JP6128367B2 - 発光装置、および配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
この発光装置には、配線の露出部分である側壁を覆う第2の金属層が設けられている。そのため、光の反射率の低下、ひいては光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
また、発光素子などの接合に関する信頼性の向上を図ることができる。
この発光装置によれば、発光素子をはんだ付けする際に、前記第1の金属層の材料と錫との間で合金層が形成されるが、形成される合金層は、前記配線の材料と錫とが形成する合金層よりも強度の高い合金層となる。さらに、前記第1の金属層の材料と錫とが相互に拡散する速度が遅いため、合金層の厚み寸法が増大するのを抑制することができる。そのため、発光素子を接合した際の接合の信頼性を向上させることができる。
この発光装置によれば、配線の露出部分である側壁が酸化や硫化することを抑制することができる。その結果、配線が腐食するのを抑制することができるので、光の反射率の低下、ひいては光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記第1の金属層の厚み寸法は、前記第2の金属層の厚み寸法よりも大きい発光装置である。
この配線基板の製造方法によれば、第1の金属層に還元剤の成分が含まれないようにすることができるので、発光素子をはんだ付けする際に還元剤の成分(例えば、第1の金属層をニッケルとした場合、リンなど)の濃縮部が生成されるのを抑制することができる。その結果、接合に関する信頼性の向上を図ることができる。
また、基部の端部まで配線が形成されていない配線基板であっても、配線の露出部分である側壁を第2の金属層により覆うことができる。そのため、光の反射率の低下、ひいては光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る配線基板1を備えた発光装置100を例示するための模式図である。
なお、図1(a)は発光装置100の斜視図、図1(b)は図1(a)における上視図、図1(c)は図1(a)における下視図、図1(d)は図1(a)における一断面図である。
図2は、配線基板1について例示するための模式図である。
なお、図2(a)は図1(d)におけるA部の拡大断面図であり、図2(b)は複数の層が積層された第1の金属層および第4の金属層を例示する断面図であり、図2(c)は複数の層が積層された第2の金属層および第5の金属層を例示する断面図である。
配線基板1には、基部2、配線部3、接合部4が設けられている。
なお、配線基板1に関する詳細は後述する。
発光素子101は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子とすることができる。
発光素子101は、例えば、青色の光を出射する青色発光ダイオードとすることができる。
発光素子101が青色発光ダイオードである場合には、図2(a)に示すように、サファイア等の格子整合性の良い単結晶基板101a上にGaN系窒化物半導体からなる層101bが形成されたものとすることができる。
また、ワイヤボンディング法を用いて接続する発光素子の場合には、光の出射側に配線用の電極が設けられるため、光の取り出し効率が悪くなるおそれがある。これに対して、フリップチップ実装する発光素子101とすれば、光の出射側に遮蔽物となるものがないので、光の取り出し効率を向上させることができる。
波長変換部102は、例えば、透光性を有する有機物や無機物の中に粒子状の蛍光体を分散させたものとすることができる。透光性を有する有機物としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COP)、脂環式アクリル(OZ)、アリルジグリコールカーボネート(ADC)、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂とエポキシ樹脂とのハイブリッド樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。また、透光性を有する無機物としては、例えばガラスなどを例示することができる。
封止部103は、基部2の周縁から離れた位置に設けられている。すなわち、封止部103は、基部2の端部(周縁)に達していない。
封止部103は、透光性を有する有機物や無機物から形成されている。
封止部103は、例えば、透光性を有する樹脂から形成することができる。透光性を有する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COP)、脂環式アクリル(OZ)、アリルジグリコールカーボネート(ADC)、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂とエポキシ樹脂とのハイブリッド樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。
基部2は、平面形状が矩形の平板状を呈している。
基部2は、絶縁性を有し、熱膨張が少なく、また、放熱性および耐熱性に優れた材料から形成することが好ましい。基部2は、例えば、セラミックス、セラミックスと樹脂との複合セラミックスなどから形成することができる。セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ベリリウム(BeO)、ステアタイト(MgO・SiO2)、ジルコン(ZrSiO4)、窒化ケイ素(Si3N4)などを例示することができる。
基部2の厚み寸法には特に限定はないが、剛性や放熱性などを考慮すると、例えば、0.3mm以上、3mm以下とすることが好ましい。
ただし、例示をした形状、材料、厚み寸法に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
図2(a)に示すように、配線部3には、配線3a、第1の金属層3b、第2の金属層3cが設けられている。
第1の金属層3bの材料としては、例えば、ニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)などを例示することができる。また、第1の金属層3bは1つの層とすることもできるし、複数の層が積層されたものとすることもできる。例えば、図2(b)に示すように、層3b1と層3b2とが積層された第1の金属層3bとすることもできる。なお、積層数は例示をしたものに限定されるわけではない。複数の層が積層された第1の金属層3bとする場合には、ニッケルから形成された層と、パラジウムから形成された層とを含むものとすることができる。すなわち、第1の金属層3bは、ニッケルおよびパラジウムの少なくともいずれかを含むものとすることができる。
ここで、第1の金属層3bが酸化すると、発光素子101をはんだ付けする際のはんだ濡れ不良及びそれに伴う余剰はんだの這い上がり等の問題が生じ、リーク等の不良が発生するおそれがある。
この場合、配線3aの側壁3a1が腐食すると、側壁3a1に入射した光の反射率が低下して光の取り出し効率が低下するおそれがある。
第1の金属層3bと、配線3aの側壁3a1が酸化するのを抑制するために、第2の金属層3cの材料のイオン化エネルギーは、第1の金属層3bの材料のイオン化エネルギーおよび配線3aの材料のイオン化エネルギーよりも高くなっている。
第2の金属層3cの材料としては、例えば、金(Au)やパラジウムなどを例示することができる。
また、第2の金属層3cは1つの層とすることもできるし、複数の層が積層されたものとすることもできる。例えば、図2(c)に示すように、層3c1と層3c2とが積層された第2の金属層3cとすることもできる。なお、積層数は例示をしたものに限定されるわけではない。複数の層が積層された第2の金属層3cとする場合には、金から形成された層と、パラジウムから形成された層とを含むものとすることができる。すなわち、第2の金属層3cは、金およびパラジウムの少なくともいずれかを含むものとすることができる。
はんだ部5は、錫をベースにし、金、銀、銅、ビスマス、ニッケル、インジウム、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、シリコンのいずれかを少なくとも1種類以上含むはんだを用いたはんだ付けにより形成されたものとすることができる。
発光素子101をはんだ付けした際に、はんだ部5の直下に位置する第2の金属層3cが消失する場合がある。
また、はんだ部5の直下に位置する第2の金属層3cが消失している場合には、はんだ部5と第1の金属層3bとの間には、はんだ部5および第1の金属層3bに含まれる金属からなる合金層が形成される場合がある。
前述したフリップチップタイプの接合では、電極間のクリアランスが狭く、はんだ付けした際にはんだが電極からはみ出る場合があるので、電極間でショートするという課題がある。第2の金属層3cで配線3a及び第1の金属層3bを覆うと、はんだが配線3aの側壁3a1側にも付きやすくなるため、電極間のショートを抑制できる。
この場合、配線3aの厚み寸法は、導電性や、後述する電解メッキ法を用いて形成することを考慮すると、0.02mm以上、0.3mm以下とすることが好ましい。
接合部4は、配線基板1を他の部材200(例えば、ヒートスプレッタなど)にはんだ付けするために設けられている。そのため、接合部4は必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすることができる。
第4の金属層4bは1つの層とすることもできるし、複数の層が積層されたものとすることもできる。例えば、図2(b)に示すように、層4b1と層4b2とが積層された第4の金属層4bとすることもできる。なお、積層数は例示をしたものに限定されるわけではない。
第5の金属層4cは、第4の金属層4bと、第3の金属層4aの露出部分である側壁4a1を覆うように設けられている。なお、図2(c)に示すように、層4c1と層4c2とが積層された第5の金属層4cとすることもできる。なお、積層数は例示をしたものに限定されるわけではない。複数の層が積層された第5の金属層4cとする場合には、金から形成された層と、パラジウムから形成された層とを含むものとすることができる。すなわち、第5の金属層4cは、金およびパラジウムの少なくともいずれかを含むものとすることができる。
また、第4の金属層4bの材料や厚み寸法は、第1の金属層3bの材料や厚み寸法と同様とすることができる。
また、第5の金属層4cの材料や厚み寸法は、第2の金属層3cの材料や厚み寸法と同様とすることができる。
その様にすれば、接合部4における接合の信頼性などを向上させることができるとともに、生産性の向上を図ることができる。
また、第4の金属層4bには実質的に還元剤の成分である異種元素が含まれていないので、他の部材200をはんだ付けする際に還元剤成分の濃縮部が形成されることを抑制することができる。その結果、接合に関する信頼性の向上を図ることができる。
第2の実施形態に係る配線基板1の製造方法について例示する前に、比較例に係る配線基板300の製造方法について説明する。
図3(a)〜(d)は、比較例に係る配線基板300の製造方法について例示するための模式工程断面図である。
比較例に係る配線基板300の製造方法においては、電解メッキ法を用いて、基部302の周端から離れた位置に配線部303を形成するようにしている。
次に、図3(b)に示すように、シード層301の上にレジストマスク304を形成する。
無電解メッキ法を用いて、ニッケルからなる第1の金属層303bを形成する場合には、還元剤として次亜リン酸(H3PO2)が用いられる。そのため、第1の金属層303bにリンが含まれることになる。
図4(a)〜(e)は、第2の実施形態に係る配線基板1の製造方法について例示するための模式工程断面図である。
なお、図4(a)〜(e)においては、配線部3と接合部4を同時に形成する場合を例示する。
第1のシード層11a、第2のシード層11bは、絶縁性を有する基部2の表面に導電性を付与するために形成される。導電性材料としては特に限定はないが、例えば、配線3aと同じ材料とすることができる。導電性材料は、例えば、銅とすることができる。
第1のシード層11a、第2のシード層11bの形成は、例えば、スパッタリング法を用いて行うことができる。第1のシード層11a、第2のシード層11bの厚み寸法は、例えば、0.00005mm程度とすることができる。
第1のレジストマスク14aは、第1のシード層11a上の所定の位置に配線3aと第1の金属層3bを形成するためのものである。
第2のレジストマスク14bは、第2のシード層11b上の所定の位置に第3の金属層4aと第4の金属層4bを形成するためのものである。
第1のレジストマスク14a、第2のレジストマスク14bは、例えば、第1のシード層11a、第2のシード層11bの上に液状レジストをスピンコーターを用いて均一塗布することで形成することができる。また、第1のレジストマスク14a、第2のレジストマスク14bは、例えば、ドライフィルムレジスト(Dry Film Photoresist)を真空圧着機等でそれぞれ貼り付け、フォトリソグラフィ法を用いてそれぞれ形成することもできる。 第1のレジストマスク14aの厚み寸法は、例えば、配線3aの厚み寸法と第1の金属層3bの厚み寸法を加えた値とすることができる。
第2のレジストマスク14bの厚み寸法は、例えば、第3の金属層4aの厚み寸法と第4の金属層4bの厚み寸法を加えた値とすることができる。
第1の金属層3bと第4の金属層4bの材料は、例えば、ニッケルやパラジウムなどとすることができる。
配線3aと第3の金属層4aの厚み寸法は、0.02mm以上、0.3mm以下とすることができる。
第1の金属層3bと第4の金属層4bの厚み寸法は、0.003mm以上、0.1mm以下とすることができる。
また、第1の金属層3bと第4の金属層4bは、それぞれ1つの層とすることもできるし、それぞれ複数の層が積層されたものとすることもできる。
なお、電解メッキ法におけるメッキ液やプロセス条件などは、既知の技術を適用することができるので説明を省略する。
第1のレジストマスク14a、第2のレジストマスク14bの除去は、例えば、ウェットアッシング法を用いて行うことができる。
余剰な第1のシード層11a、第2のシード層11bの除去は、例えば、ウェットエッチング法を用いて行うことができる。
第2の金属層3cと第5の金属層4cの材料は、例えば、金やパラジウムとすることができる。
第2の金属層3cと第5の金属層4cの厚み寸法は、第2の金属層3cと第5の金属層4cの機能の観点から、配線の表層が確実に覆える厚みとすればよい。例えば、第2の金属層3cと第5の金属層4cの厚み寸法は、0.0001mm以上、0.0003mm以下とすることができる。
また、図2(c)に示すように、第2の金属層3cと第5の金属層4cは、それぞれ1つの層とすることもできるし、それぞれ複数の層が積層されたものとすることもできる。
なお、無電解メッキ法におけるメッキ液やプロセス条件などは、既知の技術を適用することができるので説明を省略する。
以上のようにして、基部2の周端から離れた位置に配線部3と接合部4を同時に形成することができる。
また、第4の金属層4bには、実質的に還元剤の成分である異種元素が含まれないようにすることができるので、他の部材200をはんだ付けする際に還元剤の成分の濃縮部が形成されることを抑制することができる。その結果、接合に関する信頼性の向上を図ることができる。
Claims (5)
- 平板状を呈し、絶縁性を有する基部と;
前記基部の一方の面上であって前記基部の周縁から離れた位置に設けられた配線と、前記配線の前記基部の側とは反対の側に設けられた第1の金属層と、前記第1の金属層と前記配線の側壁とを覆う第2の金属層と、を有する配線部と;
前記基部の前記配線が設けられる側とは反対の側の面上であって前記基部の周縁近傍より内側の全面を覆い前記配線の材料と同じ材料を含む第3の金属層と、前記第3の金属層の前記基部の側とは反対の側に設けられ前記第1の金属層の材料と同じ材料を含む第4の金属層と、前記第4の金属層と前記第3の金属層の側壁とを覆い前記第2の金属層の材料と同じ材料を含む第5の金属層と、を有する接合部と;
前記第2の金属層の前記第1の金属層が設けられる側とは反対の側に設けられた発光素子と;
前記発光素子と、前記第2の金属層と、の間に設けられたはんだ部と;
を具備し、
前記配線部と、前記接合部とは、前記基部により絶縁された発光装置。 - 前記第2の金属層上に少なくとも錫を含むはんだ部を有し、
前記第1の金属層の材料と錫とが相互に拡散するために必要な活性化エネルギーは、前記配線の材料と錫とが相互に拡散するために必要な活性化エネルギーよりも高い請求項1記載の発光装置。 - 前記第2の金属層の材料は、前記配線の材料及び前記第1の金属層の材料よりもイオン化エネルギーが高い請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記第1の金属層の厚み寸法は、前記第2の金属層の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
- 絶縁性を有する基部の一方の面に第1のシード層を形成する工程と;
前記基部の前記第1のシード層が形成される側とは反対の側の面に、第2のシード層を形成する工程と;
前記第1のシード層の上に第1のレジストマスクを形成する工程と;
前記第2のシード層の上に第2のレジストマスクを形成する工程と;
前記第1のレジストマスクの開口部分であって、前記基部の周縁から離れた位置に配線と第1の金属層を順次形成する工程と;
前記第2のレジストマスクの開口部分であって、前記基部の周縁近傍より内側の全面を覆い前記配線の材料と同じ材料を含む第3の金属層と、前記第1の金属層の材料と同じ材料を含む第4の金属層と、を順次形成する工程と;
前記第1のレジストマスク、前記第2のレジストマスク、余剰な前記第1のシード層、および、余剰な前記第2のシード層を除去する工程と;
前記第1の金属層と、前記配線の側壁を覆う第2の金属層を形成して配線部を形成する工程と;
前記第4の金属層と、前記第3の金属層の側壁と、を覆い前記第2の金属層の材料と同じ材料を含む第5の金属層を形成して接合部を形成する工程と;
を具備し、
前記配線部と、前記接合部とは、前記基部により絶縁された配線基板の製造方法。
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