JP6139759B1 - 細胞採取用器具 - Google Patents

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【課題】卵管采部の細胞を採取する細胞採取用器具であって、安全に使用でき、細胞サンプルが確実に採取できるものを提供すること。【解決手段】細胞採取用器具1は、ガイドワイヤ7と、撮像具を有しガイドワイヤ7を挿通するガイドワイヤルーメン4dが設けられた撮像カテーテル4と、撮像カテーテル4が挿通されるフレキシブルなカテーテルチューブ2と、カテーテルチューブ2の外周に設けられ表面に凸条を有する拡縮可能なバルーン8とを備える。撮像カテーテル4を用いてガイドワイヤ7とカテーテルチューブ2とを安全に挿入することができ、バルーン8を用いて細胞サンプルを採取することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、卵管内に挿入して細胞を採取するための細胞採取用器具に関する。
卵巣癌は、女性に特有の悪性腫瘍であり、初期症状がほとんどなく、症状が無いまま進行することで死亡率が高いと言われている。そこで、卵巣癌の早期発見のために卵巣、特に卵管采部から細胞サンプルを採取する外科的処置が行われる。特許文献1には、カテーテルを挿入し、カテーテルの先端に設けられたバルーンを拡張させ、その近傍を洗浄し、洗浄液を回収することで、卵管から細胞サンプルを回収する器具が開示されている。しかし、洗浄液内に細胞サンプルが残存することが保証されず、確実な採取が行えるものではない。また、卵管采の近位までカテーテルを安全に挿入する方法については不明である。
特開2016−511023号公報
本発明は、卵管采部の細胞を採取する細胞採取用器具であって、安全に使用でき、細胞サンプルが確実に採取できるものを提供することを課題とする。
本発明の細胞採取用器具は、
卵管内に挿入して卵管内の細胞を採取するための細胞採取用器具であって、
ガイドワイヤと、
撮像具を有し、前記ガイドワイヤを挿通するガイドワイヤルーメンが設けられた撮像カテーテルと、
前記撮像カテーテルが挿通されるフレキシブルなカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの外周に設けられ表面に凸条を有する拡縮可能なバルーンとを備えることを特徴とする。
これによれば、撮像カテーテルを用いて安全にガイドワイヤを挿入することができる、その後、ガイドワイヤに沿って安全にカテーテルチューブを挿入することができる。挿入後に、バルーンを拡張し、回転させて、凸条により細胞を採取することができる。
本発明の細胞採取用器具は、
前記凸条は、前記カテーテルチューブの軸に平行な方向に延設されることを特徴とする。
これによれば、凸条は、カテーテルチューブの軸に平行な方向に延設される。それにより、バルーンは、収縮した際に凸条が重ならずに細くなり、カテーテルチューブの外周に対してあまり太くならない。
本発明の細胞採取用器具は、
前記カテーテルチューブは、前記バルーンよりも先端側に易湾曲部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞採取用器具。
これによれば、カテーテルチューブの先端が容易に湾曲するので、卵管采部の卵管が湾曲した箇所においても、カテーテルチューブが確実に挿入され、バルーンの先で撮像カテーテルが湾曲している場合にも、バルーンによって卵管采部の細胞を採取することができる。
本発明の細胞採取用器具は、安全に使用でき、卵管采部の細胞サンプルを確実に採取できる。
図1は、細胞採取用器具の全体構成を示す図である。 図2は、撮像カテーテルを示す側面図である。 図3は、細胞採取用器具の断面を示す図である。 図4は、子宮への細胞採取用器具の挿入を示す図である。 図5は、バルーンを拡張した状態を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(構成の説明)
図1に、細胞採取用器具1の全体構成を示す。図1における左右方向を横方向、図1における上下方向を縦方向とする。細胞採取用器具1は、卵管内に挿入して卵管内の細胞を採取するための器具であり、カテーテルチューブ2、コネクタ3、ファイバースコープ4、光源5、撮像装置6、ガイドワイヤ7及びバルーン8から構成される。なお、図には、カテーテルチューブ2にファイバースコープ4及びガイドワイヤ7を挿通した状態を示している。
カテーテルチューブ2は、卵管内に挿入してバルーン8等を卵管内にガイドするためのフレキシブルな管状部材である。カテーテルチューブ2は、例えば直径2.0mmの円形状の断面を有し、その内に管部2aが設けられている。管部2aは、例えば直径1.5mmの円形状の断面を有し、後述するファイバースコープ4及びガイドワイヤ7が挿通される。
カテーテルチューブ2の先端には、易湾曲部2bを備える。易湾曲部2bは、側方からの力に対してカテーテルチューブ2よりも大きく湾曲する。例えば、チューブを薄くすることや、柔軟性の高い材質でチューブを形成することにより、形成される。易湾曲部には後述する送排気用チューブ8bが不要であり、カテーテルチューブ2本体よりも細径(例えば1.5mm)とすることができる。易湾曲部の意義については後述する。
コネクタ3は、ファイバースコープ4等をカテーテルチューブ2に挿通するための部材である。コネクタ3は、図面横方向を長手とする管状部材であり、図面右側の先端にカテーテルチューブ2の基端を固定する固定部(不図示)、図面左側の基端に手指でコネクタ3を支持するためのフランジ3a、及び上面に左上に向かって延びるポート3bが設けられている。第1及び第2のファイバースコープ4、14をコネクタ3の基端から挿入し、コネクタ3を介して管部2bに挿通することができる。また、バルーンカテーテル8をポート3bから挿入して、コネクタ3を介して管部2cに挿通することができる。
ファイバースコープ4は、卵管内を撮像するための撮像カテーテルの一例である。図2に、ファイバースコープ4(撮像カテーテル)を側面図で示す。ファイバースコープ4は、レンズ部4b、光ファイバ(不図示)、照明部4c、及びガイドワイヤルーメン4dを有する。なお、レンズ部4bの一面、照明部4cを構成する光ファイバ群の先端等により、先端面4aが形成されている。先端面4aの最大幅(すなわち、縦方向の幅)は、例えば1.2mmである。
レンズ部4bは、光を集光する光学レンズであり、一面が先端面4a上に配置されている。
光ファイバ(不図示)は、レンズ部4bにより集光された光を後述する撮像装置6に送る。光ファイバの先端は、レンズ部4bの裏面に対向して配置され、他端は撮像装置6に接続する。
照明部4cは、照明光を放出して撮像対象を照明する。照明部4cは、複数の光ファイバを含む光ファイバ群であり、後述する光源5からの光を先端面4aから放出する。
ガイドワイヤルーメン4dは、一軸方向(すなわち、横方向)に延びる管状部材であり、照明部4cの先端の一側(図中上側)に一体的に形成されている。ガイドワイヤルーメン4dの直径は、例えば0.3mmであり、その内部に後述するガイドワイヤ7を挿通することができる。なお、ガイドワイヤルーメン4dは、ガイドワイヤ7を挿通することができるものであれば、円筒形状等、任意の形状でよい。
光源5は、例えば白色光を発生し、これを照明光として照明部4cに送る照明装置である。光源5として、例えばLEDを採用することができる。それにより、照明光を照明部4cから放射して卵管内を照明することができる。
撮像装置6は、レンズ部4bが集光した光を受光して撮像する装置である。撮像装置6として、例えばCCDイメージセンサを採用することができる。撮像装置6により卵管内を撮像することができる。
以上、ファイバースコープ4、光源5及び撮像装置6により、ファイバースコープ4の先端部分を撮像することができる。
ガイドワイヤ7は、カテーテルチューブ2をガイドするワイヤ状の部材である。ガイドワイヤ7は、ファイバースコープ4のガイドワイヤルーメン4dに挿通可能である。ガイドワイヤ7の直径は、例えば0.2mmである。
図3に、細胞採取用器具の断面(図1におけるC−C線の切断面)を示す。管部2aには、送排気用チューブ8bが設けられ、ファイバースコープ4及びガイドワイヤ7が挿通されている。
バルーン8は、卵管内の細胞を採取するための採取装置であり、送排気用チューブ8bからの送排気によって拡張・縮小する。
バルーン8は、卵管内の細胞を採取するための拡縮可能且つ回動可能な袋状の部材である。バルーン8は、例えばポリエステル等の柔軟な素材から構成され、長さ10mm及び直径(幅w3=)1.5mmの円柱状に収縮し、また長さ10mm及び直径6mmの略楕円球状に拡張する。なお、拡張時におけるバルーン8の形状は、楕円球に限らず、球、円錐等、任意の形状でよい。バルーン8は、表面に例えば3つの凸条8aが設けられている。
3つの凸条8aは、例えば、プラスチックから構成された高さ約0.1mmの三角形状の凸状部材であり、バルーン8がカテーテルチューブ2から送り出される方向(すなわち、横方向)に直交する面内においてバルーン8の周囲に等間隔で配設され、横方向にストライプ状にバルーン8の表面に延設されている。それにより、卵管内でバルーン8を図5(B)における矢印方向に回動操作することで凸条8aにより卵管内面の細胞を効率良く掻き取る又は擦り取ることができるとともに、バルーン8が収縮した際に細くなる。
なお、凸条8aの数は、3に限らず、1、2、4、6等、任意の数でよい。また、凸条8aは、バルーン8と別個に構成してその表面に設けるに限らず、バルーン8と一体的に構成してもよい。例えば、バルーン8に山折りの折り目を設けてこれを凸条8aとしてもよい。また、凸条8aの断面形状は三角形に限らず、四角形、半円等、任意の凸形状でよい。
送排気用チューブ8cは、バルーン8内に空気を送入するとともに及びバルーン8から空気を排気(吸引)するための管状部材である。送排気用チューブ8cの先端はバルーン8の一端に接続され、基端はシリンジ9に接続されている。それにより、シリンジ9を用いて送排気用チューブ8cを介してバルーン8に空気を送込むことでバルーン8を拡げ、バルーン8から空気を吸引することでバルーン8を縮めることができる。
(使用方法の説明)
細胞採取用器具1の使用方法について説明する。
(目標とする状態)
図4に、子宮10への細胞採取具の挿入状態を示す。細胞採取具1を、図4に示す状態を目標として子宮に挿入し、細胞を採取する。
ファイバースコープ4の先端は、卵管采11に到達していることが好ましい。この状態で、バルーン8を回転させて卵管采部の、ファイバースコープの先端からdだけ手前の細胞を採取する。後述のように、dの値を制御することができ、所望箇所の細胞を採取することができる。
挿入経路(卵管)は、特に卵管采部11において湾曲している。また、卵管峡部12において直径2mm程度と狭い。卵管内部を傷つけずに挿入するには、以下の手順が好ましい。
(挿入手順)
最初に、ガイドワイヤ7をファイバースコープ4のガイドワイヤルーメン4dに挿通する。
この状態で、ファイバースコープ4とガイドワイヤ7を卵管内に送り出す。このとき、ファイバースコープ4には光源5及び撮像装置6が接続されているものとする。ガイドワイヤ7の先端を卵管采まで挿入するものとする。光源5をオンにして照明部4cにより卵管内を照明し、撮像装置6により卵管内を撮像しながら送り出す。
ガイドワイヤ7の先端は図1に示したようにシェイピングされ、湾曲している。卵管が湾曲していると撮像装置6により、湾曲方向が視認できるので、ガイドワイヤ7を回転して先端の方向を湾曲の方向に合わせて挿入する。これにより、ガイドワイヤ7を安全に挿入することができる。
次に、カテーテルチューブ2を、ファイバースコープ4及びガイドワイヤ7を挿通させて、卵管内に送り出す。カテーテルチューブ2がファイバースコープ4の先端位置に到達すると撮像装置6により撮像されるので、ファイバースコープ4及びガイドワイヤ7を超えて挿入されないようにすることができる。
カテーテルチューブ2は、ガイドワイヤ7によってガイドされ、安全に挿入される。この際、カテーテルチューブ2の先端の易湾曲部2bが最初に挿入されるので、例えば卵管峡部12のように細径のところにカテーテルチューブ2を通す場合にも、挿入によって卵管内を傷つけてしまうことがない。
ここで、以下に留意するとよい。カテーテルチューブ2の先端から更に突出しているファイバースコープ4とガイドワイヤ7とは、ガイドワイヤルーメン4dによって位置が合わせられている。しかし、ガイドワイヤルーメン4b全体が突出している場合には、カテーテルチューブ2の内部とガイドワイヤルーメン4dとの間でファイバースコープ4とガイドワイヤ7とが遊離することがある。この場合には、カテーテルチューブ2を挿入することが困難となってしまう。したがって、ファイバースコープ4とガイドワイヤ7を卵管采まで一気入して、カテーテルチューブ2をそこに挿入することは必ずしも好ましくない。ファイバースコープ4とガイドワイヤ7を短距離だけ(例えばガイドワイヤルーメン4dの長さだけ挿入することと、カテーテルチューブ2を同距離だけ挿入することとを繰り返すことが好ましい。
(採取手順)
細胞を採取するため、バルーン8を採取箇所に配する必要がある。採取箇所は、ファイバースコープ4の先端よりも距離dだけ手前の箇所とする。例えばファイバースコープ4を卵管采の先端まで挿入し、それよりもd=10mmだけ手前の箇所の細胞を採取することができる。
カテーテルチューブ2をファイバースコープ4と同一深さまで(あるいはファイバースコープ4の射角に依存して定まる視認できる深さだけ深く)挿入すると、カテーテルチューブ2を視認することができる。この時点でカテーテルチューブ2の位置が判明するので、そこから所定距離だけカテーテルチューブ2を引き戻すことでファイバースコープ4の先端よりも距離dだけ手前の箇所にバルーン8の中心を配することができる。
なお、カテーテルチューブ2をファイバースコープ4よりも深く挿入することは、好ましくない。してみれば、カテーテルチューブ2の先端とバルーン8の距離Dが、D≦dとなるように設計することが好ましい。
バルーン8を採取箇所に配した後、シリンジ9を用いて送排気用チューブ8cを介してバルーン8に空気を送り込んでバルーン8を拡張する。図5にバルーンを拡張した状態を示す。この状態でバルーン8を回転させると、図5(B)に示すように、凸条8aが卵管内を擦過する。細胞が卵管から離脱してバルーン8に付着する。
次に、シリンジ9を用いて送排気用チューブ8cを介してバルーン8から空気を吸引してバルーン8を縮める。
最後に、カテーテルチューブ2、ファイバースコープ4及びガイドワイヤ7を人体から抜去する。採取された細胞がバルーン8に付着して回収される。
以上詳細に説明したように、本実施例に係る細胞採取用器具1は、安全に使用でき、細胞サンプルが確実に採取できる。
卵管采部の細胞を採取する細胞採取用器具であって、安全に使用でき、細胞サンプルが確実に採取できるものである。多くの医療従事者による利用が考えられる。
1 細胞採取用器具
2 カテーテルチューブ
2a 管部
2b 易湾曲部
3 コネクタ
3a フランジ
3b ポート
4 ファイバースコープ
4a 先端面
4b レンズ部
4c 照明部
4d ガイドワイヤルーメン
5 光源
6 撮像装置
7 ガイドワイヤ
8 バルーン
8a 凸条
8b 送排気用チューブ
9 シリンジ
10 子宮
11 卵管采
12 卵管峡部

Claims (3)

  1. 卵管内に挿入して卵管内の細胞を採取するための細胞採取用器具であって、
    ガイドワイヤと、
    撮像具を有し、前記ガイドワイヤを挿通するガイドワイヤルーメンが設けられた撮像カテーテルと、
    前記撮像カテーテルが挿通されるフレキシブルなカテーテルチューブと、
    前記カテーテルチューブの外周に設けられ表面に凸条を有する拡縮可能なバルーンとを備えることを特徴とする細胞採取用器具。
  2. 前記凸条は、前記カテーテルチューブの軸に平行な方向に延設されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞採取用器具。
  3. 前記カテーテルチューブは、前記バルーンよりも先端側に易湾曲部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞採取用器具。
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