JP6129533B2 - 廃水の処理方法及び廃水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水の処理方法及び処理装置に関し、更に詳しくは、該廃水からリン酸イオン及び重金属イオンを低減すると共に、リンを高純度含有するリン系スラッジを回収する廃水の処理方法及び廃水処理装置に関する。
金属製品の表面処理の一つに、リン酸塩化成処理がある。リン酸塩化成処理は、金属表面に、不溶性のリン酸塩皮膜を形成して、金属製品の耐食性を向上させるものである。
リン酸塩化成処理後の洗浄廃水には、重金属イオンやリン酸イオンが含まれているため、再利用や排水できるレベルまで重金属イオン濃度やリン酸イオン濃度を低減する必要がある。
例えば、特許文献1、2には、リン酸塩化成処理後の洗浄廃水に、カルシウムを含有する塩基性物質を添加してpH6以上に中和した後、アルミニウム電極又は鉄電極を陽極として用いてpHが7以上になるように電気分解処理を行い、電気分解処理によって生じる凝集物を除去して処理することが開示されている。
特開2002−273440号公報 特開2002−273447号公報
特許文献1,2では、電気分解処理後の処理液から凝集物を分離除去しているが、該凝集物は、リンの他に重金属を大量に含んでいる。リンは、飼料や肥料等に利用できるが、重金属を含むものは、土壌や家畜などへの蓄積抑制の観点から使用が制限されている。
特許文献1,2に開示された処理方法によって排出される凝集物は、リンの他に重金属を大量に含んでいるため、飼料や肥料等には使用できず、また、利用価値も低いため、廃棄処理する必要があり、汚泥の処理コストが嵩む問題があった。
よって、本発明の目的は、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水から、リン酸イオン及び重金属イオンを低減すると共に、リンを高純度含有するリン系スラッジを効率よく回収できる廃水の処理方法及び廃水処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の廃水の処理方法は、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極と、該陽極と対になる陰極とを備えた電解槽に導入し、両電極間に電圧を印加して電気分解処理を行う電気分解処理工程と、前記電気分解処理工程後の処理液から、重金属イオンを含む金属スラッジを凝集させて前記金属スラッジを回収する金属スラッジ回収工程と、前記金属スラッジ回収工程後の処理液に対し、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するカルシウム添加工程と、前記カルシウム添加工程後の処理液から、リン酸カルシウム塩を含むリン系スラッジを生成させて、前記リン系スラッジを回収するリン系スラッジ回収工程とを含むことを特徴とする。
本発明の廃水の処理方法は、電気分解処理後の処理液の重金属イオン濃度が設定値未満となる、前記廃水の単位体積当たりの電気量を求め、該電気量となるまで電圧を印加して前記電気分解処理工程を行うことが好ましい。
本発明の廃水の処理方法は、電気分解処理後の処理液の重金属イオン濃度が設定値まで低下するときのpHを求め、該pHとなるまで前記電気分解処理工程を行うことが好ましい。
本発明の廃水の処理方法は、前記電気分解処理工程において、前記廃水のpHが3.0〜4.5の状態から電気分解処理を開始して、該廃水のpHが6.3〜7.0となるまで電気分解処理を行うことが好ましい。
本発明の廃水の処理方法は、前記カルシウム添加工程において、前記処理液のpHが10.0〜12.0となるようにカルシウムを含有する塩基性物質を添加することが好ましい。
また、本発明の廃水処理装置は、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極と、該陽極と対になる陰極とを備えた電解槽に導入して、両電極間に電圧を印加して前記廃水を電気分解処理する電気分解処理装置と、前記電気分解処理後の処理液から、前記重金属イオンを含む金属スラッジを凝集させて前記金属スラッジを回収する金属スラッジ回収装置と、前記金属スラッジ回収装置から排出される処理液に、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するカルシウム添加装置と、カルシウムを含有する塩基性物質が添加された処理液から、リン酸カルシウム塩を含むリン系スラッジを生成させて前記リン系スラッジを回収するリン系スラッジ回収装置とを備えることを特徴とする。
本発明の廃水処理装置の前記電気分解処理装置は、電気分解処理後の処理液の重金属イオン濃度が設定値未満となる、前記廃水の単位体積当たりの電気量を設定値とし、該電気量の設定値に到達するまで電圧を印加されることが好ましい。
本発明の廃水処理装置の前記電気分解処理装置は、電気分解処理後の処理液の重金属イオン濃度が設定値未満となるときの前記処理液のpHを設定値とし、該pHの設定値に到達するまで前記電気分解処理を行うように制御されることが好ましい。
本発明の廃水処理装置の前記電気分解処理装置は、pHが3.0〜4.5の前記廃水を導入され、該廃水のpHが6.3〜7.0となるまで電気分解処理を行うように制御されることが好ましい。
本発明の廃水処理装置の前記カルシウム添加装置は、前記処理液のpHが10.0〜12.0となるまで、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するように制御されることが好ましい。
本発明によれば、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極と、該陽極と対になる陰極とを備えた電解槽に導入し、両電極間に電圧を印加して電気分解処理を行うことにより、陽極から溶出したAlイオンやFeイオンが、廃水中の重金属イオンと反応して、重金属を含む不溶性の金属スラッジが生成するので、該金属スラッジを除去することで廃水中の重金属イオンを除去できる。
また、電気分解処理後の処理液には、重金属イオンが除去されているものの、リン酸イオンは除去されずに多量に存在しているので、金属スラッジを除去した後に、カルシウムを含有する塩基性物質を添加することで、カルシウムイオンと廃水中のリン酸イオンとが反応して、リン酸カルシウム塩を含む不溶性のリン系スラッジが生成する。該リン系スラッジは、重金属の含有量が極めて低く、リンを高純度で含有するので、飼料や肥料等に利用できる。また、廃棄処理等に供される汚泥は、金属スラッジだけで済むので、汚泥の処理コストを低減できる。
本発明の廃水処理装置の一実施形態を示す概略図である。
本明細書において、リン酸イオンとあるものは、PO 3−、HPO 2−、HPO を含むものとする。また、本発明において、重金属イオンとは、Zn、Ni、Mn、Pb、Hg、Cd等、比重が4以上の金属のイオンを意味する。
図1を用いて、本発明の廃水処理装置の一実施形態について説明する。
図1の符号1は、電気分解処理装置であって、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水が導入される電解槽10と、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極11と、該陽極11と対になる陰極12とを備えている。陽極11及び陰極12は、電源13と電気的に接続しており、両電極間に電圧を印加することで、電解槽10に導入された廃水が電気分解処理される。
陽極11は、Al又はAl合金が好ましい。Alイオンは、溶液中で負に帯電した重金属コロイドを中和し凝集する効果が高いので、効率よく重金属イオンを除去できる。
電気分解処理装置1からは配管L1が伸びて、金属スラッジ凝集槽2に接続している。金属スラッジ凝集槽2は、内部に攪拌機21が設けられており、槽内に導入された処理液を攪拌して、電気分解処理によって陽極から溶出したAlイオン及び/又はFeイオンと、廃水中の重金属イオンとを反応、凝集させて、不溶性の金属スラッジを凝集及び生成させる。
金属スラッジ凝集槽2からは、配管L2が伸びて、金属スラッジ分離槽3に接続している。金属スラッジ分離槽3では、槽内に導入された処理液を金属スラッジと分離液とに固液分離する。
金属スラッジ分離槽3は、槽内に導入された処理液を金属スラッジと分離液とに固液分離できるものであればよく、特に限定はない。例えば、沈降分離槽、加圧浮上分離槽、膜ろ過装置等が挙げられる。この実施形態では、金属スラッジ分離槽3は沈降分離槽であり、底部に金属スラッジ排出用の配管L3が設けられており、底部に堆積した金属スラッジを配管L3から系外に排出できるように構成されている。また、金属スラッジ分離槽3の上部には、分離液の引抜き用の配管L4が設けられている。
この実施形態では、金属スラッジ凝集槽2及び金属スラッジ分離槽3が、本発明における金属スラッジ回収装置に該当する。なお、電気分解処理装置1内で金属スラッジを凝集及び除去する場合は、金属スラッジ凝集槽2及び金属スラッジ分離槽3は省略してもよい。
金属スラッジ分離槽3の上部から伸びた配管L4は、カルシウム混合槽4に接続している。カルシウム混合槽4には、カルシウム添加装置5から伸びた配管5が接続しており、配管5を通って、カルシウム添加装置5から、カルシウム混合槽4内の処理液に、水酸化カルシウム(消石灰、Ca(OH))、生石灰(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO)等のカルシウムを含有する塩基性物質(以下、「塩基性カルシウム化合物」という)が添加される。
カルシウム混合槽4からは、配管L6が伸びて、リン系スラッジ生成槽6に接続している。リン系スラッジ生成槽6では、内部に攪拌機61が設けられており、槽内に導入された処理液を攪拌して、カルシウムイオンとリン酸イオンとを反応させ、リン酸カルシウム塩を含む不溶性のリン系スラッジを生成させる。
リン系スラッジ生成槽6からは、配管L7が伸びて、リン系スラッジ分離槽7に接続している。リン系スラッジ分離槽7では、槽内に導入された処理液をリン系スラッジと分離液とに固液分離する。リン系スラッジ分離槽7は、槽内に導入された処理液をリン系スラッジと分離液とに固液分離できるものであればよく、特に限定はない。例えば、沈降分離槽、加圧浮上分離槽、膜ろ過装置等が挙げられる。この実施形態では、リン系スラッジ分離槽7は沈降分離槽であり、底部にリン系スラッジ排出用の配管L8が設けられており、底部に堆積したリン系スラッジを配管L8から系外に排出できるように構成されている。また、リン系スラッジ分離槽7の上部には、分離液の引抜き用の配管L9が設けられている。
この実施形態では、リン系スラッジ生成槽6及びリン系スラッジ分離槽7が、本発明におけるリン系スラッジ回収装置に該当する。なお、カルシウム混合槽4内でリン系スラッジを生成及び除去する場合は、リン系スラッジ生成槽6及びリン系スラッジ分離槽7は省略してもよい。
次に、上記廃水処理装置を用いた場合を例に挙げて、本発明の廃水の処理方法を説明する。
リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、電気分解処理装置1に導入して電気分解処理する(電気分解処理工程)。
電気分解処理により、陽極11からAlイオンやFeイオンが溶出し、陽極11から溶出したこれらのイオンが廃水中の重金属イオンと反応して、重金属を含む不溶性の金属スラッジが凝集生成する。AlイオンやFeイオンは、重金属イオンとの反応、凝集効果が高いものの、リン酸イオンに対しては不溶性の凝集物を形成し難いので、電気分解処理によって生成した金属スラッジを除去することで、廃水中の金属イオンを選択的に除去できる。
リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水としては、リン酸化成処理後の洗浄廃水、畜産排水、農業廃水等がある。これらの廃水は、リン酸化成処理等に供される金属製品の種類や処理条件毎に異なることがあるものの、同一の金属製品等に対して同一の処理条件を行っている際に排出される廃水は性状がほぼ一定で、変動が少ない。
このため、電気分解処理装置1での廃水の電気分解処理は、電気分解処理後の処理液中の重金属イオン濃度が設定値未満となる、廃水の単位体積当たりの電気量を求め、該電気量となるように電圧を印加して行うことが好ましい。このように電気分解処理することで、廃水中の重金属イオン濃度を十分に低減することができる。なお、重金属イオン濃度は、JIS K 0102に準拠した方法や、商品名「パックテスト」(共立理化学研究所製)等の簡易測定器等を用いて測定することができる。
また、電気分解処理における電荷量と、電気分解処理後の処理水のpHは相関があり、電荷量を高めることで、電気分解処理後の処理水pHが上昇する。このため、電気分解処理後の処理液中の重金属イオン濃度が設定値未満となるときの処理液のpHを予め求めておき、該pHとなるまで電気分解処理を行ってもよい。
また、リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水のpHは3.0〜4.5であることが多いので、廃水のpHが3.0〜4.5の状態から電気分解処理を開始して、該廃水のpHが6.3〜7.0となるまで電気分解処理を行うことでも、廃水中の金属イオンをほぼ選択的に効率よく除去できる。pHが6.3未満であると重金属イオンを十分に除去できないことがあり、7.0を超えると、陽極から過剰に溶出したAlイオンやFeイオンにより処理液が濁る恐れがある。
次に、電気分解処理装置1での電気分解処理後の処理水を、金属スラッジ凝集槽2に導入して攪拌して、不溶性の金属スラッジを凝集させた後、金属スラッジ分離槽3に導入して金属スラッジと分離液とに固液分離し、配管L3から金属スラッジを回収する(金属スラッジ回収工程)。処理液の固液分離方法としては、特に限定は無く、重力沈降法、加圧浮上分離槽、膜ろ過装置等が挙げられる。
次に、金属スラッジを除去した分離液を、カルシウム混合槽4に導入し、カルシウム添加装置5から供給される塩基性カルシウム化合物と混合する(カルシウム添加工程)。
電気分解処理後の処理液は、重金属イオンが除去されているものの、リン酸イオンはそれほど除去されずに多量に存在している。このため、金属スラッジを除去した後に、カルシウムを含有する塩基性物質を添加することで、カルシウムイオンと廃水中のリン酸イオンとが反応して、リン酸カルシウム塩を高純度で含む不溶性のリン系スラッジが生成される。
塩基性カルシウム化合物は、塩基性カルシウム化合物を添加した後の処理液のpHが、好ましくは10.0〜12.0となるように添加する。塩基性カルシウム化合物を添加することで、塩基性カルシウム化合物からOHイオンが供給されて処理液のpHが上昇する。そして、塩基性カルシウム化合物を添加した後の処理液のpHが10.0〜12.0であれば、リン酸イオンをほぼ完全に消費できる。pHが12.0を超えると塩基性カルシウムを過剰に供給していることになるので、処理コストが嵩む。pHが10.0未満であるとリン酸イオン濃度が十分に低減されていないことがある。なお、リン酸イオンは、JIS K 0102 46.1に準拠した方法や、商品名「パックテスト」(共立理化学研究所製)等の簡易測定器等を用いて測定することができる。
次に、塩基性カルシウム化合物が供給された処理液を、リン系スラッジ生成槽6に導入し、攪拌してリン系スラッジを生成させた後、リン系スラッジ分離槽7に導入してリン系スラッジと分離液とに固液分離し、配管L8からリン系スラッジを回収する(リン系スラッジ回収工程)。処理液の固液分離方法としては、特に限定は無く、重力沈降法、加圧浮上分離槽、膜ろ過装置等が挙げられる。
配管L8から排出されるリン系スラッジは、重金属の含有量が極めて低く、リンを高純度で含有するので、脱水機等により水分を除去した後に、飼料や肥料等に利用できる。また、再度、リン酸化成処理等に利用することもできる。
また、配管L9から排出される分離液は、重金属イオン濃度及びリン酸イオン濃度が極めて低いので、pHを中性程度に中和し、RO膜などでろ過処理した後、工業用水として再利用したり、河川等に放流することができる。
また、本発明の処理方法によれば、廃棄処理等に供される汚泥は、金属スラッジ分離槽3から排出される金属スラッジだけで済むので、汚泥の処理コストを低減できる。
以下の各試験例において、各試料液のリン酸イオン濃度、重金属イオン濃度(Mnイオン濃度、Znイオン濃度、Niイオン濃度)、CODは、商品名「パックテスト」(共立理化学研究所製)を用いて測定した。また、pHはガラス電極法で測定した。また、濁度は透過光方式で測定した。
(試験例1)
表1に示す試料液の300mlを、電気分解処理装置(陽極:Al電極、陰極:Al電極、電極面積:30cm)を用い、表1に示す条件1〜4で電気分解処理を行った。電気分解処理後の処理液を、撹拌速度100rpmで20分間撹拌した後、60分間自然沈降してスラッジと分離液とに固液分離し、分離液を回収した。分離液のpH、濁度、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表1にまとめて記す。
表1に示すように、電気分解処理時における電気量を高めることで、重金属イオンの除去効率を高めることができた。
一方、リン酸イオン濃度については、電気量を高めても除去効率が低く、電気分解処理後の処理液にはリン酸イオンが大量に残留していた。
(試験例2)
表2,3に示す試料液の300mlに、カルシウムスラリー(純水に消石灰を5質量%分散させたもの)又はNaOHを添加して、表2,3に示すpHに調整し、撹拌速度100rpmで20分間撹拌した後、60分間自然沈降してスラッジと分離液とに固液分離し、分離液を回収した。カルシウムスラリー添加後のpH、濁度、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表2に示し、NaOH添加後のpH、濁度、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表3に示す。
表2,3に示すように、試料液にNaOHを添加しても、リン酸イオンを殆ど除去できなかった。
これに対し、カルシウムスラリーを添加することで、試料液中のリン酸イオン濃度を低減できた。
(試験例3)
表4に示す試料液の300mlを、電気分解処理装置(陽極:Al電極、陰極:Al電極、電極面積:30cm)を用い、0.3A、17分、電荷量306Cの条件で電気分解処理を行った。電気分解処理後の処理液を、撹拌速度100rpmで20分間撹拌した後、60分間自然沈降して金属スラッジと分離液とに固液分離し、金属スラッジが除去された分離液を回収した。分離液のpH、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表4にまとめて記す。
次に、上記分離液に、カルシウムスラリー(純水に消石灰を5質量%分散させたもの)を添加して、pHを10.9に調整した。そして、撹拌速度100rpmで20分間撹拌した後、60分間自然沈降してリン系スラッジと分離液とに固液分離し、リン系スラッジと、リン系スラッジが除去された分離液とを回収した。分離液のpH、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表4にまとめて記す。
また、分離液をRO膜でろ過処理し、酸を添加して中和した。pH調整後の分離液及び一律排水基準のpH、COD、リン酸イオン濃度、重金属イオン濃度を表4にまとめて記す。
表4に示されるように、電気分解処理後の処理液は、リン酸イオン濃度が高いものの、重金属イオン濃度が低減されているので、該処理液にカルシウムスラリーを添加し、凝集させて得られるリン系スラッジは、リンを高純度で含有していることが分かる。このリン系スラッジは、重金属の含有量が極めて少ないので、脱水機により水分を除去した後に、飼料や肥料等に好適に用いることができる。
また、カルシウムスラリー添加後の処理液は、リン酸イオン濃度や重金属イオン濃度が極めて低く、RO膜でろ過処理して不純物を除去し、中和してpHを中性に調整した後、再利用したり、下水等に放流することができる。
また、廃棄処理等に供される汚泥は、電気分解処理後に排出された金属スラッジのみでよかったので、汚泥の処理コストを低減できる。
1:電気分解処理装置
2:金属スラッジ凝集槽
3:金属スラッジ分離槽
4:カルシウム混合槽
5:カルシウム添加装置
6:リン系スラッジ生成槽
7:リン系スラッジ分離槽
10:電解槽
11:陽極
12:陰極
13:電源
21、61:攪拌機
L1〜L9:配管

Claims (6)

  1. リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極と、該陽極と対になる陰極とを備えた電解槽に導入し、両電極間に電圧を印加して電気分解処理を行う電気分解処理工程と、
    前記電気分解処理工程後の処理液から、重金属イオンを含む金属スラッジを凝集させて前記金属スラッジを回収する金属スラッジ回収工程と、
    前記金属スラッジ回収工程後の処理液に対し、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するカルシウム添加工程と、
    前記カルシウム添加工程後の処理液から、リン酸カルシウム塩を含むリン系スラッジを生成させて、前記リン系スラッジを回収するリン系スラッジ回収工程とを含み、
    前記電気分解処理工程において、前記廃水のpHが3.0〜4.5の状態から電気分解処理を開始して、前記廃水のpHが6.3〜7.0となるまで電気分解処理を行うことを特徴とする廃水の処理方法。
  2. 前記電気分解処理工程において、前記廃水のpHが6.3〜7.0となる、前記廃水の単位体積当たりの電気量を求めておき、該電気量となるまで電圧を印加して前記電気分解処理を行う請求項1に記載の廃水の処理方法。
  3. 前記カルシウム添加工程において、前記処理液のpHが10.0〜12.0となるようにカルシウムを含有する塩基性物質を添加する請求項1又は2に記載の廃水の処理方法。
  4. リン酸イオン及び重金属イオンを含む廃水を、Al、Fe、又はこれらの合金で形成された陽極と、該陽極と対になる陰極とを備えた電解槽に導入して、両電極間に電圧を印加して前記廃水を電気分解処理する電気分解処理装置と、
    前記電気分解処理後の処理液から、前記重金属イオンを含む金属スラッジを凝集させて前記金属スラッジを回収する金属スラッジ回収装置と、
    前記金属スラッジ回収装置から排出される処理液に、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するカルシウム添加装置と、
    カルシウムを含有する塩基性物質が添加された処理液から、リン酸カルシウム塩を含むリン系スラッジを生成させて前記リン系スラッジを回収するリン系スラッジ回収装置とを備え、
    前記電気分解処理装置は、pHが3.0〜4.5の前記廃水を導入され、前記廃水のpHが6.3〜7.0となるまで電気分解処理を行うように制御されることを特徴とする廃水処理装置。
  5. 前記電気分解処理装置は、前記廃水のpHが6.3〜7.0となる、前記廃水の単位体積当たりの電気量を設定値とし、該電気量の設定値に到達するまで電圧を印加される請求項に記載の廃水処理装置。
  6. 前記カルシウム添加装置は、前記処理液のpHが10.0〜12.0となるまで、カルシウムを含有する塩基性物質を添加するように制御される請求項4又は5に記載の廃水処理装置。
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