JP6128017B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電流フィードバック制御によって通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
交流電動機の制御において、相電流検出値をdq変換したd軸、q軸電流Id、Iqとd軸、q軸電流指令値Id*、Iq*との電流偏差ΔId、ΔIqをゼロにするように、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*をPI制御演算する電流フィードバック制御が知られている。従来のPI制御演算では、一般に、d軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに、それぞれ比例制御ゲイン及び積分制御ゲインを乗じた項を足し合わせて、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
ところで、下記の電圧方程式において、d軸電圧指令値Vd*にはd軸電流Idの成分とq軸電流Iqの成分が含まれ、q軸電圧指令値Vq*にもd軸電流Idの成分とq軸電流Iqの成分が含まれる。つまり、dq軸間での相互干渉が生じる。
Vd*=R×Id−ω×Lq×Iq
Vq*=R×Iq+ω×Ld×Id+ω×φ
(Rは電機子抵抗、ωは電気角速度、Ld、Lqは、d軸、q軸インダクタンス、φは永久磁石の電機子鎖交磁束を示す。)
本明細書では、上述の「従来のPI制御演算」の方式を「干渉フィードバック方式」という。例えば特許文献1に開示されたモータの駆動装置は、干渉フィードバック方式のPI制御演算により算出されたd軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*から、それぞれd軸電圧指令補正値Vd0(=ω×Lq×Iq*)、q軸電圧指令補正値Vq0(=−ω×Ld×Id*−ω×φ)を減算することにより、応答性向上を図っている。
特許文献1に開示された応答性向上を図った制御は、電圧方程式のωを含む項(d軸電圧方程式の第2項、q軸電圧方程式の第2項及び第3項)の演算において、実電流Id、Iqの値を指令電流Id*、Iq*で代用して演算しようとするものであり、フィードフォワード制御に近い思想である。このフィードフォワードと上記干渉フィードバック方式を組み合わせた制御が一般的に知られている。
特開2004−40861号公報
干渉フィードバック方式について考察すると、電気角速度ωが比較的小さく、電圧方程式におけるRを含む項(第1項)の比率が支配的となる低回転領域では制御性は良好と考えられる。しかし、電気角速度ωが比較的大きい高回転領域では、実電流Id、Iqと指令電流Id*、Iq*との乖離によりωを含む項の誤差が大きくなり、制御性能が低下するおそれがある。
また、そもそも従来の干渉フィードバック方式では、d軸、q軸の実電流Id、Iqが指令電流Id*、Iq*と一致し続けることは電圧方程式から考えて理論上困難である。
そこで、より適切な演算式を用いて電圧指令値を演算することにより、電流フィードバック制御の制御性能を向上させることが望まれる。しかし、より適切な演算式を用いる場合、演算する項の数が増加する可能性がある。
一般に正弦波又は過変調PWM制御モードにおいて、電圧指令値は、PWMキャリア周期(例えば200μs)又は半周期(例えば100μs)という速い周期で演算される。そのため、演算式の項の数が増えた場合、全ての項の演算を一律に同じ周期で処理しようとすると単位時間当たりの演算回数が増え、マイコンの処理負荷が増大する。その結果、従来の制御演算に対し、制御装置の大型化やコストアップを招くおそれがある。逆に、従来と同等のマイコンを使う前提では、演算周期を速くすることができない。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、処理負荷の増加を抑制しつつ、電流フィードバック制御の制御性能を向上させる交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明は、電流フィードバック制御によってインバータの駆動を制御することで交流電動機への印加電圧を制御する「交流電動機の制御装置」に係る発明である。
この制御装置は、d軸電流指令値(Id*)及びq軸電流指令値(Iq*)を演算する電流指令演算部と、交流電動機の相電流検出値をdq変換し、d軸電流検出値(Id)及びq軸電流検出値(Iq)を算出するdq変換部と、d軸電流偏差(ΔId)及びq軸電流偏差(ΔIq)に基づくPI制御演算によってd軸電圧指令値(Vd*)及びq軸電圧指令値(Vq*)を演算する電圧指令演算部と、を有する。
電圧指令演算部は、以下の数式1により、「d軸電圧指令値をq軸電流偏差から演算し、q軸電圧指令値をd軸電流偏差から演算する方式」として定義される「非干渉フィードバック方式」を適用する。
Figure 0006128017
(但し、Kpd/Kpq:非干渉フィードバック方式のP(比例)制御項のゲイン、
Kid/Kiq:非干渉フィードバック方式のI(積分)制御項のゲイン、
ΔId:d軸電流偏差(ΔId=Id*−Id)、
ΔIq:q軸電流偏差(ΔIq=Iq*−Iq))
そして、d軸電流偏差及びq軸電流偏差の各係数値についての演算周期は、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期よりも長く設定される。すなわち、各係数値については「低速演算」を行い、d軸、q軸電圧指令値については「高速演算」を行うことを特徴とする。
「非干渉フィードバック方式」の一例では、以下の数式2で示される電圧方程式を用いた以下の数式3に基づいて、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を演算する。
Figure 0006128017
Figure 0006128017
(但し、R:電機子抵抗、Ld/Lq:d軸インダクタンス/q軸インダクタンス、
ω:電気角速度、φ:永久磁石の電機子鎖交磁束)
ここで、数式3は、数式1に対しR項を含む。d軸電圧指令値のR項にはd軸電流偏差が含まれ、q軸電圧指令値のR項にはq軸電流偏差が含まれるという意味で、数式3は、厳密に数式1の通りではないように思われる。しかし、数式3においてRが相対的に極めて小さく、0に近いことを前提とすれば、数式3は、現実的な意味で、「非干渉フィードバック方式」の拡張された一例として扱うことができる。
そして、数式3を変形した以下の数式4において、d軸電流偏差及びq軸電流偏差の各係数値についての演算周期は、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期よりも長く設定される。
Figure 0006128017
各係数値の変化について、電気角速度(ω)は時々刻々変化するとはいえ、電圧指令値に要求される演算周期に比べて、その変化はそれほど速くない。まして、抵抗(R)及びインダクタンス(L)は温度変化や経時劣化によって変化する可能性はあるものの、その変化は、電圧指令値に要求される演算周期に比べて十分に遅い。
したがって、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期に対して各係数の演算周期を例えば10〜20倍の長さに設定したとしても、要求される演算の精度に影響はない。これにより、干渉フィードバック方式に対しマイコンの処理負荷の増加を可及的に抑制しつつ、非干渉フィードバック方式を用いて制御性能を向上させることができる。よって、特に搭載スペースの制限が厳しいハイブリッド自動車に適用される場合、制御装置の大型化やコストアップを回避することができる。
また、抵抗(R)を含む項におけるd軸、q軸電流偏差に係る複数の係数を「第1係数群」とし、電気角速度(ω)及びインダクタンス(L)を含む項におけるd軸、q軸電流偏差に係る複数の係数を「第2係数群」とすると、第1係数群についての演算周期は、第2係数群についての演算周期よりも長く設定されるようにしてもよい。
抵抗(R)のみに依存する第1係数群の値は、電気角速度(ω)を含む第2係数群の値に比べてさらに変化が小さいと考えられる。したがって、第1係数群についての演算周期を第2係数群についての演算周期よりも長くすることで、想定される係数値の変化の頻度に対し、演算周期を適切に対応させることができる。
例えば、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期は、インバータのPWMキャリア周期の半周期に設定され、第1係数群及び第2係数群についての演算周期は、PWMキャリア周期の半周期の整数倍に設定されることが好ましい。
本発明の実施形態による交流電動機の制御装置が適用されるハイブリッド自動車の駆動システムの概略構成図である。 本発明の実施形態による交流電動機の制御装置の制御ブロック図である。 各制御方式の適用領域を示す回転数−トルク特性図である。 本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置の演算周期を示すタイムチャートである。 dq座標で干渉フィードバック方式と非干渉フィードバック方式とを比較する説明図であり、Δid=0、Δiq<0の場合を示す。 同上の説明図であり、Δid=0、Δiq>0の場合を示す。 同上の説明図であり、Δid<0、Δiq=0の場合を示す。 同上の説明図であり、Δid>0、Δiq=0の場合を示す。 同上の説明図であり、干渉フィードバック方式において、実電流が指令電流に一致しないことを説明する図である。 本発明の第2実施形態による交流電動機の制御装置の演算周期を示すタイムチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の交流電動機の制御装置について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車に適用される。
図1に示すハイブリッド自動車は、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド自動車であり、車両の駆動力源として、エンジン6及び2つのモータジェネレータを備える。
モータジェネレータ(以下「MG」と記す。)は、トルクを受けて回生電力を発生する発電機としての機能、及び、力行動作により電力を消費してトルクを発生する電動機としての機能を兼ね備える。本実施形態では、第1MG3は主に発電機として機能し、第2MG4は主に電動機として機能する。第1MG3及び第2MG4は、例えば永久磁石式同期型の三相交流電動機である。
本実施形態において第1MG3及び第2MG4の通電を制御するMG制御装置20が、本発明の「交流電動機の制御装置」に相当する。詳しくは後述するように、MG制御装置20は、主に電動機として機能する第2MG4の制御において、特に、本発明の特徴的な構成を有し、それによる特有の作用効果を奏するものである。
エンジン6、第1MG3及び第2MG4は、動力分割機構16により接続されている。エンジン6は、例えば4気筒のガソリンエンジンである。エンジン6の動力は、クランク軸15に連結された動力分割機構16で二系統に分割され、その一方の動力でデファレンシャルギア機構19、車軸13を介して車輪14を駆動し、もう一方の動力で第1MG3に発電させる。
エンジン制御装置60は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸15のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン6の運転を制御する。
バッテリ31は、例えばニッケル水素、リチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電装置である。昇圧コンバータ32は、バッテリ31の直流電圧を昇圧し、インバータ33、34に出力する。インバータ33、インバータ34は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子から構成され、直流電力と三相交流電力とを相互に変換する。
第1MG3が発電した三相交流電力は、インバータ33で直流電力に変換され、昇圧コンバータ33を経由してバッテリ31に回生される。
第2MG4は、インバータ34が変換した三相交流電力を用いて、力行動作によりトルクを出力する。第2MG4による駆動力は、プロペラ軸17、デファレンシャルギア機構19、車軸13を介して車輪14に伝達される。
回転角センサ51、52は、例えばレゾルバであり、それぞれ、第1MG3及び第2MG4のロータ近傍に設けられ、第1MG3及び第2MG4の電気角を検出する。
車両制御回路10は、MG制御装置20及びエンジン制御装置60と相互に通信可能に設けられている。車両制御回路10は、アクセル信号、ブレーキ信号、シフト信号、車速信号等が入力され、取得した情報に基づいて車両の運転状態を検出する。そして、運転状態に応じたトルク指令値をMG制御装置20に出力し、また、エンジン制御装置60に対して、エンジン6の運転を指令する。
MG制御装置20は、車両制御回路10からのトルク指令値、電流センサ(図2参照)による電流検出値、及び、回転角センサ51、52による電気角信号等に基づいて、昇圧コンバータ32及びインバータ33、34のスイッチング動作を制御することで、第1MG3及び第2MG4の通電を制御する。
以下の説明では第2MG4を「モータ4」と言い替え、専ら、MG制御装置20が実行するモータ4の制御に関して詳しく説明する。
次に、MG制御装置20の構成及び動作について、図2〜図4を参照して説明する。以下の図中、フィードバックを「FB」と略記する。
ここで、例えば特開2010−88205号公報等に開示されるように、MG制御装置20は、モータ4の出力に要求される回転数及びトルクに応じて、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モード及び矩形波制御モードを切り替え可能である。すなわち、図3に示すように、低回転、低トルク領域の出力が要求されるときは、電流フィードバック制御方式の正弦波PWM制御モードが用いられる。高回転、高トルク領域の出力が要求されるときは、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードが用いられる。その中間の領域では、電流フィードバック制御方式の過変調PWM制御モードが用いられる。
そのうち電流フィードバック制御方式の正弦波PWM制御モード及び過変調PWM制御モードにおいて、MG制御装置20は、以下に説明する特徴的な制御を実行する。
図2に示す制御ブロックは正弦波PWM制御モードに対応する。MG制御装置20は、電流指令演算部21、減算器22、電圧指令演算部23、逆dq変換部24、PWM信号生成部25、dq変換部26、及び、角速度変換部27を有する。
なお、過変調PWM制御モードでは、電圧指令演算部23と逆dq変換部24との間に電圧振幅補正部を設け、三相電圧指令の振幅を正弦波波形から歪ませるように補正する。
電流指令演算部21は、車両制御回路10から取得したトルク指令値Trq*に基づき、マップや数式等を用いてd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。
減算器22は、d軸電流減算器221及びq軸電流減算器222からなる。d軸電流減算器221は、dq変換部26からフィードバックされるd軸電流検出値Idをd軸電流指令値Id*から減算してd軸電流偏差ΔIdを算出する。q軸電流減算器222は、dq変換部26からフィードバックされるq軸電流検出値Iqをq軸電流指令値Iq*から減算してq軸電流偏差ΔIqを算出する。
電圧指令演算部23は、d軸、q軸電流検出値Id、Iqを、それぞれd軸、q軸電流指令値Id*、Iq*に追従させるべく、d軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqがゼロに収束するように、PI制御演算によってd軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
電圧指令演算部23は、「非干渉フィードバック方式」を用いてPI制御演算を行う。この「非干渉フィードバック方式」、及び、これと対比する従来の「干渉フィードバック方式」の意味については後述する。
また、後述するように、PI制御演算は、d軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに係る各係数値を演算する段階と、d軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに各係数値を乗算した項を加算してd軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する段階とを含む。
本実施形態では、電圧指令演算部23の中で各係数値を演算する部分を、特に「係数演算部235」という。係数演算部235には、抵抗R、インダクタンスLd、Lqの値が入力される。また、角速度変換部27から電気角速度ωを取得する。
逆dq変換部24は、回転角センサ52から取得した電気角θに基づき、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を、U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、及びW相電圧指令値Vw*に変換する。
PWM信号生成部25は、三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*、及び、インバータ34に印加されるシステム電圧VHに基づいて、インバータ34のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係るPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを算出する。
PWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ34のスイッチング素子のオン/オフが制御され、所望の三相交流電圧Vu、Vv、Vwが生成される。この三相交流電圧Vu、Vv、Vwがモータ4に印加されることにより、トルク指令値Trq*に応じたトルクが出力されるように、モータ4の駆動が制御される。
dq変換部26は、インバータ34からモータ4へ接続される電力線に設けられた電流センサ35、36から相電流検出値が入力される。本実施形態では、V相、W相に設けられた電流センサ35、36からV相電流Iv及びW相電流Iwの検出値が入力され、残るU相の電流Iuをキルヒホッフの法則に基づいて推定している。他の実施形態では、どの二相の電流を検出してもよく、三相の電流を検出してもよい。或いは、一相の電流検出値に基づいて他の二相の電流を推定する技術を採用してもよい。
dq変換部26は、回転角センサ52から取得した電気角θに基づき、三相電流検出値Iu、Iv、Iwをd軸、q軸電流検出値Id、Iqにdq変換し、減算器22にフィードバックする。
角速度変換部27は、回転角センサ52から取得した電気角θを時間微分してモータ4の電気角速度ω[deg/s]を算出する。さらに、電気角速度ωに比例定数を乗じることによりモータ4の回転数N[rpm]を算出してもよい。
次に、「干渉フィードバック方式」及び「非干渉フィードバック方式」の意味を説明する。なお、過去の文献において、「干渉」や「非干渉」の用語は種々の異なる意味で使用されている。本明細書では、過去の文献の用語に拘束されることなく、以下に説明する定義によって、「干渉フィードバック」及び「非干渉フィードバック」の用語を使用する。
実施形態の説明では、数式の見出し番号ではなく、式(1)のように式番号を記述し、「課題を解決するための手段」の数式と重複する式にもあらためて付番する。また、d軸電圧に関する式とq軸電圧に関する式とを1セットにして、式(1)等と表す。
まず、モータの電圧方程式は、式(1)で表される。
Figure 0006128017
記号は、以下のとおりである。
R:電機子抵抗
Ld/Lq:d軸インダクタンス/q軸インダクタンス
ω:電気角速度
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
式(1)の電圧方程式において、d軸電圧Vdにはq軸電流Iqの成分が含まれ、q軸電圧Vqにはd軸電流Idの成分が含まれる。つまり、dq軸間での相互干渉が生じる。
続いて、従来の電流フィードバック制御で一般的に用いられる干渉フィードバック方式の電圧指令演算式は、次式(2)で定義される。
Figure 0006128017
ここで、K’pd、K’pqはP(比例)制御項のゲイン、K’id、K’iqはI(積分)制御項のゲインである。添え字dはd軸電圧指令値Vd*の演算式に用いられるゲイン、添え字qはq軸電圧指令値Vq*の演算式に用いられるゲインであることを示す。また、「K’」の「’」は、干渉フィードバック方式でのゲインであることを示す。干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をd軸電流偏差ΔIdから演算し、q軸電圧指令値Vq*をq軸電流偏差ΔIqから演算する。
次に、非干渉フィードバック方式の電圧指令演算式は、式(3)で定義される。
Figure 0006128017
「’」を付けないKpd、Kpqは、非干渉フィードバック方式のP(比例)制御項のゲインであり、Kid、Kiqは、非干渉フィードバック方式のI(積分)制御項のゲインである。非干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をq軸電流偏差ΔIqから演算し、q軸電圧指令値Vq*をd軸電流偏差ΔIdから演算する。
非干渉フィードバック方式は、明細書の最後で述べるようにフィードフォワード項と組み合わせてもよい。本実施形態では、簡略化のため言及する対象をフィードバック方式に限定し、非干渉フィードバック方式の一例として電圧方程式を利用する式(4)を示す。
Figure 0006128017
式(4)の非干渉フィードバック方式では、d軸、q軸電圧推定偏差ΔVd、ΔVqに、それぞれ比例制御ゲイン及び積分制御ゲインを乗じた項を足し合わせて、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
ここで、式(4)の導出について説明する。
式(1)の電圧方程式において、d軸電圧Vdにはd軸電流Idの成分とq軸電流Iqの成分とが含まれ、q軸電圧Vqにもd軸電流Idの成分とq軸電流Iqの成分とが含まれる。つまり、dq軸間での相互干渉が生じる。
式(1)のd軸電流Id及びq軸電流Iqに、それぞれd軸電流偏差ΔId(=Id*−Id)及びq軸電流偏差ΔIq(=Iq*−Iq)を代入し、ω・φ項を消去すると式(5)が得られる。
Figure 0006128017
このΔVd、ΔVqは、「電圧方程式(1)に基づいて推定した、電流偏差ΔId、ΔIqに対応する電圧の差分量」である。なお、ΔVd、ΔVqを「電圧偏差」というと、あたかも実電圧と目標電圧とを直接比較したように誤解されるおそれがあるため、「電圧推定偏差」ということにする。
式(5)を用いて式(4)を展開すると式(6)が得られる。さらに、式(6)を展開すると、式(6’)のように表される。
Figure 0006128017
Figure 0006128017
式(6)(又は式(6’))の右辺において、抵抗Rを含む項を「R項」といい、電気角速度ωとインダクタンスLとの積(ω・L)を含む項を「(ω・L)項」という。
R項におけるd軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに係る(Kpd・R)、(Kid・R)、(Kpq・R)、(Kiq・R)の4つの係数を合わせて「第1係数群」と定義する。また、(ω・L)項におけるd軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに係る(Kpd・ω・Lq)、(Kid・ω・Lq)、(Kpq・ω・Ld)、(Kiq・ω・Ld)の4つの係数を合わせて「第2係数群」と定義する。第1係数群及び第2係数群は、その一まとまりの部分を、d軸、q軸電流偏差ΔId、ΔIqに係る「ゲイン」と見ることができる。
また、式(6)の右辺全体の値に占めるR項の値の比率を「R項比率」という。抵抗R及びインダクタンスLは、温度変化や経時劣化が無いとすれば一定であり、電気角速度ωが大きくなるほど、すなわち、回転数が大きくなるほどR項比率は小さくなる。
式(6)において「R<<ω・L」のとき、「R=0」とみなしてR項を無視すると、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*は、式(7)により、ω・L項のみで表される。
Figure 0006128017
以上が「干渉フィードバック方式」及び「非干渉フィードバック方式」の意味である。
図3に示すように、本実施形態では、電流フィードバック制御方式の正弦波PWM制御モード及び過変調PWM制御モードの領域において、少なくとも正弦波PWM制御モードの所定回転数A以上の回転数領域で「非干渉フィードバック方式」を用いてd軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
ただし、式(2)と式(6’)を比較してわかるように、非干渉フィードバック方式は干渉フィードバック方式に比べて演算する項の数が多いため、マイコンの処理負荷が増加する。そこで本実施形態は、非干渉フィードバック方式の制御演算において、第1係数群及び第2係数群についての演算周期を、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*の演算周期よりも長く設定することで、処理負荷の増加を可及的に抑制することを特徴とする。
本実施形態による電圧指令値、及び各係数値の演算周期について、図4のタイムチャートを参照して説明する。
図4に例示するように、インバータ34のPWMキャリアは、周波数5kHzであり、周期Tcが200μsである。PWMキャリアの山及び谷のタイミング、すなわちPWMキャリア半周期Tchである100μs毎に、電流センサ35、36によってモータ4の相電流Iv、Iwが検出(サンプリング)される。相電流検出値はdq変換部26でdq変換されて減算器22にフィードバックされ、電圧指令演算部23は、サンプリング周期と同期した100μsの演算周期でd軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*を「高速演算」する。
一方、電圧指令演算部23の係数演算部235は、式(6’)における第1係数群(Kpd・R、Kid・R、Kpq・R、Kiq・R)、及び、第2係数群(Kpd・ω・Lq、Kid・ω・Lq、Kpq・ω・Ld、Kiq・ω・Ld)について、例えば、PWMキャリア周期Tcの10倍の2msの演算周期Tkで「低速演算」する。
式(6’)の演算において全ての値同士の乗算を行うと、d軸、q軸の各電圧指令演算式につき10回の乗算が必要となる。それに対し本実施形態では、係数演算周期2msにおいて、電圧指令演算の20回のうち1回のみ第1係数群及び第2係数群を含めた演算を行い、20回のうち19回は第1係数群及び第2係数群の演算を行わない。各係数を定数として扱うことで、d軸、q軸の各電圧指令演算式につき必要な乗算回数は4回、加算回数は3回となる。
一方、干渉フィードバック方式の式(2)においては、d軸、q軸の各電圧指令演算式につき2回の乗算と1回の加算が必要であるから、本実施形態の電圧指令演算では、干渉フィードバック方式に比べ、わずかに2回の乗算と2回の加算が増加するに留まる。
(効果)
本実施形態のMG制御装置20の効果として、電圧方程式を利用した非干渉フィードバック方式では、フィードバックゲインを適正に設定すれば、理論上、実電流を指令電流に一致させることができるため、干渉フィードバック方式に比べて制御性能が向上する。
これについて、dq座標上で電流及び電圧を示す図5〜図9を参照して説明する。
この部分の説明では、文脈に応じて、適宜、上記の「電流指令値」を「指令電流」、「電流検出値」を「実電流」と言い替える。また、終点の座標が(Id*、Iq*)である指令電流ベクトルを「指令電流Id*、Iq*」と表し、終点の座標が(Id、Iq)である実電流ベクトルを「実電流Id、Iq」と表す。
図5〜図9において、dq座標における実電流Id、Iqを傾斜45°のハッチングを付した丸で示し、指令電流Id*、Iq*を破線の丸で示す。指令電流Id*、Iq*は、例えば、電流ベクトルの絶対値に対して最大トルクが得られる最大効率特性線ME上に設定されている。図5〜図8は、指令値Id*、Iq*に対して実電流Id、Iqがdq座標上のどちら側にあるか、すなわち、電流偏差ΔId、ΔIqの符号によって場合分けしたものである。
電流フィードバック制御では、基本的に実電流Id、Iqを指令電流Id*、Iq*に一致させるように電圧指令値Vd*、Vq*を制御する。しかし、干渉フィードバック方式と非干渉フィードバック方式とでは、電圧指令値Vd*、Vq*を動かしたときの実電流Id、Iqの変化の仕方が異なる。
現在の電圧指令値、すなわち、電圧指令ベクトルV*の終点の座標Vd*、Vq*を傾斜45°のハッチングを付した丸で示す。そして、干渉フィードバック方式の制御により電圧指令値Vd*、Vq*が動く先を白丸で示し、非干渉フィードバック方式の制御により電圧指令値Vd*、Vq*が動く先を傾斜−45°のハッチングを付した丸で示す。
また、干渉フィードバック方式による制御の結果、実電流Id、Iqが動く先を白三角で示し、非干渉フィードバック方式による制御の結果、実電流Id、Iqが動く先を傾斜−45°のハッチングを付した三角で示す。
図5に示すように、ΔId=0、ΔIq<0の場合、q軸電流Iqをマイナス方向(図の下向き)に動かしたい。このとき、干渉フィードバック方式では、式(2)に基づき、q軸電圧指令値Vq*をマイナス方向に動かす。一方、非干渉フィードバック方式では、「R=0」とみなした式(7)に基づき、d軸電圧指令値Vd*をプラス方向に動かす。式中の注目する箇所に○印を付けて示すと下記のようになる。
Figure 0006128017
Figure 0006128017
次に電圧方程式(1)の第2項に注目すると、干渉フィードバック方式では、q軸電圧指令値Vq*をマイナス方向に動かしたことにより、Vq*がマイナス→ω・Ld・Id項がマイナスとなり、d軸電流Idがマイナス方向に動く。つまり、q軸電流Iqをマイナス方向に動かしたいという要求とは異なる方向に実電流Id、Iqが変化する。
それに対し、非干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をプラス方向に動かしたことにより、Vd*がプラス→ω・Lq・Iq項がマイナスとなり、q軸電流Iqがマイナス方向に動く。つまり、q軸電流Iqをマイナス方向に動かしたいという要求どおりに実電流Id、Iqを変化させ、実電流Id、Iqを指令電流Id*、Iq*に一致させることができる。
図6に示すように、ΔId=0、ΔIq>0の場合、q軸電流Iqをプラス方向(図の上向き)に動かしたい。図5の例と同様に考えると、干渉フィードバック方式では、q軸電圧指令値Vq*をプラス方向に動かすことにより、d軸電流Idがプラス方向に動く。つまり、要求とは異なる方向に実電流Id、Iqが変化する。
一方、非干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をマイナス方向に動かすことにより、q軸電流Iqがプラス方向に動く。つまり、要求どおりに実電流Id、Iqを変化させ、実電流Id、Iqを指令電流Id*、Iq*に一致させることができる。
図7に示すように、ΔId<0、ΔIq=0の場合、d軸電流Idをマイナス方向(図の左向き)に動かしたい。このとき、干渉フィードバック方式では、式(2)に基づき、d軸電圧指令値Vd*をマイナス方向に動かす。一方、非干渉フィードバック方式では、「R=0」とみなした式(7)に基づき、q軸電圧指令値Vq*をマイナス方向に動かす。式中の注目する箇所に○印を付けて示すと下記のようになる。
Figure 0006128017
Figure 0006128017
次に電圧方程式(1)の第2項に注目すると、干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をマイナス方向に動かしたことにより、Vd*がマイナス→ω・Lq・Iq項がプラスとなり、q軸電流Iqがプラス方向に動く。つまり、d軸電流Idをマイナス方向に動かしたいという要求とは異なる方向に実電流Id、Iqが変化する。
それに対し、非干渉フィードバック方式では、q軸電圧指令値Vq*をマイナス方向に動かしたことにより、Vq*がマイナス→ω・Ld・Id項がマイナスとなり、d軸電流Idがマイナス方向に動く。つまり、d軸電流Idをマイナス方向に動かしたいという要求どおりに実電流Id、Iqを変化させ、実電流Id、Iqを指令電流Id*、Iq*に一致させることができる。
図8に示すように、ΔId>0、ΔIq=0の場合、d軸電流Iqをプラス方向(図の右向き)に動かしたい。図7の例と同様に考えると、干渉フィードバック方式では、d軸電圧指令値Vd*をプラス方向に動かすことにより、q軸電流Iqがマイナス方向に動く。つまり、要求とは異なる方向に実電流Id、Iqが変化する。
一方、非干渉フィードバック方式では、q軸電圧指令値Vq*をプラス方向に動かすことにより、d軸電流Idがプラス方向に動く。つまり、要求どおりに実電流Id、Iqを変化させ、実電流Id、Iqを指令電流Id*、Iq*に一致させることができる。
要するに、干渉フィードバック方式の制御では、動かしたい方向と90°ずれた方向に実電流Id、Iqが動くこととなる。図9を参照すると、例えば図5に示すΔId=0、ΔIq<0の状態をスタートとして、制御を繰り返す度に、実電流Id、Iqは、図5→図8→図6→図7の状態を順に移行しながら、太線矢印で示すように指令電流Id*、Iq*の周りを回ることとなる。制御周期が速ければ、実電流Id、Iqが描く円軌跡の半径は小さくなり、同期数が少ないと制御性は悪くなる。
それに対し、非干渉フィードバック方式では、フィードバックゲインを適正に設定すれば、理論上、実電流Id、Iqを指令値Id*、Iq*に一致させることができる。したがって、本実施形態では、少なくとも正弦波PWM制御モードの所定回転数A以上の回転数領域で非干渉フィードバック方式を適用し、制御性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、非干渉フィードバック方式の制御演算において、第1係数群及び第2係数群については、例えば演算周期2msの低速演算を行い、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*については例えば演算周期100μsの高速演算を行う。
各係数値の変化について、第2係数群の電気角速度ωは時々刻々変化するとはいえ、電圧指令値Vd*、Vq*に要求される演算周期に比べて、その変化はそれほど速くない。まして、第1係数群の抵抗R、及び第2係数群のインダクタンスLd、Lqは温度変化や経時劣化によって変化する可能性はあるものの、その変化は、電圧指令値Vd*、Vq*に要求される演算周期に比べて十分に遅い。
したがって、d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*の演算周期に対して第1係数群及び第2係数群の演算周期を例えば10〜20倍の長さに設定したとしても、要求される演算の精度に影響はない。これにより、干渉フィードバック方式に対しマイコンの処理負荷の増加を可及的に抑制しつつ、非干渉フィードバック方式を用いて制御性能を向上させることができる。よって、特に搭載スペースの制限が厳しいハイブリッド自動車に適用される場合、制御装置の大型化やコストアップを回避することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の交流電動機の制御装置について、図10を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対し、式(6’)における第1係数群(Kpd・R、Kid・R、Kpq・R、Kiq・R)についての演算周期を、第2係数群(Kpd・ω・Lq、Kid・ω・Lq、Kpq・ω・Ld、Kiq・ω・Ld)についての演算周期よりも長く設定する点が異なる。
例えば図10に示すように、第1係数群の演算周期Tk1をPWMキャリア周期Tcの10倍の2msとし、第2係数群の演算周期Tk2をPWMキャリア周期Tcの2.5倍の500μsとする。d軸、q軸電圧指令値Vd*、Vq*の演算周期は、第1実施形態と同様に、PWMキャリア半周期Tchとする。
抵抗Rのみに依存する第1係数群の値は、電気角速度ωを含む第2係数群の値に比べてさらに変化が小さいと考えられる。したがって、第2実施形態では、第1係数群についての演算周期Tk1を第2係数群についての演算周期Tk2よりも長くすることで、想定される係数値の変化の頻度に対し、演算周期を適切に対応させることができる。
また、例えばモータ4の特性や使用環境等によって、抵抗Rの変化が比較的大きい場合には、第2実施形態とは逆に、第1係数群についての演算周期を第2係数群についての演算周期よりも短く設定してもよい。
(その他の実施形態)
本発明の交流電動機の制御装置は、上記実施形態の図1で例示した2つのモータジェネレータを備えるハイブリッド自動車に限らず、それ以外のハイブリッド自動車や電気自動車、又は車両以外の各種装置において、電流フィードバック制御を行うどのような交流電動機の制御装置として適用されてもよい。
また、上記実施形態の図3では、正弦波PWM制御モードの全領域で非干渉フィードバック方式を適用するように図示している。しかし、電圧方程式のR項比率が支配的である低回転領域では、干渉フィードバック方式を適用しても良い制御性能が得られるため、あえて、演算する項の数が多い非干渉フィードバック方式を適用するメリットが少ない。
そこで、モータの回転数が所定の回転数未満の領域では干渉フィードバック方式を適用し、所定の回転数以上の領域では非干渉フィードバック方式を適用するように、回転数に応じて、電圧指令演算部の制御方式を切り替えるようにしてもよい。これにより、干渉フィードバック方式を適用する低回転領域での演算負荷をより低減することができる。
また、非干渉フィードバック方式の定義式である式(3)に対し、特許文献1と同様にフィードフォワード項(Vdff、Vqff)と組み合わせた以下の式(8)を用いてもよい。
Figure 0006128017
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
20・・・MG制御装置(交流電動機の制御装置)、
21・・・電流指令演算部、
23・・・電圧指令演算部、
26・・・dq変換部、
34・・・第2インバータ(インバータ)、
4 ・・・第2MG、モータ(交流電動機)。

Claims (5)

  1. 電流フィードバック制御によってインバータ(34)の駆動を制御することで交流電動機(4)への印加電圧を制御する交流電動機の制御装置(20)であって、
    d軸電流指令値(Id*)及びq軸電流指令値(Iq*)を演算する電流指令演算部(21)と、
    前記交流電動機の相電流検出値をdq変換し、d軸電流検出値(Id)及びq軸電流検出値(Iq)を算出するdq変換部(26)と、
    d軸電流指令値(Id*)とd軸電流検出値(Id)との偏差であるd軸電流偏差(ΔId)、及び、q軸電流指令値(Iq*)とq軸電流検出値(Iq)との偏差であるq軸電流偏差(ΔIq)に基づくPI制御演算によって、d軸電圧指令値(Vd*)及びq軸電圧指令値(Vq*)を演算する電圧指令演算部(23)と、
    を有し、
    前記電圧指令演算部は、
    以下の数式1により、前記d軸電圧指令値を前記q軸電流偏差から演算し、前記q軸電圧指令値を前記d軸電流偏差から演算する非干渉フィードバック方式を適用し、
    Figure 0006128017
    (但し、Kpd/Kpq:非干渉フィードバック方式のP(比例)制御項のゲイン、
    Kid/Kiq:非干渉フィードバック方式のI(積分)制御項のゲイン、
    ΔId:d軸電流偏差(ΔId=Id*−Id)、
    ΔIq:q軸電流偏差(ΔIq=Iq*−Iq))
    前記d軸電流偏差及び前記q軸電流偏差の各係数値についての演算周期は、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期よりも長く設定されることを特徴とする交流電動機の制御装置。
  2. 前記非干渉フィードバック方式は、以下の数式2で示される電圧方程式を用いた以下の数式3に基づいて、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を演算するものであり、
    Figure 0006128017
    Figure 0006128017
    (但し、R:電機子抵抗、Ld/Lq:d軸インダクタンス/q軸インダクタンス、
    ω:電気角速度、φ:永久磁石の電機子鎖交磁束)
    数式3を変形した以下の数式4において、
    Figure 0006128017
    前記d軸電流偏差及び前記q軸電流偏差の各係数値についての演算周期は、前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期よりも長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記d軸電流偏差及び前記q軸電流偏差に係る係数のうち、抵抗(R)を含む項における複数の係数を第1係数群とし、電気角速度(ω)及びインダクタンス(L)を含む項における複数の係数を第2係数群とすると、
    前記第1係数群についての演算周期は、前記第2係数群についての演算周期と異なる値に設定されることを特徴とする請求項2に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記第1係数群についての演算周期は、前記第2係数群についての演算周期よりも長く設定されることを特徴とする請求項3に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の演算周期は、前記インバータのPWMキャリア周期の半周期に設定され、
    前記d軸電流偏差の各係数、及び、前記q軸電流偏差の各係数についての演算周期は、前記PWMキャリア周期の半周期の整数倍に設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
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