JP2018082655A - 観賞魚用水槽の環境改善方法及び器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光活性亜酸化タングステン水和物を用いた観賞魚用水槽の環境改善。【解決手段】WOn・(H2O)m〔1.5<n<3.0、0.5<m<7.0〕で表わされる亜酸化タングステン水和物の透明な分散液、三酸化タングステン(WO3)あるいは二酸化タングステン(WO2)の少なくとも一種以上の水溶液そのもの、あるいは、これらの水溶液にパラジウム、銀や酸化銅を修飾させて塗布した板状器具2を観賞魚水槽内に適宜配置して、水槽近傍の光源から可視光を照射することにより、水槽内の溶存酸素濃度を高め、アンモニア濃度や亜硝酸塩濃度を抑える水槽内環境の改善する装置および方法を提供する。【選択図】図10

Description

本発明は、観賞魚用水槽の環境浄化に関するものである。
水槽の中で優雅に泳ぐ観賞魚に癒しを感じ、愛好者は、日本国内だけでなく、世界各地に数多く存在している。一般的に、アンモニアと亜硝酸塩の濃度が3ppmで鑑賞魚に影響を与えるため、水交換の目安とされ、5ppmになると鑑賞魚が生存できないので、狭い水槽で観賞魚を飼育するには、観賞魚が好む環境を維持しなければならない。そのため、比較的大きな水槽を用意し、濾過機やエアポンプやヒーター及び照明なども必要になってくる。観賞魚への給餌や観賞魚の排泄により、水槽内の水質が悪化するため、定期的な水替えも必要となってくる。
水槽内の溶存酸素を一定以上に保つために、特開2000−260494号公報で電気分解により、水槽内の水を水素と酸素に分解してエアポンプの代替する発明や特開2013−78274号公報で溶存酸素量の制御装置を提供する発明等が開示してある。
特開2006−230345号公報には、紫外線ランプと濾過機や酸化チタンの光触媒や好気性バクテリアの作用等とを組み合わせて、水槽内の硝酸塩等を除去する水処理システムの提供する発明や特開2013−540578号公報では、アンモニア酸化細菌や亜硝酸塩酸化細菌を使った硝化方法の発明が開示され、水槽内の水質の浄化が提案されている。
特開2015−19647号公報では、オキシダントの制御による養殖水中のアンモニア除去の方法が開示され、実用新案登録第3051615号公報や実用新案登録第3051920号公報や実用新案登録第3053786号公報では、光触媒二酸化チタンを使った観賞魚水槽の水処理装置の考案が開示されている。
水槽内の溶存酸素濃度の調整装置や水槽内のアンモニアや亜硝酸塩の除去を目的とした装置の付加には、電池などの電源が必要となり、水槽廻りの付加物が多くなるといった問題点があった。
特開2000-260494号公報 特開2006-230345号公報 特開2010- 57366号公報 特開2012-187078号公報 特開2013- 78274号公報 特表2013-540578号公報 特開2014- 18721号公報 特開2015- 19647号公報 実用新案登録第3036700号公報 実用新案登録第3051615号公報 実用新案登録第3051920号公報 実案新案登録第3053786号公報
「カクレクマノミの上手な飼い方」 株式会社えい出版社 2016年7月10日発行
解決しようとする問題点は、観賞魚を狭い水槽内で飼育するに際して、亜酸化タングステン水和物の可視光活性光触媒の作用により、水槽内の酸素濃度を高め、観賞魚から排泄されるアンモニアや亜硝酸塩の濃度を3ppm以下に抑えることによる水質環境を清浄に保つことで、手間をかけることなく水槽内の環境を改善することができる器具や方法を提供することである。
本発明は、WO・(HO)〔1.5<n<2.0、0.5<m<7.0〕で表わされる亜酸化タングステン水和物(以下、単に亜酸化タングステン水和物と呼ぶ)、二酸化タングステン(WO)あるいは三酸化タングステン(WO)の可視光活性酸化タングステン化合物のうちの1種のみ、あるいは2種以上混合した液体を水槽内面に直接塗布、あるいは当該可視光活性酸化タングステン化合物の液体を塗布乾燥させたABS樹脂製の板状器具2を観賞魚水槽内に配置して、水槽に適宜設置した光源からの可視光による光触媒作用を利用して、水槽等の容器内水の溶存酸素量を高め、水槽内で増加する容器内水中のアンモニアや亜硝酸塩を分解することで、水槽内環境を改善することを最も主要な特徴とする。
特に、本発明に用いる酸化タングステン化合物として、酸化タングステンとしてWO3-X、WO2-X( Xは0〜0.5)を含め、含水系の酸化タングステンを含んだ酸化タングステン化合物WO・(HO)〔1.5<n<2.0、0.5<m<7.0〕の中に示すmは、化合物に含まれる結晶水と細かいナノ粒子の特性として持つ吸着水の二つからなるものである。特に結晶構造に含まれるものだけではない。更にこれらタングステン化合物に他の元素をドープすることができ、表面に付着させても同様な効果を有する。ドープする、または化学修飾する元素としてはAg,Cu,Pd,Pt,Fe,Ti,Zr等が挙げられる。これらの元素の形態は金属、または酸化物、または塩類でも良い。
亜酸化タングステン水和物は300ルクスの可視光によって活性化され、次のメカニズムによって、アンモニアや亜硝酸塩を分解し、さらには、水を酸素イオンと水素イオンに分解し、容器内の溶存酸素量を増加させるものと考えられる。
ここで、非特許文献1によれば、餌に含まれるたんぱく質が魚の体内に取り込まれて、最終的に水と炭酸ガスとアンモニアに分解され、生物濾過が成立している水槽では、ニトロモナシスやニトロバクターなどのバクテリアの作用によってアンモニアがより毒性の低い物質へと分解されていると解説されている。
NH + + 1.5O → NO - + HO + 2H
NO - + O → NO -
NO - + 5H → N + 4HO +2OH-
まず、可視光によって活性化された亜酸化タングステン水和物の塗布近傍では、
O + hv → 2H+ + O2-
に水素と酸素に分解されて、上記の生物濾過と同じような作用が起こっているものと考えられる
亜酸化タングステン水和物、二酸化タングステン(WO)あるいは三酸化タングステン(WO)のタングステン化合物のうちの1種のみ、あるいは2種以上混合した液体は、酸化タングステンを主成分とする透明な分散液体であることから、水槽内面に塗布した場合でも、水槽の外観を損なうことがなく、その可視光活性により、観賞魚の飼育に必要な溶存酸素濃度を高め、また、観賞魚の飼育の障害となるアンモニア濃度や亜硝酸濃度を低く抑えることで、水槽内の水の入れ替のインターバルを長くすることができ、観賞魚の飼育に係る手間を軽減できる利点がある。
また、サイズを50nm以下にした場合には1%溶液などでは、プラスチック表面の一部を除き、有機・無機の材料表面にバインダー成分を加えることなく、そのまま塗布することができ、水槽内面だけではなく、水中に沈めるタイプの器具にも塗布が可能であるという利点がある。当該亜酸化タングステン水和物や、パラジウムや酸化銅、銀などを修飾した亜酸化タングステン水和物を水中に沈めて設置する様々な物体表面に塗布が可能であるため、特に、板状器具2の形状にこだわるわけではない。
図1は水槽の概要図。(実施例1) 図2は水槽1a及び水槽1bのアンモニア濃度を示したグラフ。(実施例1) 図3は水槽1a及び水槽1bの亜硝酸塩濃度を示したグラフ。(実施例1) 図4は水槽1a及び水槽1bの溶存酸素量を示したグラフ。(実施例1) 図5は水槽1c及び水槽1dのアンモニア濃度を示したグラフ。(実施例2) 図6は水槽1c及び水槽1dの亜硝酸塩濃度を示したグラフ。(実施例2) 図7は水槽1c及び水槽1dの溶存酸素量を示したグラフ。(実施例2) 図8は水槽1eのアンモニア濃度を示したグラフ。(実施例3) 図9は水槽1eの亜硝酸塩濃度を示したグラフ。(実施例3) 図10はABS樹脂製の板状器具2の有無の1日目比較実験の代用写真。(実施例4) 図11はABS樹脂製の板状器具2の有無の2日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図12はABS樹脂製の板状器具2の有無の3日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図13はABS樹脂製の板状器具2の有無の4日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図14はABS樹脂製の板状器具2の有無の5日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図15はABS樹脂製の板状器具2の有無の5日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図16はABS樹脂製の板状器具2の有無の5日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図17はABS樹脂製の板状器具2の有無の6日目の比較実験の代用写真。(実施例4) 図18はコップ内面に光触媒塗布の有無の1日目の比較実験の代用写真。(実施例5) 図19はコップ内面に光触媒塗布の有無の4日目の比較実験の代用写真。(実施例5) 図20はコップ内面に光触媒塗布の有無の4日目の比較実験の代用写真。(実施例5) 図21はワイングラス内面に光触媒塗布の有無の1日目の比較実験の代用写真。(実施例5) 図22はワイングラス内面に光触媒塗布の有無の4日目の比較実験の代用写真。(実施例5) 図23はワイングラス内面に光触媒塗布の有無の4日目の比較実験の代用写真。(実施例5)
亜酸化タングステン水和物のみからなる化合物粒子を1質量%で混合して作製した水溶液にパラジウム等を修飾させた水溶液を塗布乾燥したABS樹脂製の板状器具2を水槽の水中に適宜設置し、観賞魚を入れて飼育し、アンモニア濃度や亜硝酸塩濃度及び溶存酸素量を測定した。また、エアポンプなしの水槽内に観賞魚を入れて、可視光活性光触媒を塗布乾燥したABS樹脂の製板状器具2の有無による水質の汚染度の違いや、ガラスコップやワイングラスに観賞魚を入れて、可視光活性光触媒の塗布の有無による水質の汚染度の違いを視認観察した。アンモニア濃度、亜硝酸塩濃度及び溶存酸素量は、ハンナインスルメンツジャパン株式会社製HI83200を用いて測定した。
縦220mm、横180mm、奥行き120mmの水槽1aと同じ大きさの水槽1bには、それぞれ約4リットルの淡水を入れて、亜酸化タングステン水和物のみからなる化合物粒子を1質量%で混合して作製した水溶液にパラジウムを修飾させた300ppm濃度の水溶液を塗布乾燥させたABS樹脂製の板状器具2を当該水槽1aと水槽1bにそれぞれ沈めて、適宜配置し、1組のつがいのグッピーを入れて、約72日間、飼育観察を行なった。また、光源として室内照明で300ルクスの明るさを試験期間中、常に水槽を照らして、水作株式会社のパワーフィットMから濾材を除いた水中ポンプ3で、水槽内の撹拌を行なった。
水槽1aと水槽1bについて、5日〜11日間隔の不定期で水槽内の水質を測定した結果を図2〜図4に示している。図2は、水槽内のアンモニア濃度(ppm)であり、図3は、水槽内の亜硝酸塩濃度(ppm)であり、図5は、水槽内の溶存酸素量(mg/L)である。もし、このABS樹脂製の板状器具2を水槽に設置しない場合は、当然のことながら、アンモニア濃度及び亜硝酸塩濃度は、グッピーの飼育に伴って時間経過に従って増加する。図2の結果から、アンモニア濃度は、水槽1aの25日目に1.1ppm近くになっているが、その後は、1ppm以下となっている。また、水槽1bのアンモニア濃度は、期間中、0.3ppm以下の測定値となっている。
亜硝酸塩濃度は、水槽1aの11日目で1ppm、18日目で4ppmの測定値を示しているが、その後の測定では0ppmとなり、水槽1bは、期間を通じて0ppmの測定結果となっている。溶存酸素量は、水温に依存して変化するが、水槽1aでは、5mg/L以上の溶存酸素量が測定され、水槽1bでも3.5mg/L〜7.1mg/Lの溶存酸素量が測定されているが、エアポンプでのエアレーション等を行っていないことから、これは、室内蛍光灯からの可視光により活性化された亜酸化タングステン水和物の塗布表面で、水が分解され、酸素が水槽内に供給された結果であると考えられる。
ここで、当該亜酸化タングステン水和物は、バインダー(結合剤)性能を自ら保有し、例えば、5質量%溶液などでは、ポリカーボネート、ポリエチレン、スチロール樹脂、フッ素樹脂の一部のプラスチック表面を除き、ポリエチレンフタレート(PET)、アクリル樹脂、アクリルウレタン、ウレタン、塩ビ等々を含むプラスチック及び、略すべての無機の材料表面にバインダー成分を加えることなく、そのまま塗布が可能であるため、ABS樹脂製にこだわるものではない。
ここで、亜酸化タングステン水和物の結晶を電気炉で約1時間、500℃で焼成すれば、三酸化タングステン(WO3)が製造でき、また、亜酸化タングステン水和物の結晶を電気炉で約1時間、400℃で焼成すれば、二酸化タングステン(WO)が製造できることが、発明者の実験によって分かっている。
次に、縦220mm、横180mm、奥行き120mmの水槽1cと同じ大きさの水槽1dには、それぞれ約4リットルの淡水を入れて、亜酸化タングステン水和物のみからなる化合物粒子を1質量%で混合して作製した水溶液に酸化銅(CuO)と銀(Ag)及びパラジウム(Pd)を修飾させた300ppm濃度の水溶液を塗布乾燥させたABS樹脂製の板状器具2を当該水槽1cと水槽1dにそれぞれ沈めて、適宜配置し、1組のつがいのグッピーを入れて、29日間、飼育観察を行なった。
水槽1c及び水槽1dのアンモニア濃度は、経過日数に伴って増加する傾向が見受けられるものの、水槽1dの29日目のアンモニア濃度は0.74ppmとなっているが、水交換の目安である3ppmをはるかに下回っている。また、亜硝酸塩濃度も水槽1cは0ppmの測定値であるのに対して、水槽1dは7日目に1ppmを測定したが、その後は0ppmとなっている。また、溶存酸素量は実施例1に比べて、6.0mg/L〜8.2mg/Lと高い溶存酸素量の測定結果となっている。パラジウム(Pd)の他に、酸化銅(CuO)と銀(Ag)を修飾させたことにより、亜酸化タングステン水和物の触媒活性が高められた結果であると考えられる。
亜酸化タングステン水和物を加熱炉にて400℃で1時間焼成して作成した二酸化タングステンを1質量%で混合して作成した水溶液を塗布乾燥させたABS樹脂製の板状器具2を、縦220mm、横180mm、奥行き120mmの水槽1eに沈めて適宜設置し、淡水を約4リットル入れて、1つがいのグッピーでの飼育実験を32日間行なった。
グッピーを予め飼育していたため、アンモニア初期濃度は0.88ppmとなっていたが、図8に示すように、ABS樹脂製の板状器具2を設置後の5日目以降は、0.2ppm前後の低いアンモニア濃度となっている。また、図9に示すように、亜硝酸塩濃度も11日目に1ppmを測定したが、それ以外は0ppmとなっている。
縦220mm、横180mm、奥行き120mmの水槽を2つ用意して、それぞれの水槽には約4リットルの淡水を入れ、ベタと呼ばれる鑑賞魚を1匹ずつ入れて飼育観察を行なった。今回の飼育試験では、水中ポンプは使用せず、光源は、LED照明を用い、300ルクスの明るさの照射を行なった。水槽9は、光触媒を一切使用せず、水槽10は、可視光活性光触媒を塗布したABS樹脂製の板状器具2を水槽内面の3か所を覆うように配置して、6日間経過観察を行った様子を写した代用写真を図10〜図16に示している。また、アンモニア濃度等の測定は行わなかった。
図10と第2日目の図11や第3日目の図12及び第4日目の図13における水槽9と水槽10を比較して、水槽底面の汚れ具合に若干の差が見られ、ABS樹脂製の板状器具2を挿入した水槽10の方の水槽内底面の汚物が少ないものとなっている。図14〜図16は5日目の様子を写した代用写真であるが、図14及び水槽底面の様子を写した図15から、やはり、ABS樹脂製の板状器具2を挿入している水槽10と比較して、可視光活性光触媒効果が全く無い水槽9の汚れの方が多いものとなっている。さらに、水槽内壁面を比較した図16からは、水槽9の矢印で図示した線で囲った部分に汚れが付着していることから、観賞魚の飼育環境が悪化していることが分かる。図17は、試験開始から6日目の様子を写した代用写真であるが、水槽10が透明でベタの姿を確認できるのに対して、水槽9は緑色の藻でベタの姿を視認できないものとなっている。
これ以上の日数を要する比較実験では、ABS樹脂製の板状器具2を入れていない水槽9の中のベタが生存できないので中止を余儀なくされたが、亜酸化タングステン水和物の可視光活性により、水槽内の水質が浄化されていることが分かった。
このベタという魚は、別名、「闘魚」と言い単独で飼育しないと相手が死ぬまで戦うため、1匹で飼育するためには、小さな水槽で飼育する方が経済的であるが、そのような環境での水質の浄化はかえって手間のかかるものとなっている。そのような環境を再現するため、さらに、少ない水の環境での比較試験を350ccのコップと250ccのワイグラスの中でのベタの飼育比較視認試験を4日間行なった。コップ5とコップ6には雄のベタで比較試験を行い、ワイングラス7とワイングラス8にはメスのベタを入れて比較試験を行なったが、アンモニア濃度等の測定は行わなかった。コップ6とワイングラス8のガラス内面には、亜酸化タングステン水和物のみからなる化合物粒子を1質量%で混合して作製した水溶液に酸化銅(CuO)と銀(Ag)及びパラジウム(Pd)を修飾させた300ppmの濃度の水溶液を塗布乾燥させたが、コップ5とワイングラス7のガラス内面には何も塗布していない。
図19は、コップ内試験の開始初日の状態を写した図面代用写真であり、図20と図21日は試験開始から4日目の状態を写した図面代用写真である。狭いコップの中ではベタの動きは穏やかであるため、酸素消費は少ないと思われるが、図20と図21における図面代用写真の左側のコップ5は、コップ6と比較して、水が黄色く変色し始めていた。この事からも、酸化銅(CuO)と銀(Ag)及びパラジウム(Pd)を修飾した亜酸化タングステン水和物の可視光活性光触媒効果により、コップ6内の水質が浄化されていることが確認できた。
雌のベタは雄に比べて小さいので、コップより内容量の小さいワイングラスでの飼育比較試験を行なった。図22は、ワイングラス内試験の開始初日の状態を写した図面代用写真であり、図22と図23は試験開始後4日目の状態を写した図面代用写真である。先のコップの試験と同様に、4日目の左側のワイングラス7の水は、右側のワイングラス8の水に比べて、黄色く変色し始めていた。この事から、少ない水の環境でも、当該亜酸化タングステン水和物の水質浄化効果があることが確認できた。
淡水の観賞魚だけでなく、海水の観賞魚にとっても、毒性の高いアンモニアは生存を脅かす恐れがあるため、水槽内のアンモニアの除去は重要になってくる。また、「カクレクマノミの上手な飼い方」によると、ニトロソモナスやニトロバクターなどのバクテリアによる生物濾過がし成立していれば、アンモニアを分解し、亜硝酸塩の蓄積を抑え、最終的に窒素にまで分解されることが必要であるが、脱窒の作用は、それ程強力ではないため、2〜3週間に一度の水替えや2〜3か月に1回の濾材の掃除や交換が必要とされている。実施例1で示したように、約2ヶ月もの間、水替えをすることなく、アンモニア濃度と亜硝酸塩の濃度を抑え、必要な溶存酸素量を確保できることから、鮮魚の運搬にも応用が可能である。
亜酸化タングステン水和物はバインダーなしに、いくつかの樹脂製品に塗布可能であるため、祭りの露店で売られている金魚を入れるポリ袋内面に、当該亜酸化タングステン水和物を塗布すれば、LED照明等の可視光が当たる場所であれば、溶存酸素が供給されることにより、金魚を長生きさせることができる。
さらに、水族館や活魚運搬トラックの水槽内面にも当該亜酸化タングステン水和物等を塗布すれば、可視光により、水槽内の水質の悪化を防止することが可能性であり、観賞魚だけではなく、魚類の飼育環境の改善の応用できる。
板状器具2だけでなく、池の中に沈めて設置する物体表面や池の周りの囲いや岩に当該亜酸化タングステン水和物等の光触媒を塗布すれば、池の中の水質浄化に貢献できる。
1 水槽
2 板状器具
3 水中ポンプ(濾過部分外し)
4 可視光光源
5 コップ(光触媒塗布なし)
6 コップ(光触媒塗布有り)
7 ワイングラス(光触媒塗布なし)
8 ワイングラス(光触媒塗布有り)
9 比較実験水槽
10 光触媒器具設置水槽

Claims (6)

  1. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒を用いた容器内水への溶存酸素濃度の供給及び容器内水中のアンモニア濃度の低減並びに亜硝酸塩濃度の低減を図る水処理方法。
  2. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒にパラジウム(Pd)、銀(Ag)あるいは酸化銅(CuO)を1種又は2種以上を被着させた可視光活性光触媒を用いた容器内の溶存酸素濃度の供給やアンモニア濃度の低減及び亜硝酸塩濃度の低減を図る水処理方法。
  3. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒水溶液を容器内面に塗布した観賞魚用飼育容器。
  4. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒にパラジウム(Pd)、銀(Ag)あるいは酸化銅(CuO)を1種又は2種以上を被着させた水溶液を容器内面に塗布した観賞魚用飼育容器。
  5. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒水溶液を塗布した水槽内設置器具。
  6. 亜酸化タングステン水和物、当該亜酸化タングステン水和物を約400℃で約1時間焼成して製造した二酸化タングステン化合物、又は当該亜酸化タングステン水和物を約500℃で約1時間焼成して製造した三酸化タングステン化合物の中の1種の単独化合物又は2種以上の混合物を用いた可視光活性光触媒にパラジウム(Pd)、銀(Ag)あるいは酸化銅(CuO)を1種又は2種以上を被着させた水溶液を塗布した水槽内設置器具。
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