JP6140498B2 - 挙動解析装置および挙動解析方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る挙動解析装置は、移動体の挙動を解析する挙動解析装置であって、前記移動体に設けられた特定点の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時に至るまでの前記特定点の三次元座標上の理論軌跡を算出する算出部と、前記理論軌跡に基づいて前記移動体の挙動を解析する解析部と、を備え、前記算出部は、前記理論軌跡を、前記測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて算出し、前記移動体は、この移動体の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体の左右方向の中央を通り前記前後方向に延在する中心面を基準に、前記左右方向に対称とされ、前記解析部は、前記理論軌跡に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時までの間の時点における前記移動体の前記中心面の三次元座標上の向きを算出し、この中心面の向きに基づいて前記移動体の挙動を解析することを特徴とする。
また、解析部が、移動体の中心面の向きに基づいて移動体の挙動を解析するので、移動体の挙動として、例えば移動体の三次元座標上の姿勢などの多様な挙動を解析することができる。
ところでこのように、測定部が、前記撮像部および前記検出部を備えている場合、撮像部により移動体を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果における特定点の大きさが相対的に小さくなり、検出部による特定点の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本態様では、移動体を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、特定点の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析装置が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
これにより、特定点の位置の測定回数が少ない場合であっても、特定点の理論軌跡を精度よく算出することが可能になり、移動体の挙動を高精度に解析することができる。
また、解析工程が、移動体の中心面の向きに基づいて移動体の挙動を解析するので、移動体の挙動として、例えば移動体の三次元座標上の姿勢などの多様な挙動を解析することができる。
ところでこのように、測定工程が、前記撮像工程および前記検出工程を備えている場合、撮像工程において移動体を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果における特定点の大きさが相対的に小さくなり、検出工程における特定点の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本態様では、移動体を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、特定点の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析方法が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
図1から図3に示すように、挙動解析装置10は、移動体20の挙動を解析する。図2に示すように、移動体20は、車体21にタイヤ22、23が装着されてなる車両であり、図示の例では自動二輪車である。車体21には、タイヤ22、23として前輪22および後輪23がそれぞれ1つずつ装着されている。挙動解析装置10は、移動体20における車体21、前輪22および後輪23それぞれにおける挙動を解析する。
図1に示すように、移動体20は、試験コース30上を周回走行する。移動体20は、前記一方側の側面が、この移動体20の周回軌道における径方向の内側を向くように、試験コース30上を周回走行する。
測定部11は、移動体20のマーカ24の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する。測定部11は、マーカ24について、互いに直交するX軸(基準軸)、Y軸(第1補助軸)およびZ軸(第2補助軸)からなる三次元座標上の位置を測定する。なお本実施形態では、X軸およびY軸により構成されるXY座標平面(第1座標平面)を水平面とし、Z軸を鉛直軸としているが、使用する測定器が各測定方向で分解能や精度が異なる場合、それに合わせる形に座標系を変えることもできる。
撮像部14は、移動体20のマーカ24を、互いに異なる複数の方向から撮像する。撮像部14は、前記周回軌道の内側に配置されている。撮像部14は、前記周回軌道のうちの一部の区間において、移動体20の前記一方側の側面を連続して撮像する。図示の例では、撮像部14は複数台の高速度カメラにより構成されている。
検出部15は、撮像部14の撮像結果に基づいて、移動体20のマーカ24の三次元座標上の位置を検出する。
解析部13は、前記理論軌跡に基づいて移動体20の挙動を解析する。解析部13には、車体21の各マーカ24について、車体中心面21aまでの左右方向の距離であるオフセット量が記憶されている。解析部13には、タイヤ22、23の各マーカ24について、タイヤ中心面22a、23aまでのオフセット量も記憶されている。
なお図示の例では、前記検出部15、前記算出部12および前記解析部13は、共通の情報処理装置16に記憶されたプログラムにより構成されている。
ここで本実施形態では、図4および図5に示すように、算出部12は、理論軌跡を、測定部11の測定結果から形成されるベジェ曲線L1、L2に基づいて算出する。このとき算出部12は、図4に破線で示す第1ベジェ曲線L1と、図5に破線で示す第2ベジェ曲線L2と、に基づいて理論軌跡を算出する。これらのベジェ曲線L1、L2は、3次元のベジェ曲線で一度に求めることができる。
これらのベジェ曲線L1、L2は、マーカ24の位置の測定回数がn回の場合、n−1次の1つのベジェ曲線により形成されていてもよい。またベジェ曲線L1、L2は、3次以上の複数のベジェ曲線が繋ぎ合わせて形成されていてもよい。複数のベジェ曲線は、4次、5次のベジェ曲線であってもよい。
ここで本実施形態では、図3に示すように、解析部13は、理論軌跡に基づいて、測定部11による測定開始時と測定終了時との間の時点(以下、基準時点という)における移動体20の中心面21a、22a、23aの三次元座標上の向きを算出する。なお解析部13は、中心面21a、22a、23aの向きとして、中心面21a、22a、23aの単位法線ベクトルを算出する。
そして解析部13は、前記中心面21a、22a、23aの向きに基づいて移動体20の挙動を解析する。解析部13は、例えば基準時点における移動体20の操舵角や実舵角、車体21のバンク角もしくはスリップ角、タイヤ22、23のキャンバー角もしくはスリップ角などを算出する。
また車体21のバンク角は、車体中心面21aがZ軸に対して傾斜する角度であり、タイヤ22、23のキャンバー角は、タイヤ中心面22a、23aがZ軸に対して傾斜する角度である。これらのバンク角やキャンバー角は、各中心面21a、22a、23aの単位法線ベクトルに基づいて算出される。
また算出部12が、第1ベジェ曲線L1および第2ベジェ曲線L2に基づいて理論軌跡を算出するので、理論軌跡を一層精度よく算出することができる。
ところでこのように、測定部11が、前記撮像部14および前記検出部15を備えている場合、撮像部14により移動体20を広範囲にわたって撮像すると、撮像結果におけるマーカ24の大きさが相対的に小さくなり、検出部15によるマーカ24の位置の検出精度が低下するおそれがある。そのため本実施形態では、移動体20を一定範囲に限って撮像することが好ましいが、この場合、移動体20を広範囲にわたって撮像する場合に比べて、マーカ24の位置の測定回数が少なくなることから、この挙動解析装置10が有する前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
例えば前記実施形態では、マーカ24が車体21およびタイヤ22、23に設けられているものとしたが、これに限られず、マーカが車体のみに設けられていたり、タイヤのみに設けられていたりしてもよい。
さらに前記実施形態では、移動体20が自動二輪車であるものとしたが、これに限られない。例えば移動体が自動車(四輪車)であったり、自転車であったりしてもよい。また移動体が、中心面を基準に左右方向に対称でなくてもよい。
さらに前記実施形態では、測定部11が撮像部14と検出部15とを備えているものとしたが、これに限られない。例えば、GPSを用いて移動体の特定点の位置を測定してもよい。
11 測定部
12 算出部
13 解析部
14 撮像部
15 検出部
20 移動体
21a、22a、23a 中心面
24 マーカ(特定点)
L1 第1ベジェ曲線
L2 第2ベジェ曲線
Claims (6)
- 移動体の挙動を解析する挙動解析装置であって、
前記移動体に設けられた特定点の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時に至るまでの前記特定点の三次元座標上の理論軌跡を算出する算出部と、
前記理論軌跡に基づいて前記移動体の挙動を解析する解析部と、を備え、
前記算出部は、前記理論軌跡を、前記測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて算出し、
前記移動体は、この移動体の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体の左右方向の中央を通り前記前後方向に延在する中心面を基準に、前記左右方向に対称とされ、
前記解析部は、前記理論軌跡に基づいて、前記測定部による測定開始時から測定終了時までの間の時点における前記移動体の前記中心面の三次元座標上の向きを算出し、この中心面の向きに基づいて前記移動体の挙動を解析することを特徴とする挙動解析装置。 - 請求項1記載の挙動解析装置であって、
前記算出部は、
三次元座標を構成する基準軸、第1補助軸および第2補助軸のうち、前記基準軸および前記第1補助軸により構成される第1座標平面上に、前記測定結果から形成される第1ベジェ曲線と、
前記基準軸および前記第2補助軸により構成される第2座標平面上に、前記測定結果から形成される第2ベジェ曲線と、に基づいて前記理論軌跡を算出することを特徴とする挙動解析装置。 - 請求項1または2に記載の挙動解析装置であって、
前記測定部は、
前記特定点を、互いに異なる複数の方向から撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記特定点の三次元座標上の位置を検出する検出部と、を備えていることを特徴とする挙動解析装置。 - 移動体の挙動を解析する挙動解析方法であって、
前記移動体に設けられた特定点の三次元座標上の位置を、異なるタイミングで複数回測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果に基づいて、前記測定工程における測定開始時から測定終了時に至るまでの前記特定点の三次元座標上の理論軌跡を算出する算出工程と、
前記理論軌跡に基づいて前記移動体の挙動を解析する解析工程と、を有し、
前記算出工程は、前記理論軌跡を、前記測定結果から形成されるベジェ曲線に基づいて算出し、
前記移動体は、この移動体の前後方向に移動可能であるとともに、この移動体の左右方向の中央を通り前記前後方向に延在する中心面を基準に、前記左右方向に対称とされ、
前記解析工程は、前記理論軌跡に基づいて、前記測定工程における測定開始時から測定終了時までの間の時点における前記移動体の前記中心面の三次元座標上の向きを算出し、この中心面の向きに基づいて前記移動体の挙動を解析することを特徴とする挙動解析方法。 - 請求項4記載の挙動解析方法であって、
前記算出工程は、
三次元座標を構成する基準軸、第1補助軸および第2補助軸のうち、前記基準軸および前記第1補助軸により構成される第1座標平面上に、前記測定結果から形成される第1ベジェ曲線と、
前記基準軸および前記第2補助軸により構成される第2座標平面上に、前記測定結果から形成される第2ベジェ曲線と、に基づいて前記理論軌跡を算出することを特徴とする挙動解析方法。 - 請求項4または5に記載の挙動解析方法であって、
前記測定工程は、
前記特定点を、互いに異なる複数の方向から撮像する撮像工程と、
前記撮像工程の撮像結果に基づいて、前記特定点の三次元座標上の位置を検出する検出工程と、を備えていることを特徴とする挙動解析方法。
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