JP6135387B2 - マイクロフォン、音響センサ及び音響センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はマイクロフォン、音響センサ及び音響センサの製造方法に関する。具体的には、複数のセンシング部(キャパシタ構造)を有する静電容量型の音響センサと、当該音響センサをパッケージ内に納めたマイクロフォンに関する。また、当該音響センサの製造方法に関する。
静電容量型の音響センサは、基板に設けた空洞(貫通孔)の上面にダイアフラム(可動電極板)と固定電極板を備えた構造となっている。また、マイクロフォンは、パッケージ内の底面に音響センサと処理回路を設置し、音響振動を導入するためのパッケージ音孔をパッケージに設けたものである。このようなマイクロフォンの感度や周波数特性などの音響特性を改善するためには、ダイアフラムを基準として音響振動が入ってくる側と反対側の空間(この空間をバックチャンバと呼ぶ。)の容積を大きくすればよいことが知られている。
上記マイクロフォンとしては、パッケージの上面にパッケージ音孔を設けたものが一般的である。このようなタイプのマイクロフォンでは、パッケージ音孔を通ってパッケージ内に入った音響振動は、固定電極板とダイアフラムを通過して空洞へ抜け、そのときダイアフラムを振動させてダイアフラムと固定電極板の間の静電容量を変化させる。したがって、このマイクロフォンでは、基板内の空洞がバックチャンバとなるので、バックチャンバーの容積をあまり大きくすることができない。
そのため、マイクロフォンの感度や周波数特性などの音響特性を改善する実際的方法としては、パッケージ音孔を基板の空洞に直結する位置、すなわち空洞の直下でパッケージに開口する方法が提案されている(図1(A)参照)。
また、マイクロフォンのS/N比(信号雑音比)や音圧帯域などの音響特性を改善する別な方法としては、マイクロフォンに2個の音響センサを内蔵させる方法がある。1つのパッケージ内に2個の音響センサを内蔵していれば、2個の音響センサの出力を加え合わせることでマイクロフォンの感度を向上させたり、ノイズキャンセリングを行ったりすることができ、結果としてS/N比を向上させることができる。あるいは、互いに感度、音圧帯域、周波数帯域などの異なった2個の音響センサを内蔵させておけば、これらの音響センサの出力を後段の回路で切り替えながら併用することにより、1個の音響センサでは実現できない特性を得ることができる。たとえば、高感度だが小さい音圧に対応した音響センサと、低感度だが大きい音圧に対応した音響センサを併用し、音圧帯域によって各音響センサを切り替えることで、擬似的に高感度で大きい音圧まで対応した広帯域のマイクロフォンを実現することができる。
複数個の音響センサを内蔵したマイクロフォンとしては、たとえば特許文献1に開示されたものがある。しかし、特許文献1(図3A)に示されたマイクロフォンでは、パッケージの底面に複数個の音響センサを配置し、パッケージの上面にパッケージ音孔を開口しているので、パッケージ音孔を音響センサの空洞に直結させることができない。
そこで特許文献1(図3A)に示されたマイクロフォンの改善例としては、図1に示すように、パッケージ12の底部上面に複数個の互いに独立した音響センサ13a、13b、…を実装し、パッケージ12の底面に空洞17と直結したパッケージ音孔14を設けることが考えられる。このマイクロフォン11では、音響センサ13a、13b、…の上面にダイアフラム15と固定電極板16を備えているので、音響センサ内部の空洞17がフロントチャンバとなり、パッケージ内部のパッケージ空間18がバックチャンバとなる。よって、バックチャンバの容積を広くすることができ、マイクロフォンの特性を改善することができる。
しかし、このような構造のマイクロフォンでは、個々の音響センサ毎にパッケージ音孔を備えているので、それぞれの音響センサは、異なるパッケージ音孔から入った少しずつ異なる音響振動を検知する可能性がある。少しずつ異なる音響振動を検知している音響振動の出力信号を上記のように重ね合わせると、例えば出力信号どうしが干渉してうなりを発生する恐れがある。また、図1のように独立した複数個の音響センサを用いると、音響センサ間の製造バラツキが問題になることもある。
これに対し、特許文献1(図4)に示された音響センサでは、図2に示すように、基板22の上面に固定電極板16を設け、その上方に複数のダイアフラム15を設け、各ダイアフラム15と固定電極板16によって複数のセンシング部21a、21b、…(キャパシタ構造)を形成している。各センシング部21a、21b、…においては、固定電極板16にアコースティックホール23が開口されている。図2のような音響センサ13では、単一の基板に複数のセンシング部21a、21b、…が形成されているので、各センシング部ごとの製造ばらつきが小さくなる。よって、図2のような音響センサ13を用いて、空洞17の下面に直結するようにしてパッケージに1個のパッケージ音孔を設けることが考えられる。
また、図2の音響センサ13では、各センシング部21a、21b、…が空洞17を共有していると都合がよいので、空洞17はセンシング部21a、21b、…の下方の空間全体に広がっている。その一方、空洞17の内部において、空洞17の上部に基板22によって補強材(stiffening rib)24を設けている。
しかし、この補強材24は、エッチングにより基板22に空洞17を形成したときのエッチング残りであり、基板22の厚みに比べて厚みがかなり薄い部材であるから、それ自体では音響センサ13に十分な強度を付与することはできない。そのため、マイクロフォンを落下させたときの衝撃で基板22が歪み、ダイアフラム15が割れやすくなる。
また、図2の音響センサ13では、基板22に空洞17を形成するときのエッチング体積が大きいので、エッチング時間が長くなり、音響センサの生産性が悪くなる。さらに、この音響センサ13では、各センシング部21a、21b、…の下の空洞17がつながっているので、空洞17に入った音響振動がセンシング部全体から抜け出やすく、音響センサ13の低周波特性が悪くなる。
また、図2の音響センサ13では、パッケージ音孔を設ける位置は、空洞17の下面の開口領域に制限されるので、パッケージ音孔の位置設計の自由度が低く、またパッケージ音孔から空洞17内に塵埃などの異物が侵入しやすい。
なお、特許文献1(図4)の音響センサでは、上記補強材24を基板22の下面まで延ばして仕切壁25を構成し、各空洞17を仕切壁25によって仕切ることも可能としている。そして、仕切壁25の真ん中あたりの高さに通孔26を設けて隣接する空洞17どうしを連通させている(図2において破線で示す)。しかし、このような変形例では、仕切壁25の真ん中あたりに仕切壁25を横に貫通するようにして通孔26を形成しなければならず、通孔26を開口する工程が極めて困難になる。さらに、仕切壁25を設けるだけで通孔26を設けなければ、各空洞17ごとにパッケージ音孔を設ける必要があり、図1の場合と同様な不具合が生じる。
米国特許出願公開第2007−47746号明細書
本発明の目的とするところは、基板に設けた空洞にパッケージ音孔を直結させて前記空洞をフロントチャンバとして使用するための音響センサ及びマイクロフォンにおいて、基板の強度を向上させ、空洞を形成するときのエッチング時間を短縮し、かつ、低周波特性を良好にすることにある。また、本発明の別な目的は、当該音響センサの生産性を向上させることにある。
本発明に係るマイクロフォンは、
パッケージの内面に音響センサの下面を固定したマイクロフォンにおいて、
前記音響センサは、上面から下面にかけて貫通した複数の空洞を有する基板と、前記空洞のそれぞれの上方に配設された可動電極板及び固定電極板からなるキャパシタ構造とを備え、
前記パッケージは、前記音響センサの下面に対向する位置にパッケージ音孔を開口され、
前記基板の下面には、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、前記基板の下面側で開口した窪みが形成され、
前記基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下であることを特徴としている。
本発明のマイクロフォンは、パッケージ音孔から音響センサの空洞内に音響振動を取り込む構造となっているので、パッケージ内の空間がバックチャンバとなり、広いバックチャンバ空間を有する。また、一つの基板に複数のキャパシタ構造(センシング部)を設けられている。よって、このマイクロフォンでは、感度や周波数特性などの音響特性が良好となる。しかも、本発明のマイクロフォンでは、基板の下面に、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、基板の下面側で開口した窪みが形成されていて、基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下となっているので、基板の剛性が高くなる。その結果、マイクロフォンに落下等による衝撃が加わっても、基板が歪みにくく、衝撃によって可動電極板が破損しにくくなる。また、基板のエッチング体積が小さくて済むので、基板のエッチング時間が短縮され、音響センサのの生産性が向上する。さらに、空洞がほぼ独立しているので、空洞に入った音響振動が抜け出にくく、音響センサの低周波特性が良好になる。
本発明に係るマイクロフォンのある実施態様は、前記空洞が前記基板の仕切壁によって相互に分離され、前記窪みが、前記基板の下面のうち、少なくとも前記仕切壁の下面の一部に形成され、前記窪みが、前記空洞のそれぞれの下端部側面に連通している。窪みは、仕切り壁の下面の少なくとも一部に設けられているが、仕切壁の下面以外の領域にも設けられていてもよい。かかる実施態様によれば、基板の空洞間が仕切壁で保持されていて、仕切壁の下の窪みが空洞の高さの0.5倍以下となっているので、基板の剛性が高くなる。その結果、マイクロフォンに落下等による衝撃が加わっても、基板が歪みにくく、衝撃によって可動電極板が破損しにくくなる。また、窪みの高さが空洞の高さの半分以下であるので、基板のエッチング体積が小さくて済み、基板のエッチング時間が短縮され、音響センサのの生産性が向上する。さらに、空洞が仕切壁で仕切られていて各空洞がほぼ独立しているので、空洞に入った音響振動が抜け出にくく、音響センサの低周波特性が良好になる。また、パッケージ音孔は、基板の下面の窪み又は空洞のある箇所であれば、任意の位置に設けることが可能であるので、マイクロフォンの設計自由度が向上する。
本発明に係るマイクロフォンの別な実施態様は、前記パッケージ音孔が、前記仕切壁の下面に対向していることを特徴としている。かかる実施態様によれば、パッケージ音孔の上方に仕切壁の下面が存在しているので、パッケージ音孔から音響センサ内に異物や外乱などが侵入しにくくなる。
本発明に係るマイクロフォンのさらに別な実施態様は、前記仕切壁の下面の一部に、支持柱を突設したことを特徴としている。かかる実施態様によれば、基板の剛性がより高くなり、音響センサの強度が増す。また、基板のエッチング体積がさらに小さくなるので、基板のエッチング時間がより短縮される。特に、前記支持柱の下面は、前記基板の下面と同一平面上に位置していることが望ましい。
また、前記パッケージ音孔は、複数の前記空洞のうちのいずれか一つの空洞の下面に対向していてもよい。
本発明に係るマイクロフォンのさらに別な実施態様は、前記空洞は前記基板の仕切壁によって相互に分離され、前記窪みが、前記基板の下面のうち、少なくとも前記空洞及び前記仕切壁以外の領域の下面の一部に形成され、前記窪みが、前記空洞のそれぞれの下端部側面に連通していることを特徴としている。かかる実施態様によれば、パッケージ音孔の位置の自由度がより高くなる。このとき、前記パッケージ音孔は、前記空洞及び前記仕切壁以外の領域の下面に対向していてもよい。
本発明に係るマイクロフォンのさらに別な実施態様は、前記窪みが、その周囲全体を前記基板によって囲まれていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、パッケージ音孔から窪みに入った音響振動が漏れるのを防ぐことができ、音響センサの感度が向上する。
本発明に係る音響センサは、
上面から下面にかけて貫通した複数の空洞を有する基板と、
前記空洞のそれぞれの上方に配設された可動電極板及び固定電極板からなるキャパシタ構造と、
を備えた音響センサにおいて、
前記基板の下面には、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、前記基板の下面側で開口した窪みが形成され、
前記基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下であることを特徴としている。
本発明に係る音響センサは、パッケージ音孔から音響センサの空洞内に音響振動を取り込む構造となっているので、広いバックチャンバ空間を確保することができる。また、一つの基板に複数のキャパシタ構造(センシング部)を設けられている。よって、この音響センサでは、感度や周波数特性などの音響特性が良好となる。しかも、本発明の音響センサでは、基板の下面に、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、基板の下面側で開口した窪みが形成されていて、基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下となっているので、基板の剛性が高くなる。その結果、音響センサに落下等による衝撃が加わっても、基板が歪みにくく、衝撃によって可動電極板が破損しにくくなる。また、基板のエッチング体積が小さくて済むので、基板のエッチング時間が短縮され、音響センサのの生産性が向上する。さらに、空洞がほぼ独立しているので、空洞に入った音響振動が抜け出にくく、音響センサの低周波特性が良好になる。
本発明に係る音響センサの第1の製造方法は、
本発明に係る音響センサを製造するための音響センサの製造方法であって、
平板状をした基板材料の上面に可動電極板や固定電極板を形成するための構造物を作製する第1の工程と、
前記空洞及び前記窪みの下面となる領域で開口した第1のマスクを、前記基板材料の下面に形成する第2の工程と、
前記窪みの下面となる領域を覆うとともに少なくとも前記空洞の下面となる領域で開口した第2のマスクを、前記基板材料及び前記第1のマスクの下面に形成する第3の工程と、
前記第2のマスクと前記第1のマスクを通して前記基板材料を下面側からドライエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞となる領域に、前記空洞の高さから前記窪みの高さを引いた値に等しい深さの凹所を形成する第4の工程と、
前記第2のマスクの無い状態で前記第1のマスクを通して前記基板材料を下面側からドライエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞及び前記窪みとなる領域を前記窪みの高さと同じ深さだけ前記基板材料を除去し、前記空洞及び前記窪みを有する前記基板を作製する第5の工程と、
前記構造物によって前記基板の上面に前記可動電極板と前記固定電極板を形成する第6の工程と、
を有することを特徴している。本発明に係る音響センサの第1の製造方法によれば、本発明に係る音響センサを製造することができる。
本発明に係る音響センサの第1の製造方法のある実施態様は、前記第3の工程において、前記基板の厚みをA、前記窪みの高さをH、前記基板材料に対する第2のマスクのエッチングレートの比をR2とするとき、前記第2のマスクの厚みTを、
T=(A−H)×R2
と定めることを特徴としている。かかる実施態様によれば、第4の工程と第5の工程をドライエッチング装置内で連続的に処理することができるので、音響センサの生産性が向上する。
さらに、前記第3の工程においては、前記第2のマスクを残して前記ドライエッチングを停止し、残った前記第2のマスクをアッシングにより除去してもよい。かかる実施態様によれば、前記窪みの高さが第2のマスクの厚みのばらつきの影響を受けにくくなる。
本発明に係る音響センサの第1の製造方法の別な実施態様は、前記第2の工程において、前記窪みの高さをH、前記基板材料に対する第1のマスクのエッチングレートの比をR1とするとき、前記第1のマスクの厚みtを、
t≧H×R1
と定めることを特徴としている。かかる実施態様によれば、かかる実施態様によれば、基板に空洞が形成される前に第1のマスクがドライエッチングによって消耗してしまうのを防ぐことができる。特に、第1のマスクの厚みがt=H×R1となっていれば、基板に空洞が形成された時に第1のマスクがドライエッチングによって消耗してしまうので、第1のマスクを剥離する工程が不要になる。
本発明に係る音響センサの第2の製造方法は、
請求項11に記載の音響センサを製造するための音響センサの製造方法であって、
平板状をした基板材料の上面に可動電極板や固定電極板を形成するための構造物を作製する第1の工程と、
前記空洞及び前記窪みの下面となる領域で開口した第3のマスクを、前記基板材料の下面に形成する第2の工程と、
前記第3のマスクを通して前記基板材料を下面側からエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞及び前記窪みとなる領域に、前記窪みの高さと同じ深さの凹所を形成する第3の工程と、
前記凹所の上面のうち前記窪みとなる領域と、前記凹所の側壁面を第4のマスクで覆う第4の工程と、
前記第3のマスクと前記第4のマスクを通して前記基板材料の前記空洞となる領域を下面側からエッチングすることにより、前記空洞及び前記窪みを有する前記基板を作製する第5の工程と、
前記構造物によって前記基板の上面に前記可動電極板と前記固定電極板を形成する第6の工程と、
を有することを特徴としている。本発明に係る音響センサの第2の製造方法によっても、本発明に係る音響センサを製造することができる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
図1は、複数の音響センサを内蔵した参考例のマイクロフォンの構造を示す断面図である。 図2は、特許文献1に記載された音響センサの断面図である。 図3(A)は、本発明に係る実施形態1の音響センサを示す一部省略した平面図である。図3(B)は、本発明に係る実施形態1の音響センサをパッケージ基板の上に実装した状態を示す断面図である。 図4(A)及び図4(B)は、図3(A)の音響センサに用いられている基板を示す平面図及び裏面側から見た斜視図である。 図5は、図3(B)の音響センサを内蔵したマイクロフォンの断面図である。 図6(A)−図6(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第1の製造方法を説明するための断面図である。 図7(A)−図7(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第1の製造方法を説明するための断面図であって、図6(C)の続図である。 図8(A)−図8(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第1の製造方法を説明するための断面図であって、図7(C)の続図である。 図9(A)−図9(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第1の製造方法を説明するための断面図であって、図8(C)の続図である。 図10(A)−図10(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第2の製造方法を説明するための断面図である。 図11(A)−図11(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第2の製造方法を説明するための断面図であって、図10(C)の続図である。 図12(A)−図12(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第2の製造方法を説明するための断面図であって、図11(C)の続図である。 図13(A)−図13(C)は、図3(B)の音響センサを製造するための第2の製造方法を説明するための断面図であって、図12(C)の続図である。 図14(A)及び図14(B)は、図3(B)の音響センサを製造するための第2の製造方法を説明するための断面図であって、図13(C)の続図である。 図15(A)は、本発明に係る実施形態1の変形例による音響センサを示す一部省略した平面図である。図15(B)は、図15(A)の音響センサに用いられている基板を示す裏面側からの斜視図である。 図16は、本発明に係る実施形態1の別な変形例による音響センサを示す一部省略した平面図である。 図17(A)は、本発明に係る実施形態2の音響センサを示す一部省略した平面図である。図17(B)は、本発明に係る実施形態2の音響センサをパッケージ基板の上に実装した状態を示す断面図である。 図18(A)及び図18(B)は、図17(A)の音響センサに用いられている基板を示す平面図及び裏面側から見た斜視図である。 図19は、図17(B)の音響センサを内蔵したマイクロフォンの断面図である。 図20(A)は、本発明に係る実施形態3の音響センサを示す一部省略した平面図である。図20(B)は、本発明に係る実施形態3の音響センサをパッケージ基板の上に実装した状態を示す断面図である。 図21は、図20(A)の音響センサに用いられている基板を示す裏面側からの斜視図である。 図22(A)は、本発明に係る実施形態4の音響センサを示す一部省略した平面図である。図22(B)は、本発明に係る実施形態4の音響センサをパッケージ基板の上に実装した状態を示す断面図である。 図23は、図22(A)の音響センサに用いられている基板を示す裏面側からの斜視図である。 図24(A)及び図24(B)は、異なる形状の基板を示す裏面側からの斜視図及び平面図である。 図25(A)及び図25(B)は、いずれも、さらに異なる形状の基板を示す平面図である。 図26(A)及び図26(B)は、いずれも、さらに異なる形状の基板を示す平面図である。 図27は、本発明に係る実施形態5の音響センサをパッケージ基板の上に実装した状態を示す断面図である。 図28(A)は、本発明に係る実施形態6の音響センサを示す一部省略した平面図である。図28(B)は、図28(A)の音響センサに用いられている基板を示す裏面側からの斜視図である。
31、82 マイクロフォン
32 パッケージ
32a パッケージ基板
32b カバー
33 パッケージ音孔
41、81、91、101、111、121 音響センサ
42 基板
43 フロントチャンバ
44 仕切壁
45 音響スペース
46 ダイアフラム
49 バックプレート
50 固定電極板
51 アコースティックホール
52a、52b、52c、52d センシング部
62、63 SiO
64、65、67、70、71 フォトレジスト
69 P−SiO
92 支持柱
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
(実施形態1の構造)
以下、図3−図5を参照して本発明の実施形態1による音響センサ41及びマイクロフォン31の構造を説明する。図3(A)は、本発明に係る実施形態1の音響センサ41を示す平面図である。ただし、図3(A)においては、音響センサ41のバックプレート49と固定電極板50を省略している。図3(B)は、音響センサ41をパッケージ基板32aの上に実装した状態を示す断面図である。図3(B)において、音響センサ41は図3(A)のX−X線に沿った断面を表し、パッケージ基板32aはそのパッケージ音孔33を通過する断面を表している。図4(A)及び図4(B)は、音響センサ41に用いられている基板42の平面図と裏面側から見た斜視図である。図5は、音響センサ41を内蔵したマイクロフォン31の断面図である。
音響センサ41は、図3(A)及び図3(B)に示すように、シリコン基板などの半導体基板42の上面に複数のセンシング部を設けたものである。図示例では、4つのセンシング部52a、52b、52c及び52dが設けられている。図4(A)に示すように、基板42には、上面から下面に貫通するようにして4つの角柱状をした空洞、すなわちフロントチャンバ43が開口している。各フロントチャンバ43間には上方から見て十字状をした仕切壁44が存在しており、各フロントチャンバ43どうしは仕切壁44によって互いに分離されている。さらに、図4(B)に示すように、仕切壁44の下面の一部が上方へ窪んでいて、仕切壁44の下に窪み、すなわち音響スペース45が形成されている。音響スペース45の高さは、フロントチャンバ43の高さ(すなわち、基板42の厚み)の1/2倍以下となっている。この実施形態では、仕切壁44の下面のうち、一対のフロントチャンバ43間に位置する平壁部分のほぼ中央部よりも中心部(平壁の交差部分)側に音響スペース45を設けてあり、音響スペース45は基板42の下面において十字状に窪んでいる。よって、音響スペース45は、各フロントチャンバ43の下端部側面に連通しており、フロントチャンバ43どうしも音響スペース45を通して互いに連通している。
音響センサ41のセンシング部52a−52dは、主として導電性のダイアフラム46(可動電極板)とバックプレート49の下面に設けられた固定電極板50からなるキャパシタ構造である。ダイアフラム46は、略矩形状をした薄膜構造物であって、フロントチャンバ43の上面を覆うようにして基板42の上面に位置している。ダイアフラム46の四隅からは、その対角方向へ向けて支持片47が延出しており、各支持片47は基板42の上面に設けたアンカー48によって支持されている。したがって、ダイアフラム46は基板42の上面から離間しており、ダイアフラム46の縁と基板42の上面との間には音響振動の通路(ベントホール)が生じている。
ダイアフラム46の上方には絶縁材料からなるバックプレート49が設けられている。バックプレート49は、ダイアフラム46をドーム状に覆っている。また、バックプレート49の外周部やダイアフラム間に位置する部分は、基板42の上面に固定されている。バックプレート49の下面には、空隙(エアギャップ)を隔ててダイアフラム46と対向するようにして導電性の固定電極板50を設けている。バックプレート49及び固定電極板50には上下に貫通した小さなアコースティックホール51が多数開口している。
本発明の実施形態1によるマイクロフォン31(MEMSマイクロフォン)は、上記のような構造の音響センサ41を内蔵している。すなわち、図5に示すように、マイクロフォン31のパッケージ32は、パッケージ基板32aとカバー32bからなり、パッケージ32の内部にはパッケージ空間34が形成されている。パッケージ基板32aの上面、下面あるいはその内部には、必要に応じて配線や電気回路が設けられており、パッケージ基板32aの上面に音響センサ41やASIC等の処理回路53が実装されている。処理回路53は、増幅回路や電源回路、出力回路などによって構成されている。さらに、音響センサ41と処理回路53はボンディングワイヤ54によって接続されており、処理回路53はボンディングワイヤ55によってパッケージ基板32aの配線や電気回路に接続されている。
パッケージ32は、パッケージ基板32aの上面にカバー32bの下面を接着させて構成されており、パッケージ空間34内に音響センサ41と処理回路53を収容している。さらに、図3(B)に示すように、音響スペース45の中央部に対向する位置において、パッケージ基板32aにはパッケージ音孔33が開口している。パッケージ音孔33はパッケージ基板32aを上下に貫通しており、パッケージ音孔33の上面開口は音響スペース45と連通している。パッケージ音孔33は、どのような形状であっても差し支えなく、たとえば円形、楕円形、矩形状などの開口形状とすることができる。
しかして、このマイクロフォン31にあっては、パッケージ音孔33から音響スペース45内に入った音響振動は、音響スペース45を通ってそれぞれのフロントチャンバ43に伝搬し、各センシング部52a−52dのダイアフラム46を振動させる。この結果、各センシング部52a−52dにおいて、音響振動がダイアフラム46と固定電極板50の間のキャパシタンスに変換され、処理回路53へ電気信号が出力される。
このようにしてパッケージ音孔33が各フロントチャンバ43に直結しているので、パッケージ音孔33から音響センサ41に侵入した音響振動は、音響スペース45を通ってフロントチャンバ43に入り、ダイアフラム46を振動させる。パッケージ32内のパッケージ空間34(音響センサ41の外部)は、バックチャンバとなる。よって、マイクロフォン31におけるバックチャンバの容積を大きくすることができ、マイクロフォン31の感度や周波数特性などの音響特性を向上させることができる。
しかも、複数のセンシング部52a−52dを有しているので、処理回路53において各センシング部52a−52dの出力を加算して感度を向上させたり、あるいは各センシング部52a−52dの出力を切り替えて感度や周波数帯域、音圧帯域などを広げたりすることができる。
また、各センシング部52a−52dは、MEMS製造技術を用いて同一基板上に作製されているので、センシング部52a−52dどうしの製造バラツキを小さくすることができる。さらに、音響スペース45によって各フロントチャンバ43に一つのパッケージ音孔33を直結させているので、各センシング部52a−52dには同一のパッケージ音孔33から入った音響振動が伝搬し、各センシング部52a−52dで同じ音響振動を検知させることができる。
さらに、本実施形態のマイクロフォン31又は音響センサ41では、フロントチャンバ43間が仕切壁44で仕切られており、フロントチャンバ43の高さの1/2以上の領域に仕切壁44が設けられているので、仕切壁44によって基板42の剛性を高くすることができる。そのため、マイクロフォン31を組み込んだ機器の落下等によって音響センサ41に衝撃が加わっても、ダイアフラム46が過度に撓むのを防ぐことができ、ダイアフラム46が衝撃によって破損しにくくなる。
また、図2に示した音響センサに比較して、本実施形態の音響センサ41では、基板42のエッチング体積が小さくなるので、音響センサ41の製造工程におけるエッチング時間を短縮することができ、音響センサ41の生産性が向上する。
また、本実施形態の音響センサ41では、各フロントチャンバ43が仕切壁44によって仕切られているので、パッケージ音孔33からフロントチャンバ43に入った音響振動が抜け出にくくなり、音響センサ41の低周波特性が良好となる。
また、本実施形態のマイクロフォン31では、パッケージ音孔33に仕切壁44の下面が対向しているので、パッケージ音孔33から入り込む外乱に対して強くなり、外乱によってマイクロフォン31が機能低下しにくくなる。すなわち、パッケージ音孔33から音響センサ41内に塵埃や液体などの異物のほか、圧縮空気や過度の音圧などのダメージを与える要因が侵入しにくくなるので、音響センサ41の外乱に対する耐性を高くすることができる。特に、この目的のためには、パッケージ音孔33の直径は仕切壁44の壁厚よりも小さく、上方から見てパッケージ音孔33がフロントチャンバ43と重ならないように設けておくことが好ましい。
さらに、基板42の下面に音響スペース45を設けているので、パッケージ音孔33のサイズを小さくすることができ、パッケージ32に音響センサ41を実装する際のアライメントも容易になる。
また、パッケージ音孔33は、音響スペース45の中央に限らない。仕切壁44の下面に対向する位置であれば外乱の侵入を防ぐことができ、また後述のように外乱の侵入を問題としないのであれば、フロントチャンバ43に対向する位置であってもよい。そのため、パッケージ音孔33を小さくしてあれば、音響センサ41をパッケージ32に実装する際の、パッケージ音孔33とのアライメントが容易になる。
(製造方法1)
次に、実施形態1の音響センサ41を製造するための製造工程を図6−図9により説明する。図6(A)は、CVDなどの成膜技術を用いてシリコン基板42(Siウエハ等の基板材料)の上面にSiO層62(犠牲層)と複数層のポリシリコン層を積層した状態を示す。ポリシリコン層はパターニングされており、アンカー48を設ける位置にはアンカー層61が形成され、その上の層はダイアフラム46となるようにパターニングされ、その上の層は固定電極板50となるようにパターニングされている。図6(B)に示す工程では、SiO層62がバックプレート49の内面形状となるようにエッチングされた後、その表面にSiN膜を成膜してバックプレート49が作製される。図6(C)の工程では、バックプレート49と固定電極板50を順次エッチングし、バックプレート49から固定電極板50に貫通した多数のアコースティックホール51を開口する。この後、シリコン基板42の裏面を研磨し、基板厚みを例えば725μmから400μmまで薄くする。
この後、図7(A)に示すように、基板42の裏面全面にSiO層63(第1のマスク)を成膜する。図7(B)の工程では、SiO層63の下面にフォトレジスト64を成膜し、ついで、フォトリソグラフィによりフォトレジスト64をパターニングして、フロントチャンバ43及び音響スペース45となる領域の下面でフォトレジスト64を開口する。図7(C)の工程では、フォトレジスト64の開口を通してSiO層63の露出部分をエッチングにより除去する。この結果、SiO層63は、フロントチャンバ43及び音響スペース45となる領域の下面で開口したSiOハードマスクとなる。
図8(A)に示すようにフォトレジスト64を除去した後、基板42及びSiO層63の下面全体に再びフォトレジスト65を塗布する。ついで、フォトリソグラフィによりフォトレジスト65をパターニングし、図8(B)のようにフロントチャンバ43となる領域の下面でフォトレジスト65を開口する。なお、SiO層63の存在する領域では、フォトレジスト65は無くても差し支えない。
この後、フォトレジスト65を第2のマスクとして基板42を裏面側からドライエッチングする。基板42の露出部分は大きなエッチングレートでドライエッチングが進行するのに対し、フォトレジスト65は基板42よりもエッチングレートが非常に小さいので、フォトレジスト65のドライエッチングによる消耗はわずかである。この結果、図8(C)に示すように、基板42の下面のうちフロントチャンバ43となる領域には、A−Hに等しい深さの凹所66が形成される。ここで、Aは基板42の(研磨後の)厚みであり、Hは音響スペース45の高さである(図3(B)参照)。
ついで、図9(A)に示すように、SiO層63を第1のマスクとして基板42を裏面側からドライエッチングする。この結果、凹所66の存在した領域で基板42にフロントチャンバ43が貫通するとともに、基板42の下面に直接フォトレジスト65が設けられていた領域で基板42の下面に音響スペース45が形成され、エッチングされないで残った部分によって仕切壁44が形成される。
SiO層63の膜厚tは、フォトレジスト65が無くなった後の図9(A)の工程で、基板エッチングに耐えるだけの厚さを有している必要がある。すなわち、SiO層63がエッチングで消耗するよりも前にフロントチャンバ部分のエッチングが基板42の上面に達しなければならない。そのためには、SiO層63の膜厚tが、
t≧H×(基板に対するSiO層のエッチングレート比)
を満たしている必要がある。ここで、Hは音響スペース45の高さである。例えば、音響スペース45の高さHが20μmであるとし、SiO層63のエッチングレートが基板42のエッチングレートの1/250倍であるとすれば、SiO層63の膜厚tを、
H×(1/250)=20/250=0.08[μm]
と等しいか、それよりも大きくすればよい。特に、0.08μmに等しくしてあれば、フロントチャンバ43のエッチングが基板42の上面に達してフロントチャンバ43が開口し終えた時点でSiO層63が無くなる。よって、フロントチャンバ43のエッチング後にSiO層63を除去する必要がなくなる。
ここでは、図8(B)の工程で作製されるフォトレジスト65の膜厚Tを、
(A−H)×(基板に対するフォトレジストのエッチングレート比)
にしておくことが好ましい(Aは基板42の厚み、Hは音響スペース45の高さ)。例えば、基板42の厚みAが400μm、音響スペース45の高さHが20μmであるとし、フォトレジスト65のエッチングレートが基板42のエッチングレートの1/80倍であるとすれば、フォトレジスト65の膜厚Tを、
T=(A−H)×(1/80)=(400−20)/80=4.75[μm]
とすればよい。このようにフォトレジスト65の膜厚Tを調製してあれば、図8(C)のようにフォトレジスト65がすべてエッチングされてSiO層63及び基板42が露出した時点で基板42の凹所66の深さDがA−Hに等しくなる。そして、そのままドライエッチングを継続すれば、SiO層63を第1のマスクとして基板42がエッチングされ、基板42の直接フォトレジスト65が設けられていた領域(音響スペース45となる領域)と凹所66(フロントチャンバ43となる領域)の上面とがエッチングされる。フォトレジスト65が無くなった後の工程は、図9(A)の工程である。よって、フォトレジスト65の膜厚Tを上記のように調製してあれば、ドライエッチング装置から取り出すことなく、図8(C)の工程と図9(A)の工程を連続的に行うことができ、基板のエッチング工程が時間短縮されて音響センサの生産性が向上する。
なお、図8(C)に2点鎖線で示すように、フォトレジスト65を少し残して図8(C)の工程におけるドライエッチングを一旦終了してもよい。残ったフォトレジスト65はアッシング(ashing)により除去する。その後、図9(A)の工程において再びドライエッチングを行い、フロントチャンバ43を基板42の上面まで貫通させると共に音響スペース45を設ける。このような方法でも、基板42をドライエッチング装置から取り出すことなく、図8(C)の工程から図9(A)の工程までを連続的に行うことができる。
しかも、ドライエッチングによりフォトレジスト65を完全に除去する方法であると、フォトレジスト65の膜厚のばらつきやドライエッチング時のばらつきで音響スペース45の高さがばらつく。これに対し、フォトレジスト65を少し残してアッシングで除去するようにすると、音響スペース45の高さがフォトレジスト65の膜厚ばらつきの影響を受けなくなる。その結果、音響スペース45の高さは、ドライエッチング時のばらつきの影響しか受けなくなり、音響スペース45の高さ精度が向上する。
図9(B)の工程では、シリコン基板42の上面及び下面にBHF等のエッチャントを適用する。エッチャントは、アコースティックホール51及びフロントチャンバ43からバックプレート49内に浸入し、SiO層62をエッチング除去する。そして、アンカー層61の上面及び下面にSiO層62が残っている段階でエッチングを停止し、基板42を洗浄する。また、基板42の下面のSiO層63も、この工程で除去される。
こうして、図9(C)のようにアンカー層61とその上下のSiO層62によってアンカー48が形成され、各ダイアフラム46はアンカー48によって四隅を支持され、ダイアフラム46と固定電極板50の間には空隙が形成される。
以上述べたような製造方法1によれば、基板42のエッチングレートに対するフォトレジスト65のエッチングレートの比に応じてフォトレジスト65の膜厚を決定することで、フロントチャンバ43のエッチングと音響スペース45のエッチングを1回のドライエッチング工程により行うことができ、音響センサ41の製造工程を効率化することができる。また、基板42のエッチングレートに対するSiO層63のエッチングレートの比に応じてSiO層63の膜厚を決定することで、フロントチャンバ43が形成された時点でSiO層63が無くなるようにでき、フロントチャンバ43を形成する工程の後に、SiO層63を除去する工程が不要になり、音響センサ41の製造工程を効率化することができる。
(製造方法2)
音響センサ41は、上記製造方法以外の方法で製造することもできる。音響センサ41を製造するための別な製造工程を図10及び図11により説明する。図10(A)は、図6(A)−図6(C)と同様に工程により、シリコン基板42(Siウエハ)の上面にアンカー層61、SiO層62、ダイアフラム46、バックプレート49、固定電極板50を形成されたものである。この基板42の裏面を研磨して基板42の厚みを例えば725μmから400μmに薄くした後、図10(B)に示すように、基板42の下面にフォトレジスト67を成膜し、フォトリソグラフィによりフォトレジスト67をパターニングしてフロントチャンバ43及び音響スペース45となる領域でフォトレジスト67を開口する。ついで、図10(C)の工程では、フォトレジスト67を第3のマスクとして基板42の下面をドライエッチングする。このとき、エッチング時間管理(例えば、DRIE時間固定)により、基板42の下面に音響スペース45の高さH(例えば、20μm)と同じ深さの凹所68を形成する。
この後、スプレーコータにより再びフォトレジストを塗布し、凹所68の上面と側壁面にもフォトレジスト67を成膜する。そして、図11(A)に示すように、フォトレジスト67をパターニングし、フロントチャンバ43となる領域においてフォトレジスト67に開口を設ける。このとき、凹所68にせり出すフォトレジスト67の量は、図11(B)のエッチングの過程で基板42の裏面まで後退する程度に止めることが望ましい。
ついで、図11(B)に示すように、フォトレジスト67を第4のマスクとして基板42を下面側からドライエッチングし、基板42にフロントチャンバ43を貫通させる。このとき、音響スペース45となる部分は、フォトレジスト67で覆われているので、これ以上深さが深くなることはない。なお、この工程では、凹所68の側壁面に形成されたフォトレジスト67のため、図11(B)に破線で示すようにフロントチャンバ43の側壁面に段差が生じる恐れがある。しかし、ドライエッチングの進行によって側壁面のフォトレジスト67が基板42の裏面まで後退すると、フロントチャンバ43の側壁面の段差も目立たなくなる。また、このような段差を問題としないのであれば(音響センサの機能にはほとんど影響がない。)、凹所68にせり出すフォトレジスト67の量を最適化しなくてもよい。
なお、上記記載では、第3のマスクとなるフォトレジストと第4のマスクとなるフォトレジストとは、同一の符号(67)を使用していて同一材料のフォトレジストであることを示唆している。しかし、第3のマスクとなるフォトレジストと第4のマスクとなるフォトレジストとは、異なる材質のフォトレジスト材料であってもよい。また、上記説明では、第3のマスクを残したままでフォトレジスト67を塗布して第4のマスクを形成したが、一旦第3のマスクを除去した後に、フォトレジスト67を塗布して新たに第4のマスクを形成してもよい。また、図11(A)の工程においては、凹所68の側壁面にはフォトレジスト67を形成せず、凹所68の側壁面をフォトレジスト67から露出させていてもよい。
この後、シリコン基板42の上面及び下面にBHF等のエッチャントを適用し、アンカー層61の上下を残してSiO層62を除去し、また基板42の下面のフォトレジスト67をエッチング除去すれば、図11(C)のように音響センサ41が得られる。
(製造方法3)
音響センサ41を製造するためのさらに別な製造工程を図12−図14により説明する。図12(A)は、シリコン基板42(Siウエハ)の上面にアンカー層61、SiO層62、ダイアフラム46、バックプレート49、固定電極板50を形成されたものである。この基板42の裏面を研磨して基板42の厚みを例えば725μmから400μmに薄くした後、図12(B)に示すように、基板42の下面に第1のマスクとしてP−SiO膜69(例えば、膜厚が10,000Å)を成膜する。
この後、図12(C)の工程では、P−SiO膜69の下面全体にフォトレジスト70を塗布し、フォトリソグラフィによりフォトレジスト70をパターニングして、フロントチャンバ43及び音響スペース45となる領域の下面でフォトレジスト70を開口する。ついで、図13(A)に示すように、フォトレジスト70の開口を通してP−SiO膜69の露出部分にBHF等のエッチャントを適用し、P−SiO膜69の露出部分を選択的にエッチングする。この結果、P−SiO膜69は、フロントチャンバ43及び音響スペース45となる領域の下面で開口を形成される。この後、フォトレジスト70を剥離する。
図13(B)の工程では、基板42及びP−SiO膜69の下面全体に再びフォトレジスト71を塗布する。ついで、フォトリソグラフィによりフォトレジスト71をパターニングし、フロントチャンバ43となる領域の下面でフォトレジスト71を開口させる。ここで、第2のマスクとなるフォトレジスト71の膜厚Sは、基板42の厚みをA、音響スペース45の高さをHとすれば、
S=(A−H)×(基板に対するフォトレジストのエッチングレート比)
となっている。例えば、基板42の厚みAが400μm、音響スペース45の高さHが20μmであるとし、フォトレジスト71のエッチングレートが基板42のエッチングレートの1/80倍であるとすれば、フォトレジスト65の膜厚Sを、
S=(A−H)×(1/80)=(400−20)/80=4.75[μm]
とすればよい。このようにフォトレジスト71の膜厚Sを調製してあれば、図13(C)のようにフォトレジスト71がすべてドライエッチングされたとき、基板42のフロントチャンバ43となる領域には深さがA−Hの凹所72が形成される。さらに、そのままドライエッチングを継続しても、P−SiO膜69のエッチングレートは基板42のエッチングレートの1/250−1/300であるので、P−SiO膜69はほとんどエッチングされない。よって、図14(A)に示すように、凹所72が基板42の上面に達するまでドライエッチングすると、仕切壁44の下面に高さHの音響スペース45が形成される。したがって、この製造方法でも、基板42をドライエッチング装置から取り出すことなく、図13(C)の工程と図14(A)の工程を連続的に行うことができ、基板のエッチング工程が時間短縮されて音響センサの生産性が向上する。また、第1のマスクとしてエッチングレートの小さなP−SiO膜69を用いているので、P−SiO膜69の膜厚を薄くでき、第1のマスク(P−SiO膜69)の成膜時間を短縮することができて音響センサの生産性が向上する。
この後、シリコン基板42の上面及び下面にBHF等のエッチャントを適用し、アンカー層61の上下を残してSiO層62を除去し、また基板42の下面のP−SiO膜69を除去すれば、図14(B)のような音響センサ41が作製される。
この製造方法3でも、製造方法1と同様に、音響センサ41の製造工程を効率化でき、音響センサ41の生産性を向上させることができる。
(実施形態1の変形例)
本実施形態においては、仕切壁44、音響スペース45、フロントチャンバ43等の形状や配置を自由に変更することができる。例えば、図15(A)及び図15(B)に示す変形例では、仕切壁44の下面全体に音響スペース45を形成している。
また、図16に示す別な変形例では、基板42に円柱状のフロントチャンバ43を設け、仕切壁44の下面に略十字状をした音響スペース45を凹設している。音響スペース45は、上方から見て、仕切壁44の中央を中心とする円形領域からフロントチャンバ43の部分を除いた略十字状となっている。
(実施形態2)
図17(A)は、本発明の実施形態2による音響センサ81を示す平面図であって、バックプレート49及び固定電極板50を省略している。図17(B)は、音響センサ81をパッケージ基板32aの上に実装した断面図である。また、図18(A)及び図18(B)は、音響センサ81に用いられている基板42の平面図及び裏面側からの斜視図である。
実施形態2の音響センサ81に用いられている基板42は、図18(A)及び図18(B)に示すような構造となっている。上方から見たとき、3方向の仕切壁44(平壁部分)では、仕切壁44の中心部から各フロントチャンバ43間に位置する平壁部分のほぼ中央まで音響スペース45が延びている。また、1方向の仕切壁44では、仕切壁44の中心部からフロントチャンバ43間の平壁部分の端を超えて仕切壁44の外側(すなわち、基板42の外周部)まで音響スペース45が延びている。したがって、音響スペース45は、実施形態1の場合よりも広い面積を有している。
図19は、この音響センサ81と処理回路53を納めたマイクロフォン82を示す断面図である。マイクロフォン82では、図17(A)及び図17(B)に示すように、音響スペース45のうち仕切壁44よりも外側へ延びた領域に対向させて、パッケージ基板32aにパッケージ音孔33を開口している。
このような実施形態によれば、音響スペース45の面積が広くなっているので、仕切壁44の下面に対向する領域はもちろん、基板下面の外周部にでも、音響スペース45と連通するようにパッケージ音孔33を設けることができる。よって、パッケージ音孔33を設ける位置の自由度が高くなる。特に、図9に示すように、音響センサ41の端にパッケージ音孔33を位置させることが可能になる。その場合、図17(B)及び図18(A)のように、音響スペース45のうち基板42の外周部下面に位置する領域の面積を広くし、ここにパッケージ音孔33を対向させるようにすれば、パッケージ音孔33の位置ずれに対する許容度が大きくなる。
その他の点については、実施形態1と同様であるので、同一構成部分には同一の符号を付すことにより説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
(実施形態3)
図20(A)は、本発明の実施形態3による音響センサ91を示す一部省略した平面図である。図20(B)は、音響センサ91をパッケージ基板32aの上に実装した断面図である。また、図21は、音響センサ91に用いられている基板42を示す裏面側からの斜視図である。
音響センサ91に用いられている基板42は、図21に示すような構造を有している。この実施形態では、仕切壁44の下面のうち、その中央部に位置する交差部分を除く領域に音響スペース45を設けている。したがって、仕切壁44の下面中央部(交差部分)には、仕切壁44の下面に支持柱92が形成されている。支持柱92の下面は、基板42の下面と同一平面内に位置しており、また、支持柱92は音響スペース45によって四方を囲まれている。
図示例では、支持柱92はパッケージ音孔33の上に位置しているが、パッケージ音孔33の外側に位置していてもよい。また、支持柱92は複数個設けられていてもよい。支持柱92をパッケージ音孔33の上に設ける場合には、パッケージ音孔33が支持柱92によって塞がれないよう、支持柱92の面積はパッケージ音孔33の開口面積よりも小さくしておく必要がある。
この音響センサ91では、仕切壁44の下面に支持柱92を突出させているので、基板42の剛性がより高くなり、音響センサ91の衝撃などに対する強度が増し、特にダイアフラム46が破損しにくくなる。また、基板42に音響スペース45等をエッチングする際の加工体積が減るので、エッチング時間がさらに短縮され、音響センサ91の生産性が向上する。
なお、このような実施形態の音響センサ91でも、エッチングにより音響スペース45を形成する工程で、凸部92となる領域をマスクで覆っておくようにすれば、実施形態1の製造方法1−3と同様な製造方法により作製することができる。
(実施形態4)
図22(A)は、本発明の実施形態4による音響センサ101を示す一部省略した平面図である。図22(B)は、音響センサ101をパッケージ基板32aの上に実装した断面図である。また、図23は、音響センサ101に用いられている基板42を示す裏面側からの斜視図である。
音響センサ101に用いられている基板42は、図23に示すような構造を有している。この実施形態では、仕切壁44の下面のうち、その中央部に位置する交差部分を除く領域に音響スペース45を設けてあり、さらに、フロントチャンバ43及び仕切壁44を囲む領域(基板42の下面の外周領域)にも音響スペース45を設けている。また、仕切壁44の下面には、支持柱92が設けられている。
この音響センサ91では、音響スペース45が広くなるので、パッケージ音孔33を設ける位置の自由度が高くなる。特に、図9に示すように、音響センサ41の端にパッケージ音孔33を位置させることが可能になる。また、仕切壁44の下面に支持柱92を突出させているので、基板42の剛性がより高くなり、音響センサ91の衝撃などに対する強度が増し、特にダイアフラム46が破損しにくくなる。
(その他の基板形状)
上記各基板形状以外にも、いろいろな基板形状(あるいは、音響スペース構造)が可能である。たとえば、図24(A)及び図24(B)に示す基板42では、対角方向に延びた音響スペース45を仕切壁44の下面に設けている。パッケージ音孔33は、音響スペース45の中央部(交差部分)に対向するように配置している。
図25(A)に示す基板42では、隣接するフロントチャンバ43どうしを結ぶようにして、壁厚み方向に延びた音響スペース45を仕切壁44の下面に設けている。そして、パッケージ音孔33は、いずれか一つのフロントチャンバ43の下面開口に対向するように配置している。このような形態でも、フロントチャンバ43どうしは、音響スペース45を通して、あるいは音響スペース45及び中間のフロントチャンバ43を通して連通している。パッケージ音孔33は、パッケージ音孔33からフロントチャンバ43内に塵埃等が侵入する恐れを問題にしなければ、フロントチャンバ43に対向する位置に設けることも可能である。
また、図25(B)に示す基板42では、図25(A)の基板42のうちの1つのフロントチャンバ43を設けないでフロントチャンバ43の数を減らし、減らしたフロントチャンバ43の位置で基板42の下面に音響スペース45を設けている。
図26(A)に示す基板では、隣接するフロントチャンバ43どうしを結ぶようにして、仕切壁44の下面に音響スペース45を設け、フロントチャンバ43間のいずれかの音響スペース45に対向させてパッケージ音孔33を配置している。なお、図26(A)の基板では、パッケージ音孔33を対向配置される音響スペース45の幅を他よりも広くしている。
また、基板42に設けるフロントチャンバ43の数は4個以上であってもよい。例えば、図26(B)のように多数のフロントチャンバ43を矩形状に配置し、隣接するフロントチャンバ43間を結ぶようにして仕切壁44の下面に音響スペース45を設けてもよい。この場合、パッケージ音孔33は、いずれかのフロントチャンバ43の下面開口に対向させて配置してもよく、音響スペース45に対向させて配置してもよい。
(実施形態5)
図27は、本発明の実施形態5による音響センサ111をパッケージ基板32aの上に実装した断面図である。これまで説明した実施形態や変形例では、いずれもダイアフラム46の上方に固定電極板50を設けていたが、この配置は上下が逆になっていてもよい。すなわち、図27に示す音響センサ111では、基板42の上面にバックプレート49を設置し、フロントチャンバ43の上方においてバックプレート49の上面に固定電極板50を設けている。バックプレート49及び固定電極板50には、多数のアコースティックホール51があけられている。また、固定電極板50に対向させるようにして、各固定電極板50の上方にはダイアフラム46が配置され、ダイアフラム46の各隅部はアンカー48によってバックプレート49の上面に支持されている。
この音響センサ111では、パッケージ音孔33から入り、音響スペース45を通ってフロントチャンバ43内に入った音響振動は、さらにアコースティックホール51を通過してダイアフラム46を振動させ、ダイアフラム46と固定電極板50の間のキャパシタンスを変化させる。
(実施形態6)
図28(A)は、本発明の実施形態6による音響センサ121を示す一部省略した平面図である。図28(B)は、音響センサ121に用いられている基板42を示す裏面側からの斜視図である。
音響センサ121に用いられている基板42は、図28(A)及び図28(B)に示すような構造を有している。この実施形態では、フロントチャンバ43及び仕切壁44の外側の領域において、基板42の下面に音響スペース45を設けている。図示例では、フロントチャンバ43及び仕切壁44の下部を囲むようにして額縁状の音響スペース45を設けている。音響スペース45は矩形溝の断面形状を有しており、その内周側面でフロントチャンバ43と連通している。仕切壁44の下面は、基板42の下面と同じ平面上に位置している。この実施形態では、仕切壁44の高さが高くなるので、基板42の剛性がより高くなる。
なお、音響センサは、上下反転させた状態でパッケージのカバー内面に固定されていてもよい。この場合には、音響センサの音響スペースに対向する位置でカバーにパッケージ音孔を開口する。

Claims (16)

  1. パッケージの内面に音響センサの下面を固定したマイクロフォンにおいて、
    前記音響センサは、上面から下面にかけて貫通した複数の空洞を有する基板と、前記空洞のそれぞれの上方に配設された可動電極板及び固定電極板からなるキャパシタ構造とを備え、
    前記パッケージは、前記音響センサの下面に対向する位置にパッケージ音孔を開口され、
    前記基板の下面には、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、前記基板の下面側で開口した窪みが形成され、
    前記基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下であることを特徴とするマイクロフォン。
  2. 前記空洞は前記基板の仕切壁によって相互に分離され、
    前記窪みは、前記基板の下面のうち、少なくとも前記仕切壁の下面の一部に形成され、
    前記窪みは、前記空洞のそれぞれの下端部側面に連通していることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロフォン。
  3. 前記窪みは、前記仕切壁の下面の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロフォン。
  4. 前記パッケージ音孔は、前記仕切壁の下面に対向していることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロフォン。
  5. 前記仕切壁の下面の一部に、支持柱を突設したことを特徴とする、請求項2に記載のマイクロフォン。
  6. 前記支持柱の下面は、前記基板の下面と同一平面上に位置することを特徴とする、請求項5に記載のマイクロフォン。
  7. 前記パッケージ音孔は、複数の前記空洞のうちのいずれか一つの空洞の下面に対向していることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロフォン。
  8. 前記空洞は前記基板の仕切壁によって相互に分離され、
    前記窪みは、前記基板の下面のうち、少なくとも前記空洞及び前記仕切壁以外の領域の下面の一部に形成され、
    前記窪みは、前記空洞のそれぞれの下端部側面に連通していることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロフォン。
  9. 前記パッケージ音孔は、前記空洞及び前記仕切壁以外の領域の下面に対向していることを特徴とする、請求項8に記載のマイクロフォン。
  10. 前記窪みは、その周囲全体を前記基板によって囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロフォン。
  11. 上面から下面にかけて貫通した複数の空洞を有する基板と、
    前記空洞のそれぞれの上方に配設された可動電極板及び固定電極板からなるキャパシタ構造と、
    を備えた音響センサにおいて、
    前記基板の下面には、前記空洞のそれぞれに連通し、かつ、前記基板の下面側で開口した窪みが形成され、
    前記基板の下面から測った前記窪みの高さが、前記空洞の高さの0.5倍以下であることを特徴とする音響センサ。
  12. 請求項11に記載の音響センサを製造するための音響センサの製造方法であって、
    平板状をした基板材料の上面に可動電極板や固定電極板を形成するための構造物を作製する第1の工程と、
    前記空洞及び前記窪みの下面となる領域で開口した第1のマスクを、前記基板材料の下面に形成する第2の工程と、
    前記窪みの下面となる領域を覆うとともに少なくとも前記空洞の下面となる領域で開口した第2のマスクを、前記基板材料及び前記第1のマスクの下面に形成する第3の工程と、
    前記第2のマスクと前記第1のマスクを通して前記基板材料を下面側からドライエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞となる領域に、前記空洞の高さから前記窪みの高さを引いた値に等しい深さの凹所を形成する第4の工程と、
    前記第2のマスクの無い状態で前記第1のマスクを通して前記基板材料を下面側からドライエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞及び前記窪みとなる領域を前記窪みの高さと同じ深さだけ前記基板材料を除去し、前記空洞及び前記窪みを有する前記基板を作製する第5の工程と、
    前記構造物によって前記基板の上面に前記可動電極板と前記固定電極板を形成する第6の工程と、
    を有することを特徴とする音響センサの製造方法。
  13. 前記第3の工程において、
    前記基板の厚みをA、前記窪みの高さをH、前記基板材料に対する第2のマスクのエッチングレートの比をR2とするとき、
    前記第2のマスクの厚みTを、
    T=(A−H)×R2
    と定めることを特徴とする、請求項12に記載の音響センサの製造方法。
  14. 前記第3の工程において、
    前記第2のマスクを残して前記ドライエッチングを停止し、残った前記第2のマスクをアッシングにより除去することを特徴とする、請求項13に記載の音響センサの製造方法。
  15. 前記第2の工程において、
    前記窪みの高さをH、前記基板材料に対する第1のマスクのエッチングレートの比をR1とするとき、
    前記第1のマスクの厚みtを、
    t≧H×R1
    と定めることを特徴とする、請求項12に記載の音響センサの製造方法。
  16. 請求項11に記載の音響センサを製造するための音響センサの製造方法であって、
    平板状をした基板材料の上面に可動電極板や固定電極板を形成するための構造物を作製する第1の工程と、
    前記空洞及び前記窪みの下面となる領域で開口した第3のマスクを、前記基板材料の下面に形成する第2の工程と、
    前記第3のマスクを通して前記基板材料を下面側からエッチングすることにより、前記基板材料の前記空洞及び前記窪みとなる領域に、前記窪みの高さと同じ深さの凹所を形成する第3の工程と、
    前記凹所の上面のうち前記窪みとなる領域と、前記凹所の側壁面を第4のマスクで覆う第4の工程と、
    前記第3のマスクと前記第4のマスクを通して前記基板材料の前記空洞となる領域を下面側からエッチングすることにより、前記空洞及び前記窪みを有する前記基板を作製する第5の工程と、
    前記構造物によって前記基板の上面に前記可動電極板と前記固定電極板を形成する第6の工程と、
    を有することを特徴とする音響センサの製造方法。
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