JP2010187303A - 圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】気室容量を拡張することによって圧力センサの感度を高める。
【解決手段】背部気室となる空間を有する基板と、固定電極を形成しているプレートと、前記固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成し、前記背部気室を隔て、圧力変化によって変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムが前記基板から離間するように支持する絶縁部と、を備え、前記空間は、前記基板の底面に開口を有し前記ダイヤフラムを底とする柱形の主気室と、前記主気室と通じ、前記基板の前記底面に前記主気室の開口より狭い開口を有し前記主気室より浅い柱形の複数の副気室と、を有し、前記副気室は、前記主気室の周囲に配列され前記主気室に通じて前記空間を拡張している、圧力センサ。
【選択図】図1

Description

本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される圧力センサに関する。
従来、半導体デバイスの製造プロセスを応用して製造可能な静電容量型の圧力センサが知られている。静電容量型の圧力センサは、圧力変化によって撓むダイアフラムと、空気などの誘電体を間に挟んでダイアフラムに対向するプレートと、対象空間からダイヤフラムによって隔てられている対象外空間を構成する背部気室とを有する。ダイアフラムとプレートとの間の静電容量は、ダイアフラムが撓むことよって変化する。静電容量型の圧力センサはこの静電容量の変化を電気信号に変換して出力する。
ダイアフラムの撓みに伴う背部気室内の圧力変化を緩和することによって圧力センサの出力特性を高めることができる(特許文献1,2,3参照)。特許文献2には主気室の周囲に副気室を形成することによって背部気室の容量を拡張し、主気室の圧力変化を緩和する圧力センサが開示されている。
特開2008−17395号公報 特開2008−28512号公報 特開2008−42378号公報
しかし、ARDE(Aspect Ratio Dependent Etching)効果を利用して深さが異なる気室及び副気室を同時に形成する場合、副気室の開口形状によって副気室の深さが決まる。特許文献2に記載されているような主気室と中心が一致する同心円筒形状の副気室では、開口面積と深さで決まる副気室の容量を調整できる幅が小さい。
本発明は気室容量を拡張することによって圧力センサの感度を高めることを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するための圧力センサは、背部気室となる空間を有する基板と、固定電極を形成しているプレートと、前記固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成し、前記背部気室を隔て、圧力変化によって変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムが前記基板から離間するように支持する絶縁部と、を備え、前記空間は、前記基板の底面に開口を有し前記ダイヤフラムを底とする柱形の主気室と、前記主気室と通じ、前記基板の前記底面に前記主気室の開口より狭い開口を有し前記主気室より浅い柱形の複数の副気室と、を有し、前記副気室は、前記主気室の周囲に配列され前記主気室に通じて前記空間を拡張している。
本発明によると、開口が主気室の開口よりも狭く大径孔より浅い柱形の小径孔からなる副気室を複数形成するため、ARDE効果を利用して主気室と副気室とを同時に形成する製法においても主気室と副気室とを合わせた容量を簡易に調整できる。したがって本発明によると、背部気室のうち基板内の空間の容量を拡張することによって圧力センサの感度を高めることができる。
(2)上記目的を達成するための圧力センサにおいて、前記基板の底面には、前記主気室と前記副気室または前記副気室同士を連絡する複数のトレンチが前記副気室より浅く形成されていてもよい。
トレンチを形成すると、仮にダイボンド剤によって封止された副気室が形成されてしまったとしても、トレンチによって副気室と主気室とを連絡できるため、気室全体の容量を安定して確保することができる。
(3)上記目的を達成するための圧力センサにおいて、前記複数の副気室は、複数の同心円上に配列されていてもよい。
(4)上記目的を達成するための圧力センサにおいて、前記複数の副気室は、格子点上に配列されていてもよい。
(5)上記目的を達成するための圧力センサにおいて、前記複数の副気室は、ハニカム状に配列されていてもよい。
(6)上記目的を達成するための圧力センサの製造方法は、背部気室となる空間を有する基板と、固定電極を形成しているプレートと、前記固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成し前記背部気室を隔て圧力変化によって変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムが前記基板から離間するように支持する絶縁部と、を備える圧力センサの製造方法であって、第一開口と、前記第一開口の周囲に複数配列されるとともにそれぞれ前記第一開口より狭い第二開口とを有する保護膜を前記基板の底面に形成し、前記基板の底面の前記保護膜から露出している領域を異方的にエッチングすることによって、前記基板を貫通し前記空間の一部を構成する主気室を前記第一開口の直下に形成すると同時に前記基板を貫通せず前記空間の一部を構成する副気室を前記第二開口の直下に形成する。
本発明によるとARDE効果を利用して主気室と副気室とを同時に形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
本発明による圧力センサの第一実施形態としての静電容量型のマイクロホンを図1、図10に示す。マイクロホン1は半導体パッケージ30と積層構造体10とを備える。半導体パッケージ30は箱形のパッケージ本体31と蓋32とを備える。蓋32には半導体パッケージ30の外部空間と内部空間とを連絡する通孔である音響孔32hが形成されている。積層構造体10は、半導体パッケージ30に収容されている。積層構造体10は、半導体デバイスの製造プロセスを用いて形成されるダイであって、底面10bがパッケージ本体31に接着層20を介して固定されている。
積層構造体10には例えば次に述べる複数の層が順に積層されている。基板層108は厚さ500μmの単結晶シリコンウエハからなる。絶縁層106は厚さ1.5〜2.5μmの二酸化シリコン薄膜からなる。導電層104は燐(P)等の不純物が拡散している厚さ0.5〜0.9μmの多結晶シリコン薄膜からなる。絶縁スペーサ層102は厚さ3〜5μmの二酸化シリコン薄膜からなる。導電層100は燐(P)等の不純物が拡散している厚さ1.0〜2.0μmの多結晶シリコン薄膜からなる。
積層構造体10には、プレート11と、ダイヤフラム12と、孔106h、108eからなる主気室と、それぞれが小径孔108aまたは小径孔108cからなる複数の副気室とが形成されている。
プレート11は検出対象の音波が伝搬する空間である対象空間TSの半導体パッケージ30内部である前部気室内に位置する板形の部分である。プレート11には音波をダイヤフラム12に伝搬させるための複数の通孔11hが形成されている。プレート11には対象空間TSにおいて振動しない程度の剛性が必要である。このためプレート11はダイヤフラム12よりも厚く形成されている。プレート11は導電層100からなる。プレート11は全体が導電層100からなるため固定電極を形成している。プレート11の一部のみが固定電極を形成しても良い。プレート11は図示しない導線によって図示しないボンディングパッドと電気的に接続されている。
絶縁スペーサ層102はダイヤフラム12の縁部とプレート11の縁部とに結合している。すなわち絶縁スペーサ層102はダイヤフラム12とプレート11とを支持するとともに、ダイヤフラム12とプレート11との間の空隙を形成するスペーサとして機能する。また絶縁性を有する絶縁スペーサ層102はダイヤフラム12とプレート11とを絶縁している。絶縁スペーサ層102のパターンは環状であっても良いし、ダイヤフラム12の縁部とプレート11の縁部とを局所的に複数箇所で結合する離散形状であっても良い。
ダイヤフラム12は対象空間TSと背部気室からなる対象外空間BSとを隔てる膜の部分である。ダイヤフラム12の振動境界は円形であるが、多角形や歯車形であってもよい。対象空間TSと対象外空間BSとはダイヤフラム12によって気密に隔てられていても良いし、高い音響抵抗を有するスリット、トレンチ、孔、層間隙間等の通路によって連絡されていても良い。すなわち、ダイヤフラム12は、対象空間TSと対象外空間BSとに動的な圧力差が生ずるように対象空間TSと対象外空間BSとを隔てていればよい。ダイヤフラム12は圧力変化によって変位する。ダイヤフラム12には検出対象範囲内の音波(気圧振動)を受けて撓み振動する程度の柔軟性が必要である。このためダイヤフラム12はプレート11よりも薄く形成されている。ダイヤフラム12は、音波を受けると、絶縁層106の内端または絶縁スペーサ層102の内端を振動境界として振動する。ダイヤフラム12は導電層104からなる。ダイヤフラム12は全体が導電層104からなるため、プレート11によって形成されている固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成している。ダイヤフラム12の一部のみが可動電極を形成していても良い。ダイヤフラム12は図示しない導線によって図示しないボンディングパッドと電気的に接続されている。
ダイヤフラムが基板から離間するように支持する絶縁部としての絶縁層106は、一方の層間界面においてダイヤフラム12および絶縁スペーサ層102と結合し、他方の層間界面において基板層108と結合している。絶縁層106はダイヤフラム12と基板層108とを絶縁するとともに、基板層108に大径孔108eを形成する工程でのエッチングストッパとして機能する。絶縁層106のパターンは孔106hが形成されている環状であっても良いし、ダイヤフラム12の縁部と基板層108とを局所的に複数箇所で結合する離散形状であっても良い。
2つの孔106h、108eからなる主気室と、それぞれが小径孔108aまたは小径孔108cからなる複数の副気室とは、基板層108に形成され、ダイヤフラム12によって対象空間TSと隔てられている対象外空間BSを構成している。背部気室は主気室と副気室とパッケージ本体31とによって画定される。大径孔108e、小径孔108aおよび小径孔108cは、いずれも積層構造体10の底面10bに開口を有する。接着層20は積層構造体10の底面10bとパッケージ本体31とを気密に結合し、パッケージ本体31には通孔が形成されていない。すなわち、大径孔108e、小径孔108aおよび小径孔108cが構成している対象外空間BSは、積層構造体10の底面10bと対向するパッケージ本体31と接着層20とによって閉塞されている。
大径孔108eは基板層108を貫通する円柱形である。積層構造体10の底面10bに形成されている大径孔108eの開口108fは、重心がダイヤフラム12の重心と積層方向において重なっている。開口108fはダイヤフラム12の振動境界の直径とほぼ等しい直径を有する。
副気室を構成する小径孔108c、108aは、いずれも円柱形である。小径孔108c、108aの深さDsは互いに等しく主気室を構成する大径孔108eの深さtよりも浅い。すなわち小径孔108c、108aは基板層108を貫通していない。小径孔108cおよび小径孔108aの開口108d、108bは、それぞれ開口108fの周囲に配列されている。具体的には、円形の開口108d、108bが、主気室を構成する大径孔108eの開口108fの中心を中心とし直径が異なる2つの同心円上に配列されている。開口108dおよび開口108bの口径は互いに等しく大径孔108eの口径よりも小さい。なお、小径孔108c、108aの深さを互いに異ならせても良い。小径孔108c、108aの深さが異なる場合、より深い方の口径が大きく設定される。
それぞれが小径孔108aまたは小径孔108cからなる複数の副気室は、接着層20によって形成されている積層構造体10の底面10bとパッケージ本体31との間の空隙Gを介して2つの孔106h、108eからなる主気室に通じている。すなわち、小径孔108a、108cは対象外空間BSを構成している気室の全容量を拡張している。したがって、マイクロホン1の感度は小径孔108a、108cが無い場合に比べて高くなる。
小径孔108c、108aの深さDsは、大径孔108eの深さ(基板層108の厚さ)tと開口108fの口径と、小径孔108c、108aの開口108d、108bの口径とに相関する。より具体的には、小径孔108c、108aの深さDsは、小径孔108c、108aの開口108d、108bの口径と正の相関があり、大径孔108eの深さtに対して正の相関があり、大径孔108eの開口108fの口径と小径孔108c、108aの開口108d、108bの口径との差と負の相関がある。このような相関を設定することによって、大径孔108eおよび小径孔108c、108aをARDE効果によって同時に形成することができる。大径孔108eおよび小径孔108c、108aをARDE効果によって同時に形成する場合、上述した相関を設定しなければならないものの、副気室の総容量は小径孔108c、108aの配列数によって自由に調整することができる。したがって、副気室と主気室を含めた気室全体の総容量を任意に調整するとしても、小径孔108c、108aを追加するために工程数が増加することはなく、エッチングに用いる保護膜のパターンを変更するだけで気室全体の総容量を幅広く設定することができる。
なお、空隙Gによって連絡している主気室と副気室を含めた気室全体(すなわち対象外空間BS)の実質容量は空隙Gの音響抵抗の大きさによって変動する。積層構造体10の底面10bとパッケージ本体31との間の空隙Gの高さは接着層20の厚さと等しい。したがって空隙Gの音響抵抗は接着層20の厚さによって調整される。空隙Gの音響抵抗と音波の周波数とには正の相関があるため、主気室と副気室を含めた気室全体の実質容量は音波の周波数によって変動することになる。
気室全体の容量に関係する各寸法を例えば以下のように設定することによって可聴域音波に対する感度特性が向上する。
小径孔108aの深さ:400〜450μm
小径孔108aの開口108bの直径:100μm
隣り合う2つの開口108bの間の距離:80μm
小径孔108cの深さ:300〜400μm
小径孔108cの開口108dの直径:80μm
隣り合う2つの開口108dの間の距離:70μm
隣り合う開口108bと開口108dとの間の距離:80μm
大径孔108eの深さ(基板層108の厚さ):500μm
大径孔108eの開口108fの直径:500〜900μm
開口108fと開口108dとの間の距離:100μm
接着層20の厚さ(空隙Gの高さ):20〜50μm
ダイヤフラム12の振動境界の直径:800〜1000μm
(製造方法)
図2から図5はマイクロホン1の製造方法を示す断面図であって、図1Aに示すBB線断面に対応する。
はじめに図2に示すように基板層108の表面上に絶縁層106および導電層104を順を積層し、導電層104をパターニングすることによってダイヤフラム12を形成する。具体的には例えば単結晶シリコンウエハからなる基板層108の表面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて二酸化シリコンを堆積させることにより絶縁層106を形成する。続いて減圧CVD法を用いてPが添加された多結晶シリコンを絶縁層106の表面に堆積させることにより導電層104を形成する。続いて図示しないフォトレジストからなる所定パターンの保護膜を導電層104の表面にフォトリソグラフィー法によって形成し、RIE(Reactive Ion Etching)法等で導電層104の露出部分をエッチングすると、ダイヤフラム12が形成される。
次に図3に示すように、導電層104および絶縁層106の表面上に絶縁スペーサ層102、導電層100を順に積層し、導電層100をパターニングすることによってプレート11を形成する。具体的には例えば導電層104および絶縁層106の表面にプラズマCVD法を用いて二酸化シリコンを堆積させることにより絶縁スペーサ層102を形成する。続いて減圧CVD法を用いてPが添加された多結晶シリコンを絶縁スペーサ層102の表面に堆積させることにより導電層100を形成する。続いて図示しないフォトレジストからなる所定パターンの保護膜を導電層100の表面にフォトリソグラフィー法によって形成し、RIE(Reactive Ion Etching)法等で導電層100の露出部分をエッチングすると、通孔11hとともにプレート11が形成される。
次に図4に示すように積層構造体10の底面10b(すなわち基板層108の裏面)にフォトレジストを塗布し、大径孔108eの開口108f、小径孔108aの開口108bおよび小径孔108cの開口108dにそれぞれ対応する開口Rf、Rb、Rdを有する保護膜Rをフォトリソグラフィー法によって形成する。
次に図5に示すように、基板層108の保護膜Rの開口Rf、Rb、Rdの直下領域に、大径孔108e、小径孔108a、小径孔108cを異方性エッチングによって同時に形成する。具体的には例えば、Cプラズマを用いたパッシベーションとSFプラズマを用いたエッチングのステップを短い時間間隔で交互に繰り返すDeep−RIE(いわゆるボッシュプロセス)によって大径孔108e、小径孔108aおよび小径孔108cを基板層108に形成する。
大径孔108e、小径孔108a、小径孔108cを異方性エッチングによって同時に形成するとき、大径孔108eの開口108fに対応する開口Rfよりも、小径孔108aの開口108b、小径孔108cの開口108dにそれぞれ対応する開口Rb、Rdが狭いため、開口Rb、Rd直下のエッチング速度は開口Rf直下のエッチング速度よりも遅くなる。これがARDE効果と呼ばれるものである。したがって、開口Rf直下において基板層108が貫通し、絶縁層106が露出した時点でエッチングを終了させると、開口Rb、Rd直下に形成される小径孔108a、小径孔108cの深さは基板層108を貫通する大径孔108eの深さよりも浅くなる。すなわち、ARDE効果を用いることによって、大径孔108eより浅く基板層108を貫通しない小径孔108a、小径孔108cを基板層108を貫通する大径孔108eと同時に形成することができる。既に述べたように小径孔108c、108aの深さDsは、小径孔108c、108aの開口108d、108bの口径と正の相関があるため、小径孔108c、108aを深くしたければ開口108d、108bの口径を大きくし、小径孔108c、108aを浅くしたければ開口108d、108bの口径を小さくすればよい。
次に、絶縁層106の大径孔108eから露出している部分をバッファードフッ酸(Buffered HF)等のエッチング液を使用した等方的なウェットエッチング、若しくは等方的なエッチングと異方的なエッチングとを組み合わることによって除去する。このとき同時に、プレート11に形成されている通孔11hの近傍において絶縁層102が除去されるため、プレート11とダイヤフラム12の間の対象空間TSも形成される。その結果、絶縁層106に孔106h(図1B参照)が形成される。
その後、ダイシングすると積層構造体10が完成し、積層構造体10を半導体パッケージ30に収容すると図10に示すマイクロホン1が完成する。
以上説明した製造方法によると、1つの保護膜Rを用いて大径孔108eより浅い小径孔108a、小径孔108cを大径孔108eと同時に形成することができるため、気室容量を拡大するために製造コストが増大することがない。
2.第二実施形態
図6は本発明による圧力センサの第二実施形態としての静電容量型のマイクロホン2を示している。マイクロホン2が備える積層構造体10の底面10bには、トレンチ108h、108j、108k、108mがそれぞれ複数形成されている。
それぞれのトレンチ108hは大径孔108eと小径孔108cとを連絡している。それぞれのトレンチ108jは小径孔108cと小径孔108aとを連絡している。それぞれのトレンチ108mは隣り合う2つの小径孔108cを連絡している。それぞれのトレンチ108kは隣り合う2つの小径孔108aを連絡している。
トレンチ108h、108j、108k、108mは、大径孔108e、小径孔108a、108cと同時に形成することができる。すなわち図4に示した工程において大径孔108eの開口108fに対応する開口と小径孔108aの開口108bに対応する開口と小径孔108cの開口108dに対応する開口とトレンチ108h、108j、108k、108mの開口に対応するスリット状の開口とを有する保護膜Rを形成する。すると図5に示した工程において保護膜Rを用いた異方性エッチングによって大径孔108e、小径孔108a、108cおよびトレンチ108h、108j、108k、108mが同時に形成される。トレンチ108h、108j、108k、108mを形成すると、仮にダイボンド剤によって副気室を構成する小径孔108c、108aが封止されてしまったとしても、副気室と主気室とを連絡できるため、気室全体の容量を安定して確保することができる。
このようにして大径孔108e、小径孔108a、108cおよびトレンチ108h、108j、108k、108mが同時に形成されるとき、ARDE効果が生ずるため、トレンチ108h、108j、108k、108mの深さDh、Dj、Dk、Dmは、それぞれトレンチ108h、108j、108k、108mの幅Wh、Wj、Wk、Wmと正の相関がある。また、トレンチ108h、108j、108k、108mの幅Wh、Wj、Wk、Wmはいずれも小径孔108c、108aの口径よりも狭いため、トレンチ108h、108j、108k、108mの深さDh、Dj、Dk、Dmは、いずれも小径孔108c、108aの深さDsよりも浅い。
本実施形態では、空隙Gおよびトレンチ108h、108j、108k、108mによって連絡している主気室と副気室を含めた気室全体(すなわち対象外空間BS)の実質容量は空隙Gおよびトレンチ108h、108j、108k、108mの音響抵抗の大きさによって変動する。
トレンチ108h、108j、108k、108mの幅Wh、Wj、Wk、Wmは、トレンチ108h、108j、108k、108mが可聴域において音響抵抗とならないように3μm以上に設定することが好ましい。
トレンチ108h、108j、108k、108mの幅および深さを例えば以下のように設定することによって可聴域音波に対する感度特性が向上する。
トレンチ108hの幅Wh:3〜10μm
トレンチ108hの深さDh:200〜350μm
トレンチ108jの幅Wj:2〜10μm
トレンチ108jの深さDj:200〜350μm
トレンチ108kの幅Wk:3〜10μm
トレンチ108kの深さDk:200〜350μm
トレンチ108mの幅Wm:3〜10μm
トレンチ108mの深さDm:200〜350μm
3.第三実施形態
図7は本発明による圧力センサの第三実施形態としての静電容量型のマイクロホン3を示している。図7に示すように副気室を構成する小径孔108cと小径孔108aとを相互に連絡するトレンチ108j、108k、108mを形成し、主気室を構成する大径孔108eに対して小径孔108cと小径孔108aとを連絡させるトレンチは形成しなくても良い。
4.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば大径孔108e、小径孔108c、108aは異方性エッチングによって形成可能な柱形であれば良く、多角柱形であってもよい。すなわち大径孔108e、小径孔108c、108aの開口108f、108d、108bの形状はどのようなものであってもよい。小径孔108c、108aの深さは、開口108d、108bの形状がどのようなものであれ、開口108d、108bの面積と扁平の程度を調整することによって調整することができる。
また小径孔108c、108aは大径孔108eの周囲に配列されていれば良く、例えば図8に示すように格子点上に複数の小径孔108nを配列しても良いし、図9に示すように、ハニカム状に複数の小径孔108nを配列してもよい。また主気室と副気室とを連絡するトレンチも副気室同士を連絡するトレンチもどのように配列しても良い。例えば図8、図9に示すように1つの副気室を構成する小径孔108nが3つ以上の小径孔108nと連絡するようにトレンチ108jを形成しても良い。また図8、図9に示すように小径孔108c、108aを配列する場合に、トレンチを形成しなくても良い。
要するに、ダイヤフラム12によって対象外空間TSから隔てられる対象外空間BSの静的容量も周波数依存性のある実質容量も、小径孔の配列、数、口径、深さ、トレンチの配列、幅、深さを調整することによって幅広く調整することができるのである。
また、ダイヤフラム12とプレート11との位置関係は、ダイヤフラム12が対象空間TSと対象外空間BSとを隔てる位置にあれば良く、例えばプレート11が対象外空間BS内に位置しても良い。すなわち例えば、図1、図6、図7に示したプレート11とダイヤフラム12との位置関係を入れ替えても良い。図1、図6、図7に示したプレート11とダイヤフラム12との位置関係ではダイヤフラム12が大径孔108eの底となるが、図1、図6、図7に示したプレート11とダイヤフラム12との位置関係が逆転するとプレート11が大径孔108eの底となる。
また、上記実施形態で示した積層構造や各層の材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
また本発明はマイクロホン以外の圧力センサにも適用できる。例えば検出対象の圧力は、可聴域外の音波であってもよいし、静的な気圧であっても良いし、液体の圧力振動又は静的圧力であっても良い。
図1Aは本発明の第一実施形態にかかる底面図。図1Bは図1Aに示すBB線に対応する断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。 図6Aは本発明の第二実施形態にかかる底面図。図6Bは図6Aに示すBB線に対応する断面図。 図7Aは本発明の第三実施形態にかかる底面図。図7Bは図7Aに示すBB線に対応する断面図。 本発明の他の実施形態にかかる底面図。 本発明の他の実施形態にかかる底面図。 本発明の第一実施形態にかかる断面図。
1:マイクロホン、2:マイクロホン、10:積層構造体、10b:底面、11:プレート、11h:通孔、12:ダイヤフラム、20:接着層、30:半導体パッケージ、31:パッケージ本体、32:蓋、32h:音響孔、100:導電層、102:絶縁スペーサ層、104:導電層、106:絶縁層、106h:孔、108:基板層、108a:小径孔、108b:開口、108c:小径孔、108d:開口、108e:大径孔、108f:開口、108h:トレンチ、108j:トレンチ、108k:トレンチ、108m:トレンチ、108n:小径孔、BS:対象外空間、G:空隙、R:保護膜、Rb:開口、Rf:開口、TS:対象空間

Claims (7)

  1. 背部気室となる空間を有する基板と、
    固定電極を形成しているプレートと、
    前記固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成し、前記背部気室を隔て、圧力変化によって変位するダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムが前記基板から離間するように支持する絶縁部と、
    を備え、
    前記空間は、
    前記基板の底面に開口を有し前記ダイヤフラムを底とする柱形の主気室と、
    前記主気室と通じ、前記基板の前記底面に前記主気室の開口より狭い開口を有し前記主気室より浅い柱形の複数の副気室と、
    を有し、
    前記副気室は、前記主気室の周囲に配列され前記主気室に通じて前記空間を拡張している、
    圧力センサ。
  2. 前記基板の底面には、前記主気室と前記副気室または前記副気室同士を連絡する複数のトレンチが前記副気室より浅く形成されている、
    請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記複数の副気室は、複数の同心円上に配列されている、
    請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 前記複数の副気室は、格子点上に配列されている、
    請求項1または2に記載の圧力センサ。
  5. 前記複数の副気室は、ハニカム状に配列されている、
    請求項1または2に記載の圧力センサ。
  6. 前記背部気室は、前記圧力センサが半導体パッケージに接着層を介して搭載され、前記基板の底面と前記半導体パッケージの底面との間に形成された空間と、前記主気室および前記複数の副気室とからなる空間とで形成される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  7. 背部気室となる空間を有する基板と、固定電極を形成しているプレートと、前記固定電極とともに静電容量を構成する可動電極を形成し前記背部気室を隔て圧力変化によって変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムが前記基板から離間するように支持する絶縁部と、を備える圧力センサの製造方法であって、
    第一開口と、前記第一開口の周囲に複数配列されるとともにそれぞれ前記第一開口より狭い第二開口とを有する保護膜を前記基板の底面に形成し、
    前記基板の底面の前記保護膜から露出している領域を異方的にエッチングすることによって、前記基板を貫通し前記空間の一部を構成する柱形の主気室を前記第一開口の直下に形成すると同時に前記基板を貫通せず前記空間の一部を構成する柱形の副気室を前記第二開口の直下に形成する、
    圧力センサの製造方法。
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