径と同じ直径を有しており、前記注入剤通過口11は前記ロッド挿入口12よりも小さい直径を有している。すなわち、前記シリンダ1の先端における外側部分は閉止されており、中央部のみが小径の注入剤通過口11となっている。
前記ノズル2は、図2(a)に示すように前記シリンダ1の先端部に形成されたおねじと螺合するように基端部にめねじが形成してあり、当該ノズル2の全長は前記シリンダ1の全長の1/3程度にしてある。このノズル2は、図3の断面図に示すように前記注入剤通過口11と略同じ内径を有し先端側が若干先細る大口径部21と、前記大口径部21の半分程度の内径を有する小口径部22と、を備えており、前記大口径部21に対して前記小口径部22はねじによって着脱可能に構成してある。また、前記小口径部22は先端の蓋をするためのキャップCを連結して設けてある。前記大口径部21及び前記小口径部22の基端側はそれぞれ同形状の正六角柱状に形成してあり、1種類の六角レンチで着脱を可能としている。例えば前記小口径部22が前記大口径部21に装着された状態で、前記シリンダ1内に充填された注入剤AGを対象物に注入することで細やかな注入作業も容易に行うことができる。一方、前記小口径部22が前記大口径部21から外された状態では前記シリンダ1内に注入剤AGを充填する際に、吸引される注入剤AGの単位時間当たりの量を大きくし、短時間で充填作業を完了させることが可能となる。
前記ピストン3は、図2(b)及び図3に示すように概略扁平筒状に軟質の樹脂により成型されたものであり、前記シリンダ1と嵌合してがたなく気密に進退するように構成してある。より具体的には、前記ピストン3は前記シリンダ1の先端側に対して注入剤AGが流入する凹部31が向くように設けてあり、その反対側の面を平面状に形成してある。また、前記ピストン3において前記凹部31を形成する側壁部分は、薄肉側壁として形成してあり、後述するように注入剤AGの圧力により前記シリンダ1の内周面へと押し付けられるようにしてある。
前記接続構造4は、図2(b)に示すように前記ピストン3における前記シリンダ1の基端側の平面と前記ピストンロッドPLの先端部とを着脱可能に接続するものである。より具体的には、前記接続構造4は、前記ピストン3の前記ロッド挿入口12側の平面であって、前記ピストンロッドPLの先端部に間接的に真空吸着される被吸着面4Aと、前記ピストンロッドPLの先端部に取り付けられ、前記被吸着面4Aに接触する接触面4Bを有したアタッチメント41と、を備えたものであり、前記被吸着面4Aが前記接触面4Bに対して吸着されることで前記ピストンロッドPLの進退に追従して前記ピストン3が前記シリンダ1内を進退するよう構成してある。
前記アタッチメント41は、図2(b)に示すように前記ピストンロッドPLの先端部分に形成されたおねじに対してナット4Nにより固定される概略皿状に形成されたアダプタ42と、前記接触面4Bを有し、前記アダプタ42の先端側を覆うように取り付けられる軟質樹脂製のカバー体43とから構成してある。前記カバー体43は、前記ピストン3と同形状のものであり、前記シリンダ1内における向きが逆向きになるように設けてある。すなわち、前記カバー体43の先端側の面である接触面4Bも平面に形成してあり、前記ピストン3の被吸着面4Aに対して全面で接触して真空吸着が起こりやすいようにしてある。また、前記ピストン3と前記カバー体43については同形状とすることで、1つの金型で成型でき、部品の共通化による製造コストの低減を図れるようにしてある。
このように構成された注入器用カートリッジ100に対して、注入剤AGを充填する際の動作や作用について各図を参照しながら説明する。
まず、図3に示すように前記ノズル2の大口径部21を前記シリンダ1の先端部に取り付けるとともに、前記シリンダ1のロッド挿入口12に対して前記ピストン3を嵌合させた状態とする。また、前記ピストンロッドPLの先端部には前記アタッチメント41を取り付けた状態とする。
次に、図4に示すように前記ピストンロッドPLにより前記ピストン3を前記シリンダ1の先端まで押し込むことにより、前記ピストン3の被吸着面4Aと前記アタッチメント41の接触面4Bとの間の空気を無くして真空吸着させる。この状態で前記ピストンロッドPLを引き抜くと、前記ピストン3は前記ピストンロッドPLの動きに追従して前記シリンダ1内を動くことになる。
そして、前記大口径部21の先端を予め用意しておいた注入剤AGの中に入れ、前記ピストンロッドPLを前記シリンダ1内から引き抜いていくことにより図5に示すように真空吸着されている前記ピストン3もシリンダ1の基端側へと移動して、注入剤AGがシリンダ1内へと吸引される。
さらに前記ピストンロッドPLを前記シリンダ1から引き抜いていき、前記アタッチメント41の接触面4Bと前記ピストン3の被吸着面4Aが前記シリンダ1のロッド挿入口12まで到達すると、前記シリンダ1を構成する側壁が無くなって前記接触面4Bと前記被吸着面4Aとの間に空気が入ることにより真空吸着による吸着力が弱まり、前記ピストン3から前記アタッチメント41が自然と外れることになる。しかも、図6に示すように前記ピストン3によって前記シリンダ1内に注入剤AGが充填された状態でシリンダ1のロッド挿入口12の蓋をすることができる。
このように、前記ピストンロッドPLによって前記ピストン3を前記シリンダ1の先端まで押し込み、その後、当該ピストンロッドPLを引き抜くだけで前記シリンダ1内に注入剤AGを充填した状態にし、さらには前記ピストン3により前記シリンダ1の基端の蓋まですることができる。そして、この充填した状態で図6に示すように前記大口径部21の先端に前記小口径部22を取り付けてキャップCにより先端も蓋をしておくことで、注入剤AGが充填された注入器用カートリッジ100を溜め置きしておくことができる。
次に前記注入器用カートリッジ100に充填された注入剤AGを対象物に注入する際の動作及び作用について説明する。
図7は、従来の注入器用カートリッジ100Aのようにピストン3Aにおけるシリンダ1Aの先端側の面が平面状で凹部31を有さないものであって、注入剤AGをノズル2A側へと押圧している状態を示す。このようなものの場合、前記ピストンロッドPLAによって注入剤AGをシリンダ1Aの先端側へと押圧すると、注入剤AGの圧力の高まりによってピストン3Aとシリンダ1Aとの隙間から注入剤AGがシリンダ1Aの基端側へと漏れてしまうことがある。
一方、図8に示すように本実施形態の注入器用カートリッジ100では、前記ピストン3における前記シリンダ1の先端側には前記凹部31が設けてあるので、前記ピストンロッドPLにより前記ピストン3及び注入剤AGが押圧されると、前記凹部31内の注入剤AGの圧力が高まり、注入剤AGが前記凹部31を形成する側壁部分を半径方向に押圧することになる。したがって、前記ピストン3の側壁部分は前記シリンダ1の内周面へと押圧されることになるので、前記ピストン3と前記シリンダ1の隙間を強く閉じることができ、注入時に注入剤AGがシリンダ1の基端側へと漏れないようにすることができる。
また、前記ガン本体Gは前記ピストンロッドPLを任意の位置で固定し、前記ピストン3に対して圧力をかけた状態を保つことができる。したがって、図8に示すような状態でも前記ノズル2からは内部の注入剤AGを注入し続けることもできる。一方、前記ガン本体Gによる前記ピストンロッドPLの位置固定機能を解除し、前記ピストンロッドPLから前記ピストン3へ掛かる圧力を無くすと、図9(a)に示す状態から図9(b)における点線で示すようにピストン3は注入剤AGの圧力により前記ピストンロッドPL側へと膨張する。このため、前記ピストンロッドがシリンダ1の基端側へと後退し、前記ピストン3が前記シリンダ1の中央部にある状態でも前記ピストン3から前記アタッチメント41を離すこともできる。この場合、前記ピストン3は押圧されなくなるので、対象物への注入剤AGの注入はこれ以上行われないようになる。なお、図7に示すようなピストンロッドPLAとピストン3Aがねじ止め等により一体となって接続されている従来の注入器であればピストンロッドPLAの位置固定機能を解除しても、ピストン3Aとシリンダ1Aとの間の摩擦によってピストン3A及びピストンロッドPLAは後退せず、注入剤AGにはシリンダ1の先端側へ向かって圧力がかかり続けることになり、しばらくの間は注入剤AGの注入は継続される。これに対して本実施形態の注入器200は、ピストン3とアタッチメント41とに分割されているため、ガン本体Gの位置固定機能を解除するだけでピストンロッドPLは後退し、略確実に注入剤AGの注入を停止させることができる。
このように本実施形態の注入器用カートリッジ100及び注入器200によれば、前記ピストン3の被吸着面4Aと前記ピストンロッドPLの先端部に取り付けられる前記アタッチメント41の接触面4Bとの間を真空吸着により接続するよう接続構造4を構成してあるので、前記アタッチメント41をピストンロッドPLの先端部に取り付けるだけで、この注入器用カートリッジ100を使用することができる。
また、前記ピストン3は前記シリンダ1内に注入剤AGが満タンまで充填されると前記アタッチメント41から自然と離れて前記シリンダ1の基端側について蓋をすることができ、従来のようにシリンダ1に対して別途蓋を取り付ける作業を行わなくてもよい。したがって、作業現場から離れた場所において前記シリンダ1内へ注入剤AGの充填を行わなければならない場合に、複数の前記注入器用カートリッジ100に予め注入剤AGを充填して溜め置きする際も非常に効率よく作業を進めることができる。
加えて、本実施形態の注入器用カートリッジ100は、注入剤AGの充填、注入を交互に繰り返す場合であっても問題無く使用できる。すなわち、本実施形態の注入器用カートリッジ100であれば、作業現場の状況に応じて様々な使用方法に対応することができる。
さらに、前記ピストン3は前記凹部31が前記シリンダ1の注入剤通過口11側を向いて設けられているので、注入剤AGから凹部31を形成する側壁部分にかかる圧力によって前記ピストン3と前記シリンダ1の内周面との密着性を大幅に向上させることができる。したがって、注入時に前記ピストン3と前記シリンダ1の隙間から注入剤AGが漏れなくすることができる。
また、前記シリンダ1の先端部にはその太さを変更可能なノズル2が着脱可能に取り付けられているので、注入剤AGを吸引する場合と、注入する場合とでそれぞれ適したノズル径に変更して効率よく作業を進めることができる。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、ガン本体に前記注入器用カートリッジを取り付けて注入器として使用していたが、前記注入器用カートリッジによる注入剤の吸引、注入は前記ピストンロッドだけを用いて人力で行うようにしても構わない。また、前記ピストンロッドの先端部の形状によっては前記アタッチメントを設けなくてもよい。すなわち、前記ピストンの吸着面に対して吸着するような平面を前記ピストンロッドの先端が有していれば前記アタッチメントは必要ない。さらに、前記ピストンの被吸着面は全面で吸着していなくてもよく、少なくとも一部が前記ピストンロッドと直接又は間接的に吸着し、前記ピストンロッドの動きに前記ピストンが追従するよう構成してあればよい。また、前記被吸着面と前記接触面との間がわずかに離間した状態で吸着により前記ピストンと前記アタッチメントが略同じようにシリンダ内で進退するようにしてもよい。加えて、前記被吸着面及び前記接触面は平面だけに限られる曲面等であっても構わない。また、前記ピストンロッドの先端部にアタッチメントとして吸盤を設けても構わない。
前記ノズルについては、大口径部及び小口径部に分割可能なものではなく、一体となったものであっても構わないし、さらには前記シリンダと前記ノズルが一体となったものであっても構わない。また、注入剤の吸引を行う場合には前記ノズルを前記シリンダから外してしまい、前記注入剤通過口から直接注入剤を吸引するようにしても構わない。
例えば、前記ピストンと前記シリンダとの隙間に対して注入剤からそれほど大きな圧力がかからず漏れの心配がない場合には、前記ピストンの凹部を設けずにシリンダの先端側を向く面も平面として形成してもよい。また、前記凹部の大きさは前記実施形態に示したものに限られず、適宜設定してもよい。要するに注入剤の圧力により前記凹部を形成する側壁部分が十分に変形して前記シリンダの内周面に押し当てられるようなものであればよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
200・・・コーキングガン(注入器)
100・・・注入器用カートリッジ
1 ・・・シリンダ
11 ・・・注入剤通過口
12 ・・・ロッド挿入口
2 ・・・ノズル
21 ・・・大口径部
22 ・・・小口径部
C ・・・キャップ
3 ・・・ピストン
31 ・・・凹部
4 ・・・接続構造
41 ・・・アタッチメント
42 ・・・アダプタ
43 ・・・カバー体
4A ・・・被吸着面
4B ・・・接触面
4N ・・・ナット
AG ・・・注入剤(接着剤、コーキング材、シーリング材)
PL ・・・ピストンロッド

Claims (9)

  1. 先端に注入剤が吐出又は吸引される注入剤通過口を有し、基端にピストンロッドが挿入されるロッド挿入口を有したシリンダと、前記シリンダ内をがたなく進退可能に設けられたピストンと、前記ピストンロッドと前記ピストンとの間を着脱可能に接続する接続構造と、を備えた注入器用カートリッジであって、
    前記接続構造が、前記ピストンの前記ロッド挿入口側に形成され、前記ピストンロッドの先端部に吸着される被吸着面を具備することを特徴とする注入器用カートリッジ。
  2. 前記接続構造が、前記ピストンロッドの先端部に取り付けられ、前記シリンダ内をがたなく進退するアタッチメントをさらに備え、
    前記アタッチメントが、前記ピストンの前記被吸着面と接触する接触面を有した請求項1記載の注入器用カートリッジ。
  3. 前記ピストンの前記注入剤通過口側に注入剤が流入する凹部が形成されている請求項1又は2記載の注入器用カートリッジ。
  4. 前記ピストンが、前記凹部の側周面を形成する薄肉側壁を有し、薄肉側壁の外側周面が前記シリンダの内側周面と気密に接触するように構成されている請求項3記載の注入器用カートリッジ。
  5. 前記ピストンの前記被吸着面と前記アタッチメントの前記接触面とが略全面で密着して接触するように構成されている請求項2記載の注入器用カートリッジ。
  6. 前記アタッチメントが、前記ピストンロッドの先端部にねじ止めされるアダプタと、前記接触面を有し、前記アダプタを覆うように取り付けられるカバー体と、を備え、
    前記カバー体は前記シリンダと気密に嵌合するように構成されている請求項2又は5記載の注入器用カートリッジ。
  7. 前記シリンダの前記注入剤通過口と連通するように当該シリンダの先端部に着脱可能に設けられたノズルをさらに備えた請求項1乃至6いずれかに記載の注入器用カートリッジ。
  8. 前記ノズルが、前記シリンダの先端部に取り付けられる大口径部と、前記大口径部の先端部に着脱可能に取り付けられる小口径部と、を備えた請求項7記載の注入器用カートリッジ。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の注入器用カートリッジと、
    前記ピストンロッドと、を備えた注入器。
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