JP2011220929A - 車輪挙動計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行状態の車両における路面に対する車輪の姿勢や、車体に対する車輪の姿勢及び車輪のタイヤ形状を定量的に計測する挙動計測装置を提供する。
【解決手段】車両走行時の車輪の挙動を計測する車輪挙動計測装置であって、車両に設けられ、車輪を撮像する複数の車輪カメラ及び路面を撮像する複数の路面カメラと、車輪のホイールに設けられ、当該車輪のホイールの外側面と平行に取り付けられる不動板と、不動板における車輪カメラの視野内に、少なくとも3箇所配設される第1被測定体と、ホイールの外側面における車輪カメラの視野内に、複数配設される第2被測定体と、車輪カメラと路面カメラとが撮像した画像を記憶する記憶手段と、記憶手段が記憶した画像を処理する画像処理手段とを具備するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、車輪計測方法及び車輪計測装置に関し、特に車輪の挙動を計測する際に車輪及び路面をカメラで撮像し、撮像した画像を画像処理することにより車輪挙動を計測する車輪挙動計測装置に関する。
従来、車輪の性能を評価する場合、実際に車両を走行させ、ドライバーが車両に入力する操舵等の動作に対して車輪がどのような挙動を示すかを評価するため官能評価を行っていた。しかし、官能評価はドライバーの感性による定性的なものであるため、官能評価に対して車輪の挙動を定量的に取得する必要がある。そこで、官能評価に加え、次のような車輪挙動計測装置を合わせて用いて車輪の挙動の評価を行っている。
例えば、車輪挙動計測装置は、車輪の挙動を撮像するためのCCDカメラと、CCDカメラをホイールに固定するための回転部材及び非回転部材により構成される取付治具と、CCDカメラから出力される画像を処理する画像処理装置とにより構成される。車輪挙動計測装置によれば、まず、取付治具の回転部材を車輪のホイールに固定し、CCDカメラの視野が路面に対向するようにCCDカメラを取付治具の非回転部材に取り付ける。次に、CCDカメラと車両に搭載される画像処理装置とを接続することにより、走行中の路面の画像が画像処理装置に入力される。画像処理装置は、走行する車両の速度に応じてCCDカメラの露光時間を制御することによりCCDカメラから路面の画像を取得し、路面の画像を画像処理することで車輪の挙動を計測している。具体的には、撮像された画像は、路面の特徴点が流れのような軌跡として取得され、軌跡を画像処理することにより、車両の進行方向と車輪の進行方向とを算出し、車両の進行方向と車輪の進行方向の角度との差から車輪のスリップ角を算出して車輪の挙動を計測するようにしている。
また、他の車輪挙動計測装置は、車速センサと、CCDカメラと、画像処理装置とにより構成される。そして、車両の速度検出部に車速センサを接続し、CCDカメラの撮像方向が車両の進行方向を向くようにCCDカメラを車内に固定し、CCDカメラ及び車速センサを画像処理装置に接続して走行する車両の進行方向前方の景色の画像を取得する。画像処理装置は、CCDカメラにより取得された前方の景色の画像から特徴点を抽出し、特徴点の移動した軌跡を処理し、車速センサにより出力される車両の速度と特徴点の軌跡から車両のヨーレートやスリップ角を算出し、車輪及び車両の挙動を計測している。
しかし、前者の車輪挙動計測装置のように、ホイールにCCDカメラを取り付けた場合、CCDカメラ及び取付治具の重さが車両のバネ下重量に付加されることとなり、車両と車輪との動的な関係が変化することで車輪の挙動を正確に計測することができなかった。
また、後者の車輪挙動計測装置のように、CCDカメラで撮像した車両の進行方向前方の画像から特徴点を抽出し、特徴点の移動方向を画像処理により追跡して車体の姿勢や車輪のスリップ角を計測する場合、間接的に車体の姿勢や車両のスリップ角を計測しているため、車体及び車両の挙動を正確に計測することができなかった。
また、上記いずれの測定装置でも、路面に対する車輪の姿勢、車体に対する車輪の姿勢、さらに車輪のタイヤ形状の変化について計測することができなかった。
特開2000−81322号公報 特開2005−254861号公報
本発明は、上記課題を解決するため、走行状態の車両における路面に対する車輪の姿勢や、車体に対する車輪の姿勢及び車輪のタイヤ形状を定量的に計測する車輪挙動計測装置を提供する。
本発明の第1の構成として、車両走行時の車輪の挙動を計測する車輪挙動計測装置であって、車両に設けられ、車輪を撮像する複数の車輪カメラと、車両に設けられ、路面を撮像する複数の路面カメラと、車輪のホイールに設けられ、当該ホイールの外側面と平行に取り付けられる不動板と、不動板における車輪カメラの視野内に、少なくとも3箇所配設される第1被測定体と、ホイールの外側面における車輪カメラの視野内に、複数配設される第2被測定体と、車輪カメラと路面カメラとが撮像した画像を記憶する記憶手段と、記憶手段が記憶した画像を処理する画像処理手段とを具備するようにした。
本発明によれば、異なる方向から車輪の同一部分を撮像することで、立体的な走行中の車輪の向き及びタイヤの変形を取得することができ、異なる方向から路面の同一部分を撮像することで、立体的な走行中の路面の形状を取得することできる。よって、車輪カメラと路面カメラによって撮像された画像を画像処理することで、車輪の挙動を正確かつ客観的に計測することができる。
本発明の第2の構成として、車輪カメラが撮像した画像に含まれる第1被測定体から車輪のホイール面を算出するホイール面算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、走行中の車輪のホイール面を算出することで、直進走行中のホイール面の変化や、旋回中のホイール面の変化を計測できる。つまり、キャンバー角や操舵角の変化を計測できる。なお、ホイール面とは、車両に固定される車輪のホイールの端面に沿った平面を示し、ホイールの回転軸と垂直な平面である。よって、ホイール面は、車輪の進行方向を示す。
本発明の第3の構成として、ホイール面の法線ベクトルを算出するホイール面法線ベクトル算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、ホイールの回転軸の向きを算出することができる。
本発明の第4の構成として、路面カメラが撮像した画像に含まれる路面の画像から3点の特徴点を抽出する特徴点抽出手段を備えるようにした。
本発明によれば、3点の特徴点を抽出することにより、特徴点のうち少なくとも一つの特徴点を用いることで路面カメラから特徴点までの距離を測定することができるので、車両における車体の変化を計測することができる。
本発明の第5の構成として、特徴点から路面平面を算出する路面平面算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、抽出された3点の特徴点から路面平面の傾きを算出できる。
本発明の第6の構成として、路面平面の法線ベクトルを算出する路面平面法線ベクトル算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、路面平面の垂直方向を算出できる。
本発明の第7の構成として、ホイール面の法線ベクトルと路面平面の法線ベクトルとの外積を算出し、車輪の進行方向を算出する車輪進行方向算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、ホイール面の法線ベクトルと路面平面の法線ベクトルとにより、容易に車輪の進行方向を算出することができる。
本発明の第8の構成として、ホイール面の法線ベクトルと路面平面の法線ベクトルとの内積を算出し、路面平面に対するホイール面の傾きを算出する対地キャンバー角算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、容易に対地キャンバー角を算出することができる。
本発明の第9の構成として、特徴点の移動方向と車輪進行方向との差分から車輪のスリップ角を算出するスリップ角算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、特徴点の移動方向と車輪進行方向とが成す角度から容易にスリップ角を算出することができる。
本発明の第10の構成として、ホイール面の法線ベクトルと車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出してホイール面に対するタイヤ形状を算出するホイール面基準タイヤ形状算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、タイヤ形状を構成する各座標点をホイール面からの距離に設定できる。
本発明の第11の構成として、路面平面の法線ベクトルと車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出して路面に対するタイヤ形状を算出する路面基準タイヤ形状算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、タイヤ形状を構成する各座標点を路面からの高さに設定できる。
本発明の第12の構成として、路面平面とホイール面との交線を算出し、交線を含む路面平面の法平面と車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出するスリップ角基準タイヤ形状算出手段を備えるようにした。
本発明によれば、路面とタイヤとの摩擦により撓んだときのタイヤ形状を算出できる。
本発明に係る車輪挙動計測装置を車両に装着した斜視図,正面図。 本発明に係る車輪挙動計測装置が装着された車両の右前輪部分の拡大図。 本発明に係る画像処理手段の構成を示すブロック図。 本発明に係る路面特徴点の抽出例を示す例示図。 本発明に係る路面平面及びホイール面それぞれの法線ベクトルを示す図。 本発明に係るホイールマーカ,タイヤマーカ及び面マーカを示す車輪側面図。 本発明に係る基準面が異なる場合のタイヤ形状を算出するための概念図。 本発明に係る操舵角に対するスリップ角及び対地キャンバー角の変化を示すグラフ。 本発明に係る操舵角が異なる場合のサイドウォールのタイヤ形状を示すグラフ。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
実施形態
図1(a),(b)は、車輪挙動計測装置1の装置構成の斜視図及び正面図を示す。図2は、車輪挙動計測装置1が取り付けられた車両Cの右前輪部分の拡大図を示す。以下、図1及び図2を用いて、車輪挙動計測装置1について説明する。なお、本実施形態において、タイヤTは、路面Rと実際に接触する単体を示し、ホイールWは、タイヤTを装着する単体を示し、車輪Twは、タイヤTとホイールWとが組み付けられたものを示す。また、車両Cは、車体Bに車輪Twを取り付けたものを示す。つまり、車両Cにおいて車輪Tw以外を車体Bと示す。
図1(a),(b)に示すように、車輪挙動計測装置1は、車輪Twに取り付けられる被測定手段3と、車両Cに搭載される測定手段4と、車両Cとは別に設置される画像処理手段5とにより構成される。なお、画像処理手段5は、車両Cに搭載するようにしても良いが、正確に車輪Twの挙動を取得するため、車両Cに搭載しない方が好ましい。
まず、車輪Twに取り付けられる被測定手段3について説明する。
図2に示すように、被測定手段3は、ホイールWに装着されるホイール面計測体10と、ホイールマーカ11と、タイヤマーカ12との複数の被測定体により構成される。
ホイール面計測体10は、車輪TwのホイールWに取り付けられる取付治具13と、被測定板14とからなる。
取付治具13は、同じ大きさの円盤状に形成された回転部材13aと非回転部材13bとを、例えば、ベアリングを介して非回転部材13bと回転部材13aとが同心となるように結合させ、非回転部材13bに対して回転部材13aが相対的に回転可能に構成される。取付治具13は、車体BにホイールWを固定するための図外のハブボルトにホイールWとともに回転部材13aを共締めすることにより車体Bに固定される。また、取付治具13は、車体Bに固定されたときに、非回転部材13bの外側面がホイールWのリム端面Wrと平行になるように形成される。
被測定板14は、半月状に形成された板状部材からなり、非回転部材13bの外側面の下側にボルト等により固定される。また、被測定板14は、非回転部材13bの外側面に取り付けたときに、被測定板14の外側面となる標的面14aが非回転部材13bの外側面と平行になるように形成される。標的面14aは、例えば、黒色に塗装される。よって、非回転部材13bに固定される被測定板14は、車輪Twの回転に依存することなく静止状態を保つことができる。
標的面14aには、少なくとも3つの面マーカ15a〜15cが配設される。面マーカ15a〜15cは、例えば、白色の円形シールが用いられ、標的面14aの任意の位置に所定距離離間して貼り付けられる。よって、白色の面マーカ15a〜15cを黒色に塗装された標的面14aに貼り付けることで、面マーカ15a〜15cと標的面14aとのコントラストがはっきりし、後述の画像処理手段5により画像処理するときに精度よく面マーカ15a〜15cを検出できる。
ホイールマーカ11は、ホイールWのリム端面Wrの平面部分に周方向に沿って任意の間隔で間欠的に黒色の長方形のテープを貼ることにより構成される。なお、リム端面Wrの平面部分とは、ホイールWが回転したときにホイールマーカ11が車体Bの車軸方向に振れない位置である。よって、後述の車輪カメラセット23A,23Bにより撮影したときに、周方向の移動のみが撮影されるので、ホイールマーカ11の移動を追跡することにより、容易に車輪Twの回転中心を算出することができる。
タイヤマーカ12は、タイヤ側面の任意の位置に周方向に沿って円形白色のシールを複数貼り付けることにより構成される。なお、円形白色のシールとしたが、黒色のタイヤに対してコントラストが得られる色であればよく、その形状は上記に限らない。また、シールでなくペイントしても良い。
以下、測定手段4について説明する。
車両Cに測定手段4を固定する装置フレーム21は、メインフレーム21aと、カメラフレーム21bとに分割される。
メインフレーム21aは、例えば、車両Cの幅よりも長い長さのハシゴ状部材からなり、車体Bのボンネットに車両Cの側面から両端が突出するように車軸方向に延長して固定される。
メインフレーム21aの両端には、ハシゴ状に形成されたカメラフレーム21bが延長方向斜め下向きに固定され、車両Cを前後方向から見たときにハ字状に固定される。また、カメラフレーム21bは、車両Cの走行に伴う車体Bの上下動により、カメラフレーム21bの先端が路面Rと接触しない長さに設定される。カメラフレーム21bには、車輪カメラセット23A,23Bと、路面カメラセット24A,24Bとが取り付けられる。
車輪カメラセット23A,23B及び路面カメラセット24A,24Bは、それぞれ、同一性能を有する一対の高速度CMOSカメラ(以下カメラという)により構成される。車輪カメラセット(以下車輪カメラ)23A,23Bは、カメラフレーム21bの下端部に固定され、路面カメラセット(以下路面カメラ)24A,24Bは、カメラフレーム21bの中途部に固定される。なお、高速度とは、例えば、2000フレーム/secの性能を有するカメラであり、これにより、車速が0km/h〜200km/hの実用的な範囲の計測が可能となる。また、高速度CMOSカメラの代わりに高速度CCDカメラを用いても良い。
車輪カメラ23A,23Bは、それぞれ異なった方向から撮影範囲A2が一致するようにカメラフレーム21bの下端部において上下方向に延長する一方の柱部と他方の柱部にそれぞれ固定される。車輪カメラ23A,23Bの撮影範囲A2は、車輪Twにおける路面R側のタイヤTの一部とホイールWの一部とを撮影可能に設定される。つまり、車輪カメラ23A,23Bが異なった方向から同一の部分を撮影することにより、所謂ステレオ撮影となり、撮影された対象の位置情報を3次元情報として画像に取得することができる。車輪カメラ23A,23Bは、データロガー25と接続され、路面R側のタイヤTの一部とホイールWの一部とを撮影した車輪画像PTをデータロガー25に出力する。
よって、車輪カメラ23A,23Bを一対のカメラにより構成して2つの異なった方向からタイヤTの一部及びホイールWの一部の同一領域を撮像し、後述の画像処理手段5で画像処理することにより、車輪カメラ23A,23BからタイヤTの一部表面及びホイールWの一部表面までの距離をカメラの有する3次元の座標系から算出できるので、ホイールWの向き,タイヤ形状Pf及びその変化等を取得することができる。
また、路面カメラ24A,24Bは、それぞれ異なった方向から撮影範囲が一致するようにカメラフレーム21bの中途部において上下方向に延長する一方の柱部と他方の柱部にそれぞれ固定される。路面カメラ24A,24Bの撮影範囲A1は、例えば、車輪Tw側方の路面Rに設定される。つまり、路面カメラ24A,24Bが異なった方向から路面Rの同一の部分を撮影することにより、所謂ステレオ撮影となり、撮影された路面Rの路面情報を3次元情報として画像に取得することができる。路面カメラ24A,24Bは、データロガー25と接続され、車輪Tw側方の路面Rを撮影した路面画像PRをデータロガー25に出力する。
なお、路面カメラ24A,24Bの撮影範囲は、車輪Tw側方に限らず車輪Tw後方又は車輪Tw前方を撮影するようにしても良い。
例えば、撮影範囲A1を車輪Tw後方に設定することで、車輪カメラ23A,23Bにより先に取得された車輪Twの挙動を生じさせた路面Rを後から路面カメラ24A,24Bにより撮影することになるので、路面カメラ24A,24Bによって撮影される路面Rと車輪Twの挙動との対応関係を正確に取得できるので、車輪Twの挙動を精度良く計測することができる。
また、撮影範囲A1を車輪Tw前方に設定することで、車輪カメラ23A,23Bによりこれから取得される車輪Twの挙動を生じさせる路面Rを路面カメラ24A,24Bにより撮像することになるので、路面カメラ24A,24Bによって撮影される路面Rと車輪Twとの対応関係を正確に取得でき、車輪Twの挙動を精度良く計測することができる。
よって、路面カメラ24A,24Bを一対のカメラにより構成したことで、2つの異なった方向から路面Rの同一領域を撮像し、後述の画像処理手段5で画像処理することにより、各路面カメラ24A,24Bから路面Rまでの距離及び路面Rの凹凸を取得できる。
データロガー25は、車輪カメラ23A,23B及び路面カメラ24A,24Bから出力される車輪画像PT及び路面画像PRを全て記憶する。なお、車輪画像PTは、車輪カメラ23Aの撮影した画像と車輪カメラ23Bが撮影した画像の総称を示し、路面画像PRは、路面カメラ24Aの撮影した画像と路面カメラ24Bが撮影した画像の総称を示す。
図3は、画像処理手段5の構成を示すブロック図である。
以下、図3を用いて路面画像PR及び車輪画像PTを画像処理する画像処理手段5について説明する。
画像処理手段5は、データロガー25と接続することにより、路面画像PR及び車輪画像PTとを取得し、画像処理する。画像処理手段5には、路面画像PRを画像処理する路面画像前処理手段50と、車輪画像PTを画像処理する車輪画像前処理手段60と、車輪挙動算出手段80とが備えられる。
路面画像前処理手段50は、路面座標設定手段51と、特徴点抽出手段52と、路面平面算出手段53と、路面平面法線ベクトル算出手段54と、車両進行方向算出手段55とを有する。
路面座標設定手段51は、路面カメラ24A,24Bを基準とする路面カメラ座標系を路面画像PRに対して設定する。よって、撮影された路面画像PRの各点に3次元の座標位置が設定される。
特徴点抽出手段52は、図4に示すような、路面画像PRから少なくとも3点の路面特徴点26a〜26cを抽出し、路面カメラ座標系に基づく各路面特徴点26a〜26cの3次元の座標位置を算出する。また、特徴点抽出手段52は、路面画像PRを構成するフレーム毎に移動する路面特徴点26a〜26cの座標位置を算出し、路面特徴点26a〜26cが路面画像PRからフレームアウトしたときには、新たな路面特徴点を抽出し、フレーム毎に移動する路面特徴点の座標位置を算出する。つまり、特徴点抽出手段52では、継続的に路面から路面特徴点を抽出し、その座標位置を算出する。
なお、路面カメラ座標系で算出された路面特徴点26a〜26cの座標位置は、後述の座標変換手段70により、路面カメラ座標系と車輪カメラ座標系との共通座標系の共通座標位置に変換される。
路面平面算出手段53は、検出された3つの路面特徴点26a〜26cの共通座標位置によって路面平面P1を算出する。
具体的には、路面平面算出手段53は、路面画像PRの路面特徴点26a〜26cから一つを任意に選択し、他の2つの路面特徴点と組み合わせることにより、2組の路面特徴点対を作成する。例えば、路面特徴点対26a:26b、26a:26cのように路面特徴点26a〜26cを組み合わせる。
路面特徴点対26a:26bは、路面特徴点26bの共通座標位置から路面特徴点26aの共通座標位置を減ずることにより、数学的に方向ベクトルを構成する。同様に、路面特徴点対26a:26cは、路面特徴点26cの共通座標位置から路面特徴点26aの共通座標位置を減ずることにより、数学的に方向ベクトルを構成する。よって、2つの方向ベクトルにより平面を定義することができるので、路面平面算出手段53は、路面特徴点26a〜26cの共通座標位置が入力されるだけで、路面平面P1を容易に算出することができる。
なお、路面画像PRから3つの路面特徴点26a〜26cを検出するとして説明したが、実際の路面には複雑な凹凸があるので、路面画像PRから3つよりも多く路面特徴点を検出して、複数の路面特徴点対を構成し、路面特徴点対を複数組み合わせて得られた路面平面の平均値を路面平面P1とするようにしても良い。
図5は、路面平面P1及びホイール面P2それぞれの法線ベクトルV1,V2を示す図である。
路面平面法線ベクトル算出手段54は、路面平面P1の法線ベクトルV1を算出する。即ち、路面平面算出手段53で算出される路面特徴点対26a:26b、路面特徴点対26a:26cの外積を計算することにより、路面平面P1の法線ベクトルV1が算出される。当該路面平面法線ベクトル算出手段54の算出する法線ベクトルV1は、車輪Twが接地する路面の向きを示している。
具体的には、図5に示すように、路面特徴点対26a:26bにより構成される方向ベクトルをVba、路面特徴点対26a:26cにより構成される方向ベクトルをVcaとそれぞれ表し、ベクトルVbaとベクトルVcaの外積を演算することにより路面平面P1の法線ベクトルV1が算出される。外積の演算には、方向があるため、外積により算出された法線ベクトルV1が上向きとなるように、Vba×Vcaの順序で算出する。なお、“Vba×Vca”の“×”は、乗算演算ではなくベクトルVba,Vcaの外積演算を示す記号である。
車両進行方向算出手段55は、路面特徴点26a〜26cのうちいずれか一つについて着目し、所定時間後の路面画像PRにおいて当該着目した特徴点の移動方向を算出する。例えば、路面特徴点26bに着目し、ある瞬間における路面特徴点26bの共通座標位置K1を路面画像PRの所定時間経過後のフレームにおける路面特徴点26b′の共通座標位置K2から減ずることにより、車両Cの進行方向(車両進行方向)Vvを示す方向ベクトルを算出することができる。つまり、着目した路面特徴点26bの移動方向が車両Cの進行方向として算出される。
車輪画像前処理手段60は、車輪座標設定手段61と、面マーカ検出手段62と、ホイール面算出手段63と、ホイール面法線ベクトル算出手段64と、ホイールマーカ検出手段65と、車輪中心算出手段66と、タイヤマーカ検出手段67と、タイヤ形状取得手段68とを有する。
車輪座標設定手段61は、車輪カメラ23A,23Bを基準とする車輪カメラ座標系を車輪画像PTに対して設定する。よって、撮影された車輪画像PTの各点に3次元の座標位置が設定される。
面マーカ検出手段62は、車輪画像PTから面マーカ15a〜15cを検出し、車輪カメラ座標系に基づく面マーカ15a〜15cの座標位置を算出する。また、車輪画像PTのフレーム毎に移動する面マーカ15a〜15cの座標位置を算出する。
なお、車輪カメラ座標系で算出された面マーカ15a〜15cの座標位置は、後述の座標変換手段70により、路面カメラ座標系と車輪カメラ座標系との共通座標系の共通座標位置に変換される。
ホイール面算出手段63は、3つの面マーカ15a〜15cによってホイール面P2を算出する。具体的には、ホイール面算出手段63は、3つの面マーカ15a〜15cから一つを選択し、他の2つと組み合わせることにより、2組の面マーカ対を作成する。例えば、面マーカ対15a:15b、15a:15cのように面マーカを組み合わせる。面マーカ対15a:15bは、面マーカ15bの共通座標位置から面マーカ15aの共通座標位置を減ずることにより、数学的に方向ベクトルを構成する。同様に、面マーカ対15a:15cは、面マーカ15cの共通座標位置から面マーカ15aの共通座標位置を減ずることにより、数学的に方向ベクトルを構成する。
よって、2つの方向ベクトルにより平面を定義することができるので、ホイール面算出手段63は、面マーカ15a〜15cの共通座標位置が入力されるだけで、ホイール面P2を容易に算出することができる。なお、ホイール面P2とは、例えば、ホイールWの外側のリム端面Wrを意味し、リム端面Wrから突出するホイール面計測体10の突出量分の座標位置のオフセット量は、ホイール面算出手段63によって自動的に補正される。
ホイール面法線ベクトル算出手段64は、ホイール面P2の法線ベクトルV2を算出する。即ち、ホイール面算出手段63で算出される面マーカ対15a:15b、面マーカ対15a:15cの外積を計算することにより、ホイール面P2の法線ベクトルV2が算出される。
具体的には、図5,図6に示すように、面マーカ対15a:15bにより構成される方向ベクトルをVba、面マーカ対15a:15cにより構成される方向ベクトルをVcaとそれぞれ表し、ベクトルVbaとベクトルVcaの外積を演算することによりホイール面P2の法線ベクトルV2が算出される。外積の演算には、方向があるため、外積により算出された法線ベクトルV2が車体Bの外向きとなるように、Vba×Vcaの順序で算出する。ホイール面法線ベクトル算出手段64の算出する法線ベクトルV2は、ホイールWの回転軸と平行である。
ホイールマーカ検出手段65は、車輪画像PTからホイールWのリムに配設されたホイールマーカ11を検出する。具体的には、ホイールマーカ検出手段65は、ホイールマーカ11の形状、本例では長方形の4つの角を検出して、車輪カメラ座標系に基づくホイールマーカ中心の座標位置を算出する。算出された座標位置は、後述の座標変換手段70により、路面カメラ座標系と車輪カメラ座標系との共通座標系の共通座標位置に変換される。
なお、微小時間後に移動したホイールマーカ11の位置、及び移動速度から、ホイール面P2及びホイールWの回転中心位置を算出するようにしても良い。この場合、ホイール面算出手段63と後述の車輪中心算出手段66を設けなくても良い。
車輪中心算出手段66は、ホイールマーカ検出手段65で検出されたホイールマーカ11が、所定時間後の車輪画像PTのフレーム毎に移動するホイールマーカ11のホイールマーカ中心が移動した距離及び速度に基づき、車輪Twの車輪中心O(回転中心位置)を算出する。なお、車輪中心O(回転中心位置)は、共通座標系に基づく共通座標位置として算出される。
タイヤマーカ検出手段67は、タイヤ側面の周方向に沿ってランダムに貼り付けられた複数のタイヤマーカ12を検出する。具体的には、車輪カメラ23A,23Bの撮影範囲A2内に位置する複数のタイヤマーカ12を特徴点として抽出し、抽出された複数のタイヤマーカ12の車輪カメラ座標系に基づく座標位置を算出する。
タイヤ形状取得手段68は、車輪画像PTを構成するフレーム毎に検出される複数のタイヤマーカ12の座標位置からタイヤ形状を取得する。即ち、タイヤマーカ検出手段67で検出されたタイヤマーカ12の位置及び互いの位置関係の変化を取得することで、フレーム毎のタイヤ形状を算出する。例えば、タイヤマーカ12の座標位置に基づいて、タイヤ径方向断面のタイヤ形状を算出する。この場合、算出される断面形状は、実際に検出された座標位置とタイヤマーカ12の座標位置との間を補間する。
よって、タイヤマーカ12を車輪カメラ23A,23Bで撮像することにより、車輪画像PTからタイヤマーカ12の変形を算出してタイヤ形状を取得することができる。
座標変換手段70は、車輪カメラ23A,23Bで撮影された車輪カメラ座標系と路面カメラ24A,24Bで撮影された路面カメラ座標系とを共通の共通座標系に変換する変換マトリックスを有する。変換マトリックスは、車輪カメラ23A,23B及び路面カメラ24A,24Bを車体Bに設けた後に、カメラ校正用治具に設けられた校正用マーカを車輪カメラ23A,23B及び路面カメラ24A,24Bで撮影し、撮影画像の車輪カメラ23A,23Bと路面カメラ24A,24Bとにより撮影される共通の領域を用いて、路面画像PRと車輪画像PTとの互いの位置関係を示す関数として取得される。
例えば、車輪カメラ23A,23Bで撮影された車輪カメラ座標系の車輪画像PTを路面カメラ座標系に座標変換するように変換マトリックスを設定しても良いし、また、路面カメラ24A,24Bで撮影された路面カメラ座標系の路面画像PRを車輪カメラ座標系に座標変換するように変換マトリックスを設定しても良い。よって、車輪カメラ23A,23B又は路面カメラ24A,24Bによって撮影された画像の座標位置は、互いの座標系に移動することができる。
車両挙動算出手段80は、車輪進行方向算出手段81と、スリップ角算出手段82と、対地キャンバー角算出手段83と、路面基準タイヤ形状算出手段84と、ホイール面基準タイヤ形状算出手段85と、スリップ角基準タイヤ形状算出手段86とを有する。
車輪進行方向算出手段81は、ホイール面法線ベクトル算出手段64により算出されるホイール面P2の法線ベクトルV2と、路面平面法線ベクトル算出手段54により算出される路面平面P1の法線ベクトルV1との外積によって車輪進行方向Vtを算出する。詳細には、ベクトル量は、空間内において任意の位置に平行移動することができるので、図5に示すように、路面平面P1の法線ベクトルV1の始点をホイール面P2の法線ベクトルV2の始点まで平行移動させて、法線ベクトルV1と法線ベクトルV2の外積演算を行った結果が車両Cの前進方向となるように、V2×V1の順序で演算することで、車輪進行方向Vtを算出することができる。なお、“V2×V1”の“×”は、乗算演算ではなくベクトルV2,V1の外積演算を示す記号である。
スリップ角算出手段82は、車両進行方向算出手段55により算出された車両進行方向Vvと、車輪進行方向算出手段81により算出された車輪進行方向Vtとの角度の差分をスリップ角θとして算出する。具体的には、車両進行方向Vvと車輪進行方向Vtとの内積演算によりスリップ角θを算出する。
対地キャンバー角算出手段83は、ホイール面法線ベクトル算出手段64により算出されるホイール面P2の法線ベクトルV2と、路面平面法線ベクトル算出手段54により算出される路面平面P1の法線ベクトルV1との内積演算により対地キャンバー角αを算出する。
図7(a)は、路面基準でタイヤ形状Pfを表した図、図7(b)は、ホイール面基準でタイヤ形状Pfを表したときの図、図7(c)は、スリップ角基準でタイヤ形状Pfを表した図である。
路面基準タイヤ形状算出手段84は、図7(a)に示すように、タイヤ形状取得手段68で取得されたタイヤ形状Pfを、車輪中心算出手段66によって算出された路面平面P1から車輪中心Oまでの距離に基づいて、路面平面P1基準となるようにオフセットさせる。
具体的には、車輪カメラ23A,23Bと路面カメラ24A,24Bとの配置の関係から、車輪中心Oから路面平面P1に延長した垂線の長さを算出し、車輪カメラ座標系で表されたタイヤTのサイドウォールを構成する各点の共通座標位置を上記垂線の長さに基づいて路面カメラ座標系で表すことにより、路面平面P1を基準としたタイヤ形状Pfを取得することができる。
ホイール面基準タイヤ形状算出手段85は、図7(b)に示すように、タイヤ形状取得手段68で取得されたタイヤ形状Pfを構成する各点の共通座標位置からホイール面P2までの法線ベクトルV2と平行な方向の距離を算出することにより、ホイール面P2基準のタイヤ形状Pfを算出する。つまり、ホイール面P2を含む平面とタイヤ形状Pfを構成する各点の座標位置との最短距離を算出することにより、ホイール面P2基準のタイヤ形状Pfを算出する。
スリップ角基準タイヤ形状算出手段86は、図7(c)に示すように、路面平面P1とホイール面P2との交線を含む、路面平面P1に対して垂直な法面と、車輪画像PTにおいてタイヤ形状Pfを構成する各点の座標位置との距離を算出することにより、スリップ角θ基準のタイヤ形状Pfを算出する。
次に、上記構成の車輪挙動計測装置1を車両Cに取り付けて車輪挙動を計測する手順について説明する。
まず、車輪挙動を計測する車両Cの車輪Twに、車輪Twの位置及び向きを計測するための複数の被測定体を配設する。具体的には、車輪TwのホイールWにホイール面計測体10を取り付け、ホイールWのリム端部Wrにホイールマーカ11を貼り付け、タイヤTの側面にタイヤマーカ12を貼り付ける。
次に、車体Bのボンネットにメインフレーム21aを車軸方向に固定し、メインフレーム21aの両端にカメラフレーム21bを固定する。
次に、カメラフレーム21bの中途部に路面カメラ24A,24Bを取り付け、下端部に車輪カメラ23A,23Bをそれぞれ固定する。詳細には路面カメラ24A,24Bは、車輪Tw側方の路面Rを一対のカメラで異なった角度から撮影可能、かつ、撮影する視野が重なるようにカメラフレーム21bの中途部に固定される。また、車輪カメラ23A,23Bは、ホイールWに配設された面マーカ15a〜15c、ホイールマーカ11と、タイヤTのサイドウォールに配設された複数のタイヤマーカ12がカメラの視野内に収まるように一対のカメラで異なった角度から撮像し、かつ、撮像する視野が重なるようにカメラフレーム21bの下端側に固定される。なお、カメラのレンズ収差を考慮して、車輪カメラ23A,23Bの光軸中心から離れない範囲で面マーカ15a〜15c、ホイールマーカ11、タイヤマーカ12が撮影されるように車輪カメラ23A,23Bを設置すれば、より精度の良い計測が可能となる。
次に、路面カメラ24A,24Bと車輪カメラ23A,23Bとを画像処理手段5に接続し、路面カメラ24A,24B及び車輪カメラ23A,23Bの校正を行う。まず、車輪Twを車体Bに対して真直ぐに向け、校正用の治具である2つの平板を直角に固定した直角板の一方の平板を路面Rに置き、他方の平板を被測定板14と接触させて配置し、路面カメラ24A,24B及び車輪カメラ23A,23Bの視野内に共通となるマーカを複数設け、当該マーカを撮影することにより、路面カメラ基準の座標系と車輪カメラ基準の座標系との対応を設定する。
なお、車輪カメラ23A,23Bの撮影範囲と、路面カメラ24A,24Bの撮影範囲とに重複領域がある場合には、校正する必要はない。
次に、路面カメラ24A,24B及び車輪カメラ23A,23Bと画像処理手段5との接続を取り外し、路面カメラ24A,24B及び車輪カメラ23A,23Bを車両Cに搭載されたデータロガー25に接続する。
次に、予め設定された試験条件において実際に車両を走行させて車輪の挙動を計測する。
例えば、次の試験条件で行った。タイヤサイズ205/65R/15のタイヤが装着された試験車両を用い、同車両のボンネットに上記構成の被測定手段3と測定手段4を取り付けた。また、車両の走行する試験路面は、アスファルト舗装路面とし、当該アスファルト舗装路面を直進状態から左へレーンチェンジするときのタイヤの挙動を測定した。なお、試験車両に対して車輪を片側トー角0°、キャンバー角0°の条件Iと、片側トー角−3°(トーアウト状態)、キャンバー角−0.5°(ネガティブキャンバー状態)の条件IIを付与したときの車輪の挙動を計測した。
上記試験条件で走行し、撮影された路面画像PR及び車輪画像PTは、逐次データロガー25に出力、記憶される。走行試験が終了すると、データロガー25に画像処理手段5を接続する。
画像処理手段5は、データロガー25に記録された路面画像PR及び車輪画像PTを読み込み、画像処理を開始し、画像処理により算出されたスリップ角θ、キャンバー角α、タイヤ形状Pfを次のように出力する。なお、計測結果は、右前輪のみの挙動を示す。図8(a),(b)乃至図9(a),(b)は、上記条件により、スリップ角θ、キャンバー角α、タイヤ形状Pfを計測した結果を示すグラフを示す。詳細には、図8(a)は、操舵角に対するスリップ角θの変化を示したグラフであり、図8(b)は、操舵角に対する対地キャンバー角αを示したグラフである。また、図9(a)は、条件Iにおいて操舵角が0°,10°,50°のときのサイドウォールのタイヤ形状Pfを示すグラフであり、図9(b)は、条件IIにおける総舵角が0°,10°,50°のときのサイドウォールのタイヤ形状Pfを示すグラフである。
図8(a),(b)に示すように、操舵角の増加に伴い、タイヤTのスリップ角θが増加し、対地キャンバー角αもマイナス(ネガティブキャンバー)方向に変化している。
条件Iのように車輪Twのアライメントが整列した状態に比べ、条件IIのようにトーアウト、ネガティブキャンバーが設定された状態では、操舵角に対してスリップ角θの増加が鈍く、キャンバー角αの変化が大きく表れている。これは、条件IIでは、操舵角が大きくなるほどタイヤTが倒れ込む傾向が強いため、タイヤTと路面Rとの接地面積が減少し、曲がりにくいことを示している。
図9(a),(b)における各線分は、車両Cの右前方から右前輪を見た状態のサイドウォールのタイヤ形状Pfの変化を示し、グラフ右方向への変化が捩れ、上方向への変化が倒れ込みを示す。また、グラフの奥行き方向によって瞬間のサイドウォールのタイヤ形状Pfを示している。
図9(a)に示すように、操舵角0°,10°のように操舵角が微小な場合には、タイヤTの自重による撓みが見られるが、操舵角を10°から50°に変化させると、タイヤTと路面Rとの摩擦により、タイヤTに横方向の力が作用し、タイヤTが捩れた状態となることが分かる。
また、図9(b)に示すように、条件IIのときは、操舵角0°,10°のように操舵角が微小な場合には、車輪Twのアライメントに従ったタイヤ形状Pfとなっているが、操舵角を10°から50°に変化させると、タイヤTは路面Rに対して極度のネガティブキャンバー状態となるため、タイヤTと路面Rとの摩擦が減少し、タイヤTには、条件Iのときのような捩れの力は作用せず、タイヤTの倒れ込みが大きく表れている。
つまり、条件IIでは、車輪Twと路面Rとが真直ぐに接地せずに、車輪Twを傾斜させて路面Rに押し付けているようなタイヤ形状Pfが得られている。そのため、操舵角0°,10°では、ほとんどタイヤ形状Pfは変化せず、さらに操舵角を50°になると、タイヤTの前後位置のタイヤ形状Pfは操舵角0°,10°とほとんど変わらないまま、タイヤTの内径側を中心としてホイール面方向に回転しつつ移動した状態となっている。
以上説明したように、本発明の車輪計測装置1を用いることにより、タイヤ形状Pfとともに、操舵角とスリップ角θ、操舵角と対地キャンバー角αを同時に取得できるので、新しく設計されたタイヤTを実際に車両に装着して走行試験を行うことにより、操舵角に対するスリップ角θと、操舵角に対する対地キャンバー角αがタイヤ形状Pfに及ぼす影響を同時に計測することが可能となる。また、様々な種類の車両とタイヤTとのマッチングを評価できるようになり、従来のフィーリング試験のように人間の感覚により定性的に評価されていた結果を数値的に、かつ、定量的に評価できるようになる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
1 車輪挙動計測装置、3 被測定手段、4 測定手段、5 画像処理手段、
10 ホイール面計測体、11 ホイールマーカ、12 タイヤマーカ、
13 取付治具、14 被測定板、14a 標的面、15a〜15c 面マーカ、
21 装置フレーム、21a メインフレーム、21b カメラフレーム、
23A,23B 車輪カメラセット、24A,24B 路面カメラセット、
25 データロガー、26a〜26c 路面特徴点、
50 路面画像前処理手段、51 路面座標設定手段、52 特徴点抽出手段、
53 路面平面算出手段、54 路面平面法線ベクトル算出手段、
55 車両進行方向算出手段、60 車輪画像前処理手段、61 車輪座標設定手段、
62 面マーカ検出手段、63 ホイール面算出手段、
64 ホイール面法線ベクトル算出手段、65 ホイールマーカ検出手段、
66 車輪中心算出手段、67 タイヤマーカ検出手段、68 タイヤ形状取得手段、
70 座標変換手段、80 車両挙動算出手段、81 車輪進行方向算出手段、
82 スリップ角算出手段、83 対地キャンバー角算出手段、
84 路面基準タイヤ形状算出手段、85 ホイール面基準タイヤ形状算出手段、
86 スリップ角基準タイヤ形状算出手段、
A1,A2 撮影範囲、B 車体、C 車両、Pf タイヤ形状、
PR 路面画像、PT 車輪画像、P1 路面平面、P2 ホイール面、
R 路面、T タイヤ、Tw 車輪、
V1 法線ベクトル、V2 法線ベクトル、W ホイール、Wr リム端面。

Claims (12)

  1. 車両走行時の車輪の挙動を計測する車輪挙動計測装置であって、
    前記車両に設けられ、車輪を撮像する複数の車輪カメラと、
    前記車両に設けられ、路面を撮像する複数の路面カメラと、
    前記車輪のホイールに設けられ、当該ホイールの外側面と平行に取り付けられる不動板と、
    前記不動板における前記車輪カメラの視野内に、少なくとも3箇所配設される第1被測定体と、
    前記ホイールの外側面における前記車輪カメラの視野内に、複数配設される第2被測定体と、
    前記車輪カメラと前記路面カメラとが撮像した画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段が記憶した画像を処理する画像処理手段とを具備することを特徴とする車輪挙動計測装置。
  2. 前記車輪カメラが撮像した画像に含まれる前記第1被測定体から前記車輪のホイール面を算出するホイール面算出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車輪挙動計測装置。
  3. 前記ホイール面の法線ベクトルを算出するホイール面法線ベクトル算出手段を備えることを特徴とする請求項2記載の車輪挙動計測装置。
  4. 前記路面カメラが撮像した画像に含まれる路面の画像から3点の特徴点を抽出する特徴点抽出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の車輪挙動計測装置。
  5. 前記特徴点から路面平面を算出する路面平面算出手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の車輪挙動計測装置。
  6. 前記路面平面の法線ベクトルを算出する路面平面法線ベクトル算出手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の車輪挙動計測装置。
  7. 前記ホイール面の法線ベクトルと前記路面平面の法線ベクトルとの外積を算出し、車輪の進行方向を算出する車輪進行方向算出手段を備えることを特徴とする請求項3乃至請求項6いずれかに記載の車輪挙動計測装置。
  8. 前記ホイール面の法線ベクトルと前記路面平面の法線ベクトルとの内積を算出し、前記路面平面に対する前記ホイール面の傾きを算出する対地キャンバー角算出手段を備えることを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の車輪挙動計測装置。
  9. 前記特徴点の移動方向と前記車輪進行方向との差分から車輪のスリップ角を算出するスリップ角算出手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の車輪挙動計測装置。
  10. 前記ホイール面の法線ベクトルと前記車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出して前記ホイール面に対するタイヤ形状を算出するホイール面基準タイヤ形状算出手段を備えることを特徴とする請求項3乃至請求項9いずれかに記載の車輪挙動計測装置。
  11. 前記路面平面の法線ベクトルと前記車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出して前記路面に対するタイヤ形状を算出する路面基準タイヤ形状算出手段を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項9いずれかに記載の車輪挙動計測装置。
  12. 前記路面平面と前記ホイール面との交線を算出し、前記交線を含む前記路面平面の法平面と前記車輪のタイヤ形状を構成する各座標点までの距離を算出するスリップ角基準タイヤ形状算出手段を備えることを特徴とする請求項5乃至請求項9いずれかに記載の車輪挙動計測装置。
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