JP6139969B2 - 水系塗材組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主として建築物の外壁に意匠性を付与する1液型の水系塗材であって、コンクリート、モルタル等の下地に塗付され、耐候性、耐汚染性に優れると共に耐水性に優れる、建築物の外壁に意匠性を付与する一液型の水系塗材組成物に関するものである。
従来、建築物の躯体保護、意匠性の付与及び美観性向上のため、建築外皮には各種塗装仕上げが行われている。特に直射日光に曝される南面や、幹線道路に面する部位においては、紫外線による劣化や、自動車から排出される排気ガス及び塵埃による汚れの程度が大きく、施工直後の鮮やかな色調に代表される美観が短期間のうちに低下するという課題があった。
これに対し、15〜100℃のガラス転移温度を有するポリオール化合物にポリイソシアネート化合物を添加し、ポリカプロラクトンジオール及び/又はポリカプロラクトントリオールと、テトラアルコキシシランの低縮合化合物とを含有する耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物が提案されている(特許文献1)。
かかる弾性非汚染塗料組成物は、主としてポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を塗装現場にて混合して塗付した後、化学反応によって硬化して塗膜となるため、現場での計量とこれらの化合物の混合作業が必要で、計量と混合が不要な一液型の塗材組成物と比較して作業が煩雑であるという課題があり、また計量ミスがあったり、混合が不十分であったりすると、塗膜が硬化不良となり、所定の性能が発揮されないという課題を有していた。
また、一液型の水性塗料組成物としては、反応性シリル基を有する合成樹脂エマルジョンと、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリシロキサン化合物と、顔料と、ポリオキシアルキレン鎖を有するアニオン性分散剤を主成分とする耐汚染性に優れる水性塗料組成物が提案されている(特許文献2)。
しかし、当該水性塗料組成物は、有光沢塗料として高い光沢を有するため、凹凸感による塗り壁状の風合いが求められる意匠性と美観性を有する塗材としては使用できないという課題があった。
また、ガラス転移温度が40℃以上60℃未満のアクリル樹脂エマルション、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシラン、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤とから成ることを特徴とする水系塗材組成物が、優れた耐候性と耐汚染性が発揮されるとともに、更には必須成分である骨材により塗付後の塗膜表面に凹凸感があって高い意匠性が得られ、加えて低温下での施工であっても凹凸によって形成された塗膜表面にひび割れが生じないとした水系塗材組成物が提案されている(特許文献3)。
しかし、係る水系塗材組成物は、アクリル樹脂エマルションの高いガラス転移温度によって当初の所定の性能を満たすことができるが、所定の塗膜性能を得るためには成膜助剤の配合量が当該アクリル樹脂エマルションの固形分に対して80%以上必要であり、このため塗材の施工環境や乾燥条件によっては成膜助剤が塗膜内部に残留することがあり、残留した成膜助剤は塗膜の耐水性低下の原因となる場合があるという課題があった。
また,メチルメタアクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシラン、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤とから成り、前記骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して15〜30重量%配合されて成ることを特徴とする建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物が提案されている(特許文献4)。
しかし,かかる建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物は,エマルションの腐敗等を防止するために配合する防カビ剤によっては,長期間紫外線を照射すると色によっては変色がやや生じたり,金鏝で施工すると該金鏝の動線に沿って変色が生じる場合があるという課題がある。
特開平10-259354号公報 特開2001−181559号公報 特願2008−255966号 特許第4564571号公報
本発明の課題は、2成分反応硬化型塗料のように塗付に際して、事前の計量や十分な混合作業が不要であって、塗付後の仕上がりが凹凸感を有する如く意匠性が高く、耐候性と耐汚染性に優れると共に低温下での施工であっても凹凸によって形成された塗膜表面にひび割れが生じることがなく、さらには安定した耐水性を有し,特には長期間紫外線を照射しても色によって変色が強く出るようなことがない安定した耐候性を有し,金鏝で施工した際に動線に沿って変色が生じることがなく,貯蔵安定性に優れる、一液型の水系塗材組成物を提供することにある。
請求項1記載の発明は,メチルメタクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと,表面に水酸基を有する骨材と,ビニル基を有するトリアルコキシシランと,顔料と,充填材と,増粘剤と,成膜助剤と,一般式xZnO・ZnPy2(式中xは0≦x≦1を満足する0又は正数、Pyは2−ピリジルチオ−N−オキサイド基を表す。)で示される亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体とから成り,前記表面に水酸基を有する骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体が塗材全体に対して0.05〜0.5重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して5〜25重量%配合されて成ることを特徴とする水系塗材組成物を提供する。
本発明の水系塗材組成物は,アクリル樹脂エマルションを合成する前のメチルメタアクリレートモノマーの含有量が50重量%以上と高いため、耐候性と耐汚染性に優れるという効果がある。また骨材を含むため塗布後の表面に凹凸感があって意匠性が高く、さらには均一な塗膜を形成させるための成膜助剤の配合量が、高いガラス転移温度を有するアクリル樹脂エマルションを使用した水系塗材組成物と比較して、より少なくてすみ、このため安定した耐水性を有するという効果がある。
特には,特許第4564571号の一液型水系塗材組成物よりも成膜助剤のアクリル樹脂エマルションの固形分に対する配合量が少なく,このためさらに高い耐水性を有すると共に,長期間紫外線を照射しても色によって特に変色が強く出るようなことがないという効果があり,結果としてより実用性の高い建築物の外壁に意匠性を付与する一液型の水系塗材組成物であるという効果がある。
また,一般式xZnO・ZnPy2(式中xは0≦x≦1を満足する0又は正数、Pyは2−ピリジルチオ−N−オキサイド基を表す。)で示される亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体を配合する直接の効果によってエマルションの腐敗が防止されるため,別途防カビ剤等を配合することがなく,優れた貯蔵安定性があるという効果がある。
さらには,本発明者によって初めて確認された効果であるが,本願に係る建築物の外壁に意匠性を付与する一液型の水系塗材組成物に防カビ性と耐変色性の向上を目的として公知のジンクピリチオン(亜鉛 ピリジン−2−チオール−N−オキシドまたはビス(1−ヒドロキシ−2(H)−ピリジンチオネート)亜鉛として公知の抗微生物性添加剤であり,米国特許第2809971号に記載のように,1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンまたはその可溶性塩を亜鉛塩(例えばZnSO)と反応させ,亜鉛ピリチオン沈殿を生成させることによって製造される)を配合すると,施工時に使用することがある金鏝から溶出すると推定される金属イオンによって,塗材に変色が生じるのに対し,上記亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体を配合することによって,この変色が生じることがないという効果がある。言い換えれば,本願発明は,該亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体に関する特許第4505549号公報に記載の効果以外の未知の効果を有する。
本発明の建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物は,メチルメタアクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシランと、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤と,一般式xZnO・ZnPy2(式中xは0≦x≦1を満足する0又は正数、Pyは2−ピリジルチオ−N−オキサイド基を表す。)で示される亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体とから成り,前記表面に水酸基を有する骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体が塗材全体に対して0.05〜0.5重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して5〜25重量%配合されて成ることを特徴とする水系塗材組成物であり、必要に応じて消泡剤や分散剤が配合される。
本発明のアクリル樹脂エマルションは、アクリル酸エステル系共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル系共重合樹脂、シリコン変性アクリル系樹脂等の水性アクリル樹脂エマルションが使用でき、そのガラス転移温度は10℃以上30℃未満である。ガラス転移温度が10℃未満の場合は、耐候性と耐汚染性が低下し、30℃以上の場合は水性アクリルエマルジョンの外気温における成膜が難しくなる。ガラス転移温度が10℃以上30℃未満のものにはアクリル樹脂エマルションウルトラゾールC326(固形分48%、ガラス転移温度27℃、メチルメタクリレートモノマー50重量%以上配合、ガンツ化成株式会社製、商品名)、同アクロナールA754(固形分48%、ガラス転移温度14℃、メチルメタアクリレートモノマー50重量%以上配合、BASFジャパン株式会社製、商品名)が有る。
当該アクリル樹脂エマルションは、メチルメタアクリレートモノマーを50重量%以上含む、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、及びこれらのモノエステルや、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のスチレン類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類などの不飽和基含有重合性単量体の重合によって合成される。アクリル樹脂エマルションの重量配合部数は塗材全体に対して10〜50重量%、好ましくは25〜35重量%であり、10重量%未満では塗膜強度が低下し、50重量%超では塗材を塗付する際の作業性が悪くなると共に、乾燥後の塗膜にひび割れが生じる。25重量%未満では塗膜強度が低下し、下地に対する付着強度が低下する傾向にあり、35重量%超となると、ローラー刷毛にて施工する際の作業性が低下したり、所定の意匠的な仕上がりが得られなくなる傾向にある。
骨材にはその表面に水酸基を有する骨材を使用し、得られる意匠と凹凸感によって、その粒度を任意に選択することが出来るが、特に硅砂が最適である。一般的には東北硅砂7号(比重1.5、平均粒径d50:150μm、東北硅砂株式会社製、商品名)を使用する。硅砂以外には、ガラス、シリカ、タルク、クレーなどが使用可能である。また骨材は充填材と粒径によって区別され、その平均粒径d50は100μm以上のものを言う。骨材の重量配合部数は塗材全体に対して、30〜60重量%、好ましくは35〜45重量%であり、30重量%未満では塗膜表面の凹凸感が出ず意匠性が不足し、60重量%超では塗材を塗付する際の作業性が悪くなると共に、塗膜強度が弱くなる。35重量%未満では、仕上がりの凹凸感が少なくなる傾向にあり、45重量%超ではローラー刷毛にて施工する際の作業性が低下したり、塗膜強度が低下する傾向にある。なお,ここでいう平均粒径d50とは,重量による累積積算量が50%となる粒子径を言う。
ビニル基を有するトリアルコキシシランは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランや3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが使用可能であり、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランにはKBM-503(信越化学株式会社製、商品名)、サイラエースS-710(チッソ株式会社製、商品名)が、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランにはKBM−5103(信越化学株式会社製、商品名)がある。ビニル基を有するトリアルコキシシランの重量配合部数は、塗材全体に対して0.2〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%であり、0.2重量%未満では塗膜表面にひび割れが生じやすく、2.0重量%超では塗材表面の皮張りが速くなりすぎ、塗材の保存安定性が低下する。0.5重量%未満では低湿度等の施工環境条件によっては塗膜の成膜性が低下する傾向にあり、1.0重量%超では塗材表面の皮張りが早くなり、施工環境条件によっては作業性が低下する傾向にある。
顔料には、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、クロム酸鉛、黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料等が使用できるが、中でも酸化チタンは下地の隠蔽性に優れ、白色であるため主たる顔料として使用することが出来る。顔料の重量配合部数は塗材全体に対して1〜10重量%、好ましくは4〜6重量%であり、1重量%未満では下地の色が透けるなど隠蔽性が不足し、10重量%超だと塗材の粘度が上昇し、塗付作業性が低下する。4重量%未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、6重量%超ではコスト高となる傾向にある。
充填材は、塗材粘度や塗付性の調整を目的として配合し、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、硅砂粉等が使用できるが、重質炭酸カルシウムが安価でコスト的負担を軽減させることが出来る。充填材の重量配合部数は塗材全体に対して5〜20重量%、好ましくは9〜12重量%であり、5重量%未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、20重量%超では塗材粘度が高くなって塗付作業性の不良となる。9重量%未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、12重量%超では冬季等の低温度下では塗付作業性が低下する傾向にある。
増粘剤は、鏝塗り作業性や保水性の向上を目的として配合し、水溶性セルロースエーテル、ウレタン変性ポリオール、ポリカルボン酸等が使用できるが、水溶性セルロースエーテルが取り扱い性の点で適している。水溶性セルロースエーテルとしてはhiメトローズ90SH15000(信越化学株式会社製、商品名)がある。増粘材の重量配合部数は塗材全体に対して0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%であり、0.5%未満では塗材が増粘しないため立ち面への施工時に塗材のダレがおき、所定の意匠性が得られない。5重量%超では塗材粘度が上昇し塗付作業性が不良となり、また塗膜の耐水性が低下する。1重量%未満では温度が高い夏季等において垂直面への施工の際に塗材のダレが生じやすくなる傾向にあり、3重量%超では、塗付作業性が低下する傾向にある。
成膜助剤には、エマルジョンのポリマー粒子の融着を促進し、ポリマーによる均一な皮膜を形成させることを目的で配合し、エチレングリコールジエチルエーテル、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、エステルアルコールが使用される。成膜助剤の重量配合部数は、アクリル樹脂エマルションの固形分に対して5〜25重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。5重量%未満では成膜せず、塗膜のひび割れが発生し、25重量%超では塗膜強度が低下し、耐水性低下によりフクレが発生し、また塗材の貯蔵安定性が低下する。10重量%未満では低温ひび割れ性が低下する傾向にあり、20重量%超では耐フクレ性が低下する傾向にある。
一般式xZnO・ZnPy2(式中xは0≦x≦1を満足する0又は正数、Pyは2−ピリジルチオ−N−オキサイド基を表す。)で示される亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体は、特許第4505549号公報に記載される亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体であって,配合量は塗材全体に対して0.05〜0.5重量%,好ましくは0.08〜0.2重量%であり,0.05重量%未満では,防黴効果が不十分であると共に,色によっては変色する場合が生じる。0.5重量%超では他の金属イオンの影響を受けて変色する場合がある。0.08重量%未満では防黴効果が低下する傾向があり,0.2重量%超では他の金属イオンの影響を受けて変色する場合が生じる傾向にある。市販の該亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体としては,バイオカットZH−40(日本曹達製、商品名,性状:白色懸濁液体,pH6〜9,比重1.15〜1.25)がある。
上記の配合成分の他に、塗材中の巻き込み等による泡を消失させるために消泡剤や、充填材や顔料等を均一に分散させるための分散剤が配合されることがある。
本発明の水系塗材組成物は骨材を含んでいるが、施工にあたっては、パターンローラー、金鏝、吹き付けガン等を使用して、目的としている意匠となるように適切に施工器具を選択し、その意匠に適した塗付量で仕上げる。配合された水系塗材組成物の適正粘度としては、300〜700Pa・sが好ましく、このような粘度とするには、適当量の水を加えることで調整することが出来る。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
実施例及び比較例の塗材の調製
表1の組成に従って、実施例1、2及び比較例1乃至比較例4の水系塗材組成物を調製した。表1において、アクリル樹脂エマルションAはウルトラゾールC−326(固形分48%、Tg16℃、MMA50重量%以上、ガンツ化成株式会社製、商品名),アクリル樹脂エマルションBはアクロナールA754(固形分48%、Tg14℃、MMA50重量%以上、BASFジャパン株式会社製、商品名)とし、成膜助剤としてテキサノールCS−12(チッソ株式会社製、商品名)、骨材には東北硅砂7号を、トリアルコキシシランにはサイラエースS−710(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、チッソ株式会社製、商品名)を、顔料には酸化チタンR−820(石原産業株式会社製、商品名)を、充填材は炭酸カルシウムホワイトンSB(比重2.7、平均粒子径2μm、白石カルシウム株式会社製、商品名)を、増粘剤は水溶性セルロースエーテルhiメトローズ90SH−15000を,亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体として,バイオカットZH−40(日本曹達製、商品名)を,ジンクピリチオン(亜鉛 ピリジン−2−チオール−N−オキシドまたはビス(1−ヒドロキシ−2(H)−ピリジンチオネート)として,ビオサイド7700W((株)タイショーテクノス,商品名,ジンクピリチオン防黴剤)を,チアゾリン系防黴剤はバイオカットTR120(日本曹達(株),商品名,チアゾリン防黴剤)を使用した。この他には消泡剤及び分散剤を添加したが、これらは水系塗材用の市販品より適宜選択されるものを使用することが出来る。成膜助剤のみ各樹脂の必要量添加し、他の原料は所定量混合分散させ水系塗材組成物とした。
Figure 0006139969
評価項目及び評価方法
耐候性
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(70×70mm厚さ8mm)を使用し、シーラーとして溶剤塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/mにて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/mで金鏝を使用して塗付し、同様に23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。試験体は2体づつ作製し、このうち1体をUVテスター(アイスーパーUVテスターSUV−W151、岩崎電気株式会社製)にてUV照射を行った。UV照射条件は、温度63℃、湿度50%RHで24時間UV照射し、その後温度70℃、湿度90%RHで24時間UV照射することを1サイクルとし、トータルで500時間及び1500時間UV照射した。UV照射後の塗膜ともう一体の未照射塗膜の色差を色彩色差計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定した。試験は白色とアンバー色の2色についてそれぞれ上記の試験を行い,その平均値を各実施例または比較例のΔEとした。具体的には、白色は実施例,比較例の各塗材組成物をそのまま使用して試験体を作製し,アンバー色は各塗材組成物100重量部に,AMJ8800(大日精化工業(株),ベンガラ系水系トナー):AMJ8150(大日精化工業(株),オーカー系水系トナー):AMI9700(大日精化工業(株),カーボンブラック系水系トナー)を4:1:1の配合比で混合したものを1重量部加えて均一に撹拌し,これを使用して試験体を作製した。ΔEが500時間及び1500時間ともに3.0未満を○、ΔEが3.0以上を×と判定した。
耐汚染性
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(80×265mm厚さ4mm)を使用し、シーラーとして溶剤型塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/mにて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/mで金鏝を使用して塗付し、同様に温度23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。試験体は2体づつ作製し、そのうちの一体を水平面に対して70度の角度で縦長状に設置した。当該試験体の塗膜面の上部から高さ300mmの位置には、水平面に対して10度の角度で設置された波板(波の幅32mm、長さ500mm)の下端部を配設させ、波板の波底部を流下してくる雨水が、試験体の塗膜上部に落下し、当該雨水が試験体の塗膜下部に自重で流下するようにした。この条件で2ヶ月間屋外に暴露し、雨水によって汚れた塗膜部分と、暴露していないもう一体の試験体塗膜との色差を色彩色差計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定し、当該色差を耐汚染性(ΔE)とした。ΔEが3.0未満を○、ΔEが3.0以上を×とした。
耐フクレ性
JIS A 6909に準拠した方法で試験体を作製した。先ず70×70×20mmモルタルピースにシーラーとして水系アクリル下塗り材(JS−500、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/mにて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/mで金鏝を使用して塗付し、同様に温度23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。当該試験体を、温度23℃18h水浸漬→−20℃3h→50℃3hの温冷繰り返し試験を10サイクル行い、塗材表面の膨れの有無を目視にて確認した。膨れが発生した場合は×、膨れの発生がない場合は○とした。
耐水性
150×150×4mmのフレキシブルボード(JIS A5430規定のフレキシブルボード)を使用し,シーラーとして溶剤塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/mにて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/mで金鏝を使用して塗付し、同様に23℃湿度50%RHで1日間養生して試験体とした。養生後23℃の水に浸漬し、24時間経過後の表面のフクレ、軟化を目視及び指蝕で評価した。異常がない場合は○、異常がある場合は×とした。
低温ひび割れ性(成膜性)
150×150mm厚さ2mmのガラス板の周縁に厚さ2mm×幅7mmのスペーサーを貼り付け、その内側の表1の水系塗材組成物を均一な厚みになるようにヘラで塗付し、直ちに5℃の恒温槽内に水平に載置した。48時間経過後、恒温槽から取り出し目視にて、塗膜表面にクラックが生じているものを×とし、クラックが無いものを○とした。
金属変色性
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(150×150mm、厚さ8mm)に、表1記載の実施例及び比較例の水系塗材組成物を、金鏝を使用して,1.0kg/mにて金鏝の金属面が,水系塗材組成物に配合されている骨材で削られるように強く擦りつけながら塗付する。直ちに該金鏝の動線に沿って変色があるかどうかを目視にて判定する。変色が無い場合を○,わずかでも変色があるものを×と評価した。
貯蔵安定性
実施例1,実施例2及び比較例1乃至比較例4の水性塗材組成物各500gを500ccポリ容器に密閉して3ヶ月保存し,腐敗が生じたものを×,腐敗が生じなかったものを○と評価した。
評価結果
評価結果を表2に記載する。
Figure 0006139969

Claims (1)

  1. メチルメタクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと,表面に水酸基を有する骨材と,ビニル基を有するトリアルコキシシランと,顔料と,充填材と,増粘剤と,成膜助剤と,一般式xZnO・ZnPy2(式中xは0≦x≦1を満足する0又は正数、Pyは2−ピリジルチオ−N−オキサイド基を表す。)で示される亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体とから成り,前記表面に水酸基を有する骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記亜鉛ピリチオン又は亜鉛ピリチオン・非晶質酸化亜鉛複合化合物と平均粒子径0.01〜0.15μmの超微粒酸化亜鉛を含む水懸濁液又は水性ペーストをpH8〜10で処理して得られる亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体が塗材全体に対して0.05〜0.5重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して5〜25重量%配合されて成ることを特徴とする水系塗材組成物。
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