JP6136965B2 - ハイブリッド車制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6136965B2
JP6136965B2 JP2014021262A JP2014021262A JP6136965B2 JP 6136965 B2 JP6136965 B2 JP 6136965B2 JP 2014021262 A JP2014021262 A JP 2014021262A JP 2014021262 A JP2014021262 A JP 2014021262A JP 6136965 B2 JP6136965 B2 JP 6136965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
fuel consumption
warm
travel
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014021262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015147499A (ja
Inventor
正勝 執行
正勝 執行
強 岡本
強 岡本
悠太郎 伊東
悠太郎 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014021262A priority Critical patent/JP6136965B2/ja
Publication of JP2015147499A publication Critical patent/JP2015147499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6136965B2 publication Critical patent/JP6136965B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Description

本発明は、ハイブリッド車において、バッテリの暖機制御を実施可能なハイブリッド車制御装置に関する。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の駆動力源としてエンジン及びモータジェネレータを搭載したハイブリッド自動車が注目されている。モータジェネレータは、バッテリが放電した電力により力行動作するとともに、発電した電力をバッテリに回生する。
そして、バッテリは低温時に内部損失が増加し出力が制限されるため、バッテリ温度が所定温度より低いとき、暖かい空気や水をバッテリに送ったり、バッテリの充放電量を増加させて内部発熱させたりすることで、バッテリを暖機することが一般に行われている。例えば特許文献1に開示された制御装置は、バッテリ温度が所定温度より低いとき、所定の充電範囲内で充放電を強制的に行うことでバッテリ温度を上昇させる。
特開2000−92614号公報
バッテリ温度を上昇させる暖機制御の実行中は、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御する通常制御時に比べて余分なエネルギーが必要となるため、エンジンの燃料消費量が増加する。そして、バッテリ温度が所定温度に達し暖機制御が完了した後は、バッテリの出力性能が向上するため、通常制御時に比べて燃料消費量が減少する。
そのため、バッテリ暖機制御完了後の走行負荷が比較的大きい場合や走行時間が比較的長い場合には、暖機制御完了後の燃料消費量の減少分が暖機制御中の燃料消費量の増加分を上回り、トータルの燃料消費量が通常制御時に比べて減少する。
しかし、バッテリ暖機制御完了後に軽負荷走行を行う場合やバッテリ暖機制御完了後の走行時間が比較的短い場合には、暖機制御完了後の燃料消費量の減少分が暖機制御中の燃料消費量の増加分を下回るため、トータルの燃料消費量が通常制御時に比べて増加する。
したがって、特許文献1の制御装置のように、単純にバッテリ温度が所定温度より低いとき常にバッテリ暖機制御を実施すると、暖機制御完了後の走行状況等によってはかえって燃費が悪化する場合が発生する。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、バッテリ温度が所定の温度閾値より低いとき、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定するハイブリッド車制御装置を提供することにある。
本発明のハイブリッド車制御装置は、バッテリと、燃料を消費して駆動力を発生するエンジンと、エンジンの駆動力によって発電した電力をバッテリに充電可能であり、且つ、バッテリが放電した電力を消費して力行動作可能なモータジェネレータと、を備えるハイブリッド車に適用される。
このハイブリッド車制御装置は、車両の始動時以後、バッテリ温度(Tb)が所定の温度閾値(Tbs)より低いとき、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御する「通常制御」、及び、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御しつつバッテリ温度が温度閾値に達するまで昇温を促進する「バッテリ暖機制御」を選択的に実施可能である。
ここで、「バッテリ」は、充放電可能な蓄電装置全般を意味し、キャパシタ等を含む。
このハイブリッド車制御装置は、バッテリ温度(Tb)が温度閾値(Tbs)より低いとき、通常制御においてバッテリ温度が温度閾値に達すると推定される時刻を「通常昇温時刻(tnw)」とすると、今後、通常制御を実施する場合、及び、バッテリ暖機制御を実施する場合における遅くとも通常昇温時刻までのエンジンの燃料消費量を推定する。
そして、「バッテリ暖機制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である暖機時燃料消費量推定値(ΣFCwu)」が「通常制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である通常時燃料消費量推定値(ΣFCnor)」を超える場合、バッテリ暖機制御の実施を禁止することを特徴とする。
このように、本発明では、バッテリ暖機制御を実施する場合の暖機時燃料消費量推定値と、通常制御を実施する場合の通常時燃料消費量推定値とを比較することにより、車両の走行に伴うトータルの燃料消費量をより少なくするように、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定することができる。
また、車両の走行終了時刻(trf)を予測する走行終了時刻予測手段を備えるハイブリッド車に適用されることを前提として、本発明のハイブリッド車制御装置は、走行終了時刻予測手段から取得した走行終了時刻が通常昇温時刻よりも早い場合、通常制御の実施時、及び、バッテリ暖機制御の実施時における「走行終了時刻までの燃料消費量」を推定し、バッテリ暖機制御の実施可否を判定してもよい。
本発明のハイブリッド車制御装置は、具体的には下記のように燃料消費量を推定する。
(1)バッテリ温度と、燃料消費量の瞬時値である燃料消費率とのマップを用いて燃料消費量を推定する。
(2)過去から現在までのバッテリ温度、又は、燃料消費量の瞬時値である燃料消費率の変化に基づいて、今後のバッテリ温度又は燃料消費量を推定する。バッテリ温度を推定する場合には、上記(1)により、バッテリ温度から燃料消費量を推定する。
(3)運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段を備えるハイブリッド車に適用されることを前提として、走行情報予測手段が予測した走行情報に基づいて燃料消費量を推定する。
本発明のハイブリッド車制御装置は、バッテリ暖機制御において、例えばモータジェネレータが発電した回生電力の充電、及び、モータジェネレータの力行動作に伴う放電によってバッテリの充放電を強制的に行い、内部発熱によってバッテリを暖機する。或いは、エンジンの排熱を利用して暖められた空気、又は、温められた冷却水によってバッテリを暖機してもよい。
強制的充放電によりバッテリ暖機する場合、通常制御時よりも目標SOC、又はSOCの下限値を低く設定し、充電許容電力(Win)を拡大することが好ましい。
また、バッテリ暖機制御を禁止して通常制御を実施するとき、エンジンの駆動力によって生成する「通常制御に対して過剰な電力」の充電のみを禁止するようにしてもよい。このとき、モータジェネレータによる回生電力の充電、及び、EV走行又はモータアシスト走行による放電は許容する。言い替えれば、エンジンの駆動力によって生成する「通常制御と同等レベルの電力」の充電やモータジェネレータによる回生電力の充電、及び、EV走行又はモータアシスト走行による放電を行う制御状態は、「通常制御」の範囲に含まれると解釈する。
さらに本発明のハイブリッド車制御装置は、暖機時燃料消費量推定値及び通常時燃料消費量推定値を常に算出しなくてもよい。車両の運転状態を示すパラメータがある条件を満たせば、暖機時燃料消費量推定値が通常時燃料消費量推定値を超えることが経験則等から明らかな場合には、そのパラメータが条件を満たしたとき、暖機時燃料消費量推定値が通常時燃料消費量推定値を超えるとみなし、バッテリ暖機制御の実施を禁止してもよい。
例えば下記のような場合に「みなし判定」をすることが考えられる。これにより、燃料消費量の演算を省略し、制御装置の処理負荷を低減することができる。
(1)運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段を備えるハイブリッド車に適用されることを前提として、走行情報予測手段によるルート情報から推定した今後の車両の加減速の回数、又は速度変化量に基づくパラメータが所定値を超えるとき。
(2)同上の走行情報予測手段を備えるハイブリッド車に適用されることを前提として、走行情報予測手段から取得した車両の走行終了までの走行時間または走行距離が所定値未満のとき。
(3)エンジンが燃料消費量に対して発生する駆動力又は発電電力の効率であるエンジン効率を推定し、エンジン効率の推定値が所定値未満のとき。エンジン効率の推定の例として、今後の走行における車速が所定の速度範囲外にある場合、又は、今後の走行における車両の走行要求駆動力が所定の駆動力範囲外にある場合、エンジン効率の推定値が所定値未満であると判断する。
本発明の第1〜第4実施形態によるハイブリッド車制御装置が適用されるハイブリッド車のシステム図。 本発明の第1実施形態によるバッテリ暖機制御判定処理のメインフローチャート。 図2の(a)バッテリ暖機制御ステップ、(b)バッテリ暖機制御禁止ステップのサブフローチャート。 (a)過去の変化履歴からバッテリ温度を推定する方法を説明する図、(b)バッテリ温度と燃料消費率との関係を示すマップ。 ΣFCwu<ΣFCnorである場合の(a)燃料消費率及び(b)バッテリ温度の時間変化を示すタイムチャート。 ΣFCwu>ΣFCnorである場合の(c)燃料消費率及び(d)バッテリ温度の時間変化を示すタイムチャート。 走行終了予測時刻からバッテリ暖機制御の実施可否を判定する場合の(a)燃料消費率及び(b)バッテリ温度の時間変化を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態によるバッテリ暖機制御判定処理のフローチャート。 本発明の第3実施形態によるバッテリ暖機制御判定処理のフローチャート。 本発明の第4実施形態によるバッテリ暖機制御判定処理のフローチャート。 車速又は走行駆動力とエンジン効率との関係を示すマップ。 本発明のその他の実施形態によるハイブリッド車制御装置が適用されるハイブリッド車のシステム図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に、本発明のハイブリッド車制御装置が適用されるハイブリッド車のシステム例について、図1を参照して説明する。図1に示すハイブリッド車101は、駆動力源としてエンジン2及び1つのモータジェネレータ3を備えた、いわゆるパラレルハイブリッド自動車である。「ハイブリッド車制御装置」としてのHV−ECU50は、エンジン2及びモータジェネレータ3(図中「MG」と示す)の駆動力を調停し、ハイブリッド車101の駆動を統括的に制御する。
エンジン2の駆動力はクランク軸15に伝達され、デファレンシャルギア機構19、車軸13を介して車輪14を駆動する。エンジンECU20は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸15のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン2の運転を制御する。
また、エンジン2の運転に伴って発生する排熱Qeは、直接的又は間接的にバッテリ4を暖機するための熱として利用可能である。
モータジェネレータ3は、例えば永久磁石式同期型の三相交流電動機であり、直流電力と三相交流電力とを変換する電力変換装置であるインバータ32を介してバッテリ4と電気的に接続されている。昇圧コンバータ31は、バッテリ4とインバータ32との間に設けられ、バッテリ4の直流電力を昇圧してインバータ32に出力する。
モータジェネレータ3は、バッテリ4の電力を消費しつつ電動機として力行動作し、エンジン2の駆動力をアシストして車輪14を駆動する一方で、エンジン2の駆動力によって発電機として回生動作し、発電した電力をバッテリ4に充電可能である。
MG−ECU30は、HV−ECU50からのトルク指令や、モータジェネレータ3のロータ近傍に設けられた回転角センサからの電気角信号等に基づいて昇圧コンバータ31及びインバータ32のスイッチング動作を制御することで、モータジェネレータ3の通電を制御する。
バッテリ4は、例えばニッケル水素若しくはリチウムイオン等の充放電可能な蓄電装置であり、電気二重層キャパシタ等もバッテリ4の一態様に含むものとする。バッテリ4は、SOC(State Of Charge)が所定の上下限値の範囲で充電される。
バッテリECU40は、バッテリ4のSOC、バッテリ温度Tb等を監視し、その情報をHV−ECU50に送信する。
HV−ECU50は、アクセルセンサからのアクセル信号、ブレーキスイッチからのブレーキ信号、シフトスイッチからのシフト信号、及び、車両の速度に関する車速信号等が入力され、取得した情報に基づいて車両の運転状態を総合的に判断する。HV−ECU50は、エンジンECU20、MG−ECU30、バッテリECU40との間で情報を通信し、エンジン2及びモータジェネレータ3の駆動やバッテリ4の充放電を制御する。
ナビゲーション装置70は、目的地設定情報等に基づいて車両の走行終了時刻trfを予測する「走行終了時刻予測手段」、及び、運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する「走行情報予測手段」として機能する。HV−ECU50は、以下に説明するバッテリ暖機制御判定処理を実行するにあたり、必要な情報を適宜ナビゲーション装置70から取得する。
HV−ECU50は、車両の始動時以後、バッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低いとき、「通常制御」及び「バッテリ暖機制御」を選択的に実施可能である。通常制御では、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御する。バッテリ暖機制御では、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御しつつバッテリ温度Tbが温度閾値Tbsに達するまで昇温を促進する。これにより、バッテリ4の内部損失が低減し、出力性能が向上する。
例えば特許文献1の従来技術では、単純にバッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低いとき、常にバッテリ暖機制御を実施する。しかし、暖機制御完了後の走行状態等によっては、バッテリ暖機制御を実施するとかえってエンジン2の燃料消費量が増え、燃費が悪化するため、バッテリ暖機制御を実施しない方がよい場合が想定される。
そこで本発明のHV−ECU50は、トータルでの燃料消費量を低減する観点から、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定する処理を実行することを特徴とする。以下、HV−ECU50が実行するバッテリ暖機制御判定処理について、実施形態毎に詳しく説明する。
(第1実施形態)
本発明のハイブリッド車制御装置による第1実施形態のバッテリ暖機制御判定処理について、図2〜図6を参照して説明する。以下のフローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。
図2のフローチャートは、本発明の基本的な技術的思想を表す「基本フロー」である。図2のS01で、HV−ECU50はバッテリ温度Tbを取得する。バッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低いとき(S02:YES)、S03に移行する。バッテリ温度Tbが温度閾値Tbs以上のとき(S02:NO)、処理を終了する。
S03〜S07では、現在以後、バッテリ暖機制御を実施すると仮定した場合、及び、通常制御を実施すると仮定した場合のそれぞれについて、バッテリ温度Tb(t)、燃料消費率FC(t)の時間変化を推定し(図5、図6参照)、さらに、燃料消費率FCから燃料消費量ΣFCを算出して比較するという処理を実行する。
ここで、燃料消費率FCは、単位時間当たりの燃料消費量、すなわち「燃料消費量の瞬時値」であり、逆に、燃料消費量ΣFCは「燃料消費率FCの積算値」に相当する。バッテリ温度Tb、燃料消費率FCが時間tの関数であることを強調したい場合のみ、「Tb(t)、FC(t)」のように記載する。
また、バッテリ暖機制御を実施する場合の量について、「ウォーミングアップ」を意味する添え字「wu」を、通常制御を実施する場合の量について、「ノーマル」を意味する添え字「nor」を記号に付して区別する。
S03では、バッテリ暖機制御時のバッテリ温度Tbwu(t)、及び、通常制御時のバッテリ温度Tbnor(t)の時間変化を推定する。これと共に、バッテリ暖機制御時のバッテリ温度Tbwu(t)が温度閾値Tbsに達する暖機昇温時刻t1、及び、通常制御時のバッテリ温度Tbnor(t)が温度閾値Tbsに達する通常昇温時刻tnwが推定される(図5、図6参照)。
ここで、「バッテリ温度Tbが温度閾値Tbsに達する」とは、厳密に温度が一致する場合に限らない。例えば、バッテリ温度Tbと温度閾値Tbsとの温度差が所定温度以内となる時刻を暖機昇温時刻t1又は通常昇温時刻tnwと判断してもよい。
また、バッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)の時間変化の推定においては、ナビゲーション装置70によるルート設定や、過去の走行履歴についての学習結果による情報を利用することが好ましい。「走行履歴についての学習結果」とは、例えば通勤通学ルートのように日常反復して走行するルートにおいて、高い確率で予測可能な道路状況や運転状態に関する情報を意味する。
このようなルート情報に基づき、例えば、今後走行する道路が高速道路の場合、平坦な一般道路の場合、山道の場合等によるバッテリ4の充放電挙動を考慮して、バッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)の時間変化を推定することができる。
或いは、図4(a)に示すように、過去に、バッテリ暖機制御及び通常制御によるバッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)の変化履歴がある場合、過去の変化を外挿することにより、今後のバッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)の時間変化を推定してもよい。
ところで、比較的短距離の走行の場合等、通常昇温時刻tnw以前に車両が走行を終了する可能性も考えられる。そこで、S04では、例えばナビゲーション装置70が目的地情報等に基づいて予測した走行終了時刻trfを取得する。そして、S05で、通常昇温時刻tnw又は走行終了時刻trfの早い方の時刻を積算終了時刻tfとする。
なお、ナビゲーション装置70等の走行情報予測手段が無いか、有っても目的地が設定されておらず走行終了時刻trfがわからない場合には、通常昇温時刻tnwを積算終了時刻tfとすればよい。
S06では、各時刻におけるバッテリ暖機制御時の燃料消費率FCwu(t)、及び、通常制御時の燃料消費率FCnor(t)を推定する。
この場合、例えば図4(b)に示すバッテリ温度Tbと燃料消費率FCとのマップを用いて、バッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)に基づいて、燃料消費率FCwu(t)、FCnor(t)を推定することができる。図4(b)に示すように、バッテリ温度Tbが低いほど燃料消費率FCは大きく、バッテリ温度Tbが高いほど燃料消費率FCは小さくなり、ある温度以上では一定値に収束する傾向にある。なお、温度閾値Tbsは、通常、バッテリ温度Tbが一定値となる温度に設定される。
或いは、図4(a)に示すバッテリ温度Tbwu(t)、Tbnor(t)と同様に、現在以前に、バッテリ暖機制御及び通常制御による燃料消費率FCwu(t)、FCnor(t)の変化履歴がある場合、過去の変化を外挿することにより、今後の燃料消費率FCwu(t)、FCnor(t)の時間変化を推定してもよい。
なお、S04及びS05と、S06とは順序を入れ替えてもよい。
S07では、積算開始時刻tsから積算終了時刻tfまでの積算期間について、バッテリ暖機制御時及び通常制御時の燃料消費率FCwu(t)、FCnor(t)を積算し、バッテリ暖機制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である「暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu」、及び、通常制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である「通常時燃料消費量推定値ΣFCnor」を算出する。
ここで積算開始時刻tsは、エンジン2の始動時に固定してもよい。或いは、処理ルーチンの度に現在時刻を積算開始時刻tsとして更新してもよい。
S08では、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuと通常時燃料消費量推定値ΣFCnorとを比較する。暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuが通常時燃料消費量推定値ΣFCnor以下の場合、バッテリ暖機制御を実施するメリットがあると判断し、S09にてバッテリ暖機制御の実施を許可する。
一方、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuが通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを超える場合、バッテリ暖機制御を実施しない方がトータルの燃料消費量を少なくすることができると判断し、S10にてバッテリ暖機制御の実施を禁止する。
次に、S09でのバッテリ暖機制御の実施、及び、S10でのバッテリ暖機制御の禁止について、図3(a)、(b)のサブフローチャートを参照して説明する。
図3(a)に示すように、バッテリ暖機制御において回生電力の受容に有利なように、好ましくは、S091で目標SOC又はSOCの下限値を通常制御時よりも低く設定し、充電許容電力Winを拡大する。
S092では、エンジン駆動力による充電と、EV走行又はモータアシスト走行による放電とを強制的に行い、内部発熱によりバッテリ4を暖機する。
また、図3(b)に示すように、バッテリ暖機制御を禁止する場合、S101で、エンジン駆動力によって生成する「通常制御に対して過剰な電力の充電」のみを禁止する。このとき、モータジェネレータ3による回生電力の充電、及び、EV走行又はモータアシスト走行による放電は許容する。すなわち、燃料を消費しないモータジェネレータ3の回生による充電は実行する方が好ましく、また、回生によってバッテリ4が蓄えた電力を放電するために、回生分の電力については放電を許可することが好ましい。
補足すると、特開2009−78807号公報には、バッテリ温度Tbが設定温度Tbsより低く、エンジンが起動中であるとき、通常制御に用いる目標SOCよりも低い目標SOCLを設定してバッテリの強制放電を行い、エンジンの駆動力による充電を禁止するとともにモータジェネレータの回生による充電を行うことで余分な燃料を消費せずにバッテリを暖機する技術が開示されている。
しかし、この技術では、エンジン起動中に放電を行うとエンジン効率が低い動作点で運転することになり、かえって燃費が悪化することとなる。それに対し、本実施形態では、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定することで、燃費の悪化防止を図る。
続いて、バッテリ暖機制御判定処理による効果について、図5、図6のタイムチャートを参照して説明する。
図5(a)、(b)に示すタイムチャートは、共通の時間軸を横軸とし、(a)燃料消費率FC、及び、(b)バッテリ温度Tbの始動時刻t0からの時間変化を縦軸とする。
始動時刻t0においてバッテリ温度Tbは温度閾値Tbsより低い。その後、一点鎖線で示す通常制御では緩やかにバッテリ温度Tbが上昇し、通常昇温時刻tnwに温度閾値Tbsに達する。一方、実線で示すバッテリ暖機制御ではより急激にバッテリ温度Tbが上昇し、暖機昇温時刻t1に温度閾値Tbsに達し、暖機制御を完了する。
図5(a)にて、始動時刻t0から暖機昇温時刻t1までの期間は、暖機時燃料消費率FCwuが通常時燃料消費率FCnorより大きい。この期間での暖機時燃料消費率FCwuの積算値から通常時燃料消費率FCnorの積算値を差し引いた燃料消費量の差分を面積Aで表す。
一方、暖機昇温時刻t1時刻から通常昇温時刻tnwまでの期間は、通常時燃料消費率FCnorが暖機時燃料消費率FCwuより大きい。この期間での通常時燃料消費率FCnorの積算値から暖機時燃料消費率FCwuの積算値を差し引いた燃料消費量の差分を面積Bで表す。
以上の説明は、図5(c)、(d)についても同様である。図5(c)、(d)では、図5(a)、(b)に比べて通常昇温時刻tnwが早い。例えばナビゲーション装置70からのルート情報等に基づき、図5(a)、(b)の例は、今後、走行する道路が市街地の平坦な道路の場合を想定しており、図5(c)、(d)の例は、今後、走行する道路が山道の場合を想定している。今後、カーブや登降坂の多い山道を走行すると予想される場合には、通常制御でも加減速の繰り返しに伴うバッテリ充放電の機会が必然的に増加するため、市街地の平坦な道路を走行する場合よりも通常昇温時刻tnwが早くなると推定する。
図5(a)、(b)の例では、「面積A<面積B」である。この場合、バッテリ暖機制御を実施することで暖機昇温時刻t1までは通常制御よりも燃料消費量が増加し、「初期損失」が発生する。しかし、バッテリ暖機制御を実施した結果、暖機制御完了後の時刻t1から通常昇温時刻tnwまでの期間に得られる燃料消費量低減効果が初期損失を上回り、トータルとして(面積B−面積A)分の燃料消費量を低減することができる。したがって、バッテリ暖機制御を実施するメリットがある。
一方、図5(c)、(d)の例では面積A>面積Bである。この場合、バッテリ暖機制御を実施した結果、暖機制御完了後の時刻t1から通常昇温時刻tnwまでの期間に得られる燃料消費量低減効果が初期損失に及ばず、トータルとして(面積A−面積B)分の燃料消費量が損失となる。このような場合にはバッテリ暖機制御を実施するメリットが無いため、バッテリ暖機制御を実施しないで通常制御を実施する方がよいと判断する。
次に、図6(a)、(b)は、図5(a)、(b)と同一の特性線を示し、「面積A<面積B」である。ここで、面積Bを、面積Aに等しい面積Cと、残りの面積Dとに分けて考える。そして、暖機昇温時刻t1からその時刻までの期間における燃料消費量を示す面積Cが面積Aと等しくなる時刻を「平衡時刻t2」とする。すなわち、平衡時刻t2では、バッテリ暖機制御による燃料消費量の初期損失と、バッテリ暖機制御によって得られる燃料消費量の低減効果とが釣り合う。
HV−ECU50は、ナビゲーション装置70の目的地設定の情報等から推定される走行終了時刻trfを取得することにより、次のような判断が可能となる。
走行終了時刻trf(1)が平衡時刻t2より早い場合、バッテリ暖機制御の効果が初期損失を補填する以前に走行を終了することとなるため、バッテリ暖機制御を実施しない方がよい。一方、走行終了時刻trf(2)が平衡時刻t2より遅い場合、初期損失を上回るバッテリ暖機制御の効果が得られるため、バッテリ暖機制御を実施する方がよい。
このように本実施形態のHV−ECU50は、バッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低いとき、現在以後、バッテリ暖機制御を実施する場合、及び、通常制御を実施する場合における積算終了時刻tfまでのエンジン2の燃料消費量を推定し、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuが通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを超える場合、バッテリ暖機制御の実施を禁止する。これにより、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定することができる。したがって、単純にバッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低いとき常にバッテリ暖機制御を実施する従来技術のように、バッテリ暖機制御を実施することでかえって燃費が悪化するという事態を回避することができる。
さらに、例えばナビゲーション装置70に代表されるような、「運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段」や「車両の走行終了時刻trfを予測する走行終了時刻予測手段」からの情報を利用することで、暖機時燃料消費量ΣFCwu及び通常時燃料消費量ΣFCnorをより適確に推定することができ、その推定結果に基づき、バッテリ暖機制御の実施可否をより適切に判定することができる。
(第2〜第4実施形態)
本発明のハイブリッド車制御装置による第2〜第4実施形態のバッテリ暖機制御判定処理について、図7〜図10を参照して説明する。
第1実施形態の図2に示す「基本フロー」では、S03〜S07のステップを通して、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを算出した上で、S08で両者を比較してバッテリ暖機制御の実施可否を判定する。
それに対し、第2〜第4実施形態の各フローでは、車両の運転状態を示すパラメータがある条件を満たしたとき、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuが通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを超える(S08:YES)とみなし、バッテリ暖機制御の実施を禁止するという「みなし判定」を行う。つまり、基本フローどおりに燃料消費量を推定するステップを省略して、実施可否判定の結論に直接導く。
この「みなし判定」は、「車両の運転状態を示すパラメータがある条件を満たせば、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwuが通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを超える」ことが経験則等から明らかであるという前提の下に成立する。
第2〜第4実施形態に対応する図7〜図9の各フローチャートにおいて、S01、S02、S09、S10のステップは、図2のフローチャートの各ステップと実質的に同一である。以下、S01で取得したバッテリ温度Tbが温度閾値Tbsより低い(S02:YES)ときにHV−ECU50が実行するバッテリ暖機制御判定処理について順に説明する。
図7に示す第2実施形態のフローでは、S21で、ナビゲーション装置70のルート情報や現在の運転状態の情報等から、今後の走行での加減速の回数や、加減速の程度を示す速度変化量を推定する。加減速の回数が所定回数より多い場合、又は速度変化量の累積値が所定量より多い場合(S22:YES)には、「ΣFCwu>ΣFCnor」とみなし(S08Y)、バッテリ暖機制御の実施を禁止する(S10)。
一方、S22でNOの場合、バッテリ暖機制御を許可する。或いは、図2の基本フローに従って暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを正規に算出した上で、バッテリ暖機制御の実施可否を判定してもよい。
例えば、今後の走行で山道等のカーブの連続や登降坂の連続により加減速の回数や加減速の程度が増加する場合は、通常制御でも必然的にバッテリ充放電の機会が多くなり、バッテリ温度が比較的早く上昇するため、バッテリ暖機制御によって暖機を促進するメリットが相対的に低下する。
したがって、この場合、HV−ECU50は、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを算出するまでもなく、バッテリ暖機制御を実施しない方がトータルの燃料消費量が少なくなると判断する。
図8に示す第3実施形態のフローでは、S31で、ナビゲーション装置70の目的地情報等から、走行終了までの走行時間又は走行距離の予測情報を取得する。走行終了までの走行時間が所定時間より短い場合、又は、走行終了までの走行距離が所定距離より短い場合(S32:YES)には、「ΣFCwu>ΣFCnor」とみなし(S08Y)、バッテリ暖機制御の実施を禁止する(S10)。
S32でNOの場合については、第2実施形態のS22でNOの場合と同様とする。
第1実施形態では、燃料消費量推定値ΣFCnor及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを都度算出した上で、図6における走行終了時刻trfが平衡時刻t2より早い場合には、結果として「ΣFCwu>ΣFCnor」となる。
それに対し、第3実施形態では、運転状態や道路状況による暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorの変動範囲を考慮し、走行時間又は走行距離がその時間又はその距離より短ければ必ず「ΣFCwu>ΣFCnor」となると考えられる所定時間又は所定距離を閾値として設定する。そうすることで、HV−ECU50は、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを算出するまでもなく、バッテリ暖機制御を実施しない方がトータルの燃料消費量が少なくなると判断する。
図9に示す第4実施形態のフローでは、S41で、今後の走行における車速V又は走行要求駆動力Prunを、例えばある期間での平均車速V又は平均走行要求駆動力Prunとして推定する。車速Vが閾値V1から閾値V2までの速度範囲外にある場合、又は、走行要求駆動力Prunが閾値P1から閾値P2までの駆動力範囲外にある場合(S42:NO)には、エンジン効率の推定値ηが閾値ηth未満であると判断する(S44)。そして、「ΣFCwu>ΣFCnor」とみなし(S08Y)、バッテリ暖機制御の実施を禁止する(S10)。
一方、車速Vが閾値V1から閾値V2までの速度範囲内にある場合、又は、走行要求駆動力Prunが閾値P1から閾値P2までの駆動力範囲内にある場合(S42:YES)には、エンジン効率の推定値ηが閾値ηth以上であると判断し(S43)、バッテリ暖機制御を許可する。或いは、第2実施形態と同様、図2の基本フローに従って暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを正規に算出した上で、バッテリ暖機制御の実施可否を判定してもよい。
図10に示すように、車速V又は走行要求駆動力Prunに対しエンジン効率ηは山型の特性を示し、車速Vが閾値V1より小さいとき又は走行要求駆動力Prunが閾値P1より小さいとき、及び、車速Vが閾値V2より大きいとき又は走行要求駆動力Prunが閾値P2より大きいときには、エンジン効率ηは閾値ηthを下回る。また、走行負荷が高い場合は、充電によるエンジン動作点のシフトによりエンジン効率ηが低下する傾向にある。
エンジン効率ηが低い領域では、バッテリ暖機のための燃料消費量の増加、すなわち初期損失が、暖機制御完了後の燃料消費量の低減効果より大きくなる。したがって、HV−ECU50は、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorを算出するまでもなく、バッテリ暖機制御を実施しない方がトータルの燃料消費量が少なくなると判断する。
また、走行要求駆動力Prunが小さい低負荷走行の場合、そもそもバッテリ4を暖機して出力性能を確保する必要性が少ないため、バッテリ暖機制御を実施しなくてよい。
以上の第2〜第4実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、暖機時燃料消費量推定値ΣFCwu及び通常時燃料消費量推定値ΣFCnorの演算を省略し、制御装置の処理負荷を低減することができる。
(その他の実施形態)
(ア)本発明のバッテリ暖機制御においてバッテリ4を暖機する方法として、上記実施形態で例示したバッテリ4の強制充放電の他、図1に示すように、エンジン2の排熱Qeを利用してもよい。すなわち、エンジン2の排熱を利用して暖められた空気、又は、温められた冷却水によってバッテリ4を暖機することができる。
この形態でのバッテリ暖機制御では、HV−ECU50は、ファンやウォーターポンプを駆動することで、暖められた空気、又は、温められた冷却水の熱をバッテリ4に供給する。ファンやウォーターポンプをバッテリ暖機のために余計に駆動するため、暖機制御中は通常制御時に対し燃料消費量が増加する。そこで、上記実施形態と同様の判定処理を行うことにより、バッテリ暖機制御の実施可否を適切に判定することができる。
その他、電気ヒータを用いてバッテリの暖機を行ってもよい。
(イ)上記実施形態では、「走行終了時刻予測手段」及び「走行情報予測手段」としてのナビゲーション装置70から取得した目的地情報やルート情報に基づいて、HV−ECU50が必要な判断を行う。その他、スマートフォン等の携帯機器を「走行終了時刻予測手段」や「走行情報予測手段」として利用することも考えられる。また、HV−ECU自体に目的地情報やルート情報が入力され、HV−ECUの内部で情報の読み出しから演算までを実行するようにしてもよい。
(ウ)本発明のハイブリッド車制御装置が適用されるハイブリッド車は、上記実施形態の図1に示す、駆動力源としてのエンジン2及び1つのモータジェネレータ3を備えたハイブリッド車に限らない。例えば、駆動力源としてのエンジンと2つのモータジェネレータ、及び、エンジンの動力を分割する動力分割機構を備えた、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド車に適用されてもよい。また、図1において、モータジェネレータ3とデファレンシャルギア機構19との間に変速機やクラッチを備えてもよい。
(エ)さらに図11に示すように、本発明のハイブリッド車制御装置は、バッテリ4を充電するための電力を発電するエネルギー源として、燃料の熱エネルギーを利用するエンジンに代えて、燃料電池を備えるハイブリッド車102に適用されてもよい。図11において、図1と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
燃料電池の原理は、電解質膜をはさんだ一方の電極(負極)に水素を、他方の電極(正極)に酸素を送ることによって化学反応を起こし、水と電気とを発生させるものである。電解質膜を正負の電極ではさんだセルを重ねてパッケージにしたものがFCスタック6である。FCスタック6には、エアコンプレッサ(ACP)62によって加圧された空気、及び、水素タンク61からの水素が供給される。FCスタック6が発生した直流電力は、昇圧コンバータ31に供給される。ここで、「水素及び酸素」は、特許請求の範囲に記載の「反応物質」に相当する。
エアコンプレッサ(ACP)62を駆動するインバータ33は、モータジェネレータ3を駆動するインバータ32と共に昇圧コンバータ31からの昇圧電圧が入力され、MG−ECU30によって通電が制御される。FC−ECU60は、HV−ECU50の指令に基づき、FCスタック6による発電を制御する。
この場合、HV−ECU50は、FCスタック6の水素及び酸素の消費量について、バッテリ暖機制御を実施する場合の消費量推定値が通常制御を実施する場合の消費量推定値を超える場合、バッテリ暖機制御の実施を禁止する。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
101、102・・・ハイブリッド車、
2 ・・・エンジン、
3 ・・・モータジェネレータ、
4 ・・・バッテリ、
50・・・HV−ECU(ハイブリッド車制御装置)、
6 ・・・燃料電池、
70・・・ナビゲーション装置(走行終了時刻予測手段、走行情報予測手段)。

Claims (14)

  1. バッテリ(4)と、
    燃料を消費して駆動力を発生するエンジン(2)と、
    前記エンジンの駆動力によって発電した電力を前記バッテリに充電可能であり、且つ、前記バッテリが放電した電力を消費して力行動作可能なモータジェネレータ(3)と、
    を備えるハイブリッド車(101)に適用され、車両の始動時以後、バッテリ温度(Tb)が所定の温度閾値(Tbs)より低いとき、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御する通常制御、及び、走行要求駆動力に基づいて車両の駆動を制御しつつバッテリ温度が前記温度閾値に達するまで昇温を促進するバッテリ暖機制御を選択的に実施可能なハイブリッド車制御装置(50)であって、
    バッテリ温度(Tb)が前記温度閾値(Tbs)より低いとき、
    前記通常制御においてバッテリ温度が前記温度閾値に達すると推定される時刻を通常昇温時刻(tnw)とすると、今後、前記通常制御を実施する場合、及び、前記バッテリ暖機制御を実施する場合における遅くとも前記通常昇温時刻までの前記エンジンの燃料消費量を推定し、
    前記バッテリ暖機制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である暖機時燃料消費量推定値(ΣFCwu)が、前記通常制御を実施する場合の燃料消費量の推定値である通常時燃料消費量推定値(ΣFCnor)を超える場合、前記バッテリ暖機制御の実施を禁止することを特徴とするハイブリッド車制御装置。
  2. 車両の走行終了時刻(trf)を予測する走行終了時刻予測手段(70)を備えるハイブリッド車に適用され、
    前記走行終了時刻予測手段から取得した前記走行終了時刻が前記通常昇温時刻よりも早い場合、前記通常制御の実施時、及び、前記バッテリ暖機制御の実施時における前記走行終了時刻までの燃料消費量を推定し、前記バッテリ暖機制御の実施可否を判定することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車制御装置。
  3. 前記エンジンの燃料消費量の推定において、バッテリ温度と、燃料消費量の瞬時値である燃料消費率とのマップを用いて燃料消費量を推定することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車制御装置。
  4. 過去から現在までのバッテリ温度、又は、燃料消費量の瞬時値である燃料消費率の変化に基づいて、今後のバッテリ温度又は燃料消費量を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  5. 運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段(70)を備えるハイブリッド車に適用され、
    前記走行情報予測手段が予測した走行情報に基づいて燃料消費量を推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  6. 運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段(70)を備えるハイブリッド車に適用され、
    前記走行情報予測手段によるルート情報から推定した今後の車両の加減速の回数、又は速度変化量の累積値と、前記暖機時燃料消費量推定値及び前記通常時燃料消費量推定値との関係について、前記暖機時燃料消費量推定値が前記通常時燃料消費量推定値を超えるとみなされる加減速の回数の下限値である所定回数、又は、前記暖機時燃料消費量推定値が前記通常時燃料消費量推定値を超えるとみなされる速度変化量の累積値の下限値である所定回数が設定されており、
    前記走行情報予測手段によるルート情報から推定した今後の車両の加減速の回数が前記所定回数を超えるとき、又は、前記走行情報予測手段によるルート情報から推定した今後の速度変化量の累積値が前記所定回数を超えるとき、前記バッテリ暖機制御の実行を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  7. 運転者によるルート設定、又は、過去の走行履歴についての学習結果から今後の車両の走行負荷又は走行状態を予測する走行情報予測手段(70)を備えるハイブリッド車に適用され、
    前記走行情報予測手段から取得した車両の走行終了までの走行時間または走行距離と、前記暖機時燃料消費量推定値及び前記通常時燃料消費量推定値との関係について、前記暖機時燃料消費量推定値が前記通常時燃料消費量推定値を超えるとみなされる走行時間の上限値である所定時間、又は、前記暖機時燃料消費量推定値が前記通常時燃料消費量推定値を超えるとみなされる走行距離の上限値である所定距離が設定されており、
    前記走行情報予測手段から取得した車両の走行終了までの走行時間が前記所定時間未満のとき、又は、前記走行情報予測手段から取得した車両の走行終了までの走行距離が前記所定距離未満のとき、前記バッテリ暖機制御の実行を禁止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  8. 今後の走行において前記エンジンが燃料消費量に対して発生する駆動力又は発電電力の効率であるエンジン効率(η)を推定し、
    前記エンジン効率の推定値が、前記暖機時燃料消費量推定値が前記通常時燃料消費量推定値を超えるとみなされる前記エンジン効率の上限値として設定された閾値(ηth)未満のとき、前記バッテリ暖機制御の実行を禁止することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  9. 前記エンジン効率の推定において、今後の走行における車速が所定の速度範囲外にある場合、又は、今後の走行における車両の走行要求駆動力が所定の駆動力範囲外にある場合、前記エンジン効率の推定値が前記閾値未満であると判断することを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド車制御装置。
  10. 前記バッテリ暖機制御において、
    前記バッテリの充放電を強制的に行い、内部発熱によって前記バッテリを暖機することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  11. 前記バッテリ暖機制御において、
    前記通常制御時よりも目標SOC、又はSOCの下限値を低く設定し、充電許容電力(Win)を拡大することを特徴とする請求項10に記載のハイブリッド車制御装置。
  12. 前記バッテリ暖機制御を禁止するとき、
    前記エンジンの駆動力によって生成する前記通常制御に対して過剰な電力の充電のみを禁止することを特徴とする請求項10または11に記載のハイブリッド車制御装置。
  13. 前記バッテリ暖機制御において、
    前記エンジンの排熱を利用して暖められた空気、又は、温められた冷却水によって前記バッテリを暖機することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置において、
    前記バッテリを充電するための電力を発電するエネルギー源として、燃料の熱エネルギーを利用するエンジンに代えて、反応物質の化学反応により発電する燃料電池(6)を備えるハイブリッド車(102)に適用され、
    前記エンジンの燃料消費量に代えて、前記燃料電池の反応物質の消費量について、前記バッテリ暖機制御を実施する場合の消費量推定値が前記通常制御を実施する場合の消費量推定値を超える場合、前記バッテリ暖機制御の実施を禁止することを特徴とするハイブリッド車制御装置。
JP2014021262A 2014-02-06 2014-02-06 ハイブリッド車制御装置 Active JP6136965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014021262A JP6136965B2 (ja) 2014-02-06 2014-02-06 ハイブリッド車制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014021262A JP6136965B2 (ja) 2014-02-06 2014-02-06 ハイブリッド車制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015147499A JP2015147499A (ja) 2015-08-20
JP6136965B2 true JP6136965B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=53891267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014021262A Active JP6136965B2 (ja) 2014-02-06 2014-02-06 ハイブリッド車制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6136965B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2556881A (en) * 2016-11-23 2018-06-13 Ford Global Tech Llc A method of adaptively controlling an electrical system having a lithium-ion battery
JP2021127001A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 本田技研工業株式会社 制御装置及びプログラム
CN114388851B (zh) * 2022-01-25 2023-11-10 北京亿华通科技股份有限公司 一种车载燃料电池发动机的加热控制方法及系统

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4692192B2 (ja) * 2005-09-30 2011-06-01 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両バッテリ充放電制御システム
JP4529960B2 (ja) * 2006-08-28 2010-08-25 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド自動車およびその制御方法
JP4508281B2 (ja) * 2008-11-10 2010-07-21 トヨタ自動車株式会社 電池制御装置及び蓄電池の充放電制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015147499A (ja) 2015-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6011541B2 (ja) 充電制御装置および充電制御方法
US11312358B2 (en) Hybrid vehicle
JP6380447B2 (ja) ハイブリッド車両
WO2010113496A1 (ja) ハイブリッド車両
JP6558280B2 (ja) 制御システム
US20150191100A1 (en) Energy Management for a Motor Vehicle Having Coupled Energy Storage Devices
CN111055691B (zh) 车辆的制动控制装置
JP2015059639A (ja) 車両用制御装置
JP5359373B2 (ja) 車輌の制御装置
JP5202576B2 (ja) 車両用電源システム
JP2015071334A (ja) ハイブリッド車制御装置
JP2008273518A (ja) ハイブリッド自動車用電池制御装置,ハイブリッド自動車用電池制御方法及びハイブリッド自動車
JP5130249B2 (ja) ハイブリッド車両の充電制御装置
US10981455B2 (en) Electric vehicle
JP2014222989A (ja) 電気自動車の回生制御装置
JP2005151721A (ja) 車両の制御装置
KR20190013015A (ko) 하이브리드 자동차 및 그를 위한 주행 모드 제어 방법
US10604144B2 (en) Method and apparatus for controlling power of mild hybrid electric vehicle
JP6136965B2 (ja) ハイブリッド車制御装置
GB2523666A (en) Hybrid vehicle
US20180162226A1 (en) System and method for determining regenerative braking mode of ldc
JP5070925B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5772209B2 (ja) 蓄電装置の充放電制御装置およびそれを搭載した電動車両
JP2020103006A (ja) 車両用充電制御システム
JP2019145392A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6136965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250