JP6127991B2 - 電動機 - Google Patents

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本明細書が開示する技術は、ロータコアの磁石孔に磁石が挿入される電動機(モータ、Electric Motor)に関する。なお、明細書では、説明を簡単にするため、「電動機」の代わりに「モータ」の表現を用いる。
ロータコアの磁石孔に磁石が挿入されるモータに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される技術がある。この技術では、マグネット(磁石)とスロット(磁石孔)の間に接着剤を流し込んでマグネットを固定する。スロットは、ロータコアをその軸線方向に貫通している。それゆえ、マグネットの固定が十分でないと、マグネットがスロットから脱落する虞がある。そこで、特許文献1の技術では、電磁鋼板に形成するスロットの内壁に凹条部を形成する。これにより、凹条部内で硬化した接着剤が突起片になることで、マグネットをスロット内で保持してスロットからマグネットが脱落することを防止している。
特開平11−98735号公報
上記特許文献1の技術では、マグネットが挿入されているスロットの内壁に凹条部を形成する。これにより、マグネットの側面に接着剤による突起片を作用させて機械的にマグネットを保持する。つまり、マグネットの側面に対向する電磁鋼板に凹条部を形成するため、凹条部の形成部分では、電磁鋼板で形成されるロータコアの側面とマグネットの側面との間が離れてしまう。このような両者が離れた部分では磁力の伝達効率が低下するため、ロータコアによる磁力伝達が均一になり難く、モータの出力性能が低下する虞がある。本明細書は、モータの出力性能の低下を抑制しつつ磁石の脱落を防ぐ技術を提供する。
本明細書が開示するモータ(電動機)は、軸方向に伸びる磁石孔を有するロータコアと、磁石孔の長さよりも短く、磁石孔に挿入される磁石と、磁石の軸線方向の端部を覆うように磁石の周囲空間を埋める樹脂モールドを備えている。そして、軸線方向において磁石の端部よりもロータコアの端部側で磁石孔の内周面に窪む凹部が設けられており、樹脂モールドが凹部にも入り込んでいる。これにより、樹脂モールドは、磁石の側方ではなく、磁石の端部よりもロータコアの端部側でロータコアの凹部に入り込んで形成される凸部によって磁石を機械的に保持する。そのため、磁石の側方に位置するロータコアに凹部を形成することなく磁石を機械的に保持するので、ロータコアの側面と磁石の側面との間の距離が一定に保たれる。したがって、ロータコアによる磁力伝達がほぼ均一になるので、モータの出力性能の低下を抑制しつつ磁石の脱落が防止される。
例えば、ロータコアは、軸線方向に積層されている複数の電磁鋼板で構成されている。その場合、各電磁鋼板に、磁石孔を構成する貫通孔が設けられる。そして、特定の電磁鋼板の貫通孔が他の電磁鋼板の貫通孔よりも大きく、当該特定の電磁鋼板の貫通孔が上記の凹部を形成する。また、特定の電磁鋼板の貫通孔に切欠を設け、その切欠が凹部を形成しても良い。
また、例えば、凹部は、少なくとも2枚の電磁鋼板で形成されており、凹部の深さが夫々の電磁鋼板で異なるように構成しても良い。これにより、ロータコアの軸方向に凹凸が形成されるため、深さが均一である場合に比べて磁石を機械的に保持する力が高まる。また凹部は、少なくとも2枚の電磁鋼板で形成されており、凹部を形成する貫通孔の形状が夫々の電磁鋼板で異なるように構成しても良い。ロータコアの軸方向に直交する方向に凹凸が形成されるため、貫通孔の形状が夫々同じである場合に比べて使用する樹脂モールド材の量が減る。
本明細書は、軸線方向に伸びる貫通孔に磁石が挿入されたロータを有するモータに関し、モータの出力性能の低下を抑制しつつ磁石の脱落を防ぐ技術を提供する。本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
実施例のモータを構成するロータの断面図である。 ロータコアの斜視図である。 図1のIII線内を拡大して表した拡大断面図である。 凹部の位置範囲を示す説明図である。 凹部の他の構成例を示す拡大部分断面図である。 凹部の他の構成例を示す拡大部分断面図である。 ロータコアの表面からスロットを見た凹部の構成例を示す説明図である。 比較例を示す説明図である。
図面を参照して実施例のモータを説明する。本実施例のモータは、例えば、永久磁石同期電動機(PM;Permanent Magnet Synchronous Motor)型や埋込構造永久磁石同期電動機(IPM;Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)である。本実施例では、そのモータに用いられるロータ2について、図1〜図4に基づいて詳述する。そのため、モータのステータ(固定子)については、図示を省略している。
図1に実施例のモータを構成するロータ2の断面図を示す。図1において軸線Jより下がロータ2の側面図であり、軸線Jより上がロータ2の縦断面図である。図2に、ロータコア10の斜視図を示す。図3に、図1のIII線内を拡大して表した拡大断面図を示す。図4に、電磁鋼板12に形成される凹部12aの位置範囲を示す説明図を示す。
まず、ロータ2の構成概要を図1及び図2を参照して説明する。なお、図1に示すロータ2は、そのロータシャフト20の両端が省略されている。ロータ2は、磁界を発生させるために、永久磁石(以下、単に磁石と称する)16を複数備えた回転子であり、主に、ロータコア10及びロータシャフト20から構成されている。ロータコア10は、鉄等の磁性体材料からなる複数の電磁鋼板11、12、13、14(以下、電磁鋼板11等と称する)と、これらの電磁鋼板11等に埋め込まれる複数のマグネット16と、により構成されている。なお、本実施例のロータコア10は、積層した電磁鋼板11等を軸線J方向の両側から挟み込むように位置するエンドプレートを備えていない。エンドプレートは、典型的には、マグネット16の脱落を防止するために設けられるが、後述するように、本実施例では、マグネット16の脱落をエンドプレート以外の手段で防止するためである。
電磁鋼板11等は、その中心に円形の貫通孔が形成された円板、つまり円環形状に形成された円板状であり、いずれも同じ板厚に設定されている。中心に形成される貫通孔は、電磁鋼板11等が積層されることによりロータコア10のシャフト穴10aを構成する。ロータコア10には、このほかにマグネット16を埋め込むためのスロット10bがシャフト穴10aを囲むように複数箇所に形成されている。これらのスロット10bも、中心の貫通孔と同様に、電磁鋼板11等に形成されるそれぞれ貫通孔が軸線J方向に集まることにより構成される。即ち、スロット10bは、ロータコア10を貫通している。
スロット10bは、本実施形態では、マグネット16の端面形状である矩形状に合わせて、丸角の矩形状又は細長の小判形状に形成されている。スロット10bは、ステータ側の電磁石との間に形成される磁路の形成に適した向きに位置している。ステータには、複数相のコイルが巻回される。本実施例では、例えば、ハ字形状をなすように、2つのスロット10bが対向するように形成されている。
スロット10bの内部には、マグネット16が挿入されている。図2にてマグネット16が点線により描かれているのは、そのためであり、便宜上、一部のマグネット16については図示を省略している。マグネット16は、端面形状が矩形をなす角柱形状に形成された永久磁石である。本実施例では、マグネット16の軸方向長さは、スロット10bの深さよりも短く設定されている。例えば、電磁鋼板11等の4枚分の板厚相当だけ短くなるように、マグネット16の軸方向長さが設定されている。
マグネット16の周囲には、樹脂モールド17が充填されている(図2においてグレーに着色されている部分)。即ち、樹脂モールド17は、マグネット16の両方の端部16aを覆うように、スロット10b内で形成されるマグネット16の周囲空間を埋めている。本実施例では、マグネット16の端部16aの付近において、樹脂モールド17は、スロット10bの内壁面の凹部(後述)に向けて突出する凸部を有する。この凸部については、後で詳述する。
ロータシャフト20は、ロータコア10をその軸中心に固定して動力を出力する出力軸である。本実施例では、ロータシャフト20は、内部に貫通穴21が形成される中空パイプであり、一端側20aの方が他端側20bよりも太くなるように形成されている。また、ロータシャフト20のほぼ中央には大径部22が形成されている。ロータシャフト20の大径部22よりも一端側20aの部位がロータコア10のシャフト穴10aに通される。ロータコア10は、大径部22とストッパ19の間に狭持されてロータシャフト20に固定される。ストッパ19は、カシメ部19bがロータシャフト20のカシメ溝23にカシメられてロータシャフト20に固定される。なお、ロータコア10が取り付けられたロータシャフト20は、図示しないモータのハウジングの軸受けに回動自在に組み付けられて当該モータを構成する。
次に、ロータコア10の構成を図3及び図4に基づいて説明する。ここでは、ロータコア10に形成されるスロット10bの構成について詳述する。本明細書及び図面では、複数の電磁鋼板11等のうち、軸線方向の最外部に位置してロータコア10の端面として露出するものに符号11を付している。これに対して、最外部に位置することなく、ロータコア10の端面として露出しないものに符号12、13、14を付し、これらのうち、マグネット16の端部16aよりもロータコア10の端部側、つまり電磁鋼板11側に位置するものに符号12、13を付している。また、その反対側、つまりマグネット16の側部16bに位置するものに符号14を付している。電磁鋼板12と電磁鋼板13の違いは、電磁鋼板12には、凹部12aが形成されている点である。
即ち、図3に示すように、ロータコア10のスロット10bは、図1及び図2に示す軸線J方向に沿った断面(図2に示すIII線に沿ってロータコア10を軸線J方向に切断した場合に現れる断面)から見てとれるように、マグネット16の軸線Kの方向においてマグネット16の側部16bよりもロータコア10の端部側にスロット10bの内周面に窪む凹部12aが形成されている。この凹部12aは、電磁鋼板12に形成されており、例えば、他の電磁鋼板11、13、14に形成される貫通孔11a、13a、14aの形状に相似形であり、ひと回り大きい丸角の矩形状又は細長の小判形状に形成されている(図7(A)参照)。
なお、電磁鋼板12そのものに凹部12aが形成されるのではなく、図3に示すように、電磁鋼板12とその両隣に隣接する電磁鋼板13により凹部12aが形成されるが、説明の便宜上、電磁鋼板12の貫通孔において電磁鋼板13の貫通孔よりも径の大きい部位を凹部12aと称する。なお、より具体的には、電磁鋼板12の貫通孔(スロット10bを構成する孔)の大きさが電磁鋼板13の貫通孔よりも大きく、電磁鋼板12とその両隣に隣接する電磁鋼板13の貫通孔の内周面の位置の相違により、凹部12aが形成される。
これにより、マグネット16の周囲には、その端部16aの方向においてスロット10bの内周面に窪む環状溝が出来る。そのため、ロータコア10の組み付け工程においてスロット10bに樹脂モールド17が充填されると、このような環状溝(凹部12a)の中にも樹脂モールド17が入り込む。これにより、樹脂モールド17が硬化すると、この環状溝(凹部12a)の中に入り込んだ樹脂モールド17が他の部分(例えば、マグネット16の側部16b)に比べて環状の凸状に成形される。このため、このような環状凸部が最外位置の電磁鋼板11に係止されて樹脂モールド17とともにマグネット16をスロット10b内に固定する。つまり、マグネット16とともに角棒状に形成される樹脂モールド17の端部側に鍔形状をなす環状凸部が形成されるため、鍔形状の環状凸部がマグネット16を機械的にスロット10bに保持してスロット10bからマグネット16が脱落することを防ぐ。なお、この鍔形状の環状凸部が前述したエンドプレート以外の手段に相当する。
このような凹部12aは、特定の範囲に位置する電磁鋼板に形成される。マグネット16から最も離れた位置として、図4(A)に示すように、最外位置の電磁鋼板11よりも内側である必要がある。図3に示す構成例がこれに該当する。最外位置の電磁鋼板11に凹部12aを設けた場合には、それにより樹脂モールド17に環状凸部が形成されたとしても、そのような環状凸部を係止する電磁鋼板がロータコア10の端部方向に存在しないため、樹脂モールド17とともにマグネット16がスロット10bから脱落する可能性が残るからである。
これに対して、マグネット16に最も近い位置としては、図4(B)に示すように、マグネット16の側部16bよりも外側、つまりロータコア10の端部側である必要がある。これよりも内側の電磁鋼板14は、マグネット16の側部16b(軸線Kに直交する方向)に位置することから、形成される凹部12aによって、マグネット16の側面と電磁鋼板14の間に空隙が形成される。そのため、この凹部12aによる空隙によって、マグネット16の側面と電磁鋼板14の距離の隔たりにより、凹部12aが存在する部分において磁力の伝達効率の低下を招くことになるためである。磁力の伝達効率の低下は、ロータコア10による磁力伝達のばらつきによりモータの出力性能の低下の要因になり得る。
したがって、凹部12aを形成する電磁鋼板12は、マグネット16の端部16aと、最外位置の電磁鋼板11とに挟まれた位置範囲に存在する電磁鋼板12、13に限られる。なお、本明細書では、前述したように、凹部12aが形成される電磁鋼板に便宜的に符号12を付している。なお、図3は、図1に示すIII線内を拡大して表した拡大断面図であり、マグネット16の一端側の端部16aについて拡大している。図1に示すように、端部16aの他端側の側部についても、端部16aと同様に、電磁鋼板12に凹部12aを形成しており、これについては、拡大図を図示していないが、天地が逆方向になること以外は図3と同様に表すことができる。
電磁鋼板12に形成される凹部12aは、複数の電磁鋼板12に形成しても良い。例えば、図5及び図6に示すような凹部12aの他の構成が例示される。図5及び図6に、凹部12aの他の構成例を示す拡大部分断面図を示す。なお、これらの図は、図3に示す拡大断面図で表されるマグネット16の端部16aを中心に、さらに部分的に拡大して切り出したものであり、マグネット16の軸線Kに対して紙面左半分が図示されていることに注意されたい。
図5(A)に示す構成例は、図4を参照して説明した位置範囲内において、積層方向に連続して並ぶ3枚の電磁鋼板12にそれぞれ凹部12aを形成した場合である。このような構成は、1枚の電磁鋼板12に凹部12aを形成する構成(例えば、図3に示す構成)に比べて、凹部12aにより形成される空間の容積が大きいことから、その空間内に入り込む樹脂モールド17の量が増加する。そのため、この空間により形成される樹脂モールド17の凸部の体積が大きくなり、マグネット16をスロット10b内に保持する機械的な強度が高まる。
図5(B)に示す構成例は、図4を参照して説明した位置範囲内において、積層方向に連続して並ぶ3枚の電磁鋼板に段違いに凹部を形成した場合である。即ち、凹部12aが形成される電磁鋼板12の両側に、凹部12aよりも浅い凹部15aが形成される電磁鋼板15を並べた例である。電磁鋼板15に形成される凹部15aの深さは、例えば、電磁鋼板12の凹部12aの半分に設定される。これにより、図5(A)の構成例に比べて、樹脂モールド17に形成される凸部は、断面が単なる矩形状の環状凸部ではなく、軸線K方向に段差を有する環状凸部になる。即ち、直径の大きい環状凸部と小さい環状凸部が軸線K方向に形成される。そのため、軸線K方向に嵌合する部位が増える分だけ、軸線K方向に対するガタツキが減少して、スロット10b内で保持されるマグネット16の安定性が高まる。
図5(C)に示す構成例は、図5(B)に示す構成例の凹部と凹凸の並びが逆に構成される。即ち、凹部15aが形成される電磁鋼板15の両側に、凹部15aよりも深い凹部12aが形成される電磁鋼板12を並べた例である。これにより、図5(B)に示す構成例と同様に、樹脂モールド17に形成される凸部は、断面が単なる矩形状の環状凸部ではなく、軸線K方向に段差を有する環状凸部になる。そのため、軸線K方向に嵌合する部位が増える分だけ、軸線K方向に対するガタツキが減少して、スロット10b内で保持されるマグネット16の安定性が高まる。なお、これら図5(B)及び図5(C)の構成例では、図4を参照して説明した位置範囲内に電磁鋼板が6枚存在する。そのため、最外位置の電磁鋼板11を含めて軸線K方向の中央にこれらの3枚の電磁鋼板12、15による凹部12a、15aを形成している。
また、図6(D)及び図6(E)に示すように、図4を参照して説明した位置範囲内において、積層された3枚の電磁鋼板に連続して形成する凹部を、図5(B)や図5(C)に示す構成例のように、軸線K方向に対称な形状にすることなく、偏った形状に構成しても良い。即ち、図6(D)に示すように、マグネット16に近い側(ロータコア10の端部に遠い側)から、浅い凹部15a、深い凹部12a、深い凹部12aと続くように、1枚の電磁鋼板15と2枚の電磁鋼板12に凹部を形成する。また、図6(E)に示すように、マグネット16に近い側(ロータコア10の端部に遠い側)から、深い凹部12a、深い凹部12a、浅い凹部15a、と続くように、2枚の電磁鋼板12と1枚の電磁鋼板15に凹部を形成する。
なお、図6(F)に示すように、図4を参照して説明した位置範囲内であれば、連続した4枚の電磁鋼板に凹部を形成しても良い。この構成例では、浅い凹部15aと深い凹部12aを軸線K方向に交互に位置させている。これにより、樹脂モールド17の環状凸部として、直径の大きな環状凸部と小さい環状凸部が軸線K方向に2回繰り返して現れるものが形成されるため、上述した各構成例に比べて、軸線K方向に対するガタツキがより抑制される。
ここで、最外部に位置する電磁鋼板11の表面側(ロータコアの端面側)からロータコア10のスロット10bを見た構成を図7に基づいて説明する。図7は、ロータコア10の表面からスロット10bを見た凹部の構成例を示す説明図である。図7(A)には、これまで説明した電磁鋼板12に形成される凹部12aが図示されている。また図7(B)には、凹部の他の構成例が図示されている。なお、これらの図において、薄墨色に着色されている部分は、樹脂モールド17が充填されている範囲を示す。
図7(A)に示すように、電磁鋼板12に形成される凹部12aは、他の電磁鋼板11、13、14に形成される貫通孔11a、13a、14aの形状に相似形であり、その形状がひと回り大きい丸角の矩形状又は細長の小判形状に形成されている。そのため、スロット10bの内周面に形成される環状溝(凹部12a)の中に樹脂モールド17が入り込むことによって、樹脂モールド17の端部側には、鍔形状をなす環状凸部が形成される。
樹脂モールド17に形成される凸部は、環状に連続して形成されるものに限られない。例えば、図7(B)に示し構成例のように凸部を周方向に不連続に形成しても良い。例えば、電磁鋼板12に、凹部12aを環状(環状溝)に形成することなく、貫通孔の周方向に切欠部12bを複数箇所に形成する。この図の構成例では、切欠部12bとして、円又は楕円を二分割した形状を図示している。切欠部の形状は、そのほか、例えば、三角形状や矩形状等であっても良い。また、切欠部12bを形成する周方向の間隔は、所定間隔ごとに等間隔であっても、不規則な間隔であっても良い。また、切欠部12bの深さも、一定であっても、異なるものであっても良い。さらに、硬化する前の樹脂モールド17(流動体状の樹脂モールド17)の湯流れが良好になる位置に切欠部12bを配置しても良い。
図7(B)に示した構成例のように凸部を周方向に不連続に形成することにより、環状に凹部12aを連続に形成した場合に比べて、切欠部12bに入り込む樹脂モールド17の量が減少し得る。また樹脂モールド17の使用量が、環状に凹部12aを連続に形成した場合と同量であるときには、切欠部12bの深さが凹部12aの深さに比べて深くなる(例えば、図7(B)の構成例)。これにより、凹部12aに比べてスロット10bにマグネット16を保持する機械的な保持力が一段と高まり得る。
以上説明した本実施例のモータの特徴は次のようにまとめることができる。本実施例のモータを構成するロータ2は、軸線J方向に伸びるスロット10bを有するロータコア10と、スロット10bの長さよりも短く、スロット10bに挿入されるマグネット16と、マグネット16の軸線K方向の端部16aを覆うようにマグネット16の周囲空間を埋める樹脂モールド17を備える。そのロータコア10には、軸線K(軸線J)の方向においてマグネット16の端部16aよりもロータコア10の端部側でスロット10bの内周面に窪む凹部12a、15aが設けられている、その凹部12a、15aに、樹脂モールド17が入り込んでいる。
これにより、樹脂モールド17は、マグネット16の側部16bの側ではなく、マグネット16の端部16aよりもロータコア10の端部側でロータコア10の凹部12a、15aに入り込んで形成される凸部によってマグネット16を機械的に保持する。ロータ2は、マグネット16の側部16bの側に位置するロータコア10に凹部を形成することなくマグネット16を機械的に保持する。この構成により、ロータコア10の側面とマグネット16の側面との間の距離が一定に保たれる。したがって、ロータコア10による磁力伝達がほぼ均一になるので、モータの出力性能の低下を抑制しつつマグネット16の脱落を防ぐことができる。
また、上述したロータ2では、図8に示す比較例の構成に比べて次のようなメリットを有する。図8(A)は、ロータコア10の両端にエンドプレート100を設けることにより、マグネット16の脱落を防止する構成例を示す。この構成例に比べて、本実施例のモータを構成するロータ2では、エンドプレート100を設ける必要がない。そのため、部品点数が減る。また、エンドプレート100を省けるため、モータのコストが低廉になり、またモータの重量も軽くなる。
また、図8(B)は、ロータコアの最外部に位置する電磁鋼板111の貫通孔111aを、他の電磁鋼板13、14の貫通孔13a、14aよりも小径にして、マグネット16が通らない開口径に設定した構成例を示す。このような構成例によっても、マグネット16は脱落しないが、電磁鋼板111の貫通孔111aの開口径SPが小さくなることにより、同図に矢印付きの破線で示すように、電磁鋼板111を経由した磁路が形成される。そのため、この経路によって漏れ磁束が増加するので、モータの性能低下を招く虞が生じ得る。これに対して、本実施例のモータを構成するロータ2では、このような漏れ磁束を誘因する磁路は形成されないため、モータの性能低下を抑制する。
なお、電磁鋼板12、15に形成される凹部12a、15aや電磁鋼板12に形成される切欠部12bは、その深さや軸線K方向の幅が所定のパラメータにより、実験やコンピュータシミュレーションの結果に基づいて最適値に設定される。所定のパラメータは、例えば、マグネット16の重量、硬化後の樹脂モールド17の重量、マグネット16に対する樹脂モールド17の接触面積、硬化後の樹脂モールド17の硬度・粘度等である。
また、上述した実施例では、ロータ2のロータコア10に電磁鋼板11等を積層したものを例示して説明したが、磁石を挿入する磁石孔を有しそれに磁石を挿入するロータコアであれば、電磁鋼板11等を積層することなく構成したロータコアにも適用することが可能であり、上述した実施例と同様の作用及び効果を得る。電磁鋼板を積層せずに、上記した凹部を形成する方法として、例えば、磁性粉を混合した樹脂粉体を型に入れてプレス成形する加工法が想定し得る。その場合、凹部を形成するには、外側のプレス型とは別に、いくつかの部分に分割できる中子を用いればよい。
さらに、上述した実施例では、ロータ2をモータ(電動機)に用いる場合を例示して説明したが、ジェネレータ(発電機)に用いても良い。ロータ2をジェネレータに用いた場合にも上述したモータの場合と同様の作用及び効果が得られる。
実施例技術に関する留意点を述べる。スロット10bが磁石孔の一例に相当する。また、マグネットが磁石の一例に相当する。さらに、端部16aが「軸線方向の端部」の一例に相当する。また、電磁鋼板12、13が特定の電磁鋼板の一例に相当する。また、切欠部が切欠の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:ロータ
10:ロータコア
10a:シャフト穴
10b:スロット
11、12、13、14、15:電磁鋼板
11a、13a、14a:貫通孔
12a、15a:凹部
12b:切欠部
16:マグネット
16a:端部
16b:側部
17:樹脂モールド
20:ロータシャフト
20a:一端側
20b:他端側
J、K:軸線

Claims (3)

  1. 軸方向に伸びる磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔の長さよりも短く、前記磁石孔に挿入される磁石と、
    前記磁石の軸線方向の端部を覆うように前記磁石の周囲空間を埋める樹脂モールドと、
    を備えており、
    前記軸線方向において前記磁石の端部よりもロータコアの端部側で前記磁石孔の内周面に窪む凹部が設けられており、前記樹脂モールドが前記凹部にも入り込んでおり、
    前記ロータコアは、軸線方向に積層されている複数の電磁鋼板で構成されているとともに、各電磁鋼板に、前記磁石孔を構成する貫通孔が設けられており、
    特定の電磁鋼板の前記貫通孔が他の電磁鋼板の前記貫通孔よりも大きく、当該特定の電磁鋼板の前記貫通孔が前記凹部を形成しており、
    前記凹部は、少なくとも2枚の電磁鋼板で形成されており、前記凹部の深さが夫々の前記電磁鋼板で異なることを特徴とする電動機。
  2. 軸方向に伸びる磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔の長さよりも短く、前記磁石孔に挿入される磁石と、
    前記磁石の軸線方向の端部を覆うように前記磁石の周囲空間を埋める樹脂モールドと、
    を備えており、
    前記軸線方向において前記磁石の端部よりもロータコアの端部側で前記磁石孔の内周面に窪む凹部が設けられており、前記樹脂モールドが前記凹部にも入り込んでおり、
    前記ロータコアは、軸線方向に積層されている複数の電磁鋼板で構成されているとともに、各電磁鋼板に、前記磁石孔を構成する貫通孔が設けられており、
    特定の電磁鋼板の前記貫通孔に切欠が設けられており、当該切欠が前記凹部を形成することを特徴とする電動機。
  3. 前記凹部は、少なくとも2枚の電磁鋼板で形成されており、前記凹部の深さが夫々の前記電磁鋼板で異なることを特徴とする請求項に記載の電動機。
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