JP6135156B2 - 蓄電デバイス用負極活物質粉末、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極 - Google Patents

蓄電デバイス用負極活物質粉末、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極 Download PDF

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Description

本発明は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に用いられるリチウムイオン二次電池等の蓄電デバイス用負極活物質、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極に関する。
近年、携帯型電子機器や電気自動車等の普及に伴い、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスの高容量化と小サイズ化に対する要望が高まっている。蓄電デバイスの高容量化が進めば、電池の小サイズ化も容易となるため、蓄電デバイスの高容量化へ向けての開発が急務となっている。
蓄電デバイスの負極活物質に用いられる炭素材料には、黒鉛質炭素材料、ピッチコークス、繊維状カーボン、ソフトカーボンなどがある。しかしながら、炭素材料の電池容量は理論的に372mAh/gが限界であるため、電池の高容量化が困難であるという問題がある。
リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能であり、炭素材料からなる負極活物質を上回る高容量密度を有する負極活物質として、SiやSnを含有する負極活物質が存在する。しかしながら、SiやSnを含有する負極活物質は、充放電時におけるリチウムイオンの吸蔵および放出反応に起因する体積変化が著しく大きいため、繰り返し充放電した際に負極活物質が構造劣化して亀裂が生じやすくなる。亀裂が進行すると、場合によっては負極活物質中に空洞が形成され、微粉化してしまうこともある。その結果、導電ネットワークが分断されるため、繰り返し充放電した後の放電容量(サイクル特性)の低下が問題となっていた。
そこで、特許文献1では、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能であり、SiやSnを含有する負極活物質と比較してサイクル特性に優れた負極活物質として、SnOとPを含有する負極活物質が提案されている。
特開2011−187434号公報
このSnOとPを含有する負極活物質では、SiやSnを含有する負極活物質と比較してサイクル特性は向上したものの、さらなる蓄電デバイスの高容量化を行うために、負極集電体上に形成した負極材料の厚みをさらに大きくすると、サイクル特性が低下するという問題があった。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、高い放電容量と良好なサイクル特性を有する蓄電デバイス用負極活物質粉末、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末は、SnとPを含む酸化物材料を含有し、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50が2.8以下であることを特徴とする。
また、前記負極活物質粉末が、D50が0.4〜3.0μmであり、D90が5.0μm以下であることが好ましい。
さらに、前記酸化物材料が、酸化物換算のモル%で、SnO 50〜85%、P 15〜50%を含有することが好ましい。
さらに、前記酸化物材料が、実質的に非晶質からなることが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極材料は、前記いずれかの蓄電デバイス用負極活物質粉末、導電助剤および結着剤を含有することを特徴とする。
また、前記負極材料が、質量%で、負極活物質粉末55〜90%、結着剤2〜30%、導電助剤3〜20%を含有することが好ましい。
さらに、前記結着剤が、熱硬化性樹脂または水溶性高分子を含有することが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極は、前記いずれかの蓄電デバイス用負極材料が集電体表面に塗布されてなることを特徴とする。
本発明によれば、高い放電容量と良好なサイクル特性を有する蓄電デバイス用負極活物質粉末、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極が得られる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末は、SnとPを含む酸化物材料を含有し、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50が2.8以下であることを特徴とする。
D90/D50が大きすぎると、負極活物質粉末の粒度分布が広くなるため、この負極活物質粉末を用いて負極を作製した際に、大きな粒径を有する粒子間の空隙が小さな粒径を有する粒子で埋まりやすくなる。結果的に、充放電に伴う負極活物質の体積変化を緩和するための空隙が小さくなるために、負極活物質の体積変化を抑制できず、当該負極活物質を含む負極材料が負極集電体から剥離しやすく、サイクル特性が低下する傾向がある。D90/D50は、2.5以下であることが好ましく、2.3以下であることがより好ましい。
D90/D50の下限値については特に限定しないが、現実的には1.2以上であることがより好ましい。
前記負極活物質粉末は、50%粒子径D50が0.4〜3.0μmであることが好ましく、0.6〜2.5μmであることがより好ましい。90%粒子径D90は5.0μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましい。50%粒子径D50や90%粒子径D90が大きすぎると、充放電した際にリチウムイオンの吸蔵および放出に伴う負極活物質の体積変化を緩和できず、当該負極活物質を含む負極材料が負極集電体から剥れやすくなり、サイクル特性が著しく低下する傾向がある。一方、50%粒子径D50が小さすぎると、ペースト化した際に粉末の分散状態に劣り、均一な電極を製造することが困難になる傾向がある。また、比表面積が大きくなりすぎて、電極形成用のペーストを製造する際に負極活物質粉末が分散しにくくなるため、多量の結着剤や溶剤が必要となる。さらに、電極形成用ペーストの塗布性に劣り、均一な厚みを有する負極を形成しにくくなる。
なお、本発明では、50%粒子径D50と90%粒子径D90は、それぞれ、レーザー散乱式粒度分布測定装置により測定した値を指し、具体的には粒度分布測定結果を体積基準で微粒側から積算した場合の50%粒子径と90%粒子径である。
前記酸化物材料は、酸化物換算のモル%で、SnO 50〜85%、P 15〜50%を含有することが好ましい。各組成をこのように限定した理由を以下に説明する。
SnOはリチウムイオンを吸蔵および放出するサイトとなる活物質成分である。SnOの含有量は50〜85%であることが好ましく、60〜84%であることがより好ましく、65〜83%であることがさらに好ましく、71〜82%であることが特に好ましい。SnOの含有量が少なすぎると、負極活物質の単位質量当たりの放電容量が小さくなる傾向がある。一方、SnOの含有量が多すぎると、負極活物質中の非晶質成分が相対的に少なくなるため、充放電時のリチウムイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化を緩和できずに、サイクル特性が低下する傾向がある。なお本発明において、SnOの含有量は、SnO以外の酸化スズ成分(SnO等)もSnOに換算して合算したものを指す。
は網目形成酸化物であり、SnOにおけるリチウムイオンの吸蔵および放出サイトを包括し、サイクル特性を向上させる作用がある。Pの含有量は15〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましく、25〜35%であることが特に好ましい。Pの含有量が少なすぎると、充放電時のリチウムイオンの吸蔵および放出に伴うSnOの体積変化を緩和できず負極活物質の構造劣化を起こすため、サイクル特性が低下しやすくなる。一方、Pの含有量が多すぎると、耐水性が低下しやすくなり、また、水系電極ペーストを作製した際に、負極活物質中に望まない異種結晶(例えば、SnHPOなど)が生じるために、負極活物質中のPネットワークが切断され、リチウムイオンを吸蔵および放出する際におけるSnOの体積変化を緩和できず、結果として、サイクル特性が低下しやすくなる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えてさらに種々の成分を添加することができる。このような成分としては、例えばSiO、Al、CuO、ZnO、B、MgO、CaO、RO(RはLi、Na、KまたはCsを示す)などが挙げられる。上記成分の含有量は、合量で0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましく、0.1〜13%であることが特に好ましい。
前記酸化物材料の結晶化度は、充放電反応前において質量%で95%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましく、50%以下であることがなお好ましく、40%以下であることがより一層好ましく、10%以下であることが特に好ましい。また、負極活物質は実質的に非晶質からなることが好ましい。ここで、「実質的に非晶質からなる」とは、結晶化度が実質的に0%(具体的には、0.1%未満)であることを指し、後述の粉末X線回折測定において、結晶性回折線が検出されないものをいう。結晶化度が小さい(非晶質の割合が大きい)ほど、繰り返し充放電時の体積変化を緩和できるため、サイクル特性が向上する傾向がある。
なお、結晶化度は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定によって得られる2θ値で10〜60°の回折線プロファイルを、結晶性回折線と非晶質ハローとにピーク分離することで求められる。具体的には、回折線プロファイルからバックグラウンドを差し引いて得られた全散乱曲線から、10〜40°におけるブロードな回折線(非晶質ハロー)をピーク分離して求めた積分強度をIa、10〜60°において検出される各結晶性回折線をピーク分離して求めた積分強度の総和をIcとした場合、結晶化度Xcは次式から求められる。
Xc=[Ic/(Ic+Ia)]×100(%)
本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末は、例えば原料粉末を加熱溶融してガラス化することにより製造される。SnとPを含む酸化物材料は、溶融条件によってSn原子の酸化状態が変化しやすく、大気中で溶融した場合、望まないSnOやSnP等の結晶がガラス融液表面やガラス融液中に形成されやすい。その結果、負極活物質の初回充放電効率およびサイクル特性が低下しやすくなる。そこで、還元雰囲気または不活性雰囲気中で溶融を行うことで、酸化物材料中のSnイオンの価数の増加を抑制し、望まない結晶の形成を抑制でき、初回充放電効率およびサイクル特性に優れた蓄電デバイスを得ることが可能となる。
還元雰囲気で溶融するには、溶融槽中へ還元性ガスを供給することが好ましい。還元性ガスとしては、体積%で、N 90〜99.5%およびH 0.5〜10%、を含有する混合気体を用いることが好ましく、N 92〜99%およびH 1〜8%を含有する混合気体を用いることがより好ましい。
不活性雰囲気で溶融する場合は、溶融槽中へ不活性ガスを供給することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムのいずれかを用いることが好ましい。
還元性ガスまたは不活性ガスは、溶融槽において溶融ガラスの上部雰囲気に供給してもよいし、バブリングノズルから溶融ガラス中に直接供給してもよく、両手法を同時に行ってもよい。
また、上記負極活物質の製造方法において、出発原料粉末に複合酸化物を使用することにより、失透異物が少なく均質性に優れた負極活物質が得られやすくなる。当該負極活物質を用いれば、放電容量が安定した蓄電デバイスが得られやすくなる。このような複合酸化物としては、ピロリン酸第一錫(Sn)等が挙げられる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末において、所定サイズの粉末を得るためには、一般的な粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、篩、遠心分離、空気分級などが用いられる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末に対し、結着剤や導電助剤を添加することにより蓄電デバイス用負極材料が得られる。
結着剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体またはポリビニルアルコール等の水溶性高分子;熱硬化性ポリイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。特に、耐薬品性、耐熱性、耐クラック性に優れる熱硬化性ポリイミドが好ましい。
導電助剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の高導電性カーボンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、炭素繊維などが挙げられる。なかでも、少量の添加で優れた電子伝導性を示す高導電性カーボンブラックが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極材料は、質量%で、負極活物質粉末 55〜90%、結着剤 2〜30%、導電助剤 3〜20%を含有することが好ましい。組成を上記のように限定した理由を以下に説明する。
負極活物質粉末の含有量は、55〜90%であることが好ましく、60〜85%であることがより好ましい。負極活物質粉末の含有量が少なすぎると、負極の単位質量あたりの充電容量や放電容量が低下しやすくなる。一方、負極活物質粉末の含有量が多すぎると、結着剤との接触面積が低減して結着性が低下するため、負極材料が負極集電体から欠落しやすくなり、充電容量や放電容量が低下やすくなる。
結着剤の含有量は、2〜30%であることが好ましく、3〜25%であることがより好ましい。結着剤の含有量が少なすぎると、負極集電体と負極材料の結着性が悪くなるため、負極材料が負極集電体から欠落しやすくなり、充電容量や放電容量が低下やすくなる。一方、結着剤が多すぎると、負極活物質の割合が減ってしまうため、負極の単位質量あたりの充電容量や放電容量が低下する。
導電助剤の含有量は、3〜20%であることが好ましく、4〜15%であることがより好ましい。導電助剤の含有量が少なすぎると、負極の電子伝導性が低下し、急速充放電性能が低下しやすくなる。一方、導電助剤の含有量が多すぎると、負極活物質の割合が減ってしまうため、負極の単位質量あたりの充電容量や放電容量が低下しやすくなる。
本発明の負極材料は、例えばN−メチルピロリドンなどの有機溶剤に分散され、均一混合されたペースト状態であってもよい。
蓄電デバイス用負極材料を、集電体としての役割を果たす金属箔等の表面に塗布することで蓄電デバイス用負極として用いることができる。
なお、本発明の蓄電デバイス用負極活物質を用いた蓄電デバイスを充放電した後は、当該蓄電デバイス用負極活物質はリチウム酸化物、Sn−Li合金または金属スズを含有する場合がある。
以上、主にリチウムイオン二次電池用負極活物質について説明してきたが、本発明の負極活物質はこれに限定されるものではなく、他の非水系二次電池や、さらには、リチウムイオン二次電池用の負極活物質と非水系電気二重層キャパシタ用の正極材料とを組み合わせたハイブリットキャパシタ等にも適用できる。
以下、本発明の蓄電デバイス用負極活物質粉末、ならびに、それを用いた蓄電デバイス用負極材料および蓄電デバイス用負極の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)負極活物質粉末の作製
主原料としてピロリン酸第一錫(Sn)を用い、さらに、その他の各種酸化物等を添加して、組成として、酸化物換算のモル%で、SnO 72%、P 28%となるように原料粉末を調製した。得られた原料粉末を、石英ルツボに投入し、電気炉を用いて窒素雰囲気中950℃にて、40分間の溶融を行い、ガラス化した。
次いで、溶融ガラスを一対の成形ローラー間に流し出すことにより、急冷しながら成形してフィルム状ガラスを得た。このフィルム状ガラスを、φ25mmのアルミナボールを用いたボールミルを使用して6時間粉砕した。さらに、超音波ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、粉体送り量:300g/h、粉砕エアー圧:0.55kPa、ルーバー;中、ディスタンスリング:8mmの条件で粉砕して、負極活物質粉末を得た。
得られた負極活物質粉末の粒度分布をレーザー散乱式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD−2200)により測定した。なお、粉末の分散媒としては、0.1wt%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、超音波によって1分間、粉末を分散させた。表1に、粒度分布の測定結果を示す。
また、得られた負極活物質粉末について粉末X線回折測定により構造を同定したところ、結晶は検出されず、実質的に非晶質からなることがわかった。
(2)負極材料の作製
上記で得られた負極活物質粉末に対し、導電助剤としてアセチレンブラックを、結着剤としてポリイミド樹脂を、質量比で負極活物質粉末:導電助剤:結着剤=82:3:15の割合となるように秤量し、N−メチルピロリドンに分散した後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化して、負極材料を得た。
(3)負極の作製
次に、隙間100μmのドクターブレードを用いて、負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に、上記で得られた負極材料をコートし、乾燥機を用いて70℃で乾燥後、一対の回転ローラー間に通してプレスすることにより電極シートを得た。この電極シートを電極打ち抜き機で直径11mmに打ち抜き、200℃で3時間減圧乾燥することでポリイミド樹脂をイミド化させて円形の負極を得た。
(4)試験電池の作製
次に、得られた負極を、銅箔面が下に向くようにコインセルの下蓋に載置し、その上に200℃8時間乾燥したセパレータ、さらに、対極である金属リチウムを積層し、上蓋を被せてCR2032型試験電池を作製した。電解液としては、1M LiPF溶液/EC:DEC=1:1(EC=エチレンカーボネート、DEC=ジエチルカーボネート)を用いた。なお試験電池の組み立ては露点温度−40℃以下の環境で行った。
(5)充放電特性の評価試験
充放電試験は次のように行った。30℃で1Vから0VまでCC(定電流)充電(負極活物質へのリチウムイオン吸蔵)を行い、負極活物質の単位質量中に充電された電気量(充電容量)を求めた。次に、0Vから1VまでCC放電(負極活物質からのリチウムイオン放出)させ、負極活物質の単位質量中に放電された電気量(放電容量)を求めた。以降は、0V〜1Vで繰り返しCC充放電させて充放電容量を求めた。なお、充放電のCレートは0.2Cとした。表1に、充放電特性の結果を示す。なお、放電容量維持率は、初回放電容量に対する75サイクル目の放電容量の割合をいう。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、フィルム状ガラスを得た。このフィルム状ガラスを、φ25mmのアルミナボールを用いたボールミルを使用して6時間粉砕した。さらに、φ5mmのジルコニアボールを用いたボールミルを使用して60時間粉砕して、負極活物質粉末を得た。
得られた負極活物質粉末の粒度分布を、実施例1と同様の方法で測定した。表1に、粒度分布の測定結果を示す。
また、得られた負極活物質粉末について粉末X線回折測定により構造を同定したところ、結晶は検出されず、実質的に非晶質からなることがわかった。
試験電池の作製と充放電特性の評価試験は、実施例1と同様の方法で行った。表1に、充放電特性の結果を示す。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、フィルム状ガラスを得た。このフィルム状ガラスを、φ25mmのアルミナボールを用いたボールミルを使用して6時間粉砕した。次いで、空気分級することで、負極活物質粉末を得た。
得られた負極活物質粉末の粒度分布を、実施例1と同様の方法で測定した。表1に、粒度分布の測定結果を示す。
また、得られた負極活物質粉末について粉末X線回折測定により構造を同定したところ、結晶は検出されず、実質的に非晶質からなることがわかった。
試験電池の作製と充放電特性の評価試験は、実施例1と同様の方法で行った。表1に、充放電特性の結果を示す。
表1から明らかなように、実施例1および2は、D90/D50が2.0以下と小さく、初回放電容量は591mAh/g以上で、放電容量維持率は84%以上と、高容量で、サイクル性も良好であった。一方、比較例1は、D90/D50が3.0と大きく、初回放電容量は577mAh/gと高容量であったものの、放電容量維持率は64%と低かった。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に用いられる蓄電デバイス用負極活物質として好適である。

Claims (5)

  1. 酸化物換算のモル%で、SnO 50〜85%、P 15〜50%を含有する非晶質の酸化物材料からなり、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50が1.2以上、2.8以下であり、かつ、D50が0.4〜3.0μm、D90が5.0μm以下であることを特徴とする蓄電デバイス用負極活物質粉末。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイス用負極活物質粉末、導電助剤および結着剤を含有することを特徴とする蓄電デバイス用負極材料。
  3. 質量%で、負極活物質粉末55〜90%、結着剤2〜30%、導電助剤3〜20%を含有することを特徴とする請求項に記載の蓄電デバイス用負極材料。
  4. 前記結着剤が、熱硬化性樹脂または水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項またはに記載の蓄電デバイス用負極材料。
  5. 請求項のいずれかに記載の蓄電デバイス用負極材料が集電体表面に塗布されてなることを特徴とする蓄電デバイス用負極。
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