JP6127411B2 - エアフィルタ - Google Patents
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Description
一方、従来より、Vバンク型と呼ばれるエアフィルタが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この種のエアフィルタでは、より多くの濾材面積を確保するために、シート状の濾材にプリーツ加工を行なうことで多数のプリーツ(ひだ)が形成された平板状の複数のフィルタエレメント(エレメント集合体)が、枠体に収納されている。エレメント集合体は、隣接する2つのフィルタエレメントがV字形状をなすよう配されてなるフィルタエレメント対を有し、フィルタエレメント対のV字形状の先端部は気流の流入側を向いて配されている。また、Vバンク型のエアフィルタは、フィルタエレメント対の先端部を流入側から支持する通気性を有しないエレメント受けを備えており、フィルタエレメントのプリーツの折り目が横方向を向いて枠体に収納された横型のエアフィルタの場合は、これによって、空気中の微粒子が先端部から下流側にリークするのが防止される。
このようなVバンク型のエアフィルタでは、より多くの濾材を枠体内に投入できることから、セパレータ型に比べ、フィルタ寿命(フィルタを使い始めてから目詰りを起こして所定の圧力損失に達するまでの時間)が長くなる。
ところで、エアフィルタは、例えば、特許文献2に示すガスタービンの吸気装置などに使用される場合は、比較的多風量の気流が流入する可能性がある。しかし、Vバンク型のエアフィルタに多風量の気流が流入すると、フィルタエレメントが下流側に撓んで、フィルタエレメント対をなすフィルタエレメント同士が接触するおそれがある。フィルタエレメント同士が接触すると、その部分を気流が通りにくくなるため、フィルタエレメントの他の部分に、流れようとする気流が集まって、濾材のバーストが起こり得る。
気流中の微粒子を捕集するエアフィルタであって、
平板状に延在したプリーツ状の濾材からなる複数のフィルタエレメントを有し、前記複数のフィルタエレメントのうち隣接する2つのフィルタエレメントがV字形状をなすよう配されてなるフィルタエレメント対を有する、エレメント集合体と、
第1の側から流入した気流が第2の側に流出されるよう開口され、前記フィルタエレメント対のV字形状の先端部が前記第1の側を向いて配されるよう前記エレメント集合体を保持する枠体であって、前記フィルタエレメントのそれぞれが接している枠体と、
前記枠体の第1の側に配され、前記フィルタエレメント対の先端部に接し、前記先端部を前記第1の側から支持し、通気性を有しない第1のエレメント支持体と、
前記枠体の第2の側に配され、通気性を有しない第2のエレメント支持体であって、隣り合う2つの前記フィルタエレメント対のそれぞれの対に1つ含まれ、かつ、隣接する2つのフィルタエレメントの前記第2の側の端部に接し、前記第2の側の端部を前記第2の側から支持する第2のエレメント支持体と、を備え、
前記フィルタエレメント対をなす2つのフィルタエレメントは、前記先端部において接することなく互いに2〜10mm離間し、
前記第2のエレメント支持体に支持された前記2つのフィルタエレメントは、前記第2の側の端部において、接することなく互いに2mm未満離間している、あるいは、互いに接している、
エアフィルタである。
図1に、本発明の一実施形態によるエアフィルタ1を示す。図1は、本発明の一実施形態のエアフィルタ1を示す外観図であり、説明の便宜のため、一部を切り欠いて示す。
エアフィルタ1は、気流中の微粒子を捕集するためのものである。微粒子は、固体又は液体であってよく、例えば、大気中の塵、油分等が挙げられる。エアフィルタ1は、例えば、ガスタービンの吸気口に設けられるが、特にこの用途に限定されない。
エアフィルタ1は、単数で用いられてもよく、気流の流れる方向に複数並べて使用されてもよい。複数使用される場合に、エアフィルタ1同士は、性能が等しく又は異なってよい。また、エアフィルタ1は、性能や構造の異なる他のエアフィルタと併用されてもよい。構造の異なる他のエアフィルタとしては、ロール型、パネル型、プリーツ型、吹き流し型、エンボス型、セパレータ型のもの等が挙げられる。
エアフィルタ1は、エレメント集合体2と、枠体5と、エレメント受け(エレメント支持体)7とを、備えている。
エレメント集合体2は、プリーツ状の濾材が平板状に延在した複数のフィルタエレメント3を有する。
濾材は、従来公知のものを用いることができ、例えば、ガラス繊維、合繊繊維、天然繊維等からなる不織布であってもよく、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)製の多孔膜シートの片側又は両側に通気性支持材を積層させたものであってもよく、また、これらが組み合わされた複合材料であってもよい。なお、通気性支持材としては、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。エアフィルタ1がガスタービンの吸気口に設けられる場合は、濾材には、ガラス繊維からなる不織布が好ましく用いられる。
濾材の目付は、長寿命化の観点から、30g/m2以上のものが好ましく、特に準HEPAフィルタを得るためにガラス繊維からなる不織布を用いる場合は、50g/m2以上のものがより好ましく、圧力損失の増加防止の観点から、120g/m2以下のものが好ましく、特に準HEPAフィルタを得るためにガラス繊維からなる不織布を用いる場合は、90g/m2のものがより好ましい。例えば、本実施形態では、73g/m2である。
濾材の、TAPPI(The Technical Association of the Pulp and Paper Industry)規格 T−494に準拠するMD方向の引張強度は、1500g/25mm以上であることが好ましく、2000g/25mm以上であることがより好ましい。例えば、本実施形態では、2000g/25mmである。
フィルタエレメント3のプリーツ数は、長寿命化の観点から、150以上であることが好ましく、特に準HEPAフィルタを得るためにガラス繊維からなる不織布を用いる場合は、180以上であることがより好ましく、圧力損失の増加防止の観点から、350以下であることが好ましく、特に準HEPAフィルタを得るためにガラス繊維からなる不織布を用いる場合は、220以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態では、200である。
フィルタエレメント3のピッチPは、フィルタエレメント3全体にわたって一定であってもよく、一定でなくてもよい。ピッチPが一定でない場合として、例えば、フィルタエレメント3のうち、撓みやすい縦方向中央の領域ではピッチPが狭く、後述するエレメント受け7,9に固定されて撓みにくい縦方向両側の領域ではピッチPが広いことが挙げられる。この場合、ピッチPの狭い領域とピッチPの広い領域とで、ピッチPの比率が1:2〜1:4程度であるのが好ましい。フィルタエレメント3は、折り目の延びる横方向の強度が強いため、圧力がかかった場合に、複数の折り目が並ぶ縦方向に対して撓みやすいが、ピッチPが狭いほど、フィルタエレメント3にかかる圧力を小さくできるため、フィルタエレメント3の撓みを抑制できる。
フィルタエレメント3の縦長さは、フィルタエレメント3が撓んだ時の撓み量を小さくする観点から、横長さより長いことが好ましい。フィルタエレメント3は、横型であることのみでなく、横に対し縦に長い寸法であることによっても、縦(垂直)方向に撓みやすくなっているが、本発明のエアフィルタ1では、後述するように隣接するフィルタエレメント3同士が隙間W1をあけて配されていることにより、気流の流量の不均一さが改善され、撓んでもフィルタエレメント同士は接触しにくい。
なお、フィルタエレメント3の高さHは、フィルタエレメント3全体にわたって一定であってもよく、一定でなくてもよい。高さHが一定でない場合として、例えば、フィルタエレメント3のうち、撓みやすい縦方向中央の領域では高さHが高く、エレメント受け7,9に固定されて撓みにくい縦方向両側の領域では高さHが低いことが挙げられる。この場合、高さHの高い領域と高さHの低い領域とで、高さHの比率が1:1.5〜1:2程度であるのが好ましい。高さHが高いほど、フィルタエレメント3にかかる圧力は小さくなるため、フィルタエレメント3の撓みを抑制できる。
流入側には、フィルタエレメント対4をなす2つのフィルタエレメント3が所定角度(以下、開き角度ともいう)θ1開いて配されることにより、V字形状の先端部21が形成されている。θ1は、好ましくは0.5°以上であり、より好ましくは1°以上であり、好ましくは10°以下であり、8°以下である。θ1は、前記範囲の下限値より大きいことで圧力損失の増大を抑制でき、前記範囲の上限値より小さいことでバンク数を増やして濾材面積を増やすことができる。本実施形態では、θ1は、例えば、6°である。
フィルタエレメント対4をなす2つのフィルタエレメント3は、流入側の端部3a(図3(a)参照)同士が接することなく離間し、隙間W1をあけて配されている。これにより、エアフィルタ1に対し流入側から気流が進入した場合に、先端部21の下流側直後において、空間をより多く確保でき、フィルタエレメント3が多風量を受けた場合に下流側に撓んでフィルタエレメント3同士が接触するのを防止し、フィルタエレメント3の一部の領域に集中して風量が大きくなった場合のフィルタエレメント3のバーストを回避することができる。図3(a)は、エアフィルタ1を先端部21に注目して示す図である。隙間W1は、図3(a)に示すように、フィルタエレメント対4をなす2つのフィルタエレメント3の最短距離をいう。なお、多風量とは、例えば、60m3/分を超える風量をいう。
後端部23を形成する2つのフィルタエレメント3は、流出側の端部3b(図3(b)参照)同士が接することなく離間し、隙間W2をあけて配されている。これにより、端部3b同士が接している場合と比べ、空気の流れにくいスペース(後端部23において2つのフィルタエレメント3がθ2をなして開いた空間)が小さくなり、空気がフィルタエレメント3を透過して下流側に流出しやすくなる。図3(b)は、エアフィルタ1の後端部23に注目して示す図である。隙間W2は、図3に示すように、後端部23を形成する2つのフィルタエレメント3の最短距離をいう。隙間W2は、エアフィルタ1が横型であることから、0mm以上であり、好ましくは2mm未満であり、より好ましくは1mm未満である。W2は、前記範囲の下限値より大きいことにより、フィルタエレメント同士が重なって濾材面積が減少してフィルタ寿命が短くなるのを抑えることができ、前記範囲の上限値未満であることにより、圧力損失の増大を抑えることができる。本実施形態では、W2は、例えば、0mmである。
隙間W1,W2は、例えば、複数のフィルタエレメント3を枠体5に対し並べたときに、接着剤が固まるまで、治具を用いて固定することにより設けることができる。
枠体5は、流入側(第1の側)から流入した気流が流出側(第2の側)に流出されるよう開口され、フィルタエレメント対4のV字形状の先端部21が流入側を向いて配されるよう、複数のフィルタエレメント3を収納する。枠体5は、金属又はプラスチック製の板材を組み合わせて作られ、図1に示す、上面5a、底面5b、左側面5c、右側面5dの4つの面を有する。金属製の板材としては、防錆性の観点から、好ましくは亜鉛めっき鋼板、ステンレス等が用いられる。本実施形態では、図2に示すように、流入側において7個の先端部21が現れ、流出側において6個の後端部23が現れている。枠体5内に収納されたエレメント集合体2は、水平方向(図2において紙面左右方向)両端にあるフィルタエレメント3の端部3bはいずれも流出側に配され、枠体5の水平方向両側の側部に当接している。各フィルタエレメント3の上端及び下端は、ポリウレタン等の樹脂や、ポリオレフィン等のホットメルト接着剤を用いて枠体5に隙間なく固定されている。また、枠体5の両側部に接するフィルタエレメント3も枠体5に対し、ポリウレタン等の樹脂や、ポリオレフィン等のホットメルト接着剤を用いて隙間なく固定されている。枠体5は、例えば、縦594mm×横594mm×奥行き292mmの外寸を有し、縦592mm×横592mm×奥行き290mmの内寸を有する。なお、縦、横、奥行きの各方向は、図2の紙面奥行き方向、紙面左右方向、紙面上下方向である。
エレメント受け7は、枠体5の流入側に配され、フィルタエレメント対4の先端部21を流入側から支持する。エレメント受け7は、フィルタエレメント対4に対応して枠体5内に配され、エアフィルタ1の縦方向(鉛直方向)に延びている。先端部21において、2つのフィルタエレメント3の端部3aは、ポリウレタン樹脂等によりエレメント受け7に接着されることで固定されている。エレメント受け7は、枠体5に固定されておらず、水平方向に動くことができるが、枠体5に固定されてもよい。
2H+2mm≦Win≦2H+10mm
の関係を満たすことが好ましい。幅Winがこのような範囲にあることで、フィルタエレメン3同士の隙間W1を2〜10mm確保することができる。本実施形態では、例えばWin=43mmである。
R=[{α×(バンク数−1)}+2β]/(枠体5の流入側の水平方向の開口幅)×100
αは、図2に示すように、隣接する2つのエレメント受け7の、エアフィルタ1の最も流入側における間隔である。βは、図2に示すように、枠体5の側面5c,5dとこれに隣接するエレメント受け7との間の、エアフィルタ1の最も流入側における間隔である。開口幅は、枠体5の流入側における水平方向の開口長さから、全てのエレメント受け7の水平方向長さの和を引いた値である。本実施形態において、エレメント受け7の水平方向長さは、図3(a)において符号7aで示すように、エレメント受け7の流入側の端部のうち空気の流入方向と直交する平坦な部分の水平方向長さをいう。
枠体5の開口率は、後端部23の数に応じて定められるのが好ましく、本実施形態では、好ましくは35%以上であり、好ましくは70%以下である。開口率が前記範囲の下限値以上であることにより、W1を十分に確保することができかつエアフィルタ1の圧力損失が増加するのを抑えることができ、開口率が前記範囲の上限値以下であることにより、エアフィルタ1の圧力損失が増加するのを抑えることができる。先端部21を形成する2つのフィルタエレメント3の隙間W1を十分に確保することができる。本実施形態では、例えば、R=43%である。
エレメント受け9は、枠体5の流出側に配され、後端部23を流出側から支持する。エレメント受け9は、後端部23に対応して枠体5内に配され、エアフィルタ1の鉛直方向に延びている。後端部23において、2つのフィルタエレメント3の端部3bは、ポリウレタン樹脂等によりエレメント受け9に接着されることで固定されている。エレメント受け9は、枠体5に固定されているが、エレメント受け7が枠体5に固定されている場合は、枠体5に固定されていなくてもよい。
2H≦Wout<2H+2mm
の関係を満たすことが好ましい。幅Woutがこのような範囲にあることで、フィルタエレメン3同士の隙間W2を0mm以上2mm未満確保することができる。本実施形態では、例えばWout=40mmである。
特に、隙間W1が2〜10mmであることにより、フィルタエレメント3が下流側に撓んでフィルタエレメント3同士が接触するのをより確実に抑えるとともに、流入側での枠体5の開口率を十分に確保して、圧力損失の増大を抑えることができる。
さらに、このエアフィルタ1は、フィルタエレメント3のプリーツの折り目が横型であり、プリーツの折り目が並ぶ方向(縦方向)に下流側に撓んでバーストを起こす可能性が高いが、上述のようにフィルタエレメント3同士が隙間W1をあけて配されていることによるバースト回避の効果が有効である。また、横型は、圧力損失の増大を抑えることができる。
本発明のエアフィルタは、例えば、圧力損失を大きく増加させない範囲で、フィルタエレメントの撓みを機械的に抑える他の手段が併用されてもよい。他の手段は、例えば、フィルタエレメントの、下流側を向く面に対し、多孔シートを重ねることや、フィルタエレメントの横方向中央部に下流側から支持する棒状の支柱を配置すること、先端部21に対し下流側から支持するようV字形状に形成された先端部を有する棒状又は板状の器具で下流側から支えること等が挙げられる。多孔シートとしては、例えば、パンチングメタル、エキスパンドメタル、ネット等が挙げられる。横型の場合は、フィルタエレメントのうち、撓みやすい縦方向中央の領域にのみ、多孔シートを重ねる、棒状の器具で流出側から支える等してもよい。これにより、フィルタエレメントの、多孔体を重ねた又は棒状の器具で支えた部分の圧力を高めて風を流れにくくすることで、撓みやすい部分への風量を低減し、撓みを抑制することができる。
本発明のエアフィルタにおいて、フィルタエレメントの縦長さ、横長さ、高さ、ピッチ、先端部及び後端部の角度、W1、W2、Win、Woutの各長さ、バンク数、α及びβの関係、開口率等は、上述の数値に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で他の数値を採り得る。例えば、バンク数は1であってもよい。すなわちフィルタエレメント対は1つであってもよい。
(実施例1)
粒径0.3μmの粒子に対して95%以上の捕集効率を有するガラス繊維(ライドール社製、L−2221)を濾材として、ロータリー式織り機でピッチPが3.0mmになるようプリーツ加工を行い、縦592mm×横280mm×高さ20mmの外寸のフィルタエレメントを作製した。得られたフィルタエレメントは、プリーツ数197、濾材面積32cm2であった。得られたフィルタエレメント14枚を、流入側に先端部が、流出側に後端部がそれぞれ形成されるよう並べ、ポリウレタン樹脂を用いて、縦594mm×横594mm×高さ292mmの外寸を有するガルバニウム鋼版製の枠体に固定した。その際に、先端部のフィルタエレメントの流入側の端部同士を3mmあけて、受け幅Winが43mmのエレメント受けに固定した。また、後端部のフィルタエレメントの流出側の端部同士の間隔をあけずに、受け幅Woutが40mmのエレメント受けに固定した。先端部のフィルタエレメントのなす角θ1、及び、後端部のフィルタエレメントがなす角θ2はいずれも6°とした。フィルタエレメントのエレメント受けに対する固定は、ポリウレタン樹脂を用いて接着することにより行った。
得られたVバンク型エアフィルタは、バンク数7、先端部同士の間隔αが34mm、先端部と隣接する枠体の内壁との距離βが17mm、開口率43%であった。
濾材の材質をポリプロピレン(PP)製不織布とポリエチレン(PE)製不織布の複合不織布とし、流入側のエレメント受けの受け幅Winを40mm(隙間W1=0mm)、流出側のエレメント受けの受け幅Woutを40mm(隙間W2=0mm)、フィルタエレメントのピッチPを4.5mm、先端部の開き角度θ1及び後端部の開き角θ2を8.9°、とした点を除いて、実施例1と同様にエアフィルタを作製した。
流入側のエレメント受けの受け幅Winを40mm(隙間W1=0mm)、流出側のエレメント受けの受け幅Woutを40mm(隙間W2=0mm)、フィルタエレメントのピッチPを3.0mm、先端部の開き角度θ1及び後端部の開き角θ2を6°、バンク数7、とした点を除いて、実施例1と同様にエアフィルタを作製した。
フィルタエレメントのプリーツの折り目の向きが縦方向とした点を除いて、実施例1と同様にエアフィルタを作製した。
以上の実施例1、2、従来例、比較例1のエアフィルタの圧力損失、接触開始圧力損失を下記要領で測定、評価した。また、これら評価結果に基づき下記要領で総合評価を行った。
エアフィルタを試験用矩形ダクトにセットし、風量を56m3/分となるように空気の流れを調整し、エアフィルタの上流側および下流側でマノメータを用いて圧力を測定し、上下流間の圧力の差をフィルタの圧力損失(以下、フィルタ圧力損失という)として得た。この結果、フィルタ圧力損失が、200Pa未満であった場合をA、200Pa以上250Pa未満であった場合をB、250Pa以上であった場合をC、と評価した。
エアフィルタを試験用矩形ダクトにセットし、風量56m3/分から増加させ、先端部を形成する2つのフィルタエレメントが接触した時のエアフィルタの上下流の圧力差を測定した。圧力差の測定は上述のフィルタ圧力損失の測定と同様に行った。上下流の圧力差が高いとフィルタエレメントにかかる気流による圧力が大きくなる。圧力差が2000Paでフィルタエレメント同士が接触しなかった場合をA、圧力差が1000Paを超え、2000Paになるまでにフィルタエレメント同士が接触した場合をB、1000Paになるまでにフィルタエレメント同士が接触した場合をCと評価した。この評価が良いほど、フィルタエレメントは撓みにくくバーストが起こりにくい。
フィルタ圧力損失及び接触開始圧力損失の評価結果が、いずれもAである場合をA、一方がAで他方がBである場合をB、いずれもBである場合をC、それ以外の場合をDと評価した。なお、フィルタ圧力損失はエアフィルタの重要な性能であるため、このようにフィルタ圧力損失の評価も含めた総合評価をすることが好ましい。
評価結果を、表1に示す。表1中、「エレメント受けの受け幅」の欄に示す「流入」、「流出」はそれぞれ、流入側のエレメント受けの受け幅Win、流出側のエレメント受けの受け幅Woutを表す。
また、エアフィルタが横型の場合は(実施例1)、縦型(実施例2)と比べ、フィルタ圧力損失と接触開始圧力損失のバランスにより優れていた。
さらに、流出側で後端部23をなす2つのフィルタエレメント3の間に隙間W2がある場合は(実施例1)、隙間がない場合(比較例1)と比べて、フィルタ圧力損失と接触開始圧力損失のバランスにより優れていた。
2 エレメント集合体
3 フィルタエレメント
4 フィルタエレメント対
5 枠体
7 エレメント受け(エレメント支持体)
10 濾材
21 先端部
23 後端部
H フィルタエレメントの厚み(高さ)
W1 フィルタエレメント対の先端部での隙間
Claims (3)
- 気流中の微粒子を捕集するエアフィルタであって、
平板状に延在したプリーツ状の濾材からなる複数のフィルタエレメントを有し、前記複数のフィルタエレメントのうち隣接する2つのフィルタエレメントがV字形状をなすよう配されてなるフィルタエレメント対を有する、エレメント集合体と、
第1の側から流入した気流が第2の側に流出されるよう開口され、前記フィルタエレメント対のV字形状の先端部が前記第1の側を向いて配されるよう前記エレメント集合体を保持する枠体であって、前記フィルタエレメントのそれぞれが接している枠体と、
前記枠体の第1の側に配され、前記フィルタエレメント対の先端部に接し、前記先端部を前記第1の側から支持し、通気性を有しない第1のエレメント支持体と、
前記枠体の第2の側に配され、通気性を有しない第2のエレメント支持体であって、隣り合う2つの前記フィルタエレメント対のそれぞれの対に1つ含まれ、かつ、隣接する2つのフィルタエレメントの前記第2の側の端部に接し、前記第2の側の端部を前記第2の側から支持する第2のエレメント支持体と、を備え、
前記フィルタエレメント対をなす2つのフィルタエレメントは、前記先端部において接することなく互いに2〜10mm離間し、
前記第2のエレメント支持体に支持された前記2つのフィルタエレメントは、前記第2の側の端部において、接することなく互いに2mm未満離間している、あるいは、互いに接している、
エアフィルタ。 - 前記第1の側における前記枠体の開口率が、35〜70%である、請求項1に記載のエアフィルタ。
- 前記複数のフィルタエレメントそれぞれの前記濾材のプリーツの折り目が前記第1の側から前記第2の側に延びている、請求項1または2に記載のエアフィルタ。
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