JP5267627B2 - 音響センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は音響センサ及びその製造方法に関し、特に高感度なマイクロフォンとして用いることのできる音響センサとその製造方法に関する。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、従来例の音響センサをケーシング内に納めたマイクロフォンモジュールを示す断面図である。音響センサ11は、基板12の表面に薄膜状のダイアフラム13(可動電極)と固定電極14を設けたものであって、ダイアフラム13の裏面側において基板12内に空洞15が形成されている。この音響センサ11は、ダイアフラム13と固定電極14との間の静電容量の変化によって音響振動を検知する静電容量式のセンサである。ケーシング16は、ベース17と当該ベース17の上方を覆うカバー18からなる。
音響センサ11は、当初は、図1(A)のように基板12の裏面をベース17の上面に実装し、カバー18に音響導入口19を開口したものであった。このような実装形態では、ケーシング16内の空間20が音響的なフロントチャンバとなり、音響センサ11の空洞15が音響的なバックチャンバとなっている。
フロントチャンバとは、音響振動(白抜き矢印で示す。)の進入方向に対してダイアフラムの前方に位置する空間である。バックチャンバとは、音響振動の進入方向に対してダイアフラムの後方に位置する空間であって、ダイアフラムを振動させた音響振動が逃げていく空間である。このバックチャンバは、マイクロフォンモジュールにおいて「空気バネ」の役割を果たし、バックチャンバの容積が大きくなるほど、「空気バネ」が柔らかくなり、音響センサ11の感度を高めることができる。
そのため、一部のマイクロフォンモジュールでは、図1(B)に示すように、ベース17に音響導入口19を開口しておき、ベース17の上面に音響センサ11を実装して空洞15と音響導入口19を連通させている。あるいは、図1(C)に示すように、カバー18に音響導入口19を開口しておき、カバー18の下面に音響センサ11を実装して空洞15と音響導入口19を連通させている。
図1(B)や図1(C)のようなマイクロフォンモジュールでは、音響導入口19から進入した音響振動は空洞15側からダイアフラム13に進入するので、ケーシング16内の空間20がバックチャンバとなる。このような構造によれば、図1(A)のように空洞15をバックチャンバとする場合と比べて、バックチャンバ(空間20)の容積を大きくでき、音響センサ11の感度を高くできる。そのため、近年においては、図1(B)や図1(C)のような構造のマイクロフォンモジュールが注目されている。
一方、音響センサを作製する場合、基板12としては、一般に安価な(100)面Si基板が用いられる。この基板12を裏面側からウェットエッチングすることによって空洞15を形成した場合には、図2に示す音響センサ21のように、基板12の裏面における開口(以下、裏面開口という。)が基板12の表面における開口(以下、表面開口という。)よりも広くなったテーパー状の空洞15が形成される。これは、ウェットエッチングが基板12の裏面側から進行するとともに、最稠密面である(111)面と垂直な方向でエッチングレートが小さく、(111)面によって空洞15の壁面が形成されるためである。
いま、図2に示すように、(100)面Si基板において(111)面が基板12の裏面となす角度をα=54°、基板12の厚みをdとし、空洞15の表面開口幅をU、空洞15の裏面開口幅をDとすると、裏面開口幅Dは、
D=U+2×d/tanα≒U+1.5×d
となる。よって、表面開口幅Uがダイアフラム13の幅とほぼ等しくなるように空洞15を形成した場合、空洞15の裏面開口幅Dはかなり大きなものとなる。
また、図3は特許文献1に記載された音響センサ22の断面図である。この音響センサ22の空洞15はバレル状となっている。すなわち、この空洞15では、基板12の表面と平行な断面の幅が、基板12の表面から厚み方向中央部までは基板12の裏面へ向かうにつれて次第に増加しており、基板12の厚み方向中央部から裏面までは基板12の裏面へ向かうにつれて次第に減少している。特許文献1に開示されている音響センサ22では、図2のようなテーパー状の空洞と比較すると、空洞15の裏面開口幅を小さくできる。しかし、特許文献1の音響センサ22では、基板表面と平行な断面の幅が増加から減少へ転じる箇所(節)が基板12の厚み方向中央よりも裏面側に近くなっており、空洞15の裏面開口幅は表面開口幅よりも広くなっている。
図4(A)は特許文献2に記載されたMEMSデバイス23の断面図である。MEMSデバイス23も、基板12の表面と平行な断面の幅が、基板12の表面から厚み方向中央部までは基板12の裏面へ向かうにつれて次第に増加し、基板12の厚み方向中央部から裏面までは基板12の裏面へ向かうにつれて次第に減少するようにして、空洞15が形成されている。
図4(B)は、MEMSデバイス23における空洞15の形成方法を説明している。すなわち、基板12に空洞15を形成する際には、裏面側から基板12をドライエッチングすることにより、図4(B)のようにダイアフラム13の幅Gよりも大きな開口幅Dで基板12に長方形断面の空洞15を形成する。このとき空洞15は、最奥部の角がダイアフラム13の端を通る(111)面に接するような深さとする。この後、空洞15内をウェットエッチングして広げ、各(111)面を出現させることにより、空洞15をバレル形断面に形成している。特許文献2のMEMSデバイス23では、このような製造工程のため、空洞15の裏面開口幅Dは、空洞15の表面開口幅Uよりも大きくなる。
図2に示した音響センサ21、図3に示した音響センサ22、あるいは図4に示したMEMSデバイス23のいずれも、空洞15の裏面開口幅が表面開口幅よりも広くなっている。そのため、これらの音響センサ21、22又はMEMSデバイス23を音響導入口19の位置でカバー18又はベース17に実装し、音響導入口19と空洞15が連続するようにした場合には、以下に説明するように、新たな解決課題が生じる。
図5は、音響導入口19の位置で図3の音響センサ22をカバー18の下面に実装した場合を表している。図5のマイクロフォンモジュールでは、音響センサ22の空洞15がフロントチャンバとなっていて、裏面側からダイアフラム13に音響振動が進入する。そのため、空洞15の容積が大きいと、音響センサ22の高周波数領域における音響特性に影響が生じ、高周波特性が共振の影響を受け易くなる(図13の破線部分)。
また、音響導入口19に面している空洞15の裏面開口が広いので、音響導入口19がマイクロフォンモジュールの上面に位置していたり、マイクロフォンモジュールが組み込まれた機器の開口部に向き合ったりしていると、空洞15から塵や埃が侵入してダイアフラム13に付着し易くなる。ダイアフラム13に塵や埃が付着すると、ダイアフラム13の振動特性が変化して音響センサ22が影響を受ける。
このような問題は、図のようなMEMSデバイス23を用いた場合も同様である。また、図2のようなテーパー状の空洞を有する音響センサ22を用いた場合には、より顕著になる。
これに対し、特許文献3に開示されている音響センサ36では、図6に示すように、逆テーパー状の空洞15を有している。すなわち、空洞15は、基板12の表面に平行な断面の幅が基板表面から基板裏面へ向かうに従って次第に狭くなっている。このような形状の空洞15であれば、裏面開口幅が狭くなり、空洞15の容積も小さくなるので、上記のような問題は生じない。
しかし、特許文献3に記載されている音響センサ36では、バックプレート24に開口されたエッチング孔25やダイアフラム13に開口されたエッチング孔26から基板12の表面へエッチング液を導入し、基板12の表面から裏面側へ向けて基板12のエッチングを進行させることで空洞15を形成している。
このため特許文献3の音響センサ36では、音響導入口を塞ぐようにしてケーシングに実装した場合、空洞15(フロントチャンバ)とケーシング内空間(バックチャンバ)が、エッチング孔25、26を通じて小さな音響抵抗で連通する。そのため、空洞15に進入した音響振動は図6に矢印で示すようにエッチング孔25、26を通過してケーシング内空間へ漏れ易くなる。こうして音響振動が漏れ易くなる結果、ダイアフラム13に音響振動が加わりにくくなって感度低下を招く。特に、図7に実線で示す感度特性のように可聴帯域(20Hz〜20kHz)の低周波数領域において著しい特性劣化を生じる。なお、図7において破線で示す曲線は、エッチング孔を塞いだときの感度特性である。
また、特許文献4にも、図8に示すように逆テーパー状の空洞15を有する音響センサ37が開示されている。この音響センサ37は、図9(A)−図9(D)に示す工程を経て製造される。すなわち、図9(A)に示すように、基板12の表面の空洞形成領域に犠牲層27を形成するとともに犠牲層27の一部を基板12から浮かせた状態で基板12の端部へ延長しておく。さらに、犠牲層27の上に保護膜28を形成し、保護膜28の上にダイアフラム13を形成する。ダイアフラム13の上には、さらに保護膜28を形成し、その上にバックプレート24を形成するとともにバックプレート24の上面に固定電極14を設ける。また、犠牲層27の延長部分の上方において、バックプレート24にエッチング孔29を開口しておく。
エッチング孔29の直下において保護膜28をエッチングし、保護膜28に孔をあけて犠牲層27の延長部分を露出させる。ついで、図9(B)に示すように、エッチング孔29からエッチング液を導入して犠牲層27をエッチングする。このエッチング液は犠牲層27と基板12にエッチング特性を有するので、図9(C)に示すように、犠牲層27がエッチングされてできた通路30にエッチング液が浸入して基板12に触れると、基板12が表面側からエッチングされる。この結果、図9(D)に示すように、基板12内には逆テーパー状の空洞15が次第に深く形成されていく。エッチングが基板12の裏面に達したら基板12のエッチングを停止し、保護膜28をエッチングにより除去し、図8のような音響センサ37を得る。
一般に、音響センサのベントホールは、非常に狭い空間で形成しないと音響センサとして高い音響抵抗を得ることができず、ベントホールを通って音響振動が漏れる。一方、音響センサ37では、犠牲層27の延長部分はエッチング液の通路30となるので、ある程度大きな断面積を必要とする。エッチング液の通路30が狭いとエッチング液の循環が阻害されるので、基板12のエッチング速度が低下して音響センサの生産性が低下する。しかし、特許文献4に開示された音響センサの製造方法では、図9に示すように、犠牲層27の延長部分は、ベントホール31が形成される部分を通過している。そのため、ベントホール31の厚みは犠牲層27の延長部分の厚みよりも大きくなってしまい、ベントホール31を狭くすることができない。さらに、バックプレート24に開口されたエッチング孔29も、ある程度大きな開口でなければエッチング液の循環を阻害し、基板12のエッチング速度が低下して音響センサの生産性が低下する。
そのため、特許文献4の音響センサでは、ベントホール31からエッチング孔29にかけて音響抵抗が小さくなる。よって、特許文献3の音響センサと同様、空洞15に進入した音響振動は、図8に矢印で示すようにベントホール31とエッチング孔29を通過してケーシング内空間へ漏れ易くなる。その結果、音響センサの感度低下を招き、特に低周波数領域において著しく感度特性が劣化する。
以上のような事情から、音響センサの空洞を基板の裏面側からのみの加工によって作製できるようにすることが望まれる。
特許第4273438号公報 米国特許第7514287号明細書 特許第4539450号公報 特開2007−295487号公報
本発明は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基板の裏面側からエッチングすることにより、基板裏面における開口面積が基板表面における開口面積よりも小さな空洞を基板に形成することができる音響センサとその製造方法を提供することにある。
本発明に係る音響センサは、表面から裏面へ貫通した空洞を有する半導体基板と、前記空洞を覆うようにして前記基板の表面側に配設された薄膜状のダイアフラムと、前記ダイアフラムの変位に基づいて音響振動を電気信号に変換する変換手段とを備えた音響センサであって、前記空洞は複数の壁面を有し、前記壁面のうち少なくとも1つの壁面は、前記基板の表面と前記基板の厚み方向中間部との間において、前記基板の表面から前記中間部へ向かうにつれて次第に前記基板の外側へ向かって広がった第1の斜面と、前記中間部と前記基板の裏面との間において、前記中間部から前記基板の裏面へ向かうにつれて次第に前記基板の内側へ向かって狭まった第2の斜面とで構成されており、前記第1の斜面及び第2の斜面で構成された壁面に垂直な断面において、前記基板の裏面における前記空洞の開口幅が前記基板の表面における前記空洞の開口幅よりも小さく、前記基板の表面における開口の近傍領域においては、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が、前記基板の表面から裏面側へ向かうにつれて次第に増加し、前記基板の裏面における開口の近傍領域においては、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が、前記基板の表面側から裏面へ向かうにつれて次第に減少していることを特徴としている。
本発明に係る音響センサにあっては、空洞の基板裏面側における開口幅が基板表面側における開口幅よりも小さいので、ケーシングに開口された音響導入口の位置において音響センサの裏面をケーシングに実装した場合でも、空洞内に塵や埃が侵入しにくくなる。よって、空洞内に侵入した塵や埃がダイアフラムに付着して音響センサの特性が変化したり、劣化したりするのを防ぐことができる。また、空洞の裏面開口が小さくなる分だけ基板の裏面面積を広くできるので、音響センサをケーシングに実装するときの固定強度や安定性が向上する。
さらに、本発明の音響センサにあっては、空洞の裏面開口幅を表面開口幅より小さくすることにより、空洞の容積を小さくできるので、音響センサの高周波特性を向上させることができる。
しかも、空洞の壁面のうち少なくとも1つの壁面が、基板表面から厚み方向の中間部へ向かうにつれて次第に基板外側へ向かって広がった第1の斜面と、前記中間部と基板裏面との間において、前記中間部から基板裏面へ向かうにつれて次第に基板内側へ向かって狭まった第2の斜面とで構成されているので、後述のように基板の裏面側からのみのエッチング加工によって空洞を開口することができ、基板表面のセンサ構造物にエッチング孔を開口する必要が無い。そのため、空洞から進入した音響振動がダイアフラムに加わらないでエッチング孔から漏れるおそれがなく、音響センサの音響抵抗が大きくなって、低周波数領域における感度特性の劣化を防ぐことができる。
また、本発明に係る音響センサにおいては、前記壁面のうち対向する少なくとも一対の壁面が、前記第1の斜面と前記第2の斜面で構成され、第1の斜面と第2の斜面との境界の、前記基板の裏面から測った高さが、互いに対向する前記壁面どうしで異なっていてもよい。
さらに、本発明に係る音響センサにおいては、前記基板の厚みをd、前記第1及び第2の斜面の傾斜角をα、前記第1及び第2の斜面で構成された前記壁面に垂直な断面における前記空洞の前記基板の表面における開口幅と前記基板の裏面における開口幅をそれぞれU、Dとするとき、つぎの条件
D > U−2×d/tanα
を満たしていることが望ましい。この条件を満たすことにより、第1の斜面と第2の斜面を形成することが可能になる。
また、本発明に係る音響センサをより具体的に言えば、前記基板の表面から裏面へ向かうにつれて、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が次第に増加した後、前記基板の表面と裏面の中間において当該断面の面積が増加から減少に転じている場合がある。たとえば、第1の斜面と第2の斜面との間の境界の高さが各壁面で同一である場合である。
また、前記基板の表面から裏面へ向かうにつれて、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が比較的大きな増加率で次第に増加し、当該断面の面積の増減が小さくなった後、当該断面の面積が比較的大きな減少率で次第に減少している場合もある。たとえば、第1の斜面と第2の斜面との間の境界の高さが壁面によって異なる場合である。
これらの具体的な態様においては、前記空洞のうち、前記基板の表面から裏面に向けて前記基板表面に平行な断面の面積が増加している領域の厚みが、前記基板の表面から裏面に向けて前記基板表面に平行な断面の面積が減少している領域の厚みよりも小さくなっていれば、基板の裏面における空洞の開口面積を基板の表面における空洞の開口面積よりも小さくできる。
音響振動を電気信号に変換する手段としては、静電容量式のものやピエゾ抵抗式のものがある。たとえば、静電容量式の前記変換手段は、基板の表面側において、導電材料によって形成された前記ダイアフラムと平行となるように配置された固定電極で構成することができる。このような変換手段では、音響振動によってダイアフラムが撓むと、ダイアフラムと固定電極との間の静電容量の変化として電気信号が出力される。
本発明に係る音響センサの製造方法は、半導体基板の表面に犠牲層を作製する工程と、前記犠牲層の上方に薄膜状のダイアフラムを作製する工程と、前記ダイアフラムの変位に基づいて音響振動を電気信号に変換する変換手段を作製する工程と、前記基板の裏面から前記基板をドライエッチングすることにより、前記基板の厚み方向に沿って裏面から表面まで前記基板に孔を貫通させて、前記基板の裏面に平行な一方向における開口幅が前記犠牲層の幅よりも小さな貫通孔を前記基板に形成する工程と、前記貫通孔へエッチング液を導入し、前記犠牲層をエッチング除去しながら前記基板の表面から前記基板を異方性エッチングするとともに、前記貫通孔の内壁面から前記基板を異方性エッチングして前記基板に前記空洞を形成する工程とを備える。
本発明に係る音響センサの製造方法によれば、貫通孔に導入したエッチング液によって犠牲層をエッチング除去しながら基板の表面から基板を異方性エッチングすることによって第1の斜面を形成することができ、犠牲層の内壁面から基板を異方性エッチングすることにより第2の斜面を形成することができるので、裏面からのみのエッチング加工によって第1の斜面と第2の斜面からなる空洞を形成することができる。
しかも、この製造方法においては、前記犠牲層が、前記空洞の表面開口に対応する領域に形成され、前記貫通孔の、前記基板の裏面側における開口が、前記空洞の裏面開口と対応する領域に形成される。そして、空洞の基板表面における開口幅又は開口面積は犠牲層の幅や面積によって定まり、空洞の基板裏面における開口幅又は開口面積は、貫通孔の基板裏面における開口幅や開口面積によって定まるので、空洞の表面開口や裏面開口のサイズを容易に制御することができる。
また、本発明に係る音響センサの製造方法においては、前記貫通孔を形成する工程において、前記貫通孔の中心を前記犠牲層の水平方向における中心からずらせて、前記貫通孔を形成してもよい。このように貫通孔の位置を犠牲層の中心からずらせておけば、貫通孔をずらせた方向に位置する一対の壁面における第1の斜面と第2の斜面との間の境界の高さを異ならせることができる。
こうして貫通孔の位置をずらせる場合でも、基板の表面に垂直な方向から見て、貫通孔の少なくとも一部が犠牲層と重なり合うようにしてあれば、貫通孔へ導入したエッチング液によって犠牲層をエッチング除去することができる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
(A)は、従来例の音響センサを、センサ内部の空洞がバックチャンバとなるようにしてケーシングに実装したマイクロフォンモジュールの断面図である。(B)及び(C)は、それぞれ、従来例の音響センサを、センサ内部の空洞がフロントチャンバとなるようにしてケーシングに実装したマイクロフォンモジュールの断面図である。 テーパー状の空洞を有する従来例の音響センサを示す断面図である。 特許文献1に記載された音響センサの断面図である。 (A)は、特許文献2に記載された音響センサの断面図である。(B)は、特許文献2の音響センサの製造方法を説明する図である。 特許文献1に記載された図3の音響センサを、センサ内部の空洞がフロントチャンバとなるようにしてケーシングに実装した状態を示す断面図である。 特許文献3に記載された音響センサの断面図である。 特許文献3に記載された図6の音響センサの周波数−感度特性を示す図である。 特許文献4に記載された音響センサの断面図である。 (A)−(D)は、特許文献4に記載された図8の音響センサの製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施形態1による音響センサの断面図である。 図10に示す実施形態1の音響センサに用いられている基板の平面図である。 図10に示す実施形態1の音響センサを、センサ内部の空洞がフロントチャンバとなるようにしてケーシングに実装した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1による音響センサの周波数−感度特性を示す図である。 (A)及び(B)は、図10に示す音響センサの製造方法を説明する断面図である。 (A)及び(B)は、図10に示す音響センサの製造方法を説明する断面図であって、図14(B)の工程に続く工程を示す。 異方性エッチングによって基板内にバレル型の空洞が形成される様子を説明する概略図である。 本発明の実施形態1の変形例による音響センサを示す断面図である。 (A)は、本発明の実施形態1の別な変形例に用いる基板のX−X断面(図11)を示す概略図である。(B)は、当該基板のY−Y断面(図11)を示す概略図である。 (A)は、本発明の実施形態2による音響センサを示す断面図である。(B)は、(A)に示す音響センサの製造方法を説明する概略図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
(実施形態1の音響センサ)
図10は、本発明の実施形態1による音響センサ41の構造を示す断面図である。音響センサ41は、基板42、薄膜のダイアフラム43、バックプレート45及び固定電極46を有している。基板42は、表面及び裏面が(100)面となった(100)面Si基板である。基板42には、裏面側からエッチングすることによって表裏に貫通した空洞44が形成されている。空洞44は4方向に壁面を有しており、基板42の表面に垂直な方向から見たとき、図11に示すように各辺が(110)方向又は(110)方向と等価な方向を向いた矩形状となっている。
図10は、図11のK−K線に沿った音響センサ41の断面を表している。空洞44の各壁面は、(111)面又は(111)面と等価な結晶面からなる第1の斜面47aと第2の斜面47bによって構成されている。斜面47a、47bはいずれも基板42の裏面に対してα=54°の傾斜角を有しており、互いに異なる方向に傾斜している。すなわち、第1の斜面47aは、基板42の表面と基板42の厚み方向中間部(節P)との間において、基板42の表面から前記中間部へ向かうにつれて次第に基板42の外側へ向かって広がるように傾斜している。第2の斜面47bは、前記中間部(節P)と基板42の裏面との間において、前記中間部から基板42の裏面へ向かうにつれて次第に基板42の内側へ向かって狭まるように傾斜している。以下においては、第1の斜面47aと第2の斜面47bとの境界にあって、斜面の傾斜方向が変化する箇所を節Pと呼ぶことにする。
したがって、空洞44は、図11における基板42のX−X断面又はY−Y断面においては、基板42の裏面から節Pまでは、第2の斜面47bによって逆テーパー状となっている。また、節Pから基板42の表面までは、第1の斜面47aによってテーパー状となっている。全体として、空洞44は中間部で幅の広いバレル状となっている。
実施形態1では、対向する壁面における節Pの高さH(基板の裏面から測った厚み方向における高さ)は互いに等しくなっている。さらに、X−X断面における節Pの高さHとY−Y断面における節Pの高さHも等しくなっている。したがって、空洞44は、基板42の表面に平行な断面の面積が、基板の表面から裏面に向かうにつれて次第に増加するとともに、前記基板の表面と裏面の中間に位置する節Pにおいて増加から減少に転じて次第に減少している。さらに、実施形態1では、節Pの高さHは、基板42の厚みdの1/2よりも大きくなっている。すなわち、H>d/2となっているので、空洞44の、基板裏面における開口(裏面開口44b)の面積は基板表面における開口(表面開口44a)の面積よりも小さくなっている。
図10に示すように、基板42の厚みをd、節Pの高さをH、空洞44の基板表面における開口幅(以下、表面開口幅という。)をU、空洞44の基板裏面における開口幅(以下、裏面開口幅という。)をDとすれば、第1及び第2の斜面47a、47bの傾斜角はα=54°であるから、空洞44の裏面開口幅Dは、つぎの数式1で表される。
D=U+2×(d−H)/tanα−2×H/tanα
=U+2×(d−2×H)/tanα …(数式1)
よって、数式1によれば、裏面開口幅Dを表面開口幅Uよりも小さく(D<U)した場合には、d/2<Hとなることが分かる。すなわち、節Pが基板42の厚み方向の中心よりも上に位置する。また、節Pの高さHは基板42の表面よりも下に位置していなければならない(H<d)ので、空洞44の空洞幅Dは、
D>U−2×d/tanα …(数式2)
となる。
ダイアフラム43はほぼ矩形状の導電性を有する薄膜であって、四隅からそれぞれ対角方向へ向けて脚部48が延出している。ダイアフラム43は、空洞44の表面開口44aを覆うようにして基板42の上方に配置され、各脚部48は支持台49によって基板42の表面に固定されている。
基板42の表面には、ダイアフラム43と間隙を隔ててダイアフラム43の上方を覆うようにして剛性を有するバックプレート45を設けている。バックプレート45の上面には金属材料によって固定電極46が設けられている。また、バックプレート45には、固定電極46に導通した電極パッド51と、ダイアフラム43と導通した電極パッド52を設けている。バックプレート45及び固定電極46には、複数の音響孔50が開口されている。
この音響センサ41に空洞44側から音響振動が進入して、あるいは音響孔50を通過してバックプレート45側から音響振動が進入すると、音響振動に感応してダイアフラム43が振動する。振動によってダイアフラム43が変位することによってダイアフラム43と固定電極46との距離が変化するので、ダイアフラム43と固定電極46との間の静電容量が変化し、それによって音響振動が電気信号に変換されて音響センサ41から出力される。
図12は、音響センサ41をケーシング62内に実装したマイクロフォンモジュール61の断面図である。ケーシング62は、平板状のベース63と、ベース63の上面を覆う蓋状のカバー64からなり、カバー64の上面には音響導入口65が開口している。音響センサ41は、上下反転させた状態でカバー64の下面に固定されている。音響センサ41は、空洞44が音響導入口65と連続するように実装されており、空洞44が音響センサ41のフロントチャンバとなっている。また、ケーシング62内に形成された空間66が音響センサ41のバックチャンバとなっている。
音響センサ41を用いたマイクロフォンモジュール61によれば、空洞44の裏面開口幅や裏面開口面積を小さくできるので、裏面開口44bから空洞44内に塵や埃が侵入しにくくなり、ダイアフラム13に塵や埃が付着して音響センサ41の特性が変化したり、劣化したりするのを抑制することができる。
また、空洞44の裏面開口を小さくした分だけ基板42の裏面の面積が広くなるので、音響センサ41の実装面を広くすることができる。その結果、音響センサ41をケーシング62にダイボンドするときの固定強度や安定性を向上させることができる。特に、ダイボンドされた音響センサ41の傾きを小さくでき、音響センサ41の実装姿勢を安定させることができる。
さらに、空洞44の表面開口面積はダイアフラム43の面積にほぼ等しいので、空洞44の裏面開口面積を表面開口面積より小さくすることにより、空洞44の容積を小さくできる。その結果、音響センサ41の高周波特性が向上する。図13に実線で示す曲線は、音響センサ41の周波数−感度特性を表す。図13に破線で示す曲線は、空洞44の裏面開口面積が表面開口面積よりも大きくて空洞44の容積が大きい場合の周波数−感度特性を表している。このように空洞44の裏面開口面積を表面開口面積よりも小さくし、空洞44の容積を小さくすると、図14に実線で示す曲線のように周波数−感度特性の共振部分(ピーク部)が高周波数側へシフトするので、周波数−感度特性のフラットな領域が可聴帯域の上限よりも高周波側へ延び、良好な特性を得ることができる。
また、音響センサ41では、節Pの高さHを変化させることで空洞44の裏面開口幅又は裏面開口面積を変化させることができ、それによって空洞44の容積も調整することができる。
さらに、音響センサ41では、以下に説明するように、裏面側からのエッチングのみによって基板42に空洞44を形成することができるので、ダイアフラム43やバックプレート45にエッチング孔を開口する必要が無い。そのため、空洞44から進入した音響振動がダイアフラム43に加わらないでエッチング孔から漏れるおそれがなく、音響センサ41の音響抵抗が大きくなって、低周波数領域における感度特性の劣化(図7参照)を防ぐことができる。
(実施形態1の音響センサの製造方法)
つぎに、図14及び図15に従って、本発明の実施形態1による音響センサ41の製造方法を説明する。音響センサ41はウエハ上で多数個一度に製造されるが、以下の説明では、1個の音響センサ41だけを図示して説明する。
まず、一般的なMEMS技術を用いて、図14(A)に示すように、(100)面Si基板42の表面にセンサ構造物を作製しておく。すなわち、基板42の表面に、ポリシリコンからなる犠牲層71、ダイアフラム43、ダイアフラム43の脚部48を支持させるための支持台49、バックプレート45の外周部下面を支持させるための支持部72、SiOからなる保護膜73、74、SiNからなるバックプレート45、金属膜(たとえば下層Cr/上層Auの二層膜)からなる固定電極46や電極パッド51、52を作製しておく。ここで、犠牲層71は、空洞44の表面開口44aを形成しようとする領域において、ダイアフラム43とほぼ同じ面積に形成される。保護膜73、74はダイアフラム43の表面を覆っている。バックプレート45及び固定電極46には、複数の音響孔50を開口しておく。また、基板42の裏面はSiOからなる保護膜75によって覆っておく。
この後、DRIEなどの方法によって基板42を裏面側から上方へ向けてドライエッチングし、図14(B)に示すように、基板42に柱状の貫通孔76を明ける。この際、ドライエッチングによって犠牲層71を貫通孔76の上面に露出させる必要があるが、ドライエッチングにより貫通孔76の直上で犠牲層71がエッチングされても差し支えないので、エッチング深さについては精密な制御は必要ない。また、この貫通孔76は、水平断面が空洞44の裏面開口44bとほぼ等しくなるように形成する。
ついで、基板42の裏面側から貫通孔76内にTMAHなどのエッチング液を導入する。エッチング液は、基板42と犠牲層71に対してエッチング特性を有するが、保護層73、75に対してはエッチング特性を有しないものである。よって、貫通孔76内に浸入したエッチング液によって犠牲層71がエッチング除去され、基板42の表面に沿ってエッチング液が広がっていき、エッチング液は基板42を表面側からエッチングする。こうして基板42は、図15(A)に示すように、貫通孔76の周囲においてその表面から裏面側へ向けて異方エッチングされると同時に、貫通孔76の内壁面からも異方性エッチングされる。
この結果、図16に示すように、基板42の表面からの異方性エッチングによって、犠牲層71の端を通る斜面47aが形成され、貫通孔76の内壁面からの異方性エッチングによって貫通孔76の内壁面の下端を通る斜面47bが形成される。こうして、図15(B)のように貫通孔76から広がった空間によってバレル状の空洞44が形成される。
この後、表面側の保護膜73、74や裏面側の保護膜75をエッチングにより除去することで、図10のような音響センサ41が作製される。
上記のような製造方法によれば、基板42の裏面側からのドライエッチング及びウェットエッチングだけでバレル状の空洞44を形成することができるので、基板42の表面側のセンサ構造物には空洞44を作製するためのエッチング孔をあける必要がない。そのため、空洞44側から進入した音響振動に対する音響抵抗を高めることでき、低周波数領域における感度の低下を抑制できる。
上記製造方法から分かるように、空洞44の表面開口幅は犠牲層71の幅によって決まり、空洞44の裏面開口幅はドライエッチングにより開口された貫通孔76の幅によって決まる。ただし、空洞44の裏面開口幅は、オーバーエッチングのために、貫通孔76の幅よりも若干広くなる。
(実施形態1の変形例)
図10に示した音響センサ41は、バレル型の空洞44を有している。これに対し、節Pをできるだけ基板42の表面に近づけ、第1の斜面47aの領域を小さくすれば、図17に示すようにほぼテーパー状の空洞44を裏面側からのみのエッチングによって形成することができる。
また、断面の方向によって節Pの高さが異なっていてもよい。たとえば、図11の基板42において、X−X断面における節Pの高さがH1、Y−Y断面における節Pの高さがH2となっていて、節Pの高さH1、H2が互いに異なっていてもよい。図18(A)は、この基板42のX−X断面を表し、図18(B)は基板42のY−Y断面を表す。節Pの高さがH1<H2であるとすると、このような形状の空洞44では、空洞44の、基板42の表面に平行な断面の面積(以下、水平断面積という。)は、基板42の表面から裏面へ向かうにつれて、以下のように変化する。基板42の表面から高さH2までの間では、X−X断面では表面から裏面へむけて断面の幅が次第に増加し、Y−Y断面でも表面から裏面へむけて断面の幅が次第に増加するので、空洞44の水平断面積は比較的大きな増加率で次第に増加する。高さH2から高さH1までの間では、X−X断面では表面から裏面へむけて断面の幅が次第に増加しているが、Y−Y断面では表面から裏面へむけて断面の幅が次第に減少するので、空洞44の水平断面積の増減はほぼゼロになるか、小さな増減となる。高さH1から基板42の裏面までの間では、X−X断面では表面から裏面へむけて断面の幅が次第に減少し、Y−Y断面でも表面から裏面へむけて断面の幅が次第に減少するので、空洞44の水平断面積は比較的大きな減少率で次第に減少する
なお、音響振動を電気信号に変換する変換手段としては、上記のように固定電極を用いた静電容量式のものに限らず、たとえばピエゾ抵抗を用いてダイアフラムの歪みを検出するタイプのものでもよい。
(実施形態2)
図19(A)に示すものは、本発明の実施形態2による音響センサ81の断面図である。この音響センサ81では、空洞44の対向する壁面どうしの間で節Pの高さH3、H4を異ならせ、壁面の断面形状を互いに異ならせている。このとき一方の節Pの高さH4は、基板42の厚みの1/2よりも高い位置にあるが、他方の節Pの高さH3は基板42の厚みの1/2よりも高い位置にあってもよく、低い位置にあってもよい。
このような非対称な空洞44を形成するには、実施形態1に述べた音響センサの製造方法において、ドライエッチングによって基板42に貫通孔76を明ける際に、図19(B)に示すように、貫通孔76の中心を犠牲層71の水平方向の中心からずらせておけばよい。
また、貫通孔76は、基板42の表面に垂直な方向から見て、全体が犠牲層71と重なり合っている必要はなく、少なくとも一部が犠牲層71と重なり合っていればよい。ただし、貫通孔76の開口幅又は開口面積は、犠牲層71の幅又は面積よりも小さくなければならない。
空洞44が、X−X断面においても、Y−Y断面においても図19(A)のような同じ断面形状を有している場合には、高さがH3<H4であるとすると、空洞44の水平断面積は、基板42の表面から裏面へ向かうにつれて、以下のように変化する。基板42の表面から高さH4までの間では、空洞44の水平断面積は比較的大きな増加率で次第に増加する。高さH4から高さH3までの間では、空洞44の水平断面積の増減はほぼゼロになるか、小さな増減となる。また、高さH3から基板42の裏面までの間では、空洞44の水平断面積は比較的大きな減少率で次第に減少する。
また、X−X断面においてもY−Y断面においても図19(A)のように対向する壁面どうしで節Pの高さが異なっており、さらにX−X断面とY−Y断面で各節Pの高さがことなっていて空洞44が4つの異なる高さの節Pを有していても差し支えない。
41、81 音響センサ
42 基板
43 ダイアフラム
44 空洞
44a 表面開口
44b 裏面開口
46 固定電極
47a 第1の斜面
47b 第2の斜面
61 マイクロフォンモジュール
62 ケーシング
63 ベース
64 カバー
65 音響導入口
71 犠牲層
76 貫通孔

Claims (11)

  1. 表面から裏面へ貫通した空洞を有する半導体基板と、
    前記空洞を覆うようにして前記基板の表面側に配設された薄膜状のダイアフラムと、
    前記ダイアフラムの変位に基づいて音響振動を電気信号に変換する変換手段と、
    を備えた音響センサであって、
    前記空洞は複数の壁面を有し、
    前記壁面のうち少なくとも1つの壁面は、前記基板の表面と前記基板の厚み方向中間部との間において、前記基板の表面から前記中間部へ向かうにつれて次第に前記基板の外側へ向かって広がった第1の斜面と、前記中間部と前記基板の裏面との間において、前記中間部から前記基板の裏面へ向かうにつれて次第に前記基板の内側へ向かって狭まった第2の斜面とで構成されており、
    前記第1の斜面及び第2の斜面で構成された壁面に垂直な断面において、前記基板の裏面における前記空洞の開口幅が前記基板の表面における前記空洞の開口幅よりも小さく、
    前記基板の表面における開口の近傍領域においては、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が、前記基板の表面から裏面側へ向かうにつれて次第に増加し、
    前記基板の裏面における開口の近傍領域においては、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が、前記基板の表面側から裏面へ向かうにつれて次第に減少していることを特徴とする音響センサ。
  2. 前記壁面のうち対向する少なくとも一対の壁面が、前記第1の斜面と前記第2の斜面で構成され、
    前記第1の斜面と第2の斜面で構成された壁面のうち少なくとも一対の対向する壁面においては、第1の斜面と第2の斜面との境界の、前記基板の裏面から測った高さが、互いに対向する前記壁面どうしで異なっていることを特徴とする、請求項1に記載の音響センサ。
  3. 前記基板の厚みをd、前記第1及び第2の斜面の傾斜角をα、前記第1及び第2の斜面で構成された前記壁面に垂直な断面における前記空洞の前記基板の表面における開口幅と前記基板の裏面における開口幅をそれぞれU、Dとするとき、つぎの条件
    D > U−2×d/tanα
    を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の音響センサ。
  4. 前記基板の表面から裏面へ向かうにつれて、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が次第に増加した後、前記基板の表面と裏面の中間において当該断面の面積が増加から減少に転じていることを特徴とする、請求項に記載の音響センサ。
  5. 前記基板の表面から裏面へ向かうにつれて、前記空洞の前記基板表面に平行な断面の面積が比較的大きな増加率で次第に増加し、当該断面の面積の増減が小さくなった後、当該断面の面積が比較的大きな減少率で次第に減少していることを特徴とする、請求項に記載の音響センサ。
  6. 前記空洞のうち、前記基板の表面から裏面に向けて前記基板表面に平行な断面の面積が増加している領域の厚みが、前記基板の表面から裏面に向けて前記基板表面に平行な断面の面積が減少している領域の厚みよりも小さいことを特徴とする、請求項4又は5に記載の音響センサ。
  7. 前記ダイアフラムは、導電性材料によって形成され、
    前記変換手段は、前記基板の表面側において、前記ダイアフラムと平行となるように配置された固定電極であることを特徴とする、請求項1に記載の音響センサ。
  8. 請求項1に記載した音響センサを製造するための方法であって、
    半導体基板の表面に犠牲層を作製する工程と、
    前記犠牲層の上方に薄膜状のダイアフラムを作製する工程と、
    前記ダイアフラムの変位に基づいて音響振動を電気信号に変換する変換手段を作製する工程と、
    前記基板の裏面から前記基板をドライエッチングすることにより、前記基板の厚み方向に沿って裏面から表面まで前記基板に孔を貫通させて、前記基板の裏面に平行な一方向における開口幅が前記犠牲層の幅よりも小さな貫通孔を前記基板に形成する工程と、
    前記貫通孔へエッチング液を導入し、前記犠牲層をエッチング除去しながら前記基板の表面から前記基板を異方性エッチングするとともに、前記貫通孔の内壁面から前記基板を異方性エッチングして前記基板に前記空洞を形成する工程と、
    を備えた音響センサの製造方法。
  9. 前記犠牲層は、前記空洞の表面開口に対応する領域に形成され、
    前記貫通孔は、前記基板の裏面側における開口が、前記空洞の裏面開口と対応する領域に形成されることを特徴とする、請求項に記載の音響センサの製造方法。
  10. 前記貫通孔を形成する工程において、前記貫通孔の中心を前記犠牲層の水平方向における中心からずらせて、前記貫通孔を形成することを特徴とする、請求項に記載の音響センサの製造方法。
  11. 前記貫通孔は、前記基板の表面に垂直な方向から見て、少なくとも一部が前記犠牲層と重なり合っていることを特徴とする、請求項10に記載の音響センサの製造方法。
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