JPH1099777A - 水洗水の処理方法 - Google Patents

水洗水の処理方法

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JPH1099777A
JPH1099777A JP25422496A JP25422496A JPH1099777A JP H1099777 A JPH1099777 A JP H1099777A JP 25422496 A JP25422496 A JP 25422496A JP 25422496 A JP25422496 A JP 25422496A JP H1099777 A JPH1099777 A JP H1099777A
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JP
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water
washing water
washing
treatment
treated
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JP25422496A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Yamauchi
一正 山内
Fumio Yasui
文夫 安井
Kazumasa Wake
一昌 和気
Akira Kudo
明 工藤
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F Y KK
Hino Motors Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
F Y KK
Hino Motors Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装ラインにおける大量の水洗水の使用は、
水洗水の供給及び使用済み水洗水の排出の面で設備能力
を越えてしまう場合があり、不経済である。 【解決手段】 塗装処理ラインで脱脂処理後または化成
処理後の車体14の洗浄に使用した水洗水をアルミニウ
ム合金を陽極電極板42a、陰極電極板42bとして電
気分解処理して汚濁物質と処理済み水洗水とに分離す
る。分離した処理済み水洗水は、好ましくは、被処理水
が脱脂処理後の水洗水または電着塗装後の水洗水の場
合、アルミニウムイオンの増加が影響しない自工程水洗
水として利用し、被処理水が化成処理水洗水の場合、脱
脂処理水洗水として利用する。その結果、水洗水の新規
使用量及び排出量の低減を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装処理ラインで
使用する水洗水の処理方法、特に使用済み水洗水を再利
用する場合の水洗水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械部品、例えば自動車車体及び
部品の最終仕上げ工程として、塗装が重要な位置を占め
ている。すなわち、内面的には防錆であり、外面的には
美観の付与である。特に、車体外板塗装品質は、世界中
のいかなる環境においても、長期にわたり使用し続けて
も塗装の破損や発錆がなく、かつ塗装面の光沢や色彩が
あまり低下せずに、相当の美観を保持していることが必
要である。
【0003】一般に、車両の塗装は防錆力の強化を行う
ことを主目的とする前処理工程と、電着塗装を主とする
下塗り工程と、必要に応じて行われる中塗り工程と、仕
上げ塗装を主とする上塗り工程とから構成されている。
【0004】前記前処理工程では車両に付いた油分を除
去するための脱脂処理や車両表面に化学的または電気的
反応により化成皮膜を形成し耐食性や耐摩耗性を向上さ
せる化成処理が行われる。また、下塗り工程ではカチオ
ン電着が主流である電着塗装処理が行われる。中塗り工
程ではチッピングの防止と上塗り仕上がり向上のための
車体表面の塗装が行われる。さらに、上塗り工程では塗
装の最終仕上げとしてエアスプレーや静電塗装が施され
る。
【0005】前記工程の内、前処理工程と下塗り工程で
は、処理液の混合防止や化成皮膜品質及び塗装塗膜品質
の確保を目的として、処理が終わる毎に水洗浄が複数回
繰り返し行われている。特に、塗装塗膜品質の確保を目
的する電着塗装処理終了後の水洗は、大量の水洗水が用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塗装ラインに
おける大量の水洗水の使用は、水洗水の供給及び使用済
み水洗水の排出の面で設備能力を越えてしまう場合があ
り、不経済であるという問題がある。
【0007】また、水洗水に含まれる塗料成分の除去を
行い、任意の工程で再利用できる程度までに再生するに
は大がかりなろ過設備や薬品が必要になり、容易に使用
済み水洗水の再利用ができないという問題があった。
【0008】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、容易な処理により再生された水
洗水を効率的に再利用し、水洗水の新規使用量及び排出
量の低減を行うことのできる水洗水の処理方法を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の発明は、脱脂処理工程と化成処理工程を含む
前処理工程と、電着塗装処理工程との少なくとも一方を
含む塗装処理ラインで処理後の被処理物の洗浄に使用す
る水洗水の処理方法であって、使用済み水洗水をアルミ
ニウム合金を電極の内、少なくとも一方の極に使用して
電気分解処理して汚濁物質と処理水とに分離する分離工
程と、分離した処理水の一部又はすべてを所定の処理が
終了した被処理物洗浄に再利用する再利用工程と、を含
み、前記再利用工程は被処理水を電着塗装工程水洗水、
脱脂処理工程水洗水のいずれかまたは両方として利用す
ることを特徴とする。
【0010】この構成によれば、電解作用で水洗水中に
発生する水酸化アルミニウムによって、使用済み水洗水
に含まれる微小スラッジが凝集する。この凝集物が電解
作用によって発生した水素によって水面に浮上する。そ
の結果、水洗水中に含まれる塗料成分や処理液成分を容
易に分離排除することができる。
【0011】前記目的を達成するために、第2の発明
は、前記再利用工程における被処理水が脱脂処理工程水
洗水または電着塗装工程水洗水の場合、アルミニウムイ
オンの増加が影響しない自工程水洗水として利用し、被
処理水が化成処理工程水洗水の場合、脱脂処理工程水洗
水として利用することを特徴とする。
【0012】この構成によれば、再生された水洗水のア
ルミニウムイオンの増加の影響を受けない脱脂処理また
は電着塗装処理に使用することにより再生水洗水を効率
的に使用、処理することができる。その結果、水洗水の
新規使用量及び排出量の低減を行うことができる。
【0013】前記目的を達成するために、第3の発明
は、前記分離工程の電気分解処理は電極極性を所定間隔
で交互に切り替えながら汚濁物質と処理水とに分離する
ことを特徴とする。
【0014】この構成によれば、電気分解により消耗す
る電極の消費バランスが均等化され、良好な電気分解処
理を行うことが可能であり、効率的な微小スラッジの凝
集、分離を行うことができる。また、電着塗料成分を含
む電着塗装水洗水は電極の極性を交互に切り替えること
によって、電着塗料成分が電極表面に継続的に付着する
ことを防止することが可能になると共に、極性の切り替
わりにより前記電極間を移動する間に水酸化アルミニウ
ムによる微小スラッジの凝集、分離を行うことが可能
で、効率よく電着塗料成分の排除を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づき説明する。図1には本実施形態で用いる水
洗水の電気分解処理方法の原理が示されている。脱脂処
理や化成処理や電着塗装処理が行われた後に、被処理物
(例えば、自動車の車体)を洗浄した使用済み水洗水が
電気分解処理水槽10の中に満たされている。この電気
分解処理水槽10の中には電極12a,12bが配置さ
れる。電極12a,12b間の印加電圧や印加時間は処
理する水洗水の量や汚れ具合によって適宜選択すること
が好ましいが、印加電圧は5〜30V、滞留時間は10
〜60分が好ましい。また、前記電極12a,12bの
うち陽極(電極12a)はアルミニウム合金で形成され
ているが、陰極(電極12b)は導電体であれば、他の
金属でもよい。ただし、後述するように電極の極性切換
を行う場合には、両方ともアルミニウム合金で形成す
る。
【0016】前記電極12a,12b間に所定電圧が印
加されると、陽極である電極12aからAl3+が溶出
し、イオン化しているOH- と結合し水酸化アルミニウ
ムに成る。この時、水洗水中の微小スラッジ(水洗水中
の塗料成分や処理液成分)がその周りに凝集する。さら
に、電気分解作用により発生する水素の浮上と共に、周
囲に微小スラッジが凝集した水酸化アルミニウムが浮上
する。そして、水素は大気に解放され、微小スラッジが
凝集した水酸化アルミニウムは水洗水表面に浮遊する。
そして、水洗水表面を定期的にスクレイパ等で清掃する
ことによって、水洗水から微小スラッジを分離し、容易
に除去することができる。
【0017】図2には、脱脂処理後の水洗水(後述する
図6における第1水洗水)を電気分解処理した場合の水
洗水の処理時間の違いによる特性変化状態が示されてい
る。電気分解処理が長い場合(90分処理)、pH値や
アルミニウムイオンが上昇し過ぎ電気分解処理前の第1
水洗水とは異なる特性になってしまい好ましくない。同
様に、図3には化成処理後の水洗水(後述する図6にお
ける第3水洗水)を電気分解処理した場合の水洗水の処
理時間の違いによる特性変化状態が示されている。この
場合も電気分解処理が長い場合(90分処理)、pH値
やアルミニウムイオンが上昇し過ぎ電気分解処理前の第
3水洗水とは異なる特性になってしまい好ましくない。
【0018】さらに、図4には電着塗装処理後の水洗水
(後述する図7における第4水洗水)を電気分解処理し
た場合の水洗水の処理時間の違いによる特性変化状態が
示されている。図4の場合、処理時間を10分、20
分、40分で比較している。図から明らかなように、電
気分解処理の最適条件(印加電圧:5〜30V、滞留時
間:10〜60分)であれば、水洗水の特性は処理の前
後でほとんど変化なく、第4水洗水を電気分解処理して
第5水洗水及び工業用水と同等に扱えることが容易に理
解される。
【0019】図5には前処理工程として、脱脂処理や化
成処理を含む塗装ラインの一部が示されている。被処理
物としての車体14はトロリー式の連続コンベア16に
吊下げられ、各工程間を搬送される。この連続コンベア
16は、工場の天井に設けられレール16aと、それに
吊下げられたハンガ16bと、レール16aに沿って走
行するチェーン(不図示)とから構成され、前記チェー
ンを動力源として駆動するものである。従って車体14
は前記ハンガ16bに支持され移動することになる。こ
のハンガ16bは車体の上部、例えば窓枠部分を引っか
けるタイプや、車体14を載せて運ぶタイプ等がある。
【0020】また、脱脂処理や化成処理は、一般的に大
型の脱脂水槽18、表面調整水槽20、化成処理水槽2
2等に所定の処理液を満たし、車体14を前記水槽内に
投入するディップ方式で行われる。従って、前記連続コ
ンベア16のレール16aは、各水槽18,20,22
等の上では他の場所に比べて低い位置に設定される。こ
のレール16aの高い位置と低い位置とは、傾斜したレ
ールによって接続される。従って、車体14は水槽1
8,20,22等に近付くとハンガ16bと共にゆっく
りと水槽18,20,22等の内部に降下し、処理液に
浸漬される。そして、車体14は水槽18,20,22
等の中をゆっくりと移動しながら処理液による処理を受
ける。
【0021】前記脱脂処理水槽18にはアルカリ脱脂剤
が満たされ、車体14に付着した油分や汚れを除去す
る。この処理は例えば40〜50℃程度の脱脂剤で2分
程度処理される。そして、脱脂処理水槽18の後には、
車両14に付着したアルカリ脱脂剤を洗い流す水洗ブー
ス24,26が設けられている。この水洗ブース24,
26では大量の水洗水(通常、工業用水)を車体14に
噴射している。一般に脱脂処理後の水洗処理は第1水洗
(水洗ブース24)、第2水洗(水洗ブース26)の2
段階で行われ、使用後の水洗水の汚れが少ない第2水洗
の使用済み水洗水を第1水洗に使用している。
【0022】第1、第2水洗が終了すると、車体14は
表面調整水槽20に投入される。この表面調整水槽20
には表面調整剤が満たされ、車体14は、例えば数十秒
漬けられる。この処理により後工程の化成処理における
化成皮膜の形成を良好に行うことができる。
【0023】化成処理は前処理工程における中心となる
処理である。この化成処理は防錆を目的として、鉄でで
きた車体14の表面にりん酸亜鉛等の化成皮膜を形成す
る。この化成皮膜は無機質の不動態皮膜であり、鉄製の
素地を緻密に皮膜し電気化学的な腐食を防止する。ま
た、化成皮膜は適当な粗面を形成し、後工程における塗
料の付着性を著しく向上させる。また、塗料が剥がれに
くくなることによって車体14の美観が保たれると共
に、腐食も防止することができる。なお、化成皮膜処理
は、例えば50℃程度のりん酸亜鉛系の皮膜化成剤に2
分程度車体14を漬ける。
【0024】化成処理終了後は、脱脂処理と同様に車体
14に過剰に付着した処理液を洗い流す第3水洗、第4
水洗、第5水洗が図示しない水洗ブースで行われ、さら
に、仕上げとして純水による水洗が行われる。これらの
水洗で使用される水洗水も汚れの少ない使用済み水洗水
が順次前水洗に使用される。つまり純水洗で使用した水
洗水が第5水洗で使用され、第5水洗水が第4水洗に使
用され、第4水洗水が第3水洗に使用される。
【0025】図6は、前処理工程の水洗水の流れと、電
気分解を利用した水洗水の処理の関連を説明する説明図
である。
【0026】前述したように、純水洗ブース28には、
外部より純水がスプレー給水され、純水洗ブース28に
搬送されてくる第5水洗が終了した車体14の純水洗浄
が行われる。そして、純水洗ブース28から排出される
使用済み水洗水は、第5水洗槽31に供給され、ポンプ
循環によりブース30にて噴霧され、第5水洗水として
使用される。同様に、使用済み水洗水は、順次第4水洗
槽33、第3水洗槽35へと供給され、水洗水として使
用される。そして、第3水洗槽35から排出される使用
済み水洗水は、第3水洗槽35と電気分解処理水槽36
との間に設けられたバッファ水槽38に一時保持され
る。そして、ポンプ40aの駆動によって、所定の給水
圧力でバッファ水槽38の使用済み水洗水を電気分解処
理水槽36に供給する。
【0027】本実施形態の場合、前記電気分解処理水槽
36に供給される使用済み水洗水の水槽内の滞留時間を
考慮して第1電解槽36aと第2電解槽36bが連絡槽
36cを介して接続され、第1,第2電解槽36a,3
6bの内部には、アルミニウム合金で形成された電極板
が複数枚配置されている。これらの電極板は陽極電極板
42aと陰極電極板42bが交互に所定間隔(例えば、
1時間)を有して配置されている。前述したように、第
1,第2電解槽36a,36bを使用済み水洗水が通過
する過程において、陽極電極板42aから溶出したAl
3+と、イオン化しているOH- との結合によって生じた
水酸化アルミニウムの周囲に、水洗水中の微小スラッジ
(水洗水中の処理液成分)が凝集する。そして、この凝
集物が電気分解作用により発生する水素の浮上と共に液
面に浮上し、微小スラッジと水洗水の分離が行われる。
この時の陽極電極板42aと陰極電極板42bとの間に
印加する電圧や水洗水の水槽内の滞留時間は処理する水
洗水の汚れ具合によって適宜選択することが好ましい
が、印加電圧は5〜30V、滞留時間は10〜60分が
好ましい。なお、滞留時間に関しては、電気分解処理水
槽36の容積やポンプ40aの供給圧力を調整すること
によって、任意に変更することができる。
【0028】前記電解槽36aで微小スラッジが分離さ
れた水洗水は、隔壁44の上を越え電解槽36bに供給
され、再度水酸化アルミニウムによる微小スラッジの分
離が行われる。そして、微小スラッジが完全に分離され
た(使用前の工業用水と同程度の精製度)水洗水は隔壁
46の上を乗り越え排出バッファ槽48に移動する。な
お、これたの水洗水の移動は、ポンプ40aの供給圧力
によって行われる。そして、液面高さ調整機構50を有
する排出槽52を介して、処理済み液槽54に所定タイ
ミング排出される。
【0029】前記処理済み液槽54に溜められた処理済
みの水洗水は、ポンプ40bによって、脱脂処理された
車体14の洗浄を行う第2水洗槽27に供給され、第2
水洗に使用される。なお、第2水洗槽27には補助的に
工業用水の供給が行われ、電気分解処理によって再生さ
れる水洗水の量を補っている。そして、第2水洗で使用
された使用済み水洗水は第1水洗槽25に供給され、第
1水洗に使用される。また、第1水洗で使用された水洗
水は、再度再生処理を行うためにバッファ水槽38に投
入され、前述した手順で微小スラッジの除去が行われ
る。
【0030】なお、電気分解処理により再生した水洗水
は微小スラッジの除去率のみを問題にすれば、第3水洗
ブース34に戻してもよいが、電気分解処理を行うと水
洗水の電気伝導度が上昇してしまう。第3水洗ブースに
おける電気伝導度の高い水洗水による洗浄は、車体14
の表面に形成された化成皮膜の定着を阻害してしまうた
め、電気分解処理した水洗水は化成処理以外の洗浄に使
用する。
【0031】なお、第1,第2電解槽36a,36bの
液表面に浮上した凝集物60は、第1,第2電解槽36
a,36bの液面上を左右に移動するスクレイパ62に
よってかき寄せられ、スラッジ排出部64に投入され廃
棄される。
【0032】このように、前処理工程の脱脂処理及び化
成処理後の車体の洗浄に使用した水洗水を電気分解処理
して微小スラッジの除去を行い脱脂処理後水洗水として
最利用することによって、水洗水の新規使用量及び排出
量の低減を行うことができる。
【0033】図7は、電着塗装処理における水洗水の電
気分解処理の適用例を示している。電着塗装処理におい
ても電着塗装後の車体の洗浄を行うために、第1水洗〜
第5水洗を順次実施した後、純水スプレーによる仕上げ
洗浄が行われる。この内、第3水洗、第2水洗、第1水
洗で使用される水洗水は、使用済み水洗水を順次上流側
(第1水洗側が上流)の水洗ブースに供給され、最後は
電着塗装槽に戻される。そして、電着塗装槽内の電着塗
料液はUF装置によって、常に一定の塗料条件が保たれ
ている。前記UF装置は、塗料中の水、溶剤、中和剤及
び分子量の小さな樹脂を電着塗料から液圧により分別ろ
過している。そして、この時発生するろ液を第3水洗水
として使用している。すなわち、電着塗装ブース及び第
1水洗ブース〜第3水洗ブースはUF装置による水洗水
のリサイクル系を形成している。
【0034】一方、第4水洗ブース66、第5水洗ブー
ス68及び純水ブース70は、前述した前工程と同様に
電気分解処理を利用した水洗水のリサイクル系を形成し
ている。
【0035】つまり、図5に示す連続コンベアと同様な
搬送手段によって、被処理物である車体が搬送され、第
5水洗が終了すると、第5水洗ブース68と連通する純
水ブース70で純水による仕上げ洗浄が行われる。この
時、排出される使用済み水洗水は第5ブース68を介し
てバッファ水槽68aに流れ込む。このバッファ水槽6
8aに溜まった使用済み水洗水は、ポンプ72aによっ
て、第5水洗ブース68に供給され第5水洗に使用され
ると共に、ポンプ72bを介して第4水洗ブース66に
供給され、第4水洗に使用される。第4水洗ブース66
では、一部の使用済み水洗水は廃水処理されるが、一部
はポンプ74aによって、再度第4水洗に使用される。
また、使用済み水洗水の多くはポンプ74bを介して、
電気分解処理水槽76に供給される。この電気分解処理
水槽76の構成は、図6に示す電気分解処理水槽36と
略同一であり、第1、第2電解槽76a,76bを有
し、微小スラッジが分離された処理済み水洗水が電解槽
内の矢印に沿って図中右方向に移動する。処理済み液槽
78に移動した処理済み水洗水は、ポンプ80によって
汲み上げられバッファ水槽68aに戻される。バッファ
水槽68aに戻された水洗水はポンプ72a,72b等
により第5水洗ブース68や第4水洗ブース66に供給
され、洗浄に使用される。なお、必要に応じて、バッフ
ァ水槽68aの直前にフィルタ82を設け、残留した微
小スラッジの除去を行うようにしてもよい。
【0036】電着塗装処理の場合、被塗装部又は被塗物
を陰極とするカチオン電着が主流である。この場合、電
着塗装処理後の水洗水に含まれる電着塗料成分は前記電
気分解処理水槽76内に配置された陰極電極板に付着す
る場合がある。この場合、電気分解能力が低下し微小ス
ラッジの分離効率が低下してしまう。そこで、一定時間
間隔(例えば、1時間)で、電極板の極性を切り替え
る。極性の切り替えを行うことによって、一方の電極板
に付着していた電着塗料成分は、他方の電極板(新たに
陰極になった電極板)に引かれて、電極板間を移動す
る。この移動途中に、溶液中に生成された水酸化アルミ
ニウムによって、電着塗料成分を凝集させて、水洗水か
らの分離を行う。このように、極性を任意に切り替える
ことによって、電着塗料成分の電極板への付着防止及び
凝集を効率的に行うことができる。なお、電極板の切り
替えを行う場合、電気分解処理水槽76内の電極板は全
てアルミニウム合金で形成する必要がある。
【0037】また、電極板の極性を切り替えることによ
って各電極板からのアルミニウムイオンの溶出を均等化
することが可能で、電気分解処理水槽76の運転を良好
に行うことができる。なお、図6の電気分解処理水槽3
6では、電極板に対する処理液成分の付着はないが、電
極板からのアルミニウムイオンの溶出を均等化すること
が可能で同様な効果を得ることができる。
【0038】このように、電着塗装処理後の車体の洗浄
に使用した水洗水を電気分解処理して微小スラッジの除
去を行い再度、自工程の水洗水として最利用することに
よって、水洗水の新規使用量及び排出量の低減を行うこ
とができる。
【0039】なお、本実施形態では各工程毎に最も汚れ
の大きい使用済み水洗水を電気分解処理して対象工程で
最もきれいな水洗水を使用する水洗ブースに戻す例を説
明したが、対象工程内であれば、任意の水洗ブースから
使用済み水洗水を回収し、任意の水洗ブースに戻しても
同様の効果を得ることができる。
【0040】また、実施形態においては、該再利用工程
の被処理水が脱脂処理工程水洗水または電着塗装工程水
洗水の場合、アルミニウムイオンの増加が影響しない各
自工程の水洗水として利用し、被処理水が化成処理工程
水洗水の場合、脱脂処理工程水洗水として利用する場合
について説明したが、本発明では、各工程の被処理水洗
水単独又は、各工程の混合水洗水を脱脂処理工程水洗水
及び/または電着塗装工程水洗水として利用することが
できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電解作用で電極から発生する水酸化アルミニウムによっ
て、使用済み水洗水に含まれる微小スラッジを凝集させ
て、この凝集物を電解作用によって発生した水素によっ
て水面に浮上させる。その結果、水洗水中に含まれる塗
料成分を容易に分離排除することができる。また、再生
された水洗水のアルミニウムイオンの増加の影響を受け
ない脱脂処理または電着塗装処理に使用することにより
再生水洗水を効率的に使用、処理することができる。そ
の結果、水洗水の新規使用量及び排出量の低減を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態の水洗水の電気分解処
理方法の原理を説明する説明図である。
【図2】 電気分解処理時間の違いによる脱脂処理後の
水洗水の特性変化を説明する説明図である。
【図3】 電気分解処理時間の違いによる化成処理後の
水洗水の特性変化を説明する説明図である。
【図4】 電気分解処理時間の違いによる電着塗装処理
後の水洗水の特性変化を説明する説明図である。
【図5】 一般的な車両の電着塗装ラインの一部を説明
する説明図である。
【図6】 本発明に係る実施形態の前処理工程の水洗水
の流れと、電気分解を利用した水洗水の処理の関連を説
明する説明図である。
【図7】 本発明に係る実施形態の電着塗装処理におけ
る水洗水の電気分解処理の適用例を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
10,36,76 電気分解処理水槽、12a,12b
電極、14 車体、16 連続コンベア、18 脱脂
水槽、20 表面調整水槽、22 化成処理水槽、2
4,26 水洗ブース、25,27 水洗槽、28 純
水洗ブース(前処理)、29 純水洗水槽(前処理)、
30 第5水洗ブース(前処理)、31第5水洗水槽、
32 第4水洗ブース(前処理)、33 第4水洗水
槽、34第3水洗槽(前処理)、35 第3水洗水槽、
38 バッファ水槽、42a 陽極電極板、42b 陰
極電極板、48 排出バッファ槽、54,78 処理済
み液槽、56 第2水洗ブース(前処理)、58 第1
水洗ブース(前処理)、60 凝集物、62 スクレイ
パ、64 スラッジ排出部、66 第4水洗ブース(電
着塗装)、68 第5水洗ブース(電着塗装)、70
純水ブース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 文夫 埼玉県川口市東川口4丁目1番1号 株式 会社エフワイ内 (72)発明者 和気 一昌 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 工藤 明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱脂処理工程と化成処理工程を含む前処
    理工程と、電着塗装処理工程との少なくとも一方を含む
    塗装処理ラインで処理後の被処理物の洗浄に使用する水
    洗水の処理方法であって、 使用済み水洗水をアルミニウム合金を電極の内、少なく
    とも一方の極に使用して電気分解処理して汚濁物質と処
    理水とに分離する分離工程と、 分離した処理水の一部又はすべてを所定の処理が終了し
    た被処理物洗浄に再利用する再利用工程と、 を含み、 前記再利用工程は被処理水を電着塗装工程水洗水、脱脂
    処理工程水洗水のいずれかまたは両方として利用するこ
    とを特徴とする水洗水の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の再利用工程における被処
    理水が脱脂処理工程水洗水または電着塗装工程水洗水の
    場合、アルミニウムイオンの増加が影響しない自工程水
    洗水として利用し、被処理水が化成処理工程水洗水の場
    合、脱脂処理工程水洗水として利用することを特徴とす
    る水洗水の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の処理方法であっ
    て、 前記分離工程の電気分解処理は電極極性を所定間隔で交
    互に切り替えながら汚濁物質と処理水とに分離すること
    を特徴とする水洗水の処理方法。
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