JP2002273447A - 洗浄廃水の処理方法 - Google Patents

洗浄廃水の処理方法

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JP2002273447A
JP2002273447A JP2001085671A JP2001085671A JP2002273447A JP 2002273447 A JP2002273447 A JP 2002273447A JP 2001085671 A JP2001085671 A JP 2001085671A JP 2001085671 A JP2001085671 A JP 2001085671A JP 2002273447 A JP2002273447 A JP 2002273447A
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washing
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wastewater
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Shinichiro Kai
紳一郎 甲斐
Tamotsu Boda
保 傍田
Kazuo Ashida
一夫 芦田
Kazumasa Yamauchi
一正 山内
Takashi Saka
敬史 坂
Jun Katsuragawa
潤 桂川
Fumio Yasui
文夫 安井
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Hino Motors Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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F Y KK
Hino Motors Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸塩化成処理後の洗浄廃水を処理する場
合において、効率的に重金属イオン、特にNiイオンを
除去することができる洗浄廃水の処理方法を提供する。 【解決手段】 リン酸塩化成処理後の洗浄廃水の処理方
法であって、上記洗浄廃水をpH6以上に中和する工
程、及び、pH7以上になるように電気分解処理を行う
工程からなることを特徴とする洗浄廃水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸塩化成処理
後の洗浄廃水の処理方法に関し、更に詳しくは、脱脂処
理、脱脂後水洗処理、リン酸塩化成処理及び化成後水洗
処理を含む塗装前処理ラインにおいて効率的に化成処理
後の洗浄廃水を処理することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の金属成形物は、一般的に、表
面に付着している油分を除去するための脱脂処理、後工
程である化成処理における化成皮膜の形成を良好に行う
ための表面調整処理、及び、耐食性や耐磨耗性を向上さ
せるリン酸塩化成処理という一連の塗装前処理工程が行
われた後、電着塗装されている。
【0003】この塗装前処理工程のうち脱脂処理及びリ
ン酸塩化成処理においては、処理液の混合防止や化成皮
膜の品質の確保を目的として、処理の後に水洗浄が複数
回行われている。上記水洗浄による洗浄廃水は、そのま
まアルカリ凝集沈殿処理及び/又は活性汚泥等の廃水処
理設備に送られた後廃棄されており、廃棄に伴う経費が
高かった。更に、再利用できる程度にまで処理する場合
には、大がかりな濾過設備や薬品が必要になり、容易に
は洗浄廃水の再利用ができないという問題点があった。
【0004】特開平7−116666号公報、特開平1
0−99777号公報等には、電気分解装置を使用し
て、上記の洗浄廃水を処理する方法が提案されている。
これらの方法は、凝集剤や薬品等を使用する必要がな
い、水の電気分解により発生する活性酸素がバクテリア
等を殺菌するために脱臭効果がある、スイッチを入れる
だけで廃水中のスラッジを除去することができ、水槽清
掃作業が軽減される等の有利な点が挙げられる。
【0005】しかしながら、この電気分解によって処理
された処理液においても、重金属イオン濃度が高い場合
があり、そのまま廃棄したり再利用する際には不充分で
あった。特に、重金属イオンのなかでも、Niイオンが
数ppmのオーダーで残存する場合が多く、電気分解に
よって処理した後更にキレート剤を使用して処理しなけ
ればならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リン
酸塩化成処理後の洗浄廃水を処理する場合において、効
率的に重金属イオン、特にNiイオンを除去することが
できる洗浄廃水の処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン酸塩化成
処理後の洗浄廃水の処理方法であって、上記洗浄廃水を
pH6以上に中和する工程、及び、pH7以上になるよ
うに電気分解処理を行う工程からなることを特徴とする
洗浄廃水の処理方法である。以下、本発明を詳述する。
【0008】本発明者らは、リン酸塩化成処理後の洗浄
廃水をpH6以上に中和し、その後、pH7以上になる
まで電気分解処理を行うことにより、Niイオン、Mn
イオン等の重金属イオンを効率的に除去することができ
ることを見いだし、本発明を完成した。また、リン酸塩
化成処理後の洗浄廃水をpH6〜7に中和し、その後、
pH7〜8.5になるまで電気分解処理を行うことによ
り、Niイオン、Mnイオンのみならず、電気分解処理
の陽電極としてアルミニウム電極を使用した場合に溶出
するAlイオンも効率的に除去することができるため、
電気分解処理を行う工程により得られる電気分解処理水
を脱脂後水洗処理における供給原水として再利用するこ
とができることも見いだした。
【0009】即ち、本発明の洗浄廃水の処理方法におい
ては、リン酸塩化成処理後の洗浄廃水をpH6以上に中
和する工程を含むものである。pH6未満であると、N
iイオン、Mnイオン等の重金属イオンを効率的に除去
することができないため、廃棄する場合にはその後に常
法に従って行われる廃水処理によって容易に除去するこ
とかできなかったり、また、再利用する場合にもこの処
理水を使用すると不都合が生じる。好ましくは、pH6
〜7である。pH7を超えると、電気分解処理の陽電極
としてアルミニウム電極を使用した場合に溶出するAl
イオンが沈殿せずに、AlO 2 - 等のイオンとなって溶
解することとなるため、処理液中のAlイオンの濃度が
上がる。ただし、処理液を廃棄する場合には、このAl
イオンは、凝集剤による凝集沈殿で簡便に除去すること
ができる。
【0010】上記中和する工程においては、洗浄廃水
を、水酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムにより中和
することが好ましい。これらの塩基性物質は、固体であ
っても水溶液の状態であってもよい。より好ましくは、
水酸化カルシウム又はその水溶液である。水酸化カルシ
ウムを添加することによって、化成処理液中に大量に含
まれるリン酸イオン及びフッ素イオンとカルシウムとの
不溶性の塩が形成されるため、リン酸イオン及びフッ素
イオンをも容易に除去することができる。
【0011】本発明の洗浄廃水の処理方法においては、
リン酸塩化成処理後の洗浄廃水をpH6以上に中和した
後、pH7以上になるように電気分解処理を行う工程か
らなるものである。pH7未満であると、Niイオン、
Mnイオン等の重金属イオンを効率的に除去することが
できず、廃棄したり、また、再利用することができな
い。好ましくは、pH7〜8.5である。pH8.5を
超えると、Alイオンが沈殿せずにAlO2 - 等のイオ
ンとなって溶解するため、処理液中のAlイオンの濃度
が上がる。上記電気分解処理を行う工程においては、電
気分解処理における電圧や時間等を調整することによっ
て、洗浄廃水をpH7以上となるようにすることができ
る。
【0012】上記電気分解処理を行う工程においては、
陽電極として、アルミニウム電極又は鉄電極を用いるこ
とが好ましい。より好ましくは、アルミニウム電極であ
る。アルミニウム電極は、電極から溶出してくるAlイ
オンが不溶性の水酸化アルミニウムとなり、この水酸化
アルミニウムは電解作用によって発生した水素によって
浮上する際に、更に種々の金属イオンの水酸化物と凝集
物を形成するため、この浮上してきた凝集物を定期的に
スクレイパ等で除去するだけで容易に分離排除すること
ができる。また、装置のメンテナンスも簡便である。一
方、陽電極として鉄電極を使用する場合には、沈殿物が
凝集せずに処理液が懸濁状態となるため、処理水を再利
用する際には、電気分解処理を行う工程の後に、濾過装
置によりこの沈殿物を濾過する必要がある。
【0013】本発明の洗浄廃水の処理方法は、洗浄廃水
をpH6以上に中和する工程、及び、pH7以上になる
ように電気分解処理を行う工程からなるので、Niイオ
ン、Mnイオン等の重金属イオンを効率的に除去するこ
とができ、その後の廃水処理を容易に行うことができ
る。
【0014】また、洗浄廃水をpH6〜7に中和し、そ
の後、pH7〜8.5になるまで電気分解処理を行うこ
とにより、Niイオン及びMnイオンのみならず、電気
分解処理の陽電極としてアルミニウム電極を使用する際
に溶出してくるAlイオンも効率的に除去することがで
きるため、電気分解処理を行う工程により得られる電気
分解処理水を脱脂後水洗処理における供給原水として再
利用することができる。
【0015】更に、上記洗浄廃水を中和する工程におい
て水酸化カルシウムを使用することによって、リン酸イ
オン及びフッ素イオンも効率的に除去することができ、
また、電気分解処理の陽電極としてアルミニウム電極を
使用する場合には、固液分離性及び装置のメンテナンス
性に優れるため、脱脂後水洗処理における供給原水とし
て再利用する場合に好適である。本発明の洗浄廃水の処
理方法は、リン酸塩化成処理が行われた後の洗浄廃水に
ついて適用されるものであればその対象となる被塗装物
については特に限定されず、例えば、自動車車体及びそ
の部品等の金属成形物等を挙げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】自動車等の金属成形物の塗装前処
理工程の概略を図1に示す。自動車等の金属成形物は、
図1には示していないが、トロリー式の連続コンベアー
等につり下げられ、各工程間を搬送される。上記金属成
形物は、まず、表面に付着している油分や汚れを除去す
るために、脱脂水槽1において脱脂処理が行われる。上
記脱脂水槽1には、アルカリ脱脂洗浄液、無リン・無窒
素脱脂洗浄液等の脱脂剤が満たされており、通常40〜
50℃において数分間程度の浸漬処理がなされる。所望
により、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可
能である。
【0017】次いで、上記脱脂剤を水洗するために、水
洗ブース2及び3において第1水洗及び第2水洗が行わ
れる。この脱脂後水洗においては、通常、大量の水洗水
によってスプレー処理される。脱脂後水洗処理は、2段
階又はそれ以上で行うことが好ましく、汚れが少ない第
2水洗の使用後の水洗水を第1水洗に使用する。
【0018】その後、後工程である化成処理における化
成皮膜の形成を良好に行うために、表面調整処理が行わ
れる。表面調整処理水槽4には、表面調整処理剤が満た
されており、例えば特開平9−249978号公報等に
記載のものが挙げられる。上記表面調整処理は、通常、
室温にて数十秒〜2分程度浸漬処理により行われる。
【0019】上記表面調整処理を行った後、金属成形物
の耐食性や耐磨耗性を向上させるために、化成処理槽5
においてリン酸塩化成処理が行われる。上記化成処理槽
5に満たされているリン酸塩化成処理液は、通常のリン
酸亜鉛を主成分とするものであり、カチオン成分とし
て、亜鉛以外にNi2+、Mg2+、Co2+、Cu2+、Mn
2+、Ca2+、Na+ 、Fe2+、NH4 + 、H+ 、アニオ
ン成分として、PO4 3- 、NO3 - 、NO2 - 、F-
SiF6 2- 、ClO3 - 、SO4 2- 等が含まれていても
よい。また、一部有機酸等を含むこともできる。上記化
成処理槽5においては、40〜50℃程度において数分
間浸漬処理される。
【0020】上記リン酸塩化成処理が行われた後の化成
後水洗においては、水洗ブース6、7及び8において第
3水洗、第4水洗及び第5水洗が行われる。この脱脂後
水洗においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらで
もよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもで
きるが、化成後水洗が不充分であるとその後の電着塗装
において塗膜外観等に悪影響を及ぼすことから、数段水
洗することが好ましく、最終の水洗は、純水で行うこと
が適当である。工程数としては、3段階又はそれ以上で
行うことが好ましい。上記金属成形物は、化成後水洗の
後は、公知の方法に従って、必要に応じて乾燥され、そ
の後、電着塗装を行うことができる。
【0021】上記化成後水洗においては、全使用水量及
び廃棄水量の削減の点から、各水洗処理後の洗浄廃水
は、それぞれその前段階の水洗工程における水洗水とし
て使用される。即ち、水洗ブース8において純水により
第5水洗された使用後の洗浄廃水は、第4水洗における
水洗水として使用される。更に、水洗ブース7において
第4水洗された使用後の洗浄廃水は、第3水洗における
水洗水として使用される。上記水洗ブース6において第
3水洗された使用後の洗浄廃水は、ポンプ9を介してp
H調整槽10に供給される。本発明においては、pH調
整槽10において、水酸化カルシウム若しくは水酸化ナ
トリウム又はこれらの水溶液、好ましくは水酸化カルシ
ウム水溶液の入った薬液タンク11から中和剤が適宜添
加され、pH6以上、好ましくはpH6〜7に中和され
る。上記中和剤の添加は、pH計を介してpHコントロ
ーラーを接続し、このpHコントローラーによってpH
をモニターしながら、自動制御にて行うことが可能であ
る。図1には、第3水洗された使用後の洗浄廃水がpH
調整槽10に供給される効率的な場合を示したが、第4
水洗及び第5水洗後の洗浄廃水をpH調整槽10に供給
することも可能であり、また、これらの洗浄廃水を混合
することも可能である。
【0022】その後、ポンプ12の駆動によって、所定
の給水圧力でpH調整槽10の洗浄廃水を電気分解処理
水槽13に供給する。上記電気分解処理水槽13には、
電極が配置されている。本発明においては、陽電極とし
てアルミニウム電極又は鉄電極、好ましくはアルミニウ
ム電極が挙げられる。陰極は、導電体であれば他の金属
でもよいが、電極極性を所定間隔で交互に切り換える場
合には、両方ともアルミニウム電極又は鉄電極で構成す
る。電極極性を交互に切り換えた場合には、電気分解に
より消耗する電極の消費バランスが均等化され、良好な
電気分解処理を行うことが可能であり、効率的な微小ス
ラッジの凝集分離を行うことができる。
【0023】本発明においては、電気分解処理した処理
液がpH7以上、好ましくはpH7〜8.5になるよう
に、上記電極間の印加電圧や印加時間を設定することが
でき、また、処理する水洗水の量や汚れ具合によって適
宜変更することができるが、印加電圧は5〜30V、滞
留時間は10〜60分間が好ましい。上記陽電極として
アルミニウム電極を使用した場合には、水酸化アルミニ
ウムや種々の金属イオンの水酸化物の凝集物が浮上する
ので、この凝集物を定期的にスクレイパ等で除去し、ス
ラッジとして廃棄する。
【0024】上記電気分解処理水槽13は、図2に示し
たように、水洗廃水の滞留時間を考慮して、第1連絡槽
15、第1電解槽16、第2電解槽17及び第2連絡槽
18を有するものであってもよい。図2においては、p
H調整槽から送られたきた水洗廃水が第1連絡槽15を
介して、第1電解槽16に送られ、電気分解処理され
る。次いで、第2電解槽17に移動しながら、第2電解
槽17でも電気分解処理が行われる。上記第1電解槽1
6及び第2電解槽17には、陽極と陰極の電極板が交互
に所定間隔で複数枚配置されている。図2においては、
第1電解槽16及び第2電解槽17において電気分解処
理されるため、効率的に微小スラッジを除去することが
できる。電気分解処理が終了した処理水は、順次第2連
絡槽18に送られ、定期的にサンプリングされてpHが
所定の範囲内であることが確認される。
【0025】上記電気分解処理水槽13においては、更
に、電極板が電気分解処理水槽中での廃水処理液の流れ
に対して抵抗が少なくなるように配置されているものが
好ましく、廃水処理液の流れ方向に対して略平行方向に
配置されているものがより好ましい。更に、電極板に対
して通常垂直方向に取り付けられている給電体について
も、流れ方向に向くように配置することが好ましい。上
記によって、既存の廃水処理装置に大きな変更を加える
ことなく、水流の流れに伴い電極に付着するスラッジ付
着物や沈殿物を常に洗い流すようにすることができるた
め、廃水中のスラッジが電極板に付着して電気分解効率
を下げたり、電気分解槽の底部にスラッジ沈殿物が発生
して水の流れを低下させたりする事態を回避することが
できる。
【0026】更に、上記電気分解処理水槽13は、密閉
型であることが好ましい。このようにすることによっ
て、水流を層流に近づけることができ、電極について、
より大きなセルフクリーニング効果を付与することがで
きる。また、上記電気分解処理水槽13中の複数の電極
が、1組以上の陽極及び陰極の電極ユニットに分割さ
れ、この電極ユニットが廃水処理液の流れ方向に数珠繋
ぎ状に配列されている場合であって、上記電極ユニット
の低部下面にはキャスターが取り付けられていることが
好ましく、このようにすることによって、電極ユニット
を交換する際に電気分解処理水槽13の底部に敷設され
たレール上を走らせて対象となる電極ユニットのみを簡
易に交換することができる。
【0027】上記電気分解処理水槽13の水流の流れ
は、一定であってもよいが、間欠的な水流を流すことに
よって、水流に乱れを生じさせ、電極の洗浄を効果的に
行うことも可能である。
【0028】上記のようにして電気分解処理された水洗
廃水は、図1の処理済液槽14に移動する。上記処理液
を廃棄する場合には、濾過装置によりこの沈殿物を濾過
したり、凝集剤による凝集沈殿でAlイオン等を除去す
る等の従来公知の簡易な廃水処理を行った後、廃棄する
ことができる。
【0029】上記処理液を再利用する場合には、ポンプ
によって、脱脂後水洗処理の第2水洗における水洗水と
して使用することができる。上記電気分解処理の際の陽
電極として鉄電極を使用する場合は、処理液を濾過装置
により濾過する必要がある。図1には、脱脂後水洗処理
の第2水洗における水洗水として使用する場合を示した
が、脱脂後水洗処理の第1水洗における水洗水として使
用することも可能である。なお、本発明における電気分
解処理を行うと、金属イオン等は除去されるが水洗水の
電気伝導度が上昇し、化成皮膜の定着を阻害するため、
化成後水洗処理における水洗水として使用することはで
きない。上記のように処理液を再利用することによっ
て、水洗水の新規使用量及び排出量の大幅な低減を行う
ことができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 (1)塗装前処理 市販の冷間圧延鋼板製自動車パーツを下記の工程条件で
塗装前処理を施した。脱脂後水洗及び化成後水洗は、多
段水洗とし、処理後の水洗水は前段送りとした。脱脂後
第2水洗水としては、下記(2)の条件に従って電気分
解処理を行った処理液を使用した。時間単位ごとの処理
面積は、400m2 /時とした。 脱脂:サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製脱
脂剤)40℃120秒浸漬処理 脱脂後第1水洗:20秒スプレー処理 脱脂後第2水洗:20秒スプレー処理;第2水洗槽の連
続給水量400L/時 表面調整:サーフファイン7(日本ペイント社製表面調
整剤)20〜30℃20秒浸漬処理;表面調整槽の連続
給水量100L/時 化成処理:サーフダインSD5350(日本ペイント社
製化成処理剤)35℃120秒浸漬処理 化成後第3水洗:20秒スプレー処理 化成後第4水洗:20秒スプレー処理;第4水洗槽の連
続給水量300L/時 純水第5水洗:純水による流水洗、20秒接液;第5水
洗の純水給水量100L/時
【0031】(2)電気分解処理 上記塗装前処理(1)の化成後第3水洗において使用さ
れた洗浄廃水について、下記条件に従って電気分解処理
を行った。 電気分解装置:アクアクリアーAC−20型(200V
3槽、1.9KW) 陽極:アルミニウム電極 陰極:ステンレス電極 通水速度:400L/h 電解容積:200L 出力電圧:4V 80A パス時間:60分 電解時間:30分
【0032】下記処理条件A〜Cに示す条件下で各々処
理を行った。 処理条件A:洗浄廃水のpHを調整せずに、電気分解処
理を行った。 処理条件B:洗浄廃水をNaOHでpH8に調整後、電
気分解処理を行った。 処理条件C:洗浄廃水をCa(OH)2 でpH6に調整
後、電気分解処理を行った。
【0033】処理条件A〜Cにおいて各々電気分解処理
を行いながら、上記塗装前処理(1)を1カ月間行い、
そのときの電気分解処理後の処理水について、含まれる
イオン濃度を測定した。また、pH及び電気伝導度も測
定した。結果を表1に示した。表1中、原水は、電気分
解処理を行う前の洗浄廃水、即ち、化成後第3水洗にお
いて排出された洗浄廃水である。なお、Znイオン、N
iイオン、Mnイオン及びNaイオンについては原子吸
光法によって測定した。PO4 イオン、NO3 イオン及
びFイオンについてはイオンクロマト法によって測定し
た。Caイオン、Mgイオン,Alイオン及びFeイオ
ンについては、原子吸光法分析によって測定した。
【0034】
【表1】
【0035】更に、脱脂後第1水洗水、脱脂後第2水洗
水及び表面調整液の各々について、Naイオン、Caイ
オン、Mgイオン、PO4 イオン及びNO3 イオン濃度
についても測定した。結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】化成後第3水洗の洗浄廃水を処理条件B及
びCで電気分解処理したものを、脱脂後第2水洗水とし
て利用してから1カ月以上経過しても、塗装前処理とし
て良好な脱脂性及び化成処理性を維持することができ
た。なかでも、処理条件Cで電気分解処理した場合は、
脱脂性及び化成処理性ともに優れたものであった。一
方、処理条件Aで電気分解処理した場合は、表面調整剤
の機能が劣化していき、化成処理によって形成される化
成皮膜の性能も劣るものであった。
【0038】実施例2 電解時間を40分に変えたこと以外は、実施例1と同様
にして化成後水洗処理後の洗浄廃水について電気分解処
理を行った。洗浄廃水のpH及び用いた薬剤、並びに、
陽電極の種類については表3に示したものを用いた。結
果を表3に示した。表3中、分析結果の欄の「−」は、
測定を行わなかったことを示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例3 洗浄廃水のpH及び用いた薬剤、並びに、陽電極を表3
に示したものを用い、更に電解時間を60分としたこと
以外は、実施例1と同様にして化成後水洗処理後の洗浄
廃水について電気分解処理を行った。結果を表4に示し
た。透明度については、電気分解処理を行った後の処理
液がほぼ透明である場合を○、濁っている場合を×とし
た。カチオン及びアニオンの除去性については、化成後
水洗処理後の洗浄廃水(原水)中の濃度と比較して、ほ
ぼ同じ程度か増加した場合を×、1/2程度にまで減少
した場合を△、1/2〜1/10の減少の場合を○、1
/10以上減少した場合を◎とした。
【0041】
【表4】
【0042】表1〜表4より、化成処理後の洗浄廃水を
pH6以上に中和した後、pH7以上になるように電気
分解処理を行うことによって、重金属イオン濃度、特に
Niイオン及びMnイオンについて効率的に除去するこ
とができたので、廃水処理の前処理液として適している
ことがわかった。更に、洗浄廃水をpH6〜7に中和し
た後、pH7〜8.5になるように電気分解処理を行う
ことによって、全重金属イオン濃度を2ppm以下とす
ることができ、また、リン酸イオン及びFイオンも除去
されるため、良好に洗浄廃水を処理することができた。
【0043】また、表2より、上記電気分解処理を行う
ことによって、脱脂後水洗処理における水洗水として好
適に使用することができることがわかった。Naイオン
及びNO3 イオンは上記処理によって除去されずに残留
するが、基準値濃度以下であり、電気分解処理後の処理
液のpHについては処理条件Bの場合は若干高い値であ
るが、表2の脱脂後水洗液及び表面調整槽内液のpHを
考慮すると、脱脂後水洗処理における水洗水として使用
することができる。
【0044】表4より、陽電極として鉄電極を使用した
場合には、透明度が悪いため、その後に濾過処理等が必
要であるが、アルミニウム電極を使用した場合には、透
明度の高い処理液を得ることができた。
【0045】
【発明の効果】本発明の洗浄廃水の処理方法は、洗浄廃
水をpH6以上に中和する工程、及び、pH7以上にな
るように電気分解処理を行う工程からなるので、Niイ
オン、Mnイオン等の重金属イオンを効率的に除去する
ことができ、その後の廃水処理を容易に行うことができ
る。更に、洗浄廃水をpH6〜7に中和し、その後、p
H7〜8.5になるまで電気分解処理を行うことによ
り、Niイオン及びMnイオンのみならず、電気分解処
理の陽電極としてアルミニウム電極を使用する際に溶出
するAlイオンも効率的に除去することができるため、
電気分解処理を行う工程により得られる電気分解処理水
を脱脂後水洗処理における供給原水として再利用するこ
とができる。また、上記洗浄廃水を中和する工程におい
て水酸化カルシウムを使用することによって、リン酸イ
オン及びフッ素イオンも効率的に除去することができ、
また、電気分解処理の陽電極としてアルミニウム電極を
使用する場合には、固液分離性及び装置のメンテナンス
性に優れるため、脱脂後水洗処理における供給原水とし
て再利用する場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属成形物の塗装前処理工程の概略図である。
【図2】本発明で使用される電気分解処理水槽の好まし
い形態である。
【符号の説明】
1 脱脂水槽 2 水洗ブース 3 水洗ブース 4 表面調整処理水槽 5 化成処理槽 6 水洗ブース 7 水洗ブース 8 水洗ブース 9 ポンプ 10 pH調整槽 11 薬液タンク 12 ポンプ 13 電気分解処理水槽 14 処理済液槽 15 第1連絡槽 16 第1電解槽 17 第2電解槽 18 第2連絡槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 紳一郎 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 傍田 保 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 芦田 一夫 大阪府吹田市江の木町26−20 日本ペイン ト江坂ビル2F〜4F 日本ペイントプラ ント・エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 山内 一正 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車株式会社内 (72)発明者 坂 敬史 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車株式会社内 (72)発明者 桂川 潤 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車株式会社内 (72)発明者 安井 文夫 埼玉県川口市東川口4丁目1番1号 株式 会社エフワイ内 Fターム(参考) 4D061 DA08 DB09 DB11 DB16 DC19 DC20 EA02 EA06 EA08 EB01 EB02 EB04 EB05 EB17 EB20 EB27 EB28 EB37 FA11 GA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸塩化成処理後の洗浄廃水の処理方
    法であって、前記洗浄廃水をpH6以上に中和する工
    程、及び、pH7以上になるように電気分解処理を行う
    工程からなることを特徴とする洗浄廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 リン酸塩化成処理は、脱脂処理及び脱脂
    後水洗処理の後に行われるものであり、中和する工程に
    おいては、洗浄廃水をpH6〜7に中和するものであ
    り、電気分解処理を行う工程においては、pH7〜8.
    5になるように電気分解処理を行うものであり、前記電
    気分解処理を行う工程により得られる電気分解処理水
    は、前記脱脂後水洗処理における供給原水として再利用
    するものである請求項1記載の洗浄廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 電気分解処理を行う工程においては、陽
    電極として、アルミニウム電極又は鉄電極を用いるもの
    である請求項1又は2記載の洗浄廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 陽電極は、アルミニウム電極である請求
    項3記載の洗浄廃水の処理方法。
  5. 【請求項5】 中和する工程においては、洗浄廃水を水
    酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムにより中和するも
    のである請求項1、2、3又は4記載の洗浄廃水の処理
    方法。
  6. 【請求項6】 中和する工程においては、水酸化カルシ
    ウムにより中和するものである請求項5記載の洗浄廃水
    の処理方法。
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