JP6128285B2 - 水性ウレタン樹脂組成物、コーティング剤及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、コーティング剤、接着剤等の様々な用途に使用可能な水性ウレタン樹脂組成物に関する。
水性ウレタン樹脂組成物は、一般に、基材に対して良好な密着性を有し、柔軟な塗膜を形成できることから、コーティング剤や接着剤をはじめとする様々な用途で使用されている。
前記水性ウレタン樹脂組成物としては、例えば、水性ポリウレタン分散液であって、a)少なくとも1種の有機脂肪族、脂環式または芳香族ジ、トリまたはポリイソシアネート、b)少なくとも1種のイソシアネート反応性ポリカーボネートジオール、トリオールまたはポリオール、c)少なくとも1つのイソシアネート反応性基および少なくとも1つのフリーラジカル的に重合可能な不飽和基を含む少なくとも1種の化合物、およびd)少なくとも1つのイソシアネート反応性基および少なくとも1つの分散活性基を含む少なくとも1種の化合物、および任意選択的にe)少なくとも2つのイソシアネート反応性基を含み、1000g/モル未満、好ましくは500g/モル未満の分子量を有する少なくとも1種の化合物を含む混合物を反応に付し、得られた反応生成物を水に分散させることによって得られることを特徴とする水性ポリウレタン分散液が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、水性ウレタン樹脂組成物を、例えば、フレキシブルディスプレイ等の光学部材の表面コーティング等に使用することが検討されているなかで、前記水性ポリウレタン分散液を用いて形成された塗膜は、耐候性や耐溶剤性が十分でないため、その塗装物を屋外で使用した際にワレや黄変等を引き起こす場合や、産業用のコーティング剤で使用した際に剥れや溶け出す場合があった。また、前記水性ポリウレタン分散液を用いて形成された塗膜は硬度の点で十分でないため、例えば、タッチパネル等の表面コーティング剤に使用した場合に傷つきやすく、外観不良等を引き起こす場合があった。
特表2008−534710号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有し、かつ、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、ウレタン樹脂の原料であるポリオールとして、2つ以上の重合性不飽和基を有する炭素原子数1〜5のアルキレンジオール(a1−1)または2つ以上の重合性不飽和基を有する炭素原子数1〜9のオキシアルキレンジオール(a1−2)を使用したウレタン樹脂(A)を含有した水性ウレタン樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有する水性ウレタン樹脂組成物であって、前記ウレタン樹脂(A)が、下記一般式(1)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するアルキレンジオール(a1−1)または下記一般式(2)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するオキシアルキレンジオール(a1−2)、及び親水性基を有するポリオールを含有するポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、シランカップリング剤(a3)との反応物であり、前記シランカップリング剤(a3)が、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基からなる群より選ばれる1種以上の反応性基を有するものであることを特徴とする水性ウレタン樹脂組成物に関するものである。

Figure 0006128285
(一般式(1)中のRは、炭素原子数1〜9の直鎖アルキレン基のうち、その側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を2つ以上有する構造を表す。)
Figure 0006128285
(一般式(2)中のR及びRはエチレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を有する構造を表す。Rは、炭素原子数1個〜5個を有するアルキレン基を表す。)
本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有し、かつ、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成できることから、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ABS/PC樹脂、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、ポリメタクリル酸樹脂(PMMA樹脂)、ポリエステル樹脂(PET樹脂)等のプラスチック基材のコーティング剤及び接着剤に好適に使用できる。
本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有する水性ウレタン樹脂組成物であって、前記ウレタン樹脂(A)が、下記一般式(1)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するアルキレンジオール(a1−1)または下記一般式(2)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するオキシアルキレンジオール(a1−2)を含有するポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、シランカップリング剤(a3)とを反応させて得られるものであることを特徴とする。
前記ウレタン樹脂(A)は、加水分解性シリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するものである。
前記加水分解性シリル基またはシラノール基は、水等と接触することによって加水分解し、水酸基がケイ素原子に結合したシラノール基を形成しうる。
また、前記加水分解性シリル基またはシラノール基は、塗膜を形成する際に自己縮合反応または他の官能基と反応しうる。これにより、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成することが可能となる。
前記加水分解性シリル基またはシラノール基は、ウレタン樹脂(A)を製造する際に使用するシランカップリング剤(a3)を用いることにより、ウレタン樹脂(A)中に導入される。
前記ウレタン樹脂(A)としては、重合性不飽和基を有するウレタン樹脂のうち、下記一般式(1)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するアルキレンジオール(a1−1)または下記一般式(2)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するオキシアルキレンジオール(a1−2)を含有するポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、シランカップリング剤(a3)とを反応させて得られるものを使用する。
Figure 0006128285
(一般式(1)中のRは、炭素原子数1〜9の直鎖アルキレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を2つ以上有する構造を表す。)
Figure 0006128285
(一般式(2)中のR及びRはエチレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を有する構造を表す。Rは、炭素原子数1個〜5個を有するアルキレン基を表す。)
前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用するポリオール(a1)としては、ウレタン結合が主として存在する、ウレタン樹脂(A)の主鎖に対し、その側鎖に2つ以上の重合性不飽和基を導入することを目的として、前記一般式(1)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するアルキレンジオール(a1−1)または前記一般式(2)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するオキシアルキレンジオール(a1−2)を含有するものを使用する。前記アルキレンジオール(a1−1)及び前記オキシアルキレンジオール(a1−2)由来の重合性不飽和基は、塗膜等を形成する際にラジカル重合する。これにより、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成することができる。
前記アルキレンジオール(a1−1)としては、前記一般式(1)で示される構造を有するものを使用することができる。前記一般式(1)中のRは、炭素原子数1〜9の直鎖アルキレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を2つ以上有する構造を表す。例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートは、一般式(1)中のRは、炭素原子数3のプロピレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を2つ有する構造である。
前記アルキレンジオール(a1−1)としては、2つ以上5つ以下の重合性不飽和基を有するものを使用することが好ましく、2つ以上3つ以下の重合性不飽和基を有するものを使用することが、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物を得られることから、より好ましい。
前記アルキレンジオール(a1−1)としては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート〔ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート〕、ジメチロールメタンジ(メタ)アクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数3のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)、ジエチロールメタンジ(メタ)アクリレート、ジエチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数5のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)、ジプロパノールメタンジ(メタ)アクリレート、ジプロパノールプロパンジ(メタ)アクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数7のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)、ジブタノールメタンジ(メタ)アクリレート、ジブタノールプロパンジ(メタ)アクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数9のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)等が挙げられる。なかでも、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールメタンジ(メタ)アクリレートを使用することが、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物を得られることから、より好ましい。これらのアルキレンジオール(a1−1)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方または両方をいう。
また、前記オキシアルキレンジオール(a1−2)としては、前記一般式(2)で示される構造を有するものを使用することができる。前記一般式(2)中のR及びRは、エチレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を有する構造である。前記一般式(2)中に、前記エチレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を有する構造を合計2つ以上有し、好ましくは2つ以上5つ以下の範囲で有し、より好ましくは2つ以上3つ以下の範囲で有する。
また、前記一般式(2)中のRは、炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチル基が挙げられる。
前記オキシアルキレンジオール(a1−2)としては、例えば、ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)メタン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数1のものである。)、1,2−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数2のものである。)、1,3−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)プロパン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数3のものである。)、1,4−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数4のものである。)、1,5−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ペンタン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数5のものである。)等が挙げられる。なかでも、ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)メタンを使用することが、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物を得られることから、より好ましい。また、これらのオキシアルキレンジオール(a1−2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記アルキレンジオール(a1−1)及び前記オキシアルキレンジオール(a1−2)は、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に、合計0.1〜49質量%の範囲で使用することが、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物を得られることから好ましく、1〜15質量%の範囲であることがより好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量とは、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)と、鎖伸長剤を使用した場合にはそれを含む合計質量を指す。
前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用可能なポリオール(a1)としては、前記アルキレンジオール(a1−1)及び前記オキシアルキレンジオール(a1−2)とともに、必要に応じてその他のポリオールを組み合わせ使用することができる。
前記その他のポリオールとしては、例えば、ウレタン樹脂(A)に優れた水分散安定性を付与することを目的として、親水性基を有するポリオールが挙げられる。
前記親水性基を有するポリオールとしては、例えば、アニオン性基を有するポリオール、カチオン性基を有するポリオール、ノニオン性基を有するポリオールが挙げられる。なかでも、アニオン性基を有するポリオールが好ましい。
前記アニオン性基を有するポリオールとしては、例えば、カルボキシル基を有するポリオール、スルホン酸基を有するポリオールが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられ、なかでも、2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。また、前記カルボキシル基を有するポリオールと各種ポリカルボン酸とを反応させて得られるカルボキシル基を有するポリエステルポリオールを使用することもできる。
前記スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のジカルボン酸またそれらの塩;前記ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の低分子ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオール、さらに前記ポリエステルポリオールと、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
前記アニオン性基は、それらの一部または全部が塩基性化合物等によって中和されていることが、良好な水分散性を発現できることから好ましい。
前記アニオン性基を中和する際に使用可能な塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の沸点が200℃以上の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を含む金属水酸化物等が挙げられる。前記塩基性化合物は、得られる水性ウレタン樹脂組成物の水分散安定性を向上させる観点から、〔塩基性化合物/(カルボキシル基等の酸基の合計量)〕=0.5〜3(モル比)となる範囲で使用することが好ましく、0.7〜1.5(モル比)となる範囲で使用することがより好ましい。
また、前記カチオン性基を有するポリオールとしては、例えば、3級アミノ基を有するポリオールが挙げられる。具体的には、N−メチル−ジエタノールアミン、エポキシを2つ有する化合物と2級アミンとを反応させて得られるポリオール等が挙げられる。
前記カチオン性基は、その一部または全部が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、アジピン酸、リン酸等の酸性化合物で中和されていることが好ましい。
また、前記カチオン性基としての3級アミノ基は、その一部または全部が4級化されていることが好ましい。前記4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、メチルクロライド、エチルクロライド等が挙げられ、ジメチル硫酸が好ましい。
また、前記ノニオン性基を有するポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド由来の構造単位を有するポリアルキレングリコール等が挙げられる。
前記親水性基を有するポリオールは、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に、1〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、さらに、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成可能な水性ウレタン樹脂組成物が得られることから1〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、前記その他のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらの中でも、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成できることから、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールと、ポリカルボン酸とを反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の分子量が50〜300程度である脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族構造を有するポリオールが挙げられる。なかでも、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;それらの無水物またはエステル化物等が挙げられる。
また、前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の炭酸エステル、ホスゲン等とを反応させて得られたものが挙げられる。
前記ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボネートポリオールは、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に、1〜70質量%の範囲で使用することが好ましく、15〜45質量%の範囲で使用することが、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成できることからより好ましい。
また、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用するポリイソシアネート(a2)としては、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。なかでも、前記ポリイソシアネート(a2)としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートが、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成できることから好ましい。また、これらのポリイソシアネート(a2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用するシランカップラング剤(a3)としては、反応性基を有するものを使用することができる。前記シランカップリング剤(a3)が有する加水分解性シリル基の一部または全部は、加水分解しシラノール基を形成していてもよい。
前記反応性基としては、例えば、アミノ基、イソシアネート基、(メタ)アクリレート基、ビニル基、メルカプト基、エポキシ基等が挙げられる。なお、本発明において「(メタ)アクリレート基」とは、アクリレート基及びメタクリレート基のいずれか一方または両方をいう。
前記シランカップリング剤(a3)としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類などが挙げられる。なかでも、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランを使用することが、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成できることから好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記シランカップリング剤(a3)は、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に0.1〜10質量%の範囲で使用することが耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成できることから好ましく、2〜7質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記ウレタン樹脂(A)は、具体的には、前記ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させることによって、末端にイソシアネート基または水酸基を有するウレタン樹脂(A’)を製造する工程〔1〕、及び、前記ウレタン樹脂(A’)と、前記シランカップリング剤(a3)とを反応させる工程〔2〕とを経ることによって製造することができる。
また、前記シランカップリング剤(a3)が、アミノ基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる反応性基を2つ以上有するシランカップリング剤の場合、前記ウレタン(A)は、前記ポリオール(a1)と、前記ポリイソシアネート(a2)と、前記シランカップリング剤(a3)とを混合し反応させることによって製造することもできる。
前記ウレタン樹脂(A)の製造工程を構成する前記工程〔1〕における前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、例えば、無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを混合し、反応温度50〜150℃程度の範囲で行うことができる。
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)との反応は、例えば、前記ポリオール(a1)の水酸基に対する、前記ポリイソシアネート(a2)のイソシアネート基の当量割合が、0.8〜2.5の範囲で行うことが好ましく、0.9〜1.5の範囲で行うことがより好ましい。
また、前記工程〔1〕で製造する末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂(A’)を製造する際には、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成できることから、前記ポリオール(a1)及び前記ポリイソシアネート(a2)の他に、必要に応じて鎖伸長剤を使用することができる。
前記ウレタン樹脂(A’)を製造する際に使用できる鎖伸長剤としては、ポリアミン、ヒドラジン化合物、その他活性水素原子含有化合物等を使用することができる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン;N−ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N−エチルアミノエチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。また、これらのポリアミンは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ヒドラジン化合物としては、例えば、ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド;β−セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド等が挙げられる。また、これらのヒドラジン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記その他活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール、及び水等が挙げられ、本発明のウレタン樹脂組成物の保存安定性が低下しない範囲内で単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記工程〔1〕によって前記ウレタン樹脂(A’)を製造する際に使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記有機溶剤は、前記ウレタン樹脂(A)を製造する際に使用した場合は、安全性や環境に対する負荷低減を図るため、前記ウレタン樹脂(A)の製造途中または製造後に、例えば、減圧留去することによって前記有機溶剤の一部または全部を除去してもよい。
また、前記ウレタン樹脂(A)の製造工程を構成する前記工程〔2〕は、前記工程〔1〕で得た前記ウレタン樹脂(A’)と、前記シランカップリング剤(a3)とを混合し反応させる工程である。前記工程〔2〕は、例えば、反応温度20〜80℃の範囲で行うことが好ましい。
また、本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、前記方法で得られたウレタン樹脂(A−1)等のウレタン樹脂(A)が有する親水性基の一部または全部を中和し、次いで、その中和物と水性媒体(B)とを混合することによって製造することができる。
前記水性媒体(B)としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。
また、前記水性媒体(B)としては、安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみが特に好ましい。
前記水性媒体(B)の割合は、前記水性ウレタン樹脂組成物の全量中に10〜90質量%の範囲が好ましく、30〜70質量%の範囲がより好ましい。
前記方法で得たウレタン樹脂(A)は、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有する塗膜を形成できることから、10,000〜500,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、20,000〜200,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、40,000〜100,000の範囲の重量平均分子量を使用することがさらに好ましい。
また、前記ウレタン樹脂(A)としては、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有し、かつ、耐薬品性及び耐溶剤性に優れた塗膜を形成できることから、ウレア結合を有するものを使用することが好ましい。
前記ウレタン樹脂(A)としては、500〜50,000の範囲のウレア結合当量を有するものを使用することが、より一層優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有し、かつ、耐薬品性及び耐溶剤性に優れた塗膜を形成できることから好ましい。
前記ウレタン樹脂(A)は、前記水性ウレタン樹脂組成物の全量中に、前記ウレタン樹脂(A)を5〜85質量%の範囲で含有するものであることが好ましく、15〜50質量%の範囲で含有するものであることが好ましい。
前記ウレタン樹脂(A)を水性媒体中に分散する際には、必要に応じて乳化剤等を使用してもよい。
前記乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体等のノニオン系乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤などが挙げられる。
また、本発明の水性ウレタン樹脂組成物には、ポリシロキサン(X)を使用することができる。
前記ポリシロキサン(X)としては、例えば、各種アルコキシシランの縮合物を使用することができる。
前記アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、「MEK−ST」や「IPA−ST」(日産化学工業株式会社製)として市販されているオルガノシリカゾル等に代表されるテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシランなどが挙げられる。
また、前記ポリシロキサン(X)としては、ビニル重合体から構成されるセグメントとポリシロキサンから構成されるセグメントとが結合した重合体も使用することができる。
前記重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のビニル単量体と、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の重合性不飽和基を有するシラン化合物とを重合することによって得られる重合体や、それに前記アルコキシシランを縮合して得られる加水分解性シリル基等を有するビニル重合体が挙げられる。
前記重合体は、例えば、加水分解性シリル基等を有するビニル重合体の有機溶剤溶液下に、前記アルコキシシランを逐次供給または一括供給し、攪拌下で20〜120℃の範囲で0.5時間〜24時間程度行い、前記ビニル重合体の加水分解性シリル基等と、アルコキシシランの加水分解性シリル基等とを加水分解縮合反応させることによって製造することができる。
前記ポリシロキサン(X)は、加水分解性シリル基またはシラノール基を有していることから、前記ウレタン樹脂(A)が有する加水分解性シリル基またはシラノール基と加水分解縮合反応を生じ、強固なポリシロキサン−ポリウレタン構造が形成されることにより、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成できる。
さらに、前記ポリシロキサン(X)としては、より架橋密度の高い強固なポリシロキサン−ポリウレタン構造が形成されることにより、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れた塗膜を形成できることから、重合性不飽和基を有するものを使用することが好ましい。重合性不飽和基を有するポリシロキサン(X)は、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の重合性不飽和基を有するシラン化合物を使用して得られるアルコキシシランの縮合物の原料として製造することにより得られる。
前記重合性不飽和基は、前記ポリシロキサン(X)中に0.2〜3mmol/gの範囲で有することが好ましい。
本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂(A)が有する重合性不飽和基のラジカル重合を進行させるうえで、重合開始剤を使用することが好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、チオキサントン、アントラキノン、ベンゾイン、ジアルコキシアセトフェノン、アシルオキシムエステル、ベンジルケタール、ヒドロキシアルキルフェノン、ハロゲノケトン等を使用することができる。前記光重合開始剤は、必要に応じてメチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の第三アミンと組み合わせ使用してもよい。
また、重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4‘−アゾビス(4−シアノ)吉草酸、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物等の熱重合開始剤を使用することもできる。
前記重合開始剤は、ウレタン樹脂(A)の固形分100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の水性ウレタン樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて添加剤を含有させてもよい。前記添加剤としては、例えば、重合性不飽和基を有する化合物、成膜助剤、充填材、チキソトロピー付与剤、粘着性付与剤、顔料や抗菌剤等が挙げられる。
前記重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。これらを使用することによって、より一層高硬度な塗膜を形成可能なウレタン樹脂組成物を得ることができる。
前記成膜助剤としては、例えば、アニオン界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸エステルソーダ塩等)、疎水性ノニオン界面活性剤(ソルビタンモノオレエート等)、シリコーンオイル等が挙げられる。
前記チキソトロピー付与剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィン、樹脂酸、界面活性剤、ポリアクリル酸等で表面処理された前記充填材、ポリ塩化ビニルパウダー、水添ヒマシ油、微粉末シリカ、有機ベントナイト、セピオライト等が挙げられる。
前記顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、アンチモンレッド、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等を使用することができる。
前記有機顔料としては、例えば、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンツイミダゾロン顔料、アゾ顔料等の有機顔料を使用することができる。これらの顔料は2種類以上のものを併用することができる。また、これらの顔料が表面処理されており、水性媒体に対して自己分散能を有しているものであっても良い。
前記抗菌剤としては、例えば、塩化銀、トリフルアニド、ジクロルフルアニド、フルオロフォルペット、ジンクピリチオン、2−ベンゾイミダゾールカルバン酸メチル、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール等を使用することができる。
その他の添加剤としては、例えば、反応促進剤(金属系反応促進剤、金属塩系反応促進剤、アミン系反応促進剤等)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤等)、水分除去剤(4−パラトルエンスルフォニルイソシアネート等)、吸着剤(生石灰、消石灰、ゼオライト、モレキュラーシーブ等)、接着性付与剤、消泡剤、レベリング剤等の種々の添加剤が挙げられる。
本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、前記水性媒体(B)中に、前記ウレタン樹脂(A)及び前記アクリル樹脂(B)を分散したものである。この際、前記ウレタン樹脂(A)及び前記アクリル樹脂(B)とが、前記水性媒体(B)中で、別個の樹脂粒子として存在していることが好ましい。
本発明の水性ウレタン樹脂組成物は、例えば、各種基材の表面保護や意匠性を付与しうるコーティング剤に好適に使用することができる。
前記コーティング剤を塗布し塗膜を形成可能な基材としては、例えば、ガラス基材、金属基材、プラスチック基材、紙、木材基材、繊維質基材等が挙げられる。また、ウレタンフォーム等の多孔体構造の基材も使用することもできる。
プラスチック基材としては、例えば、ポリカーボネート基材、ポリエステル基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン基材、ポリアクリル基材、ポリスチレン基材、ポリウレタン基材、エポキシ樹脂基材、ポリ塩化ビニル基材及びポリアミド基材を使用することができる。
前記金属基材としては、例えば、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金鋼板等のめっき鋼板や、鉄板、アルミ板、アルミ合金板、電磁鋼板、銅板、ステンレス鋼板等を使用することができる。
前記基材は前記材質からなる平面状のものであっても曲部を有するものであってもよく、また、不織布のような繊維からなる基材であってもよい。
本発明のコーティング剤は、例えば、それを前記基材表面に直接、または、予めプライマー層等が設けられた基材の表面に、塗布し、次いで乾燥した後、前記ウレタン樹脂(A)が有する重合性不飽和二重基のラジカル重合を進行させることによって、塗膜を形成することができる。
また、離型紙上に前記コーティング剤を塗布し、次いで乾燥、硬化させることによって離型紙の表面に塗膜を形成し、さらに前記塗膜上に接着剤もしくは粘着剤を塗布したものを、不織布のような繊維からなる基材に貼り合わせ、離型紙を剥離することによって、所望の基材の表面に、前記コーティング剤を用いて形成される塗膜を積層することができる。
前記コーティング剤を前記基材上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、カーテンコーター法、フローコーター法、ロールコーター法、刷毛塗り法、浸漬法等が挙げられる。
また、前記コーティング剤を硬化する方法としては、加熱する方法、紫外線等の活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。
前記加熱する方法としては、使用するラジカル重合開始剤の種類によって異なるが、例えば、100〜150℃程度の温度で10分〜30分程度行うことで、前記ラジカル重合を進行させ硬化させることができる。
また、前記活性エネルギー線を照射する方法としては、例えば、紫外線であればキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、LEDランプ等の公知のランプを使用する方法が挙げられる。
前記活性エネルギー線の照射量は、0.05〜5J/cmの範囲であることが好ましく、0.1〜3J/cmの範囲であることがより好ましく、0.1〜1J/cmの範囲であることが特に好ましい。なお、上記の紫外線照射量は、UVチェッカーUVR−N1(日本電池株式会社製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値に基づく。
本発明のコーティング剤を用いて形成可能な塗膜の厚さは、基材の使用される用途等に応じて適宜調整可能であるが、通常0.1〜100μm程度であることが好ましい。
以上のように、前記基材上に前記コーティング剤を用いて形成された塗膜を設けた物品は、液晶ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ等の光学部材、携帯電話、家電製品をはじめとする各種プラスチック製品、自動車外装、建材等の金属製品として使用することが可能である。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
〔製造例1:ポリシロキサンの製造〕
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)191質量部を仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA)169質量部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)11質量部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH)18質量部からなる混合物を、前記反応容器中へ4時間かけて滴下した。その後、同温度で16時間撹拌し、トリメトキシシリル基を有するビニル重合体(Y−1)を調製した。
次いで、前記反応容器の温度を80℃に調整し、メチルトリメトキシシラン(MTMS)131質量部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS)226質量部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)116質量部を、前記反応容器中へ添加した。その後、iso−プロピルアシッドホスフェート(堺化学株式会社製「A−3」)6.3質量部とイオン交換水97質量部との混合物を、5分間で滴下し、同温度で2時間撹拌することにより、加水分解縮合反応させ、反応生成物を得た。前記反応生成物を、H−NMRで分析したところ、前記ビニル重合体(Y−1)が有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。その後、前記反応生成物を、10〜300mmHgの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及びイオン交換水を除去することで、不揮発分が99.4質量%であるビニル重合体セグメントとポリシロキサンセグメントとが結合したポリシロキサン(X−1)を得た。
〔実施例1:水性ウレタン樹脂組成物(1)〕
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン88.8質量部、ポリカーボネートポリオール(1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとジエチルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000)100質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.4質量部、1,6−ヘキサンジオール12.2質量部、ペンタエリスリトールジアクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数3のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)24.3質量部、メチルヒドロキノン0.005質量部、及び、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.05質量部を仕込み、撹拌しながら50℃に調整した。
次に、前記4つ口フラスコにジシクロヘキシルメタンジイソシアネート116.5質量部を供給し、80℃で約5時間反応させることで、側鎖に重合性不飽和結合を有し、主鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を50℃に冷却後、前記4つ口フラスコにN−2−(アミノエチル)―3−アミノプロピルトリエトキシシラン11.7質量部とメチルエチルケトン251.1質量部を供給し、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液と、ジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水540.9質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分33質量%の水性ウレタン樹脂組成物(1)を得た。
〔実施例2:水性ウレタン樹脂組成物(2)〕
前記ウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液の全量と、製造例1で得たポリシロキサン(X−1)92.7質量部とジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水589.1質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(2)を得た。
〔実施例3:水性ウレタン樹脂組成物(3)〕
前記ウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液の全量と、製造例1で得たポリシロキサン(X−1)278.1質量部とジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水1207.1質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(3)を得た。
〔実施例4:水性ウレタン樹脂組成物(4)〕
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた2リットル4つ口フラスコに、メチルエチルケトン89.2質量部、ポリカーボネートポリオール(1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとジエチルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000)100質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.4質量部、1,6−ヘキサンジオール11.5質量部、ペンタエリスリトールジアクリレート(一般式(1)中のRは、炭素原子数3のもので、重合性不飽和基を有する原子団を2つ有するものである。)26.1質量部、メチルヒドロキノン0.005質量部、及び、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.05質量部を仕込み、撹拌しながら50℃に調整した。
次に、前記4つ口フラスコにジシクロヘキシルメタンジイソシアネート116.5質量部を供給し、80℃で約5時間反応させることで、側鎖に重合性不飽和結合を有し、主鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を50℃に冷却後、前記4つ口フラスコにN−2−(アミノエチル)―3−アミノプロピルトリエトキシシラン11.7質量部と3−アミノプロピルトリメトキシシラン24.4質量部、メチルエチルケトン281.9質量部を供給し、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(I−2)の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂(I−2)の有機溶剤溶液の全量と、製造例1で得たポリシロキサン(X−1)303.6質量部とジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水1368.2質量部を加え十分に攪拌し、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(4)を得た。
〔実施例5:水性ウレタン樹脂組成物(5)〕
前記ウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液の全量と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート55.6質量部とジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水777.6質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(5)を得た。
〔実施例6:水性ウレタン樹脂組成物(6)〕
前記ウレタン樹脂(I−1)の有機溶剤溶液の全量と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート111.2質量部と製造例1で得たポリシロキサン(X−1)278.4質量部、ジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水836.3質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(6)を得た。
〔実施例7:水性ウレタン樹脂組成物(7)〕
加熱装置、攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた2リットル4つ口フラスコに、1,4−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン(一般式(2)中のR及びRは炭素原子数2のもので、重合性不飽和基を有する原子団を1つ有するものであり、Rは炭素原子数4のものである。)35.9質量部、メチルヒドロキノン0.007質量部、及び、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.07質量部を仕込み、攪拌しながら50℃で調整した。
次に前記4つ口フラスコにジシクロヘキシルメタンジイソシアネート116.5質量部を供給し、80℃で約3時間反応させた後、メチルエチルケトン91.9質量部、ポリカーボネートポリオール(1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとジエチルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000)100質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.4質量部、及び、1,6−ヘキサンジオール9.9質量部を供給し、80℃で約3時間反応させることで、側鎖に重合性不飽和結合を有し、主鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を50℃に冷却後、前記4つ口フラスコにN−2−(アミノエチル)―3−アミノプロピルトリエトキシシラン11.7質量部とメチルエチルケトン259.3質量部を供給し、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(I−3)の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂(I−3)の有機溶剤溶液と、ジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水559.9質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分33質量%の水性ウレタン樹脂組成物(7)を得た。
〔実施例8:水性ウレタン樹脂組成物(8)〕
前記ウレタン樹脂(I−3)の有機溶剤溶液の全量と、製造例1で得たポリシロキサン(X−1)95.8質量部とジメチルエタノールアミン8.9質量部とを混合した後、イオン交換水609.8質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を47.5質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(8)を得た。
〔比較例1:水性ウレタン樹脂組成物(C1)〕
温度計、窒素ガス導入管、攪拌器を備えた窒素置換された容器中で、1,6−ヘキサンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(数平均分子量2,000)100質量部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール7質量部と、2,2−ジメチロールプロピオン酸5.5質量部と、トリメチロールプロパン1質量部と、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート60質量部とを、メチルエチルケトン58質量部に混合し、前記反応容器中の温度80℃の条件下で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3質量部とを混合し、前記反応容器中の温度80℃の条件下で反応させることによって、側鎖に重合性不飽和結合を有し、主鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液と、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン5質量部とメチルエチルケトン163質量部とを混合し、前記反応容器中の温度を50℃に調整し反応させることによって、加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(II−1)の有機溶剤溶液を得た。
次に、前記ウレタン樹脂(II−1)の有機溶剤溶液と、ジメチルエタノールアミン4質量部とを混合した後、イオン交換水480質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を46質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分30質量%の水性ウレタン樹脂組成物(C1)を得た。
〔比較例2:水性ウレタン樹脂組成物(C2)〕
前記ウレタン樹脂(II−1)の有機溶剤溶液の全量と、製造例1で得たポリシロキサン(X−1)181質量部と、ジメチルエタノールアミン4質量部とを混合した後、イオン交換水774質量部を加え十分に攪拌し、10質量%のピペラジン水溶液を46質量部加えて、40℃で鎖伸長反応させ、減圧蒸留することによって、不揮発分45質量%の水性ウレタン樹脂組成物(C2)を得た。
[塗膜の硬度の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、塗膜の膜厚が15μmとなるように、それぞれガラス基材の表面に塗布した。前記塗布物を140℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯(株式会社GSユアサ製)を用いて、0.5J/cmの紫外線を1パス照射することによって、前記ガラス基材の表面に塗膜が積層した物品を得た。
前記物品を構成する塗膜の硬度は、JIS試験方法(JIS K−5600−5−4:1999)引っかき硬度(鉛筆法)に準拠した方法にて測定した。
[塗膜の伸度の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を塗膜の膜厚が50μmとなるように、それぞれ離型フィルムの表面に塗布した。前記塗布物を25℃の環境下で24時間乾燥した後、高圧水銀灯(株式会社GSユアサ製)を用いて、0.5J/cmの紫外線を1パス照射し、前記離型フィルムを除去することによって、前記水性樹脂組成物からなる試験フィルム(縦40mm、横5mm)を作製した。
前記試験フィルムの伸度の測定は、株式会社島津製作所製「オートグラフAG−Xplus1kN(チャック間;50mm、引張速度50mm/分)」を用いて行い、引張試験前の試験フィルムに対する伸び率に基づき、下記評価基準にしたがって評価した。
◎:引張試験前の試験フィルムの長さに対して、引張試験後の試験フィルムの長さが100%以上伸長した。
○:引張試験前の試験フィルムの長さに対して、引張試験後の試験フィルムの長さが50%以上100%未満伸長した。
○△:引張試験前の試験フィルムの長さに対して、引張試験後の試験フィルムの長さが30%以上50%未満の範囲で伸長した。
△:引張試験前の試験フィルムの長さに対して、引張試験後の試験フィルムの長さが10%以上30%未満の範囲で伸長した。
×:引張試験前の試験フィルムの長さに対して、引張試験後の試験フィルムの長さが10%未満の範囲で伸長した。
[塗膜の屈曲性の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を塗膜の膜厚が2μmとなるように、それぞれ金属板(未処理鋼板、厚さ0.8mm)の表面に塗布した。前記塗布物を100℃で30秒間乾燥した後、高圧水銀灯(株式会社GSユアサ製)を用いて、0.5J/cmの紫外線を1パス照射し、前記離型フィルムを除去することによって、前記金属板の表面に塗膜が積層した物品を得た。
前記物品を構成する塗膜の屈曲性は、JIS試験方法(JIS K−5600−5−1:1999)耐屈曲性試験法(マンドレル直径2mm)に準拠した方法にて測定し、測定結果をもとに、下記評価基準にしたがって評価した。
○:塗膜の屈曲部位で、塗膜のクラック、シワ、白化が見られなかった。
△:塗膜の屈曲部位で、塗膜の若干のクラック、または、白いスジ状のシワが見られた。
×:塗膜の屈曲部位の全体で、塗膜の著しいクラックが見られた。
[塗膜の耐候性の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液をアセトンで脱脂した55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板に、バーコーターを使用して乾燥後の膜厚が約1μmになるように塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥機に30秒間入れて乾燥し、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射することによって、塗膜を作成した。前記塗膜をデューパネル光ウェザーメーター〔スガ試験機株式会社製、光照射時:30W/m、70℃、湿潤時:湿度90%以上、50℃、光照射/湿潤サイクル=8時間/4時間〕を用いて1000時間の曝露試験を行った後、該試験板の表面の塗膜の外観を下記評価基準に従って目視で評価した。
○:塗膜表面にクラックおよび黄変の発生がみられない。
△:塗膜表面のごく一部に若干のクラックおよび黄変の発生がみられる。
×:塗膜表面全体にクラックおよび黄変の発生がみられる。
[塗膜の耐食性の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、アセトンで脱脂した55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板に、バーコーターを使用して乾燥後の膜厚が約1μmになるように塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥機に30秒間入れて乾燥し、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射することによって、塗膜を作成した。その後、室温で3日間養生したものを試験片とした。
前記試験片を構成する塗膜の表面を、基材に到達する深さまでカッターナイフで傷を付け(クロスカット部)、スガ試験機株式会社製塩水噴霧試験器にて塩水噴霧試験を実施し、240時間後の錆発生面積を目視により求めて評価した。評価は、カッターナイフによる傷をつけていない平面部と、クロスカット部の周辺部とに分けて行った。
<平面部>
◎:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して5%未満であった。
○:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して5%以上30%未満であった。
△:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して30%以上60%未満であった。
×:錆の発生及び錆に起因した塗膜の膨れや剥がれの生じた面積が、平面部全体に対して60%以上であった。
<クロスカット部の周辺部>
◎:クロスカット部の周辺部に錆の発生は見られず、錆に起因した塗膜の剥離等も見られなかった。
○:クロスカット部の周辺部に極微量の錆の発生が見られたが、それに起因した塗膜の剥離や膨れは見られなかった。
△:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生が見られ、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られたものの、流れ錆はみられなかった。
×:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生と、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られ、更に流れ錆による塗膜の汚染等が見られた。
[耐温水性の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、アセトンで脱脂した55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板に、バーコーターを使用して乾燥後の膜厚が約1μmになるように塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥機に30秒間入れて乾燥し、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射することによって、塗膜を作成した。その後、室温で3日間養生したものを試験片とした。前記試験片を60℃の温水に浸漬し、60分後の塗膜の劣化状態を観察した。
◎:塗膜の表面に全く変化が無かった。
○:塗膜の表面に若干の変色が見られたが実用上問題ないレベルであった。
△:塗膜全体に膨れ等が見られた。
×:塗膜が剥離し、基材が露出した。
[耐薬品性(耐酸性)の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、アセトンで脱脂した55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板に、バーコーターを使用して乾燥後の膜厚が約1μmになるように塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥機に30秒間入れて乾燥し、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射することによって、塗膜を作成した。その後、室温で3日間養生したものを試験片とした。前記試験片を構成する塗膜の表面に1N塩酸をスポットで置き、180分間静置後の塗膜の劣化状態を観察した。
◎:塗膜の表面に全く変化が無かった。
○:塗膜の表面に若干の黄変が見られたが実用上問題ないレベルであった。
△:塗膜の表面が著しく変色した。
×:塗膜が溶解し、基材が露出した。
[耐薬品性(耐アルカリ性)の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、アセトンで脱脂した55質量%アルミニウム−亜鉛系合金メッキ鋼板に、バーコーターを使用して乾燥後の膜厚が約1μmになるように塗布し、雰囲気温度100℃の乾燥機に30秒間入れて乾燥し、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射することによって、塗膜を作成した。その後、室温で3日間養生したものを試験片とした。
前記試験片を構成する塗膜の表面に5質量%水酸化ナトリウム水溶液をスポットで置き、20分間静置後の塗膜の劣化状態を観察した。
◎:塗膜の表面に全く変化が無かった。
○:塗膜の表面の一部に若干の変色が見られたが実用上問題ないレベルであった。
△:塗膜の表面に変色が見られた。
×:塗膜が溶解し、基材が露出した。
[耐溶剤性の評価方法]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、ガラス基材上に3milのアプリケーターを用いて塗布し、60℃で10分間乾燥後、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射し、その後25℃で2日間養生した塗膜を作製した。得られた塗膜の表面に、トルエンおよびエタノールを浸み込ませたフェルトで、硬化塗膜上を往復20回ラビングした。ラビング前とラビング後の塗膜の状態を、指触及び目視により判定した。評価基準は下記の通りである。
◎:塗膜の表面に全く変化が無かった。
○:塗膜の表面の一部に若干の白色が見られたが実用上問題ないレベルであった。
△:塗膜の表面に白色が見られた。
×:塗膜が溶解し、基材が露出した。
[基材に対する密着性(一次密着性)]
実施例及び後述する比較例で得た水性ウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物)を4質量部配合して得た配合液を、下記に示すそれぞれの基材上に3milのアプリケーターを用いて塗布し、60℃で30分間乾燥後、さらに高圧水銀灯を用いて0.5J/cm照射し、その後25℃で2日間養生した塗膜を作製した。得られた塗膜の表面に、JIS K−5400に準じて、1mm角100個の碁盤目のセロテープ(登録商標)剥離試験を実施した。剥離しない碁盤目数を計測し下記基準で評価した。なお、基材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基材及びガラス基材を使用した。
◎:剥離しない碁盤目数が90以上。
○:剥離しない碁盤目数が60以上〜90未満。
△:剥離しない碁盤目数が40以上〜60未満。
×:剥離しない碁盤目数が40未満。
実施例1〜8で得られた水性ウレタン樹脂組成物(1)〜(8)の組成、ならびに、上記の評価結果を表1に示す。なお、表1中の組成(配合量)は、不揮発分量で示す。
Figure 0006128285
比較例1及び2で得られた水性ウレタン樹脂組成物(C1)、(C2)の組成、ならびに評価結果を表2に示す。なお、表2中の組成(配合量)は、不揮発分量で表す。
Figure 0006128285
表1に示した実施例1〜8の評価結果から、本発明の水性ウレタン樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、優れた塗膜硬度、伸度及び屈曲性を有し、かつ、耐食性、耐温水性、耐薬品性、耐溶剤性及び各種基材に対する密着性に優れることが確認できた。
一方、比較例1及び2は、ウレタン樹脂の原料であるポリオールとして、本発明で規定したポリオール以外のポリオールを用いたウレタン樹脂の例である。比較性1の水性ウレタン樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、伸度及び屈曲性に優れるものの、耐候性、耐食性及びポリエチレンテレフタレート基材に対する密着性は不十分であり、また、耐溶剤性は著しく悪いことが確認できた。
比較例2の水性ウレタン樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、耐食性及び耐温水性が不十分であり、また、耐溶剤性及びポリエチレンテレフタレート基材に対する密着性が著しく悪いことから、比較例1及び2の水性ウレタン樹脂組成物では、塗膜硬度、伸度及び屈曲性並びに耐食性、耐温水性、耐薬品性及び耐溶剤性を両立した塗膜は形成不可能であることが確認できた。

Claims (9)

  1. 加水分解性シリル基またはシラノール基と、重合性不飽和基とを有するウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有する水性ウレタン樹脂組成物であって、前記ウレタン樹脂(A)が、下記一般式(1)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するアルキレンジオール(a1−1)または下記一般式(2)で示される2つ以上の重合性不飽和基を有するオキシアルキレンジオール(a1−2)、及び親水性基を有するポリオールを含有するポリオール(a1)と、ポリイソシアネート(a2)と、シランカップリング剤(a3)との反応物であり、
    前記シランカップリング剤(a3)が、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基からなる群より選ばれる1種以上の反応性基を有するものであることを特徴とする水性ウレタン樹脂組成物。
    Figure 0006128285
    (一般式(1)中のRは、炭素原子数1〜9の直鎖アルキレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を2つ以上有する構造を表す。)
    Figure 0006128285
    (一般式(2)中のR及びRはエチレン基の側鎖に重合性不飽和基を含む原子団を有する構造を表す。Rは、炭素原子数1個〜5個を有するアルキレン基を表す。)
  2. 前記アルキレンジオール(a1−1)がペンタエリスリトールジアクリレートである請求項1記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記アルキレンジオール(a1−1)及び前記オキシアルキレンジオール(a1−2)の合計質量が、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に0.1〜49質量%の範囲である請求項1または2記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ポリオール(a1)が、さらにポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールを含有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ウレタン樹脂(A)が、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する原料の全量中に、前記シランカップリング剤(a3)を0.1〜10質量%の範囲で有するものである請求項1〜のいずれか1項記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  6. さらにポリシロキサン(X)を含有する請求項1〜のいずれか1項記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  7. 前記シランカップリング剤(a3)が、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のシランカップリング剤である請求項1〜6のいずれか1項記載の水性ウレタン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の水性ウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とするコーティング剤。
  9. 請求項8記載のコーティング剤の塗膜を有することを特徴とする物品。
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