JP6127567B2 - 放電灯駆動装置、プロジェクター、及び、放電灯駆動方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、簡単な制御により、放電灯の点灯動作を最適化することができる放電灯駆動装置、プロジェクター、及び、放電灯駆動方法を提供することを目的とする。
この構成によれば、放電灯の電極間電圧の変化に応じて放電灯に流れる電流を変化させるという簡単な制御で、放電灯の点灯動作を最適化することができる。
この構成によれば、簡単な制御で、立ち上げ駆動区間に、放電灯の点灯動作を最適化することができ、定常駆動を開始する際に、電極の温度が所定温度を大きく超えて上昇していることがないように制御することができる。
この構成によれば、単位時間当たりの電圧の変化、つまり、電極の状態に応じて、放電灯に流れる電流を変化させることがき、簡単な制御で、放電灯の点灯動作を最適化することができる。
この構成によれば、電極の温度が上昇しやすい状態である場合には、立ち上げ駆動区間に、電極の温度が所定の温度を大きく超えないように制御することができ、簡単な制御で、放電灯の点灯動作を最適化することができる。
この構成によれば、電極が所定の温度まで暖めるまで時間がかかる状態の場合には、立ち上げ駆動区間に電極の温度を所定温度まで暖める制御をする。これにより、放電灯の明るさ上昇を早くする制御を行うことができ、立ち上げ駆動区間に放電灯の点灯動作を最適化することができる。
この構成によれば、放電灯の電極の急激な劣化や消耗を抑えることができ、放電灯の長寿命化を図ることができる。
この構成によれば、放電灯の電極の急激な劣化や消耗を抑えることができ、放電灯の長寿命化を図ることができる。
この構成によれば、放電灯の電極間電圧の変化に応じて放電灯に流れる電流を変化させるという簡単な制御で、放電灯の点灯動作を最適化することができる。
この構成によれば、放電灯の電極間電圧の変化に応じて放電灯に流れる電流を変化させるという簡単な制御で、放電灯の点灯動作を最適化することができる。
図1は、実施形態に係るプロジェクター100の機能的構成を示すブロック図である。
プロジェクター100は、不図示の画像供給部、例えばPC(Personal Computer)に画像信号ケーブル等により有線接続されている、或いは、無線LAN等を用いた無線通信により接続されている。プロジェクター100は画像供給部から入力された画像データ104に基づいて、投射面(表示面)としてのスクリーンSCに表示画像を投射する。
プロジェクター100は、画像処理ユニット102と、投射ユニット103と、これらの各部を制御するプロジェクター制御部101と、を備えている。
また、プロジェクター100は、超高圧水銀ランプからなる光源としての放電灯90と、放電灯90の駆動を制御する放電灯駆動装置10と、を備えている。
投射ユニット103は、画像処理ユニット102によって画像処理された画像を画像処理ユニット102の制御に従ってスクリーンSCに投射する。投射ユニット103は、図示は省略するが、照明光学系、光変調装置、及び、投射光学系を含む投射部と、光変調装置を駆動する光変調装置駆動部と、投射光学系を駆動する投射光学系駆動部と、を備えている。放電灯90が発した光は、照明光学系により、光変調装置に導かれる。光変調装置は、例えば、RGBの三原色に対応した3枚の液晶パネルからなる。照明光学系からの光はRGBの3色の色光に分離され、各色光は対応する各液晶パネルに入射する。各液晶パネルを通過して変調された色光はクロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系に射出される。投射光学系は、投射する画像の拡大・縮小および焦点の調整を行うズームレンズ、ズームの度合いを調整するズーム調整用モーター、フォーカスの調整を行うフォーカス調整用モーター等を備えている。
プロジェクター制御部101は、図示しないCPU、不揮発性メモリー、RAM等により構成され、プロジェクター制御部101に接続された不図示の記憶部に記憶されている制御プログラムを読み出して実行し、プロジェクター100の各部を制御する。
放電灯駆動装置10は、電力制御回路(放電灯点灯回路)20、交流変換回路(放電灯点灯回路)30、制御部(制御手段)40、動作検出部60、及び、高圧発生回路70を含み、放電灯90を駆動する。このうち、電力制御回路20と交流変換回路30とを合わせて、放電灯点灯回路(駆動回路)と呼ぶことができる。
放電灯90は、石英ガラス等の透光性材料から形成された放電灯内部に、2つの電極(陰極・陽極)を含み、放電媒体であるガスが封入されている。放電灯駆動装置10は、放電灯90の電極間に交流電流を供給し、2つの電極間でアーク放電を生じさせる。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23及びコンデンサー24を含んで構成することができる。スイッチ素子21は、例えばトランジスターで構成することができる。本実施の形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子及びコイル23の一端に接続されている。また、コイル23の他端にはコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子及び直流電源80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には制御部40から電流制御信号が入力され、制御部40によりスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
制御部40の構成は、特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42及び交流変換回路コントローラー43含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部又は全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は記憶部44を含んで構成されている。なお、記憶部44は、システムコントローラー41とは独立に設けてもよい。記憶部44には、詳細については後述するが、放電灯90の立ち上げ駆動区間に放電灯90に流し込む電流値を制御するための情報(単位時間Δtあたりの電圧上昇量Δvの閾値)が格納されている。また、記憶部44には、例えば交流駆動電流Iの電流値、周波数、デューティー比及び波形のうち少なくとも1つに関する情報や放電灯90の仕様に関する情報が格納されていてもよい。
交流変換回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、交流変換回路30へ交流変換制御信号を出力することにより、交流変換回路30を制御する。
電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61及び第2の抵抗62で分圧した電圧により放電灯駆動電圧(放電灯90の電極間電圧)を検出する。電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により交流駆動電流Iを検出している。
消灯状態の放電灯90は、図3及び図4に示すように、絶縁破壊区間、始動区間、立ち上げ駆動区間を経て、定常駆動区間に移行し、定常的に発光する状態となる。
絶縁破壊区間では、高圧発生回路70により放電灯90の電極間に高電圧が供給され、電極間の絶縁破壊をして放電路を形成する。
放電路が形成されると、電極間でグロー放電が生じるグロー放電区間となる。グロー放電により放電灯90の2つの電極が熱電子放出の温度に到達すると、電極間でアーク放電が生じるアーク放電区間となる。アーク放電区間では、グロー放電区間に比べて駆動電圧の実効値が小さく、交流駆動電流の実効値が大きくなる。なお、グロー放電区間とアーク放電区間を合わせて始動区間と呼ぶ。
その後、所定の駆動電力まで供給電力を立ち上げる立ち上げ区間となり、所定の駆動電力に到達した後は定電力駆動される定常動作区間となる。
制御部40は、放電灯90に供給される電流及び電圧を制御することにより、絶縁破壊区間、始動区間、立ち上げ駆動区間、及び定常駆動区間の各区間を実現し、放電灯90を点灯させる。
図4は、放電灯駆動装置10により放電灯90を駆動する場合の、放電灯90の点灯シーケンスにおける駆動電力、駆動電圧、駆動電流の状態を示す図表である。詳細には、駆動電力(図4(A))、駆動電圧(図4(B))、駆動電流(図4(C))の波形を概略的に示したグラフであり、横軸は時間を表す。
制御部40は、図4(B)に示すように、放電灯90の点灯後の立ち上げ駆動区間において、所定の単位時間Δt当たりの、放電灯90の駆動電圧の電圧変化Δvを、検出する(B部拡大図参照)。単位時間Δtあたりの電圧変化Δvを検出する区間は電圧変化検出区間と呼ばれ、立ち上げ駆動区間の初めに設けられる。制御部40は、所定の設定電流Isを放電灯90に流し込み、設定電流Isによる単位時間Δtあたりの電圧変化Δvを動作検出部60から入力される放電灯90の駆動電圧に基づいて検出する。
放電灯駆動装置10の制御部40は、図6に示したように、記憶部44に上書き自在に記憶した放電灯90の累積駆動時間に基づいて、立ち上げ駆動区間に放電灯90に流れる電流を制御する構成であっても良い。
放電灯駆動装置10の不図示の駆動スイッチがONにされると、制御部40は、高圧発生回路70を制御し、放電灯90の電極間を絶縁破壊する(ステップS11)。次に、制御部40は、始動駆動区間の放電灯90に流し込む電圧、電流を制御する(ステップS12)。なお、始動駆動は、予め設定された所定時間行われ、所定時間が経過すると、立ち上げ駆動が開始される(ステップS13)。
この構成によれば、放電灯90の累積駆動時間が長い場合、或いは、前回定常駆動点灯時の駆動電圧が高い場合には、放電灯90に流し込む電流または電流の変化量を制限する制御を行うことができる。これにより、点灯時に電極に係る負荷が大きい可能性がある場合には、放電灯90に流し込む電流を、放電灯90の電極の急激な劣化や消耗を抑える電流にすることができ、放電灯90の長寿命化を図ることができる。
例えば、上記実施形態では、光源が発した光を変調する手段として、光変調装置がRGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶パネルを用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1枚の液晶パネルとカラーホイールを組み合わせた方式、3枚のデジタルミラーデバイス(DMD)を用いた方式、1枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせたDMD方式等により構成してもよい。
Claims (10)
- 放電灯に駆動電流を供給して前記放電灯を点灯させる駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御手段と、
前記放電灯の電極間電圧を検出する検出部と、を備え、
前記制御手段は、
前記放電灯の点灯後であって定常駆動区間前の立ち上げ駆動区間において、前記放電灯の点灯開始から前記立ち上げ駆動区間の前の始動区間において前記放電灯に供給される駆動電流よりも大きい設定電流を供給して、前記検出部により前記電極間電圧を検出し、
前記立ち上げ駆動区間において、検出された前記電極間電圧に基づく前記電極間電圧の変化量が所定の閾値以下の場合、前記設定電流の電流値以上の第2駆動電流を前記放電灯に供給することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項1に記載の放電灯駆動装置であって、
前記第2駆動電流は、前記定常駆動区間において前記放電灯に供給される駆動電流の電流値より大きいことを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項1または2に記載の放電灯駆動装置であって、
前記制御手段は、前記電極間電圧の変化量が前記所定の閾値以下であり、かつ前記放電灯の累積点灯時間が所定時間よりも長い場合、前記設定電流の電流値以上であり前記第2駆動電流の電流値よりも小さい第3駆動電流を前記放電灯に供給することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項1または2に記載の放電灯駆動装置であって、
前記定常駆動区間において前記検出部により検出された電極間電圧を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記電極間電圧の変化量が前記所定の閾値以下であり、かつ前記記憶手段に記憶されている前回点灯時の前記定常駆動区間における電極間電圧が所定電圧よりも大きい場合、前記設定電流の電流値以上であり前記第2駆動電流の電流値よりも小さい第3駆動電流を前記放電灯に供給することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の放電灯駆動装置であって、
前記制御手段は、前記電極間電圧の変化量が所定の閾値よりも大きい場合、前記駆動電流を低下させることを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項5に記載の放電灯駆動装置であって、
前記制御手段は、
前記立ち上げ駆動区間において、前記放電灯の点灯開始から前記立ち上げ駆動区間の前の始動区間において前記放電灯に供給される駆動電流よりも大きい設定電流を供給して、前記検出部により前記電極間電圧を検出し、
前記電極間電圧の変化量が前記所定の閾値よりも大きい場合、前記設定電流の電流値以下の第1駆動電流を前記放電灯に供給することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 放電灯に駆動電流を供給して前記放電灯を点灯させる駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御手段と、
前記放電灯の電極間電圧を検出する検出部と、を備え、
前記制御手段は、
前記放電灯の点灯後であって定常駆動区間前の立ち上げ駆動区間において、前記放電灯の点灯開始から前記立ち上げ駆動区間の前の始動区間において前記放電灯に供給される駆動電流よりも大きい設定電流を供給して、前記検出部により前記電極間電圧を検出し、
前記立ち上げ駆動区間において、検出された前記電極間電圧に基づく前記電極間電圧の変化量が所定の閾値よりも大きい場合、前記設定電流の電流値以下の第1駆動電流を前記放電灯に供給することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 請求項6または7に記載の放電灯駆動装置であって、
前記第1駆動電流は、前記定常駆動区間において前記放電灯に供給される駆動電流の電流値以上であることを特徴とする放電灯駆動装置。 - 放電灯と、
請求項1から8のいずれかに記載の放電灯駆動装置と、
前記放電灯からの光を画像信号に基づいて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学系と、を備えることを特徴とするプロジェクター。 - 放電灯に駆動電流を供給して前記放電灯を点灯させる放電灯の駆動方法であって、
前記放電灯の点灯後であって定常駆動区間前の立ち上げ駆動区間において、前記放電灯の点灯開始から前記立ち上げ駆動区間の前の始動区間において前記放電灯に供給される駆動電流よりも大きい設定電流を供給し、前記放電灯の電極間電圧を検出するステップと、
前記立ち上げ駆動区間において、検出された前記電極間電圧に基づく前記電極間電圧の変化量が所定の閾値以下の場合、前記設定電流の電流値以上の第2駆動電流を前記放電灯に供給するステップと、
を備えることを特徴とする放電灯駆動方法。
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