JP6300176B2 - ナトリウム二次電池用負極活物質 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に用いられる蓄電デバイス用負極活物質に関する。
近年、携帯用パソコンや携帯電話の普及に伴い、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスの高容量化と小サイズ化に対する要望が高まっている。蓄電デバイスの高容量化が進めば、電池の小サイズ化も容易となるため、蓄電デバイスの高容量化へ向けての開発が急務となっている。
蓄電デバイス用負極活物質には、一般に黒鉛質炭素材料などの炭素材料が用いられている。しかしながら、黒鉛質炭素材料は、理論容量が約372mAh/gであるため、電池の高容量化が困難であるという問題がある。
LiイオンやNaイオンを吸蔵および放出することが可能であり、炭素材料からなる負極活物質を上回る高容量密度を有する負極活物質として、Snを含有する負極活物質が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、Snを含有する負極活物質は、充放電時におけるLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出反応に起因する体積変化が著しく大きいため、繰り返し充放電した際に負極活物質が構造劣化して亀裂が生じやすくなる。亀裂が進行すると、場合によっては負極活物質中に空洞が形成され、微粉化してしまうこともある。負極活物質に亀裂が生じると、電子伝導パスが分断されるため、繰り返し充放電した後の放電容量(サイクル特性)が低下する問題がある。
そこで、炭素材料からなる負極活物質を上回る高容量密度を有し、かつサイクル特性に優れた負極活物質として、SnとPを含有する酸化物材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この負極活物質において、Sn成分はLiイオンやNaイオンを吸蔵および放出するサイトとなる。また、Pを含有する成分は酸化物マトリックス成分となり、PとOからなるネットワークが前記Sn成分を取り囲むことにより、前記Sn成分がLiイオンやNaイオンを吸蔵および放出する際に生じる体積変化を緩和して、充放電サイクル特性を向上させる作用がある。
特開2011−187434号公報
M.Winter, J.O.Besenhard, Electrochimica Acta, 45(1999), p.31
このSnとPを含有する酸化物材料からなる負極活物質は、初回充電時に、Snイオンが金属Snに還元された後、その金属SnにLiイオンやNaイオンが吸蔵される。それと同時に、Pを含む酸化物の周囲にLiイオンやNaイオンが配位することにより、Pを含む酸化物マトリックスの構造が安定化する。この配位されたLiイオンやNaイオンは、その後の放電時には放出されず、電解質を通って正極活物質へ移動できなくなる。その結果、初回充放電効率(初回の充電容量に対する放電容量の比率)が低下するという問題がある。
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、高い容量密度と優れたサイクル特性を有した上で、初回充放電効率に優れた蓄電デバイス用負極活物質を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物換算のモル%で、SnO 25〜75%、P+SiO 5〜55%、LiO+NaO 4〜40%、B 0〜6%を含有することを特徴とする。
また、本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、非晶質相を含有することが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極は、前記蓄電デバイス用負極活物質を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い容量密度と優れたサイクル特性を有した上で、初回充放電効率に優れた蓄電デバイス用負極活物質を提供することが可能となる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物換算のモル%で、SnO 25〜75%、P+SiO 5〜55%、LiO+NaO 4〜40%、B 0〜6%を含有することを特徴とする。各成分をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りのない限り、モル%を指す。
SnOはLiイオンやNaイオンを吸蔵および放出するサイトとなる活物質成分であり、その含有量は25〜75%である。SnOの含有量は27〜72%であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましく、32〜68%であることがさらに好ましく、34〜67%であることがなお好ましく、35〜65%であることが特に好ましい。SnOの含有量が少なすぎると、負極活物質の単位質量当たりの放電容量が小さくなる。一方、SnOの含有量が多すぎると、酸化物マトリックス成分が相対的に少なくなるため、充放電時のLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化を緩和できずに、サイクル特性が低下する傾向がある。なお本発明において、SnOの含有量は、SnO以外の酸化スズ成分(SnO等)もSnOに換算して合算したものを指す。
とSiOはいずれも酸化物マトリックス成分であり、充放電時のLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴うSn成分の体積変化を緩和し、サイクル特性を向上させる作用があり、それらの含有量の合計は5〜55%である。PとSiOの含有量の合計は7〜52%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましく、12〜47%であることがさらに好ましく、15〜45%であることがなお好ましく、17〜40%であることが特に好ましい。PとSiOの含有量の合計が少なすぎると、充放電時のLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴うSn成分の体積変化を緩和できず構造劣化を起こすため、サイクル特性が低下しやすくなる。一方、PとSiOの含有量の合計が多すぎると、Sn成分が相対的に少なくなるため、負極活物質の単位質量当たりの放電容量が小さくなる。
は酸化物マトリックスのLiイオンおよびNaイオン伝導性を向上させる成分である。Pの含有量は45%以下であることが好ましく、42%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、38%以下であることがなお好ましく、35%であることがより一層好ましく、32%であることが特に好ましい。なお、下限については特に制限されないが、5%以上であることが好ましく、7%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、12%以上であることがなお好ましく、15%以上であることが特に好ましい。
なお、SiOの含有量は55%以下であることが好ましく、53%以下であることがより好ましく、51%以下であることがさらに好ましく、50%以下であることがなお好ましく、47%以下であることがより一層好ましく、45%以下であることが特に好ましい。なお、下限については特に制限されないが、5%以上であることが好ましく、7%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、12%以上であることがなお好ましく、15%以上であることが特に好ましい。
LiOとNaOはいずれも、初回充電時に酸化物マトリックス中にLiイオンやNaイオンを吸収させにくくさせ、かつLiイオンおよびNaイオン伝導性を向上させる成分であり、その含有量の合計は4〜40%である。LiOとNaOの含有量の合計は4.5〜39%であることが好ましく、5〜38%であることがより好ましく、5.5〜37%であることがさらに好ましく、6〜36%であることがなお好ましく、6.5〜35%であることが特に好ましい。LiOとNaOの含有量の合計が少なすぎると、初回充電時に、LiイオンやNaイオンが酸化物マトリックス中に吸収されやすくなり、初回充放電効率が低下する傾向がある。一方、LiOとNaOの含有量の合計が多すぎると、LiOまたはNaOと、PまたはSiOとからなる異種結晶(例えばLiPO、LiSiO)が多量に形成され、サイクル特性が低下しやすくなる。LiOおよびNaOは、それぞれ単独で含有されていてもよい。
なお、蓄電デバイスにおける充放電時に、正極から電解質を通って吸蔵もしくは放出されるイオンがLiイオンである場合は、LiOを含有することが好ましく、Naイオンである場合は、NaOを含有することが好ましい。
は酸化物マトリックス成分であり、充放電時のLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴うSn成分の体積変化を緩和し、サイクル特性を向上させる作用があり、それらの含有量は0〜6%である。Bの含有量は0〜5%であることが好ましく、0〜3%であることが特に好ましい。Bの含有量が多すぎると、酸化物マトリックス中に吸収されるLiイオンの量が増加するため、リチウムイオン電池の初回充放電効率が低下する傾向がある。
SnO/Pの値は、モル比で、0.8〜19であることが好ましく、1〜18であることがより好ましく、1.2〜17であることが特に好ましい。SnO/Pの値が小さすぎると、初回充放電効率が低下する傾向にある。一方、SnO/Pの値が19より大きいと、充放電時のLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴うSn成分の体積変化を緩和できず構造劣化を起こすため、サイクル特性が低下しやすくなる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えてさらに種々の成分を添加することができる。このような成分としては、例えば、MnO、CuO、ZnO、MgO、CaO、Alなどが挙げられる。上記成分の含有量の合計は0〜25%であることが好ましく、0〜23%であることがより好ましく、0〜21%であることがさらに好ましく、0.1〜20%であることが特に好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、非晶質相を含有することが好ましい。ここで、「非晶質相を含有する」とは、後述の粉末X線回折測定において、ブロードな回折線(非晶質ハロー)が検出されるものを指す。非晶質相を含有することにより、酸化物マトリックスのLiイオンおよびNaイオン伝導性を向上させることが可能となる。結晶化度が小さい(非晶質相の割合が大きい)ほど、充放電時のSn成分の体積変化を緩和できるため、サイクル特性が向上する傾向がある。具体的には、結晶化度が95%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましく、50%以下であることがなお好ましく、40%以下であることがより一層好ましく、20%以下であることが特に好ましい。また、負極活物質は実質的に非晶質からなることが好ましい。ここで、「実質的に非晶質からなる」とは、結晶化度が1%以下であることを指し、後述の粉末X線回折測定において、結晶性回折線が検出されないものをいう。
なお、結晶化度は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定によって得られる2θ値で10〜60°の回折線プロファイル、結晶性回折線と非晶質ハローとにピーク分離することで求められる。具体的には、回折線プロファイルからバックグラウンドを差し引いて得られた全散乱曲線から、10〜45°におけるブロードな回折線(非晶質ハロー)をピーク分離して求めた積分強度をIa、10〜60°において検出される各結晶性回折線をピーク分離して求めた積分強度の総和をIcとした場合、結晶化度Xcは次式から求められる。
Xc=[Ic/(Ic+Ia)]×100(%)
本発明の蓄電デバイス用負極活物質の形状は特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。粉末状であることにより、この負極活物質を用いて作製された蓄電デバイスにおいて、負極活物質と電解質との接触面積が大きくなり、活物質と電解質との間におけるLiイオンおよびNaイオンの伝導性が向上するため、負極活物質の単位質量当たりの放電容量を大きくし、急速充放電特性を高めることが可能となる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質が粉末状である場合、平均粒子径は0.1〜20μmであることが好ましく、0.2〜15μmであることがより好ましく、0.3〜10μmであることがさらに好ましく、0.5〜5μmであることが特に好ましい。最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、75μm以下であることがさらに好ましく、55μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径や最大粒子径が大きすぎると、充放電した際にLiイオンやNaイオンの吸蔵および放出に伴う負極活物質の体積変化を緩和できず、集電体から剥れやすくなり、サイクル特性が低下する傾向がある。一方、平均粒子径が小さすぎると、ペースト化した際に粉末の分散状態に劣り、均一な電極を製造することが困難になる傾向がある。
ここで、平均粒子径と最大粒子径は、それぞれ一次粒子のメジアン径でD50(50%体積累積径)とD90(90%体積累積径)を示し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値をいう。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、例えば原料粉末を加熱溶融してガラス化することにより製造される。Snを含む酸化物材料は、溶融条件によってSn原子の酸化状態が変化しやすく、大気中で溶融した場合、望まないSnOやSnP等の結晶がガラス融液表面やガラス融液中に形成されやすい。その結果、負極活物質の初回充放電効率およびサイクル特性が低下しやすくなる。そこで、還元雰囲気または不活性雰囲気中で溶融を行うことで、酸化物材料中のSnイオンの価数の増加を抑制し、望まない結晶の形成を抑制でき、初回充放電効率およびサイクル特性に優れた蓄電デバイスを得ることが可能となる。
還元雰囲気で溶融するには、溶融槽中へ還元性ガスを供給することが好ましい。還元性ガスとしては、体積%で、N 90〜99.5%およびH 0.5〜10%を含有する混合気体を用いることが好ましく、N 92〜99%およびH 1〜8%を含有する混合気体を用いることがより好ましい。
不活性雰囲気で溶融する場合は、溶融槽中へ不活性ガスを供給することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムのいずれかを用いることが好ましい。
還元性ガスまたは不活性ガスは、溶融槽において溶融ガラスの上部雰囲気に供給してもよいし、バブリングノズルから溶融ガラス中に直接供給してもよく、両手法を同時に行ってもよい。
また、上記負極活物質の製造方法において、出発原料粉末に複合酸化物を使用することにより、失透異物が少なく均質性に優れた負極活物質が得られやすくなる。当該負極活物質を用いれば、放電容量が安定した蓄電デバイスが得られやすくなる。このような複合酸化物としては、ピロリン酸第一錫(Sn)、第三リン酸リチウム(LiPO)等が挙げられる。
さらに本発明の蓄電デバイス用負極材料の製造方法において、原料粉末に金属粉末または炭素粉末が含まれていることが好ましい。これにより、負極材料中のSn原子を還元状態にシフトすることができる。結果として、負極材料中のSn価数が小さくなり、蓄電デバイスの初回充電効率を向上させることが可能となる。
前記金属粉末は、Sn、Al、Si、Tiから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましく、Sn、Al、Siから選ばれる少なくとも一種を含有することがより好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質において、所定サイズの粉末を得るためには、一般的な粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、篩、遠心分離、空気分級などが用いられる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質に対し、結着剤や導電助剤を添加することにより蓄電デバイス用負極材料が得られる。
結着剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体またはポリビニルアルコール等の水溶性高分子;熱硬化性ポリイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
導電助剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の高導電性カーボンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、炭素繊維などが挙げられる。
蓄電デバイス用負極材料を、集電体としての役割を果たす金属箔等の表面に塗布することで蓄電デバイス用負極として用いることができる。
以上、主にリチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池に用いられる負極活物質について説明してきたが、本発明の負極活物質はこれに限定されるものではなく、他の非水系二次電池や、さらには、リチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池に用いられる負極活物質と非水系電気二重層キャパシタ用の正極材料とを組み合わせたハイブリットキャパシタ等にも適用できる。
ハイブリットキャパシタであるリチウムイオンキャパシタおよびナトリウムイオンキャパシタは、正極と負極の充放電原理が異なる非対称キャパシタの1種である。リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン二次電池用の負極と電気二重層キャパシタ用の正極を組み合わせた構造を有している。ナトリウムイオンキャパシタは、ナトリウムイオン二次電池用の負極と電気二重層キャパシタ用の正極を組み合わせた構造を有している。ここで、正極は表面に電気二重層を形成し、物理的な作用(静電気作用)を利用して充放電するのに対し、負極は既述のリチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池と同様にリチウムイオンまたはナトリウムイオンの化学反応(吸蔵および放出)により充放電する。
リチウムイオンキャパシタおよびナトリウムイオンキャパシタの正極には、活性炭、ポリアセン、メソフェーズカーボンなどの高比表面積の炭素質粉末などからなる正極活物質が用いられる。一方、負極には、本発明の負極活物質を用いることができる。
なお、本発明の蓄電デバイス用負極活物質を用いた蓄電デバイスを充放電した後は、当該蓄電デバイス用負極活物質はリチウム酸化物、ナトリウム酸化物、Sn−Li合金、Sn−Na合金または金属スズを含有する場合がある。
以下、本発明の蓄電デバイス用負極活物質の一例として、非水二次電池の用途に適用した実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)負極活物質の作製
表1〜3に示す実施例1〜13および比較例1〜7の組成となるように、原料として各種酸化物、燐酸塩原料、炭酸塩原料、金属粉末または炭素粉末、等を用いて原料粉末を調製した。原料粉末を石英ルツボに投入し、電気炉を用いて窒素雰囲気にて1250℃、60分間の溶融を行い、ガラス化した。
次いで、溶融ガラスを一対の回転ローラー間に流し出し、急冷しながら成形し、厚み0.1〜2mmのフィルム状のガラスを得た。このフィルム状ガラスをボールミルで粉砕した後、目開き20μmの篩に通過させ、平均粒子径3μmのガラス粉末(負極活物質)を得た。
得られたガラス粉末について粉末X線回折測定することにより構造を同定した。結果を表1〜3に示す。実施例1〜13のガラス粉末は、結晶化度が10%以下であり、特に実施例1〜6および8〜13のガラス粉末は非晶質であり、結晶は検出されなかった。また、比較例1〜4、6および7のガラス粉末は非晶質であり、比較例5のガラス粉末は、結晶化度が48%であった。
(2)リチウムイオン二次電池用負極の作製
得られたガラス粉末に対し、導電助剤として導電性カーボンブラック(SuperC65、Timcal社製)、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを、ガラス粉末:導電助剤:結着剤=80:5:15(質量比)となるように秤量し、N−メチルピロリドン(NMP)に分散した後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。次に、隙間75μmのドクターブレードを用いて、得られたスラリーを負極集電体である厚さ20μmの銅箔上にコートし、70℃の乾燥機で真空乾燥後、一対の回転ローラー間に通してプレスすることにより電極シートを得た。この電極シートを電極打ち抜き機で直径11mmに打ち抜き、温度160℃にて8時間、減圧下で乾燥させて円形の負極を得た。
(3)試験電池(リチウムイオン二次電池)の作製
次に得られた負極を、銅箔面を下に向けてコインセルの下蓋に載置し、その上に70℃で8時間減圧乾燥した直径16mmのポリプロピレン多孔質膜(セルガード#2400、ヘキストセラニーズ社製)からなるセパレータ、および対極である金属リチウムを積層し、試験電池を作製した。電解液としては、1M LiPF溶液/EC:DEC=1:1(EC=エチレンカーボネート、DEC=ジエチルカーボネート)を用いた。なお試験電池の組み立ては露点温度−40℃以下の環境で行った。
(4)充放電試験
上記試験電池に対し、30℃で開回路電圧から0VまでCC(定電流)充電(負極活物質へのリチウムイオン吸蔵)を行い、単位質量の負極活物質へ充電された電気量(初回充電容量)を求めた。次に、0Vから1VまでCC放電(負極活物質からのリチウムイオン放出)させ、単位質量の負極活物質から放電された電気量(初回放電容量)を求めた。Cレートは0.5Cとした。なお、放電容量維持率は初回放電容量と100サイクル目の放電容量の割合をいう。
表1および2に示すように、実施例1〜13の初回放電容量は430mAh/g以上、放電容量維持率は76%以上、初回充放電効率は54%以上と、高い容量密度と優れたサイクル特性を有した上で、初回充放電効率に優れていた。一方、表3に示すように、比較例1〜4、6および7は、LiOおよびNaOの含有量の合量が少なかったため、初回充放電効率が53%以下と低かった。さらに、比較例2は、B含有量が多すぎたため、比較例3は、BとSnOの含有量が多すぎたため、放電容量維持率は68%以下と低かった。また、比較例5は、LiO含有量が多すぎたため、異種結晶が析出し、初回放電容量は389mAh/g、放電容量維持率は66%と低かった。
(5)ナトリウムイオン二次電池用負極の作製
表1〜3に示す実施例1〜13および比較例1、2、4、6および7のガラス粉末に対し、結着剤として熱硬化性ポリイミド樹脂(Dreambond、IST社製)、導電助剤として物質名SuperC65(Timcal社製)を、ガラス粉末:結着剤:導電助剤=80:15:5(質量比)となるように秤量し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)に分散した後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。次に、隙間100μmのドクターブレードを用いて、負極集電体である厚さ20μmの銅箔上に、得られたスラリーをコートし、乾燥機にて70℃で減圧乾燥後、一対の回転ローラー間に通してプレスすることにより電極シートを得た。電極シートを電極打ち抜き機で直径11mmに打ち抜き、減圧しながら300℃で3時間乾燥させて円形の負極を得た。
(6)試験電池(ナトリウムイオン二次電池)の作製
次に、得られた負極を、銅箔面を下に向けてコインセルの下蓋に載置し、その上に70℃で8時間減圧乾燥した直径16mmのポリプロピレン多孔質膜からなるセパレータ、および、対極である金属ナトリウムを積層し、試験電池を作製した。電解液としては、1M NaPF溶液/EC:DEC=1:1を用いた。なお試験電池の組み立ては露点温度−70℃以下の環境で行った。
(7)充放電試験
上記試験電池に対し、30℃で開回路電圧から0.01VまでCC(定電流)充電(負極活物質へのナトリウムイオン吸蔵)を行い、単位質量の負極活物質へ充電された電気量(初回充電容量)を求めた。次に、0.01Vから1VまでCC放電(負極活物質からのナトリウムイオン放出)させ、単位質量の負極活物質から放電された電気量(初回放電容量)を求めた。Cレートは0.1Cとした。表4〜6に、充放電特性の結果を示す。なお、放電容量維持率は、初回放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合をいう。
表4および5に示すように、実施例1〜13の初回放電容量は251mAh/g以上、放電容量維持率は52%以上、初回充放電効率は59%以上と、高い容量密度と優れたサイクル特性を有した上で、初回充放電効率に優れていた。一方、表6に示すように、比較例1、2、4、6および7は、LiOおよびNaOの含有量の合量が少なかったため、初回充放電効率が56%以下と低かった。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に用いられる蓄電デバイス用負極活物質として好適である。

Claims (3)

  1. 酸化物換算のモル%で、SnO 25〜75%、P+SiO 5〜55%、NO 4〜40%、B 0〜6%を含有することを特徴とするナトリウム二次電池用負極活物質。
  2. 非晶質相を含有することを特徴とする請求項1に記載のナトリウム二次電池用負極活物質。
  3. 請求項1または2に記載のナトリウム二次電池用負極活物質を含むことを特徴とするナトリウム二次電池用負極。
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