JP6127555B2 - 複合活物質及びその製造方法 - Google Patents
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LixC6→6C+xLi++xe− (I)
(上記式(I)中、0<x<1である。)
上記式(I)の反応で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、上記式(I)の反応で生じたリチウムイオン(Li+)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
Li1−xCoO2+xLi++xe−→LiCoO2 (II)
(上記式(II)中、0<x<1である。)
充電時においては、負極及び正極において、それぞれ上記式(I)及び式(II)の逆反応が進行し、負極においてはグラファイトインターカレーションによりリチウムが入り込んだグラファイト(LixC6)が、正極においてはコバルト酸リチウム(Li1−xCoO2)が再生するため、再放電が可能となる。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、主にリチウム電池に使用されることにより従来よりも内部抵抗を低減できる複合活物質及びその製造方法、並びに当該複合活物質を含むリチウム電池を提供することを目的とする。
乾式混練装置を用いて、前記複合粒子及び硫化物系固体電解質を、混合物の温度が50℃以上80℃以下となるように調節しつつ、ブレード−壁間隔が0.1〜8mm、回転数が500〜5,000rpmの条件下で、10分間以上混合することにより、前記複合粒子の表面を硫化物系固体電解質により被覆する被覆工程と、を有し、
前記被覆工程において、前記複合粒子100質量部に対し、前記硫化物系固体電解質を8〜22質量部添加し、
前記準備工程後、且つ、前記被覆工程前に前記複合粒子及び前記硫化物系固体電解質のうち少なくともいずれか一方と、アルキル基含有化合物とを湿式混合する、前処理工程を行わないことを特徴とする。
本発明の複合活物質は、コバルト元素、ニッケル元素、及びマンガン元素のうち少なくともいずれか1つを含み且つリチウム元素及び酸素元素をさらに含む活物質粒子、並びに当該活物質粒子表面の全部又は一部を被覆する酸化物系固体電解質を含有する複合粒子と、前記複合粒子表面の全部又は一部をさらに被覆する硫化物系固体電解質と、を備え、BET比表面積が2.82m 2 /g未満であることを特徴とする。
活物質含有粒子の表面に硫化物系固体電解質を被覆する他の方法としては、例えば、遊星ボールミル等のメディアを用いた混練法によるものが挙げられる。しかし、このようなメディアを用いた混練法においては、メディアとの衝突により機械的ダメージが与えられる結果、活物質含有粒子の表面が損傷するおそれがある。したがって、このような機械的ダメージを避けるため、メディアを用いない混練法が求められている。
本発明における複合粒子は、活物質粒子と、当該活物質粒子表面の全部又は一部を被覆する酸化物系固体電解質とを含む。
本発明における活物質粒子は、コバルト元素(Co)、ニッケル元素(Ni)、及びマンガン元素(Mn)のうち少なくともいずれかひとつを含み、さらにリチウム元素(Li)及び酸素元素(O)を含む化合物粒子である。活物質粒子は、電極活物質として働くもの、具体的には、リチウムイオン等のイオンを吸蔵及び/又は放出できるものであれば、特に限定されない。本発明における活物質粒子としては、例えば、下記組成式(A)により表されるものが挙げられる。
LimNi1−x−yCoxMnyMzOn 組成式(A)
(上記組成式(A)中、Mはリン元素(P)、チタン元素(Ti)、タングステン元素(W)、ジルコニウム元素(Zr)、及びアルミニウム元素(Al)からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、mは0<m≦2を満たす実数であり、x及びyは0≦x≦1且つ0≦y≦1を満たす実数であり、zは0<z≦2を満たす実数であり、nは0<n≦4を満たす実数である。)
本発明における活物質粒子として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNiPO4、LiMnPO4、及びLi2NiTiO4が挙げられる。これら活物質粒子の中でも、特に、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いることが好ましい。
本発明における粒子の平均粒径は、常法により算出される。粒子の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、適切な倍率(例えば、5万〜100万倍)の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;以下、TEMと称する。)画像又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;以下、SEMと称する。)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察又はSEM観察による粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
複合粒子の調製方法については、後述する「2.複合活物質の製造方法」の項において説明する。
本発明における固体電解質層(酸化物系固体電解質層及び硫化物系固体電解質層)の平均厚さは、常法により算出される。固体電解質層の平均厚さの算出方法の例は以下の通りである。まず、適切な倍率(例えば、5万〜100万倍)のTEM画像又はSEM画像において、ある1つの粒子(複合粒子又は複合活物質)について、固体電解質層の厚さを5〜10か所測定する。このようなTEM観察又はSEM観察による厚さの測定を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子において測定した全ての厚さの平均を平均厚さとする。
本発明における硫化物系固体電解質は、上述した複合粒子表面をさらに被覆する。本発明においては、複合粒子表面に対する硫化物系固体電解質の被覆状態の定量的な指標として、BET比表面積を採用した。複合活物質のBET比表面積が小さいほど硫化物系固体電解質の塑性変形が進んでおり、硫化物系固体電解質が複合粒子表面に対しより均一に被覆されていると考えられる。
本発明の複合活物質のBET比表面積は2.82m 2 /g未満である。BET比表面積が2.82m 2 /g以上である場合には、複合粒子表面に対して硫化物系固体電解質が均一に被覆されていないため、後述する比較例1の複合活物質のように、電池に用いられた際に高い内部抵抗を示す。
複合活物質のBET比表面積は、2.50m 2 /g以下であることが好ましく、2.11m 2 /g以下であることがより好ましい。
BET比表面積は、公知の方法により測定できる。なお、水分を十分除いた環境下(例えば、不活性雰囲気下のグローブボックス中等)でサンプル調製を行い、当該環境下でサンプルを秤量し、適宜容器に入れて密閉した後、当該環境の外でBET比表面積を測定することが好ましい。
BET比表面積の測定条件としては、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置(日本ベル製、製品番号BELSORP−miniII)等を用いて、10〜35℃の温度環境下測定する条件が挙げられる。
SEMの反射電子像及び二次電子像の測定条件としては、例えば、SEM(日立ハイテク製、製品番号SU8030)等を用いて、加速電圧:0.5〜5kV、エミッション電流:1〜100μAの条件下、1,000〜50,000倍の倍率で測定する条件が挙げられる。
本発明においては、(複合粒子の平均粒径):(硫化物系固体電解質層の平均厚さ)=38:1〜63:1であることがより好ましい。
図1(a)〜(d)に示すように、複合活物質100a〜100dは、活物質粒子1の表面の全部又は一部を酸化物系固体電解質2により被覆してなる複合粒子3、及び当該複合粒子3の表面の全部又は一部をさらに被覆する硫化物系固体電解質4を含有する。図1(a)〜(d)中の破線は、多結晶である活物質粒子1中の各単結晶粒子の粒界を示し、活物質粒子1と酸化物系固体電解質2の層との境界を示す実線は、これら単結晶粒子が互いに結合してなる多結晶活物質粒子の外縁を示す。
図1(a)は、活物質粒子1の全表面を酸化物系固体電解質2により被覆してなる複合粒子3、及び当該複合粒子3の全表面をさらに被覆する硫化物系固体電解質4を含有する複合活物質100aの断面模式図である。また、図1(b)は、活物質粒子1の表面の一部を酸化物系固体電解質2により被覆してなる複合粒子3、及び当該複合粒子3の全表面をさらに被覆する硫化物系固体電解質4を含有する複合活物質100bの断面模式図である。また、図1(c)は、活物質粒子1の全表面を酸化物系固体電解質2により被覆してなる複合粒子3、及び当該複合粒子3の表面の一部をさらに被覆する硫化物系固体電解質4を含有する複合活物質100cの断面模式図である。また、図1(d)は、活物質粒子1の表面の一部を酸化物系固体電解質2により被覆してなる複合粒子3、及び当該複合粒子3の表面の一部をさらに被覆する硫化物系固体電解質4を含有する複合活物質100dの断面模式図である。
本発明の複合活物質は、以上の複合活物質100a〜100dをいずれも含む。また、一定量の複合活物質を量産する場合には、同じロットが複合活物質100a〜100dのいずれか1つからなるものであってもよいし、同じロットに複合活物質100a〜100dのうち2つ以上が混在していてもよい。
なお、実験により実際に得られた複合活物質の断面SEM画像を図3に示す。
本発明の複合活物質の製造方法は、コバルト元素、ニッケル元素、及びマンガン元素のうち少なくともいずれか1つを含み且つリチウム元素及び酸素元素をさらに含む活物質粒子、並びに、当該活物質粒子表面の全部又は一部を被覆する酸化物系固体電解質を含有する複合粒子を準備する準備工程と、前記複合粒子及び硫化物系固体電解質を、混合物の温度が100℃以下となるように調節しつつ、当該硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーを加えながら10分間以上混合することにより、前記複合粒子の表面を硫化物系固体電解質により被覆する被覆工程と、を有することを特徴とする。
以下、上記工程(1)〜(2)並びにその他の工程について、順に説明する。
本工程は、上述した複合粒子を準備する工程である。複合粒子の原料となる活物質粒子及び酸化物系固体電解質については、「1−1.複合粒子」の項において説明した通りである。
本発明においては、複合粒子は市販のものを用いてもよいし、適宜調製したものを用いてもよい。複合粒子の調製方法としては、例えば、上記特許文献1(特開2010−073539号公報)に記載されたようなスプレーコートを用いた調製法や、転動流動コーティング法、スプレー法、浸漬法、スプレードライヤーを用いる方法等が挙げられる。
前処理工程に使用されるアルキル基を有する化合物は、複合粒子及び/又は硫化物系固体電解質の界面における付着性を下げるアルキル基含有化合物、すなわち、これらの材料における表面自由エネルギーを下げるアルキル基含有化合物であれば、特に限定されない。
当該アルキル基を有する化合物の例としては、トリメチルアミン((CH3)3N)、トリエチルアミン((C2H5)3N)、トリプロピルアミン((C3H7)3N)、トリブチルアミン((C4H9)3N)等のアルキルアミン;エチルエーテル((C2H5)2O)、プロピルエーテル((C3H7)2O)、ブチルエーテル((C4H9)2O)等のエーテル化合物;ブチルニトリル(C4H9CN)、ペンチルニトリル(C5H11CN)、イソプロピルニトリル(i−C3H7CN)等のニトリル化合物;酢酸ブチル(C2H5CO2C4H9)、酪酸ブチル(C4H9CO2C4H9)、酪酸エチル(C4H9CO2C2H5)等のエステル化合物;ベンゼン(C6H6)、キシレン(C8H10)、トルエン(C7H8)等の芳香族化合物;等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、前処理工程においては、アルキルアミンを用いることがより好ましい。
湿式混合を行った場合には、湿式混合後の混合物を適宜加熱して分散媒を除去し、乾燥させてもよい。
本工程は、複合粒子及び硫化物系固体電解質を、混合物の温度が100℃以下となるように調節しつつ、当該硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーを加えながら10分間以上混合することにより、複合粒子の表面を硫化物系固体電解質により被覆する工程である。
本工程に使用される硫化物系固体電解質については、「1−2.硫化物系固体電解質」の項において説明した通りである。
後述する図10〜図13から分かるように、活物質粒子よりも平均粒径の大きい硫化物系固体電解質粒子を用いて製造した実施例13の複合活物質においては、硫化物系固体電解質粒子の粒界がほとんど見られず、粒子表面の元素分布も均一である。活物質粒子の平均粒径以下の平均粒径を有する硫化物系固体電解質粒子を用いる場合には、複合粒子の表面を多くの細かい硫化物系固体電解質粒子により隙間なく埋め尽くすことができるが、得られる複合活物質の表面に硫化物系固体電解質粒子に由来する凹凸が多く発生したり、隣り合う硫化物系固体電解質粒子間の粒界も多いため内部抵抗が高くなったりする。一方、活物質粒子よりも平均粒径の大きい硫化物系固体電解質粒子を用いる場合には、1つの複合粒子の被覆に使用される硫化物系固体電解質粒子の数を減らすことができるため、被覆条件を調節することで得られる複合活物質の表面の凹凸を減らすことができ、さらに粒界が少ないため内部抵抗を低く抑えることができる。
本発明に使用される硫化物系固体電解質粒子の平均粒径は、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。また、当該平均粒径は、50μm以下であることが好ましい。
なお、このように活物質粒子よりも平均粒径の大きい硫化物系固体電解質粒子を用いた場合には、被覆工程後に適宜分級し、未反応の粗大な硫化物系固体電解質粒子を除去することが好ましい。
被覆工程における混合物の温度は、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
本発明における硫化物系固体電解質の塑性変形とは、硫化物系固体電解質が、被覆工程初期における元の形状を保持できずに不可逆的に流動することである。このとき、硫化物系固体電解質を構成する原子間の化学結合が切断されることはないし、硫化物系固体電解質の組成が変質することもない。特に、原料として硫化物系固体電解質の粒子を用いる場合、本発明における塑性変形とは、硫化物系固体電解質粒子の形状が崩れる結果、隣接する硫化物系固体電解質粒子同士が互いに混ざりあい、当該粒子間の粒界の全部又は一部が消えることである。
以下、降伏の観点から硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーについてさらに説明する。硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーの例としては、硫化物系固体電解質について、縦軸に応力σ(N/mm2)、横軸にひずみ(%)をとるいわゆる応力−ひずみ線図をプロットした場合、降伏中の最大の応力である上降伏点に達するエネルギーが挙げられる。なお、上降伏点が明確に認められない応力−ひずみ線図における、硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーの例としては、硫化物系固体電解質に耐力(すなわち、除荷した後に残る塑性ひずみが0.2%となるときの応力)を与えるエネルギーが例示できる。
なお、硫化物系固体電解質の応力−ひずみ線図は、JIS K 7181に準ずる方法、特に、当該規格の「5 装置」及び「6 試験片」を用いて、少なくとも当該規格の「9 手順」により測定した「10.1 圧縮応力」及び「10.2 圧縮ひずみ」をプロットすることにより得られる。
乾式混練装置により塑性変形するエネルギーを付与する具体的な条件としては、例えば、ブレード−壁間隔を0.1〜8mm、回転数を500〜5,000rpmとする条件が挙げられる。
乾式混練装置は、一般的に、比較的硬い材料同士を混合する用途に使用されている。本発明においては、比較的柔らかい材料である硫化物系固体電解質を使用するため、乾式混練装置において、比較的小さい回転数を採用しても、硫化物系固体電解質を塑性変形させるのに十分なエネルギーを付与できる。
後述する実施例において説明するように、このような(前処理工程を行わない)乾式混合は、湿式混合よりも、BET比表面積のより小さい複合活物質を製造できる。また、このような乾式混合は、分散媒等を必要としないため低コスト化が図れる利点がある。
本発明のリチウム電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する電解質層を備えるリチウム電池であって、前記正極及び負極のうち少なくともいずれか一方は、上記複合活物質、及び上記製造方法により製造された複合活物質の少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする。
従来のリチウム電池においては、電極材料を分散混合し、加圧プレスすることにより内部抵抗の低減が図られていた。しかし、固体電解質等の固体電極材料同士の接触は、加圧プレスによる物理的な処理では十分に確保できず、そのため、内部抵抗の低減には限界があった。本発明のリチウム電池は、BET比表面積が2.82m 2 /g未満である上記複合活物質を含有することにより、従来のリチウム電池よりも内部抵抗を極めて低く抑えることができる。
なお、本発明において、内部抵抗とは、直流抵抗、反応抵抗、及び拡散抵抗等のその他の抵抗の和を意味する。本発明のリチウム電池の内部抵抗は、例えば、5s−DCIR法により測定することができる。
リチウム電池200は、正極活物質層12及び正極集電体14を備える正極16と、負極活物質層13及び負極集電体15を備える負極17と、正極16及び負極17に挟持される電解質層11を備える。
以下、本発明に係るリチウム電池に使用される、正極、負極、及び電解質層、並びに本発明に係るリチウム電池に好適に使用されるセパレータ及び電池ケースについて、詳細に説明する。
他の正極活物質としては、具体的には、LiCoO2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiNiPO4、LiMnPO4、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、Li3Fe2(PO4)3及びLi3V2(PO4)3等を挙げることができる。正極活物質からなる微粒子の表面にLiNbO3等を被覆してもよい。
正極活物質層における正極活物質の総含有割合は、通常、50〜90質量%の範囲内である。
本発明に使用される導電性材料としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電性材料の含有割合は、導電性材料の種類によって異なるものであるが、通常1〜30質量%の範囲内である。
また、正極活物質の調製には、N−メチル−2−ピロリドンやアセトン等の分散媒を用いてもよい。
他の負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び/又は放出可能なものであれば特に限定されないが、例えば、リチウム金属、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、及びグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。また、負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。また、負極活物質としては、固体電解質をコートしたリチウムを用いることもできる。
負極活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10〜100μmの範囲内、中でも10〜50μmの範囲内であることが好ましい。
電解質層には、電解液、ゲル電解質、及び固体電解質等を用いることができる。これらは、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
非水系電解液としては、通常、リチウム塩及び非水溶媒を含有したものを用いる。上記リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6等の無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2(Li−TFSA)、LiN(SO2C2F5)2及びLiC(SO2CF3)3等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル(AcN)、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びこれらの混合物等を挙げることができる。非水系電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5〜3mol/kgである。
ポリマー電解質は、通常、リチウム塩及びポリマーを含有する。リチウム塩としては、上述した無機リチウム塩及び有機リチウム塩の少なくともいずれか1つを使用できる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
[参考例1]
まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粒子(活物質粒子)を、LiNbO3(酸化物系固体電解質)により被覆した複合粒子を準備した(準備工程)。複合粒子の平均粒径は4.5μmであった。
次に、複合粒子50g、及び48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子(硫化物系固体電解質、平均粒径:0.8μm)10.8gを、乾式混練装置(ホソカワミクロン社製、商品名:NOB−MINI)に投入し、混合物の温度が50℃となるように調節しつつ、ブレード−壁間隔が1mm、回転数が3,000rpmの条件下で、4分間混練処理を行い(被覆工程)、参考例1の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から8分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、参考例2の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から10分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例3の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から12分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例4の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から16分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例5の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から20分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例6の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から30分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例7の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から40分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例8の複合活物質を製造した。
参考例1において、被覆工程における混練処理時間を4分間から60分間に変更したこと以外は、参考例1と同様に、実施例9の複合活物質を製造した。
まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粒子(活物質粒子)を、LiNbO3(酸化物系固体電解質)により被覆した複合粒子を準備した(準備工程)。複合粒子の平均粒径は4.5μmであった。
次に、複合粒子50g、48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子(硫化物系固体電解質、平均粒径:1.5μm)10.8g、アルキル基を有する化合物としてトリブチルアミン((C4H9)3N)9g、及び分散媒としてヘプタン(C7H16)75gを湿式混合し、さらに超音波分散に供した。超音波分散後のスラリーを、100℃の温度条件下2時間加熱して、前駆体粉末を得た(前処理工程)。
続いて、前駆体粉末を乾式混練装置(ホソカワミクロン社製、商品名:NOB−MINI)に投入し、混合物の温度が50℃となるように調節しつつ、ブレード−壁間隔が1mm、回転数が3,000rpmの条件下で、2分間混練処理を行い(被覆工程)、参考例10の複合活物質を製造した。
参考例10において、被覆工程における混練処理時間を2分間から8分間に変更したこと以外は、参考例10と同様に、参考例11の複合活物質を製造した。
参考例10において、被覆工程における混練処理時間を2分間から30分間に変更したこと以外は、参考例10と同様に、参考例12の複合活物質を製造した。
まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粒子(活物質粒子)を、LiNbO3(酸化物系固体電解質)により被覆した複合粒子を準備した(準備工程)。複合粒子の平均粒径は4.5μmであった。
次に、複合粒子50g、及び48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子(硫化物系固体電解質、平均粒径:20μm)10.8gを、乾式混練装置(ホソカワミクロン社製、商品名:NOB−MINI)に投入し、混合物の温度が50℃となるように調節しつつ、ブレード−壁間隔が1mm、回転数が4,000rpmの条件下で、30分間混練処理を行った(被覆工程)。被覆工程後の混合物を、目開き20μmの篩にかけて分級処理を行い、篩を通った20μm以下の粒子を実施例13の複合活物質とした。
まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粒子(活物質粒子)を、LiNbO3(酸化物系固体電解質)により被覆した複合粒子を準備した(準備工程)。複合粒子の平均粒径は4.5μmであった。
次に、複合粒子50g、48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子(硫化物系固体電解質、平均粒径:1.5μm)10.8g、アルキル基を有する化合物としてトリブチルアミン((C4H9)3N)9g、及び分散媒としてヘプタン(C7H16)75gを湿式混合し、さらに超音波分散を行い、比較例1の複合活物質を製造した。すなわち、比較例1においては、超音波分散後の加熱、及び本発明における被覆工程を行わなかった。
2−1.SEMによる断面形態観察
実施例7の複合活物質についてCP(Cross Section Polisher)加工を施し、SEMを用いて当該複合活物質の断面形態を観察した。測定の詳細は以下の通りである。
SEM:日立ハイテク製、製品番号SU8030
加速電圧:1kV
エミッション電流:10μA
倍率:20,000倍
実施例3、実施例7、実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13、及び比較例1の複合活物質について、粉末散布したサンプルをSEM観察した。実施例13の複合活物質については、分級前と分級後について、それぞれSEM観察した。得られた2次電子像から複合活物質の形態を、反射電子像のコントラスト差から複合活物質における硫化物系固体電解質の被覆状態を、それぞれ評価した。また、実施例13の複合活物質については、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X−ray spectrometry:EDX)を行い、得られた硫黄元素(S)の元素マッピング像から、硫化物系固体電解質の粗大粒子の有無を調べた。表面形態観察の測定条件は、上記断面形態観察の測定条件と同様である。ただし、Sマッピング時の加速電圧は10kVとした。
図16(a)より、比較例1の複合活物質の表面においては、硫化物系固体電解質粒子の粒界が独立してはっきりと確認できる。このことから、比較例1の製造方法においては、硫化物系固体電解質粒子が塑性変形するほどに十分なエネルギーが与えられていないことが分かる。また、図16(b)においては、色の明るい部分(ニオブ元素等)と色の暗い部分(リン元素、硫黄元素等)がはっきりと分かれている。このことから、比較例1の複合活物質においては、ニオブ元素を含む酸化物系固体電解質が、リン元素等を含む硫化物系固体電解質により十分に覆われておらず、酸化物系固体電解質が複合活物質表面に現れていることが分かる。
一方、図4(a)〜図13(a)から明らかなように、実施例3、実施例7、及び実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13の複合活物質の表面においては、硫化物系固体電解質粒子同士が結合しあっており、その粒界は定かではない。このことから、少なくとも実施例3、実施例7、及び実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13の製造方法においては、硫化物系固体電解質粒子が塑性変形するほど十分なエネルギーが与えられたことが分かる。また、図4(b)〜図13(b)においては、色の明るい部分(ニオブ元素等)と色の暗い部分(リン元素、硫黄元素等)が混ざりあい、図16(b)よりも元素分布が均一になっている。このことから、少なくとも実施例3、実施例7、及び実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13の複合活物質においては、ニオブ元素を含む酸化物系固体電解質が、リン元素等を含む硫化物系固体電解質により十分に覆われていることが分かる。
また、実施例3、実施例7、及び実施例9(図4〜図6)について検討すると、被覆工程における混練処理時間が10分間(実施例3)、30分間(実施例7)、60分間(実施例9)と増えるにつれて、硫化物系固体電解質粒子間の粒界がより消失し、元素分布が均一となることが分かる。参考例10〜参考例12の反射電子像(図7(b)〜図9(b))を、実施例3、実施例7、及び実施例9の反射電子像(図4(b)〜図6(b))と比較すると、実施例3、実施例7、及び実施例9の反射電子像の方が全体的に暗く、色の明るい部分(ニオブ元素等)が色の暗い部分(リン元素、硫黄元素等)により埋め尽くされていると考えられる。
したがって、前処理工程を行わない実施例3、実施例7、及び実施例9の乾式混合条件の方が、前処理工程を行った参考例10〜参考例12の条件よりも、硫化物系固体電解質が塑性変形するエネルギーを効率よく付与できることが分かる。
図12は、実施例13の分級後の複合活物質粒子1つの2次電子像(図12(a))及び反射電子像(図12(b))である。また、図13は、実施例13の分級後の複数の複合活物質の2次電子像(図13(a))及びSマッピング(図13(b))である。図12(a)及び図12(b)と図10(a)及び図10(b)とを比較すると分かるように、実施例13の複合活物質における表面形態や元素分布は、分級前後で変化しない。また、図13(a)及び図13(b)から分かるように、分級後の実施例13の複合活物質からは、粗大な硫化物系固体電解質が除かれている。
以上より、平均粒径が20μmの硫化物系固体電解質粒子を原料とする実施例13の複合活物質は、他の実施例よりも硫化物系固体電解質粒子の粒界が見られず、さらに粒子表面の元素分布が均一であることが分かる。また、分級することにより、複合活物質を特に変質させることなく、粗大な硫化物系固体電解質粒子を除去できることも分かる。
参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9、参考例10〜参考例12及び比較例1の複合活物質について、N2吸着BET法により比表面積を測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
測定装置:日本ベル製、BELSORP−miniII(商品名)
温度:25℃
露点:−80℃DP以下
図14に示すように、被覆工程を行った参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9の複合活物質は、被覆工程を行わなかった比較例1よりもいずれもBET比表面積が小さい。また、図14より、被覆工程における混練処理時間が長いほどBET比表面積が小さくなるが、混練処理の初期(0〜10分間)においてはBET比表面積の減りが大きいのに対し、10分間以上混合するとBET比表面積の変化が小さくなり、ほぼ一定の値(約1.7m2/g)に収束する。
以上より、参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9の製造条件においては、被覆工程において特に10分間以上混合することにより、硫化物系固体電解質が十分に塑性変形し、BET比表面積が約1.7m2/gにまで低減できることが分かる。このことは、48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子(硫化物系固体電解質粒子)のBET比表面積が12m2/gと大きいことを鑑みると、本発明の製造方法により、硫化物系固体電解質の14%程度のBET比表面積を有する複合活物質が製造できることを意味している。また、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粒子(活物質粒子)のBET比表面積が約1.4m2/gであるため、本発明の製造方法により、活物質粒子の凹凸にほぼ沿って硫化物系固体電解質を均一に被覆できることも分かる。
参考例10〜参考例12の複合活物質のBET表面積については、後述するリチウム電池の内部抵抗との関係について説明することとする。
以下、上記参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13及び比較例1の各複合活物質をそれぞれ用いて、リチウム電池を製造した。
正極活物質として上記複合活物質を、硫化物系固体電解質として48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子を、導電性材料として気相成長炭素繊維(VGCF)を、結着剤としてPVdFを、それぞれ準備した。これら正極活物質、硫化物系固体電解質、導電性材料、及び結着剤を、正極活物質:硫化物系固体電解質:導電性材料:結着剤=79.3質量%:17.1質量%:2.4質量%:1.2質量%となるように混合し、正極合剤を調製した。
セパレータ層(固体電解質層)の原料として、硫化物系固体電解質である48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子を準備した。
負極活物質として天然黒鉛を、硫化物系固体電解質として48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子を、結着剤としてPVdFを、それぞれ準備した。これら負極活物質、硫化物系固体電解質、及び結着剤を、負極活物質:硫化物系固体電解質:結着剤=57.0質量%:41.6質量%:1.4質量%となるように混合し、負極合剤を調製した。
まず、48.5Li2S−17.5P2S5−4Li2O−30LiI粒子の圧粉体を形成した。次に、当該圧粉体の一方の面に正極合剤を、他方の面に負極合剤を、それぞれ配置し、プレス圧6ton/cm2、プレス時間1分間で平面プレスし、積層体を得た。このとき得られた積層体において、正極合剤層及び負極合剤層の厚さはいずれも130μmであり、セパレータ層の厚さは20μmであった。当該積層体を、積層方向に0.2Nの圧力で拘束することにより、リチウム電池を製造した。
以下、参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13及び比較例1の各複合活物質を原料とするリチウム電池を、それぞれ参考例1〜参考例2、実施例3〜実施例9、参考例10〜参考例12、実施例13及び比較例1のリチウム電池と称する。
実施例9、参考例10〜参考例12、及び比較例1のリチウム電池について、5s−DCIR法により内部抵抗を測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
OCV電位 3.52V
電流密度 19.2mA/cm2
放電5秒後の過電圧と電流値から、オームの法則により内部抵抗を算出した。
図15に示すように、実施例9、参考例10〜参考例12のリチウム電池は、比較例1のリチウム電池よりもいずれも内部抵抗が小さい。したがって、被覆工程を経て得られた本発明の複合活物質は、従来の複合活物質よりもリチウム電池の内部抵抗を下げる働きがあることが分かる。
また、図15に示すように、前処理工程を行い製造された複合活物質を用いた参考例10〜参考例12のリチウム電池の内部抵抗は90Ω・cm2を超えたのに対し、前処理工程を行わずに製造された複合活物質を用いた実施例9のリチウム電池の内部抵抗は60Ω・cm2未満であった。このように、乾式混合処理により得られた複合活物質を用いたリチウム電池は、湿式の前処理工程を経て得られた複合活物質を用いたリチウム電池よりも、内部抵抗を60%以下に抑えることができる。
2 酸化物系固体電解質
3 複合粒子
4 硫化物系固体電解質
11 電解質層
12 正極活物質層
13 負極活物質層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極
17 負極
21 多結晶の活物質粒子
22 酸化物系固体電解質層
23 硫化物系固体電解質層
100a,100b,100c,100d 複合活物質
200 リチウム電池
Claims (1)
- LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNiPO4、LiMnPO4、及びLi2NiTiO4からなる群より選ばれる少なくとも一種の活物質粒子、並びに、当該活物質粒子表面の全部又は一部を被覆する酸化物系固体電解質を含有する複合粒子を準備する準備工程と、
乾式混練装置を用いて、前記複合粒子及び硫化物系固体電解質を、混合物の温度が50℃以上80℃以下となるように調節しつつ、ブレード−壁間隔が0.1〜8mm、回転数が500〜5,000rpmの条件下で、10分間以上混合することにより、前記複合粒子の表面を硫化物系固体電解質により被覆する被覆工程と、を有し、
前記被覆工程において、前記複合粒子100質量部に対し、前記硫化物系固体電解質を8〜22質量部添加し、
前記準備工程後、且つ、前記被覆工程前に前記複合粒子及び前記硫化物系固体電解質のうち少なくともいずれか一方と、アルキル基含有化合物とを湿式混合する、前処理工程を行わないことを特徴とする、複合活物質の製造方法。
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