JP6133723B2 - 遊技情報管理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機の遊技情報として通常中の出率である所謂ベースを管理する遊技情報管理装置に関する。
従来、遊技情報管理装置では、パチンコ遊技機等の遊技機の遊技情報として通常中の出玉率である所謂ベースを管理しており、例えば特許文献1ではベースを細分化して管理すべく、始動入賞に関わるベースや一般入賞口についてのベース(BYmin)を管理対象とすることを提案している。
特開平9−117559号公報
特許文献1ではBYminを以下の演算式により求めている。即ち、「((1分間当たりの特賞外セーフ玉数―1分間当たりの平均スタート回数×単位払出数)÷1分間当たりの特賞外アウト玉数)×100(%)」。この演算式によれば、所謂セブン機のような始動入賞に応じて役物が開放しない遊技機については想定されるBYminになり得るが、所謂ハネモノのような始動入賞に応じて役物が開放し、役物への入賞により払出しが生ずる遊技機については、上記演算式では役物入賞による払出しが考慮されていないため想定されるBYminにはならず、この点で改良が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、始動入賞に応じて役物が開放し、役物への入賞により払出しが生ずる遊技機について、遊技者が余り関心を抱かない一般入賞等の入賞についての遊技情報を適切に管理することができる遊技情報管理装置を提供することにある。
本発明は、遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、前記始動入賞回数、或いは前記役物の作動回数である始動数を特定可能な始動信号と、役物入賞数を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、前記始動数、及び前記役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、前記始動数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフ、及び前記BYセーフによる出率を示し、前記BYセーフを前記アウトにより除した値を示すBYminの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、を備えたものである(請求項1)。
本発明は、遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、前記始動入賞、或いは前記役物の作動であるスタートを特定可能な始動信号と、役物入賞を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、前記スタート、前記役物入賞、及び役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、前記スタートが特定された時点から遡った予め設定される所定期間、及び当該スタートが特定された時点から予め設定される所定期間内の少なくともいずれか一方の所定期間である始動対応期間において、前記役物入賞が特定された場合に、当該スタートを役物入賞に対応する役物スタートとして特定する役物S特定手段と、
前記役物スタートの特定数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフα、及び前記BYセーフαによる出率を示し、前記BYセーフαを前記アウトにより除した値を示すBYminαの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、を備えたものである(請求項2)。
請求項2記載の遊技情報管理装置において、
前記役物S特定手段は、1度の前記始動対応期間において複数の役物入賞が特定された場合であっても、1回の役物スタートとして特定するようにしても良い(請求項3)。
本発明は、遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、役物入賞を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、及び役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、前記役物入賞数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフβ、及び前記BYセーフβによる出率を示し、前記BYセーフβを前記アウトにより除した値を示すBYminβの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、を備えたものである(請求項4)。
請求項4記載の遊技情報管理装置において、
役物入賞に対応する役物スタートを特定する役物S特定手段を備え、前記遊技情報特定手段は、役物入賞を特定可能であり、前記役物S特定手段は、役物入賞が特定された場合に前記役物スタートを加算する一方、役物入賞が特定されてから予め設定される所定期間内に再度役物入賞が特定された場合には、当該役物スタートの加算を抑制することにより役物スタートを更新し、前記演算手段は、前記役物入賞数に前記単位始動付与価値を乗じた値として、前記役物入賞数を前記役物スタートとして前記BY情報を演算するようにしても良い(請求項5)。
請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技情報管理装置において、
前記設定手段は、前記BY情報として前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値を除外対象とするか否かを遊技機の機種、及び遊技機の少なくとも一方により設定可能であっても良い(請求項6)。
請求項1の発明によれば、役物入賞分を考慮した上でBY情報を管理するので、課題にて示した想定されるBYを管理可能となる。
遊技者が対象となる遊技機を遊技する場合、始動入賞したものの役物入賞しなかった場合には、始動入賞が得られなかった場合と同様に興趣を味わうことが出来ない。即ち、そのような始動入賞も一般入賞と何ら変わりがないとさえ感じる遊技者が多い。請求項2の発明によれば、BYminαではそのような遊技者に対して効果的ではないが与えてしまったセーフ分を把握出来るようになり、遊技機の調整に役立てることが可能となる。
BYセーフαを算出する場合、始動入賞後の役物作動をそのまま除外対象としてしまうと、1回の始動入賞に対して重複して除外対象とする虞があるが、請求項3の発明によれば、役物S特定手段による作用により、そのような虞を効果的に排除出来る。
請求項4,5の発明によれば、請求項2,3に係る発明と同様な効果を奏しながら、例えば役物入賞数に単位始動付与価値と単位役物付与価値との合計値を乗じた値を除外対象とする等、演算過程を単純化出来る場合もある。
管理対象となる遊技機の中には本発明が対象としない所謂セブン機と呼ばれる機種や本発明の対象となる所謂ハネモノと呼ばれる機種もあるが、請求項6の発明によれば、それらが混在するような遊技場においても柔軟にBY情報を管理可能となる。
本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図 設定情報例を示す図 遊技機別の遊技情報の集計例を示す図 機種別の遊技情報の集計例を示す図 管理装置による遊技情報集計処理を示すフローチャート
以下、本発明の一実施形態による遊技情報管理装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場用システムが設けられている遊技場内には複数の遊技機1が設置されている。遊技機1は所謂パチンコ遊技機であり、各遊技機1には貸出機2がそれぞれ付設されている。これら遊技機1及び貸出機2は、中継装置3に接続されている。この中継装置3は、LAN4を介して管理装置5(遊技情報管理装置、遊技情報特定手段、設定手段、演算手段、役物S特定手段に相当)に接続しており、遊技機1や貸出機2等の遊技機側から出力される各種の遊技信号や管理装置5から送信される各種の情報を受信する。管理装置5は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、出力手段としてのモニタ6等が接続されている。このような遊技場内には例えば数百台の遊技機1が所謂遊技島単位で並設されており、管理装置5の管理対象となっている。尚、図示は省略するが、遊技場内には、遊技者が獲得した遊技価値(例えば、所謂出玉)を計数するための計数装置や景品交換のためのPOS等も設置されている。
管理対象となる遊技機1について説明する。
管理対象となる遊技機1は、従来の所謂2種(ハネモノ)に属し、遊技媒体としての玉(遊技価値。所謂パチンコ玉)を盤面7に発射するためのハンドル8、第1始動口9、第2始動口10、一般入賞口11、一対の羽根12aを有した役物12、玉が払出される上皿13、及び上皿13から溢れた玉を一時的に貯留する下皿14等を備えている。発射された玉が盤面7に穿設された釘に弾かれ、第1始動口9に入賞した場合は役物12の羽根12aが1回開放し、第2始動口10に入賞した場合は2回開放する。所謂保留がないので、開放動作中(役物作動中)に始動口9,10に入賞しても賞球が払出されるだけで当該入賞による役物作動が行われることはない。第1始動口9、第2始動口10に入賞した場合の賞球は5個で役物入賞時の賞球は10個であり、一般入賞口11への入賞時の賞球は8個である。
役物12の羽根12aが開放した際に役物12内に玉が導かれた場合は役物12への入賞となり、特にVゾーン(特別入賞口)12bへ入賞した場合は、大当り(8ラウンド(R))となり、大入賞口も兼ねる羽根12aを開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放回数は16回(×2秒)であり、上限入賞数または上限開放回数のいずれかが満たされた場合に1Rを終了し、8Rが終了すると大当りも終了する。
尚、例えば第2始動口10を所謂電チュータイプとし、普図抽選の当否により入賞率を高めた開放状態に変移させても良く、更に一部の特別な大当り後等に所謂時短状態として通常状態よりも開放状態になり易い特別状態へと変移させても良い。この場合、特別状態は予め規定される役物作動回数分の役物作動が行われる等の特別状態終了条件が成立することにより終了され、その状態を特定すべく特別状態中に後述する大当り信号と同様に特別状態信号を出力すれば、管理装置5にて特別状態である旨を特定出来るので、その場合には大当り信号と特別状態信号とを入力しない期間を通常状態と特定すれば良い。また、BY等の遊技情報を特別状態中に通常状態と区別して集計しても良い。尚、このような場合も含め、役物12の開放動作中に次の始動入賞があった場合に、当該始動入賞に応じた役物開放を保留する所謂保留機能を適用した遊技機を対象としても良く、更にこの保留可能な役物開放数である保留数には上限が設けられることが見込まれる。
大当りとなる条件はVゾーン12bへの入賞だけでなく、例えば始動入賞により別途大当り抽選を行い、当選した場合に大当りとなったり、役物12内への入賞数が一度に所定数(例えば3個)以上となった場合に大当りとなる等、その他の大当り条件を設けて成立した場合に大当りとなるように構成しても良い。
遊技機側からは次の信号が出力される。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
入賞S信号(始動信号に相当)=遊技機1から出力される始動入賞に応じて出力される始動入賞を特定可能な信号。始動入賞時に出力されるので信号入力に応じて役物作動を特定し、入賞S信号数を入賞Sとして特定する。第1始動口9と第2始動口10とを区別して出力しても良いが、本実施形態では共通した遊技信号を採用している。
有効S信号(始動信号に相当)=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する役物12におけるスタート(役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。役物作動時に出力されるので信号入力に応じて役物作動を特定し、有効S信号数を有効Sとして特定する。尚、第2始動口10への入賞時には2回の役物作動があるので1回の始動入賞に対して2回分の出力を行っても良いし、第1始動口9と第2始動口10とを区別して出力しても良い。
役物信号=役物12への入賞を特定可能な信号。役物入賞時に出力されるので、信号入力に応じて役物入賞を特定し、役物信号数を役物入賞(数)として特定する。
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。尚、大当り信号を入力していない期間を通常状態として特定する。
貸出機2は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部を備えると共に、動作状態等を表示するための状態ランプ15、貨幣を投入する貨幣投入口16、各種の情報を表示するタッチパネル式の表示部17、玉を遊技機1に払出す払出ノズル18、玉の払出(貸出)を行うための払出釦19、一般カード(例えばICカード)を挿入したり、発行したりするためのカード挿入口20等を備えている。尚、カード挿入口20の奥方には複数の一般カードをストック可能なカードストック部が設けられている。
この貸出機2は、貨幣を受付けると(貨幣受付処理が行われると)、遊技機1及び貸出機2の双方に入金額が残高に加算されて表示されると共に、残高がある状態で遊技機1の払出釦が押下されると、例えば貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)が遊技機1に払出される(対価付与処理が行われる)。このとき、対価分が残高から引き落とされ、残高が更新される。また、貸出機2は、残高が残存する状態で遊技機1に設けられている図示しない返却釦が押下されると、残高を特定可能な一般カードを発行する。
中継装置3はCPUからなる制御部、CF、RAM、ROMからなる記憶部、I/Fからなる送受信部を備えて構成されており、貸出機2は、中継装置3との間で通信を行うことにより上記した貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理を実行したことを管理装置5へ報知可能となっている。
管理装置5は、CPUからなる制御部、ROM及びRAM等で構成された制御部、HDD、RAM、ROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部、モニタ6、プリンタからなる出力部から構成されている。管理装置5は、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って作動し、入出力部に入力される遊技機側からの遊技信号により特定される遊技情報を管理する。具体的には、管理装置5は、周知のように、遊技機側から入力されるアウト信号に基づいてアウトを特定したり、セーフ信号に基づいてセーフを特定したりすること等により、出率や稼動率或いは売上額等の遊技情報を、遊技機1毎や機種毎、或いは遊技場全体等で区分して集計及び管理する。また、管理装置5は、周知の機種設定により、台番をグループ化して遊技機1や機種等に対応付けている。
さて、管理装置5は、本発明に関連して通常中の出率である所謂ベースであるBYを求めるための設定情報を機種別に設定可能となっている。
図2は一の機種の設定情報例を示している。設定情報としては、S賞球、役物賞球、始動タイマが設定されている。S賞球(単位始動付与価値に相当)は始動口9,10に入賞した場合の賞球数、役物賞球(単位役物付与価値に相当)は役物12への入賞時の賞球数を示しており、始動タイマは始動入賞時に作動するタイマの作動期間の設定値である。
また、機種別に後述する図3及び図4等の集計を行うか否かを設定可能である。即ちBYmin等については、ハネモノであるのか所謂セブン機であるのかにより演算方法が異なるので、その旨に対応すべく設定すれば良いが、この場合、役物賞球はセブン機では設定する必要がないので、役物賞球を設定するか否かにより後述する図3等の集計を行うか否かを設定しても良い。また、機種別に代えて、または加えて遊技機別に設定可能としても良い。
尚、セブン機の場合は例えばBYminをベース−入賞S率×S賞球にて求める等、本発明と異なり役物入賞分を除外対象としない。つまり、セブン機の場合は役物入賞が発生しないことから、ベースから役物入賞分を除外する必要がないためである。
管理装置5は、本発明に関連して遊技情報集計処理を実行している。
図5は管理装置5による遊技情報集計処理を示している。尚、図5に示すフローチャートは一の遊技機1に対する動作を示すものであり、実際には管理対象となる全ての遊技機1に対して同一の動作を並列に実行している。管理装置5は、大当りフラグが0である通常状態では(S1:YES)、遊技機側からアウト信号またはセーフ信号または有効S信号が入力したか(S2:NO)、入賞S信号が入力したか(S3:NO)、役物信号が入力したか(S6:NO)、大当り信号が入力開始したか(S14:NO)を判定している。アウト信号またはセーフ信号または有効S信号のいずれかが入力したときは(S2:YES)、対応する遊技情報を更新する(S13)。始動入賞に応じて入賞S信号が入力したときは(S3:YES)、入賞Sを更新してから(S4)、始動タイマをスタートする(S5)。この始動タイマは図2の作動期間(5秒)だけ作動し、その後停止するが、作動中に入賞S信号を入力した場合、つまり始動入賞した場合には再スタートするようになっている。
管理装置5は、大当り信号が入力開始したときは(S14:YES)、大当り状態であるとし、大当りフラグを1とする(S15)。大当りフラグが1の場合には(S1:NO)、大当り信号が入力終了したかのみを判定し(S11:NO)、大当り信号が入力終了するまで遊技情報の集計は行わない。
さて、遊技機1において第1始動口9または第2始動口10に入賞すると、役物12の羽根12aが1回または2回開放する。盤面7に発射された玉が開放した羽根12aに導かれて役物12に入賞すると、役物信号が出力される。
管理装置5は、役物信号が入力したときは(S6:YES)、役物入賞を更新(カウントアップ)してから、始動タイマが作動中かを判定する(S8)。始動タイマは図2に示すように5秒に設定されており、開放した羽根12aにより導かれて1個目の玉が役物入賞したときは始動タイマは作動中であることから(S8:YES)、役物Sを更新(カウントアップ)し(S9)、始動タイマを停止する(S10)。この停止後は役物信号が入力しても(S6:YES)、始動タイマが作動していないため(S8:NO)、役物Sは更新されない。これにより、羽根12aの開放により2個目以降の玉が役物入賞するにしても、役物Sが更新されることはない。即ち、始動タイマが作動中か否かにより1回の始動入賞に応じて複数の役物入賞があった場合でも1回の役物入賞があったと判定するのである。これは、後述するようにBYminαを求める際に、役物入賞した始動入賞分のセーフをベース(%換算)から除外していることから、1回の役物作動で複数の役物入賞(複数カウント)があった場合に、1回の始動入賞を重複して除外対象としてしまう虞を排除するためである。
尚、このような構成に代えて、役物入賞後に作動する役物タイマ(約2秒程度)を設け、その作動中に役物入賞があった場合には役物S、或いは役物入賞を更新しない手段(役物S特定手段に相当)を設けるようにしても良い(請求項5に対応)。この場合、上記同様に始動入賞により役物タイマの作動を停止させることが望ましい。
また、入賞S信号に代えて有効S信号を採用することも可能だが、この場合、第2始動口10への入賞により2回分のパルス信号が出力されるので、その際に役物タイマを採用する際には始動タイマを作動させてその始動タイマの作動中の有効S信号の入力時には先の始動入賞により作動した役物タイマの停止を抑制することが望ましい。尚、大当り時には遊技情報を集計していないが、別途大当りに関わる遊技情報を集計したり、その他の遊技情報を集計しても勿論良い。
以上の様にして、管理装置5は通常中における素データを収集し、その素データに基づいて遊技機別、機種別の遊技情報を集計する。
ここで、管理装置5は、BY情報としてBY(所謂ベースから有効S分の出率を除外した出率)を基本的には管理するが、本発明に関連してベースから始動入賞分と役物入賞分を除外したBYmin、さらには始動入賞するものの役物入賞しないときの遊技者の感情を反映させたBYminα、このBYminαとほぼ同等であるものの異なる素データ及び演算式にて求めることが出来るBYminβを管理するようになっている。
即ち、BYをベース−有効S×S賞球で求めることを基本とし、BYminをベース−入賞S率×S賞球−役物入賞率×役物賞球、BYminαをベース−役物S率×S賞球−役物入賞率×役物賞球、BYminβをベース−役物入賞率×S賞球−役物入賞率×役物賞球にて演算し、管理する。
図3は遊技機別、図4は機種別の遊技情報の集計例である。尚、図4は遊技機1台当りの平均値を示す。尚、管理装置5は、図2〜4を印字及び表示の少なくとも一方による出力が可能である。
遊技情報(通常中データ)としては次の各項目が設定されている。
アウト、セーフ=アウトはアウト信号に基づく遊技機1にて消費された遊技玉数(消費価値)で、セーフはセーフ信号に基づく遊技機1が遊技に応じて払出した遊技玉数(入賞付与価値)。尚、以下も含め図3及び図4は大当り状態等を除いた通常状態における遊技情報を集計対象とする。
有効S、入賞S、役物入賞、役物S=有効Sは有効S信号に基づく遊技機1における役物作動回数(役物作動させた始動数)で、入賞Sは入賞S信号に基づく始動口9,10への入賞数で、役物入賞は役物信号に基づく役物12への入賞(役物入賞)回数で、役物Sは有効Sの内、役物12に入賞した有効S(役物入賞させた始動数)。
有効S率、入賞S率、役物入賞率、役物S率=それぞれアウトに対する対応する始動入賞数等の度合(例えば有効S率=有効S÷アウト)。
ベース、BY、BYmin=ベースは所謂出率でセーフ÷アウトにより示される値。BYは有効S分を除いたベース。即ち、役物開放とならなかった始動入賞と役物入賞と一般入賞口への入賞(一般入賞)とによる出率(ベース−有効S×S賞球)。BYminは始動入賞と役物入賞分とを除いたベース。即ち、一般入賞による出率(ベース−入賞S率×S賞球−役物入賞率×役物賞球)。
BYminα、BYminβ=BYminαは役物S分と一般入賞分とを除いたベース、即ち、一般入賞と役物入賞しなかった始動入賞による出率(ベース−役物S率×S賞球−役物入賞率×役物賞球)、BYminβはBYminαの演算式において役物Sに代えて役物入賞を用いた出率(ベース−役物入賞率×(S賞球+役物賞球))である。つまり、役物Sは1回の役物作動において2回以上の役物入賞があっても1回の役物Sとしてカウントするが、役物入賞は全ての役物入賞をカウントする。従って、役物S≦役物入賞となるが、1回の役物作動で1回のみ役物入賞する場合は役物S=役物入賞となる。通常は、役物作動で入賞する場合は1回のみで、たまに2回入賞するか否かである。このような事情から、役物Sに代えて、役物入賞信号を単純にカウントすることにより求めることが出来る役物入賞を用いることで以下のようなBYminβを採用することができる。
BYminβ=ベース−役物入賞率×S賞球−役物入賞率×役物賞球=ベース−役物入賞率×(S賞球+役物賞球)となり、演算式が簡単化出来、BYminβの演算過程を単純化することが出来る。
尚、例示した演算式は一例であり、どのような演算式により算出しても良い。例えばBYminについて「ベース−入賞S率×S賞球−役物入賞率×役物賞球」なる演算式を例示したが、「(セーフ−入賞S×S賞球−役物入賞×役物賞球)÷アウト」なる演算式でも演算結果としては同様の値を得られるので、このような演算式を採用しても良い。この点、BYminαやBYminβ等の他の遊技情報についても同様である。
図3及び図4では通常状態を集計対象としたが、例えば時短状態等の特別状態を集計対象としても良い。また、例えば入賞Sに対する役物Sや役物入賞の割合を求めて役物入賞S率を管理しても良い。
遊技機の中には第1始動口9と第2始動口10とでS賞球が異なる遊技機もあるが、この場合、図2のS賞球を例えばS賞球を入賞頻度に応じた按分値しても良いし、第1始動口9と第2始動口10とで別々の入賞S信号が出力される遊技機であれば、区別して集計すると共にS賞球を夫々設定し、BY等の演算式に当て嵌めても良い(例えばBYmin=ベース−第1始動口9の入賞S率×第1始動口9のS賞球−第2始動口10の入賞S率×第2始動口10のS賞球−役物入賞率×役物賞球等)。また、他の演算式も同様にして求めるようにしても良い。
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することが出来る。
始動入賞以外のベースであるBYとしてセーフから始動入賞分と役物入賞分とのセーフを除外したBYセーフ÷アウトであるBYminを管理するようにしたので、始動入賞に応じて役物12が開放し、役物12への入賞により払出しが生ずる遊技機1について、遊技者が余り関心を抱かない一般入賞等の入賞についての遊技情報を適切に管理することができる。
BYとしてセーフから役物入賞した始動入賞分と役物入賞分とのセーフを除外したBYセーフ÷アウトであるBYminαを管理するようにしたので、始動入賞したものの役物入賞しなかった場合には、始動入賞が得られなかった場合と同様に興趣を味わうことが出来ず、そのような始動入賞も一般入賞と何ら変わりがないとさえ感じる遊技者に対して効果的ではないが与えてしまったセーフ分を把握出来るようになり、遊技機1の調整に役立てることが可能となる。
始動入賞に対応する役物入賞を始動入賞1回当り1度に留めるようにしたので、1回の役物作動で複数の役物入賞があった場合でも、1回の始動入賞を重複して除外対象とする虞を効果的に排除することが出来る。
役物入賞した始動入賞分を役物入賞率×S賞球と見做した上で、BYとしてセーフから役物入賞した始動入賞分と役物入賞分とのセーフを除外したBYminβを管理するようにしたので、演算過程を単純化出来る。
機種別にBY情報として役物入賞分を除外するか否かを設定するようにしたので、管理対象となる遊技機の中には本発明が対象としない所謂セブン機と呼ばれる機種や本発明の対象となる所謂ハネモノと呼ばれる機種が混在するような遊技場においても柔軟にBY情報を管理可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せるようにしても良い。
BYは有効Sに基づき、BYminは入賞Sに基づく等、有効Sと入賞Sとを区別して入力したが、入力端子の数が限られる場合等、条件に応じて、若干不正確にはなるが、いずれか一方を始動信号として入力し、区別せずに管理しても良いし、例えばBYを入賞Sに基づき、BYminは有効Sに基づき特定する等しても良い。
始動入賞後に役物入賞した場合にその始動入賞を役物入賞に対応付けたが、信号のタイムラグ等を考慮して役物信号を入力してから所定時間内に始動信号を入力した場合に当該始動信号を役物入賞に対応付けても良いし、信号の出力態様によっては役物信号を出力してから始動信号出力するような場合もあるので、始動信号入力前の所定時間内に役物入賞信号を入力した場合に対応付けても良い。
BYmin等について出率を対象としたが、対応するセーフ(BYセーフ、BYセーフα、BYセーフβに相当)を特定する構成としても良い。
図2等の設定は遊技場管理者が任意に設定しても、予め管理装置5の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
集計例として営業日1日を例示したが、複数の営業日が含まれる営業期間を任意に設定して、その期間における遊技情報を集計対象として抽出した上で集計を行っても良く、この場合、平均情報は営業日1日当りの1台当りの平均値とすることが望ましい。また、期間を指定せず帳票を出力するで、予め設定される営業日(出力日当日)を特定しても良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、例示した構成は変形例も含め、どのように組合わせても良く、適宜採用したり採用しない構成を採用しても良い。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機等も採用できる。
管理装置5が行う処理の一部を中継装置3、或いは遊技装置等にて行っても良く、この場合、中継装置3等を含めた構成が遊技情報表示装置に相当する。また、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良い。
図面中、1は遊技機、5は管理装置(遊技情報管理装置、遊技情報特定手段、設定手段、演算手段、役物S特定手段)である。

Claims (6)

  1. 遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
    遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、前記始動入賞回数、或いは前記役物の作動回数である始動数を特定可能な始動信号と、役物入賞数を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、前記始動数、及び前記役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
    前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、
    前記始動数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフ、及び前記BYセーフによる出率を示し、前記BYセーフを前記アウトにより除した値を示すBYminの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
  2. 遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
    遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、前記始動入賞、或いは前記役物の作動であるスタートを特定可能な始動信号と、役物入賞を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、前記スタート、前記役物入賞、及び役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
    前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、
    前記スタートが特定された時点から遡った予め設定される所定期間、及び当該スタートが特定された時点から予め設定される所定期間内の少なくともいずれか一方の所定期間である始動対応期間において、前記役物入賞が特定された場合に、当該スタートを役物入賞に対応する役物スタートとして特定する役物S特定手段と、
    前記役物スタートの特定数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフα、及び前記BYセーフαによる出率を示し、前記BYセーフαを前記アウトにより除した値を示すBYminαの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
  3. 前記役物S特定手段は、1度の前記始動対応期間において複数の役物入賞が特定された場合であっても、1回の役物スタートとして特定することを特徴とする請求項2記載の遊技情報管理装置。
  4. 遊技価値を消費することで始動口への入賞である始動入賞が可能であり、当該始動入賞に応じて入賞可能な状態となるように作動する役物を備え、当該役物内への入賞に基づき大当りを発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
    遊技に応じて消費された遊技価値を示すアウトを特定可能なアウト信号と、遊技に応じて遊技者に付与された遊技価値を示すセーフを特定可能なセーフ信号と、役物入賞を特定可能な役物信号とを入力することにより、前記アウト、前記セーフ、及び役物入賞数を特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
    前記始動入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位始動付与価値と、前記役物入賞した際に遊技者に付与される1入賞当りの遊技価値である単位役物付与価値とを示す設定情報を設定する設定手段と、
    前記役物入賞数に前記単位始動付与価値を乗じた値と、前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値とを前記セーフから除外した値を示すBYセーフβ、及び前記BYセーフβによる出率を示し、前記BYセーフβを前記アウトにより除した値を示すBYminβの少なくとも一方を特定可能なBY情報を演算する演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
  5. 役物入賞に対応する役物スタートを特定する役物S特定手段を備え、
    前記遊技情報特定手段は、役物入賞を特定可能であり、
    前記役物S特定手段は、役物入賞が特定された場合に前記役物スタートを加算する一方、役物入賞が特定されてから予め設定される所定期間内に再度役物入賞が特定された場合には、当該役物スタートの加算を抑制することにより役物スタートを更新し、
    前記演算手段は、前記役物入賞数に前記単位始動付与価値を乗じた値として、前記役物入賞数を前記役物スタートとして前記BY情報を演算することを特徴とする請求項4記載の遊技情報管理装置。
  6. 前記設定手段は、前記BY情報として前記役物入賞数に前記単位役物付与価値を乗じた値を除外対象とするか否かを遊技機の機種、及び遊技機の少なくとも一方により設定可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技情報管理装置。
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