以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、以下の説明において、パチンコ遊技機1の前方(遊技者側)を前方とし、遊技者側から視て左右方向を左右方向として説明する。
図1〜図5に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。
開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。
開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6aと十字キーSW6bとエンターボタンSW6cとを有する演出操作装置6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。
発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図7に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10と、開閉式の第2始動口11aを有する第2始動口装置11と、ゲート12と、開閉式の第1大入賞口13aを有する第1大入賞口装置13と、開閉式の第2大入賞口14a及び開閉式の特定領域14fを有する第2大入賞口装置14と、複数の一般入賞口15が、夫々遊技球が入賞(入球・通過)可能に図示の配置で設けられている。
第1始動口10とゲート12と複数の一般入賞口15には、入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10aとゲートSW12aと複数の一般入賞口SW15aが夫々付設されている。
第2始動口装置11は、第2始動口11aと、第2始動口11aを開閉する開閉部材11bと、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11cと、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)とを有する。第2始動口11aは、開閉部材11bと第2始動口SOL11dにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
第1大入賞口装置13は、第1大入賞口13aと、第1大入賞口13aを開閉する開閉部材13bと、第1大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する第1大入賞口SW13cと、開閉部材13bを開閉駆動する第1大入賞口SOL13dとを有する。
第1大入賞口13aは、開閉部材13bと第1大入賞口SOL13dにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
第2大入賞口装置14は、第2大入賞口14aと、第2大入賞口14aを開閉する開閉部材14bと、第2大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口SW14cと、開閉部材14bを開閉駆動する第2大入賞口SOL14dとを有する。
第2大入賞口14aは、開閉部材14bと第2大入賞口SOL14dにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
更に、第2大入賞口装置14は、第2大入賞口14aに入賞した遊技球が通過可能な通常領域14e及び特定領域14fと、特定領域14fを通過した遊技球を検出する特定領域SW14gと、遊技球を通常領域14eと特定領域14fの何れかに振分ける振分装置14hとを有する。振分装置14hは、振分部材14iと、振分部材14iを図6に実線で示す第1位置と仮想線で示す第2位置とに亙って駆動する振分SOL14jとを有し、振分部材14iが第1位置にあるときに遊技球を通常領域14eに誘導し、振分部材14iが第2位置にあるときに遊技球を特定領域14fに誘導する。
遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,11a,13a,14a,15の何れかに入賞すると、遊技球1個の入賞につき入賞口10a,11a,13a,14a,15毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,11a,13a,14a,15の何れにも入賞しないと、最終的に下部排出口9から遊技領域4aの外部へ排出される。
遊技球が第1,第2始動口10,11aの何れかに入賞すると大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選すると、第1,第2大入賞口13a,14aが開放する特別遊技(大当り遊技)が行われる。遊技球がゲート12を通過すると当り抽選が行われ、その当り抽選で当選すると、第2始動口11aが開放する補助遊技が行われる。
遊技盤4にはセンタ役物16が取付けられ、このセンタ役物16に演出用の画像表示装置17と上可動役物装置21と下可動役物装置20と可動表示役物装置22と回転役物装置23が装備されている。センタ役物16は、そのセンタ枠体16aが遊技盤4に形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、画像表示装置17は、その画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体16aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示装置17に主に遊技演出が表示される。
発射ハンドル7を操作し、その操作量(回動角度)を変えて、遊技球の発射強度を調整可能である。依って、遊技球の発射強度を弱くして、遊技球がセンタ役物16の左側を落下するように、遊技球を発射させる「左打ち」を行うことが可能であり、遊技球の発射強度を強くして、遊技球がセンタ役物16の右側を落下するように、遊技球を発射させる「右打ち」を行うことが可能である。多数の障害釘、第1,第2始動口10,11a、ゲート12、第1,第2大入賞口13a,14a、センタ役物16の図示の配置等によって、「左打ち」では、第1始動口10を狙うことが可能になる一方で、第2始動口11a、ゲート12、第1,第2大入賞口13a,14aを狙うことが困難になる。また、「右打ち」では、前記とは逆に、第2始動口11a、ゲート12、第1,第2大入賞口13a,14aを狙うことが可能になる一方で、第1始動口10を狙うことが困難になる。
遊技盤4の左下部に遊技表示盤29が設けられ、この遊技表示盤29は、第1特図表示器29a、第2特図表示器29b、普図表示器29c、第1特図保留ランプ29d、第2特図保留ランプ29e、普図保留ランプ29f、右打ちランプ29gを備えている。
第1特図表示器29aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ29dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器29bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ29eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合に1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示され、或いは、第2特図保留数が1以上の場合に1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器29cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ29fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
右打ちランプ29gは、特別遊技が行われているときと後述の「高確・時短状態」又は「低確・時短状態」が設定されているとき、つまり「右打ち」を行うと有利になるときに点灯し、それ以外のとき、つまり「右打ち」を行うと不利になるときに消灯する。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図7に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、第1,第2大入賞口SW13c,14c、特定領域SW14g、複数の一般入賞口SW15aからの信号、払出制御基板32からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、第1,第2大入賞口SOL13d,14d、振分SOL14j、図柄表示器29a〜29c、図柄保留ランプ29d〜29f、右打ちランプ29gを制御し、払出制御基板32、演出制御基板33に制御情報(コマンド)を出力する。
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報、払出球検出SW36b、球有り検出SW36c、満タン検出SW36dからの信号を受けて、払出モータ36aを制御し、遊技制御基板31に制御情報を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報、演出操作装置6(SW6a,6b,6c)からの信号を受けて、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、演出用の画像表示装置17、スピーカ37を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報、下可動役物装置20(原点SW)、上可動役物装置21(原点SW)、可動表示役物装置22(原点SW)、回転役物装置23(原点SW)からの信号を受けて、演出用の枠ランプ38a、盤ランプ38b、下可動役物装置20(電動モータ)、上可動役物装置21(電動モータ)、可動表示役物装置22(電動モータ)、回転役物装置23(電動モータ)を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。
○[上可動役物装置]
上可動役物装置21について詳細に説明する。
図8〜図16に示すように、上可動役物装置21は、センタ役物16の上部に装備され、役物ベース41と、前後方向に多層状に且つ上下方向へ互いに相対移動可能に設けられた第1,第2,第3可動役物42,43,44と、第1可動役物42を上下方向へ移動させる第1役物駆動手段45と、第3可動役物44を上下方向へ移動させる第2役物駆動手段46と、第1役物駆動手段45により移動される第1可動役物42に第2可動役物43を従動させて第1,第3可動役物42,44と異なる所定動作を実現可能な役物作動手段47とを備えている。
図13、図14に示すように、役物ベース41は、上下長が左右長の約2倍以上ある合成樹脂製の矩形板状に形成され、盤面と平行に且つセンタ役物16の上部後側に隠れた状態で配置されて、センタ役物16の上部の後面部にセンタ役物16から後方へ間隔をあけて複数のボス部41aを介して取り付けられている。
第1可動役物42について説明する。
図8〜図14に示すように、第1可動役物42は、画像表示装置17の画面の左右長と略同じ左右長を有し、目を含む顔の一部を模した形状の役物本体48と、板状の可動ベース部材49とを備えている。役物本体48の前面部には左右1対の電飾部48aが設けられ、これら電飾部48aは夫々目の輪郭を模した外形形状に形成され、LED基板48bに実装された複数のLED(図示略)と、これらLEDの前方に配置された合成樹脂製のレンズカバー48cとを有するものである。可動ベース部材49は、その下端部が役物本体48の上端部に固定され、盤面と平行な方向であって上下方向(以下、X方向)へ移動自在に第1,第2ガイド機構50,51によりガイドされている。
図13、図14に示すように、第1ガイド機構50は、上下方向に細長い前、中、後の3つのガイド部材50a,50b,50cを有し、前ガイド部材50aが可動ベース部材49の左部の後面部に固定され、後ガイド部材50cが役物ベース41の左部の前面部に固定され、中ガイド部材50bが前、後のガイド部材50a,50cに夫々上下方向へスライド自在に係合している。
第2ガイド機構51は、第1ガイド機構50と同様に、前、中、後の3つのガイド部材51a,51b,51cを有し、前ガイド部材51aが可動ベース部材49の右部の後面部に固定され、後ガイド部材51cが役物ベース41の右部の後面部に固定され、中ガイド部材51bが前、後のガイド部材51a,51cに夫々上下方向へスライド自在に係合している。可動ベース部材49には、第1役物駆動手段45と連動連結するための係合穴49aが設けられ、この係合穴49aは、可動ベース部材49の右部の上側部分の前ガイド部材51aの近傍部位に形成されている。
第1役物駆動手段45について説明する。
図13に示すように、第1役物駆動手段45は、電動モータ52と、ギヤ機構53と、アーム部材54とを備えている。電動モータ52は、役物ベース41の上側部分の左右方向略中央部に前向きに固定されている。ギヤ機構53は、電動モータ52の出力軸52aに固着された駆動ギヤ53aと、この駆動ギヤ53aに噛合して役物ベース41に回転自在に支持された第1中間ギヤ53bと、第1中間ギヤ53bに噛合して役物ベース41に回転自在に支持された第2中間ギヤ53cと、第2中間ギヤ53cに噛合して役物ベース41に回転自在に支持された従動ギヤ53dとを備えている。
アーム部材54は、可動ベース部材49と従動ギヤ53dの間に配置され、従動ギヤ53dの直径よりも長い左右長を有し、左端部が役物ベース41から前方へ突出する支軸55に回動自在に支持されている。
アーム部材54には、その長さ方向にストレートに延びる係合長孔54bが形成されている。この係合長孔54bには、従動ギヤ53dの前面部の外周近傍部位に前方突出状に設けられた係合ピン56が摺動自在に係合している。
アーム部材54の右端部には、係合ピン54aが前後に突出状に設けられている。この係合ピン54aの前端部が可動ベース部材49に形成された横長矩形状の前後に貫通状の係合穴49aに摺動自在に係合している。これにより、アーム部材54と可動ベース部材49とが連動連結している。このように、電動モータ52の駆動力がギヤ機構53を介してアーム部材54に伝達され、アーム部材54が支軸55を中心に時計/反時計方向に回動すると、可動ベース部材49が、アーム部材54の回動動作に連動して第1,第2ガイド機構50,51によりガイドされたX方向へ移動する。
可動ベース部材49が第1,第2ガイド機構50,51によりガイドされたX方向へ移動することで、役物本体48が、画像表示装置17の画面の前側において、図8、図9に示す退避位置(図2に示すその大部分がセンタ役物16の上部に隠れた位置)(第1位置)と、図4、図11、図12に示すセンタ役物16の上部から下方へ出現した進出位置(第2位置)とに亙って図10に示す進出途中位置(第3位置)を経由して移動し得る。役物本体48は、進出位置では、画像表示装置17の画面中央付近の前側に位置する。
役物本体48の退避位置が初期位置(原点位置)となり、この初期位置を検出するために、第1役物駆動手段45に被検出部57が設けられ、役物ベース41の前面部に位置検出センサ58が設けられている。被検出部57は、アーム部材54の右端側部分に上方突出状に設けられた遮蔽板57からなり、位置検出センサ58は、役物ベース41の上端部分の電動モータ52の近傍部位に取り付けられた発光部と受光部とを有する光学センサ58からなる。
役物本体48が退避位置のときに、光学センサ58は、その発光部と受光部との間が遮蔽板57で遮られることで、役物本体48が退避位置であることを検出する。尚、ランプ制御基板35のコンピュータは、そのROMに格納された可動役物制御プログラムに従って、演出制御基板33からの制御指令情報と位置検出センサ58からの位置検出情報とに基づいて電動モータ52を制御する。
第2可動役物43について説明する。
図8〜図14に示すように、第2可動役物43は、第1可動役物42と第3可動役物44の間に配置され、第1可動役物42の左右長と略同じ左右長を有する兜を模した形状に形成され、第1可動役物42に対して前側に階層状に且つ上下方向に相対移動可能に設けられる。
役物作動手段47について説明する。
図13、図14に示すように、役物作動手段47は、ガイド手段60と係合手段61を備え、第2可動役物43を第1可動役物42の退避位置に対応する位置と第1可動役物42の進出途中位置に対応する位置に亙って移動させる。 ガイド手段60は、第2可動役物43の左右両端部の上端部分に夫々後方突出状に設けられた1対の係合部60aと、第1可動役物42の可動ベース部材49の左右両端部の上端部分に夫々形成された1対の係合長穴60bとを有している。係合部60aは、前後方向に厚みのある縦長長円形状に形成されている。係合長穴60bは、係合部60aの上下長よりも長く上下方向に延びるように形成され、この係合長穴60bに、係合部60aが上下方向に移動自在に係合し且つ前後方向に移動不能に係合している。
係合手段61は、センタ役物16の上部の左右両端部の下端部分に夫々後方突出状に設けられた1対の受止部61aと、第2可動役物43の左右両端部の上端部に夫々前方突出状に設けられ、受止部61aに上側から係合可能な1対の係合部61bとを有している。
第1可動役物42(役物本体48a)が退避位置(図8、図9)→進出途中位置(図10)→進出位置(図11、図12)へ下降移動する際、役物作動手段47は次のように機能する。
第1可動役物42が退避位置のとき、第2可動役物43は、その自重によりガイド手段60において係合部60aが係合長穴61aの下端部に係止することで、センタ役物16の上部に隠れた状態で且つ第1可動役物42の前方に重なるように位置(退避位置に対応する位置)する。第1可動役物42が退避位置から進出途中位置へ下降移動する際、自重により係合部60aが係合長穴60bの下端部に係止した状態を維持して、係合手段61において係合部61bが受止部61aに係合するまで第2可動役物43を第1可動役物42と一体的に下降移動させる。
第1可動役物42が進出途中位置へ移動したときに、係合手段61において係合部61bが受止部61aに係合することで第2可動役物43の移動を停止させ(進出途中位置に対応する位置)、第1可動役物42が進出途中位置から進出位置へ下降移動するまでの間、第2可動役物43の移動停止状態を維持する。第1可動役物42が進出位置のときには、ガイド手段60において係合部60aが係合長穴60bの上端近傍に係合した状態になる。
第3可動役物44について説明する。
図8〜図12、図15、図16に示すように、第3可動役物44は、第2可動役物43に対して前側に階層状に位置し得るように固定ベース部材62に可動に配置され、所定のロゴマークを模した形状に形成され役物本体63を備えている。
固定ベース部材62は、その上端部がセンタ役物16の上部の下端側部分に固定されている。役物本体63の前面部には複数の電飾部63a,63bが設けられ、これら電飾部63a,63bは、「鬼」の文字の外形形状や円形状に形成され、LED基板(図示略)に実装された複数のLED(図示略)と、これらLEDの前方に配置された合成樹脂製のレンズカバー63c,63dとを有するものである。役物本体63は、固定ベース部材62の前側に配置され、第1,第2ガイド支持機構64,65によりX方向へ移動自在にガイド支持されている。
第1ガイド支持機構64は、上下方向に延びるロッド64aと、ロッド64aを上下方向にスライド自在にガイド支持するロッド支持部64bとを備えている。ロッド64aの上端部と下端部は、役物本体63の左端部の上端部と下端部に夫々後方突出状に設けられた連結部63a,63bに固定されている。ロッド支持部64bは、固定ベース部材62の左端部の下部において上下に2つ前方突出状に設けられ、このロッド支持部64bには上下に貫通状の係合穴64cが形成され、この係合穴64cにロッド64aが上下方向にスライド自在に係合し、且つ、前後方向へ移動不能に係合支持されている。
第2ガイド支持機構65は、第1ガイド支持機構64と同様に、ロッド65aとロッド支持部65bとを備え、ロッド65aの上端部と下端部は、役物本体63の右端部の上端部と下端部に夫々後方突出状に設けられた連結部63cに固定されている。ロッド支持部65bは、固定ベース部材62の右端部の下部において上下に2つ前方突出状に設けられ、このロッド支持部65bには上下に貫通状の係合穴65cが形成され、この係合穴65cにロッド65aが上下方向にスライド自在に係合し、且つ、前後方向へ移動不能に係合支持されている。
第2役物駆動手段46について説明する。
第2役物駆動手段46は、電動モータ66と、ギヤ機構67と、駆動レバー部材68と、変換機構69とを備え、第3可動役物44をセンタ役物16の上部の前側に位置する待機位置と第2可動役物43の下降移動に沿って移動した作動位置とに亙って移動させる。電動モータ66は、固定ベース部材62に後向きに固定されている。
ギヤ機構67は、電動モータ66の出力軸62aに固着された駆動ギヤ67aと、この駆動ギヤ67aに噛合して固定ベース部材62に回転自在に支持された従動ギヤ67bとを備えている。
駆動レバー部材68は、従動ギヤ67bに固定的に設けられている。これにより、電動モータ66の駆動力がギヤ機構67を介して駆動レバー部材68に伝達されて、駆動レバー部材68が時計/反時計回りに回動する。変換機構69は、駆動レバー部材68の先端部に前方突出状に設けられたピン部68aと、役物本体63の左部に左右方向に細長く形成された長孔63eとを備え、この長孔63eにピン部68aが摺動自在に係合している。これにより、駆動レバー部材68の回動動作を役物本体63の直線動作に変換して、役物本体63をガイド支持機構64,65にガイドされたX方向へ移動させる。
図15に示すように、第2可動役物43の上端側部分には、第2可動役物43が第1可動役物42の退避位置に対応する位置にあるときに、第2可動役物43が第2役物駆動手段46の電動モータ66に干渉するのを防止する切欠部70が形成されている。
切欠部70は、第2可動役物43が第1可動役物42の退避位置に対応する位置のときに、第2可動役物43の上部を電動モータ66の下半部を受容可能な大きさに切り欠いた上方開放の半円形状に形成されている。これにより、第2可動役物43が第1可動役物42の退避位置に対応する位置にあるときには、電動モータ66の下半部が第2可動役物43に干渉せずに切欠部70内に受容された状態になる。
また、第1可動役物42(可動ベース部材49)における前記切欠部70に対応する部位にも、第2可動役物43の切欠部70よりも大きく切り欠いた半円形状の切欠部71が形成されている。第2可動役物43の上部を電動モータ66の下半部を受容可能な大きさに切り欠いた上方開放の半円形状に形成されている。これにより、第1可動役物42が退避位置にあるときには、電動モータ66の下半部が第1可動役物42に干渉せずに切欠部71内に受容された状態になる。
第2役物駆動手段46は、第3可動役物44が待機位置から作動位置へ下降移動する際、待機位置から作動位置まで下降移動した第2可動役物43の切欠部70が前方へ露出しないように、第3可動役物44を第2可動役物43の下降移動に先行して又は第2可動役物43の下降移動に追従して役物本体63の前面部で切欠部70を前側からカバーできる位置(隠蔽できる位置)まで下降移動させる(図8〜図11参照)。
以上説明した上可動役物装置21の作用・効果について説明する。
図8に示すように、通常時には、第3可動役物44(役物本体63)は、センタ役物16の上部の前側に待機し、第1可動役物42(役物本体48)と第2可動役物43は、図2に示すその大部分がセンタ役物16の上部に隠れた退避位置で待機している。たとえば、始動条件の成立により行われる大当り抽選の結果に基づいて、遊技者に大当りが行わる可能性があることを示唆又は報知する際、先ず、第3可動役物44が作動位置まで移動した後(図9)、第1,第2可動役物42,43が退避位置から進出途中位置まで一体的に移動し(図10)、更に、第2可動役物43が移動停止した状態で、第1可動役物42が進出途中位置から進出位置まで移動する(図11、図12)。
一方、第1,第2,第3役物42,43,44が上昇移動する場合、先ず、第3可動役物44が作動位置から待機位置へ上昇移動し、その移動に追従して、第1可動役物42が移動途中位置まで上昇移動した後、第1,第2可動役物が一体的に退避位置まで上昇移動する。
ここで、従来の可動役物装置では、第1可動役物が退避位置から進出位置へ移動する際、第2可動役物が回動しない(第1可動役物が退避位置から途中位置へ移動する)ときも、回動する(第1可動役物が途中位置から進出位置へ移動する)ときも、第2可動役物は常に第1可動役物と一体的に移動し、即ち常に動作するので、その役物動作が比較的単純な動作になり、斬新な役物動作を実現できない。
本発明の上可動役物装置21においては、盤面と平行な方向であって上下方向に移動可能に設けられた第1可動役物42と、第1可動役物42に対して前側に階層状に且つ上下方向へ相対移動可能に設けられた第2可動役物43と、第1可動役物42を退避位置と進出位置とに亙って進出途中位置を経由して移動させる第1役物駆動手段45と、第1役物駆動手段45により第1可動役物42を退避位置から進出途中位置へ下降移動させる際に、その第1可動役物42と一体的に第2可動役物43を下降移動させるとともに、第1役物駆動手段45により第1可動役物42を進出途中位置から進出位置へ下降移動させる間、第2可動役物43を移動停止させる役物作動手段47とを備えたので、2つの可動役物42,43の斬新な動作を実現して、演出効果を高めることができる。
また、第2可動役物43に対して前側に階層状に且つ上下方向へ相対移動可能に設けられた第3可動役物44と、第3可動役物44を第2可動役物42の移動方向に沿って移動させる第2役物駆動手段46とを更に備えたので、3つの可動役物42,43,44によりインパクトのある役物演出を実現することができる。更に、これら2つの可動役物42,43の動作と、下可動役物装置20と、可動表示装置22と、画像表示装置17による画像との協働により特定の遊技演出を行うことが可能である。
更に、第2可動役物43が第1可動役物42の退避位置に対応する位置にあるときに第2役物駆動手段46の電動モータ66と相互に干渉しないように、第2可動役物43に切欠部70が形成されたので、第2可動役物43と電動モータ66の破損を確実に防止することができる。
更に、役物作動手段47により第2可動役物43を下降移動させることで切欠部70が露出しないように、第2役物駆動手段46により下降移動された第3可動役物44により切欠部70をカバー可能であるので、第2可動役物43の意匠性の低下を防止することできる。
上可動役物装置21を部分的に変更する例について説明する。
[1]切欠部70の形状は、実施例の形状に限定されるものでなく、電動モータ62と干渉しない大きさであればよい(例えば、凹状形状等)。
[2]第1可動役物42に対して第2可動役物43を後側に且つ階層状に設けてもよい。
[3]実施例では、第3可動役物44を第1,第2可動役物42,43よりも先行させて下降移動させたが、第3可動役物44を第1,第2可動役物42,43の下降移動に追従させて移動させてもよい。
○[可動表示役物装置]
可動表示役物装置22について詳細に説明する。
図17〜図23に示すように、可動表示役物装置22は、センタ役物16の下部に装備され、役物ベース75と、3つの表示面76X(76a,76b,76c)、77X(77a,77b,77c)、78X(78a,78b,78c)を夫々有する第1,第2,第3可動表示役物76,77,78と、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78を夫々回転自在に支持するベース部材79と、可動表示役物76,77,78と共に、ベース部材79を第1位置(待機位置)と第2位置(作動位置)とに亙って移動させるベース駆動手段80と、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78を作動(回転)させる役物駆動手段81と、3つの可動表示役物76,77,78の3つの表示面76X、77X、78Xに対する視覚的補完機能を有する2つのカバー部材82とを備えている。
役物ベース75は、センタ役物16と略同じ左右長を有する合成樹脂製の矩形板状に形成され、盤面と平行に且つセンタ役物16の下部に後側に隠れた状態で配置され、センタ役物16の下部後面部にセンタ役物16から後方へ間隔をあけて複数のボス部(図示略)を介して取り付けられている。
ベース部材79について説明する。
ベース部材79は、役物ベース75の前側に配置され、上面板79aと、後面板79bと、左右1対の側面板79c,79dとを備えている。1対の側面板79c,79dには、夫々、前側からカバー92,93が取り付けられている。ベース部材79は、盤面と平行な方向であって上下方向へ移動自在にガイド機構83によりガイド支持されている。
図20〜図22に示すように、ガイド機構83は、上下方向に細長い前,後ガイド部材83a,83bを有し、前ガイド部材83aがベース部材79の後面板79bの後面部に固定され、後ガイド部材83bが役物ベース75の前面部に固定され、前ガイド部材83aが後ガイド部材83bに上下方向へスライド自在に係合している。ベース部材79の後面板79bの前面部には、複数のLEDが実装されたLED基板(図示略)が取り付けられ、これら複数のLEDからの光が、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の内部に入射されて前方に向く表示面76X,77X,78Xを後側から照らして発光させる。
ベース駆動手段80について説明する。
図18〜図22に示すように、ベース駆動手段80は、電動モータ84と、ギヤ機構85と、回動部材86と、連結部材87と、アーム部材88を有する。電動モータ84は、役物ベース75に前向きに取り付けられている。ギヤ機構85は、電動モータ84の出力軸84aに固着された駆動ギヤ85aと、駆動ギヤ85aに噛合して役物ベース75に回転自在に支持された中間ギヤ85bと、中間ギヤ85bに噛合して役物ベース75に回転自在に支持された従動ギヤ(図示略)を有する。
回動部材86は、前記従動ギヤに固定的に設けられている。回動部材86の前面部には、その回動中心から偏心した部位に係合部材86aが前方突出状に設けられている。連結部材87は回動部材86の前側に配置され、連結部材87には、左端部からその長さ方向にストレートに延びる係合長孔87aが形成され、この係合長孔87aに回動部材86の係合部材86aが摺動自在に係合している。
連結部材87の左端側部分には下方に突出したバネ掛け部87bが形成され、このバネ掛け部87bに引っ張りバネ91の一端部が係止され、他端部が役物ベース75の左部の下端部に形成された前方突出状のバネ掛け部75aに係止されている。この引っ張りバネ91は、ベース部材79を上昇移動させるときのアシスト機能とベース駆動手段80(ギヤ機構85)のバックラッシュ(作動クリアランス)を除去(吸収)する機能を有する。
アーム部材88の基端部(下端部)は、連結部材87の右端部と一体的に連結して、軸部88bを介して役物ベース95に回動自在に支持されている。アーム部材88の先端部(上端部)には、係合部材88aが前方突出状に設けられ、この係合部材88aがベース部材79の後面板79bの左部に左右方向に細長く形成された係合長孔79eに摺動自在に係合している。これにより、電動モータ84の駆動力が、ギヤ機構85、回転部材86、連結部材87を介してアーム部材88に伝達され、アーム部材88の回動動作をベース部材79の直線動作に変換して、ベース部材79をガイド機構83によりガイドされた方向に沿って第1位置(待機位置)と第2位置(作動位置)とに亙って移動させる。
第1,第2,第3可動表示役物76,77,78について説明する。
図23(2)に示すように、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78は、夫々、左右方向に長い断面三角形の筒体に形成され、これら可動表示役物76,77,78は、上下方向に僅か隙間だけ空けて並設されベース部材79に可動に設けられている。第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の左右両端の側板部72a,73a,74aには、夫々、軸部72,73,74が一体形成され、これら軸部72,73,74がベース部材79の側面板79c,79dに盤面と平行な軸心回りに回転自在に支持されている。
図23(2)に示すように、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78は、夫々、第1の表示面76a,77a,78aと、第2の表示面76b,77b,77cと、第3の表示面76c,77c,78cとを有する。各可動表示役物76,77,78の3つの表示面76X(76a,76b,76c),77X(77a,77b,77c),78X(78a,77b,77c)には、例えば、所定形状(例えば、文字形状、図柄形状など)の光透過窓であって、多数の凹凸の有る透明なレンズからなる光透過窓が形成されたり、所定のキャラクタをモチーフにした図柄や図形等が描かれている。
第1,第2,第3可動役物76,77,78が停止して、各可動表示役物76,77,77の3つの表示面76X,77X,78Xのうちの1つの表示面76X,77X,78Xが前向きにして並べて表示されると、その表示面76X,77X,78Xの間には僅かな隙間が形成される。
例えば、図17に示すように、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78が回転後停止して、第1可動表示役物76の第1の表示面76aと、第2可動表示役物77の第1の表示面77aと、第3の可動表示役物78の第1の表示面78aの3つの表示面を前向きにして上下に並べた第1の表示位置のときには、これら3つの表示面76a,77a,78aにより、「□」が隙間により分断された状態で表示される。
例えば、図20に示すように、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78が回転後停止して、第1可動表示役物76の第2の表示面76bと、第2可動表示役物77の第2の表示面77bと、第3の可動表示役物78の第3の表示面78bの3つの表示面を前向きにして上下に並べた第2の表示位置のときには、これら3つの表示面76b,77b,78bにより、「△」が隙間により分断された状態で表示される。
例えば、図23(1)に示すように、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78が回転後停止して、第1可動表示役物76の第3の表示面76cと、第2可動表示役物77の第3の表示面77cと、第3可動表示役物78の第3の表示面78cの3つの表示面を前向きにして上下に並べた第3の表示位置のときには、これら3つの表示面76c,77c,78cにより、「○」が隙間により分断された状態で表示される。
役物駆動手段81について説明する。
図18、図21等に示すように、役物駆動手段81は、電動モータ89と、電動モータ89の駆動力を第1,第2,第3可動表示役物76,77,78に伝達するギヤ機構90とを有する。
電動モータ89は、左側のカバー92の下端部に左向きに固定されている。ギヤ機構90は、電動モータ89の出力軸89aに固着された駆動ギヤ90aと、ベース部材91の左側の側面板91cに回転自在に支持された複数の中間ギヤ90b〜90dと、第1,第2,第3従動ギヤ90e,90f,90gとを有する。これら複数のギヤ90a〜90gは上下に配列されて、隣接するギヤ同士が互いに噛合するように構成され、左側のカバー92に前側から覆われている。
第1,第2,第3従動ギヤ90e,90f,90gには、夫々、盤面と平行な方向であって軸心方向に延びる筒部96a,96b,96cが設けられ、これらの筒部96a,96b,96cが、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の左端部の軸部72,73,74に外嵌固定されるとともに、側面板79cに形成された前方開放状のU字状の切欠部(図示略)に回転自在に係合支持されている。切欠部の前面はカバー92により閉塞されている。これにより、電動モータ89の駆動力が、ギヤ機構90を介して第1,第2,第3可動表示役物76,77,78に伝達されて、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78を盤面と平行な軸心回りに同期して回転させる。
従って、役物駆動手段81は、複数の可動表示役物76,77,78を第1の表示面76a,77a,78a同士を前向きにして並べた第1の表示位置(図17)と、第2の表示面76b,77b,77c同士を前向きに並べた第2の表示位置(図20)と、第3の表示面76c,77c,78c同士を前向きにして並べた第3の表示位置(図23)を択一的に切換え可能である。そのため、ランプ制御基板35のコンピュータは、そのROMに格納された表示面切換え制御プログラムに従って、演出制御基板33からの制御指令情報と位置検出センサ(図示略)からの第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の位置検出情報とに基づいて電動モータ89を制御する。
カバー部材82について説明する。
カバー部材82は、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の前側に配置され、盤面と平行な左右方向に延びてその左右両端部がカバー92,93に固定されている。複数のカバー部材82は、夫々、前記第1〜第3表示位置の何れかにある第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の表示面76X,77X,78Xの間の隙間を前側から覆い隠すために、その隙間に対応する位置に配置され、その隙間に沿って延びるバー状に形成されている。
このカバー部材82により、図17に示す、第1表示面76a,77a,78aの間の隙間により分断された部分が隠されることで、「□」が3つの表示面76a,77a,78aに亙って連続的に繋がっているように視せることができる。図18、図23(1)に示す、「△」の表示、「○」の表示も、カバー部材82により、連続的に繋がっているように視せることができる。
以上説明した可動表示役物装置22の作用・効果について説明する。
図3、図17、図18に示すように、通常時には、第1,第2,第3可動表示役物76、77、78がセンタ役物16の下部の前側に待機している。たとえば、始動条件の成立により行われる大当り抽選の結果に基づいて、遊技者に大当りが行われる可能性があることを示唆又は報知する際、図4、図20、21に示すように、ベース部材79と共に、第1,第2,第3可動表示役物76、77、78が待機位置から作動位置へ上昇移動し、第1,第2,第3可動表示役物76、77、78が回転する。これら可動表示役物76,77,78が回転して停止したときに、第1,第2,第3可動表示役物76,77,78の表示面76X,77X,78Xが前向きに上下に並べて表示される。
従来の回転役物を有する可動役物装置では、3つの回転役物が左右方向に僅かな隙間を空けて並設されているので、その隙間が視えることによって、3つの回転役物の表示面が分断されていることが視て判ることになるため、例えば、停止している3つの表示面に亙って同一図柄を表示させる場合等、その表示に対して視覚効果が低下する。
本発明の可動表示役物装置22においては、複数の表示面76X、77X,78Xを夫々有し、断面三角形状の第1,第2,第3可動表示役物76,77,78と、これら3つの可動表示役物76,77,78を盤面と平行な軸心回りに夫々回動させ、これら3つの可動表示役物76,77,78の表示面76X,77X,78Xを前向きにして並べて表示位置に切り換え可能な役物駆動手段81と、表示位置にある3つの可動表示役物76,77,78の表示面76X,77X,78Xの間の隙間の前側に設けられ、前記隙間をカバーするように前記隙間に沿って延びて、3つの表示面76X,77X,78Xに対する視覚的補完機能を有する2つのカバー部材82とを備えたので、カバー部材82により、可動表示役物76,77,78の3つの表示面76X,77X,78Xの間の隙間が前側から隠されることで、表示位置で表示されている3つの表示面の表示が連続的に1つに繋がったように視えるため、そこに表示される図形等も同じく繋がったように視え、可動表示役物76,77,78による表示に対して視覚効果を高めることができる。
前記役物駆動手段は81、複数の可動表示役物76,77,78の第1の表示面76a,77a,78a同士を前向きにして並べた第1の表示位置と、前記第2の表示面76b,77b,78b同士を前向きにして並べた第2の表示位置と、前記第3の表示面76c,77c,78c同士を前向きにして並べた第3の表示位置とに択一的に切換え可能であるので、遊技状態に応じて種々の表示を択一的に行って、演出効果を高めることができる。
3つの第1,第2,第3可動表示役物76,77,78を夫々回動自在に支持するベース部材79を備え、ベース部材79にカバー部材82を設けたので、別途カバー部材を取り付けるための部材を設ける必要がなく、ベース部材79を有効利用して、カバー部材82を簡単に且つ容易に取り付けることができる。
可動表示役物装置22を部分的に変更する例について説明する。
[1]3つの可動表示役物76,77,78を左右方向に僅かな隙間を空けてベース部材79に回転自在に支持して、表示位置にある複数の可動表示役物76,77,78の表示面の間の隙間をカバーするカバー部材をその隙間に沿って設けてもよい。
[2]実施例では、3つの可動表示役物76,77,78を設けたが、4つ以上の可動表示役物を設けてもよく、この場合、設けられた可動表示役物の数に応じて、表示位置にある複数の可動表示役物の表示面の間の複数の隙間に沿って複数のカバー部材を設ける。また、2つの可動表示役物を上下方向に僅かな隙間だけ空けて並設し、表示位置にある2つの可動表示役物の表示面の間の1つの隙間に沿って1つのカバー部材を設けてもよい。
[3]2つの可動表示役物を設け、一方の可動表示役物が、センタ役物16の上部の前側(又は上部の後側に隠れた位置)近傍部位(待機位置)と液晶表示装置17の画面中央付近の前側(作動位置)に亙って盤面と平行な方向であって上下方向に移動可能に設けられ、他方の可動表示役物が、センタ役物16の下部の前側(又は下部に後側に隠れた位置)(待機位置)と液晶表示装置17の画面中央付近の前側(作動位置)に亙って盤面と平行な方向であって上下方向に移動可能に設け、これら2つの可動表示役物が作動位置のときに(2つの可動表示役物が合体した状態)、2つの可動表示役物の表示面の間の隙間に対応する位置に、カバー部材を設けてもよい。
●[回転役物装置]
パチンコ遊技機1は回転役物装置23(所定の役物に相当する)を備えている。
この回転役物装置23は、液晶ベース(図示略)の前面壁に固定される透明な合成樹脂製の基盤部材101に装備されている。液晶ベースの前面壁には、液晶画像表示器17の画面に対応する画面開口が形成されて、その前面壁に液晶画像表示器17が固定され、液晶画像表示器17の周囲は液晶ベースの外周壁でカバーされる。基盤部材101は、ほぼ正方形状の外形と円形開口部101aとを有する。
回転役物装置23を初期状態(原点状態)にした状態を例にして説明すると、回転役物装置23は、図24〜図30に示すように、回転自在の回転リング110(回転役物本体に相当し、ベース部材に相当する)と、この回転リング110に装備された4つの可動役物130(第1演出部に相当する)と、4つの可動役物130に装備された4つの回転役物150(第2演出部に相当する)と、回転リング110を回転駆動可能な回転リング駆動機構120と、下部の2つの可動役物130と上部の2つの可動役物130とを夫々揺動駆動可能な上下1対の揺動駆動機構140と、4つの可動役物130に夫々装備された4つの回転役物150を同期回転するように回転駆動可能な回転役物駆動機構160とを備えている。
回転リング110は、画像表示器17の画面の外周側領域の前方近傍位置に配置されている。この回転リング110は、背面側の環状ベース部111と、この環状ベース部110の外周近傍部から前方へ突出状に一体形成された筒状部112と、この筒状部112の前端部に内嵌されて環状ベース部111の前面側を覆う環状の前面カバー113と、筒状部112よりも外側へ突出するように環状ベース部111に一体形成された環状鍔部114と、環状ベース部111の背面側部分の外周部に形成された全周に亙るリングギヤ部115とを備えている。前面カバー113は複数のビス105で環状ベース部111に形成された複数のボス部111aに固定される。
回転リング110の下部を案内支持する左右1対のガイドローラ102と、上部を案内する左右1対のガイドローラ103と、左右1対のガイドローラ102の間において下部を案内するガイドローラ104とが基盤部材101に装備されている。ガイドローラ102は前後1対の円板部で環状鍔部114の前後方向位置を規制し、円板部の間の回転自在の小径筒部で環状鍔部114の外周面を回転自在に支持する。ガイドローラ103,104は前後1対の円板部で環状鍔部114の前後方向位置を規制する。
回転リング駆動機構120は基盤部材101の左側下隅部に装備されている。
図24,図25,図27,図28,図30,図31に示すように、回転リング駆動機構120は、電動モータ121(ステッピングモータ)と、この電動モータ121の出力軸に固定されたピニオン122と、このピニオン122に噛合したギヤ123と、このギヤ123と同軸一体のギヤ124と、このギヤ124に噛合したギヤ125と、このギヤ125と同軸一体のギヤ126であって前記回転リング110のリングギヤ部115に噛合したギヤ126とを備え、ギヤ126からリングギヤ部115に回転駆動力を伝達してリングギヤ部115を時計回り方向へ回転させたり、反時計回り方向に回転させたりすることが可能に構成してある。
前記可動役物130は緩湾曲状の刀剣を模したもので、回転リング110の半径にほぼ等しい長さを有する。4つの可動役物130の外周側端部(基端部)は、回転リング110の環状ベース部111の円周4等分位置に配置され、各可動役物130の基端部が回転リング110の環状ベース部111に装備した前後方向向きの枢支軸135に揺動可能(回動可能)に連結されている。4つの可動役物130は、同一の鉛直面内に配置されている。尚、対角関係にある第1群の可動役物130a,130c(右下側の可動役物と左上側の可動役物)と、別の対角関係にある第2群の可動役物130b,130d(左下側の可動役物と右上側の可動役物)は全て共通の構造であるため、区別して説明する必要がない限り、第1,第2群の可動役物130a〜130dを可動役物130と総称する。
図32,図33,図35,図36,図41に示すように、可動役物130は、前面部材131と、背面部材132と、これらの内部に収容された薄い反射板(図示略)と基板133と基板133に装備されたギヤ列134とを有する。前面部材131は透明合成樹脂製であるが、前面部材131の後面(内面)には断面波形の光拡散レンズ(図示略)が形成され、この光拡散レンズの裏面側に多数の小凸部を有する反射板が配置されている。この前面部材131の先端側約3/4部分の外周部には数mm幅の光拡散部であって表面を三角波面に形成した光拡散部130eが突出状に形成されている。
前記基板133 には複数のLED(図示略)が装着されており、これらLED から発したカラー光が反射板と光拡散レンズにより前方へ拡散され、光拡散部130eにより前方へ拡散される。尚、基板133に装備されたギヤ列134は、後述の回転役物駆動機構160に属するものである。
次に、可動役物130を揺動駆動可能な揺動駆動機構140について説明する。
下側の揺動駆動機構140と上側の揺動駆動機構140は、回転リング110の中心に対して点対称のものであるので、下側の揺動駆動機構140を例にして説明する。これら両駆動機構140において同一部材に同一符号をつける。
図25,図32,図33,図35,図36に示すように、この揺動駆動機構140は、回転リング110の環状ベース部111の下部の内周部に沿う円弧部材141と、この円弧部材141の長さ方向中央部に形成された円弧状のラック部141aと、このラック部141aに噛合したギヤ142と、このギヤ142に噛合するギヤ143と、このギヤ143と同軸一体に形成したギヤ144と、このギヤ144に噛合するピニオン145と、このピニオン145を駆動する電動モータ146(ステッピングモータ)とを備え、ピニオン145は電動モータ146の出力軸に固定されている。尚、上記の揺動駆動機構140は回転リング110の環状ベース部111に装備してある。
前記円弧部材141は、回転リング110の内周面より内側に突出する内側円弧部141bと、この内側円弧部141bの外周側に一体形成された第1,第2外側円弧部141c,141dとを有する。第1外側円弧部141cは左端側部分に形成され、第2外側円弧部141dは右端側部分に長く形成され、これら第1,第2外側円弧部141c,141dは環状ベース部111の支持壁111b(図25,図34参照)の前面に摺接して後方移動しないように規制されている。前記ラック部141aは、内側円弧部141bの長さ方向中央部の外面部に形成されている。
図24,図25,図32〜図34に示すように、第1外側円弧部141cに1つのガイド部147が形成され、第2外側円弧部141dには2つのガイド部147が形成されて、円弧部材141が周方向へ所定距離移動自在にガイドされている。
図34に示すように、ガイド部147は、第1又は第2外側円弧部141c,141dに形成された段部141fのついた円弧穴141eと、環状ベース部111の支持壁111bに突設されて円弧穴141eに挿入された2本のピン部111hと、これらピン部111hに夫々円弧穴141e内で回転自在に装着された2つのローラ148と、2つのピン部111hの先端部を凹部149aに係合させた状態で2つのローラ148の外面側を押える長円形の押え片149と、この押え片149を2つのピン部111hに固定する2つのビスとを有する。
可動役物130の基端部の近傍部位のうち、前記枢支軸135から先端側へ小距離離隔した部位の右側部には突出片136が一体形成され、この突出片136にはヘ字形のカム穴136aが形成され、円弧部材141の右端部に一体形成したピン部141gがカム穴136aに挿通されて、可動役物130が円弧部材141に連動連結されている。
図33に示すように、前記揺動駆動機構140の電動モータ146とギヤ142〜144及びピニオン145によりラック部141aを駆動し、円弧部材141を最大限右方へ移動させると、ピン部141gが突出片136を右方へ押し、図24〜図26,図30及び図32に示すように、枢支軸135を揺動中心として可動役物130が回転リング110の内側空間部の内側方向(中心側部分)へ進出した作動位置(進出位置)になる。このとき、円弧部材141の右端部が、環状ベース部111のストッパ部111c(図25参照)で受け止められて位置規制される。
可動役物130が作動位置(進出位置)になった状態では、可動役物130の先端が回転リング110の内側空間部の中心寄り部位に位置し、その可動役物130に装備された回転役物150が回転リング110の内側空間部において回転可能な状態になる。
上記とは反対に、揺動駆動機構140により円弧部材141を最大限左方へ移動させると、ピン部141gが突出片136を左方へ押し、図27〜図29,図35及び図36 に示すように、枢支軸135を揺動中心として可動役物130が回転リング110に接近して先端部を除く大部分が回転リング110の前面カバー113の背面側に退避した退避位置になる。
次に、回転役物150について説明する。
4つの回転役物150は、対角関係にある第1群の回転役物150Aが第1群の可動役物130a,130cの前面側に夫々装備され、別の対角関係にある第2群の回転役物150Bが第2群の可動役物130b,130dの背面側(後面側)に装備されている。以下、区別して説明する必要がない限り、第1,第2群の回転役物150A,150Bを回転役物150と総称する。
図24〜図26、図30及び図32に示すように、4つの可動役物130を作動位置にした状態で、4つの回転役物150を自転回転させる際には、周方向に隣接する回転役物150の回転空間が部分的に前後方向にラップする関係上、上記のように、第1群の回転役物150Aと第2群の回転役物150Bが干渉しないように、第1群の回転役物150Aを可動役物130a,130cの前面側に装備し、第2群の回転役物150Bを可動役物130b,130dの背面側に装備してある。
図37〜図40に示すように、回転役物150は、刀剣を振り回した際の刀剣の残像を模する光反射性能に優れるものである。回転役物150は、緩湾曲状の暗色のアーム体151と、このアーム体151の一端部に装備された三日月形の第1反射部材152と、アーム体151の他端部に装備された2つの三日月形を一体化した第2反射部材153とを備えている。第2反射部材153は第1反射部材152よりも幾分小型のもので、回転役物150が展開状態のとき、第1,第2反射部材152,153は、湾曲内側を対向させた状態になる。尚、第1,第2反射部材152,153の全面にメタリックの被膜が形成されている。
第1群の2つの回転役物150Aは回転リング110の中心に対して点対称であり、第2群の2つの回転役物150Bは回転リング110の中心に対して点対称である。最初に、第1群の回転役物150Aを例にして説明する。
図37〜図39に示すように、アーム体151は、前後に重ね合せ且つ長さ方向に相対移動可能に係合させた第1,第2アーム部材154,155からなる。第1アーム部材154の一端部には軸穴付きのボス部154aが形成され、第1アーム部材154の他端近傍部には軸穴付きのボス部154bが形成され、第1アーム部材154の長さ方向中間部には後方へ水平に延びる軸部154cが形成され、第1アーム部材154の他端部には引っ張りバネ156を連結するフック154dが形成されている。
第2アーム部材155の一端部と他端部には段付きの長穴155a,155bが形成され、長さ方向中間部には軸部154cを挿通させる長穴155cが形成され、この長穴155cの端部付近には後方へ突出する1対の円弧状のスペーサ155dが突設され、一端側の長穴155aの側方部位には前面開放の第1係合溝155gを有する第1係合部155fが形成され、他端側の長穴155bの側方部位には前面開放の第2係合溝155iを有する第2係合部155hと、引っ張りバネ156を連結するフック155eが形成されている。尚、前記スペーサ155dはアーム体151と可動役物130a,130cの間の間隔を規制するものである。
第1反射部材152の背面には、ボス部154aに挿入される軸部152aと、第1係合溝155gに係合されるピン部152bが後方へ突出状に形成されている。第2反射部材153の背面には、ボス部154bに挿入される軸部153aと、第2係合溝155iに係合されるピン部153bが形成されている。
第1アーム部材154の軸部154cを第2アーム部材155の長穴155cに挿通させ、一端側のボス部154aに軸部152aを挿入した状態で、ボス部154aを長穴155aに挿入し、第2アーム部材155の背面側で長穴155aに係合させた円形の案内具157aをビス158aにより軸部152aの後端に結合し、ピン部152bを第1係合溝155gに係合してある。尚、第1アーム部材154の軸部154cは、可動役物130a,130c内のギヤ列134の終端ギヤ134hのギヤ軸に固定される。
第2反射部材153の軸部153aを第1アーム部材154の他端側のボス部154bに挿入した状態で、ボス部154bを長穴155bに挿入し、第2アーム部材155の背面側で長穴155bに係合させた円形の案内具157bをビス158bにより軸部153aの後端に結合し、ピン部153bを第2係合溝155iに係合してある。そして、フック154dとフック155eには引っ張りバネ156の両端部を連結してボス部154a,154bが長穴155a,155bの図38における右端に位置するように第2アーム部材155に対して第1アーム部材154を弾性付勢している。こうして、第1,第2反射部材152,153を回転作動させる展開状態のとき、第1,第2反射部材152,153を図38に示すようにほぼ平行状に対向させている。
可動役物130a,130cを退避位置に保持し、回転役物150Aを収納状態にしたとき、第1反射部材152は正面視にて反時計回り方向へ大きく回動し、第2反射部材153が時計回り方向へ大きく回動して、図27,図39に示すように第1,第2反射部材152,153がアーム体151を延長したような湾曲形状になる。
可動役物130a,130cを退避位置にするのと並行して、回転役物150Aを収納状態に切換えるため、第1反射部材152の一端部(アーム体151の湾曲の凸側に対応する一端部)には操作用ピン152cが後方向きに突設されている。
操作用ピン152cをアーム体151に接近する方向へ操作すると、第1反射部材152のピン側半分はアーム体151に接近し、ピン部152bを中心にしてビス158aと案内具157aが長穴155aに沿って第2反射部材153側へ移動するため、図39に示すように、第1,第2アーム部材154,155は引っ張りバネ156が延びる方向へ相対移動し、第2反射部材153は第2係合部155hがピン部153bを第1反射部材152側へ押動するため、第2反射部材153の係合部側の一部がアーム体151に接近し、第1,第2反射部材152,153がアーム体151と連なるような湾曲形状に大きく展開した状態になる。
可動役物130を退避位置に切換えるのに並行して、回転役物150Aの操作用ピン152cを操作するための役物操作部と、第1,第2反射部材152,153の一部を収容する収容部について説明する。
図24,図27,図28に示すように、第1群の可動役物130a,130cを退避位置に切換え、その回転役物150Aを収納状態に切換えた際に、第2反射部材153の一部を収容する小収容部113bと第1反射部材部材152の一部を収容する大収容部113aが前面カバー113にその内周面よりも外周側に凹設されている。
大収容部113aの内周縁には、前面カバー113の内周面よりも僅かに内側へ突出し且つその突出量が時計回り方向に漸増する役物操作部113cが形成されている。
可動役物130a,130cが退避位置に移動する際に回転役物150Aの操作用ピン152cを役物操作部113c(役物誘導部に相当する)で受止め操作することで、回転役物150Aを展開状態から収納状態に切換え、大収容部113aに第1反射部材152の一部をまた小収容部113bに第2反射部材153の一部を収容する。尚、可動役物150Aを退避位置に切換える前に、回転役物150Aを所定の回転位相に切換えて停止させておくものとする。
第2群の回転役物150Bは、次の点で第1群の回転役物150Aと相違し、その他の構成は同じである。図40に示すように、この回転役物150Bは、可動役物130b,130dの背面側に配置されるため、第1アーム部材154の前面の長さ方向中間部に軸部154cとスペーサ154eが突設され、可動役物130b,130d内の終端ギヤ134hのギヤ軸が軸部154cに直接固定される。尚、スペーサ154eは、アーム体151と可動役物130b,130dとの間の間隔を規制するものである。
第1群の回転役物150Aと同様に、第2群の可動役物150Bを退避位置に切換え、その回転役物150Bを収納状態に切換えた際に、第2反射部材153の一部を収容する小収容部111eと第1反射部材部材152の一部を収容する大収容部111dが環状ベース部111にその内周面よりも外径側に形成されている(図25参照)。
大収容部111dの内周縁には、環状ベース部111の内周面よりも僅かに内側へ突出し且つその突出量が時計回り方向に漸増する役物操作部111f(役物誘導部に相当する)が形成されている。可動役物130b,130dが退避位置に移動する際に回転役物150Bの操作用ピン152cを役物操作部111fで受止め操作することで、回転役物150Bを収納状態に切換え、大収容部111dに第1反射部材152の一部をまた小収容部111eに第2反射部材153の一部を収容する。尚、可動役物130b,130dを退避位置に切換える前に、回転役物150Bを所定の回転位相に切換えて停止させておくものとする。
次に、回転役物駆動機構160について説明する。
この回転役物駆動機構160は、1つの電動モータ163の駆動力で4つの回転役物150を同期回転させるように構成してある。
図26,図29,図30,図35,図36,図41に示すように、環状ベース部111の背面側に全周に亙るリングギヤ161であって外歯付きのリングギヤ161が回転可能に設けられ、このリングギヤ161の内周部は環状ベース部111のリング状案内部111gに近接し、リングギヤ161の前面と背面には、夫々、摺動抵抗低減用の内外2本の小さな環状突条161aが形成されている。リングギヤ161の背面側に円弧形の4枚の押え板170が円周4等分位置に配置されて、回転リング101 にビス171で固定され、リングギヤ161の背面の2本の環状突条161aが押え板170に低摩擦で接触して前後方向位置が規制されている。
図41に示すように、前記リングギヤ161を回転駆動するギヤ駆動部162は、環状ベース部111の前面の右下部位に装備された電動モータ163(ステッピングモータ)と、環状ベース部111の背面側において電動モータ163の前後方向向きの出力軸に固定されたギヤ164と、このギヤ164に噛合したギヤ165と、このギヤ165と同軸一体に形成されたギヤ166であって、リングギヤ161に噛合したギヤ166とを有する。
前記リングギヤ161の回転力を4つの回転役物150に夫々伝達する4つの回転役物駆動部167について説明する。これら回転役物駆動部167は同構造であるため、1つの回転役物駆動部167について説明する。回転役物駆動部167は、可動役物130を枢支する枢支軸135に回転自在に装着され且つリングギヤ161に噛合したギヤ168と、可動役物130の内部に収容された8つのギヤ134a〜134hからなるギヤ列134とを有する。ギヤ列134の先頭ギヤ134aはギヤ168と一体的に形成され、ギヤ列134の終端ギヤ134hのギヤ軸が第1アーム部材154又は第2アーム部材155に固着されている。
回転リング110の回転位相が任意の位相にあっても、リングギヤ161の回転駆動力は回転役物駆動部167を介して回転役物150に伝達され、回転役物150が回転駆動される。リングギヤ161は時計回り方向と、反時計回り方向の所望の方向に回転駆動可能である。それ故、回転役物150の回転方向も、時計回り方向と、反時計回り方向の所望の方向に回転駆動可能である
次に、回転役物装置23に関連するその他の機器や機構について説明する。
図24,図25に示すように、環状ベース部111の前面側には、複数の電動モータや複数のLEDを駆動制御するための3つの基板172が装着されている。
基盤部材101の左下部には、回転リング110の原点位置を検出する光学センサからなる原点検出センサ173が装着され、回転リング110の筒状部112には原点位置検出用の光遮断片112aが突出形成され、光遮断片112aが原点検出センサ173に合致した位置が原点位置である。
図30,図35,図36に示すように、リングギヤ161の原点位置、つまり4つの回転役物150の原点位置を検出する原点センサ174(光学センサ174)も環状ベース部111の前面側に装着され、この原点センサ174により検出される被検出部(図示略)が固定的に設けられたギヤ175であって、環状ベース部111に回動自在に支持された軸174aに固定されたギヤ175が、4つの回転役物150と同期して回転するようにリングギヤ161に噛合している。
前記3つの基板172に駆動信号と制御信号を伝達すると共に3つの基板172のアースに接続するための計3本のスリップリング176が回転リング110の筒状部112の外周面に付設されている(図31参照)。これらのスリップリング176に摺接する3つの接触子177aを備えた接触子ユニット177が、筒状部112の外周面近傍位置に4組配置されている。
図24,図25,図27,図28に示すように、2組の接触子ユニット177が回転リング110の下端側に配設され、1組の接触子ユニット177が回転リング110の左側上部に配設され、1組の接触子ユニット177が回転リング110の右側上部に配設されている。これら4組の接触子ユニット177は、基盤部材101に装備されている。4組の接触子ユニット177を設けるのは、接触不良に対処するためであるので、これら4組の接触子ユニット177からは同一の駆動信号と制御信号が供給される。
図42に示すように、接触子ユニット177は、ユニット本体177aと、このユニット本体177aに基端部が固定されて先端部が3本のスリップリング176に摺接する3つの接触子177bとを備えている。接触子177bは弾性のある導電性金属材料(例えば、りん青銅)で構成され、接触子177bの先端には導電性と摺動性と耐摩耗性に優れる接点チップ177cが固着されている。
回転リング110の回転方向が正転、逆転の両方向であることに鑑み、対角関係にある接触子ユニット177では、接触子177bがユニット本体177aから時計回り方向へ延びるように構成され、別の対角関係にある接触子ユニット177では、接触子177bがユニット本体177aから反時計回り方向へ延びるように構成されている。
次に、以上の回転役物装置23に到達した経緯等について簡単に説明する。
リング状で回転中心側に空間部を形成する回転役物に1又は複数の第1の可動役物を進出位置と退避位置に切換え可能に装備し、これら、回転役物と第1の可動役物を複数の可動パターンで作動させることで演出を行うことが可能であるが、第1の可動役物を進出位置にして回転役物と一体的に回転させるだけでは、可動パターンの種類も少なく新鮮味に欠け、斬新な躍動的な演出とすることは難しい。そこで、第1の可動役物と協働して斬新な演出を行い得る第2の可動役物を設けることが望ましい。
一方、アーム部材と回転役物とを備えた可動役物装置のように、画面の前側においてアーム部材に設けた回転役物を回転させるだけの演出では、演出効果を高めることが難しい。そこで、複数のアーム部材に夫々回転役物を設ける場合には、複数の回転役物が干渉するおそれがある。その干渉回避のため回転役物の数やサイズが制約され、演出効果を高めるうえで不利である。
他方、アーム部材と回転役物とを有する可動役物装置では、回転役物を常時展開状態にしたまま可動役物を退避位置に切換えるため、回転役物を遊技者に目立たないように収納する上で不利である。しかも、展開状態から収納状態に切換え不能の回転役物ではそのサイズが制約され、演出効果を高める上で不利である。
以上のパチンコ遊技機1の作用、効果などについて説明する。
この回転役物装置23においては、回転リング110を静止状態に保持可能であり、回転状態に保持することもできる。回転リング110の内側には空間部があり、この空間部から奥側の画像表示器17の画面のほぼ全体を見ることができる。画面の外周側領域の前側近傍部に配置された大型の回転リング110が回転するため、斬新で躍動的な演出を行うことができる。
回転リング110が静止状態か回転状態かに関わらず、4つの可動役物130を空間部の中心側領域に張出した作動状態に揺動にて切換えることができ、その作動状態から回転リング110に接近する退避位置に揺動にて切換えることができる。
初期状態(原点状態)で見た場合、4つの可動役物130の下の2つの可動役物130(130a,130b)と上の2つの可動役物130(130c,130d)は、夫々独立の電動モータ121で揺動駆動される関係上、下の2つの可動役物130(130a,130b)のみを作動位置に切換えたり、上の2つの可動役物130(130c,130d)のみを作動位置に切換えたり、4つの可動役物130を作動位置に切換えたりすることが可能である。各可動役物130には、複数のLEDが装備され、複数色のカラー光を発光可能になっている。
そのため、可動役物130は退避位置でも先端側の一部が遊技者に見える状態になっているため、退避位置の可動役物130を発光状態に切換えることで、多少の演出を行うこともできる。また、発光状態か未発光状態かによらず、4つの可動役物130を退避位置から作動位置に切換えると、画面の前面側に4つの刀剣状の可動役物130が突如現われるため、演出効果の高い演出を行うことができる。このとき、作動位置に切換える前に発光状態に切換えてもよいし、作動位置に切換えるのと同時に発光状態に切換えてもよいし、作動位置に切換えてから発光状態に切換えてもよい。
4つの可動役物130の発光色は同じでもよいし、第1群の2つの可動役物130(130a,130c)と第2群の2つの可動役物130(130b,130d)を異なる発光色で発光させてもよい。4つの可動役物130を全て異なる発光色で発光させてもよい。
4つの回転役物150は、上記のように展開状態と収納状態に切換え可能であり、展開状態とは、可動役物130が作動位置にあって回転役物150の第1,第2反射部材152,153が対向状態で回転可能な状態である。可動役物130が作動位置の場合、回転役物150を回転停止状態に保持可能である。回転停止状態の4つの回転役物150が回転リング110の内側空間部の中心側領域の大部分を占めるように位置し、これら回転役物150を回転させることで大きな演出効果が得られる。
特に、4つの可動役物130を作動状態且つ発光状態に切り換え、4つの回転役物150を回転状態に切換えると、新鮮味と躍動感のある演出効果の高い演出となる。この状態で、回転リング110を回転させると一層躍動感のある演出効果の高い演出となる。
また、第1群の回転役物150(150A)は、可動役物130の前面側において回転し、第2群の回転役物150(150B)は、可動役物130の背面側において回転するため、第1群の回転役物150(150A)の回転空間と、第2群の回転役物150(150B)の回転空間とが前方から見て部分的にラップする状態になり、4つの回転役物150を配置する上で有利であり、回転リング110の内側空間部の大部分を有効活用して、4つの回転役物150を回転させることができる。
4つの回転役物150を共通のギヤ駆動部162と4組の回転役物駆動部167で回転駆動させるため、回転役物駆動機構160の構造を簡単化できるうえ、4つの回転役物150の回転動作を同期させることができ、4つの回転役物150の演出の一体性を確保することができる。
以上説明したように、このパチンコ遊技機1は、始動条件の成立に基づいた当否抽選を行い、その当否抽選の判定値に基づき複数の可動パターンで所定の役物を可動させて演出を行うと共に、所定条件(例えば、大当り図柄停止など)が成立した場合に遊技者に有利な大当り遊技を提供する遊技機である。
前記所定の役物は、遊技者が略円状に可動している旨を視認可能で、その回転中心側に空間部を有した回転リング110(回転役物本体に相当する)と、前記回転リング110の空間部内側方向へ進出する第1演出を行う可動役物130(第1演出部に相当する)と、複数の可動パターンのうち、その少なくとも一部で第1演出と同期し、可動役物130と少なくとも一部が異なる空間部領域において第1演出と異なる第2演出を行う回転役物150(第2演出部に相当する)を備えている。前記第1演出は、可動役物130を退避位置から作動位置に切換える演出であり、前記第2演出は、回転役物150を回転させる演出である。
前記可動役物130と回転役物150が回転リング110の内側空間部の回転中心方向に進出し第1,第2演出が作動した状態で、回転リング110と可動役物130と回転役物150が一体的に回転可能に構成されている。前記回転役物150の第2演出は、画像表示器17の画面の前方において回転する回転動作を含むものである。
前記のパチンコ遊技機1においては、第1群の可動役物130(130a,130c)には、その前面側において回転する回転役物150(150A)を設け、第2群の可動役物130(130b,130d)には、その背面側において回転する回転役物150Bを設け、第1,第2群の可動役物130を作動位置にして第1,第2群の回転役物150A,150Bを回転させる際には、第1,第2群の回転役物150A,150Bが少なくとも部分的に前後方向にオーバーラップさせた状態で回転させる。そのため、第1,第2群の回転役物150A,150Bを回転させることで、斬新で躍動的な演出を実現できる。しかも、第1,第2群の回転役物150A,150Bが干渉するのを確実に防止できるうえ、干渉防止のために第1,第2群の回転役物150A,150Bのサイズが制約されないから、第1,第2群の回転役物150A,150Bのサイズを大きくして演出効果を高める上で有利である。
上記の構成の変更形態として、少なくとも1つの可動役物を設け、この可動役物にその前面側で回転する第1回転役物を設けると共にその背面側で回転する第2回転役物を設けてもよい。この場合、回転役物が相互に干渉しないように周方向に例えば120°おきに配置した3つの可動役物を設け、それら可動役物の各々に前面側の回転役物と背面側の回転役物を設けてもよい。
また、第1,第2群の可動役物130が、同一の鉛直面内で作動位置と退避位置とに亙って位置切り換え可能に構成してあるため、第1,第2群の可動役物130を支持し且つ駆動する為の機構を簡単化することができる。
また、パチンコ遊技機1は、センタ役物に含まれる画像表示器17を備えており、前記4つの回転役物150は前記画像表示器17の画面の前方空間において回転するように構成されている。それ故、画面に表示される演出と関連付けて、4つの回転役物150を回転させる演出を行うことができる。
このパチンコ遊技機1は、遊技者による所定の操作を受付け可能な操作手段6を備え、始動条件の成立に基づいた当否抽選の内容に基づいて各種遊技の分岐を演出する分岐演出手段234を備え、分岐演出では、操作手段6の操作指示表示が画面への表示により行われ、分岐演出で操作手段6が操作されなかった場合に、最終結果示唆タイミングで回転リング110(回転役物本体)と可動役物130(第1演出部)と回転役物150(第2演出部)とが一体的に回転可能に構成され、例えば、分岐演出で操作手段6が操作された場合よりも、回転リング110と可動役物130と回転役物150とが一体的に作動する割合が高く設定されている。
各種遊技の分岐とは、ステップアップする否かの煽り演出、リーチ図柄停止か否かの煽り演出、大当りか否かの煽り演出、ラウンド昇格するか否かの煽り演出、確変昇格するか否かの煽り演出等のことである。この分岐演出では、操作手段6の操作指示表示が行われ、分岐演出で操作手段6が操作されなかった場合には、最終結果示唆タイミングで回転リング110と可動役物130と回転役物150とを一体的に回転させることで、各種遊技の分岐の演出を効果的に行うことができる。
このパチンコ遊技機1は、始動条件の成立に基づいた当否抽選を行い、その当否抽選の判定値に基づき複数の可動パターンで所定の可動役物(回転役物装置23)を可動させて演出を行うと共に、所定条件が成立した場合に遊技者に有利な大当り遊技を提供する。そして、可動役物130に対して回転可能で且つ収納状態と展開状態とに変化可能な回転役物150を設けている。それ故、収納状態から展開状態へ切換える動作が演出効果の高い演出となるうえ、回転役物150を目立たないように収納する上で有利である。
回転役物150を展開状態に付勢する前記引っ張りバネ156(付勢手段に相当する)を設け、回転役物150を展開状態から収納状態に変化させる際に、その回転役物150を可動に支持する回転リング110(ベース部材に相当する)に、回転役物150のピン部152cを受止めて展開状態から収納状態に変化させる役物操作部113c,111f(役物誘導部に相当する)を設けたため、回転役物150を展開状態と収納状態とに亙って切換える切換え機構を可動役物130に設ける必要がなく、可動役物130と回転役物150の構造を簡単化することができる。
前記回転役物装置23を部分的に変更する変更形態について説明する。
1)本発明はパチンコ遊技機以外の、例えば、回転リール式遊技機(スロットマシン)にも適用することができる。その場合、3つの回転リールの上方に配設された画像表示器の画面の外周側領域の前面近傍部材に前方から視て画面を囲む状態の回転役物装置として構成するものとする。
2)前記可動役物130及び回転役物150の数は4つに限らず、3つでもよく2つでもよい。
3)回転リング110の構造は前記実施例のものに限定されず、種々の構造を採用可能である。回転リング110のサイズも画像表示器17の画面のサイズに対応するように適宜変更可能である。
可動役物130及び回転役物150の形状と構造も前記実施例のものに限定される訳ではない。
4)回転リング110の全体を遊技者から視認可能に構成してもよく、その場合回転リング110に複数のLEDを組み込み、発光可能な回転リングに構成してもよい。
5)第1群の可動役物130a,130cにのみ回転役物150を設け、第2群の可動役物130b,130dの回転役物150は省略してもよい。
6)回転役物150にLEDを組み込み、発光型の回転役物としてもよい。
図43に示すように、遊技制御基板31の主にコンピュータ(主制御部)により、図示の各手段200〜207,210〜217,220が構成されている。特図カウンタ手段200は、大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。
特図取得手段201は、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段200により更新された大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を1組の第1特図判定情報として取得し、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段200により更新された大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を1組の第2特図判定情報として取得する。
特図保留記憶手段202は、特図取得手段201により取得され且つ特図判定手段204の大当り判定手段204aによる判定に供していない第1,第2特図判定情報を夫々4個まで、つまり特図判定情報を合計8個まで記憶(保留)可能であり、特図保留記憶手段202に記憶されている第1特図判定情報の数が第1特図保留数となり、特図保留記憶手段202に記憶されている第2特図判定情報の数が第2特図保留数となる。
特図保留消化手段203は、特図保留記憶手段202に記憶されている特図判定情報を、特別図柄の変動開始毎に順次1ずつ大当り判定手段204aによる判定に供して特図保留記憶手段202から消去(保留消化)する。その際、特図保留記憶手段202に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段202に記憶された順番(即ち、特図取得手段201により取得された順番)で消化し、但し、特図保留記憶手段202に第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報を第1特図判定情報よりも優先して消化する。
特図判定手段204においては、大当り判定手段204aが、特図取得手段201により取得され特図保留記憶手段202に記憶された特図判定情報、詳しくは特図保留消化手段203により消化された当該特図判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定し、特別遊技を行うと判定すると、図柄判定手段204bが、その特別遊技における第1,第2大入賞口13a,14a及び特定領域SW14gの開放パターンを判定する。
具体的に、先ず、大当り判定手段204aは、当該特図判定情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技を行うか否かを判定する。この場合、後述の「低確・非時短状態」又は「低確・時短状態」が設定されているときには、図44に示す低確テーブルを用いて、大当り判定値が約1/300の割合で大当り特定値(3,247・・・)の何れかと一致すると、特別遊技を行うと判定し、後述の「高確・時短状態」が設定されているときには、図44に示す高確テーブルを用いて、大当り判定値が約1/68の割合で大当り特定値(3,7・・・)の何れかと一致すると、特別遊技を行うと判定する。
図柄判定手段204bは、大当り判定手段204aにより特別遊技を行うと判定されると、当該特図判定情報の図柄判定値に基づいて、複数の大当り図柄(図45に示す大当り図柄1〜3)の何れか1つを選択し、特別遊技を行わないと判定されると、ハズレ図柄を選択する。大当り図柄の選択について、当該特図判定情報が第1特図判定情報の場合、図45に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、第2特図判定情報の場合、図45に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
特図表示制御手段205は、特図判定手段204による判定結果に基づいて、特図保留消化手段203により第1特図判定情報が消化されたことを契機に、第1特図表示器29aに第1特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させ、特図保留消化手段203により第2特図判定情報が消化されたことを契機に、第2特図表示器29bに第2特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。この判定図柄として、大当り判定手段204aにより特別遊技を行うと判定されると、図柄判定手段204bにより選択された大当り図柄1〜3の何れかを停止表示させ、特別遊技を行わないと判定されると、ハズレ図柄を停止表示させる。
特別遊技実行手段206は、大当り判定手段204aにより特別遊技を行うと判定された場合、特図表示制御手段205により、当該判定結果を示す判定図柄(図柄判定手段204bにより選択された大当り図柄1〜3の何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで第1,第2大入賞口13a,14a及び特定領域SW14gを開放する遊技者に有利な特別遊技を行う。
つまり、このパチンコ遊技機1は、始動条件の成立に基づいた当否抽選(特図判定情報の取得、その特図判定情報に基づく特別遊技を行うか否かの判定)を行い、その当否抽選の判定結果(判定値)に基づいて、特別遊技を行うと判定(所定の条件が成立)した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を提供するものである。
図46に示すように、大当り図柄1が停止して行われる特別遊技1、大当り図柄2が停止して行われる特別遊技2は、第1,第2大入賞口13a,14aの何れかを開放するR遊技(Rは「ラウンド」を意味する)を1R〜8R有し、そのうちの1R〜7Rの各Rが第1大入賞口13aを開放する通常R、8Rが第2大入賞口14aを開放する特定Rになる。大当り図柄3が停止して行われる特別遊技3は、R遊技を1R〜16R有し、そのうちの1R〜7R,9R〜15Rの各Rが通常R、8Rと16Rの各Rが特定Rになる。特別遊技1,2,3の通常Rは、第1大入賞口13aを開放して開始後、第1大入賞口13aに10個の遊技球が入賞する、或いは30秒経過すると、第1大入賞口13aを閉塞して終了する。
図47(1)に示すように、特別遊技1の特定Rは、第2大入賞口14aを開放して開始後、第2大入賞口14aに10個の遊技球が入賞する、或いは0.1秒経過すると、第2大入賞口14aを閉塞して終了し、その特定Rにおいて、第2大入賞口14aの開放時から0.8秒後に特定領域14fを開放させ、第2大入賞口14aの閉塞時から0.8秒後に特定領域14fを閉塞させる。また、図47(2)に示すように、特別遊技2,3の特定Rは、第2大入賞口14aを開放して開始後、第2大入賞口14aに10個の遊技球が入賞する、或いは30秒経過すると、第2大入賞口14aを閉塞して終了し、その特定Rにおいて、第2大入賞口14aの開放時から0.8秒後に特定領域14fを開放させ、第2大入賞口14aの閉塞時から0.8秒後に特定領域14fを閉塞させる。
「右打ち」を行うことにより、特別遊技1では、例えば約875個の遊技球を獲得でき、特別遊技2では、例えば約1000個の遊技球を獲得でき、特別遊技3では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、そして、特別遊技1では、遊技球が特定領域14fを通過する可能性が極めて低くなり、特別遊技2,3では、遊技球が特定領域14fを通過する可能性が極めて高くなる。
確率設定手段207は、大当り判定手段204aにより大当り遊技を行うと判定される大当り確率を、図44に示す低確テーブルを用いて低確率(約1/300)又は図44に示す高確テーブルを用いて低確率よりも高い高確率(約1/68)に設定する。
一方、普図カウンタ手段210は、当り判定値を設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。普図取得手段211は、普図保留数が4未満のときに、遊技球がゲート12を通過すると普図始動条件が成立して、普図カウンタ手段210により更新された当り判定値を普図判定情報として取得する。普図保留記憶手段212は、普図取得手段211により取得され且つ普図判定手段214による判定に供していない普図判定情報を4個まで記憶(保留)可能であり、普図保留記憶手段212に記憶されている普図判定情報の数が普図保留数となる。
普図保留消化手段213は、普図保留記憶手段212に記憶されている普図判定情報を、普通図柄の変動開始毎に順次1ずつ普図判定手段214による判定に供して普図保留記憶手段212から消去(保留消化)する。その際、普図保留記憶手段212に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段212に記憶された順番(即ち、普図取得手段211により取得された順番)で消化する。
普図判定手段214は、普図保留記憶手段212に記憶された普図判定情報、詳しくは普図保留消化手段213により消化された当該普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。普図表示制御手段215は、普図判定手段214による判定結果に基づいて、普図保留消化手段213により普図判定情報が消化されたことを契機に、普図表示器29cに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。この判定図柄として、普図判定手段214により補助遊技を行うと判定されると、当り図柄を停止表示させ、補助遊技を行わないと判定されると、ハズレ図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段216は、普図判定手段214により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段215により、当該判定結果を示す判定図柄(当り図柄)が停止表示された後、第2始動口11aを開放する補助遊技を行う。作動モード設定手段217は、図48に示すように、第2始動口作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードを設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段214により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示制御手段215により普通図柄が変動表示される普図変動時間が12秒、補助遊技実行手段216による補助遊技において第2始動口11aを開放する第2始動口開放パターンが0.1秒×1回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10、普図変動時間が0.5秒、第2始動口開放パターンが2.0秒×3回に設定される。
遊技状態制御手段220は、複数の遊技状態(図49に示す「低確・非時短状態」「低確・時短状態」「高確・時短状態」)の何れか1つを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には「低確・非時短状態」を設定する。
図49に示すように、「低確・非時短状態」又は「低確・時短状態」が設定された場合、確率設定手段207により低確率が設定され、「高確・時短技状態」が設定された場合、確率設定手段207により高確率が設定される。また、「低確・非時短状態」が設定された場合、作動モード設定手段217により低作動モードが設定され、「低確・時短状態」又は「高確・時短状態」が設定された場合、作動モード設定手段217により高作動モードが設定される。
図50に示すように、遊技状態制御手段220は、特別遊技実行手段206により特別遊技が行われているときに、「低確・非時短状態」で遊技を設定するが、特別遊技の終了後、当該特別遊技において第2大入賞口14aに入賞した遊技球が特定領域14fを通過している(即ちV入賞有となる)と、「高確・時短状態」を設定し、その後、特別遊技が行われないで特別図柄の特図変動回数が110回に達すると、「高確・時短状態」から「低確・非時短状態」へ変更設定する。また、特別遊技の終了後、当該特別遊技において第2大入賞口14aに入賞した遊技球が特定領域14fを通過していない(即ちV入賞無となる)と、「低確・時短状態」を設定し、その後、特別遊技が行われないで特図変動回数が100回に達すると、「低確・時短状態」から「低確・非時短状態」へ変更設定する。
図43に示すように、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35のコンピュータ等により、遊技演出を演出手段240(画像表示装置17、上可動役物装置20、下可動役物装置21、可動表示役物装置22、回転役物装置23、スピーカ37、ランプ38a,38b)に行わせる演出制御手段230が構成され、その演出制御手段230は、図柄変動演出制御手段231、特別遊技演出制御手段232、役物制御手段233、分岐演出手段234を備えている。
図柄変動演出制御手段231は、特図判定手段204による判定結果に基づいて、特図表示制御手段205により特別図柄が変動表示されているときに、図51(1)に示す複数の図柄変動演出(図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択した図柄変動演出を行わせる。各図柄変動演出は、通常ハズレ図柄変動演出、リーチハズレ図柄変動演出、当り図柄変動演出の何れかに分類され、特図判定手段204による判定結果(特別遊技を行うと判定された大当り期待度)を示唆するように行われる。
例えば、図52に示すように、図柄変動演出では、画像表示装置17に3つの図柄表示部17aが設定され、これら図柄表示部17aに、(1)3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動表示された後、先ず、(2)左演出図柄「X」が停止表示され、次に、(3)右演出図柄「Y」が停止表示され、最後に、(4)中演出図柄「Z」が停止表示され、これら3つの停止演出図柄「XZY」が、特図判定手段204による判定結果を示す組み合わせ態様になる。
例えば、通常ハズレ図柄変動演出では、(2)(3)左演出図柄「X」と右演出図柄「Y」が揃わないように変動停止して非リーチ状態になり、その後、発展演出が行われることなく、(4)中演出図柄「Z」が変動停止する。例えば、リーチハズレ図柄変動演出、当り図柄変動演出では、(2)(3)左演出図柄「X」と右演出図柄「Y」が揃うように変動停止してリーチ状態になり、その後、発展演出が行われ、その発展演出の終了を以て、リーチハズレ図柄変動演出では、中演出図柄「Z」が変動停止している演出図柄「X」「Y」と揃わないように変動停止し、当り図柄変動演出では、中演出図柄「Z」が変動停止している演出図柄「X」「Y」と揃うように変動停止する。
特別遊技演出制御手段232は、特別遊技実行手段206により特別遊技が行われているときに、図51(2)に示す複数の特別遊技演出(特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択した特別遊技動演出を行わせ、その特別遊技の最後に、図51(3)に示す複数のエンディング演出(エンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択したエンディング演出を行わせる。
役物制御手段233は、図柄変動演出制御手段231により行われている特定の図柄変動演出において、特図判定手段204による判定結果(大当り期待度)を示唆するように、或いは、特別遊技演出制御手段232により行われている特定の特別遊技演出や特定のエンディング演出において、上可動役物装置20、下可動役物装置21、可動表示役物装置22、回転役物装置23の少なくとも1つを作動させるように制御する。
役物制御手段233は、回転役物装置23の制御に関して、始動条件の成立に基づいた当否抽選(特図判定手段204による判定)の結果(判定値)に基づいて、複数の可動パターンで回転役物装置23(回転リング110、4つの可動役物130、4つの回転役物150の少なくとも1つ)を可動させて演出を行わせ得るように構成してある。
例えば、図53に示すように、回転役物装置23の複数の可動パターンは、回転リング110と回転役物150を停止させた状態で可動役物130を動作させる可動パターン1、回転役物150を停止させた状態で回転リング110と可動役物130を動作させる可動パターン2、回転リング110を停止させた状態で可動役物130と回転役物150を動作させる可動パターン3、回転リング110と可動役物130と回転役物150を動作させる可動パターン4を含む。
具体的に、可動パターン1では、4つの可動役物130が退避位置→作動位置→退避位置へと移動し、この可動パターン1において、4つの可動役物130が作動位置にあるときに回転リング110が回転するのが可動パターン2である。また、可動パターン1において、4つの可動役物130が作動位置にあるときに4つの回転役物150が回転(自転)するのが可動パターン3であり、更に、回転リング110が回転するのが可動パターン4である。
可動パターン1〜4において、4つの可動役物130が回転リング110の空間部内側方向へ進出する演出が第1演出であり、可動パターン3,4(複数の可動パターンの少なくとも一部)において、4つの回転役物150が第1演出と同期し(つまり4つの可動役物130が作動位置にあるときに)、4つの回転役物150の少なくとも一部が回転リング110の内側の4つの可動役物130と異なる空間領域部において回転する演出が第2演出である。
分岐演出手段234は、図柄変動演出制御手段231又は特別遊技演出制御手段232により、回転役物装置23が作動可能な特定の図柄変動演出又は特別遊技演出が行われているときに、当否抽選の内容(特図判定手段204による判定の結果)に基づいて各種遊技の分岐(つまり、図柄変動演出又は特別遊技演出等の遊技演出の分岐)を演出する分岐演出を、回転役物装置23が作動するまでに行わせる。
ここで、分岐演出としては、図柄変動演出において演出内容がステップアップする(より大当り期待度が高い演出内容に切換わる)か否かを煽る演出、図柄変動演出においてリーチ状態にするか否かを煽る演出、図柄変動演出において大当りを確定させるか否か(例えば、停止演出図柄「XZY」をゾロ目で停止させるか否か)を煽る演出、大当りが確定している図柄変動演出又は特別遊技演出においてラウンド昇格するか否か(例えば、8Rの大当り遊技か16Rの大当り遊技か)を煽る演出、大当りが確定している図柄変動演出又は特別遊技演出において確変昇格するか否か(例えば、当該大当り遊技終了後に「低確・時短状態」になるか「高確・時短状態」になるか)を煽る演出、等が挙げられる。
演出操作装置6が遊技者による所定操作を受付け可能な操作手段に相当し、前記分岐演出では、図54に示すように、画像表示装置17に、その分岐演出の画像が表示されると共に、演出操作装置6の演出ボタンSW6aの操作指示表示が行われる。
ここで、図55(1)に示すように、例えば、分岐演出の開始時から分岐演出が最大限行われ得るまでの間、演出ボタンSW6aの操作有効期間が設定され、前記の各種煽りの対象となる事象が有利な方となる場合、図55(2)に示すように、演出ボタンSW6aが操作有効期間内に操作されると、その操作時に回転役物装置23が作動し、図55(3)に示すように、演出ボタンSW6aが操作有効期間内に操作されないと、操作有効期間の終了時となる最終結果示唆タイミングで回転役物装置23が作動する。
ここでの回転役物装置23の作動は、図53に示す可動パターン4で行われる。つまり、回転リング110と4つの可動役物130と4つの回転役物を一体的に回動させるが、詳細には、前記のように、4つの可動役物130が退避位置→作動位置→退避位置へと移動し、4つの可動役物130が作動位置にあるときに回転役物150を回転(自転)させ、更に、回転リング110を回転させる。尚、図53に示す可動パターン3で回転役物装置23を作動させてもよい。ここで、分岐演出で演出ボタンSW6aが操作されなかった場合、操作された場合よりも、最終結果示唆タイミングで回転リング110と可動役物130と回転役物150とが一体的に作動する割合を高く設定することができる。
役物制御手段233は、可動表示役物装置22の制御に関して、特図判定手段204による判定結果に基づいて、図柄変動演出の進行、更には図柄変動演出中の演出操作装置6を用いた所定操作に応じて、3つの可動表示役物76,77,78を一体的に上下移動させたり、待機位置又は作動位置に移動停止させたり、3つの可動表示役物76,77,78を同期して回転又は回転停止させたりして、演出を行わせ得るように構成してある。
具体的に、図56に示すように、特定の発展演出が行われているとき、決められた設定期間に、可動表示役物装置22の作動、及び所謂カットイン演出の実行を、遊技者に開始させ得る操作指示表示が行われる。ここで、図59(1)に示すように、前記設定期間の開始時から一定期間、操作有効期間が設定され、図59(2)示すように、この操作有効期間内に演出操作装置6の演出ボタンSW6aが操作されると、可動表示役物装置22が作動し、この可動表示役物装置22の作動に同期してカットイン演出が行われる。
具体的に、前記操作有効期間内に演出ボタンSW6aが操作されると、図57に示すように、3つの可動表示役物76,77,78が回転しながら待機位置(図56参照)から上昇し、図58に示すように、3つの可動表示役物76,77,78が作動位置(画像表示装置17の左右方向中央部分の下半部前側)に到達すると、3つの可動表示役物76,77,78が回転停止すると共に、画像表示装置17(例えば、3つの可動表示役物76,77,78の上側に対応する画面部分)にカットイン演出が表示される。
ここで、3つの可動表示役物76,77,78は、第1の表示面76a,77a,78aを前向きにして、それら表示面で例えば「□」を表示させる第1の表示位置(図17)と、第2の表示面76b,77b,77bを前向きにして、それら表示面で例えば「△」を表示させる第2の表示位置(図20)と、第3の表示面76c,77c,78cを前向きにして、それら表示面で例えば「○」を表示させる第3の表示位置(図23)の何れかの表示位置に、特図判定手段204による判定結果に応じて回転停止する。
カットイン演出は、3つの可動表示役物76,77,78の表示位置(第1,第2,第3の何れかの表示位置)に対応する表示態様、つまり3つの可動表示役物76,77,78による表示(「□」「△」「○」の何れか)に対応する表示態様であって、結局は特図判定手段204による判定結果に応じた表示態様で画像表示装置17に表示される。
具体的に、図60に示すように、表示「□」に対応する表示態様Aでは、青色エフェクトのカットイン演出が表示され、表示「△」に対応する表示態様Bでは、紫色エフェクトのカットイン演出が表示され、表示「○」に対応する表示態様Cでは、赤色エフェクトのカットイン演出が表示され、大当り期待度は、表示態様Aのカットイン演出(表示「□」)よりも、表示態様Bのカットイン演出(表示「△」)方が高く、それよりも、表示態様Cのカットイン演出(表示「○」)方が高くなるようにしている。
以上説明したパチンコ遊技機1の全体的な作用・効果について説明する。
「低確・非時短状態」が設定されているときには、遊技者は「左打ち」により遊技を行い、この「左打ち」により第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定情報が取得され特図保留記憶手段202に記憶される。「低確・時短状態」又は「高確・時短状態」が設定されているときには、遊技者は「右打ち」により遊技を行い、この右打ちにより第2始動口11aを狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段202に記憶される。
また、遊技者は「右打ち」によりゲート12を狙うことができ、普図保留数が4未満のときに、遊技球がゲート12を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段212に記憶される。ここで先ず、普図保留記憶手段212に記憶された普図判定情報は普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)され、この普図判定情報の消化により当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器29cに当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
「低確・時短状態」又は「高確・時短状態」が設定されている場合、補助遊技作動モードとして高作動モードが設定され、「右打ち」を行って第2始動口11aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、「右打ち」により所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。但し、「低確・非時短状態」が設定されている場合、「右打ち」を行っても第1始動口10への遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、補助遊技作動モードとして低作動モードが設定され、第2始動口11aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、「左打ち」により所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行うことになる。
次に、特図保留記憶手段202に記憶された特図判定情報は特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されるが、その際、特図保留記憶手段202に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得された順番で消化され、但し、第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報が第1特図判定情報よりも優先消化される。この特図判定情報の消化により大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特図表示器29a,29bcに大当り図柄が変動停止後、第1,第2大入賞口13a,14aが開放する特別遊技が発生する。
特別遊技が発生すると、遊技者は「右打ち」により第1,第2大入賞口13a,14aを狙うことができる。特別遊技1,2では、1R〜8RのR遊技が行われ、1R〜7Rの通常Rでは第1大入賞口13aが開放し、8Rの特定Rでは第2大入賞口14aが開放し、特別遊技3では、1R〜16RのR遊技が行われ、1R〜7R,9R〜15Rの通常Rでは第1大入賞口13aが開放し、8R,16Rの特定Rでは第2大入賞口14aが開放する。
特別遊技1では、8Rの特定Rで第2大入賞口14aが短期開放して、例えば約875個の遊技球を獲得でき、その第2大入賞口14aが短期開放に伴って、特定領域14fも短期開放となるため、遊技球が特定領域14fを通過する可能性が極めて低くなり、特別遊技1の終了後は「低確・時短状態」が設定される。
一方、特別遊技2では、8Rの特定Rで第2大入賞口14aが長期開放して、例えば約1000個の遊技球を獲得でき、特別遊技3では、8Rと16Rの特定Rで第2大入賞口14aが長期開放して、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、その第2大入賞口14aが長期開放に伴って、特定領域14fも長期開放となるため、遊技球が特定領域14fを通過する可能性が極めて高くなり、特別遊技2,3の終了後は「高確・時短状態」が設定される。
一方、特別図柄が変動表示されているときには図柄変動演出が、また、特別遊技が行われているときには特別遊技演出とエンディング演出が、夫々、画像表示装置17での表示を主体に行われ、遊技性並びに遊技興趣が高められ、更に、特定の図柄変動演出において、大当り抽選の結果(大当り期待度)を示唆するように、或いは、特定の特別遊技演出や特定のエンディング演出において、上可動役物装置20、下可動役物装置21、可動表示役物装置22、回転役物装置23の少なくとも1つが作動して、演出効果が高められる。
上可動役物装置20、下可動役物装置21、可動表示役物装置22、回転役物装置23の各々について、例えば、図柄変動演出において、動作した場合に動作しなかった場合よりも「大当り」と判定された大当り期待度が高くなるように、また、その動作態様によって大当り期待度が異なるようにして、演出効果を一層高めることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、種々のパチンコ遊技機等の遊技機に本発明を適用可能である。例えば、スロットマシン(回胴遊技機)は、パチンコ遊技機と同じように、始動条件の成立に基づいた当否抽選(判定情報の取得、その判定情報に基づく特別遊技を行うか否かの判定)を行い、その当否抽選の判定結果(判定値)に基づいて、特別遊技を行うと判定(所定の条件が成立)した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を行うものであるが、そのスロットに本発明を適用することもできる。