JP6132210B2 - 繊維質を含有する被削材用の回転切削工具 - Google Patents

繊維質を含有する被削材用の回転切削工具 Download PDF

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本発明は、窯業系外装材など繊維質を含有する被削材の切削加工に好適な回転切削工具に関するものである。
脆い窯業系外装材をクラック、バリ、欠け等を生じさせずに安定して加工でき、寿命にも優れる回転切削工具として特許文献1には、本体の外周に設ける切れ刃を特定組成の高強度超高圧ダイヤモンド焼結体で形成し、切れ刃のくさび角を65°〜45°の範囲に設定し、外周逃げ角を一般的な工具より大きくしたものが開示されている。このものは、切れ刃を形成する高強度超高圧ダイヤモンド焼結体を特定組成にするとともに、切れ刃のくさび角に着目して、窯業系外装材のクラック、バリ、欠け等の発生を防止しようとするものである。
ところで、窯業系外装材にはセメント質やガラス質などの硬質成分の他に比重を下げたり補強材としてパルプなどの繊維質を相当量含有している。かかる繊維質は回転カッターのチップの切れ刃によって切断され難く、切れ刃の磨耗を促進するように作用をする。チップの切れ刃が磨耗してくると、切削面が黒光りしてきて平滑面となる。
外装材は、その表面に切削加工を施した後、塗料の接着性を高めるためシーラーを塗布し、その上に塗料を塗って仕上げるが、切削面が黒光りした平滑面になると、シーラー液が切削面に浸透し難くなり、その後に塗料を塗布しても、乾燥すると塗膜が剥がれて不良となる。このため、切削面が黒光りし始める段階で回転カッターの使用限界となり、回転カッターを交換する必要がある。また、使用限界となった回転カッターは、チップの再研磨が必要となる。
このように、繊維質を含有する被削材の切削加工において、切削刃による繊維質の切断を容易にし切削刃の磨耗を抑制できれば、回転カッターの寿命が延び、延いてはランニングコストの低減になる。
特開2001−1209号公報
そこで、本発明の目的は、繊維質を含有する被削材の切削加工において、切削刃による繊維質の切断を容易にし、切削刃の磨耗を抑制して切削刃の超寿命化を可能とする回転切削工具を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による繊維質を含有する被削材用の回転切削工具は、回転基板の外周に円周方向に所定ピッチで複数の刃台を設け、各刃台の回転面側に切削刃となる硬質のチップを接合してなり、該チップの切れ刃部にチップの幅方向に多数のエッジを設けてなる繊維質を含有する被削材用の回転切削工具であって、前記チップは超硬合金層の正面側に多結晶ダイヤモンド層を一体に有するチップであり、前記被削材は繊維質を含有する窯業系外装材であり、前記回転切削工具は切削面を残して切削加工する回転カッターであること、を特徴としている。
ここで、チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップのすくい面に縦方向に延びる溝を形成することにより設けることができる。
また、チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの逃げ面に周方向に延びる溝を形成することにより設けることができる。
また、チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの切れ刃に傾斜溝を形成することにより設けることができる。
また、チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの基部を残して縦方向に延びるスリットを形成することにより設けることができる。
また、チップの切れ刃部に設けるエッジは、細く切断したチップを所定の隙間を保持して刃台に接合することにより設けることができる。
溝を隔てて隣り合うエッジ間の距離は、0.2〜0.6mmの範囲が好ましい。
本発明による繊維質を含有する被削材用の回転切削工具によれば、チップの切れ刃部にチップの幅方向に多数のエッジを設けてなるので、該エッジ部で窯業系外装材に含有する繊維質が容易に切断されることになる。このため、チップの切れ刃の磨耗が抑制され、切れ刃の超寿命化が可能となる。
チップの切れ刃部に設けるエッジを、チップのすくい面に縦方向に延びる溝を形成することにより設けたものとすれば、回転切削工具の切削刃(チップ)を外周側から再研磨すると、エッジがそのまま残ることになる。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。
チップの切れ刃部に設けるエッジを、チップの逃げ面に周方向に延びる溝を形成することにより設けたものとすれば、チップの厚さ分だけの短い距離を溝加工すればよいので、溝加工時間が短くて済む。ただ、回転切削工具の切削刃(チップ)を外周側から再研磨すると、エッジ部が研磨されてしまうことになる。このため、再研磨の都度、逃げ面側に周方向に延びる溝加工を施すことが必要となり、再研磨の際にコストアップとなる。
チップの切れ刃部に設けるエッジを、チップの先端切れ刃に傾斜溝を形成することにより設けたものとすれば、チップの先端切れ刃部にのみ溝加工すればよいので、溝加工時間が短くて済む。ただ、回転切削工具の切削刃(チップ)を外周側から再研磨すると、エッジが研磨されてしまうことになる。このため、再研磨の都度、チップの切れ刃部に傾斜溝の溝加工を施すことが必要となり、再研磨の際にコストアップとなる。
チップの切れ刃部に設けるエッジを、チップの基部を残して縦方向に延びるスリットを形成することにより設けたものとすれば、回転切削工具の切削刃(チップ)を外周側から再研磨すると、エッジがそのまま残ることになる。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。ただ、チップにスリットを形成するには、チップの厚さ分だけ貫通させてスリットを形成しなければならないので、スリット形成工程にコストがかかることになる。
チップの切れ刃部に設けるエッジを、細く切断したチップを所定の隙間を保持して刃台に接合することにより設けたものとすれば、回転切削工具の切削刃(チップ)を外周側から再研磨すると、エッジがそのまま残ることになる。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。ただ、細く切断したチップを所定の隙間を保持して刃台に接合するには熟練を要し、製造コストがアップする。
溝を隔てて隣り合うエッジ間の距離は、0.2〜0.6mmの範囲が好ましい。距離が短かすぎるとエッジの溝加工が困難となり、距離が長すぎると切れ刃部に設けることができるエッジの数が不足しエッジを設けたことによる効果が不十分となる。
実施例1の回転カッターの説明図で、(a)は正面図、(b)は被削材の切削部を示す説明図、(c)は側面図である。 比較例1の回転カッターによる切削加工の様子を示す説明図で、(a)は斜視図、(b)は要部側面図である。 実施例1の回転カッターによる切削加工の様子を示す説明図で、(a)は斜視図、(b)は要部側面図である。 実施例1の回転カッターの説明図で、(a)はチップ周辺部の要部拡大斜視図、(b)はエッジ部(溝)の拡大断面図である。 実施例2の回転カッターの説明図で、(a)はチップ部周辺の要部拡大斜視図、(b)はエッジ部(溝)の拡大断面図である。 実施例3の回転カッターの説明図で、(a)はチップ部周辺の要部拡大斜視図、(b)はエッジ部(溝)の拡大断面図である。 実施例4の回転カッターの説明図で、(a)はチップ部周辺の要部拡大斜視図、(b)はエッジ部(スリット)の拡大断面図である。 実施例5の回転カッターの説明図で、(a)はチップ部周辺の要部拡大斜視図、(b)はエッジ部(隙間)の拡大断面図である。 実施例1の回転カッターにおける再研磨の様子を示す説明図である。 実施例4の回転カッターにおける再研磨の様子を示す説明図である。 実施例3の回転カッターにおける傾斜溝部の説明図で、(a)はチップの切れ刃部の拡大正面図、(b)はB−B断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。以下の説明では、繊維質を含有する被削材としてパルプ繊維を含有する窯業系外装材、回転切削工具を回転カッターとした場合を例として説明する。
本発明の実施例による窯業系外装材切削用の回転カッターは、円板状の台金(回転基板)2の外周に鋸歯状の刃台3を円周方向に所定ピッチで形成し、各刃台3の回転面側に側面視L字状に切り欠いた載置部4を形成し、該載置部4に超硬合金層5の正面側に多結晶ダイヤモンド層6を一体に有するチップ7を接合してなり、該チップ7の切れ刃部10にチップ7の幅方向に多数のエッジ11を設けてなるものである。
各刃台3に接合されるチップ7は、超硬合金からなる基材5に多結晶ダイヤモンド層6を形成した超高圧焼結体の一体物からなるワンチップ構造をなし、この一体物からなるチップ7の多結晶ダイヤモンド層6がすくい面8を構成する。
そして、本発明の実施例1による回転カッター1は、チップ7のすくい面8に縦方向に延びる溝9を多数形成することにより、チップ7の切れ刃部10に多数のエッジ11を設けたものである。この溝9は、放電加工(ワイヤ放電加工)又はレーザー加工により形成する。溝9の断面は図4(b)に示すように円弧状となっている。溝9の幅は0.2〜0.6mmの範囲が好ましい。溝9の深さは特に限定されないが、例えば、0.2〜0.4mm程度である。
溝9は、チップ7の幅方向に等ピッチ又は不等ピッチで形成してある。平刃10aにおける溝のピッチは2mm、傾斜刃10bでは1.5mm、平刃10aと傾斜刃10bとの境界では3mmとなっている。この数値は例示であり、適宜変更可能である。
図において、溝9は縦方向に10本形成してある。溝9の幅方向の両端がエッジ11,11となるので、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)には2倍の20箇所のエッジ11が切れ刃10の幅方向に形成されることになる。
なお、図に示した回転カッター1は、窯業系外装材の表面に図3(a)、図1(b)に示すような溝12を形成するためのストライプカッターである。
被削材として幅460mm、長さ3030mm、厚さ15mmの窯業系外装材13を用い、回転カッターとして外径200mmφ、刃数8、すくい角10°、チップ幅21mm、傾斜刃10bの傾斜角60°、平刃10aの幅14mmの回転カッターを用い、チップ7のすくい面8に溝9を形成しない従来の回転カッター(図2(a))を比較例1の回転カッター30とし、チップ7のすくい面8に縦方向に溝9を形成した図1、図3(a)に示した回転カッターを実施例1の回転カッター1とし、回転カッターの回転数3600rpm、被削材13の送り速度40m/分で、被削材13表面の切削加工の比較試験を行った。
その結果、比較例1の回転カッター30では、約8000枚で切削加工面が黒光りし始め切削限界となった(図2(a))。これに対し、実施例1の回転カッター1では、約23000枚まで切削加工が可能であった。即ち、約3倍も回転カッターの寿命が延びたことになり、切れ刃10に多数のエッジ11を設けたことによる効果は極めて顕著であった。なお、切削限界における切れ刃10の磨耗量は、比較例1の回転カッター30では0.14mm、実施例1の回転カッター1では0.18mmであった。実施例1の回転カッター1は比較例1の回転カッター30より約1.3倍多く磨耗するまで切削加工が可能になったことになる。
窯業系外装材(被削材)13に含まれるパルプ繊維は可撓性で破砕され難く、セメント質やガラス質などの硬質成分は研磨剤の作用をもち、回転カッターによる被削材13の切削工程において、被削材13が切れ刃10を言わばバフ研磨している如く作用する。このため、切れ刃10の磨耗が進行し易くなる。また、切れ刃10が被削材13に全線(全面)当たりするため、切削抵抗も大きくなる。このように、比較例1の回転カッター30では、切削抵抗も大きく、また切れ刃10(10a,10b)の磨耗も早く進行する。
図2(a)において、斜線部31は切削面14が黒光りしている様子を示している。図2(b)では、切れ刃10(10a)が繊維質を擦っている様子(繊維が切れ刃10(10a)に擦られて切削面14に付着するため繊維の様子が表れない)を示している。
これに対し、実施例1の回転カッター1では、チップ7のすくい面8に縦方向に延びる溝9(チップ7の幅方向の10箇所に縦方向に延びる溝9)を多数形成してある。従って、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の20箇所にエッジ11を設けたことになる。切れ刃10(10a,10b)はエッジ部11において不連続となる。縦方向に延びる溝9の幅方向の位置は各チップ9毎に同じ位相で設けてもよく、位相をずらせて設けるようにしてもよい。
このエッジ部11で可撓性の繊維15が切断されるため、切れ刃10(10a,10b)の磨耗が抑制される。またエッジ部11があるため、切れ刃10(10a,10b)が被削材13へ食い込み易くなり、切れ刃10(10a,10b)の被削材13との接触長さが短くなって(切れ刃10(10a,10b)が被削材13に全面接触しないため)切削抵抗が低減されることになる。
図3(a)では、切削面14は黒光りすることなく正常に切削されている様子を示し、図3(b)では、切れ刃10のエッジ部11で繊維15を切断する様子を示している。
この実施例1の回転カッター1では、チップ7のすくい面8に縦方向に延びる溝9を多数形成することにより、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に多数のエッジ11を設けている。チップ7の切れ刃10(10a,10b)が磨耗した場合、チップ7の外周側から再研磨することになるが、再研磨後もチップ7のすくい面8に縦方向に延びる溝9はそのまま残る。従って、再研磨後もエッジ11がそのまま残ることになる(図9)。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。なお図9において、再研磨線を一点鎖線で示しており、9回再研磨可能な場合を例示している。
図5に示す実施例2の回転カッター21では、チップ7の逃げ面16に円周方向(回転方向)に延びる溝9を多数形成することにより、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に多数のエッジ11を設けたものである。溝9は、チップ7の幅方向に10箇所形成してあり、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の20箇所にエッジ11を設けたことになる。この溝9は、放電加工又はレーザー加工により形成することができる。溝9の断面は図5(b)に示すように円弧状となっている。
この実施例2の回転カッター21の場合でも、切れ刃部10(10a,10b)に設けたエッジ11による効果は、実施例1の回転カッター1の場合と同様である。
この実施例2の回転カッター21では、チップ7の逃げ面16側に溝9を設けているので、チップ7の厚さ分に相当する短い距離を溝加工すればよく、溝加工時間が短くて済み、製造時のコストアップを抑制できる。ただ、再研磨工程では、チップ7の外周側から再研磨を行うので、再研磨によってエッジ部11が研磨されてしまうことになる。このため、再研磨の都度、チップ7の逃げ面16側に周方向に延びる溝加工を施すことが必要となり、再研磨の際にコストアップとなる。
図6に示す実施例3の回転カッター22では、チップ7の切れ刃10(10a,10b)に傾斜溝9aを多数形成することにより、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に多数のエッジ11を設けたものである。傾斜溝9aは、チップ7の幅方向に10箇所形成してあり、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の20箇所にエッジ11を設けたことになる。この傾斜溝9aは、放電加工又はレーザー加工により形成することができる。傾斜溝9aの断面は図6(b)に示すように円弧状となっている。傾斜溝9aは、図11に示すように、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の先端部(楔部)にすくい面8側から逃げ面16側に向けて上り傾斜する如く形成してある。
この実施例3の回転カッター22の場合でも、切れ刃部10(10a,10b)に設けたエッジ11による効果は実施例1、実施例2の回転カッターの場合と同様である。
この実施例3の回転カッター22では、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)にのみ傾斜溝加工をすればよいので、溝加工時間が短くて済み、製造時のコストアップを抑制できる。ただ、再研磨工程では、チップ7の外周側から再研磨を行うので、再研磨によってエッジ部11が研磨されてしまうことになる。このため、再研磨の都度、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に傾斜溝9aの溝加工を施すことが必要となり、再研磨の際にコストアップとなる。
図7に示す実施例4の回転カッター23では、チップ7の基部17を残して縦方向に延びるスリット18を多数形成することにより、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に多数のエッジ11を設けたものである。スリット18は、チップ7の幅方向に10箇所形成してあり、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の20箇所にエッジ11を設けたことになる。
かかるスリット18を形成するには、チップ7の状態で、チップ7の基部17を残してスリット18を放電加工又はレーザー加工により形成し、スリット18の施されたチップ7を刃台3の載置部4に接合(鑞付け)する。スリット18は、再研磨可能な部位より少し下方まで(基部17を残して)形成しておく。
この実施例4の回転カッター23の場合でも、切れ刃部10(10a,10b)に設けたエッジ11による効果は実施例1〜実施例3の回転カッターの場合と同様である。
この実施例4の回転カッター23では、チップ7の外周側から再研磨すると、スリット18がそのまま残る、従って、エッジ11がそのまま残ることになる。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。ただ、チップ7にスリット18を形成するには、チップ7の厚さ分だけ貫通させてスリット18を形成しなければならず、スリット形成工程にコストがかかることになる。
図10において、再研磨線を一点鎖線で示しており、8回再研磨可能な場合を例示している。
図8に示す実施例5の回転カッター24では、細く切断したチップ19を所定の隙間20を保持して刃台3の載置部4に接合(鑞付け)することにより、チップ7の切れ刃部10(10a,10b)に多数のエッジを設けたものである。隙間20は、チップ7の幅方向に10箇所形成してあり、チップ7の切れ刃10(10a,10b)の20箇所にエッジ11を設けたことになる。
この実施例5の回転カッター24の場合でも、切れ刃部10(10a,10b)に設けたエッジ11による効果は実施例1〜実施例4の回転カッターの場合と同様である。
この実施例5の回転カッター24では、チップ7の外周側から再研磨すると、隙間20がそのまま残る、従って、エッジ11がそのまま残ることになる。このため、従来と全く同じ再研磨工程で再研磨することができ、再研磨工程でのコストアップを抑制することができる。ただ、予めチップ7を細く切断しておき、この細く切断したチップ19を所定の隙間20を保持して刃台3に接合(鑞付け)するには熟練を要し、製造コストがアップする。
上記実施例1〜5では、ストライプカッターを例に示したが、平刃カッター、面取りカッター等の場合も同様である。即ち、平刃カッター、面取りカッター等のチップの切れ刃に幅方向に多数のエッジを設けることにより、被削材に含有するの繊維が容易に切断され、チップの切れ刃の磨耗が抑制され、切削抵抗が低減し、切れ刃の寿命が格段に延びることになる。
なお、切れ刃部10(10a,10b)に設ける溝9(スリット18、隙間20)の数(エッジ11の数はその2倍)は、切削工具の種類、チップ7の幅、溝9(スリット18、隙間20)の幅等により適宜設定される。例えばチップ7の幅が21mm、溝9(スリット18、隙間20)の幅が約0.3mmのストライプカッターの場合、溝9(スリット18、隙間20)の数は8〜14本程度(エッジ11の数は16〜28程度)である。チップの幅が5mm、溝(スリット、隙間)の幅が約0.3mmのチップソーの場合、溝(スリット、隙間)の数は3〜6本程度(エッジの数は6〜12程度)である。
本発明において、繊維質を含有する被削材としては、パルプ繊維を含有する窯業系外装材の他に、ガラスクロス繊維を含有するプリント基板、木質材、CFRP材等が挙げられる。
回転切削工具としては、回転カッター、チップソーの他、ルータービット、ドリル、エンドミル等としても利用可能である。
1 実施例1の回転カッター
2 台金(回転基板)
3 刃台
4 載置部
5 超硬合金層
6 多結晶ダイヤモンド層
7 チップ
8 すくい面
9 溝
10 切れ刃
10a 平刃
10b 傾斜刃
11 エッジ
12 溝
13 被削材(窯業系外装材)
14 切削面
15 繊維
16 逃げ面
17 基部
18 スリット
19 切断したチップ
20 隙間
21 実施例2の回転カッター
22 実施例3の回転カッター
23 実施例4の回転カッター
24 実施例5の回転カッター
30 比較例の回転カッター
31 斜線部

Claims (7)

  1. 回転基板の外周に円周方向に所定ピッチで複数の刃台を設け、各刃台の回転面側に切削刃となる硬質のチップを接合してなり、該チップの切れ刃部にチップの幅方向に多数のエッジを設けてなる繊維質を含有する被削材用の回転切削工具であって、前記チップは超硬合金層の正面側に多結晶ダイヤモンド層を一体に有するチップであり、前記被削材は繊維質を含有する窯業系外装材であり、前記回転切削工具は切削面を残して切削加工する回転カッターであることを特徴とする繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  2. チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップのすくい面に縦方向に延びる溝を形成することにより設けたものである請求項1に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  3. チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの逃げ面に周方向に延びる溝を形成することにより設けたものである請求項1に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  4. チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの切れ刃に傾斜溝を形成することにより設けたものである請求項1に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  5. チップの切れ刃部に設けるエッジは、チップの基部を残して縦方向に延びるスリットを形成することにより設けたものである請求項1に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  6. チップの切れ刃部に設けるエッジは、細く切断したチップを所定の隙間を保持して刃台に接合することにより設けたものである請求項1に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
  7. 溝を隔てて隣り合うエッジ間の距離は、0.2〜0.6mmの範囲とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維質を含有する被削材用の回転切削工具。
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