JP6130927B2 - イオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置 - Google Patents

イオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置に関する。
水性液体から電気的にイオンを取り除く脱塩プロセスとして、電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、等の方法がある。
これらの方法において、消費電力を抑えるために、用いられるイオン交換膜について様々な研究が行なわれている。
上述の電気的にイオンを取り除くプロセスの中でも、イオンの吸着により脱塩を行う方法として、キャパシタ脱塩、スーパーキャパシタ脱塩が研究開発されている。キャパシタ脱塩およびスーパーキャパシタ脱塩は電極における酸化還元反応をほとんど伴わないため、安定的にかつ低いエネルギー消費量で脱塩することができる。このキャパシタ脱塩、スーパーキャパシタ脱塩は、例えば、(1)電極間で通電を行い、流路中のイオンをイオン交換膜を通じて電極表面の電気二重層として取り込むことで脱塩すること、(2)脱塩のときと逆向きに通電することで取り込んだイオンを放出させて電極を再生すること、を繰り返すことで、連続的に脱塩するものである(特許文献1参照)。
特表2010−513018号公報
キャパシタ脱塩では、流路のイオンを、イオン交換膜を通じて電極表面に取り込むが、取り込み量が増えるに従い、電気抵抗が高くなり、電極間の電圧を高めることが必要になる。しかし、徐々に電圧を上げ、水や取り込んだイオンの酸化還元電位を大きく超えると、様々な酸化還元反応が起こり、脱塩効率が低下するだけでなく、pHが変化したり塩素や水素等のガスが発生したりして悪影響を及ぼす。
このため、本発明者らは、このイオンの取り込み、放出の効率を維持したまま電気抵抗の上昇を抑えることが、連続脱塩の重要な因子であると考え、この具体的手段を検討した。
なお、特許文献1では、イオン交換膜の電気抵抗を0.1Ωcm〜50Ωcmの範囲内とすることを推奨しているものの、イオン交換膜電極接合体としての電気抵抗を下げる有効な具体的手段を開示していない。
従って、本発明は、イオン交換膜電極接合体の電気抵抗を下げ、連続的な通電脱塩時間を延ばし、効率的な脱塩が可能なイオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置を提供することを課題とする。
本発明は、さらに、低消費電力で、水道水等の脱塩を行なうことができ、かつ、再生することにより長期間使用することができるイオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のように、従来のキャパシタ脱塩装置や方法を種々検討して、その改良の重要なポイントである、電気抵抗が高くなり、電圧上昇することの原因を種々解析し、検討を行った。
この結果、従来全く想定も予想もされていなかったイオン交換膜の改良で、この電気抵抗を低下させることが可能であることがわかってきた。そして、さらに、イオン交換膜の構造、ポリマー種や物性を、さまざまな観点で解析し、検討を行ったところ、イオン交換膜の弾性率を調整することにより、イオン交換膜電極接合体の電気抵抗を低下させることができることを見出した。本発明はこの知見に基づいて成されるに至った。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
<1>電極上に、イオン交換樹脂からなり、かつ弾性率が50MPa以下であるイオン交換膜を有するイオン交換膜電極接合体。
<2>弾性率が、35MPa以下である<1>に記載のイオン交換膜電極接合体。
<3>電極とイオン交換膜との間にイオン吸着剤を有する<1>または<2>に記載のイオン交換膜電極接合体。
<4>電極とイオン交換膜との間に空気もしくは気体を含まない<1>〜<3>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<5>イオン交換膜電極接合体が、イオンを吸脱着するために使用される<1>〜<4>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<6>イオン交換膜電極接合体が、キャパシタ脱塩用である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<7>イオン交換膜が、不織布とイオン交換樹脂との複合膜である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<8>不織布を構成する50%以上の繊維の直径が、5μm未満である<7>に記載のイオン交換膜電極接合体。
<9>不織布を構成する1%以上20%未満の繊維の直径が、5μm以上である<7>に記載のイオン交換膜電極接合体。
<10>イオン交換膜のイオン交換容量が2.5meq/g以下である<1>〜<9>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<11>イオン交換樹脂が、(メタ)アクリル成分を含む樹脂である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<12>(メタ)アクリル成分が、(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリルエステルである<11>に記載のイオン交換膜電極接合体。
<13>電極が正電極であり、イオン交換膜がアニオン交換膜である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体。
<14> <1>〜<13>のいずれか1つに記載のイオン交換膜電極接合体の製造方法であって、イオン交換膜と電極の間に空気もしくは気体を含まないように接合するイオン交換膜電極接合体の製造方法。
<15>接合が、加圧接合である<14>に記載のイオン交換膜電極接合体の製造方法。
<16>電極上に、イオン交換樹脂からなるイオン交換膜を有するイオン交換膜電極接合体を2対有し、2対の各々のイオン交換膜に接して流路を有するキャパシタ脱塩装置であって、イオン交換膜の少なくとも1つの弾性率が50MPa以下であるキャパシタ脱塩装置。
<17>イオン交換膜のいずれも、弾性率が50MPa以下である<16>に記載のキャパシタ脱塩装置。
<18>電極とイオン交換膜との間にイオン吸着剤を有する<16>または<17>に記載のキャパシタ脱塩装置。
<19>電極とイオン交換膜との間に空気もしくは気体を含まない<16>〜<18>のいずれか1つに記載のキャパシタ脱塩装置。
本明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、各一般式において、特に断りがない限り、複数存在する同一符号の基がある場合、これらは互いに同一であっても異なってもよく、同じく、複数の部分構造の繰り返しがある場合は、これらの繰り返しが同一の繰り返しでも、また規定する範囲で異なった繰り返しの混合の両方を意味するものである。
さらに、各一般式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルやメタクリルのようなアシル基のα位にメチル基だけでなくアルキル基が置換したものをも含み、これらの酸もしくはその塩、ならびにエステルもしくはアミドを総称するものとして使用する。すなわち、アクリル酸エステル、アミドまたは酸もしくはその塩と、α−アルキル置換アクリル酸エステル、アミドまたは酸もしくはその塩、の両方を包含するものである。
本発明により、電気抵抗を低下させ、低消費電力で、水道水等の脱塩を行なうことができ、かつ、再生することにより長期間使用することができるイオン交換膜電極接合体、その製造方法およびキャパシタ脱塩装置を提供することが可能となった。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、イオン交換膜電極接合体を用いた脱塩及び再生プロセスと印加する電圧との関係を示す模式図である。
本発明のイオン交換膜電極接合体は、電極上に、イオン交換膜(以下、単に「膜」と称することもある。)を有し、このイオン交換膜が、イオン交換樹脂からなり、かつ弾性率が50MPa以下である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<<イオン交換膜電極接合体>>
本発明のイオン交換膜電極接合体は、電極上に、イオン交換膜が設けられている。
<電極>
本発明のイオン交換膜電極接合体に用いられる電極は、電圧の印加時に電気二重層を可逆的に形成することで充電(帯電)し得る電極であれば特に制限されない。正電極及び負電極の材料としては、炭素、活性炭、グラファイト、多孔質炭素粒子、炭素エアロゲル、カーボンナノチューブ、炭素布、炭素繊維等が挙げられる。また、これらは組み合わせて用いることもできる。本発明では、正電極及び負電極の材料は、電気抵抗と強度の観点からグラファイトがより好ましい。
なお、電極は後述のイオン吸着剤の役割を兼ねていてもよい。この場合、電極となる材料で形成されているイオン吸着剤であること以外は、後述のイオン吸着剤と同一である。
電極の厚みは0.001〜10mmが好ましく、0.01〜1mmがより好ましく、0.05〜0.5mmがさらに好ましい。また、吸着剤を兼ねる場合の電極の厚みは、0.001〜10mmが好ましく、0.01〜1mmがより好ましく、0.05〜0.5mmがさらに好ましい。
また、2対の電極は同じものであっても、互いに異なったものであっても構わないが、電極が吸着剤をも兼ねる場合には、カチオンもしくはアニオンでの吸着を効率的もしくは選択的に行うために、2対の電極を互いに異なった電極とすることができる。
<吸着剤>
本発明では、イオン交換膜を通過して電極表面に、イオンが溜め込まれるため、この蓄積容量を増やすため、イオン吸着剤を使用することが好ましい。
吸着剤は、比表面積の高さと電気抵抗の低さの観点から活性炭でできた活性炭粒子、活性炭繊維、活性炭ペーストが好ましく、これらの中でも、活性炭ペーストがより好ましい。
なお、吸着剤に蓄積したイオンは、放電時には容易に脱着する必要がある。
また、吸着微粒子を使用する場合、平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましい。また、吸着繊維を使用する場合、平均繊維径は0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましい。
吸着剤は1種でも、2種以上使用しても構わない。
なお、2対のイオン交換膜電極接合体は両方がイオン吸着剤を有することが好ましいが、目的によっては、一方のみでも構わない。
<イオン交換膜>
本発明では、イオン交換膜とは、イオン交換膜を形成する樹脂組成物のみを重合硬化した樹脂膜そのもの、またはこの樹脂膜を補強するために、不織布などのような多孔質支持体(詳細は、以後に説明する)に、上記樹脂組成物を塗布もしくは含浸させて重合硬化させ、分離不可能な状態として膜の一部として組み込まれたものを意味する。従って、イオン交換膜の物性などは、このような多孔質支持体を有さない場合は、イオン交換膜を形成する樹脂組成物のみを重合硬化した樹脂膜そのものの物性であり、多孔質支持体に組込まれたイオン交換膜の場合は、この組み込まれた状態での物性である。
本発明のイオン交換膜は、その弾性率が50MPa以下であればどのようなものでも構わない。
弾性率は、好ましくは35MPa以下であり、より好ましくは25MPa以下である。イオン交換膜の弾性率の下限に特に制限はないが、取り扱い易さの観点から1MPa以上が実際的である。
弾性率は、イオン交換膜単独としての弾性率であり、例えば、引っ張り試験機で歪みを与えた際の変位に対する応力の相関を測定した際の初期の傾きにより求めえられた値である。
弾性率を50MPa以下に調整するには、イオン交換膜を構成する樹脂成分の種類、架橋剤による架橋密度、硬化度の調整、樹脂中に組み込まれたイオン性基の種類とその密度の調整、不織布などの支持体との複合膜の場合、その支持体自体の見かけの弾性率を調整することで成しえる。
このうち、本発明では、イオン交換膜を構成する樹脂成分の架橋密度の調整、見かけ弾性率の低い支持体との複合化で調整するすることが好ましい。
以下、これらを順に説明する。
<樹脂組成>
イオン交換膜を構成するポリマーの樹脂組成は、イオン交換膜で提案されている樹脂であれば、どのようなものでも構わないが、本発明では、(メタ)アクリル成分を含む樹脂が好ましい。この(メタ)アクリル成分を含む樹脂の含有量は、イオン交換膜を構成する全ての樹脂100質量部に対し、50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、95質量部以上が特に好ましい。
(メタ)アクリル成分を含む樹脂は、(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリルエステルの重合体もしくは(メタ)アクリル部分を2つ以上有する架橋性モノマー成分、すなわち架橋剤との共重合体のいずれでも構わない。
本発明におけるイオン交換膜は、イオン性基(後述するような、解離基、カチオン基、アニオン基)を有するが、このイオン性基はどのように、樹脂中に組み込まれていてもよい。
例えば、(i)イオン性基を有さない架橋性の多官能重合性化合物とイオン性基を有する単官能重合性化合物との重合反応で、(ii)イオン性基を有する架橋性の多官能重合性化合物とイオン性基を有さない単官能重合性化合物との重合反応で、(iii)イオン性基を有する架橋性の多官能重合性化合物とイオン性基を有する単官能重合性化合物との重合反応で、(iv)イオン性基を有する架橋性の多官能重合性化合物のみの重合反応のいずれで組み込まれていてもよい。
本発明は、これらの組み込み方法のうち、原料の入手性および安価に製造できる点で、上記の(i)の組み込み方法が好ましく、以下に、詳細に説明する。
本発明におけるイオン交換膜は、好ましくは、(A)多官能重合性化合物および(B)イオン性基を有する単官能重合性化合物、(C)イオン性基を有さない単官能重合性化合物、(D)重合開始剤、(E)重合禁止剤、(F)溶媒を、それぞれ必要に応じて含有する組成物(以下、「樹脂組成物」と称することもある。)に紫外線若しくは電子線を照射し、必要に応じて加熱して重合することで製造できる。すなわち、これらを含有する組成物に紫外線若しくは電子線を照射し、必要に応じて加熱して重合することで、この組成物が重合硬化反応し、膜が形成される。
以下に、本発明におけるイオン交換膜を製造するための組成物の各成分について説明する。
<(A)多官能重合性化合物>
本発明における多官能重合性化合物は下記一般式(A)で表される多官能重合性化合物が好ましい。
Figure 0006130927
一般式(A)において、RおよびRは各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し、YおよびYは各々独立に、−NRa−または−O−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。mは1以上の数を表す。Qはm−1価の連結基を表す。
ここで、mが2以上のとき、複数のRは互いの同一でも異なってもよく、また、複数のYは互いの同一でも異なってもよい。
およびRにおけるアルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1が特に好ましい。
およびRは、なかでも水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
およびRにおけるアルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、下記の置換基群αから選択される置換基が好ましい。
置換基群α:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ヘキサデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のヘテロ環オキシ基であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルファモイル基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(カルバモイル基、アルキルもしくはアリールカルバモイル基を含み、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のヘテロ環チオ基であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルもしくはアリールスルホニル基であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルもしくはアリールスルフィニル基であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子が挙げられる)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、オキソ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、環構成ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリルオキシ基であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらの置換基は、更に上記置換基群αより選択されるいずれか1つ以上の置換基により置換されてもよい。
なお、本発明において、1つの構造部位に複数の置換基があるときには、それらの置換基は互いに連結して環を形成していたり、上記構造部位の一部又は全部と縮環して芳香族環もしくは不飽和複素環を形成していたりしてもよい。
Raにおけるアルキル基は、R、Rにおけるアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。Raは水素原子が好ましい。
mは1〜10の整数が好ましく、1〜6の整数がより好ましく、1〜4の整数がさらに好ましく、1または2が特に好ましく、なかでも1が最も好ましい。
Qは、m−1価の連結基を表し、この連結基は脂肪族の連結基であっても芳香族の連結基であっても構わない。本発明においては、脂肪族の連結基が好ましく、YとYに結合する原子が炭素原子であって、−O−を介してもよいm−1価の炭化水素基が好ましい。
ここで、m−1価の炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
一般式(A)で表される多官能重合性化合物は下記一般式(A1)で表される多官能重合性化合物が好ましい。
Figure 0006130927
一般式(A1)において、R、R、YおよびYは、一般式(A)におけるR、R、YおよびYと同義であり、好ましい範囲も同じである。Qは2価の連結基を表す。
は、アルキレン基または、YとYに結合する原子が炭素原子であって、−O−を介してもよいアルキレン基が好ましい。
一般式(A)で表される多官能重合性化合物は、下記一般式(A1−1)または(A1−2)で表される多官能重合性化合物がより好ましい。
Figure 0006130927
一般式(A1−1)、(A1−2)において、RおよびRは、一般式(A)におけるRおよびRと同義であり、好ましい範囲も同じである。Qはアルキレン基または−(C2x−2−O)n1−C2x−2−を表す。ここで、xは2または3を表し、n1は1〜6を表す。Qはエチレン基またはプロピレン基を表し、nは1〜10の整数を表す。
およびQにおけるアルキレン基は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1また2が特に好ましく、なかでも1が最も好ましい。
におけるn1は1〜4が好ましく、1または2がより好ましい。
本発明において、QおよびQはアルキレン基が好ましい。
は、エチレン基が好ましく、nは2〜4が好ましい。
本発明において、一般式(A)で表される多官能重合性化合物は、1種使用しても2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明では、多官能重合性化合物、すなわち、架橋性重合性化合物を1種のみ使用する場合は、一般式(A)におけるYおよびYがともに、−NRa−で表される(メタ)アクリルアミドの重合性化合物が好ましく、なかでも一般式(A1−1)で表される多官能重合性化合物が好ましい。
また2種以上併用する場合は、一般式(A)におけるYおよびYがともに、−NRa−である(メタ)アクリルアミドの重合性化合物と、一般式(A)におけるYおよびYがともに、−O−である(メタ)アクリルエステルの重合性化合物を含む組合せが好ましい。
ここで、架橋性の(メタ)アクリルアミドの重合性化合物と架橋性の(メタ)アクリルエステルの重合性化合物を組み合わせる場合、その質量比率、(メタ)アクリルアミドの重合性化合物:(メタ)アクリルエステルの重合性化合物は、1:5〜5:1が好ましい。
以下に一般式(A)で表される多官能重合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0006130927
Figure 0006130927
(A)多官能重合性化合物は、新中村化学工業(株)、東京化成工業(株)から市販されていたり、通常の方法で容易に合成できる。
<単官能重合性化合物>
本発明における樹脂組成物は、(B)イオン性基を有する単官能重合性化合物を含んでいてもよい。また、必要に応じて、第三の共重合成分の単位構造を得るための(C)イオン性基を有さない単官能重合性化合物を含んでいてもよい。
<(B)イオン性基を有する単官能重合性化合物>
(B)イオン性基を有する単官能重合性化合物は、下記一般式(B)で表される単官能重合性化合物が好ましい。
Figure 0006130927
一般式(B)において、Rは一般式(A)におけるRおよびRと同義である。Rxは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Lは、結合手の両側の原子が炭素原子である2価の連結基を表す。
一般式(B)において、Zはイオン性基を表す。
ここで、イオン性基は、イオン交換膜におけるイオン交換に直接関与する基であり、解離性基、アニオン基、カチオン基である。解離性基は、水酸基、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基などで、水溶液中もしくはアルカリ水溶液中で解離可能な基を意味する。
上記イオン性基である解離基、アニオン基、カチオン基が吸着されるイオンに強くイオン相互作用をする。
Zは水酸基(特に、フェノール性またはエノール性の水酸基)、スルホ基もしくはその塩、カルボキシ基もしくはその塩、オニオ基(アンモニオ基、ピリジニオ基、スルホニオ基など)が好ましく、スルホ基もしくはその塩、カルボキシ基もしくはその塩、オニオ基がより好ましい。
カチオン交換膜では、Zは、水酸基(特に、フェノール性またはエノール性の水酸基)、スルホ基もしくはその塩、カルボキシ基もしくはその塩、リン酸基もしくはその塩が好ましく、スルホ基もしくはその塩、カルボキシ基もしくはその塩、がより好ましい。
ここで、スルホ基またはカルボキシ基における塩としては、アルカリ金属原子のカチオン、例えば、リチウムカチオン、カリウムカチオン、ナトリウムカチオンが好ましい。
アニオン交換膜では、Zは、オニオ基が好ましく、下記一般式(a)または(b)で表される基が好ましい。
一般式(a) 一般式(b)
−N(Rb) −S(Rb)
一般式(a)、(b)中、Rbは、アルキル基またはアリール基を表す。複数のRbは互いに同じでも異なってもよく、2つのRbが互いに結合して環を形成してもよい。
は陰イオンを表す。
Rbにおけるアルキル基は炭素数1〜18が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、上記置換基群αから選択される置換基が好ましく、なかでもアリール基が好ましい。Rbにおけるアリール基が置換したアルキル基では、ベンジル基が好ましい。
Rbにおけるアリール基は炭素数が6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
Rbにおけるアリール基は置換基を有してもよく、このような置換基の例としては上記置換基群αが挙げられる。
2つのRbが互いに結合して形成される環は5または6員環が好ましい。
このような環としては、一般式(a)では、含窒素芳香環が好ましく、なかでもピリジン環が好ましい。
の陰イオンは、ハロゲンイオン、カルボン酸イオン(例えば、酢酸イオン、安息香酸イオン)、硫酸イオン、有機硫酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン)、OHなどが挙げられる。
一般式(a)で表される基は、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、トリブチルアンモニオ、ジメチルベンジルアンモニオ、ジメチルフェニルアンモニオ、ジメチルセチルアンモニオ、ピリジニオが挙げられる。
一般式(b)で表される基としては、ジメチルスルホニオ、メチルベンジルスルホニオ、メチルフェニルスルホニオが挙げられる。
一般式(a)、(b)で表される基のうち一般式(a)で表される基が好ましい。
一般式(B)において、Lは、結合手の両側の原子が炭素原子である2価の連結基を表すが、アルキレン中に酸素原子を介してもよいアルキレン基が好ましく、アルキレンのみのアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基がさらに好ましい。
好ましいアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、一般式(B)におけるアミド基の窒素原子側に分岐を有するジアルキルエチレン基である−C(CH−CH−が挙げられる。
以下に一般式(B)で表される単官能重合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0006130927
Figure 0006130927
<(C)イオン性基を有さない単官能重合性化合物>
(C)イオン性基を有さない単官能重合性化合物としては、前述のイオン性基を有さない単官能重合性化合物であれば、どのような化合物でも構わないが、化合物骨格としては、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル化合物、N−ビニル化合物(アミド結合を有する重合性モノマー)、アリル化合物等が挙げられる。
これらの中でも、得られるイオン交換膜の安定性およびpH耐性の観点から、エステル結合を有さないもの、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル化合物、N−ビニル化合物(アミド結合を有する重合性モノマー)、アリル化合物が好ましく、(メタ)アクリルアミド化合物が特に好ましい。
イオン性基を有さない単官能重合性化合物としては、例えば、特開2008−208190号公報や特開2008−266561号公報に記載の化合物が挙げられる。
(C)イオン性基を有さない単官能重合性化合物は、下記一般式(C)で表される単官能重合性化合物が好ましい。
Figure 0006130927
一般式(C)において、Rは一般式(A)におけるR、Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。Rは水素原子またはアルキル基を表し、Rはアルキル基を表す。ここで、RおよびRのアルキル基は置換基を有してもよく、また、RとRが互いに結合して環を形成してもよい。
、Rにおけるアルキル基の炭素数は、1〜18が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、n−デシル、n−オクタデシルが挙げられる。
およびRにおけるにおけるアルキル基が置換基を有する場合、アルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3が好ましい。
、Rにおけるアルキル基が有してもよい置換基としては、上述の置換基群αで挙げた置換基が挙げられる。このなかでも極性の高い基が好ましく、アシル基、アミノ基がより好ましく、特にアミノ基がさらに好ましい。アミノ基は、第3級アミノ基が好ましく、下記一般式(c)で表される基が好ましい。
一般式(c)
−N(Rb)
一般式(c)中、Rbは、一般式(a)におけるRbと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(c)で表される基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノが挙げられる。
極性の高い基は、(B)のイオン性基を有する単官能重合性化合物のイオン性基を補助することができ、イオン交換の効率を高めることができる。
とRが互いに結合して形成する環は5または6員環が好ましく、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環が好ましい。
また、RおよびRのうち、一方が、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式(C)で表される単官能重合性化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006130927
(B)成分、(C)成分の単官能重合性化合物は、和光純薬工業(株)、興人(株)、協和発酵ケミカル(株)、Fluka(株)、aldrich(株)、東亜合成(株)から市販されていたり、通常の方法で容易に合成できる。
本発明において、(A)成分の樹脂組成物の全固形分100質量部に対する含有量は、好ましくは、5〜50質量部であり、より好ましくは10〜30質量部である。(B)成分の樹脂組成物の全固形分100質量部に対する含有量は、好ましくは、30〜90質量部であり、より好ましくは50〜80質量部である。また、(C)成分の樹脂組成物の全固形分100質量部に対する含有量は、好ましくは、0〜60質量部であり、より好ましくは0〜40質量部である。
一方、(メタ)アクリル基を有する化合物の樹脂組成物の全固形分100質量部に対する含有量は、50〜99.5質量部が好ましく、80〜99質量部がより好ましく、90〜95質量部がさらに好ましい。
なお、本発明におけるイオン交換膜を構成するポリマーの質量平均分子量は、三次元架橋が形成されているため数十万以上であり、実質的に測定できない。一般的には無限大とみなされる。
本発明において、(メタ)アクリル基を有する化合物が反応して形成されるポリマーの架橋密度は、0.4〜2mmol/gが好ましく、0.5〜1.5mmol/gがより好ましく、0.6〜1.1mmol/gが特に好ましい。架橋密度と膜の弾性率は強く相関するため架橋剤としての多官能重合性化合物の分子量や量を制御することで目的の弾性率になるように制御することができる。架橋密度を0.4〜2mmol/gの範囲にすることで、弾性率を好ましい範囲にすることができる。
<(D)重合開始剤>
本発明において、重合硬化反応は、重合開始剤の共存下で行うことが特に好ましい。
重合開始剤はどのような重合開始剤でも構わないが、本発明では、下記一般式(PPI−1)または(PPI−2)で表される重合開始剤(光ラジカル重合開始剤)が好ましい。
Figure 0006130927
一般式(PPI−1)、(PPI−2)において、RP1およびRP2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、RP3はアルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、lは0〜5の整数を表す。RP4はアルキル基、アリール基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表し、RP5はアルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基またはアシル基を表し、RP6はアルキル基またはアリール基を表す。ここで、RP1とRP2またはRP4とRP5が互いに結合して環を形成してもよい。
P1およびRP2は、アルキル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、アルキル基がさらに好ましく、特にメチルが好ましい。
P1およびRP2が互いに結合して形成する環は、5または6員環が好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環がなかでも好ましい。
P3は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基は置換基を有してもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリール基はフェニル基が好ましい。
P3は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基がなかでも好ましく、アルキル基の場合、ヒドロキシエチル基が好ましい。
lは、0〜5の整数を表すが、0〜3の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
P4〜RP6におけるアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、RP4〜RP6におけるアリール基は、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、アリール基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
P4、RP5におけるアルキルチオ基またはアリールチオ基は炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜12のアリールチオ基が好ましい。
P6におけるアシル基はアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基が好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数7〜17のアリールカルボニル基が好ましい。RP6は、アリールカルボニル基がなかでも好ましく、置換基を有してもよいフェニルカルボニル基が特に好ましい。アシル基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
一般式(PPI−2)で表される重合開始剤よりも一般式(PPI−1)で表される重合開始剤が好ましい。
以下に、一般式(PPI−1)または(PPI−2)で表される重合開始剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006130927
Figure 0006130927
一般式(PPI−1)、(PPI−2)で表される重合開始剤は、BASF・ジャパン株式会社等から入手することができる。
本発明において、樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、一般式(PPI−1)または(PPI−2)で表される重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。
本発明では、上記重合開始剤と併用して、熱または光でラジカルを発生する下記一般式(AZI)で表されるラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
Figure 0006130927
一般式(AZI)において、ZA1およびZA2は各々独立に、=Oまたは=N−RAeを表す。RA1〜RA4は各々独立にアルキル基を表す。RAa〜RAeは各々独立に、水素原子またはアルキル基を表す。RAa、RAbおよびRAeの少なくとも2つ、RAc、RAdおよびRAeの少なくとも2つ、または/およびRAa、RAcおよびRAdの少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。
A1〜RA4におけるアルキル基は、炭素数1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、メチルが特に好ましい。
Aa〜RAdは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
AaとRAb、RAcとRAd、RAaとRAc、RAbとRAdが互いに結合して形成される環は、5または6員環が好ましい。
AaとRAe、RAcとRAeが互いに結合して形成される環は、なかでもイミダゾリン環が好ましく、RAaとRAb、RAcとRAdが互いに結合して形成される環は、なかでもピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環が好ましい。
は=N−RAeが好ましい。
以下に、一般式(AZI)で表されるラジカル重合開始剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006130927
一般式(AZI)で表されるラジカル重合開始剤は、和光純薬工業(株)より入手することができ、例示化合物(AZI−1)はVA−061、例示化合物(AZI−2)はVA−044、例示化合物(AZI−3)はVA−046B、例示化合物(AZI−4)はV−50、例示化合物(AZI−5)はVA−067、例示化合物(AZI−6)はVA−057、例示化合物(AZI−7)はVA086(いずれも商品名)として市販されている。
本発明において、樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、一般式(AZI)で表されるラジカル重合開始剤含有量は、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。
上記一般式(AZI)で表されるラジカル重合開始剤は、本発明では、加熱でラジカルを発生させることが好ましく、また、光ラジカル重合硬化反応後に加熱で後反応であるラジカル重合硬化を行うことが好ましい。
<(E)重合禁止剤>
本発明における樹脂組成物は、膜を形成する際の塗布液とする場合に安定性を付与するために、重合禁止剤を含むことも好ましい。
重合禁止剤としては、任意の重合禁止剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。また、アミン化合物の具体例としては、N−ニトロソ―N−フェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。
重合禁止剤の含有量は、樹脂組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.01〜5質量部か好ましく、0.01〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部がさらに好ましい。
<(F)溶媒>
本発明における樹脂組成物は溶媒を含有していてもよい。
本発明において、樹脂組成物中の溶媒の含有量は、できるだけ少ない方が、荷電密度を高める上でも好ましく、このため、重合硬化させるための反応溶媒への溶解度が重要となる。
本発明では、全樹脂組成物100質量部に対し、5〜60質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
溶媒が少なすぎると、樹脂組成物の粘度が上昇し、均一な膜を製造できなくなる場合がある。また、溶媒が多すぎると支持体に固定される固形分が少なくなるためピンホール(微小な欠陥穴)ができやすくなるという問題がある。
溶媒は、水に対する溶解度が5質量%以上であるものが好ましく用いられ、さらには水に対して自由に混合するものが好ましい。このため、水および水溶性溶媒から選択される溶媒が好ましい。水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、二トリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。水およびアルコール系溶媒が好ましく、アルコール系溶媒としては例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。アルコール系溶媒の中では、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールがより好ましく、イソプロパノールが特に好ましい。これらは1種類単独または2種類以上を併用して用いることができる。水単独または水と水溶性溶媒の併用が好ましく、水単独または水と少なくとも一つのアルコール系溶媒の併用がより好ましい。水と水溶性溶媒の併用においては、水100質量%に対して、イソプロパノールを0.1〜10質量%含有することが好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1.0〜2.0質量%がさらに好ましい。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶媒として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独または2種類以上を併用して用いることができる。
<その他の成分>
本発明における膜を形成するための樹脂組成物は、上述の成分の他に、界面活性剤、高分子分散剤およびクレーター防止剤等を含んでいてもよい。
[界面活性剤]
本発明における膜を形成するための樹脂組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することもできる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
また、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、また、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなどの両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを含めて、任意の界面活性剤及びその誘導体から適宜選ぶことができる。
<高分子分散剤>
本発明における膜を形成するための樹脂組成物は高分子分散剤を含んでいてもよい。
高分子分散剤として、具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられ、中でもポリビニルピロリドンを用いることも好ましい。
<クレーター防止剤>
クレーター防止剤とは、表面調整剤、レベリング剤またはスリップ剤とも称し、膜表面の凹凸を防止するものであり、例えば、有機変性ポリシロキサン(ポリエーテルシロキサンとポリエーテルの混合物)、ポリエーテル変性ポリシロキサンコポリマー、シリコン変性コポリマーの構造の化合物が挙げられる。
市販品としては、例えば、Evonik industries社製のTego Glide 432、同110、同110、同130、同406、同410、同411、同415、同420、同435、同440、同450、同482、同A115、同B1484、同ZG400(いずれも商品名)が挙げられる。
クレーター防止剤の含有量は、樹脂組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0〜5質量部がより好ましく、1〜2質量部がさらに好ましい。
上記以外に、本発明における膜を形成するための樹脂組成物は必要により、例えば、粘度向上剤、防腐剤を含有してもよい。
<支持体>
良好な機械的強度を有する本発明における膜を提供するために、膜の補強材料として支持体を用いることができ、多孔質支持体を使用することが好ましい。この多孔質支持体は、樹脂組成物を塗布およびまたは含浸させた後重合硬化反応させることにより膜の一部を構成することができる。
補強材料としての多孔質支持体としては、例えば、織布または不織布、延伸多孔フィルム、スポンジ状フィルム、微細な貫通孔を有するフィルム等が挙げられる。これらのうち本発明に用いる多孔質支持体として、低弾性率と機械的な強度、樹脂組成物を含浸させた際の染み込み易さを兼ね備える観点から不織布が好ましい。また、不織布を形成する繊維としては低弾性率と機械的な強度を両立する目的から繊維径が細いことが好ましい。具体的には、不織布を形成する繊維において、繊維径が0.5μm以上5μm未満の繊維が50%以上を占めていることが好ましく、80%以上を占めていることがより好ましい。また、不織布を形成する繊維において、繊維径が1μm以上5μm未満の繊維が50%以上を占めていることが好ましく、80%以上を占めていることがより好ましい。このように主に細い繊維で形成された多孔質支持体を用いることで面内の弾性率を均一に揃えることもできる。繊維径を0.5μm以上とすることで、多孔質支持体としての十分な強度を得ることができる。
さらに、機械的な強度を向上させる目的から、不織布を形成する繊維のうち1%以上20%未満の繊維の直径が3μm以上20μm未満であることが好ましく、6μm以上15μm未満であることがより好ましい。このように比較的太い繊維を低頻度で混合することで弾性率や面内の均一性を維持したまま十分な機械的強度を得ることができる。
ここで、異なる繊維径の繊維で不織布を構成する方法としては、予め異なる繊維径で作製した繊維を混合して不織布としてもよく、繊維を形成する時点で繊維径に幅を持たせて形成してもよい。繊維径の評価方法としては走査型電子顕微鏡により断面及び又は表面を観察する方法が挙げられる。
本発明における多孔質支持体を形成する素材は、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、セルロースやそのアシル誘導体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびそれらのコポリマーや芯鞘複合材に基づく多孔質膜であることができる。これらのうち、本発明では、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましく、ポリアミドがより好ましい。
市販の多孔質支持体および補強材料は、例えば、タピルス、日本バイリーンやFreudenbergFiltration Technologies(Novatexx材料)およびSefar AGから市販されている。重合硬化前に多孔質補強材料を樹脂組成物に塗布する態様では、多孔質補強材料が、重合硬化に用いられる波長の紫外線を吸収しないものであり、および/または、樹脂組成物が、後述の段階(ii)で重合硬化されるように、多孔質補強材料に浸透することができるものであることが好ましい。
多孔質支持体は親水性を有することが好ましい。支持体に親水性を付与するための手法として、プラズマ処理、表面グラフト処理、コロナ処理、オゾン処理、硫酸処理、シランカップリング剤処理などの一般的な方法を使用することができる。
<イオン交換膜の製造方法>
本発明では、好ましくは、(i)本発明における上記各成分を含んだ樹脂組成物からなる塗布液を基板もしくは上記の支持体(好ましくは多孔質支持体)に塗布し、(ii)樹脂組成物を紫外線照射、必要な場合は、紫外線照射に加えて、加熱により重合硬化反応する、という過程を経て、イオン交換膜の原膜が作製される。
なお、工程(ii)において、加熱は紫外線照射と同時に行ってもよく、紫外線照射の前後どちらかに行っても良い。
塗布方法は、特に制限されるものではないが、例えば、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、カーテンコーティング、押し出しコーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ニップロールコーティング、フォワードロールコーティング、リバースロールコーティング、浸漬コーティング、キスコーティング、ロッドバーコーティングまたは噴霧コーティングにより、多孔質支持体層に塗布することができる。また、塗布工程において適切量の樹脂組成物を塗布してもよく、過剰量を塗布してから過剰分を後から取り除いても良い。多層塗布は、同時または連続して行うことができる。同時重層塗布は、カーテンコーティング、スライドコーティング、スロットダイコーティングおよび押し出しコーティングが好ましい。
高速塗布機で塗布する際に十分な流動性を有するために、本発明の樹脂組成物の粘度は、35℃で測定して、4000mPa.s未満が好ましく、1〜1000mPa.sがより好ましく、10〜500mPa.sが特に好ましい。スライドビードコーティングのような塗布法の場合、好ましい粘度は、35℃で測定して1〜100mPa.sである。
適した塗布技術を用いると、樹脂組成物を、15m/minを超える速度、例えば、20m/minを超える速度で移動する支持体に塗布することができ、または、さらに高速、例えば、60m/min、120m/min、もしくは最高400m/minに達することができる。
<紫外線照射>
本発明における樹脂組成物の光重合による硬化は、樹脂組成物を支持体に塗布して好ましくは60秒以内、より好ましくは15秒以内、特に5秒以内、最も好ましくは3秒以内に紫外線照射を開始する。
本発明における樹脂組成物は、紫外線照射で光重合することから、樹脂組成物の塗布部は照射源に対し上流の位置に置くことができ、照射源は複合膜収集部に対し上流の位置に置かれる。
本発明の好ましい製造方法は、樹脂組成物を、移動している支持体に連続的に、より好ましくは、樹脂組成物塗布部と、樹脂組成物を重合硬化するための照射源と、膜収集部と、支持体を樹脂組成物塗布部から照射源および膜収集部に移動させるための手段とを含む製造ユニットにより製造する方法である。
照射する紫外線の波長は、樹脂組成物中に包含される光でラジカルを発生する重合開始剤の吸収波長と波長が適合するという条件が好ましく、例えばUV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
適した紫外線源は、水銀アーク灯、炭素アーク灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、旋回流プラズマアーク灯、金属ハロゲン化物灯、キセノン灯、タングステン灯、ハロゲン灯、レーザーおよび紫外線発光ダイオードである。中圧または高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプがとりわけ好ましい。これに加えて、ランプの発光スペクトルを改変するために、金属ハロゲン化物などの添加剤が存在していてもよい。大抵の場合、200〜450nmに発光極大を有するランプがとりわけ適している。
照射源のエネルギー出力は、好ましくは20〜1000W/cm、好ましくは40〜500W/cmであるが、所望の暴露線量を実現することができるならば、これより高くしてもよく低くしてもよい。暴露強度は、膜の最終構造に影響を及ぼす硬化度を制御するために用いることができるパラメーターの一つである。暴露線量は、High Energy UV Radiometer(EIT−Instrument Markets製のUV Power PuckTM)により、この装置で示されたUV−A範囲で測定して、好ましくは少なくとも40mJ/cm以上、より好ましくは100〜10,000mJ/cm、最も好ましくは150〜3,000mJ/cmである。暴露時間は自由に選ぶことができるが、短いことが好ましく、典型的には2秒未満である。
イオン交換膜を形成する重合硬化反応の温度条件に特に制限はないが、温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましく、5〜70℃が特に好ましい。
本発明においては、膜の形成時に空気や酸素などの気体を共存させてもよいが、不活性ガス雰囲気下が望ましい。
なお、紫外線照射でかなりの量の熱が生じる可能性がある。従って、過熱を防ぐために、冷却用空気をランプおよび/または支持体/膜に適用してもよい。しばしば、著しい線量のIR光が紫外線と一緒に照射される。このため、重合硬化を、IR反射性石英プレートに通してフィルタリングした紫外線を照射することが好ましい。
重合硬化反応は、30秒以内に膜を形成するのに十分な迅速さで重合硬化が起こるという条件で、紫外線照射するのが好ましく、必要な場合、紫外線照射に加えて加熱を行ってもよい。
重合硬化は、樹脂組成物に好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満にわたり紫外線を照射することにより達成する。連続法では照射を連続的に行い、樹脂組成物が照射源を通過して移動する速度で、重合硬化反応時間を決めることができる。
塗布速度が速い場合、樹脂組成物が重合硬化するのに必要な照射エネルギーを受けるため、紫外線ランプを複数使用してもよい。複数の紫外線ランプを使用する際、個々のランプの設定を同じにしても、異なった設定にしてもよい。
<イオン交換膜の物性>
本発明に用いられるイオン交換膜の先に記載した弾性率以外の性質について説明する。
{イオン交換容量}
本発明におけるイオン交換膜は、膜ならびに得られる膜と接触し続けている任意の多孔質支持体および任意の多孔質補強材料の全乾燥質量に基づき、好ましくは1.0meq/g以上3.5meq/g以下、より好ましくは2.5meq/gを超え3.5meq/g以下のイオン交換容量を有する。イオン交換容量を1.0meq/g以上3.5meq/g以下とすることで、弾性率が低下することでもろくなることもなく、イオン交換容量も大きいことから、アニオン−カチオン選択透過性も悪化せず、脱塩・再生効率が低下しない。
ここで、「meq」はミリ当量であり、「meq/g」は、「meq/dry memb.」とも表す。
{膜抵抗}
本発明におけるイオン交換膜の製造方法で作成されたイオン交換膜の膜抵抗(電気抵抗)は、実際に使用される環境で膜を透過するイオンによって異なるが、例えば0.5Mの塩化ナトリウム水溶液中で使用された際の膜抵抗(電気抵抗)として好ましくは10Ω・cm未満、より好ましくは8Ω・cm未満、特に好ましくは5Ω・cm未満である。ただし、イオン交換膜電極接合体としての電気抵抗は膜抵抗の影響が小さいため必ずしも膜抵抗が低いものが好ましいわけではない。
本発明におけるイオン交換膜の製造方法で作成されたカチオン交換膜のClに対するNaの選択透過性は、好ましくは0.8を超え、より好ましくは0.85を超え、さらに好ましくは0.9を超え、特に好ましくは0.95を超え、理論値の1に近づく程好ましい。
一方、本発明におけるイオン交換膜の製造方法で作成されたアニオン交換膜のNaに対するClの選択透過性は、好ましくは0.75を超え、より好ましくは0.8を超え、さらに好ましくは0.85を超え、特に好ましくは0.9を超え、理論値の1に近づく程好ましい。
膜抵抗、選択透過性および水中での膨潤率%は、Membrane Science,319,217〜218(2008)、中垣正幸編,膜学実験法,喜多見書房,193〜195頁(1984)に記載されている方法により測定することができる。
{含水率}
本発明におけるイオン交換膜の含水率は、20質量%以上50質量%以下の範囲内にあることが好ましく、25質量%以上45質量%以下がより好ましい。
本発明における含水率(%)は下記式により求められる。
{(0.5Mの食塩水に一晩浸漬した後の膜の質量)−(膜を質量変化がなくなるまで乾燥させた後の膜の質量)}÷(膜を質量変化がなくなるまで乾燥させた後の膜の質量)×100。
{膨潤率}
本発明におけるイオン交換膜の製造方法で作成されたイオン交換膜の水中での膨潤率は、好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満、特に好ましくは8%未満である。膨潤率は、重合硬化段階で適切なパラメーターを選択することにより制御することができる。
<<イオン交換膜電極接合体の製造方法>>
以下に本発明のイオン交換膜電極接合体の製造方法を説明する。
本発明では、上記の電極上または導体上吸着剤が設けられた電極上に、上記のようにして製造したイオン交換膜または、支持体を有するイオン交換膜(好ましくは、不織布とイオン交換膜の複合膜)を接合する工程において、イオン交換膜と電極または吸着剤との間に空気もしくは気体を含まないように接合する。
ここで、気体とは、空気以外に、製造したイオン交換膜もしくは電極ならびに電極上の吸着剤から発生する気体である。
この加圧接合は、電極及び又はイオン交換膜を水もしくは塩の水溶液、具体的には0.1〜100mMのNaCl水溶液に浸漬させて取り出し、表面に過剰な水または水溶液が大量に存在している状態で接合してから加圧することで過剰な水または水溶液を絞り出すことで空気や気体の混入がさけられる。または、上記接合工程および又は加圧接合工程を水または水溶液中で行うことでも達成できる。
特に、加圧前に吸引脱気してから加圧することが好ましい。
また、加圧接合の温度は0℃〜60℃が好ましい。
<<キャパシタ脱塩装置>>
本発明におけるアニオン交換膜電極接合体とカチオン交換膜電極接合体を対向させ、アニオン交換膜の電極が接する面と反対側の表面と、カチオン交換膜の電極が接する面と反対側の表面との間に流路を形成し、脱塩キャパシタとすることができる。
以下、図1を参照して本発明の脱塩キャパシタを用いた脱塩、並びにアニオン交換膜電極接合体及びカチオン交換膜電極接合体の再生について説明する。
図1において、[a]は脱塩キャパシタに印加する電圧の経時変化を表す。一方、[b]は電圧の経時変化に対応する脱塩キャパシタ内でのイオンの動きを示す。
図1[b]において、1a、1b、1c、1dは、イオン交換膜電極接合体を用いた脱塩キャパシタを表す。
2は導体を表し、3はイオン吸着剤を表す。導体と異なる材料でイオン吸着剤を使用した場合には、2及び3で電極となる。導体がイオン吸着剤の役割も兼ねる場合には、別途イオン吸着剤は使用せず、2のみで電極となる。ここで、導体の材料は、上記電極で例示した材料である。一方、イオン吸着剤の材料としては、前述のものが挙げられる。4はアニオン交換膜、5はカチオン交換膜、6は、水道水等のフィード液の流れる方向を表す。フィード液中のイオンは特に限定はされない。図1[b]では、アニオンの一例として塩化物イオン(Cl)、カチオンの一例としてナトリウムイオン(Na)でそれぞれ示している。
作図の都合上、2の導体、3のイオン吸着剤、4のアニオン交換膜で形成されるアニオン交換膜電極接合体において、2の導体、3のイオン吸着剤、4のアニオン交換膜の間に空間が存在しているように見えるが、実際の発明品ではそれぞれ密着している。2の導体、3のイオン吸着剤、5のカチオン交換膜で形成されるカチオン交換膜電極接合体も同様である。
なお、図示していないが、脱塩または再生の際は電圧を印加するため電気回路が形成されている。
図1[b]において、1aの脱塩キャパシタ及び1bの脱塩キャパシタは、脱塩を行なっている状態を示す。1a及び1bにおいて、アニオン交換膜電極接合体側が高電位、カチオン交換膜電極接合体側が低電位となるように電圧が印加されている。図示していないが、ポンプによりフィード溶液は6の矢印で表される方向に流れるように圧力がかけられている。1a及び1bに示すように、フィード溶液中の塩化物イオンは、選択的に正電極であるアニオン交換膜電極接合体側のイオン吸着剤に吸着される。一方、フィード溶液中のナトリウムイオンは、選択的に負電極であるカチオン交換膜電極接合体側のイオン吸着剤に吸着される。ここまでが脱塩のプロセスである。
図1[b]において、1cの脱塩キャパシタ及び1dの脱塩キャパシタは、脱塩に続いて連続的に再生を行なっている状態を示す。図1[a]に示すように、電圧をアニオン交換膜電極接合体側が低電位、カチオン交換膜電極接合体側が高電位となるように電圧の印加を切り替える。そうすると、負電極であるアニオン交換膜電極接合体側のイオン吸着剤から塩化物イオンが脱離し、フィード溶液に戻る。一方、正電極であるカチオン交換膜電極接合体側のイオン吸着剤からナトリウムイオンが脱離し、フィード溶液に戻る。ここまでが再生プロセスである。
図1[b]において、例えば、フィード溶液として水道水を用いて、アニオン交換膜電極接合体側が高電位、カチオン交換膜電極接合体側が低電位となるように電圧を印加し続ける間は脱塩された水が得られる。反対に、フィード溶液として水道水を用いて、アニオン交換膜電極接合体側が低電位、カチオン交換膜電極接合体側が高電位となるように電圧を印加し続ける間は、イオン交換膜電極接合体を再生することができる。
回路の制御方式としては、規定の電流が流れるようにコントロールする電流制御方式でもよく、規定の電圧が印加されるようにコントロールする電圧制御方式でも良い。なお、電流制御方式の場合は電圧の向きと大きさは電流を流す方向に合わせて適宜制御される。
なお、本発明では、流路の断面形状は矩形が好ましく、厚みが1μm〜1mmが好ましく、50μm〜300μmがより好ましい。また、流路長は1cm〜50cmが好ましく、効率的である。
また、本発明では、本発明のイオン交換膜電極接合体を、特表2010−517746号公報の段落[0020]、特表2012−506767号公報の段落[0023]〜[0027]、特表2013−500157号公報の段落[0011]、特開2013−063364号公報の段落[0026]、特開2001−070947号公報の段落[0013]に記載のキャパシタ脱塩装置にも好ましく適用できる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
(アニオン交換膜形成用塗布液の調製)
純水を17.1質量部、4−メトキシフェノール(東京化成工業(株)製)を0.05質量部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩(DMAPAA−Q)75%水溶液(固形分17.2質量部、水分5.7質量部、興人製)を22.9質量部、N、N−ジメチルアクリルアミド(DMAA、東京化成工業(株)製)を17.2質量部、硝酸リチウム(和光純薬工業(株)製)を19.9質量部を、65℃で混合して溶解させ、そこにイソプロピルアルコール(東京化成工業(株)製)を8.4質量部、メチレンビスアクリルアミド(MBA、東京化成工業(株)製)を2.6質量部、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEDA、東京化成工業(株)製)を10.4質量部Darocur 1173(商品名、BASF製)を0.5質量部、TEGO Glide432(商品名、エボニックデグサ製)を1質量部を混合し45℃で溶解・分散させた。
(カチオン交換膜形成用塗布液の調製)
純水を12.5質量部、Genorad16(商品名、RahnAG製)を0.5質量部、水酸化リチウム1水和物(和光純薬工業(株)製)を8.5質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS、東京化成工業(株)製)を21.4質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA、東京化成工業(株)製)を21.4質量部、を65℃で混合して溶解させ、そこにイソプロピルアルコール(東京化成工業(株)製)を18.1質量部、メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業(株)製)を3.2質量部、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEDA、東京化成工業(株)製)を12.9質量部、Darocur 1173(商品名、BASF製)を0.5質量部、TEGO Glide432(商品名、エボニックデグサジャパン(株)製)を1質量部を混合し45℃で溶解または分散させた。
(アニオン交換膜の作成)
上記組成の樹脂組成物の塗布液をアルミ板に、ワイヤバー(150μmのワイヤが1周/3cm(長さ方向)で巻き付かれたステンレス棒)を用いて、手動で約5m/minの速さで塗布し、続いて、不織布(タピルス(株)製のポリアミド製不織布N1、厚み76μm)に塗布液を含浸させた。続いて1分以内にワイヤの巻いていないロッドを用いて余分な塗布液を除去した。塗布時の塗布液の温度は約50℃であった。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer LH6、D−バルブ、速度3.5m/min、100%強度)を用いて、塗布液含浸支持体を重合硬化反応することにより、アニオン交換膜を調製した。露光時間は約2秒であった。得られた膜をアルミ板から取り外し、0.1M NaCl溶液中で少なくとも12時間保存した。
(カチオン交換膜の作成)
アニオン交換膜形成用塗布液に代えてカチオン交換膜形成用塗布液を用いた以外は、アニオン交換膜の作成と同様にしてカチオン交換膜を作成した。
(実施例2〜9、比較例1、2)
実施例1のアニオン交換膜、カチオン交換膜の作成において、それぞれ、樹脂及び支持体を下記表1に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜9、比較例1および2のアニオン交換膜、カチオン交換膜を作成した。
(比較例3)
アニオン交換膜としてAMX(商品名、(株)アストム社製)、カチオン交換膜としてCMX(商品名、(株)アストム社製)を用いた。
[イオン交換容量(meq/g)]
イオン交換容量の測定方法は、アニオン交換膜は膜を2M塩化ナトリウム水溶液中に浸漬して水洗後、2M硝酸ナトリウム水溶液に3回浸漬して膜から抽出された塩化物イオンをクロム酸カリウムで定量する。カチオン交換膜は1M塩酸水溶液に浸漬した膜を水洗してから2M塩化ナトリウム水溶液中に3回浸漬し、水洗後浸漬液と水洗液中の塩化物イオン濃度を0.1M水酸化ナトリウムで定量した。詳細には書籍『膜学実験法(1984年発行,中垣正幸編,喜多見書房)』の14項イオン交換膜実験法の194ページに記載の方法に従った。
イオン交換容量2.5meq/g以上を「高」、イオン交換容量2.5meq/g未満を「低」とした。結果を表1に示す。
[繊維径(μm)]
支持体を純水で洗浄してから室温0.1気圧で1時間以上かけて乾燥させた。乾燥サンプルを金属ステージ上に導電カーボンテープで貼り付け、スパッタ装置(VacuumDevice社製、型番:MSP−1S)で金スパッタを2分間行い金コートサンプルを作製した。金コートサンプルを走査型電子顕微鏡((株)キーエンス社製、型番:VE−7800)にて加速電圧10kVで、倍率1,000倍で観察し繊維径を測定した。
結果を表1に示す。
[弾性率(MPa)]
イオン交換膜を水洗し15mm×90mmの帯状に裁断して厚みを測定した。引張り試験機((株)島津製作所製、商品名:オートグラフAGS−J)にて固定具間距離60mmにて濡れた状態のまま挟み込み、25℃80%RHの環境下で6mm/分の一定速度で引っ張った際の張力を測定した。初期の1mm延びる間のひずみに対する応力(張力÷初期断面積)の直線から弾性率を算出した。
Figure 0006130927
Figure 0006130927
表1における注釈の説明
注1)イオン交換容量(meq/g)
注2)「Air」は、電極とイオン交換膜の間に空気もしくは気体が含まれる接合体を意味する。
注3)2段で記載されている場合、上段は体積で全体の50%以上を占める主成分の繊維の径を表し、下段は体積で全体の50%未満の副成分の繊維の径を表す。
ここで、表1中の略号は、以下の表2の通りである。
Figure 0006130927
Figure 0006130927
表2における略称の説明
DMAPAAQ:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
MBA:メチレンビスアクリルアミド
TEDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
DEDMA:ジエチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業(株)製)
・支持体
TR:N1(厚み76μm、目付19g/m、タピルス(株)製)
J7:FF1855−1(厚み55μm、目付18g/m、日本バイリーン(株)製)
Ap:H6A(厚み35μm、目付13g/m、アポラス社製)
U1:UNQ−04−Q(厚み70μm、目付18g/m、宇部日東化成社(株)製)
F2:2223−10C(厚み100μm、目付30g/m、フロイデンベルグ社製)
Figure 0006130927
比較イオン交換膜
AMX:市販アニオン交換膜(成分ポリスチレン系、厚み140μm、(株)アストム社製)
CMX:市販カチオン交換膜(成分ポリスチレン系、厚み180μm、(株)アストム社製)
・電極
0.254mmのグラファイトシート(Graftech社製、商品名:Grafoil)を準備し、そこにイオン吸着剤として活性炭ペースト(日立化成(株)製、商品名:ヒタゾルGA−1000)を乾燥膜厚70μmになるように塗布し、乾燥させ、ローラーでプレスしてから0.1気圧中で150℃で3時間かけて絶乾させた。使用前に0.1M塩化ナトリウム中に3時間以上浸漬させてから使用した。なお、活性炭が塗布された面を処理液に接する向きで使用した。
・流路
厚み0.5mmのシリコーンシート((株)扶桑ゴム産業社製、硬度90°)を送液部分が蛇行状になるようにくりぬいた。
・処理液
硫酸マグネシウム0.5mM(MgSO、和光純薬工業(株)製)、塩化カルシウム1mM(CaCl、和光純薬工業(株)製)、炭酸水素ナトリウム1mM(NaHCO、和光純薬工業(株)製)となるようにそれぞれの塩を純水に溶解させた混合水溶液を調液し、処理液とした。
(実施例1C)
実施例1で作成したアニオン交換膜及びカチオン交換膜を用いてキャパシタ脱塩装置を作成した。
下からセル下部(土台)、電極(i)、カチオン交換膜、流路、アニオン交換膜、電極(ii)、セル上部(蓋)という順で積層して六角ボルトで締め付けてキャパシタ脱塩装置を組んだ。この時、電極とカチオン交換膜、電極とアニオン交換膜の間に空気層、気体層が形成されないように、各膜と電極を0.1M塩化ナトリウム水溶液中に浸漬させてからその液ごと各層を重ねていき、最後に液を抜きながら六角ボルトで締め付けてキャパシタ脱塩装置を組んだ。この時、トルクレンチにて5cN・mまで六角ボルトを押し込んだ。本キャパシタ脱塩セルの流路入り口をペリスタポンプに接続しその先を処理液が入った容器に接続し、セルの流路出口を流通型電導度計((株)堀場製作所製、極微量カラムクロマト用電気伝導率セル3574−10C)に接続した。2つの電極をガルバノスタット(Bio−Logic−Science Instruments社製、型番:VSP−3000)に接続した。
(実施例2C〜9C、比較例1C〜3C)
実施例1Cにおいて、アニオン交換膜及びカチオン交換膜を実施例2〜9、比較例1〜3のアニオン交換膜及びカチオン交換膜に変えた以外は、実施例1Cと同様にしてキャパシタ脱塩装置を作成した。
[MEA(Membrane Electrode Assembly)電圧(V)]
流路に処理液が20ml/分の速度で常に流れる状態で測定を行った。アニオン交換膜側の電位が高くなる向きで、2電極間で電流密度が5A/mになるように30秒間電圧を印加し(脱塩)、続いて逆向きに5A/mの電流密度で電気が流れるように30秒間電圧を印加した(再生)。このサイクルを100サイクル繰り返し、100回目の再生時の電圧を印加した最後のタイミングにおける電圧値をMEA電圧(V)とした。なお、アニオン交換膜側の電極の電位が高い場合を正(+)とすると負の電圧となるが絶対値で表記した。結果を下記表4に示す。
なお、表4における評価ランクは下記の基準に従う。
A:0.7V未満
B:0.7V以上0.75V未満
C:0.75V以上0.8V未満
D:0.8V以上0.85V未満
E:0.85V以上
[脱塩再生]
MEA電圧を測定するプロセスにおいて、100サイクル目の脱塩開始後10秒後における処理液の電導度が処理前の電導度と比較して5%以上減少し、かつ再生開始後10秒後における処理液の電導度が処理前の電導度と比較して5%以上増加している場合を「良」、どちらかでも5%未満しか変化していない場合を「通常」とした。
結果を下記表4に示す。
[膜抵抗(Ω・cm)]
測定するイオン交換膜を20mm×20mmに裁断し、予め0.5M塩化ナトリウム水溶液中に浸漬させた。膜を円形(1cm)に刳り貫かれたシリコーンシート(1mm)2枚で挟み込み、その外側に白金線(0.1mm径)を中心位置に配置し更に同形のシリコーンシート2枚で挟み込んだ。更に両側に0.5M塩化ナトリウム水溶液が入った容器を接続し、その外側にリファレンス電極として白金板を配置した。白金線2本と白金板2枚をそれぞれ周波数特性分析器(Bio−Logic−Science Instruments社製、型番:VSP−3000)に接続し、振幅5mV、周波数1kHz、積算回数5回で間のウェイト時間を0.3秒、の条件で交流電圧を印加した際の電流値から白金線間の抵抗を測定し、同様に膜なしで測定した際の抵抗との差異から膜抵抗を測定した。
結果を下記表4に示す。
Figure 0006130927
上記表4から明らかなように、弾性率が50MPa以下のアニオン交換膜およびカチオン交換膜を用いて作製したキャパシタ脱塩装置ではMEA電圧が低く、かつ適切に脱塩再生が行われた。
また、弾性率は35MPa以下のアニオン交換膜およびカチオン交換膜を用いて作製したキャパシタ脱塩装置のMEA電圧は、弾性率が35MPaを超え50MPa以下のアニオン交換膜およびカチオン交換膜を用いて作製したキャパシタ脱塩装置のMEA電圧よりも低かった。
さらに、イオン交換膜と電極間に空気/気体層がない実施例1C〜9Cのキャパシタ脱塩装置は、空気/気体層が存在する比較例3Cのキャパシタ脱塩装置と比較してMEA電圧が顕著に低かった。
実施例1と実施例3の比較から示されるようにMEA電圧は必ずしも膜抵抗に依存せず、膜抵抗が高い場合でも弾性率の低いイオン交換膜を用いることでMEA電圧を下げることができることが示された。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2013年11月7日に日本国で特許出願された特願2013−231050に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1a、1b、1c、1d 脱塩キャパシタ
2 導体
3 イオン吸着剤
4 アニオン交換膜
5 カチオン交換膜
6 フィード液の進行方向

Claims (19)

  1. 電極上に、イオン交換樹脂からなり、かつ弾性率が50MPa以下であるイオン交換膜を有するイオン交換膜電極接合体。
  2. 前記弾性率が、35MPa以下である請求項1に記載のイオン交換膜電極接合体。
  3. 前記電極と前記イオン交換膜との間にイオン吸着剤を有する請求項1または2に記載のイオン交換膜電極接合体。
  4. 前記電極と前記イオン交換膜との間に空気もしくは気体を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  5. 前記イオン交換膜電極接合体が、イオンを吸脱着するために使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  6. 前記イオン交換膜電極接合体が、キャパシタ脱塩用である請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  7. 前記イオン交換膜が、不織布とイオン交換樹脂との複合膜である請求項1〜6のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  8. 前記不織布を構成する50%以上の繊維の直径が、5μm未満である請求項7に記載のイオン交換膜電極接合体。
  9. 前記不織布を構成する1%以上20%未満の繊維の直径が、5μm以上である請求項7に記載のイオン交換膜電極接合体。
  10. 前記イオン交換膜のイオン交換容量が2.5meq/g以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  11. 前記イオン交換樹脂が、(メタ)アクリル成分を含む樹脂である請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  12. 前記(メタ)アクリル成分が、(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリルエステルである請求項11に記載のイオン交換膜電極接合体。
  13. 前記電極が正電極であり、前記イオン交換膜がアニオン交換膜である請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のイオン交換膜電極接合体の製造方法であって、前記イオン交換膜と前記電極の間に空気もしくは気体を含まないように接合するイオン交換膜電極接合体の製造方法。
  15. 前記接合が、加圧接合である請求項14に記載のイオン交換膜電極接合体の製造方法。
  16. 電極上に、イオン交換樹脂からなるイオン交換膜を有するイオン交換膜電極接合体を2対有し、該2対の各々のイオン交換膜に接して流路を有するキャパシタ脱塩装置であって、該イオン交換膜の少なくとも1つの弾性率が50MPa以下であるキャパシタ脱塩装置。
  17. 前記イオン交換膜のいずれも、弾性率が50MPa以下である請求項16に記載のキャパシタ脱塩装置。
  18. 前記電極と前記イオン交換膜との間にイオン吸着剤を有する請求項16または17に記載のキャパシタ脱塩装置。
  19. 前記電極と前記イオン交換膜との間に空気もしくは気体を含まない請求項16〜18のいずれか1項に記載のキャパシタ脱塩装置。
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