JP6132576B2 - 信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法 Download PDF

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本発明は、受信信号から目標信号を検出するための信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法に関するものである。
物標探知装置の一例として、レーダ装置等が知られている。レーダ装置は、アンテナから電磁波を送信信号として出力し、この送信信号が物標(ターゲット)で反射されたエコー信号(目標信号)を受信信号としてアンテナで受信する。この受信信号は、例えば、受信信号の受信位置(アンテナ)を中心とする距離方向に沿った時系列の信号であり、目標信号だけでなくクラッタなどの不要信号も含まれている。このため、レーダ装置は、受信信号を処理するための信号処理装置を備えており、信号処理装置は、受信信号から不要信号を除去して目標信号を検出する。
この信号処理装置が行う処理として、例えば、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理(例えば、特許文献1参照)がある。このCFAR処理とは、受信信号中の検出対象位置と、その周辺に設定したノイズ領域との信号レベルの差によって、S/N比(信号対ノイズ比)を算出し、検出対象位置に目標信号が存在するか否かを判定する処理である。
特開平10−148667号公報
しかしながら、上述したようなCFAR処理では、物標が大きい場合、その物標のエコー信号である目標信号において距離方向の中央部分の信号強度が抑圧されてしまい、目標信号を正確に検出することができないという問題がある。そこで、本発明は、受信信号から目標信号を適切に検出することができる信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る信号処理装置は、受信信号を繰返し処理する信号処理装置であって、ノイズレベル推定部と、残留ノイズ推定部と、残留ノイズ除去部とを備えている。前記ノイズレベル推定部は、前記受信信号のノイズレベルを推定する。前記残留ノイズ推定部は、前記受信信号の前回値の低周波数成分である残留ノイズの前回値と前記受信信号との加重平均を算出する。そして、この算出値が前記ノイズレベルに基づき設定されたリミッタ値よりも大きい場合、前記残留ノイズ推定部は、前記リミッタ値を前記残留ノイズとして出力する。一方、前記算出値が前記リミッタ値以下の場合、前記残留ノイズ推定部は、前記算出値を前記残留ノイズとして出力する。前記残留ノイズ除去部は、前記残留ノイズ推定部により出力される前記残留ノイズを前記受信信号から除去する。
さらに、前記ノイズレベル推定部は、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離又は所定の距離区間において、複数の方位方向における前記受信信号の信号強度の平均値を前記ノイズレベルとして算出する。
)好ましくは、前記ノイズレベル推定部は、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離区間毎に前記ノイズレベルを推定する。
)好ましくは、前記残留ノイズ推定部は、フィルタ係数が調整可能なIIRフィルタを使用して前記残留ノイズを推定する。
)より好ましくは、前記残留ノイズ推定部は、前記受信信号の伝搬距離に応じて前記フィルタ係数を調整する。
)好ましくは、前記残留ノイズ推定部は、前記リミッタ値を調整可能である。
)より好ましくは、前記残留ノイズ推定部は、前記受信信号の伝搬距離、前記ノイズレベル、及び前記ノイズレベルと前記受信信号との差の少なくともいずれかに基づき、前記リミット値を調整する。
)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るレーダ装置は、上述したいずれかの信号処理装置と、アンテナユニットとを備えている。前記アンテナユニットは、電波を送受信するアンテナ、及び前記アンテナから出力された信号をデジタル信号に変換して前記信号処理装置に出力する受信部を有する。
)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る信号処理方法は、受信信号を繰返し処理する信号処理方法であって、次のステップ(a)から(c)を含む。ステップ(a)は、前記受信信号のノイズレベルを推定する。ステップ(b)は、前記受信信号の前回値の低周波数成分である残留ノイズの前回値と前記受信信号との加重平均を算出し、この算出値が前記ノイズレベルに基づき設定されたリミッタ値よりも大きい場合、前記リミッタ値を前記残留ノイズとして出力し、前記算出値が前記リミッタ値以下の場合、前記算出値を前記残留ノイズとして出力する。ステップ(c)は、前記ステップ(b)により出力される前記残留ノイズを前記受信信号から除去する。前記ステップ(a)では、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離又は所定の距離区間において、複数の方位方向における前記受信信号の信号強度の平均値を前記ノイズレベルとして算出する
本発明によれば、受信信号から目標信号を適切に検出することができる信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法を提供することができる。
図1は本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図2は本発明の実施形態に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図3は本発明の実施形態に係るノイズレベル推定部の詳細を示すブロック図である。 図4は本発明の実施形態に係る残留ノイズ推定部の詳細を示すブロック図である。 図5は本発明の実施形態に係る信号処理装置における信号処理方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図6はアンテナユニットから出力される受信信号x(n)の一例を示すグラフである。 図7は、アンテナユニットから出力される受信信号x(n)、及びノイズレベル推定部から出力されるノイズレベルの一例を示すグラフである。 図8は、アンテナユニットから出力される受信信号x(n)、及び残留ノイズ推定部から出力される残留ノイズy’(n)の一例を示すグラフである。 図9は、残留ノイズ除去部33が出力する信号の一例を示すグラフである。 図10はノイズレベル推定部における処理の詳細を示すフローチャートである。 図11は残留ノイズ推定部における処理の詳細を示すフローチャートである。 図12は目標信号とクラッタとの関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、本実施形態に係るレーダ装置を備えている船舶を「自船」という。
図1は、本実施形態に係るレーダ装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るレーダ装置1は、アンテナユニット2、信号処理装置3、及び表示装置4を備えている。
(アンテナユニット2)
アンテナユニット2は、アンテナ21、送受切替部22、送信部23、受信部24、及び局部発振器25を備えている。
アンテナ21は、指向性を有するパルス状電波を送信信号として送信するとともに、物標からのエコー信号である目標信号を含む受信信号を受信するように構成されている。レーダ装置1は、アンテナ21がパルス状電波を送信してから目標信号を受信するまでの時間を測定することにより、物標までの距離、すなわち受信信号の伝搬距離を知ることができる。なお、本明細書において「距離」とは、受信信号の受信位置(アンテナ21)を基準とした距離のことを意味する。
上記アンテナ21は、水平面内において360度回転可能に構成されており、パルス状電波の送信方向を変えながら、電波の送受信を繰り返し行うように構成されている。物標の方位は、対応する送信信号を送信するときのアンテナ21の方位から求められる。以上の構成で、自船周囲の平面上の物標を360度にわたり探知することができる。なお、以下の説明では、送信信号を送信してから次の送信信号を送信するまでの動作を「スイープ」という。また、信号の送受信を行いながらアンテナを360°回転させる動作を「スキャン」と呼ぶ。
送受切替部22は、送信時には、送信部23からアンテナ21に送信信号が送られる接続に切り替える。また、送受切替部22は、受信時には、アンテナ21が受信したエコーがアンテナ21から受信部24に送られる接続に切り替える。
送信部23は、信号生成部231と、第1の周波数変換部232とを有している。信号生成部231は、送信信号を生成して第1の周波数変換部232に出力する。
第1の周波数変換部232は、信号生成部231から出力される送信信号を局部発振器25から出力されるローカル信号と混合することで周波数変換し、送受切替器22を介してアンテナ21へ出力する。なお、第1の周波数変換部232の出力信号の周波数帯は、例えば、3GHz帯又は9GHz帯である。
受信部24は、第2の周波数変換部241と、検波部242と、A/D変換部243とを有している。第2の周波数変換部241は、送受切替部22を介してアンテナ21から出力される受信信号を、局部発振器25から出力されるローカル信号と混合することで中間周波数に変換し、検波部242に出力する。
検波部242は、第2の周波数変換部241から出力される受信信号を検波してA/D変換部243に出力する。A/D変換部243は、検波部242から出力されるアナログ形式の受信信号をデジタル形式の受信信号(受信データ)に変換して信号処理装置3に出力する。なお、信号処理装置3に出力される受信信号をx(n)とし、引数nは距離方向のサンプリング番号を表す。
(信号処理装置)
図2は、本実施形態に係る信号処理装置3の構成を示すブロック図である。図2に示すように、信号処理装置3は、ノイズレベル推定部31と、残留ノイズ推定部32と、残留ノイズ除去部33とを備えている。
図3は、ノイズレベル推定部31の詳細を示すブロック図である。図3に示すように、ノイズレベル推定部31は、距離区間内外判定部311と、ターゲット判定部312と、信号平均値算出部313とを有しており、受信信号x(n)のノイズレベルを推定する。なお、ノイズレベル推定部31は、1回のスキャン動作で得られる全方位の受信信号x(n)を用いて以下の処理を行う。
距離区間内外判定部311は、受信信号x(n)のノイズレベルを推定するために用いられる距離区間を取得する。なお、この距離区間は、予め設定されていてもよいし、適宜ユーザが指定するものであってもよく、特に限定されるものではない。また、距離区間内外判定部311は、この距離区間に基づき、A/D変換部243から出力される受信信号x(n)が距離区間内であるか否か判定し、距離区間内と判定した受信信号x(n)をターゲット判定部312に出力する。
ターゲット判定部312は、距離区間内外判定部311から出力された受信信号x(n)が閾値以下か否か判定し、受信信号x(n)が閾値以下であると判定した場合、その受信信号x(n)を信号平均値算出部313に出力する。また、ターゲット判定部312は、受信信号x(n)が閾値よりも大きいと判定した場合、その受信信号x(n)を信号平均値算出部313に出力しない。すなわち、受信信号x(n)が閾値よりも大きい場合は、その受信信号x(n)が目標信号であると推定して、この受信信号x(n)をノイズレベルを推定するためのデータとして用いないようにする。よって、上記判定に用いられる閾値は、受信信号x(n)が目標信号でないことを判定することができる程度の値であればよく、例えば、予め設定された所定値であってもよいし、後述する信号平均値算出部313が現時点で算出しているノイズレベルに適切なマージンを加えた値としてもよい。
信号平均値算出部313は、ターゲット判定部312から出力される受信信号x(n)を用いてノイズレベルを推定し、推定したノイズレベルを残留ノイズ推定部32に出力する。具体的には、信号平均値算出部313は、ターゲット判定部312から出力される受信信号x(n)の信号強度の平均値を算出し、最終的に算出された平均値をノイズレベルとして推定し残留ノイズ推定部32に出力する。なお、ノイズレベル推定部31は、1回のスキャンによって得られた全方位に亘る受信信号x(n)を用いて上述した信号処理を行う。また、信号平均値算出部313をIIRフィルタによって構成することで、受信データを保持するメモリのリソースを削減することができる。
図4は、残留ノイズ推定部32の詳細を示すブロック図である。図4に示すように、残留ノイズ推定部32は、残留ノイズ推定フィルタ321と、リミッタ処理部322とを有している。なお、残留ノイズ推定部32は、1スイープ分の受信信号x(n)で以下の処理を行う。
残留ノイズ推定フィルタ321は、受信信号x(n)の低周波数成分である残留ノイズを推定し、リミッタ処理部322に出力する。詳細には、残留ノイズ推定フィルタ321は、以下の(1)式を用いてy(n)を算出し、このy(n)を残留ノイズとして推定する。なお、残留ノイズ推定フィルタ321は、IIRフィルタとして構成することができる。
y(n)=α・y’(n−1)+(1−α)・x(n) ・・・(1)
ここでαは、本発明のフィルタ係数に相当するパラメータであって、0から1の範囲で調整可能である。また、y’(n)は、後述するリミッタ処理後の残留ノイズを示す。
リミッタ処理部322は、残留ノイズ推定フィルタ321から出力される残留ノイズy(n)に対してリミッタ処理を行う。詳細には、リミッタ処理部322は、残留ノイズy(n)がリミッタ値よりも大きいか否か判定する。リミッタ処理部322は、残留ノイズy(n)がリミッタ値よりも大きいと判定すると、残留ノイズy(n)をリミッタ値に置換し、リミッタ値を残留ノイズ除去部33に出力する。また、リミッタ処理部322は、残留ノイズy(n)がリミッタ値以下であれば、その残留ノイズy(n)を残留ノイズ除去部33に出力する。なお、上述したリミッタ処理部322によるリミッタ処理をした後の残留ノイズ、すなわち残留ノイズ除去部33に出力する残留ノイズをy’(n)とする。
なお、上述したリミッタ処理部322において用いられるリミッタ値は、ノイズレベル推定部31から出力されるノイズレベルに基づき設定され、例えば、ノイズレベルに所定値を加えた値とすることができる。すなわち、リミッタ処理部322は、ノイズレベル推定部31から出力されるノイズレベルを取得し、このノイズレベルに所定値を加えた値をリミッタ値に設定して処理を行う。ノイズレベルに加える所定値は、一定値であってもよいし、調整可能な値であってもよい。この所定値を調整可能とする場合、所定値は、受信信号x(n)の伝搬距離、上記ノイズレベル、及び上記ノイズレベルと受信信号x(n)との差の少なくともいずれかに基づき、調整可能とすることができる。例えば、所定値は、受信信号x(n)の伝搬距離が長いほど、小さい値とすることができる。
残留ノイズ除去部33は、受信信号x(n)から残留ノイズを除去する。詳細には、残留ノイズ除去部33は、A/D変換部243から出力される受信信号x(n)から、残留ノイズ推定部32から出力される残留ノイズy’(n)を減算することで、受信信号x(n)から残留ノイズを除去して目標信号を検出する。なお、残留ノイズ除去部33は、1スイープ分の受信信号x(n)で上記処理を行う。
(表示装置)
表示装置4は、残留ノイズ除去部33から出力される信号、すなわち、受信信号x(n9から残留ノイズy’(n)が除去された信号に基づき、表示画面において、アンテナ21を中心とするPPI画像を表示する。
(信号処理方法)
次に、上述したように構成された信号処理装置3における信号処理の方法について図面を参照しつつ説明する。
図5は、信号処理装置3における信号処理方法の手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、ノイズレベル推定部31は、アンテナユニット2から出力される受信信号x(n)のノイズレベルを推定する(ステップS1)。このアンテナユニット2から出力される受信信号x(n)の一例を図6に示し、ステップS1の処理においてノイズレベル推定部31が出力するノイズレベルの一例を図7に示す。なお、図7中の細線が受信信号x(n)を示し、太線がノイズレベルを示す。
次に、残留ノイズ推定部32において、残留ノイズy’(n)を推定する(ステップS2)。このステップS2の処理において残留ノイズ推定部32が出力する残留ノイズy’(n)の一例を図8に示す。なお、図8中の細線が受信信号x(n)を示し、太線が残留ノイズy’(n)を示す。
そして、残留ノイズ除去部33が、受信信号x(n)から残留ノイズy’(n)を除去する(ステップS3)。このステップS3の処理において残留ノイズ除去部33が出力する信号、すなわち、残留ノイズが除去された受信信号の一例を図9に示す。以下、各ステップS1からS3における処理の詳細について説明する。
まず、ノイズレベル推定部31における処理であるステップS1について図10を参照しつつ説明する。図10は、ノイズレベル推定部31における処理の詳細を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、距離区間内外判定部311は、ユーザが指定する距離区間を取得する(ステップS11)。次に、距離区間内外判定部311は、受信信号x(n)が指定された距離区間内に属するか否か判定する(ステップS12)。距離区間内外判定部311は、受信信号x(n)が距離区間内に属すると判定した場合(ステップS12のYes)、その受信信号x(n)をターゲット判定部312に出力する。一方、距離区間内外判定部311が受信信号x(n)が距離区間内に属さないと判定した場合(ステップS12のNo)、距離区間内外判定部311は、その受信信号x(n)をターゲット判定部312に出力せずに、信号平均値算出部313が、後述するステップS15の処理を実行する。
次に、ターゲット判定部312は、距離区間内外判定部311から出力される受信信号x(n)が閾値以下であるか否か判定する(ステップS13)。ターゲット判定部312は、受信信号x(n)が閾値以下であると判定すると(ステップS13のYes)、その受信信号x(n)を信号平均値算出部313に出力する。一方、受信信号x(n)が閾値より大きいとターゲット判定部312が判定すると(ステップS13のNo)、ターゲット判定部312は、その受信信号x(n)を信号平均値算出部313に出力せずに、信号平均値算出部313が、後述するステップS15の処理を実行する。
続いて、信号平均値算出部313は、ターゲット判定部312から受信信号x(n)が出力される毎に、受信信号x(n)の受信強度の平均値を算出する(ステップS14)。なお、ターゲット判定部312が判定に用いる閾値を、現時点で算出しているノイズレベルに適切なマージンを加えた値とする場合、このステップS14で随時算出する平均値を現時点で算出しているノイズレベルとしてターゲット判定部312に出力する。
そして、信号平均値算出部313は、1スキャン分の全ての受信信号x(n)について上記ステップS12からS14の処理が終わったか否か判定する(ステップS15)。信号平均値算出部313は、1スキャン分の全ての受信信号x(n)について処理が終わっていないと判定すると(ステップS15のNo)、ノイズレベル推定部31は、上記ステップS12から処理を繰り返す。一方、信号平均値算出部313は、全ての受信信号x(n)について上記ステップS12からS14の処理が終わったと判定すると(ステップS15のYes)、信号平均値算出部313は、最終的に得られた平均値をノイズレベルとして残留ノイズ推定部32に出力する(ステップS16)。
次に、残留ノイズ推定部32における処理であるステップS2について図11を参照して説明する。図11は、残留ノイズ推定部32における処理の詳細を示すフローチャートである。なお、残留ノイズ推定部32における処理は、1スイープ分の受信信号x(n)毎に行われる。
図11に示すように、まず、残留ノイズ推定フィルタ321は、アンテナユニット2から出力される受信信号x(n)の低周波数成分である残留ノイズy(n)を推定する(ステップS21)。具体的には、残留ノイズ推定フィルタ321は、上述した(1)式を用いてy(n)を残留ノイズとして算出する。
次に、リミッタ処理部322は、上記ステップS16においてノイズレベル推定部31から出力されるノイズレベルに基づきリミッタ値を設定する(ステップS22)。リミッタ処理部322は、残留ノイズ推定フィルタ321から出力される残留ノイズy(n)が、リミッタ値よりも大きいか否か判定する(ステップS23)。リミッタ処理部322は、残留ノイズy(n)がリミッタ値よりも大きいと判定すると(ステップS23のYes)、その残留ノイズy(n)をリミッタ値に置換する(ステップS24)。そして、リミッタ処理部322は、リミッタ値を残留ノイズとして残留ノイズ除去部33に出力する(ステップS25)。一方、リミッタ処理部322は、残留ノイズy(n)がリミッタ値以下であると判定すると(ステップS23のNo)、その残留ノイズy(n)を置換することなく残留ノイズ除去部33に出力する(ステップS26)。なお、上記ステップS22からS26をリミッタ処理と称し、このリミッタ処理をした後の残留ノイズをy’(n)とする。
最後に、残留ノイズ除去部33における処理であるステップS3について説明する。残留ノイズ除去部33は、アンテナユニット2から出力された受信信号x(n)から残留ノイズy’(n)を減算する。これにより、残留ノイズ除去部33は、受信信号x(n)から残留ノイズy’(n)を除去し、目標信号を検出する。なお、残留ノイズ除去部33における処理は、1スイープ分の受信信号x(n)毎に行われる。
以上、本実施形態によれば、受信信号x(n)から目標信号を適切に検出することができる。なお、本実施形態における不要信号の除去は、図12に示すような目標信号の特徴を利用している。すなわち、物標のエコー信号である目標信号の成分は高周波領域に分布する傾向にある。また、一部の目標信号は低周波領域に存在するが、その信号強度は不要波と比較して大きい傾向にある。このため、本実施形態のように、残留ノイズ推定部32が、低周波領域の信号を残留ノイズレベルと推定するとともに、リミッタ処理を実行することによって、より適切に不要信号を残留ノイズレベルとして除去し、目標信号を適切に検出することができる。また、アンテナサイドローブによる偽像などは、距離方向になだらかに信号強度が上昇する傾向があるため、低周波領域の信号強度が中程度の領域に分布する。このため、本実施形態のように、残留ノイズ推定部32が、低周波領域の中程度の領域に存在する信号を残留ノイズとして推定することにより、偽像を抑圧することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(1)例えば、上記実施形態において、ノイズレベル推定部31は、ターゲット判定部312を有していたが、このターゲット判定部312を省略することもできる。この場合、距離区間判定部311で距離区間内であると判定された受信信号x(n)が全て信号平均値算出部313に出力され、指定された距離区間内の全ての受信信号x(n)を用いて平均値をノイズレベルとして算出する。
(2)また、上記実施形態において、ノイズレベル推定部31は、全方位における所定の距離区間に属する受信信号x(n)の信号強度の平均値を算出してノイズレベルを推定していたが、ノイズレベルの推定方法は特にこれに限定されるものではない。例えば、ある特定の一つの方位又は複数の方位における所定の距離区間に属する受信信号x(n)の信号強度の平均値を算出し、この算出した平均値をノイズレベルと推定することもできる。また、所定の距離区間に属する受信信号x(n)ではなく、ある所定の距離における受信信号x(n)の信号強度の平均値をノイズレベルと推定してもよい。
(3)また、上記実施形態では、ノイズレベル推定部31によって推定されたノイズレベルは、全ての距離において同一のノイズレベルを用いていたが、特にこれに限定されるものではなく、距離に応じてノイズレベルを変えてもよい。例えば、1スイープ分の受信信号x(n)を複数の距離区間に分け、距離区間毎に異なるノイズレベルを用いてもよい。すなわち、ノイズレベル推定部31が距離区間毎にその距離区間に属する受信信号x(n)の信号強度の平均値を算出し、これらを対応する距離区間におけるノイズレベルと推定することもできる。
(4)また、上記実施形態において、残留ノイズ推定フィルタ321は、上述した(1)式を用いて残留ノイズy(n)を算出しているが、残留ノイズy(n)の推定方法は特にこれに限定されるものではない。なお、残留ノイズ推定フィルタ321が上記(1)式を用いて残留ノイズy(n)を算出する場合、パラメータαは固定値とすることもできるし、調整可能な値であってもよい。例えば、パラメータαは、距離に応じて調整可能な値とすることもできる。
1 レーダ装置
2 アンテナユニット
21 アンテナ
24 受信部
3 信号処理装置
31 ノイズレベル推定部
32 残留ノイズ推定部
33 残留ノイズ除去部

Claims (8)

  1. 受信信号を繰返し処理する信号処理装置であって、
    前記受信信号のノイズレベルを推定するノイズレベル推定部と、
    前記受信信号の前回値の低周波数成分である残留ノイズの前回値と前記受信信号との加重平均を算出し、この算出値が前記ノイズレベルに基づき設定されたリミッタ値よりも大きい場合、前記リミッタ値を前記残留ノイズとして出力し、前記算出値が前記リミッタ値以下の場合、前記算出値を前記残留ノイズとして出力する残留ノイズ推定部と、
    前記残留ノイズ推定部により出力される前記残留ノイズを前記受信信号から除去する残留ノイズ除去部と、
    を備え
    前記ノイズレベル推定部は、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離又は所定の距離区間において、複数の方位方向における前記受信信号の信号強度の平均値を前記ノイズレベルとして算出する、信号処理装置。
  2. 前記ノイズレベル推定部は、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離区間毎に前記ノイズレベルを推定する、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記残留ノイズ推定部は、フィルタ係数が調整可能なIIRフィルタを使用して前記残留ノイズを推定する、請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 前記残留ノイズ推定部は、前記受信信号の伝搬距離に応じて前記フィルタ係数を調整する、請求項に記載の信号処理装置。
  5. 前記残留ノイズ推定部は、前記リミッタ値を調整可能である、請求項1からのいずれかに記載の信号処理装置。
  6. 前記残留ノイズ推定部は、前記受信信号の伝搬距離、前記ノイズレベル、及び前記ノイズレベルと前記受信信号との差の少なくともいずれかに基づき、前記リミット値を調整する、請求項に記載の信号処理装置。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の信号処理装置と、
    電波を送受信するアンテナ、及び前記アンテナから出力された信号をデジタル信号に変換して前記信号処理装置に出力する受信部を有するアンテナユニットと、
    を備える、レーダ装置。
  8. 受信信号を繰返し処理する信号処理方法であって、
    (a)前記受信信号のノイズレベルを推定するステップと、
    (b)前記受信信号の前回値の低周波数成分である残留ノイズの前回値と前記受信信号との加重平均を算出し、この算出値が前記ノイズレベルに基づき設定されたリミッタ値よりも大きい場合、前記リミッタ値を前記残留ノイズとして出力し、前記算出値が前記リミッタ値以下の場合、前記算出値を前記残留ノイズとして出力するステップと、
    (c)前記ステップ(b)により出力される前記残留ノイズを前記受信信号から除去するステップと、
    を含み、
    前記ステップ(a)では、前記受信信号の受信位置を基準とする所定の距離又は所定の距離区間において、複数の方位方向における前記受信信号の信号強度の平均値を前記ノイズレベルとして算出する、信号処理方法。
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