JP6141630B2 - 水質浄化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水質浄化剤に関する。さらに詳しくは、水槽や生簀などの閉鎖型水系設備で使用される水質浄化剤に関する。
水槽や生簀などのように内部の飼育領域または養殖領域を外部から隔離した閉鎖型の水系設備(以下、単に閉鎖型水系設備という)では、内部で飼育または養殖する魚貝類の排泄物や餌の食べかす等をスポンジ状のろ過部材によって除去したり、ろ過部材では処理することが不可能な溶存系の物質を水質浄化部材によって浄化したりして、水質を維持することが行われている。
この溶存系の物質を除去するための方法として、例えば、水中に溶存する物質を吸着する機能を有する無機系部材を備えた無機系浄化剤(例えば、特許文献1)や微生物が有する機能を利用した微生物浄化剤(例えば、特許文献2)などが存在する。
特許文献1には、ゼオライトやアルミノケイ酸マグネシウム、シリカ、活性炭等を原料とした無機系浄化剤に閉鎖型水系設備の水を接触させて、水中に溶存する亜硝酸やアンモニアなどを部材表面に吸着することによって、かかる物質を水中から除去する技術が開示されている。
一方、特許文献2には、微生物をセラミック等に担持させた状態において、このセラミックに対して閉鎖型水系設備の水を接触させることによって、水中に溶存する硫化水素やアンモニアなどをセラミック等に吸着させた上で、硫化水素等を微生物に分解させて無害な無機物まで分解することによって水を浄化する技術が開示されている。
特公昭54−20440号公報 特開2005−144304号公報
しかるに、特許文献1または2の水質浄化剤を閉鎖型水系設備に採用した場合であっても、飼育または養殖する魚貝類の排泄物や餌の食べ残しによって汚染した水を完全には除去することができない。このため、鎖型水系設備内の水質を所望の状態(例えば、透き通った状態)に維持するには、頻繁に鎖型水系設備内の水を交換(少なくとも1周間から2週間程度の間隔)する必要があった。
本発明は上記事情に鑑み、閉鎖型水系設備内の水の水質を長期間維持することができる水質浄化剤を提供することを目的とする。
第1発明の水質浄化剤は、水を収容可能な中空な収容空間を備えており、該収容空間が外部から略隔離された閉鎖型水系設備に使用される浄化剤であって、前記閉鎖型水系設備の収容空間内に水を収容した状態において、水中の溶存物質を吸着する機能を有する粒状の多孔質無機部材と、酵素と、を含み、前記酵素が、タンパク質を分解する機能を有するタンパク分解酵素と、脂肪を分解する機能を有する脂肪分解酵素と、デンプンを分解する機能を有するデンプン分解酵素と、フィチン酸を分解する機能を有するフィチン酸分解酵素と、を含有することを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第1発明において、前記酵素の含有量が、前記粒状の多孔質無機部材100体積部に対して、0.3〜1.5体積部となるように配合されていることを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第1または第2発明において、前記多孔質無機部材が、アルミノケイ酸塩を主成分とするアルミノケイ酸化合物と、酸性物質を吸着する機能を有する酸性物質吸着材と、塩基性物質を吸着する機能を有する塩基性物質吸着材と、を含有することを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第3発明において、前記酸性物質吸着材の含有量が、前記アルミノケイ酸化合物100体積部に対して、40〜60体積部、前記塩基性物質吸着材の含有量が、前記アルミノケイ酸化合物100体積部に対して、90〜110体積部となるように配合されていることを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第3または第4発明において、前記アルミノケイ酸化合物には、ゼオライトが含まれていることを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第3、第4または第5発明において、前記酸性物質吸着材が、水酸化アルミニウムを主成分とする水酸化アルミニウム水和物を含むことを特徴とする。
発明の水質浄化剤は、第3、第4、第5または第6発明において、前記塩基性物質吸着材が、二酸化ケイ素を主成分とし、かつ酸化アルミニウムを含有する二酸化ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
第1発明によれば、多孔質無機部材と酵素の相互作用により、閉鎖型水系設備内の水の水質を長期間透き通った状態に維持することができる。つまり、本発明の水質浄化剤を水槽や生簀等の閉鎖型水系設備内の水に加えるという簡単な操作だけで、水質を長期間維持することができるのである。このため、閉鎖型水系設備内の水の水質を維持するための水の交換作業をすくなくできる。言い換えれば、水換えの間隔を大幅に伸ばすことができるので、水質を所望の状態に管理するための手間を削減できる。
第2〜第4発明によれば、閉鎖型水系設備内に収容された水に含まれる酸性物質、塩基性物質を確実に除去することができるので、閉鎖型水系設備内の水の水質を確実に長期間透き通った状態に維持することができる。
第5〜第7発明によれば、アルミノケイ酸化合物にゼオライトを含む場合、結晶構造中の多数の細孔に水中の含有物質を確実に吸着させることができる。また、酸性物質吸着材に水酸化アルミニウムを主成分とする水酸化アルミニウム水和物を含む場合、より確実に酸性物質を吸着させることができる。さらに、塩基性物質吸着材に二酸化ケイ素を主成分とし、かつ酸化アルミニウムを含有する二酸化ケイ素化合物を含む場合、確実に塩基性物質を吸着させることができる。
本発明の水質浄化剤を水槽である閉鎖型水系設備に使用した状況の概略説明図である。 実験結果(アンモニウムイオン濃度)を示した図である。 実験結果(硫酸イオン濃度)を示した図である。 実験結果(全窒素濃度)を示した図である。 実験結果(全リン濃度)を示した図である。 比較水槽に本発明の水質浄化剤を添加した場合の実験結果(アンモニウムイオン濃度)を示した図である。 比較水槽に本発明の水質浄化剤を添加した場合の実験結果(全リン濃度)を示した図である。
本発明の水質浄化剤は、閉鎖型水系設備内の水の水質を長期間に渡って透き通った状態に維持することができることに特徴を有する。
なお、本発明の水質浄化剤を使用する閉鎖型水系設備とは、水を収容することができる中空な収容空間を備えた設備であって、内部の収容空間を外部からある程度隔離することが可能であり、かかる収容空間内において、魚貝類を飼育または養殖を行える設備であればよく、とくに限定されない。例えば、一般的な家庭用で使用される水槽設備や、ペットショップで使用される大型の水槽設備などをあげることができる。また、陸上での養殖に使用される生簀設備なども本発明の水質浄化剤を使用する閉鎖型水系設備として含まれる。さらに、内部の水をある程度のかけ流しを行うような水槽設備や生簀設備等も本発明の水質浄化剤を使用する閉鎖型水系設備として含まれる。
また、本発明の水質浄化剤は、その態様が液体、固体、ペースト状、粉末状等、どのような態様であってもよく、とくに限定されない。例えば、水に混ぜた液体状態の場合、本発明の水質浄化剤を閉鎖型水系設備内の水に加える場合、所定の量を添加するだけなので、作業を簡便に行うことができる。
まず、本発明の水質浄化剤について詳細に説明する前に、概略について説明する。
本発明の水質浄化剤は、水中の溶存物質を吸着する機能を有する粒状の多孔質無機部材および所定の機能を有する酵素を含有する。そして、本発明の水質浄化剤に含まれる酵素は、タンパク質を分解する機能を有するタンパク分解酵素、脂肪を分解する機能を有する脂肪分解酵素およびデンプンを分解する機能を有するデンプン分解酵素の3種類の酵素を含んだものである。
このため、本発明の水質浄化剤を閉鎖型水系設備内の収容空間内に収容した水に混ぜれば、表面に多数の細孔を有する粒状の多孔質無機部材によって、水中に溶存している物質をこの多数の細孔に吸着させることができる。そして、この吸着された物質を本発明の水質浄化剤に含まれる酵素によって、分解することができる。つまり、両者の相互作用により、本発明の水質浄化剤を混ぜれば、水の水質を長期間透き通った状態に維持することができる。
なお、閉鎖型水系設備内の収容空間内に収容した水中に溶存している物質として、例えば、観賞魚に対して毒性となるアンモニアや観賞魚の排泄物または残留した餌等が分解することによって生じた水質悪化物質であるリン系物質、窒素系物質などをあげることができる。
とくに、本発明の水質浄化剤の態様が液体状態の場合、使用状態において、粒状の多孔質無機部材に酵素が付着した状態とすることができる。つまり、多孔質無機部材内部の細孔内に酵素が存在する状態とすることができる。すると、水質を浄化する機能を迅速に発揮させることができ、しかも、多孔質無機部材に酵素が付着しているので、より確実に水質悪化物質と酵素とを接触させることできるから、より長期間に渡って浄化機能を維持することができるので、好ましい。
この場合、本発明の水質浄化剤を水槽や生簀等の閉鎖型水系設備内の水に加えるという簡単な操作だけで、水質を長期間維持することができるのである。このため、閉鎖型水系設備内の水の水質を維持するための水の交換作業をすくなくできる。言い換えれば、水換えの間隔を大幅に伸ばすことができるので、水質を所望の状態に管理するための手間を削減できる。
とくに、本発明の水質浄化剤は、酵素の含有量が、上記粒状の多孔質無機部材100体積部に対して、0.3〜1.5体積部となるように調整されている。かかる配合割合とすれば、粒状の多孔質無機部材が吸着した物質を酵素によって確実に分解等させることができるので、より長期間に渡って所望の水質を維持することができる。
なお、酵素の含有量が、多孔質無機部材100体積部に対して、1.5体積部より多くなれば、泡立ちなどが生じる可能性がある。また、0.3体積部よりも少なくなれば、酵素による溶存物質を分解する機能が低下するといった問題が生じる。
よって、本発明の水質浄化剤における酵素の含有量は、多孔質無機部材100体積部に対して、0.3〜1.5体積部とするのが好ましく、とくに0.5〜1.0体積部とすれば、好適であり、0.5体積部がさらに好ましい。
以下、本発明の水質浄化剤に含まれる内容物について詳細に説明する。
(酵素について)
本発明の水質浄化剤における酵素は、上述したように、タンパク分解酵素、脂肪分解酵素およびデンプン分解酵素を含有する。
タンパク分解酵素は、タンパク質を分解する機能を有する酵素であれば、とくに限定されない。例えば、プロテアーゼを挙げることができる。
脂肪分解酵素は、脂肪を分解する機能を有する機能を有する酵素であれば、とくに限定されない。例えば、リパーゼを挙げることができる。
デンプン分解酵素は、デンプンを分解する機能を有する機能を有する酵素であれば、とくに限定されない。例えば、アミラーゼを挙げることができる。
なお、上述した機能を有する酵素の他に、水中に存在するバクテリアの増殖を促進させるような機能を有する酵素も含んでもよい。
また、本発明の水質浄化剤における酵素は、上述した3種類の酵素を含有していれば、とくに限定されない。例えば、それぞれの酵素を混ぜあわせて調整したものを採用してもよく、すでに混合された状態のものを採用してもよい。
とくに、本発明の水質浄化剤における酵素には、フィチン酸を分解するフィチン酸分解酵素をさらに含有するものが、好ましく、フィチン酸を分解する機能を有するものであれば、とくに限定されない。例えば、フィターゼを挙げることができる。
フィチン酸を分解するフィチン酸分解酵素を含有させた場合により、上記のごとき効果が得られる理由は不明であるが、上述したような水質浄化効果および水質維持効果が得られる。
なお、フィチン酸を分解するフィチン酸分解酵素を含有する場合には、以下のごとき効果も得られる。
一般的に、魚貝類の餌には、穀類や豆類が多く含まれている。そして、この穀類や豆類には、魚貝類の成長に欠かすことができないリン酸を分子内に有するフィチンが多量に含まれている。しかし、魚貝類には、このフィチンからリン酸を加水分解できる酵素等を十分に有していないものが多い。このため、飼育または養殖する魚貝類に餌を与えても、リン酸を十分に体内に摂取できない状態となる。すると、魚貝類を所望の大きさに成長させるには、さらに餌を与える必要があるが、過剰の餌は、さらに水質を悪化させる原因ともなる。
しかしながら、フィチン酸分解酵素を含有した本発明の水質浄化剤を閉鎖型水系設備内の水に添加するだけで、魚貝類の餌に含まれる穀類や豆類のフィチン酸から魚貝類が体内に吸収し易いリン酸を遊離させることができる。このため、従来の飼育または養殖の場合に比べて、少ない餌の量で従来と同等またはそれ以上の大きさの魚貝類を飼育または養殖することができる。
なお、上述した酵素には、市販されている酵素を用いることができる。例えば、ロテアーゼ・リパーゼおよびアミラーゼの3種類の酵素が混合されたもの(和光純薬工業株式会社製、型番:パンクレアチン)、プロテアーゼ(天野エンザイム社製、型番:SD−NY10、SD−AY10)、リパーゼ(天野エンザイム社製、型番:DF−アマノ15)、フィターゼ(あすか製薬株式会社製、型番:あすか−5)を挙げることができる。
また、上記酵素には、さらに残留した餌等を素早く分解するための微生物製剤(あすか製薬株式会社製、型番:コンポダッシュ協和)を含んでもよい。
(多孔質無機部材について)
本発明の水質浄化剤における多孔質無機部材は、上述したように、閉鎖型水系設備内の水に含まれる溶存物質を吸着する機能を有する粒状の部材あって、アルミノケイ酸化合物と酸性物質吸着材と塩基性物質吸着材を含有する。
なお、多孔質無機部材の粒度は、約0.5mm〜約4.0mmである。
アルミノケイ酸化合物は、アルミノケイ酸塩を主成分とする化合物であれば、とくに限定されない。例えば、ゼオライトや活性白土などを挙げることができる。
とくに、アルミノケイ酸化合物としてゼオライトを含有すれば、ゼオライトはその結晶構造内に多数の細孔を有する化合物であり、かかる細孔に様々な大きさの物質を取り込むことができる部材である。このため、水中の溶存物質の性質に制限されることなく、様々な物質をゼオライトで吸着させることができる。
酸性物質吸着材は、酸性物質を吸着する機能を有する化合物であれば、とくに限定されない。例えば、水酸化アルミニウムを主成分とする水酸化アルミニウム水和物を挙げることができる。
水酸化アルミニウム水和物には、市販されている化合物を用いることができる。例えば、キョーワード200(Al(OH)・xHO)、キョーワード400(Al(OH)・NaHCO)、キョーワード1000(Mg4.5Al(OH)13・CO・3.5HO)(いずれも、協和化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
とくに、キョーワード200(Al(OH)・xHO)は、水に混合しても液性が略中性であるので、中性の水質を好む魚貝類を閉鎖型水系設備内で飼育または養殖する場合に使用しても、かかる魚貝類に対して不可をかけないので好ましい。また、キョーワード200(Al(OH)・xHO)は、イオン化した無機塩を吸着する機能も有するので、飼育または養殖する魚貝類が低い無機塩濃度を好む場合により好ましい。
塩基性物質吸着材は、塩基性物質を吸着する機能を有する化合物であれば、とくに限定されない。例えば、二酸化ケイ素を主成分とし、かつ酸化アルミニウムを含有する二酸化ケイ素化合物を挙げることができる。
この二酸化ケイ素化合物には、市販されている化合物を用いることができる。例えば、キョーワード600(2MgO・6SiO・xHO)、キョーワード700(Al・9SiO・xHO)(いずれも、協和化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
とくに、キョーワード700(Al・9SiO・xHO)は、アンモニアおよびアミン系化合物を特異的に吸着する機能を有するので、閉鎖型水系設備内魚貝類を過密に飼育または養殖する場合に使用するのが好ましい。例えば、排泄物を多量に排出する金魚類を過密に飼育した場合であっても、金魚類が排泄したアンモニアを確実に吸着して、水中のアンモニア濃度を所定の値よりも低い状態を維持することができる。
なお、水中に溶存する酸性物質としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸や、ギ酸、酢酸、スルホン酸などの有機酸または二酸化硫黄、硫化水素、硝酸などの酸性ガスなどを挙げることができる。
また、水中に溶存する酸性物質としては、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質をあげることができる。
とくに、酸性物質吸着材の含有量が、上述したアルミノケイ酸化合物100体積部に対して、40〜60体積部、塩基性物質吸着材の含有量が、上述したアルミノケイ酸化合物100体積部に対して、90〜110体積部となるようにとなるように調整されている。かかる配合割合とすれば、閉鎖型水系設備内の水中から確実に酸性物質および塩基性物質を吸着除去することができるので、より長期間に渡って所望の水質を維持することができる。
とくに、淡水性の魚類を飼育または養殖する場合、水中に含まれる塩類は海水に比べて少ないので、酸性物質吸着材としてキョーワード200を、塩基性物質吸着材としてキョーワード700を採用すれば、閉鎖型水系設備内の水質を淡水性の魚類に適した状態で長期間維持することができる。
なお、海水性の魚類を飼育または養殖する場合、酸性物質吸着材としてキョーワード200と、キョーワード400およびキョーワード1000を採用すれば、閉鎖型水系設備内の水質を海水性の魚類に適した状態で長期間維持することができる。なお、海水性の魚類を飼育または養殖する場合、淡水性の魚類に比べてアンモニアを排泄する量が少ないので、塩基性物質吸着材を含まなくてもよい。
(塊状の無機浄化剤について)
また、本発明の水質浄化剤は、塊状の無機浄化剤とともに使用すれば、その水質浄化効果および水質維持機能を発揮させやすくなるので、好ましい。この場合、無機浄化剤は、酸化アルミニウムを主成分とする酸化アルミニウム化合物と、二酸化ケイ素を主成分とする二酸化ケイ素化合物と、酸化マグネシウムを主成分とする酸化マグネシウム化合物と、を含有するものを使用することができる。なお、この塊状の無機浄化剤は、その大きさが約4mm〜約8mmである。
例えば、淡水用として使用する場合、塊状の無機浄化剤は、含有する酸化アルミニウム化合物、二酸化ケイ素化合物および酸化マグネシウム化合物の混合体積比が、70:20:10となるように調整すれば、水中のアンモニア、亜硝酸、硝酸、リン酸などを適切に吸着することができるので、閉鎖型水系設備内の水質をより淡水性の魚類に適した状態で長期間維持することができる。
しかも、この無機浄化剤は、その大きさが約4mm〜約8mmの塊状であるので、ネット等に収容すれば、扱い易くできる。
(消泡剤について)
本発明の水質浄化剤には、さらに消泡剤や沈殿剤を含有すれば、本発明の水質浄化剤を閉鎖型水系設備内に加えても泡などが発生するのを防止できるので、本発明の水質浄化剤を閉鎖型水系設備内に添加等した直後であっても、透き通った水質を維持できるので、好ましい。
(pHについて)
本発明の水質浄化剤の水溶液中の水素イオン濃度指数は、略中性(例えば、pH6〜8)となるように調整すれば、環境および健康の上において好ましい。
本発明の水質浄化剤の水質浄化機能の有効性を確認した。
実験に供した閉鎖型水系設備、水質浄化剤、および条件等は、以下のとおりである。
(閉鎖型水系設備)
閉鎖型水系設備として、一般的な30L容水槽と、この30L容水槽の上部に配置して水槽内の水を循環ろ過するための上部ろ過装置を用いた。そして、水槽内には、約7cmの金魚(リュウキン)が常に11匹となるように入れた。また、上部ろ過装置内には、金魚の排泄物や残留餌を物理的に除去するためのスポンジ状のマットを配置した(図1参照)。
実験では、上記水槽を3台(水槽1、水槽2および水槽3)使用した。なお、水槽3は、比較水槽として用いた。
まず、実験を開始する前に水質がほぼ同じ状態となるように、1週間、水槽1、水槽2および水槽3を、本発明の水質浄化剤を加えない状態で金魚を飼育した。つまり、3台の水槽は、上部ろ過装置内にマットだけが設けられた状態で金魚を飼育した。
ついで、水槽1および水槽2には、上部ろ過装置内のマット下方に塊状の無機浄化剤(200gを網袋に収容したものを2袋)を配設した。
さらに水槽1には、1週間毎に20mlの以下のごとく調製した水質浄化剤を添加した。具体的には、水槽1では、上部ろ過装置内のマット下方に塊状の無機浄化剤を配設後、すぐに水質浄化剤を上部ろ過装置内のマット表面に添加した。
(水質浄化剤)
水質浄化剤は、以下の内容物を含有するように調整した。
水質浄化剤の粒状の多孔質無機部材として、ゼオライト、キョーワード200(Al(OH)・xHO)(協和化学工業株式会社製)およびキョーワード700(Al・9SiO・xHO)(協和化学工業株式会社製)を含むように調製した。
また、水質浄化剤の酵素として、プロテアーゼ・リパーゼおよびアミラーゼの3種類の酵素が混合されたもの(和光純薬工業株式会社製、型番:パンクレアチン)、フィターゼ(あすか製薬株式会社製、型番:あすか−5)とを混合したものを使用した。
それぞれの含有量は、粒状の多孔質無機部材100体積部に対して、酵素が0.5体積部となるように混合した。また、ゼオライト100体積部に対して、キョーワード200が50体積部、キョーワード700が100体積部となるように混合し、混合原体1500mlを調製した。そして、この混合原体を、撹拌しながら10Lの水に溶解して水質浄化剤を調製した。
なお、この水質浄化剤のpHは、約約pH7となるように調整した。
(測定対象項目)
実験では、所定期間経過後に、各水槽から所定量の水を採水して測定対象項目の分析に供した。なお、採水後には、採水と同量の水を各水槽に加えた。
実験では、測定対象項目として、アンモニウムイオン(NH +)(mg/l)、硫酸イオン(SO 2−)(mg/l)、全窒素(T-N)(mg/l)および全リン(T−P)(mg/l)を測定した。
なお、アンモニウムイオン(NH +)(mg/l)はJIS K 0102 42.5、硫酸イオン(SO 2−)(mg/l)はJIS K 0102 41.3、全窒素(T-N)(mg/l)はJIS K 0120−45.2 紫外線吸光光度法、および全リン(T−P)(mg/l)はJIS K 0120−46.3.1、にそれぞれ基いて分析した。
(結果)
実験結果を図2〜図5に示した。
図2〜図5には、実験開始前の1週前から換算した約2ヶ月間の各水槽の水質状況をグラフで示した。
図2〜図5に示すように、水槽1および水槽2におけるアンモニウムイオン(NH +)濃度、硫酸イオン(SO 2−)濃度、全窒素(T-N)濃度および全リン(T−P)濃度の各の値は、比較水槽3のそれぞれの値を比較して、優位な差を示した。とくに、図2,図3および図5に示すように、アンモニウムイオン(NH +)濃度、硫酸イオン(SO 2−)濃度、および全リン(T−P)濃度の値は、比較水槽3の値と比較して明確に優位差があることが確認できた。
また、各水槽の透明度は、水槽1および水槽2では、正面視(図1では紙面に対して垂直方向に見た場合)において水槽の後方側壁のさらに後方を確認できた。しかしながら、水槽3では、正面視において水槽の後方側壁さえも確認することが困難なほど水が濁っており、金魚が水面で呼吸をする状況であった(図1参照)。
したがって、本発明の水質浄化剤は、多孔質無機部材および酵素をそれぞれ所定の含有量となるように調製すれば、優れた水質浄化機能を発揮することができることを確認できた。
つぎに、本発明の水質浄化剤の性能について確認した。
実験では、実験開始から約2ヶ月経過した比較水槽3に対して本発明の水質浄化剤を添加した。
実験結果の代表例として、アンモニウムイオン(NH +)濃度および全リン(T−P)濃度の実験結果を図6および図7に示した。
図6および図7に示すように、実験開始から約2ヶ月経過した比較水槽3に対して本発明の水質浄化剤を添加すれば、水質浄化剤を添加した後の5日後の分析結果において、水槽3の水中のアンモニウムイオン(NH +)濃度および全リン(T−P)濃度の値を、添加前と比較して極端に減少させることができることを確認できた。とくに、図7に示すように、全リン(T−P)濃度では、水質浄化剤を添加する前の値が4.5mg/lであったのが、添加後では、0.5mg/l以下にまで減少させることができることが確認できた。
したがって、本発明の水質浄化剤は、悪化した水質であっても、水質浄化剤を添加すれば、優れた浄化作用を発揮することが確認できた。しかも、本発明の水質浄化剤は、その浄化機能が速攻性を有することが確認できた。
つぎに、本発明の水質浄化剤が、浄化槽に使用することができることを確認した。
実験では、本発明の水質浄化剤を使用する閉鎖型水系設備として、家庭用浄化槽(ダイキ分離バッキ方式10人槽、活性汚泥方式)を使用した。
実験では、水質浄化剤を40ml/日の割合で直接浄化槽内に添加した。
水質浄化剤の添加を開始して、2ヶ月後の実験結果を、下記表1に示す。
表1に示すように、浄化槽に水質浄化剤を添加すれば、透明度が改善され、かつ浄化槽独特の臭気をほぼ無臭にさせることができた。
したがって、本発明の水質浄化剤は、浄化槽にも使用することでき、浄化槽内の汚水を浄化でき、とくに臭気を大幅に改善できることが確認できた。
本発明の水質浄化剤は、水槽や生簀などを備えた閉鎖型水系設備や、浄化槽などを備えた閉鎖型水系設備の水質浄化に適している。
Air 空気
P 上部ろ過装置用ポンプ
M 上部ろ過装置用マット

Claims (7)

  1. 水を収容可能な中空な収容空間を備えており、該収容空間が外部から略隔離された閉鎖型水系設備に使用される浄化剤であって、
    前記閉鎖型水系設備の収容空間内に水を収容した状態において、水中の溶存物質を吸着する機能を有する粒状の多孔質無機部材と、酵素と、を含み、
    前記酵素が、
    タンパク質を分解する機能を有するタンパク分解酵素と、
    脂肪を分解する機能を有する脂肪分解酵素と、
    デンプンを分解する機能を有するデンプン分解酵素と、
    フィチン酸を分解する機能を有するフィチン酸分解酵素と、を含有する
    ことを特徴とする水質浄化剤。
  2. 前記酵素の含有量が、
    前記粒状の多孔質無機部材100体積部に対して、0.3〜1.5体積部となるように配合されている
    ことを特徴とする請求項記載の水質浄化剤。
  3. 前記多孔質無機部材が、
    アルミノケイ酸塩を主成分とするアルミノケイ酸化合物と、
    酸性物質を吸着する機能を有する酸性物質吸着材と、
    塩基性物質を吸着する機能を有する塩基性物質吸着材と、を含有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の水質浄化剤。
  4. 前記酸性物質吸着材の含有量が、
    前記アルミノケイ酸化合物100体積部に対して、40〜60体積部、
    前記塩基性物質吸着材の含有量が、
    前記アルミノケイ酸化合物100体積部に対して、90〜110体積部となるように配合されている
    ことを特徴とする請求項記載の水質浄化剤。
  5. 前記アルミノケイ酸化合物には、
    ゼオライトが含まれている
    ことを特徴とする請求項3または4記載の水質浄化剤。
  6. 前記酸性物質吸着材が、
    水酸化アルミニウムを主成分とする水酸化アルミニウム水和物を含む
    ことを特徴とする請求項3、4または5記載の水質浄化剤。
  7. 前記塩基性物質吸着材が、
    二酸化ケイ素を主成分とし、かつ酸化アルミニウムを含有する二酸化ケイ素化合物を含む
    ことを特徴とする請求項3、4、5または6記載の水質浄化剤。
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