JP6138572B2 - 船舶、船舶の改造方法、排ガス処理システムの取付方法及び取外し方法 - Google Patents

船舶、船舶の改造方法、排ガス処理システムの取付方法及び取外し方法 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス処理システムを備える船舶、船舶の改造方法、排ガス処理システムの取付方法及び排ガス処理システムの取外し方法に関するものである。
従来、船舶におけるエンジンから排気される排気ガスを浄化する排気ガス浄化システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この排気ガス浄化システムは、船舶に既に搭載された構成となっている。
国際公開第2010/032739号パンフレット
ところで、既設の船舶は、排ガス処理システムを備えていない場合がある。このため、既設の船舶を使用する場合、排ガスの環境基準を満たすべく、排ガス処理システムを追設する必要がある。しかしながら、排ガス処理システムを追設する場合、排ガス処理システムを構成する各種機器は、設置スペースを確保すべく、船舶内外に分散して配置されることになる。このため、船舶に排ガス処理システムを追設するための工事が、大幅な変更を伴う工事となり、追設工事の費用が増大する可能性がある。
そこで、本発明は、排ガス処理システムを、容易に取り付けまたは取り外し可能とすることで、追設工事の費用を抑制することができる船舶、船舶の改造方法、排ガス処理システムの取付方法及び排ガス処理システムの取外し方法を提供することを課題とする。
本発明の船舶は、船舶の煙突に接続され、前記煙突を通過する前記排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化され、前記浄化装置と前記付帯設備とが接続されると共に、前記船舶の暴露面に設置されるパッケージ収容体と、を有する排ガス処理システムを備えることを特徴とする。
この構成によれば、浄化装置と、付帯設備が収容されたパッケージ収容体と、を船舶の暴露面に設置することで、煙突を通過する排ガスを浄化する排ガス処理システムを容易に構築することができる。このため、排ガス処理システムを船舶に追設する追設工事の費用を抑制することができる。また、船舶の暴露面から、浄化装置と、付帯設備が収容されたパッケージ収容体とを取り外すことで、排ガス処理システムを船舶から容易に取り外すことができる。このため、船舶が廃船または売船される場合であっても、排ガス処理システムを船舶から取り外し、排ガス処理システムを再利用することが可能となるため、排ガス処理システムを有効に利用することができる。
また、前記パッケージ収容体は、海上コンテナであることが好ましい。
この構成によれば、規格の海上コンテナを用いることができるため、排ガス処理システムの製造コストを抑制することができる。
また、前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排ガス処理システムは、前記排液に添加される中和剤を溜める中和剤タンクを有し、前記中和剤タンクは、喫水線よりも上方側に設置されることが好ましい。
この構成によれば、中和剤タンクを喫水線よりも上方側に設置することができるため、中和剤タンクを海水と接する船底から遠くなる位置に設けることができる。このため、中和剤は、海水によって冷やされ難くなることから、凝固することを抑制することができる。なお、中和剤として、例えば、苛性ソーダを用いる場合、苛性ソーダの凝固点は、10℃程度であることから、中和剤タンクを喫水線よりも上方側に設置することで、苛性ソーダの凝固を抑制することができる。
また、船舶内部と船舶外部との間に架け渡される車両が通行可能なランプと、ランプから船舶内部に乗り込む車両を支持する乗込み甲板と、をさらに備え、中和剤タンクは、乗込み甲板上に設置されることが好ましい。
この構成によれば、剛性が高くなるように設計された乗込み甲板上に、中和剤タンクを設置することができる。このため、中和剤タンクの設置に際し、設置部分の補強工事を行う必要がないため、排ガス処理システムの追設工事の費用をさらに抑制することができる。
また、前記中和剤タンクは、可搬式のタンクであることが好ましい。
この構成によれば、規格の可搬式のタンクを中和剤タンクとして用いることができるため、専用の中和剤タンクを製造する必要がなく、排ガス処理システムの製造コストを抑制することができる。
また、前記中和剤タンクは、船殻構造のタンクであることが好ましい。
この構成によれば、中和剤タンクを船舶と同様の構造にすることができるため、例えば、新造される船舶と同等の剛性の高い中和剤タンクを、船舶と一体に設けることが可能となる。
また、前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排ガス処理システムは、前記排液を排液処理水とスラッジとに分離する排液処理装置と、前記スラッジを溜めるスラッジタンクと、をさらに有することが好ましい。
この構成によれば、排液処理装置によって排液からスラッジを分離させることで、排出物の容積を小さくすることができるため、スラッジタンクの容積を小さくすることができる。
また、船舶内部と船舶外部との間に架け渡される車両が通行可能なランプと、前記ランプから前記船舶内部に乗り込む前記車両を支持する乗込み甲板と、をさらに備え、前記スラッジタンクは、前記乗込み甲板上に設置されることが好ましい。
この構成によれば、剛性が高くなるように設計された乗込み甲板上に、スラッジタンクを設置することができる。このため、スラッジタンクの設置に際し、設置部分の補強工事を行う必要がないため、排ガス処理システムの追設工事の費用をさらに抑制することができる。
また、前記スラッジタンクは、可搬式のタンクであることが好ましい。
この構成によれば、規格の可搬式のタンクをスラッジタンクとして用いることができるため、専用のスラッジタンクを製造する必要がなく、排ガス処理システムの製造コストを抑制することができる。
また、前記スラッジタンクは、船殻構造のタンクであることが好ましい。
この構成によれば、スラッジタンクを船舶と同様の構造にすることができるため、例えば、新造される船舶と同等の剛性の高いスラッジタンクタンクを、船舶と一体に設けることが可能となる。
また、前記パッケージ収容体と前記暴露面との間には、前記暴露面に対して前記パッケージ収容体を着脱可能に固定する締結機構が設けられることが好ましい。
この構成によれば、パッケージ収容体を暴露面に対して容易に着脱することが可能となる。なお、締結機構としては、例えば、ツイストロックが適用される。
また、前記パッケージ収容体は、内部に収容される内部配管と、前記内部配管に接続され、前記内部配管から前記パッケージ収容体の壁体に亘って設けられる貫通配管と、をさらに有し、前記排ガス処理システムは、前記パッケージ収容体の前記内部配管に接続される外部配管と、前記貫通配管と前記外部配管とを接続する可撓性のフレキシブル配管と、を有することが好ましい。
この構成によれば、フレキシブル配管により貫通配管と外部配管とを接続することができるため、貫通配管と外部配管との相互の位置の微調整を行う必要がなく、貫通配管と外部配管と好適に接続することができる。また、船舶の振動による貫通配管と外部配管との相互の位置ずれを、フレキシブル配管において吸収することができるため、貫通配管と外部配管との接続を好適に維持することができる。
また、海水を汲み上げる海水ポンプを、さらに備え、前記付帯設備は、前記海水ポンプによって汲み上げた前記海水を加圧するブーストポンプを有し、前記ブーストポンプを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記ブーストポンプを収容しない前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面よりも下方側となっていることが好ましい。
この構成によれば、海水ポンプで汲み上げた海水を、ブーストポンプにより加圧して、鉛直方向の上方側にあるパッケージ収容体の付帯設備に供給することができる。このため、海水ポンプの吐出圧が低い場合であっても、ブーストポンプにより加圧して、海水を利用する付帯設備に好適に供給することができ、排ガス処理システムの効率化を図ることができる。
また、前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排液を内部に溜める排液タンクを有し、前記付帯設備は、前記排液タンク内の前記排液を汲み上げる排液ポンプを有し、前記排液ポンプを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記浄化装置が設置される暴露面以下となっていることが好ましい。
この構成によれば、排液タンク内の排液を、排液ポンプにより容易に汲み上げることができ、排ガス処理システムの効率化を図ることができる。
また、前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排液を内部に溜める排液タンクを有し、前記付帯設備は、前記排液タンク内に注入する中和剤を一時的に溜めるサージタンクを有し、前記サージタンクを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記浄化装置が設置される暴露面よりも上方側となっていることが好ましい。
この構成によれば、サージタンク内の中和剤を、排液タンクへ向けて重力により注入することができるため、中和剤を供給するための駆動源を設ける必要がなく、排ガス処理システムの効率化を図ることができる。
本発明の船舶の改造方法は、船舶に排ガス処理システムを設置する船舶の改造方法において、前記船舶の煙突を撤去する煙突撤去工程と、主排ガス流路と分岐排ガス流路とを有する煙突を設置する煙突設置工程と、船舶の暴露面に、排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化されたパッケージ収容体と、を取り付ける取付工程と、前記浄化装置と、前記パッケージ収容体に収容される前記付帯設備とを接続する接続工程と、を備えることを特徴とする船舶の改造方法。
この構成によれば、既設の船舶に設けられる煙突が分岐排ガス流路を有しない場合、排ガス処理システムを接続可能な煙突に取り替えることができる。この後、浄化装置と、付帯設備が収容されたパッケージ収容体と、を船舶の暴露面に設置することで、煙突を通過する排ガスを浄化する排ガス処理システムを容易に設置することができる。このため、排ガス処理システムを船舶に追設する追設工事の費用を抑制することができる。
また、前記取付工程では、前記船舶の主機関を制御する機関室に、前記排ガス処理システムの制御装置を設置することが好ましい。
この構成によれば、排ガス処理システムの制御装置を機関室に設置することができるため、機関室において排ガス処理システムの制御を実行することができる。
本発明の他の排ガス処理システムの取付方法は、排ガスを排出可能な煙突を有する船舶に、排ガス処理システムを取り付ける排ガス処理システムの取付方法において、前記煙突が、前記排ガスが通過する主排ガス流路から分岐する分岐排ガス流路を有する場合、前記船舶に形成される暴露面に、前記排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化されたパッケージ収容体と、を取り付ける取付工程と、前記浄化装置と、前記パッケージ収容体に収容される前記付帯設備とを接続する接続工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、新造の船舶の煙突に分岐排ガス流路が予め設けられる場合、浄化装置と、付帯設備が収容されたパッケージ収容体と、を船舶の暴露面に設置することで、煙突を通過する排ガスを浄化する排ガス処理システムを容易に設置することができる。このため、排ガス処理システムを船舶に追設する追設工事の費用を抑制することができる。
また、前記取付工程では、前記船舶の主機関を制御する機関室に、前記排ガス処理システムの制御装置を設置することが好ましい。
この構成によれば、排ガス処理システムの制御装置を機関室に設置することができるため、機関室において排ガス処理システムの制御を実行することができる。
本発明の排ガス処理システムの取外し方法は、排ガスを排出可能な船舶の煙突に接続された排ガス処理システムを取り外す排ガス処理システムの取外し方法において、前記船舶に形成される暴露面に設置された、前記排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化されたパッケージ収容体との接続を解除する接続解除工程と、前記船舶に形成される暴露面から、前記浄化装置と前記パッケージ収容体とを取り外す取外し工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、船舶の暴露面から、浄化装置と、付帯設備が収容されたパッケージ収容体と、を取り外すことで、船舶に取り付けられた排ガス処理システムを、容易に取り外すことができる。このため、船舶から排ガス処理システムを取り外す撤去工事の費用を抑制することができる。また、取り外した浄化装置及びパッケージ収容体は、再利用することが可能となるため、排ガス処理システムを有効に利用することができる。
図1は、実施例1に係る排ガス処理システムを備える船舶の船尾側の概略構成図である。 図2は、船舶の暴露面を上方から見たときの平面図である。 図3は、船舶の乗込み甲板を上方から見たときの平面図である。 図4は、排ガス処理システムの系統を示す説明図である。 図5は、コンテナの内外における配管の接続を示す説明図である。 図6は、排ガス処理システムの制御系を示す説明図である。 図7は、船舶に排ガス処理システムを取り付ける一例のフローチャートである。 図8は、船舶に排ガス処理システムを取り付ける一例のフローチャートである。 図9は、船舶から排ガス処理システムを取り外す一例のフローチャートである。 図10は、実施例2に係る排ガス処理システムの中和剤タンク及びスラッジタンクを上方から見たときの平面図である。 図11は、図10のA−A断面図である。 図12は、図10のB−B断面図である。
以下に、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る排ガス処理システムを備える船舶の船尾側の概略構成図である。図2は、船舶の暴露面を上方から見たときの平面図である。図3は、船舶の乗込み甲板を上方から見たときの平面図である。図4は、排ガス処理システムの系統を示す説明図である。図5は、排ガス処理システムの制御系を示す説明図である。
図1に示すように、実施例1の船舶は、煙突から排出される排ガスを処理する排ガス処理システムを搭載した船舶である。この排ガス処理システム20は、船舶として、例えば、自動車運搬船1に搭載されている。以下では、自動車運搬船1に排ガス処理システム20を適用した場合について説明する。なお、実施例1では、自動車運搬船1に適用して説明するが、自動車運搬船1に限らず、例えば、タンカーまたは乗客船等の船舶に適用してもよく、特に限定されない。
自動車運搬船1(以下、運搬船1という)は、船舶本体2と、排ガス処理システム20とを備える。船舶本体2は、その上甲板の上面が暴露面P1となっている。船舶本体2は、船舶内部に設けられる主機関5と、排ガスを外部へ排出する煙突6と、主機関5から排出される排ガスを煙突6へ導く排ガス管7と、を有する。主機関5は、船舶の駆動源となっており、船尾に設けられているスクリュープロペラ8を回転駆動させることで、船舶を進ませる。
煙突6は、暴露面P1から上方に突出して設けられている。煙突6は、主排ガス流路11と、分岐排ガス流路12と、排ガスチャンバ13とを有している。主排ガス流路11は、船舶内部から排出される排ガスを外部へ排出する流路であり、複数設けられている。複数の主排ガス流路11のうち、その1つの主排ガス流路11は、主機関5の排ガスが流れる排ガス管7に接続されている。また、複数の主排ガス流路11のうち、その他の主排ガス流路11は、船舶内部に設けられる発電設備またはボイラー等から排出される排ガスを案内する排ガス管7(図2及び図3参照)に接続されている。分岐排ガス流路12は、主排ガス流路11から分岐して排ガス処理システム20へ向かう流路であり、複数の主排ガス流路11に応じて複数設けられている。複数の分岐排ガス流路12は、排ガスチャンバ13に接続されている。排ガスチャンバ13は、複数の分岐排ガス流路12から流入する排ガスを溜める空間であり、船舶内部に設けられる主機関5、発電設備及びボイラー等から排出された排ガスが混合される。また、この煙突6には、複数の主排ガス流路11及び複数の分岐排ガス流路12にそれぞれ開閉弁14が設けられている。そして、これら開閉弁14が適宜制御されることで、主排ガス流路11を通過させて排ガスを外部へ排出したり、分岐排ガス流路12を通過させて排ガスを排ガス処理システム20へ流通させたりする。
また、船舶本体2は、船尾の右舷側に設けられるランプ15と、船舶内部に設けられる乗込み甲板16と、船舶内部に設けられるエンジンケーシング17と、受入設備18と、海水ポンプ19とを有している。ランプ15は、船舶外部と船舶内部との間に架け渡され、運搬車両が通行可能な斜路となっている。乗込み甲板16は、ランプ15から船舶内部に乗り込んだ運搬車両を支持する甲板となっており、他の階層の甲板に比して剛性の高い支持構造となっている。エンジンケーシング17は、乗込み甲板16から煙突6へ向かう鉛直方向に亘って、排ガス管7の周りを囲むように設けられている。このエンジンケーシング17内に、主機関5、発電設備及びボイラー等から排出された排ガスが流通する排ガス管7が配置される。受入設備18は、使用される燃料等を船内に供給したり、船内で発生した廃棄物を船外へ排出するための設備である。なお、この受入設備18は、後述する中和剤タンク23への中和剤の供給、及びスラッジタンク24からのスラッジの船外排出を中継するためにも利用される。海水ポンプ19は、海中から海水を汲み上げるポンプであり、汲み上げた海水を、排ガス処理システム20へ向けて供給する。
次に、排ガス処理システム20について説明する。排ガス処理システム20は、スクラバ装置(浄化装置)21と、スクラバ装置21の付帯設備を内部に収容する複数のコンテナ(パッケージ収容体)22と、中和剤タンク23と、スラッジタンク24とを有している。スクラバ装置21と複数のコンテナ22とは、船舶本体2の暴露面P1上に配置されている。一方で、中和剤タンク23とスラッジタンク24とは、船内に設けられている。
スクラバ装置21は、浄化用処理液としての清水と、内部に導入される排ガスとを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液としている。浄化ガスは、スクラバ装置21の上部に設けられる排気口21aから排出される。スクラバ装置21には、排ガス流入管25が接続されている。排ガス流入管25は、その一端が煙突6の排ガスチャンバ13に接続され、その他端がスクラバ装置21に接続されている。そして、スクラバ装置21には、排ガス流入管25を介して排ガスチャンバ13から排ガスが流入する。また、スクラバ装置21の内部には、排液を溜める排液タンク30が設けられている。
複数のコンテナ22は、各々がISO規格の海上コンテナで構成されている。図2に示すように、各コンテナ22と暴露面P1との間には、暴露面P1に対してコンテナ22を着脱可能に固定するツイストロック(締結機構)27が設けられている。複数のコンテナ22は、実施例1において、第1コンテナ22a、第2コンテナ22b及び第3コンテナcの3つ設けられ、3つのコンテナ22a,22b,22cには、付帯設備がそれぞれ収容されている。
図4に示すように、第1コンテナ22aに設けられる付帯設備としては、ブーストポンプ31と、排液ポンプ32とが設けられている。ブーストポンプ31は、海水ポンプ19で汲み上げた海水を加圧するポンプである。排液ポンプ32は、スクラバ装置21の排液タンク30内の排液を汲み上げるポンプである。
第2コンテナ22bに設けられる付帯設備としては、サージタンク33と、排液処理装置34とが設けられている。サージタンク33は、スクラバ装置21の排液タンク30へ向けて注入する中和剤を一時的に溜めるタンクである。中和剤としては、例えば、苛性ソーダが用いられ、酸性となる排液のpHを所定のpHとしている。排液処理装置34は、スクラバ装置21の排液タンク30内の排液を処理している。排液処理装置34は、図示しないフィルタ等の分離装置により、供給された排液を、排液処理水とスラッジとに分離し、分離した排液処理水を船舶本体2に設けられた排水口41から排水すると共に、分離したスラッジをスラッジタンク24へ向けて供給する。
第3コンテナ22cに設けられる付帯設備としては、造水装置35が設けられている。造水装置35は、海水ポンプ19により汲み上げた海水を、淡水化して清水を生成し、生成した清水を各部へ供給している。造水装置35は、生成した清水を、例えば、スクラバ装置21の排液タンク30に供給する。
ここで、図1に示すように、3つのコンテナ22a,22b,22cのうち、第1コンテナ22aは、スクラバ装置21の設置面(暴露面P1)と同じ設置面となっており、また、第2コンテナ22b及び第3コンテナ22cよりも下方側に位置している。このため、ブーストポンプ31を収容する第1コンテナ22aの設置面は、第2コンテナ22b及び第3コンテナ22cの設置面よりも下方側に位置することになる。また、排液ポンプ32を収容する第1コンテナ22aの設置面は、スクラバ装置21の設置面と同じ高さとなる。さらに、サージタンク33を収容する第2コンテナ22bの設置面は、スクラバ装置21の設置面よりも上方側に位置することになる。
また、図2に示すように、3つのコンテナ22a,22b,22cのうち、第1コンテナ22aは、水平面内において、スクラバ装置21に隣接して設けられている。また、第2コンテナ22bは、第1コンテナ22aと比べてスクラバ装置21から遠い側に配置され、第3コンテナ22cは、第2コンテナ22bと比べてスクラバ装置21から遠い側に配置されている。
中和剤タンク23は、上記したように乗込み甲板16に設置されると共に、ランプ15の反対舷(左舷)側に設けられている。中和剤タンク23は、規格の可搬式のタンクで構成されている。なお、可搬式の中和剤タンク23であれば、船板を介して海水と中和剤とが接触することがなく、中和剤が凝固し難いことから、中和剤タンク23は、喫水線よりも上方側に設置されてもよいし、下方側に設置されてもよい。中和剤タンク23は、サージタンク33へ供給される中和剤を溜めており、中和剤タンク23とサージタンク33との間に設けられたポンプユニット39により、中和剤タンク23の中和剤がサージタンク33へ向けて供給される。また、中和剤タンク23は、受入設備18に接続されている。この受入設備18には、トレーラまたはバージ等の外部の供給設備28aから延びる供給ホース29aが接続され、外部の供給設備28aは、供給ホース29a及び受入設備18を経由して、中和剤タンク23に中和剤を供給する。
スラッジタンク24も、上記したように乗込み甲板16に設置されると共に、中和剤タンク23に隣接してランプ15の反対舷(左舷)側に設けられている。スラッジタンク24も、規格の可搬式のタンクで構成されている。スラッジタンク24は、排液処理装置34において分離されたスラッジを溜めており、排液処理装置34のスラッジが供給される。また、スラッジタンク24は、受入設備18に接続されている。この受入設備18には、トレーラまたはバージ等の外部の排出設備28bから延びる排出ホース29bが接続され、外部の排出設備28には、受入設備18及び排出ホース29bを経由して、スラッジタンク24内のスラッジが排出される。
このように構成された排ガス処理システム20は、スクラバ装置21、3つのコンテナ22、中和剤タンク23及びスラッジタンク24が外部配管47によって接続される。ここで、図5を参照し、排ガス処理システム20に設けられる配管について説明する。コンテナ22は、内部に収容される内部配管45と、内部配管45に接続されると共に内部配管45からコンテナ壁(壁体)43に亘って設けられる貫通配管46とを有している。内部配管45は、ステンレスを用いて構成され、その一端が付帯設備に接続される。なお、内部配管45は、ステンレスに限定されず、いずれの材料を用いてもよい。貫通配管46は、その一端が、内部配管45の他端に接続され、その他端がコンテナ壁43に接続されており、コンテナ壁43を貫通して設けられている。この貫通配管46は、コンテナ壁43との間が溶接により接合されていることから、貫通配管46周りのコンテナ22は、気密に封止された状態となっており、これにより、コンテナ22内部の暴露を抑制している。また、排ガス処理システム20には、貫通配管46と外部配管47とを接続する可撓性のフレキシブル配管48が設けられる。フレキシブル配管48は、その一端が貫通配管46に接続され、その他端が外部配管47に接続される。
図4に示す排ガス処理システム20において、海水ポンプ19から海水が汲み上げられると、汲み上げられた一部の海水がブーストポンプ31へ向けて供給され、汲み上げられた他の海水が造水装置35へ供給される。ブーストポンプ31へ向けて供給された海水は、スクラバ装置21へ供給可能となっている。一方で、造水装置35へ供給された海水は、造水装置35によって清水に生成される。生成された一部の清水は、造水装置35によって排液タンク30に供給される。
また、生成された清水が流入する排液タンク30に溜まった排液は、排液ポンプ32によって汲み上げられる。排液ポンプ32によって汲み上げられた排液は、一部の排液が排液処理装置34に供給され、他の排液が浄化用処理液(スクラバ水)としてスクラバ装置21の内部のスプレイに供給される。そして、スクラバ装置21に供給された浄化用処理液は、排ガスと気液接触する。気液接触後の浄化用処理液は、排液となって再び排液タンク30に流入する。また、気液接触後の排ガスは、浄化ガスとなってスクラバ装置21の上部の排気口21aから排出される。
次に、図6を参照して、排ガス処理システム20の制御系について説明する。排ガス処理システム20は、主制御装置50と、補助制御盤51とを備えている。主制御装置50は、排ガス処理システム20を統括制御するものであり、機関士の操作に基づいて、各種制御が行われる。主制御装置50は、機関士が常駐する機関室に設置されている。補助制御盤51は、排ガス処理システム20に設けられる各機器の制御を行うために設けられ、主制御装置50と接続されている。補助制御盤51は、コンテナ22に設けられ、主制御装置50の指令に基づいて、排ガス処理システム20の各機器を制御する。
続いて、図7を参照して、上記した排ガス処理システム20を自動車運搬船1に取り付ける船舶の改造方法(排ガス処理システム20の取付方法)について説明する。図7は、船舶に排ガス処理システムを取り付ける一例のフローチャートである。図7では、既存の船舶に排ガス処理システム20を取り付けることを想定しており、煙突が、分岐排ガス流路12を有していない構成となっている。
図7に示す船舶の改造方法では、先ず、分岐排ガス流路12を有しない煙突を撤去する(S11:煙突撤去工程)。この煙突撤去工程S11では、暴露面P1を境界面として、その上方側の煙突を撤去する。煙突の撤去後、続いて、分岐排ガス流路12を有する煙突6を設置する(S12:煙突設置工程)。このように、煙突6を交換することで、排ガス処理システム20に適した煙突6とする。次に、煙突6の設置後、船舶本体2の暴露面P1に、スクラバ装置21及び複数のコンテナ22を取り付ける(S13:取付工程)。この取付工程では、スクラバ装置21及び複数のコンテナ22をクレーン等で吊り上げて設置する。また、この取付工程では、スクラバ装置21及びコンテナ22の他、外部配管47、中和剤タンク23、スラッジタンク24、及び主制御装置50も船内に取り付ける。このように、取付工程では、排ガス処理システム20の主要となる機器を取り付ける。取付後、続いて、スクラバ装置21とコンテナ22内の付帯設備とを接続する(S14:接続工程)。この接続工程では、スクラバ装置21と付帯設備と接続すべく、コンテナ22内の内部配管45と外部配管47とを貫通配管46及びフレキシブル配管48を介して接続する。このとき、接続工程S14では、スクラバ装置21と付帯設備との接続だけでなく、コンテナ22同士の付帯設備の接続、主制御装置50と補助制御盤51との接続も実行する。このように、接続工程S14の実行が完了することで、船舶本体2に排ガス処理システム20の取付が完了する。
続いて、図8を参照して、上記した排ガス処理システム20の取付方法について説明する。図8は、船舶に排ガス処理システムを取り付ける一例のフローチャートである。図8では、新造の船舶に排ガス処理システム20を取り付けることを想定しており、煙突6が、分岐排ガス流路12を有する構成となっている。
図8に示す排ガス処理システム20の取付方法では、先ず、船舶本体2の暴露面P1に、スクラバ装置21及び複数のコンテナ22を取り付ける(S21:取付工程)。なお、取付工程S21は、図7の取付工程S13と同様であるため、説明を省略する。取付後、続いて、スクラバ装置21とコンテナ22内の付帯設備とを接続する(S22:接続工程)。なお、接続工程S22も、図7の取付工程S14と同様であるため、説明を省略する。このように、接続工程S22の実行が完了することで、船舶本体2に排ガス処理システム20の取付が完了する。
次に、図9を参照して、上記した排ガス処理システム20の取外し方法について説明する。図9は、船舶から排ガス処理システムを取り外す一例のフローチャートである。図9に示す排ガス処理システム20の取外し方法は、図8に示す排ガス処理システム20の取付方法の逆の手順となっている。
図9に示す排ガス処理システム20の取外し方法では、先ず、スクラバ装置21とコンテナ22内の付帯設備との接続を解除する(S31:接続解除工程)。この接続解除工程S31では、スクラバ装置21と付帯設備との接続を解除すべく、フレキシブル配管48を取り外して、コンテナ22内の内部配管45と外部配管47との接続を解除する。このとき、接続解除工程S31では、スクラバ装置21と付帯設備との接続の解除だけでなく、コンテナ22同士の付帯設備の接続の解除、主制御装置50と補助制御盤51との接続の解除も行う。接続の解除後、続いて、船舶本体2の暴露面P1から、スクラバ装置21及び複数のコンテナ22を取り外す(S32:取外し工程)。この取外し工程S32では、スクラバ装置21及び複数のコンテナ22をクレーン等で吊り上げて取り外す。また、この取外し工程S32では、スクラバ装置21及びコンテナ22の他、外部配管47、中和剤タンク23、スラッジタンク24、及び主制御装置50も船内から取り外す。このように、取外し工程S32では、排ガス処理システム20の主要となる機器を取り外す。
以上のように、実施例1の構成によれば、スクラバ装置21と、付帯設備が収容されたコンテナ22と、を船舶の暴露面P1に設置することで、煙突6を通過する排ガスを浄化する排ガス処理システム20を容易に構築することができる。このため、排ガス処理システム20を船舶に追設する追設工事の費用を抑制することができる。また、船舶の暴露面P1から、スクラバ装置21と、付帯設備が収容されたコンテナ22とを取り外すことで、排ガス処理システム20を船舶から容易に取り外すことができる。このため、船舶が廃船または売船される場合であっても、排ガス処理システム20を船舶から取り外し、排ガス処理システム20を再利用することが可能となるため、排ガス処理システム20を有効に利用することができる。
また、実施例1の構成によれば、規格の海上コンテナを用いることができるため、排ガス処理システム20の製造コストを抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、中和剤タンク23を喫水線よりも上方側に設置することができるため、中和剤タンク23を海水と接する船底から遠くなる位置に設けることができる。このため、中和剤は、海水によって冷やされ難くなることから、凝固することを抑制することができる。特に、中和剤として、苛性ソーダを用いる場合、苛性ソーダの凝固点は、10℃程度であることから、中和剤タンク23を喫水線よりも上方側に設置することで、苛性ソーダの凝固を抑制することができる。なお、中和剤タンク23が可搬式である場合は、海水と中和剤とが接触して、中和剤が凝固することがないため、中和剤タンク23は、喫水線よりも上方側に設置されてもよいし、下方側に設置されてもよい。
また、実施例1の構成によれば、剛性が高くなるように設計された乗込み甲板16上に、中和剤タンク23及びスラッジタンク24を設置することができる。このため、中和剤タンク23及びスラッジタンク24の設置に際し、設置部分の補強工事を行う必要がないため、排ガス処理システム20の追設工事の費用をさらに抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、規格の可搬式のタンクを中和剤タンク23及びスラッジタンク24として用いることができるため、専用の中和剤タンク及びスラッジタンク24を製造する必要がなく、排ガス処理システム20の製造コストを抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、排液処理装置34によって排液からスラッジを分離させることで、排出物の容積を小さくすることができるため、スラッジタンク24の容積を小さくすることができる。
また、実施例1の構成によれば、コンテナ22と暴露面P1との間に、ツイストロックを設けることができるため、コンテナ22を暴露面P1に対して容易に着脱することが可能となる。
また、実施例1の構成によれば、フレキシブル配管48により貫通配管46と外部配管47とを接続することができるため、貫通配管46と外部配管47との相互の位置の微調整を行う必要がなく、貫通配管46と外部配管47と好適に接続することができる。また、船舶の振動による貫通配管46と外部配管47との相互の位置ずれを、フレキシブル配管48において吸収することができるため、貫通配管46と外部配管47との接続を好適に維持することができる。
また、実施例1の構成によれば、ブーストポンプ31を収容する第1コンテナ22aを、他のコンテナ22b,22cよりも下方側に設置することができる。このため、海水ポンプ19で汲み上げた海水を、ブーストポンプ31により加圧して、鉛直方向の上方側にあるコンテナ22b,22cの付帯設備に供給することができる。このため、海水ポンプの吐出圧が低い場合であっても、ブーストポンプ31により加圧して、海水を利用する付帯設備に好適に供給することができ、排ガス処理システム20の効率化を図ることができる。
また、実施例1の構成によれば、排液ポンプ32を収容する第1コンテナ22aを、スクラバ装置21と同じ位置に設置することができる。このため、排液タンク30内の排液を、排液ポンプ32により容易に汲み上げることができ、排ガス処理システム20の効率化を図ることができる。なお、第1コンテナ22aは、スクラバ装置21よりも下方側に設置してもよい。
また、実施例1の構成によれば、サージタンク33を収容する第2コンテナ22bを、スクラバ装置21よりも上方側に設置することができる。このため、サージタンク33内の中和剤を、排液タンク30へ向けて重力により注入することができるため、中和剤を供給するための駆動源を設ける必要がなく、排ガス処理システム20の効率化を図ることができる。
次に、図10から図12を参照して、実施例2に係る排ガス処理システム20を備える運搬船1について説明する。図10は、実施例2に係る排ガス処理システムの中和剤タンク及びスラッジタンクを上方から見たときの平面図である。図11は、図10のA−A断面図である。図12は、図10のB−B断面図である。なお、実施例1と重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分についてのみ説明し、実施例1と同様のものについては、同じ符号を付して説明する。実施例1では、中和剤タンク23及びスラッジタンク24が、可搬式であったが、実施例2では、中和剤タンク70及びスラッジタンク71が、船殻構造となっている。
図10に示すように、船殻構造の中和剤タンク70及びスラッジタンク71は、一体に構成されている。ここで、船殻構造とは、鋼板を用いて内壁及び外壁を構成し、内壁の内側と外壁の内側とに、所定の方向に延在するリブ部を設けた構成となっている。図11及び図12に示すように、この中和剤タンク70は、乗込み甲板16上に設けられており、乗込み甲板16と一体に設けられている。また、中和剤タンク70は、図11に示すように、所定の断面においては、内部空間が広く形成される一方で、図12に示すように、所定の断面(中心を通る断面)においては、内部空間が小さくなっている。
この中和剤タンク70は、苛性ソーダによる腐食を抑制するための塗料が、内壁に塗布されている。なお、中和剤タンク70は、腐食に強いステンレスの板材を内張りしてもよい。
以上、実施例2の構成によれば、中和剤タンク70及びスラッジタンク71を船舶と同様の構造にすることができるため、例えば、新造される船舶と同等の剛性の高い中和剤タンク70及びスラッジタンクタンク71を、船舶と一体に設けることが可能となる。
なお、実施例1及び2では、浄化後の排ガスを浄化ガスとして、スクラバ装置21から外部に排気したが、浄化後の排ガスを主機関5へ供給してもよい。
また、実施例1及び2では、海水を淡水化して清水を生成し、清水に苛性ソーダを混入したが、この構成に限定されない。排ガス処理システム20において清水を生成せずに、海水を浄化用処理水として、用いてもよい。この場合、排ガス処理システム20は、第2コンテナ22b及び第3コンテナ22cを省いた構成とすることができる。
また、実施例1及び2において、中和剤タンク23,70は、自動車運搬船1の場合、乗込み甲板16上に設置したが、自動車運搬船1以外である場合、喫水線よりも上であればよく、船舶内部に設置してもよいし、暴露面P1に設置してもよい。また、中和剤タンク70が船殻構造である場合は、船板を介して海水と中和剤とが接触し、中和剤が凝固し易いことから、中和剤タンク70を、喫水線よりも上方側に設置することが好ましい。
1 自動車運搬船
2 船舶本体
5 主機関
6 煙突
7 排ガス管
8 スクリュープロペラ
11 主排ガス流路
12 分岐排ガス流路
13 排ガスチャンバ
14 開閉弁
15 ランプ
16 乗込み甲板
17 エンジンケーシング
18 受入設備
19 海水ポンプ
20 排ガス処理システム
21 スクラバ装置
22 コンテナ
23 中和剤タンク
24 スラッジタンク
25 排ガス流入管
27 ツイストロック
30 排液タンク
31 ブーストポンプ
32 排液ポンプ
33 サージタンク
34 排液処理装置
35 造水装置
41 排水口
43 コンテナ壁
45 内部配管
46 貫通配管
47 外部配管
48 フレキシブル配管
50 主制御装置
51 補助制御盤
P1 暴露面

Claims (15)

  1. 船舶の煙突に接続され、前記煙突を通過する前記排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化され、前記浄化装置と前記付帯設備とが接続されると共に、前記船舶の暴露面に設置されるパッケージ収容体と、を有する排ガス処理システムと、
    船舶内部と船舶外部との間に架け渡される車両が通行可能なランプと、
    前記ランプから前記船舶内部に乗り込む前記車両を支持する乗込み甲板と、を備え、
    前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、
    前記排ガス処理システムは、前記排液に添加される中和剤を溜める中和剤タンクを、さらに有し、
    前記中和剤タンクは、喫水線よりも上方側に設置されると共に、前記乗込み甲板上に設置されることを特徴とする船舶。
  2. 前記パッケージ収容体は、海上コンテナであることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  3. 前記中和剤タンクは、可搬式のタンクであることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
  4. 前記中和剤タンクは、船殻構造のタンクであることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
  5. 前記排ガス処理システムは、前記排液を排液処理水とスラッジとに分離する排液処理装置と、前記スラッジを溜めるスラッジタンクと、をさらに有し、
    前記スラッジタンクは、前記乗込み甲板上に設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の船舶。
  6. 前記スラッジタンクは、可搬式のタンクであることを特徴とする請求項5に記載の船舶。
  7. 前記スラッジタンクは、船殻構造のタンクであることを特徴とする請求項5に記載の船舶。
  8. 船舶の煙突に接続され、前記煙突を通過する前記排ガスを浄化する浄化装置と、前記浄化装置の付帯設備を内部に収容してパッケージ化され、前記浄化装置と前記付帯設備とが接続されると共に、前記船舶の暴露面に設置されるパッケージ収容体と、を有する排ガス処理システムと、
    船舶内部と船舶外部との間に架け渡される車両が通行可能なランプと、
    前記ランプから前記船舶内部に乗り込む前記車両を支持する乗込み甲板と、を備え、
    前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、
    前記排ガス処理システムは、前記排液を排液処理水とスラッジとに分離する排液処理装置と、前記スラッジを溜めるスラッジタンクと、をさらに有し、
    前記スラッジタンクは、前記乗込み甲板上に設置されることを特徴とする船舶。
  9. 前記スラッジタンクは、可搬式のタンクであることを特徴とする請求項8に記載の船舶。
  10. 前記スラッジタンクは、船殻構造のタンクであることを特徴とする請求項8に記載の船舶。
  11. 前記パッケージ収容体と前記暴露面との間には、前記暴露面に対して前記パッケージ収容体を着脱可能に固定する締結機構が設けられることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の船舶。
  12. 前記パッケージ収容体は、内部に収容される内部配管と、前記内部配管に接続され、前記内部配管から壁体に亘って設けられる貫通配管と、をさらに有し、
    前記排ガス処理システムは、
    前記パッケージ収容体の前記内部配管に接続される外部配管と、
    前記貫通配管と前記外部配管とを接続する可撓性のフレキシブル配管と、を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の船舶。
  13. 海水を汲み上げる海水ポンプを、さらに備え、
    前記付帯設備は、前記海水ポンプによって汲み上げた前記海水を加圧するブーストポンプを有し、
    前記ブーストポンプを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記ブーストポンプを収容しない前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面よりも下方側となっていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の船舶。
  14. 前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排液を内部に溜める排液タンクを有し、
    前記付帯設備は、前記排液タンク内の前記排液を汲み上げる排液ポンプを有し、
    前記排液ポンプを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記浄化装置が設置される暴露面以下となっていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の船舶。
  15. 前記浄化装置は、前記排ガスと浄化用処理液とを気液接触させ、気液接触後の排ガスを浄化ガスとし、気液接触後の浄化用処理液を排液とするスクラバ装置であり、前記排液を内部に溜める排液タンクを有し、
    前記付帯設備は、前記排液タンク内に注入する中和剤を一時的に溜めるサージタンクを有し、
    前記サージタンクを収容する前記パッケージ収容体が設置される前記暴露面は、鉛直方向において、前記浄化装置が設置される暴露面よりも上方側となっていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の船舶。
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