JP6126967B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクタなどの燃料ガス噴射装置を備えた燃料電池システムに関する。
近年、水素(燃料ガス)と、酸素を含む空気(酸化剤ガス)とが供給されることで発電する燃料電池システムの開発が進められ、燃料電池車などの電力源として期待されている。
燃料電池システムにおいて燃料電池に供給される水素の流量・圧力は、レギュレータやインジェクタなどを用いて調整される。特にインジェクタを用いた場合、所定周期(インターバル)でパルス状に印加される電磁駆動力によって弁体を開閉することで、水素の噴射タイミング・噴射時間などを細かく制御できる。
例えば、特許文献1には、水素供給部から燃料電池に水素が供給される水素供給経路に、複数のインジェクタが直列又は並列に設けられた燃料制御装置について記載されている。また、各インジェクタを同一周期かつ同じタイミングで開閉制御することが記載されている。
また、特許文献2には、主供給インジェクタ及び補助供給インジェクタをエジェクタ(エゼクタ)の上流側にそれぞれ配置し、主供給インジェクタと、補助供給インジェクタと、が時間的な位相差をもって略交互に水素を噴射することが記載されている。
特開2012−119300号公報 特開2011−179333号公報
インジェクタが備える弁体の開弁時間は、前記した電磁駆動力の発生源となるソレノイドへの通電時間に応じて制御される。なお、インジェクタの駆動インターバルにおいてONデューティを100%とする(つまり、インジェクタに通電し続ける)と、デバイスが発熱して固着する虞がある。したがって、最大限のONデューティでインジェクタを駆動させる場合でも、インターバルにおいて所定のOFF時間を設ける必要がある。一方、燃料電池では、水素が連続的に消費される。
そうすると、特許文献1に記載の技術では、前記したOFF時間を設けることに起因して、燃料電池の水素要求量に対応した量の水素を適切に供給できない可能性がある。
また、インターバルの開始時刻において水素要求量が少ない場合、当然、前記複数のインジェクタのONデューティは小さい値に設定され、今回インターバルにおける水素供給量も少なくなる。ここで、次回インターバルの開始時刻までに水素要求量が急増した場合、特許文献1に記載の技術では、当該水素要求量の変化に応じて即座に水素供給することができず、ストイキ不足に陥る可能性がある。
また、特許文献2に記載の技術では、主供給インジェクタ及び補助供給インジェクタが、エジェクタよりも上流側に配置されている。したがって、それぞれのインジェクタから水素が噴射された際にエジェクタで圧力損失が生じるため、燃料電池に十分な流量の水素を供給できない可能性がある。
そこで本発明は、適切に燃料ガスを供給できる燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流する第1燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス流路から排出される燃料オフガスが通流する燃料オフガス排出流路と、前記燃料オフガス排出流路から前記第1燃料ガス供給流路に戻る燃料オフガスが通流する戻り流路と、前記第1燃料ガス供給流路に設けられ、弁の開閉によって燃料ガスを噴射する第1燃料ガス噴射装置と、前記第1燃料ガス噴射装置よりも下流側の前記第1燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料オフガス排出流路から前記戻り流路を介して前記第1燃料ガス供給流路に戻る燃料オフガスと、前記第1燃料ガス噴射装置によって噴射される燃料ガスと、を混合するエゼクタと、前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流すると共に、その下流端が前記エゼクタよりも下流側の前記第1燃料ガス供給流路に接続される第2燃料ガス供給流路と、前記第2燃料ガス供給流路に設けられ、弁の開閉によって燃料ガスを噴射する第2燃料ガス噴射装置と、前記第1燃料ガス噴射装置及び前記第2燃料ガス噴射装置を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、前記制御手段は、前記第1燃料ガス噴射装置の開弁期間における燃料ガス要求量の増加分を算出する燃料ガス要求量増加分算出手段を有し、交互に繰り返される前記第1燃料ガス噴射装置の開弁期間及び閉弁期間を調整することで、前記第1燃料ガス噴射装置から噴射される燃料ガスの流量を調整し、前記燃料ガス要求量増加分算出手段によって算出される燃料ガス要求量の増加分に基づいて前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、その開弁期間の少なくとも一部が前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間に重なるようにすることを特徴とする。
このような構成によれば、第2燃料ガス噴射装置によって噴射される燃料ガスは、第2燃料ガス供給流路を介して(つまり、圧力損失の大きいエゼクタを介することなく)、燃料ガス流路に供給される。したがって、エゼクタを介して燃料ガス流路に向かう燃料ガス及び燃料オフガスに、第2燃料ガス噴射装置から噴射される燃料ガスを混合させることで、ストイキ不足を回避できる。
また、制御手段は、第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、第2燃料ガス噴射装置の開弁期間の少なくとも一部が第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間に重なるようにする。つまり、制御手段は、交互に繰り返される第1燃料ガス噴射装置の開弁期間及び閉弁期間のうち、この閉弁期間の少なくとも一部で第2燃料ガス噴射装置を開弁させる。したがって、燃料電池に供給される燃料ガスを連続流に近づけることができ、燃料ガスの連続的な消費に対応できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、前記第1燃料ガス噴射装置及び前記第2燃料ガス噴射装置がいずれも閉弁している連続的な時間が所定時間以上とならないようにすることが好ましい。
このような構成によれば、燃料電池に対して燃料ガスが供給されない連続的な時間を所定時間以下に抑えることができる。つまり、第1燃料ガス噴射装置及び第2燃料ガス噴射装置から噴射され、第1燃料ガス供給流路で合流する燃料ガスを連続流に近づけることで、ストイキ不足を回避できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、その開弁期間が、前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間の中央付近の時刻を含むようにすることが好ましい。
このような構成によれば、制御手段は、第2燃料ガス噴射装置の開弁期間が第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間の中央付近の時刻を含むようにする。したがって、燃料電池に対し継続的に燃料ガスが供給されない時間を短くすることができ、ストイキ不足を回避できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記第1燃料ガス噴射装置の開閉時間である第1インターバル、及び前記第2燃料ガス噴射装置の開閉時間である第2インターバルを設定するインターバル設定手段と、前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する第1開弁時間算出手段と、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する第2開弁時間算出手段と、前記第1燃料ガス噴射装置の開弁開始時に高出力が要求されている場合、少なくとも前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間中、前記第2燃料ガス噴射装置が開弁状態となっているように、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する噴射開始時刻設定手段と、を有することが好ましい。
このような構成によれば、第1燃料ガス噴射装置の開弁開始時に高出力が要求される場合、噴射開始時刻設定手段は、少なくとも前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間中、第2燃料ガス噴射装置が開弁状態となっているように第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する。したがって、燃料電池に供給される燃料ガスを連続流とし、高出力の要求に対して適切に対応できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記燃料電池の発電に要する燃料ガス要求量を算出する燃料ガス要求量算出手段を有し、前記インターバル設定手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル及び前記第2インターバルを設定し、前記第1開弁時間算出手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出し、前記第2開弁時間算出手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出することが好ましい。
このような構成によれば、燃料ガス要求量に応じて、第1燃料ガス噴射装置のインターバル(第1インターバル)及び開弁時間が算出されると共に、第2燃料ガス噴射装置のインターバル(第2インターバル)及び開弁時間が算出される。したがって、燃料電池に対し、燃料ガス要求量に応じた量の燃料ガスを過不足なく供給できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記噴射開始時刻設定手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2燃料ガス噴射装置の開弁終了時刻が前記第1インターバルの終了時刻と一致するように、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定することが好ましい。
このような構成によれば、噴射開始時刻設定手段は、燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、第2燃料ガス噴射装置の開弁終了時刻と第1インターバルの終了時刻とを一致させる。したがって、第1燃料ガス噴射装置の開弁終了後に燃料ガス要求量が急増した場合でも、第2燃料ガス噴射装置によって燃料ガスの供給をアシストし、ストイキ不足を回避できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記インターバル設定手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁時間を前記第2インターバルとして設定し、前記第2開弁時間算出手段は、前記第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時に、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出することが好ましい。
このような構成によれば、第2開弁時間算出手段は、前記第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時に、第2インターバル内における第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する。つまり、第1燃料ガス噴射装置と第2燃料ガス噴射装置とによって時間的に交互に燃料ガスを供給する。したがって、第1燃料ガス噴射装置の開弁開始後に高出力が要求された場合でも即座に対応できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記第2開弁時間算出手段は、前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間をゼロに設定する。
このような構成によれば、第2開弁時間算出手段は、燃料ガス要求量に応じて、第2燃料ガス噴射装置の開弁時間をゼロに設定する。したがって、燃料電池に対して燃料ガスを無駄に(過剰に)供給することを回避できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記噴射開始時刻設定手段は、前記第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時における燃料ガス要求量に応じて、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定することが好ましい。
このような構成によれば、噴射開始時刻設定手段は、第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時における燃料ガス要求量に応じて、第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する。したがって、第2インターバル内における第2燃料ガス噴射装置の噴射タイミングを、燃料ガス要求量に応じて正確かつ柔軟に設定できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記インターバル設定手段は、前記第2インターバルを前記第1インターバルと同一区間に設定することが好ましい。
このような構成によれば、インターバル設定手段は、第2インターバルを第1インターバルと同一区間に設定する。これによって、第2燃料ガス噴射装置の開弁開始時刻を、第1燃料ガス噴射装置のインターバル(第1インターバル)内における任意の時刻に設定することができる。したがって、燃料ガス供給量の目標値に応じた流量の燃料ガスを供給できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記噴射開始時刻設定手段は、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の連続閉弁時間が所定時間以上とならないように、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定することが好ましい。
このような構成によれば、燃料電池に対して燃料ガスが供給されない時間を所定時間以下に抑えることができる。つまり、第1燃料ガス噴射装置及び第2燃料ガス噴射装置から噴射される燃料ガスを連続流に近づけることで、ストイキ不足を回避できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料ガス要求量算出手段は、前記燃料電池システムが搭載される燃料電池自動車のアクセル開度に応じて燃料ガス要求量を算出することが好ましい。
このような構成によれば、燃料ガス要求量算出手段は、燃料電池自動車のアクセル開度に応じた燃料ガス要求量を算出する。したがって、燃料ガス要求量に対応した量の燃料ガスを燃料電池に対して過不足なく供給できる。
本発明によれば、適切に燃料ガスを供給できる燃料電池システムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。 ECUのうち、インジェクタの制御に関わる部分の構成を示すブロック図である。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 (a)は燃料ガス要求量の時間的変化を示すタイムチャートであり、(b)はインジェクタAのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(c)はインジェクタBのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムにおいて、各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 (a)は燃料ガス要求量の時間的変化を示すタイムチャートであり、(b)はインジェクタAのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(c)はインジェクタBのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(d)はインジェクタCのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムが備えるECUのうち、インジェクタの制御に関わる部分の構成を示すブロック図である。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 (a)はアノード圧力の時間的変化を示すタイムチャートであり、(b)はインジェクタAのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(c)はインジェクタBのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートである。 起動時制御において、各インジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 起動時制御に関するタイムチャートであり、(a)はアノード水素濃度の時間的変化を示すタイムチャートであり、(b)はインジェクタAのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(c)はインジェクタBのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートである。 高出力時制御において、一方のインジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 高出力時制御において、他方のインジェクタを制御する際のECUの動作の流れを示すフローチャートである。 高出力時制御に関するタイムチャートであり、(a)はアノード圧力の時間的変化を示すタイムチャートであり、(b)は電流値の時間的変化を示すタイムチャートであり、(c)はインジェクタAのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートであり、(d)はインジェクタBのオン・オフの時間的変化を示すタイムチャートである。 本発明の変形例に係る燃料電池システムの全体構成図である。
本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、一例として、燃料電池システムS1,S2を燃料電池車に適用する場合について説明するが、本発明の適用対象は燃料電池車に限定されるものではない。例えば、燃料電池システムS1,S2を船舶、航空機などの移動体に用いてもよいし、定置式のシステムに用いてもよい。
≪第1実施形態≫
<燃料電池システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。
燃料電池システムS1は、燃料電池11と、燃料電池11のアノードに対して水素(燃料ガス)を供給するアノード系と、燃料電池11のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス)を供給するカソード系と、燃料電池11の発電電力を消費する電力消費系と、これらを制御するECU50(制御手段)と、を備えている。
<燃料電池>
燃料電池11は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、図示しない膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を一対の導電性のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セル(図示せず)を複数積層して構成されている。
燃料電池11の各セパレータには、膜/電極接合体の全面に水素又は酸素を供給するための溝及び貫通孔が形成され、これらの溝及び貫通孔がアノード流路11a(燃料ガス流路)、カソード流路11c(酸化剤ガス流路)として機能する。なお、各セパレータには、燃料電池11を冷却するための冷媒を通流させる冷媒流路(図示せず)が形成されている。
アノード流路11aに水素が供給され、カソード流路11cに酸素を含む空気が供給されると、燃料電池11において所定の電極反応が生じ、それぞれの単セルで電位差(OCV:Open Circuit Voltage)が発生する。次いで、燃料電池11と走行モータ43とが電気的に接続されて電流が取り出されると、燃料電池11の電極反応が進むようになっている。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21と、遮断弁22と、インジェクタ23A(第1燃料ガス噴射装置)と、インジェクタ23B(第2燃料ガス噴射装置)と、エゼクタ24と、パージ弁25と、を備えている。
水素タンク21は、配管a1を介して遮断弁22に接続され、高純度の水素が高圧で圧縮充填されている。
遮断弁22は、配管a2を介してインジェクタ23Aに接続される常閉型の電磁弁であり、ECU50からの指令に従って開閉される。
インジェクタ23A(第1燃料ガス噴射装置)は、ECU50からの指令に従って開閉することで燃料ガスを噴射する装置であり、上流側が配管a2を介して遮断弁22に接続され、下流側が配管a3を介してエゼクタ24に接続されている。
なお、各図においてインジェクタ23Aを、「INJ A」又は「インジェクタA」と表記している。
ECU50からの指令に従って遮断弁22が開弁し、かつ、インジェクタ23Aが開弁すると、水素タンク21内の水素が第1燃料ガス供給流路を介してアノード流路11aに供給される。ここで、「第1燃料ガス供給流路」は、配管a1,a2,a3,a4を含んで構成され、一端が水素タンク21に接続され、他端がアノード流路11aの流入口に接続されている。
インジェクタ23Aは、例えば、弁座(図示せず)に対し着座又は離座する弁体(図示せず)と、前記弁体の駆動源となるソレノイド(図示せず)と、を有している。ECU50からの指令に応じてパルス状の電圧が印加された場合、前記したソレノイドに励磁電流が流入し、インジェクタ23Aが所定のインターバルで開閉するようになっている。
ちなみに、前記した「インターバル」とは、インジェクタ23Aを開閉する際の1サイクルに要する時間(つまり、インジェクタ23Aの開閉時間)を意味している。後記するインジェクタ23Bについても同様である
インジェクタ23B(第2燃料ガス噴射装置)は、ECU50からの指令に応じて開閉することで燃料ガスを噴射する装置であり、上流側が配管b1を介して配管a2に接続され、下流側が配管b2を介して配管a4に接続されている。
なお、各図においてインジェクタ23Bを、「INJ B」又は「インジェクタB」と表記している。
本実施形態においてインジェクタ23Bの構成はインジェクタ23Aと同様であるから、説明を省略する。
ECU50からの指令に従って遮断弁22が開弁し、かつ、インジェクタ23Bが開弁すると、水素タンク21内の水素が第2燃料ガス供給流路及び配管a4を介してアノード流路11aに供給される。ここで、「第2燃料ガス供給流路」は、配管a1,a2,b1,b2を含んで構成され、一端が水素タンク21に接続され、他端が第1燃料ガス供給流路(配管a4)に接続されている。
つまり、第2燃料ガス供給流路は、アノード流路11aに向かう水素が、前記した第1燃料ガス供給流路を通流する燃料ガスと合流するように、第1燃料ガス供給流路に接続されている。
インジェクタ23A,23Bには、燃料電池11又はバッテリ(図示せず)から電力が供給される。また、インジェクタ23Aが有するノズル(図示せず)の口径と、インジェクタ23Bが有するノズル(図示せず)の口径との大小関係は適宜設定できる。
エゼクタ24は、配管a4を介してアノード流路11aの流入口に接続され、水素タンク21から供給される水素をノズル24pから噴射することによって、ノズル24pの周囲に負圧を発生させるものである。アノード流路11aの流出口から排出された燃料オフガス(未反応の水素を含む)は、前記負圧によって配管a5,a6を介して吸引され、ディフューザ24qで水素と混合された後、配管a4を介してアノード流路11aに供給される。
パージ弁25は、ECU50からの指令に従って間欠的に開弁することで、配管a4、アノード流路11a、配管a5,a6を含む循環流路に蓄積した不純物(水蒸気、窒素など)を、燃料オフガス排出流路を介して希釈器32に排出する機能を有している。
ここで、「燃料オフガス排出流路」は、配管a5,a7,a8を含んで構成される。
また、前記した燃料オフガス排出流路から第1燃料ガス供給流路に戻る燃料オフガスが通流する「戻り流路」は、配管a6を含んで構成される。
なお、図1に示す配管b2(第2燃料ガス供給流路)は、その下流端が、エゼクタ24よりも下流側の配管a4(第1燃料ガス供給流路)に接続されている。
アノード流路11aから排出され、配管a5(燃料オフガス排出流路)及び配管a6(戻り流路)を介して配管a4(第1燃料ガス供給流路)に戻るオフガスと、インジェクタ23Aによって噴射された水素と、はインジェクタ23Aよりも下流側に配置されたエゼクタ24において混合され、配管a4を介して燃料ガス流路11aに供給される。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31と、希釈器32と、を備えている。
コンプレッサ31は、ECU50からの指令に従って内部の羽根車(図示せず)を回転させることによって、車外からの空気(酸化剤ガス)を吸引・圧縮し、酸化剤ガス供給流路を介して燃料電池11のカソード流路11cに供給するものである。
なお、「酸化剤ガス供給流路」は、配管c1を含んで構成される。
希釈器32は、パージ弁25が開弁した際に配管a7を介して流入する燃料オフガスを、配管c2を介して流入する酸化剤オフガスで希釈し、配管c3を介して車外に排出するものである。
その他、コンプレッサ31から供給される低湿潤の空気と、カソード流路11cから排出される高湿潤の酸化剤オフガスとを水分交換するための加湿器(図示せず)、加湿器と希釈器32との間に設けられ、カソード流路11cの圧力を制御する背圧弁(図示せず)などが設けられている。
<電力消費系>
電力消費系は、VCU41と、PDU42と、走行モータ43と、を備えている。
VCU41(Voltage Control Unit)は、燃料電池11の発電電力やバッテリ(図示せず)の充放電を制御するものであり、DC/DCチョッパ(図示せず)、DC/DCコンバータ(図示せず)などの電子回路が内蔵されている。
PDU42(Power Drive Unit)は、インバータ回路(図示せず)などで構成され、燃料電池11やバッテリ(図示せず)から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、走行モータ43を含む負荷に供給する。
走行モータ43は、例えば、永久磁石同期式の三相交流モータであり、PDU42によって変換された3相交流電力で燃料電池車の駆動輪を回転駆動させる。
<制御系>
ECU50(制御手段:Electric Control Unit)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェースなどの電子回路を備えて構成され、その内部に記憶したプログラムに従って各種機能を発揮する。
ECU60は、インジェクタ23A,23BをPWM(Pulse Width Modulation)制御する機能を備えている。すなわち、ECU60は、インターバルに対するインジェクタ23A,23Bに出力する開指令(開弁時間[Ti値]、ONデューティ)の比率を可変にすることで、インジェクタ23A,23Bの水素噴射量を制御する機能を備えている。
<その他機器>
アクセル61は、燃料電池11が搭載された燃料電池車を運転する際、運転者によって踏まれるペダルであり、運転席の足元に配置されている。また、アクセル61は、その開度(つまり、踏み込み量)を示すアクセル開度情報をECU50に出力するようになっている。
<ECU50の構成>
図2は、ECU50のうち、インジェクタの制御に関わる部分の構成を示すブロック図である。
燃料ガス要求量算出部501(燃料ガス要求量算出手段)は、燃料電池11の発電に要する水素量を算出する。すなわち、燃料ガス要求量算出部501は、燃料電池11の目標発電電流、アノード流路11aの目標圧力、パージ弁25が開弁した際のパージ量などに基づいて、燃料電池11に供給すべき水素量(燃料ガス要求量)を算出する。
ちなみに、目標発電電流は、前記したアクセル開度情報に応じて算出され、アクセル61の開度と正の相関関係を有している。アノード流路11aの目標圧力は、配管a4(図1参照)などに設置される圧力センサ(図示せず)の検出値などに基づいて算出される。パージ量は、パージ弁25の開弁時間に基づいて算出される。
INJ Aインターバル設定部502(インターバル設定手段)は、燃料ガス要求量算出部501によって算出される燃料ガス要求量に応じて、インジェクタ23Aのインターバル(第1インターバル)を設定する。
前記したように、「インターバル」とは、インジェクタ23A(又は23B)を開閉する際の1サイクルに要する時間(図5(b)のInt(A)など)を意味している。本実施形態では、一例として、インジェクタ23AのインターバルInt(A)を一定とする場合について説明するが、燃料ガス要求量に応じてインターバルInt(A)の長さを変化させてもよい。
第1比較部503は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻(例えば、図5の時刻t1)において、燃料ガス要求量を閾値Q1(第1閾値:図5(a)参照)と比較し、その比較結果をINJ A噴射量算出部504及びINJ Bインターバル設定部507に出力する。
ちなみに、前記した閾値Q1は、インジェクタ23AのインターバルInt(A)において、インジェクタ23Aのみから最大限のONデューティで水素を噴射した場合、燃料ガス要求量に対応する量の水素を供給できるか否かの判定基準となる値である。
INJ A噴射量算出部504(第1開弁時間算出手段)は、INJ Aインターバル設定部502によって設定されるインジェクタ23Aのインターバルにおいて、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量(つまり、開弁時間[Ti値]、ONデューティ)を算出する。なお、インジェクタ23Aの開弁時間は、燃料ガス要求量算出部501から入力される燃料ガス要求量に応じて算出される。
INJ B噴射量算出部505(第2開弁時間算出手段)は、燃料ガス要求量が閾値Q1以上である場合において、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量(つまり、開弁時間[Ti値]、ONデューティ)を算出する。なお、当該噴射量は、燃料ガス要求量からインジェクタ23Aの噴射量を減算することで求められる。
つまり、本実施形態においてインジェクタ23Bは、燃料ガス要求量に対してインジェクタ23Aの噴射量では足りない分の水素を補う機能を有している。
INJ B噴射タイミング設定部506(噴射開始時刻設定手段)は、インジェクタ23Bの噴射終了時刻(図5の時刻t4)が、インジェクタ23Aのインターバル(図5(b)のInt(A))の終了時刻と一致するようにインジェクタ23Bの開弁時刻(図5の時刻t2)を設定する。
INJ Bインターバル設定部507(インターバル設定手段)は、燃料ガス要求量が閾値Q1(図5(a)参照)以上である場合、インジェクタ23Bのインターバル(図5(c)のInt(B1))が、インジェクタ23Aのインターバル(図5(b)のInt(A))と同一区間となるように設定する。
また、INJ Bインターバル設定部507は、燃料ガス要求量が閾値Q1未満である場合、インターバルInt(A)内におけるインジェクタ23Aの閉弁時間(例えば、図5(b)の時刻t5〜t7)をインジェクタ23Bのインターバル(図5(b)のInt(B2))として設定する。
INJ B噴射量確定時刻設定部508は、インジェクタ23Aが開弁(ON)から閉弁(OFF)に切り替わる時刻(つまり、インジェクタ23Bのインターバルが開始される時刻:例えば、図5の時刻t5)を設定する。
燃料ガス要求量積算部509(燃料ガス要求量増加分算出手段)は、インジェクタ23Aの開弁時間(例えば、図5の時刻t4〜t5)における燃料ガス要求量を所定のサイクルタイムごとに積算する(逐次的に和をとる)。つまり、燃料ガス要求量積算部509は、インジェクタ23Aが開弁してからインジェクタ23Bのインターバルが開始するまでの燃料ガス要求量の増加分を算出する。
INJ A実噴射量積算部510は、インジェクタ23Aが開弁してからインジェクタ23Bのインターバルが開始されるまで間(例えば、図5の時刻t4〜t5)において、実際にインジェクタ23Aから噴射された水素量を算出する。
加減算器511は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻(例えば、図5の時刻t4)において算出された燃料ガス要求量から、前記したインジェクタ23Aの実噴射量を減算する。
加算器512は、燃料ガス要求量積算部509から入力される燃料ガス要求量の増加分と、加減算器511から入力される値との和を算出し、第2比較部513に出力する。すなわち、加算器512から出力される値は、インジェクタ23Bのインターバル開始時刻において、インジェクタ23Aのみでは足りない分の水素量である。
第2比較部513は、加算器512から入力される値と、所定の閾値Q1、Q2,Q3(Q1>Q2>Q3:図5(a)参照)とを比較し、その比較結果をINJ B噴射量算出部514に出力する。
INJ B噴射量算出部514(第2開弁時間算出手段)は、加算器512から入力される値と、第2比較部513での比較結果とに基づいて、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。
INJ B噴射タイミング設定部515(噴射開始時刻設定手段)は、INJ Bインターバル設定部507から入力されるインターバルと、INJ B噴射量算出部514から入力される噴射量とに基づいて、インジェクタ23Bの噴射タイミング(開弁時刻)を設定し、インジェクタ23Bに出力する。
<燃料電池システムの動作>
以下では、図3、図4に示すフローチャートについて、図5のタイムチャートを参照しつつ説明する。なお、図3、図4に示すフローチャートは、インジェクタ23A,23Bの一回分のインターバル(例えば、図5に示す時刻t1〜t4、時刻t4〜t7、時刻t7〜t10など)において実行される処理に対応している。すなわち、ECU50は、インジェクタ23A,23Bのインターバル毎にステップS101〜S127の処理を逐次繰り返す。
図3のステップS101においてECU50(燃料ガス要求量算出部501)は、燃料ガス要求量を算出する。すなわち、ECU50は、燃料電池11の目標発電電流、アノード流路11aの目標圧力、パージ弁25が開弁した際のパージ量などに基づいて、燃料電池11に供給すべき水素量を算出する。
ステップS102においてECU50(INJ Aインターバル設定部502)は、ステップS101において算出した燃料ガス要求量に基づいてインジェクタ23Aのインターバルを設定する。ちなみに、図5(b)に示す例では、インジェクタ23AのインターバルInt(A)を一定(例えば、100msec)とした例を示している。
ステップS103においてECU50(第1比較部503)は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻にける燃料ガス要求量が、閾値Q1(第1閾値)以上であるか否かを判定する。燃料ガス要求量が閾値Q1以上である、つまり、高出力が要求されている場合(S103→Yes)、ECU50の処理はステップS104に進む。
なお、以下のステップS104〜S107は、インジェクタ23Bによる水素供給のアシストが確実に必要な場合の処理であり、図5に示す時刻t1〜t4のインターバルInt(A),Int(B1)に対応している(図5(a)の時刻t1において、燃料ガス要求量が閾値Q1を上回っている)。
図3のステップS104においてECU50(INJ Bインターバル設定部507)は、ステップS101において算出した燃料ガス要求量に応じてインジェクタ23Bのインターバルを設定する。
すなわち、ステップS104においてECU50は、インジェクタ23Bのインターバルを、インジェクタ23Aのインターバルと同一区間に設定する(図5のInt(B1)をInt(A)と同一区間とする)。これによって、インジェクタ23Bの開弁開始時刻を、インジェクタ23AのインターバルInt(A)内における任意の時刻に設定できる。したがって、燃料電池11の燃料ガス要求量に応じた大流量の燃料ガスを供給できる。
なお、本実施形態においてECU50は、図5(b)に示すように、一回のインターバルにおいてインジェクタ23Aを開(ON)→閉(OFF)の順に開閉し、インジェクタ23Bを閉(OFF)→開(ON)(又は、閉→開→閉:時刻t14〜t17参照)の順に開閉する。
ステップS105においてECU50(INJ A噴射量算出部504)は、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。なお、燃料ガス要求量の値がQ1以上であるため(S103→Yes)、ECU50はインジェクタ23AのTi値を最大(例えば、90%)に設定する。前記したように、インジェクタ23A,23Bには、通電から実際に開弁するまでのタイムラグ(無効時間)が存在するため、Ti値が最大の場合でも100%未満の値となる。
ステップS106においてECU50(INJ B噴射量算出部505)は、燃料ガス要求量からインジェクタ23Aの噴射量を減算することによって、インジェクタ23Bの噴射量を算出する。
ステップS107においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部506)は、インジェクタ23Bの噴射タイミングを設定する。すなわち、ECU50は、少なくともインジェクタ23Aの閉弁中にインジェクタ23Bが開弁状態となるように、インジェクタ23Bの噴射開始時刻を設定する。
これによって、インジェクタ23Aの開弁中にインジェクタ23Bの開弁が開始されるため、燃料ガス要求量が閾値Q1以上である場合でも連続的に水素を供給できる。
図5に示す例においてECU50は、インジェクタ23Bの閉弁時刻(図5の時刻t4)が、インジェクタ23Aのインターバル(図5(b)のInt(A))の終了時刻と一致するようにインジェクタ23Bの開弁時刻(図5の時刻t2)を設定する。
ステップS108においてECU50は、ステップS101〜S107の処理において設定したインターバル、噴射量、噴射タイミングに基づいてインジェクタ23A,23Bを開閉制御する。
また、燃料ガス要求量が閾値Q1未満、つまり、低出力が要求されている場合(S103→No)、ECU50の処理はステップS109に進む。なお、ステップS109〜S127の処理は、インジェクタ23Bによる水素供給の要否判定を、インジェクタ23Aの閉弁時刻(例えば、図5の時刻t5)に行う場合に対応している。
ステップS109においてECU50(INJ A噴射量算出部504)は、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。当該水素量は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻(例えば、図5の時刻t4)における燃料ガス要求量の値に応じて算出される。
ステップS110においてECU50(INJ Bインターバル設定部507)は、インジェクタ23Bのインターバルを設定する。すなわち、ECU50は、インジェクタ23Aの閉弁時間(例えば、図5の時刻t5〜t7)を、インジェクタ23Bのインターバルとして設定する。
ちなみに、インジェクタ23Aの閉弁時間は、インジェクタ23Aのインターバル(図5のInt(A))から、インジェクタ23Aの開弁時間(図5の時刻t4〜t5)を減算することで求められる。
また、例えば図5(c)に示す時刻t4〜t5の区間は、インジェクタ23Bのインターバルに含まれていない。当該区間においてECU50は、インジェクタ23Aの開弁時間が終了したか否かを監視しており、インジェクタ23Bは閉弁状態となっている。
ステップS111においてECU50は、ステップS109で算出した噴射量を供給するようにインジェクタ23Aを開弁する。
ステップS112においてECU50(燃料ガス要求量積算部509)は、インジェクタ23Aが開弁している時間における燃料ガス要求量の増加分を、所定のサイクルタイム(例えば、10msec)ごとに積算する。
ステップS113においてECU50(INJ B噴射量確定時刻設定部508)は、インジェクタ23Bの噴射量確定時刻、つまり、インジェクタ23Aが開弁(ON)から閉弁(OFF)に切り替わる時刻(例えば、図5の時刻t5)になったか否かを判定する。
インジェクタ23Bの噴射量確定時刻になった場合(S113→Yes)、ECU50の処理はステップS114に進む。なお、インジェクタ23Bの噴射量確定時刻においてインジェクタ23Aは、開弁状態から閉弁状態に切り替わる。一方、インジェクタ23Bの噴射量確定時刻よりも前である場合(S113→No)、ECU50の処理はステップS112に戻る。
ステップS114においてECU50(加減算器511、加算器512)は、前記したインジェクタ23Bの噴射量確定時刻における燃料ガス要求量を算出する。
すなわち、ECU50は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻(例えば、図5の時刻t4)において算出した燃料ガス要求量からインジェクタ23Aの開弁時間(図5の時刻t4〜t5)における実噴射量を減算し、さらに時刻t4〜t5における燃料ガス要求量の増加分を加算する。これによって、インジェクタ23Aの閉弁時(図5の時刻t5)において実質的にインジェクタ23Bに要求される水素量を算出できる。
図4のステップS115においてECU50(第2比較部513)は、ステップS114で算出した燃料ガス要求量が閾値Q1以上であるか否かを判定する。燃料ガス要求量が閾値Q1以上である場合(S115→Yes)、ECU50の処理はステップS116に進む。
ステップS116においてECU50(INJ B噴射量算出部514)は、ステップS114で算出した燃料ガス要求量と、ステップS115の比較結果とに基づいて、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。
例えば、図5の時刻t7における燃料ガス要求量はQ1未満であり(S103→No)、比較的小さな値となっている。その後、アクセル61の開度が急増加して燃料ガス要求量が急増し、時刻t8の燃料ガス要求量はQ1以上となっている(S115→Yes)。
このような場合、ECU50は、インジェクタ23BのTi値が最大となるように設定する。これによって、燃料ガス要求量が急増した場合でも即座に対応できる。
ステップS117においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部515)は、インジェクタ23Bのインターバルと噴射量とに基づいて、インジェクタ23Bの噴射タイミング(開弁時刻)を設定し、インジェクタ23Bに出力する。
すなわち、ECU50は、インジェクタ23Aの閉弁時刻(例えば、図5の時刻t8)における燃料要求量がQ1以上である場合(S115→Yes)、インジェクタ23Bの閉弁時刻(図5の時刻t10)がインジェクタ23AのインターバルInt(A)の終了時刻に一致するように、インジェクタ23Bの噴射タイミング(図5の時刻t8)を設定する。これによって、インジェクタ23Aの閉弁後においてさらに燃料ガス要求量が増加した場合でも適切に水素を供給し、ストイキ不足を回避できる。
ステップS118においてECU50は、ステップS116,S117で設定した噴射量・噴射タイミングに基づいてインジェクタ23Bを開閉制御する。
また、燃料ガス要求量が閾値Q1未満である場合(S115→No)、ECU50の処理はステップS119に進む。ステップS119においてECU50(第2比較部513)は、ステップS114で算出した燃料ガス要求量が閾値Q2(第2閾値)以上であるか否かを判定する。
なお、閾値Q2は、前記した閾値Q1よりも小さい値であり、予め設定されて記憶手段(図示せず)に格納されている。閾値Q2は、インジェクタ23Aの閉弁時間においてインジェクタ23Bによる水素供給のアシストが必要であるか否かの判定基準となる値である。
燃料ガス要求量が閾値Q2以上である場合(S119→Yes)、ECU50の処理はステップS120に進む。
ステップS120においてECU50(INJ B噴射量算出部514)は、ステップS114で算出した燃料ガス要求量と、ステップS119の比較結果とに基づいて、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。例えば、ECU50は、図5の時刻t11における燃料ガス要求量(Q2以上Q1未満)に応じてインジェクタ23BのTi値を算出する。
ステップS121においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部515)は、インジェクタ23Bのインターバルと噴射量とに基づいて、インジェクタ23Bの噴射タイミングを設定し、インジェクタ23Bを開閉制御する(S118)。
すなわち、ECU50は、インジェクタ23Bの閉弁時刻(例えば、図5の時刻t13)が、インジェクタ23AのインターバルInt(A)の終了時刻に一致するように、インジェクタ23Bの噴射タイミング(図5の時刻t12)を設定する。
このように、インターバルの後半部分でインジェクタ23Bを開弁することで、インジェクタ23Aの閉弁時間内に燃料ガス要求量が増大した場合のストイキ不足を回避できる。
ステップS119において燃料ガス要求量が閾値Q2未満である場合(S119→No)、ECU50の処理はステップS122に進む。ステップS122においてECU50(第2比較部513)は、ステップS114において算出した燃料ガス要求量が閾値Q3(第3閾値)以上であるか否かを判定する。
なお、閾値Q3は、前記した閾値Q2よりも小さい値であり、予め設定されて記憶手段(図示せず)に格納されている。閾値Q3は、インジェクタ23AのインターバルInt(A)開始時において、当該インターバルInt(A)内でインジェクタ23Bによる水素供給のアシストが不要であるか否かの判定基準となる値である。
燃料ガス要求量が閾値Q3以上である場合(S122→Yes)、ECU50の処理はステップS123に進む。
ステップS123においてECU50(INJ B噴射量算出部514)は、ステップS114で算出した燃料ガス要求量と、ステップS122の比較結果とに基づいて、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。例えば、ECU50は、図5の時刻t14における燃料ガス要求量(Q3以上Q2未満)に応じてインジェクタ23BのTi値を算出する。
ステップS124においてECU50は、(INJ B噴射タイミング設定部515)は、図3のステップS110で設定したインジェクタ23Bの連続閉弁時間が、所定値Δt1以上であるか否かを判定する。前記した「連続閉弁時間」は、インジェクタ23BのインターバルInt(B)から、インジェクタ23Bの開弁時間を減算することで算出される。なお、所定値Δt1は、インジェクタ23AのインターバルInt(A)よりも短い時間であり、予め設定されている。
インジェクタ23Bの連続閉弁時間が所定値Δt1以上である場合(S124→Yes)、ECU50の処理はステップS125に進む。
ステップS125においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部515)は、インジェクタ23Bを開弁時間(図5の時刻t15〜t16)がインジェクタ23BのインターバルInt(B5)の略中盤となるように、インジェクタ23Bの噴射タイミング(図5の時刻t15)を設定し、インジェクタ23Bを開閉制御する(S118)。
つまり、ECU50は、インターバルInt(B5)内におけるインジェクタ23Bの連続閉弁時間が所定値以上とならないように、インジェクタ23Bの噴射開始時刻を設定する。これによって、インジェクタ23A,23Bから供給される水素を連続流に近づけ、ストイキ不足を回避できる。
また、インジェクタ23Bの連続閉弁時間が所定値Δt1未満である場合(S124→No)、ECU50の処理はステップS126に進む。
ステップS126においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部515)は、インジェクタ23Bを閉弁する時刻(例えば、図5の時刻t7)がインジェクタ23AのインターバルInt(A)の終了時刻に一致するように、インジェクタ23Bの噴射タイミング(図5の時刻t6)を設定し、インジェクタ23Bを開閉制御する(S118)。
これによって、例えば、図5の時刻t5〜t7の間に燃料ガス要求量が増大した場合でも、インターバルの後半部分でインジェクタ23Bを開弁することによって適切に水素供給できる。
ステップS122において燃料ガス要求量が閾値Q3未満である場合(S122→No)、ECU50の処理はステップS127に進む。ステップS127においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部515)は、インジェクタ23Bの噴射量をゼロに設定する。
例えば、図5に示す時刻t18における燃料ガス要求量は、閾値Q3未満となっている。この場合、インジェクタ23BのインターバルInt(B6)の間で燃料ガス要求量が増加する可能性は低いため、ECU50は、インジェクタ23BのTi値をゼロに設定する。これによって、無駄な水素供給を防止し、水素を効率的に利用できる。
<効果>
本実施形態に係る燃料電池システムS1によれば、インジェクタ23A,23Bの各インターバルにおいて基本的にインジェクタ23Aから水素を噴射し、エゼクタ24(図1参照)を介してアノード流路11aに水素を供給することとした。これによって、エゼクタ24のノズル24p(図示せず)の周囲で負圧が発生し、配管a4、アノード流路11a、配管a5,a6を含む循環流路で未反応の水素が循環するため、水素を効率的に利用できる。
また、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻において燃料ガス要求量が閾値Q1以上である場合(S103→Yes)、ECU50は、インジェクタ23AのTi値を最大とし(S105)、かつ、足りない分の水素をインジェクタ23Bによってアシストすることとした(S106)。したがって、インジェクタ23Aのインターバル開始時から大流量の水素が必要である場合にも適切に対応できる。
また、この場合においてインジェクタ23Bの閉弁時刻(図5の時刻t4)をインジェクタ23Aのインターバル終了時刻に一致させるようにした(S107)。これによって、インジェクタ23Aのインターバル区間で連続的に水素供給を行うことができる。その結果、ストイキ不足を確実に回避し、燃料電池11の発電性能を向上できる。
また、インジェクタ23Aのインターバル開始時において燃料ガス要求量が閾値Q1未満である場合(S103→No)、ECU50は、インジェクタ23Aのインターバル閉弁時における燃料ガス要求量に応じてインジェクタ23Bの噴射量(開弁時間[Ti値])を算出することとした。このように、インジェクタ23Bの噴射量をインジェクタ23Aの閉弁時に算出することで、インジェクタ23Aの閉弁時間において対応し切れない分の燃料ガスをインジェクタ23Bによって過不足なくアシストできる。
また、インジェクタ23Bの噴射量の算出タイミングを、インジェクタ23Aの噴射量の算出タイミングよりも遅らせることによって、燃料ガス要求量が急増した場合でも即座に対応し、ストイキ不足を回避できる。さらに、インジェクタ23A,23Bを時間的に交互に開弁することで、水素の供給を連続流に近づけることができる。
また、インジェクタ23Bの連続閉弁時間が比較的短い場合(S124→No)、当該インターバルの後半でインジェクタ23Bを開弁することとした(S126)。これによって、インジェクタ23Aの閉弁時間内に燃料ガス要求量が増加した場合でも、インジェクタ23Bから噴射される水素によって不足分を補うことができる。
このように、本実施形態では、インジェクタ23Aの開弁開始時と開弁終了時とにおいて燃料ガス要求量を算出し、その算出結果に応じてインジェクタ23Bの噴射量・噴射タイミングを設定することで、水素を過不足なく適切に供給できる。その結果、燃料電池11におけるストイキ不足の発生を防止し、燃料電池システムS1の発電性能を向上できる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、第1実施形態と比較して、インジェクタ23Bと並列に接続されるインジェクタ23C(図示せず)を追加した点、及び各インジェクタの制御方法が異なるが、その他の点は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、第1実施形態と重複する点については説明を省略する。
インジェクタ23C(図示せず)は、前記したように、インジェクタ23Bと並列に接続されている。つまり、インジェクタ23Cの上流側は配管(図示せず)を介して配管a2(図1参照)に接続され、インジェクタ23Cの下流側は配管(図示せず)を介して配管a4(図1参照)に接続されている。
なお、本実施形態においてインジェクタ23Cが有するノズルの口径は、インジェクタ23Bが有するノズルの口径よりも小さいものとする。
<燃料電池システムの動作>
次に、図6、図7に示すフローチャートについて、図8のタイムチャートを参照しつつ説明する。なお、図6、図7のフローチャートにおいて第1実施形態で説明した処理(図3、図4)と同様であるものについては、同じステップ番号を用いた。
図6のステップS101〜S103は、第1実施形態で説明したステップS101〜S103(図3参照)と同様である。
次に、ステップS201においてECU50は、ステップS101で算出した燃料ガス要求量に応じてインジェクタ23B,23Cのインターバルを設定する。
すなわち、ステップS201においてECU50は、インジェクタ23B,23CのインターバルInt(B),Int(C)を、インジェクタ23AのインターバルInt(A)と同一区間に設定する。これは、図5(b),(c)の時刻t1〜t4に示すように、インジェクタ23Aとインジェクタ23Bとを時間的に重複して開弁させ、かつ、インジェクタ23Cを閉弁状態とするためである。
図6のステップS105〜S107,S108は、第1実施形態で説明したステップS105〜S107,S108(図3参照)の処理と同様である。つまり、ECU50は、時刻t1において算出した燃料ガス要求量を満たすようにインジェクタ23A,23Bの噴射量などを算出する。
次に、ステップS202においてECU50は、インジェクタ23Cの噴射量をゼロとする。すなわち、燃料ガス要求量がQ1以上である場合(S103→Yes)、ECU50はインジェクタ23A,23Bのみを用いて水素供給を行う。このように、ノズルの口径が大きいインジェクタ23Bを用いることで、インジェクタ23Aの水素供給を適切にアシストできる。
なお、インジェクタ23B,23Cを略同じ頻度で使用するために、インジェクタ23Bに代えてインジェクタ23Cを開弁してもよい。
燃料ガス要求量が閾値Q1以下である場合(S103→No)、ECU50はインジェクタ23Aの噴射量を算出した後(S109)、インジェクタ23B,23Cのインターバルを設定し(S203)、インジェクタ23Aを開弁する(S111)。すなわち、ステップS203においてECU50は、インジェクタ23Aの閉弁時間(例えば、図8の時刻t8〜t10)をインジェクタ23B,23CのインターバルInt(B3),Int(C3)として設定する。
次に、ECU50は燃料ガス要求量の増加分を算出し(S112)、インジェクタ23B,23Cの噴射量確定時刻(例えば、図8の時刻t5)になったか否かを判定する(S204)。
インジェクタ23B,23Cの噴射量確定時刻となった場合(S204→Yes)、ECU50の処理はステップS114に進む。一方、インジェクタ23B,23Cの噴射量確定時刻となっていない場合(S204→No)、ECU50の処理はステップS112に戻る。
次に、ECU50は、インジェクタ23Aの開弁終了時刻における燃料ガス要求量を算出し(S114)、図7のステップS205において燃料ガス要求量が閾値Q2以上であるか否かを判定する。前記したように、閾値Q2は閾値Q1よりも小さい値であり、予め設定されている。
ステップS206においてECU50は、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量を算出する。次に、ステップS207においてECU50は、インターバルInt(B)の後半で開弁するようにインジェクタ23Bの噴射タイミングを設定する(例えば、図8の時刻t9,t12)。
前記したように、インジェクタ23Bのノズルの口径は比較的大きいため、Ti値を適宜設定することにより、閾値Q2以上の燃料ガス要求量に対応して噴射量を適切に制御できる。
また、ノズルの口径が大きいインジェクタ23Bを用いて水素供給を行うことで、短時間の通電で大流量の水素を噴射できる。したがって、インジェクタ23Bへの通電時間を短縮し、インジェクタ23Bの消費電力を低減できる。
ステップS208においてECU50は、インジェクタ23Cの噴射量をゼロに設定すし、インジェクタ23Bを開閉制御する(S209)。
また、燃料ガス要求量が閾値Q2未満である場合(S205→No)、ECU50の処理はステップS210に進む。ステップS210においてECU50は、インジェクタ23Bの噴射量をゼロに設定する。
ステップS211においてECU50は、ステップS114において算出した燃料ガス要求量が閾値Q3以上であるか否かを判定する。前記したように、閾値Q3は閾値Q2よりも小さい値であり、予め設定されている。
燃料ガス要求量が閾値Q3以上である場合(S211→Yes)、ECU50の処理はステップS212に進む。ステップS212においてECU50は、インジェクタ23Cから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。例えば、ECU50は、図8の時刻t5における燃料ガス要求量(Q3以上Q2未満)に応じてインジェクタ23CのTi値を算出する。
ステップS213においてECU50は、インジェクタ23Cの連続閉弁時間が所定値Δt2以上であるか否かを判定する。なお、所定値Δt2は、インジェクタ23AのインターバルInt(A)よりも短い時間であり、予め設定されている。
インジェクタ23Cの連続閉弁時間が所定値Δt2以上である場合(S213→Yes)、ECU50の処理はステップS214に進む。ステップS214においてECU50は、インジェクタ23Cの開弁時間(図8の時刻t15〜t16)がインジェクタ23CのインターバルInt(C5)の略中盤となるように、インジェクタ23Cの噴射タイミング(図8の時刻t15)を設定し、インジェクタ23Cを開閉制御する(S215)。
また、インジェクタ23Cの連続閉弁時間が所定値Δt2未満である場合(S213→No)、ECU50の処理はステップS216に進む。ステップS216においてECU50は、インターバルInt(C2)の後半で開弁するようにインジェクタ23Cの噴射タイミングを設定し(例えば、図8の時刻t6)、インジェクタ23Cを開閉制御する(S217)。
ステップS211において燃料ガス要求量が閾値Q3未満である場合(S211→No)、ECU50の処理はステップS218に進む。ステップS218においてECU50は、インジェクタ23Cの噴射量(開弁時間[Ti値])をゼロに設定する。
このように、本実施形態では、インジェクタ23Aの閉弁時における燃料ガス要求量が閾値Q2未満である場合(S205→No)、ノズルの口径が小さいインジェクタ23Cを用いて水素供給をアシストすることとした。これによって、水素噴射量をきめ細かく制御し、燃料電池11に対して水素を過不足なく供給できる。
<効果>
本実施形態では、互いにノズルの口径の異なるインジェクタ23B,23Cによってインジェクタ23Aの水素供給をアシストする構成とした。
仮に、燃料ガス要求量が急増した場合(S205→Yes)、インジェクタ23BのTi値を適宜調整することで不足分の水素を即座に供給し、ストイキ不足を回避できる。また、インジェクタ23Bとしてノズルの口径の大きいものを用いることで通電時間を短縮し、インジェクタ23Bに要する消費電力を低減できる。
また、インジェクタ23Aの閉弁時における燃料ガス要求量が閾値Q2未満である場合(S205→No)、インジェクタ23Cを開弁することによって、インジェクタ23Aの水素供給をアシストする。このように、ノズルの口径の小さいインジェクタ23CのTi値を適宜調整することで、燃料ガス要求量に応じて過不足なく水素を供給できる。
≪第3実施形態≫
次に、図9〜図18を参照しつつ、第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、アノード流路11aを通流する水素の圧力を目標圧力P0(図13参照)に一致させるようにフィードバック制御を行う点、及びECU50の構成が第1実施形態とは異なるが、その他は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
アノード流路11a(図1参照)の流入口に接続される配管a4には、アノード流路11aに向かう水素の圧力(以下、アノード圧力と記す。)を検出する圧力センサ(図示せず)が設置されている。ECU50(図9参照)は、制御量であるアノード圧力を目標圧力P0と比較し、その比較結果に応じて、アノード圧力を目標圧力P0に一致させるようにインジェクタ23A,23Bを制御する。なお、本実施形態において目標圧P0は、固定値である。
<ECUの構成>
図9は、本実施形態に係る燃料電池システムが備えるECUのうち、インジェクタの制御に関わる部分の構成を示すブロック図である。
加減算器521は、前記した目標圧力P0からアノード圧力を減算することで偏差ΔPを算出し、この偏差ΔPをINJ A噴射量算出部522、INJ B噴射量算出部523、及び偏差比較部524に出力する。なお、目標圧力P0は、燃料電池11に供給される水素量(燃料ガス供給量)の目標値に対応している。
INJ A噴射量算出部522は、加減算器521から入力される偏差ΔPに基づいて、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量(開弁時間[Ti値])を算出する。なお、偏差ΔPが大きいほど(つまり、目標圧力P0に対するアノード圧力の不足分が大きいほど)、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量も多くなる。INJ A噴射量算出部522は、算出した水素量をINJ B噴射量算出部523、INJ Bインターバル設定部525、及びINJ A駆動制御部528に出力する。
INJ B噴射量算出部523は、加減算器521から入力される偏差ΔPと、INJ A噴射量算出部522から入力される水素量と、に基づいて、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量を算出する。すなわち、INJ B噴射量算出部523は、インジェクタ23Aのみでは不足する分の水素量を補うように、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量を算出する。INJ B噴射量算出部523は、算出した水素量をINJ B噴射タイミング設定部526及びINJ B駆動制御部529に出力する。
また、アノード圧力が閾値P1以下である旨の情報が圧力比較部527から入力された場合、INJ B噴射量算出部523は、その比較結果に基づいてインジェクタ23Bの噴射量を算出する。
偏差比較部524は、インジェクタ23Aのインターバル開始時刻において、加減算器521から入力される偏差ΔPと、所定の閾値ΔPα,ΔPβ(ΔPα>ΔPβ)と、をそれぞれ比較する。偏差比較部524は、その比較結果をINJ Bインターバル設定部525及びINJ B噴射タイミング設定部526に出力する。なお、閾値ΔPα,ΔPβについては後記する。
INJ Bインターバル設定部525は、INJ A噴射量算出部522から入力される噴射量と、偏差比較部524から入力される比較結果と、に基づいて、インジェクタ23Bのインターバルを設定する。例えば、インターバル開始時刻における偏差ΔPが比較的大きい(ΔPα以上である)場合、INJ Bインターバル設定部525は、インジェクタ23BのインターバルInt(B1)を、インジェクタ23AのインターバルInt(A)に一致させる(図13の時刻t1〜t4)。
INJ B噴射タイミング設定部526は、INJ B噴射量算出部523から入力されるインジェクタ23Bの噴射量と、偏差比較部か524から入力される比較結果と、INJ Bインターバル設定部525から入力されるインターバルと、に基づいて、インジェクタ23Bの噴射タイミング(開弁時刻)を算出する。INJ B噴射タイミング設定部526は、算出した噴射タイミングをINJ B駆動制御部529に出力する。
また、アノード圧力が閾値P1以下である旨の情報が圧力比較部527から入力された場合、INJ B噴射タイミング設定部526は、改めてインジェクタ23Bの開弁時刻を設定する(図13(c)の時刻t19)。
圧力比較部527は、所定時間(例えば、10msec)ごとにアノード圧力を目標圧力P0及び閾値P1と比較し、その比較結果をINJ A駆動制御部528及びINJ B駆動制御部529に出力する。なお、閾値P1については後記する。
INJ A駆動制御部528は、INJ A噴射量算出部522及び圧力比較部527から入力される信号に応じて、インジェクタ23Aの駆動を制御する。
INJ B駆動制御部529は、INJ B噴射量算出部523、INJ B噴射タイミング設定部526、及び圧力比較部527から入力される信号に応じて、インジェクタ23Bの駆動を制御する。
<燃料電池システムの動作>
以下では、ECU50が実行する通常制御、起動時制御、及び高出力時制御について順次説明する。まず、図10〜図12のフローチャート及び図13のタイムチャートを参照しつつ、通常制御について説明する。なお、通常制御を行う際、インジェクタ23AのインターバルInt(A)を一定とし、アノード圧力の変化に応じてインジェクタ23BのインターバルInt(B)を調整するようにした。
<通常制御>
インジェクタ23Aのインターバル開始時(START)、ステップS301においてECU50(加減算器521)は、目標圧力P0に対するアノード圧力の偏差ΔP(つまり、不足分)を算出する。
ステップS302においてECU(偏差比較部524)は、ステップS301で算出した偏差ΔPが、閾値ΔPα以上であるか否かを判定する。前記した閾値Pαは、インジェクタ23Aのみから最大のONデューティで水素を噴射した場合、インターバルInt(A)内で偏差ΔPを所定値以下まで低減できるか否かの判定基準となる値である。図13(a)に示すように、本実施形態では、(閾値Pα)=(目標圧力P0)−(所定値P1)とした。
偏差ΔPが閾値Pα以上である場合(S302→Yes)、ECU50の処理はステップS303に進む。この場合、目標圧力P0に対するアノード圧力の不足分が大きく高出力が要求されるため、インジェクタ23Bによるアシストが確実に必要になる(図13(a)の時刻t1)。
ステップS303においてECU50(INJ Bインターバル設定部525)は、インジェクタ23BのインターバルInt(B1)を、インジェクタ23AのインターバルInt(A)に一致させる(図13の時刻t1〜t4)。
ステップS304においてECU50(INJ A噴射量算出部522)は、インジェクタ23Aから噴射すべき水素量を算出する。例えば、ECU50は、インジェクタ23AのTi値の上限値(例えば、90%)に対応する水素量を算出する。
ステップS305においてECU50(INJ B噴射量算出部523)は、インジェクタ23Bから噴射すべき水素量を算出する。すなわち、ECU50は、目標圧力P0に対するアノード圧力の偏差を小さくして、インジェクタ23Aの噴射量の不足分を補うようにインジェクタ23Bの噴射量を算出する。
ステップS306においてECU50(INJ B噴射タイミング設定部526)は、インジェクタ23Bの開弁期間の少なくとも一部がインジェクタ23Aの閉弁期間に重なるように、インジェクタ23Bの噴射タイミングを設定する。
すなわち、ECU50は、インジェクタ23Bの閉弁時刻(図13の時刻t4)が、インジェクタ23Aのインターバル(図13のInt(A))の終了時刻と一致するようにインジェクタ23Bの開弁時刻(図13の時刻t2)を設定する。このようにインジェクタ23Bの噴射タイミングを設定することで、大流量の水素を連続的に供給できる。
図11のステップS307においてECU50(INJ A駆動制御部528は、インジェクタ23Aを開弁する(図13の時刻t1)。
ステップS308においてECU50(圧力比較部527)は、アノード圧力が目標圧力P0以下であるか否かを判定する。アノード圧力が目標圧力P0以下である場合(S308→Yes)、ステップS309においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23Bの噴射開始時刻になっているか否かを判定する。
インジェクタ23Bの噴射開始時刻になっていない場合(S309→No)、ECU50の処理はステップS307に戻る。一方、インジェクタ23Bの噴射開始時刻になっている場合(S309→Yes)、ステップS310においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23Bを開弁する(図13の時刻t2)。
ステップS311においてECU50は、インジェクタ23Aの噴射時間が経過しているか否かを判定する。なお、当該噴射時間は、INJ A噴射量算出部522によって算出される噴射量に対応している。
インジェクタ23Aの噴射時間が経過していない場合(S311→No)、ECU50の処理はステップS307に戻る。一方、インジェクタ23Aの噴射時間が経過している場合(S311→Yes)、ステップS312においてECU50(INJ A駆動制御部528)は、インジェクタ23Aを閉弁する(図13の時刻t3)。
ステップS313においてECU50(圧力比較部527)は、アノード圧力が目標圧力P0以下であるか否かを判定する。アノード圧力Pが目標圧力P0以下である場合(S313→Yes)、ステップS314においてECU50(INJ B駆動制御部528)は、インジェクタ23Bの噴射時間が経過したか否かを判定する。
インジェクタ23Bの噴射時間が経過していない場合(S314→No)、ECU50の処理はステップS310に戻る。一方、インジェクタ23Bの噴射時間が経過している場合(S314→Yes)、ステップS315においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23Bを閉弁する(図13の時刻4)。
また、ステップS308においてアノード圧力Pが目標圧力P0を超えている場合(S308→Yes)、ステップS316においてECU50(INJ A駆動制御部528)は、インジェクタ23Aを閉弁する(図13の時刻t12、t18)。このように、アノード圧力が目標圧力P0を超えているとき、即座にインジェクタ23Aを閉弁することによって水素の無駄な消費を抑制できる。
ステップS317においてECU50(圧力比較部527)は、アノード圧力Pが閾値P1以上であるか否かを判定する。前記した閾値P1(図13(a)参照)は、インジェクタ23Bを開弁してアノード圧力を上昇させる必要があるか否かの判定基準となる値である。
アノード圧力が閾値P1以上である場合(S317→Yes)、ステップS318においてECU50は、インジェクタ23Bの今回のインターバルが終了したか否かを判定する。
インジェクタ23Bのインターバルが終了していない場合(S318→No)、ECU50の処理はステップS317に戻る。一方、インジェクタ23Bのインターバルが終了している場合(S318→Yes)、ECU50の処理は次のインターバルに移行する(END)。
また、ステップS317においてアノード圧力が閾値P1未満である場合(S317→No)、ステップS319においてECU50(INJ B噴射量算出部523)は、インジェクタ23Bの噴射量を算出する。例えば、ECU50は、ステップS319の処理時におけるアノード圧力に応じて、アノード圧力を目標圧力P0に近づけるようにインジェクタ23Bの噴射量を算出する。
ステップS320においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23Bを開閉する(図13の時刻t19,t20)。このように、インジェクタ23Aの閉弁によってアノード圧力が急低下した場合でも(S317→No)、インジェクタ23Bを開弁することで、アノード圧力を上昇させることができる。
図10のステップS302において偏差ΔPが閾値Pα以上でない場合(S302→No)、ECU50の処理はステップS321に進む。この場合、目標圧力P0に対するアノード圧力の不足分が比較的小さく低出力が要求されている。ステップS321においてECU50(INJ Bインターバル設定部525)は、インジェクタ23BのインターバルInt(B2)を、インジェクタ23Aの閉弁時間とする(例えば、図13の時刻t5〜t7)。
ステップS322においてECU50(偏差比較部524)は、偏差ΔPが閾値Pβ以上であるか否かを判定する。図13(a)に示す閾値Pβは、インジェクタ23Bの連続閉弁時間を所定値以下に抑えるために、インジェクタ23Bの噴射タイミング(インジェクタ23Aの閉弁直後か、閉弁時間の中盤か)を設定する際の判定基準となる閾値である。
偏差ΔPが閾値Pβ以上である場合(S322→Yes)、ステップS323,S324においてECU50は、インジェクタ23A,23Bの噴射量を順次算出する。ステップS325においてECU50は、インジェクタ23Bの開弁時刻をインジェクタ23Aの閉弁時刻に設定する(図13の時刻t5、t15)。これによって、インジェクタ23A,23Bによって連続的に水素を供給できる。
なお、ECU50は、インジェクタ23Bの開弁期間(例えば、図13の時刻t15〜t16)が、インジェクタ23Aの閉弁期間(図13の時刻t15〜t17)の中央付近の時刻を含むようにすることが好ましい。これによって、燃料電池11に供給される水素を連続流に近づけることができる。
ステップS322において偏差ΔPが閾値Pβ未満である場合(S322→No)、ステップS326,S327においてECU50は、インジェクタ23A,23Bの噴射量を順次算出する。
ステップS328においてECU50は、インジェクタ23Bの噴射開始時刻をインジェクタ23Aの閉弁時間の中盤に設定する(図13の時刻t9)。つまり、インジェクタ23A,23Bがいずれも閉弁している連続的な時間(例えば、時間(t9−t8):図13参照)が所定時間以上にならないように、インジェクタ23Bの開弁時刻を設定する。前記した所定時間は、燃料電池11でストイキ不足が生じないように適宜設定される。
インジェクタ23Bの噴射タイミングを設定した後(S325,S328)、ECU50の処理は図12のステップS307に進む。
図12に示す処理内容は、ECU50がインジェクタ23Aを閉弁した後(S312)、インジェクタ23Bの噴射開始時刻になった場合(S351→Yes)、インジェクタ23Bを開弁する点が(S352)、図11の処理と異なっている。なお、その他の処理については図11と同様である(図12のステップ番号は図11に対応している)。したがって、図12に示すフローチャートについては詳細な説明を省略する。
<起動時制御>
次に、システム起動時の制御について、図14のフローチャート、及び図15のタイムチャートを参照しつつ説明する。なお、起動時制御は、アノード流路11aに向けて水素ガスを投入する水素ガス投入処理と、アノード流路11aのガスを水素に置換するアノードガス置換処理と、を含んでいる(図15参照)。
ECU50は、起動スイッチ(IG)からON信号が入力された場合に起動時制御を開始する(START)。
ステップS401においてECU50は、インジェクタ23A,23Bのインターバル及びONデューティを読み込む。本実施形態では、システム起動時におけるインジェクタ23A,23Bのインターバルを固定値とし、各ONデューティも固定値とした(図15の時刻t1〜t2)。
ステップS402においてECU50(INJ A駆動制御部528)は、ステップS401で読み込んだインターバル及びONデューティに基づいて、インジェクタ23Aを開閉する。
同様に、ステップS403においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23Bを開閉する。ここで、ECU50(INJ B噴射タイミング設定部526)は、インジェクタ23Bの開弁時刻をインジェクタ23Aの閉弁時刻に設定する。これによって、二つのインジェクタ23A,23Bの噴射によってアノード流路11aを通流する水素を連続流に近づけることができる。
なお、インジェクタ23Bの開弁期間の少なくとも一部がインジェクタ23Aの閉弁期間に重なるようにすればよく、インジェクタ23Bの噴射タイミングは図15に示す例に限定されない。
ステップS402,S403の処理によって、時間の経過とともにアノード流路11a(配管a4)の水素濃度は上昇する(図15の時刻t1〜t2)。
ステップS404においてECU50は、配管a4に設置された濃度センサ(図示せず)によって検出される水素濃度Qが所定値Q1以上であるか否かを判定する。所定値Q1は、アノード流路11a(図1参照)のガスを置換するアノードガス置換処理を開始するか否かの判定基準となる閾値である。
水素濃度Qが所定値Q1未満である場合(S404→No)、ECU50の処理はステップS402に戻る。一方、水素濃度Qが所定値Q1以上である場合(S404→Yes)、ECU50の処理はステップS405に進む。
ステップS405においてECU50は、アノードガス置換を行うために、インジェクタ23A,23Bのインターバル及びONデューティを変更する。すなわち、図15(b)、(c)に示すように、水素ガス投入処理の場合よりも長いインターバルInt(A2)を設定する。
ステップS406においてECU50(INJ A駆動制御部528、INJ B駆動制御部529)は、インジェクタ23A,23Bを開閉する。なお、ECU50(INJ B噴射タイミング設定部526)は、インジェクタ23Bの開弁時刻をインジェクタ23Aの閉弁時刻に設定する。これによって、アノード流路11aに向けて大流量の水素を連続的に供給できる。
また、ECU50は、図15の時刻t2〜t3においてパージ弁25(図1参照)を開弁する。これによって、配管a4、アノード流路11a、配管a5,a6(図1参照)に溜めらていたガスは、配管a7,a8を介して希釈器32に流入し、車外に排出される。
ステップS407においてECU50は、水素濃度Qが所定値Q2以上であるか否かを判定する。前記した所定値Q2は、システム起動時にアノードガスを水素に置換した後、通常制御に切り替えるか否かの判定基準となる閾値である。水素濃度Qが所定値Q2未満である場合(S407→No)、ECU50の処理はステップS407に戻る。一方、水素濃度Qが所定値Q2以上である場合(S407→Yes)、ECU50は起動時制御を終了し(END)、通常制御に移行する。
<高出力時制御:INJ A>
次に、高出力時制御でインジェクタ23Aを駆動する処理について、図16のフローチャート、及び図18のタイムチャートを参照しつつ説明する。
図16のステップS411においてECU50は、VCU41に接続される電流検出器(図示せず)の検出値が、所定値I1以上であるか否かを判定する。所定値I1は、前記した通常制御から高出力時制御に切り替えるか否かの判定基準となる閾値である。電流値が所定値I1未満である場合(S411→No)、ECU50は通常制御を継続しつつ、ステップS411の処理を繰り返す。一方、電流値が所定値I1以上である場合(S411→No)、ECU50の処理はステップS412に進む。
ステップS412においてECU50は、インジェクタ23Aのインターバル及びONデューティ(例えば、80%)を読み込む。
ステップS413においてECU50(INJ A駆動制御部528)は、ステップS412で設定したインターバル及びONデューティでインジェクタ23Aを開閉する。
ステップS414においてECU50は、電流値が所定値I2以下であるか否かを判定する。前記した所定値I2は、インジェクタ23AのONデューティをさらに高めるか否かの判定基準となる閾値である。
電流値が所定値I2以下である場合(S414→Yes)、ECU50は処理を終了する(END:次回のインターバルに移る)。一方、電流値が所定値I2を超えている場合(S414→No)、ステップS415においてECU50は、インジェクタ23Aのインターバル及びONデューティを再び読み込む。なお、本実施形態では、インジェクタ23Aのインターバルは変更せず、ONデューティを80%(S412)から90%(S413)に上昇させるようにした。
ステップS416においてECU50(INJ A駆動制御部537)は、ステップS415で読み込んだONデューティ及びインターバルで、インジェクタ23Aを開閉する。つまり、ECU50は、燃料電池11から取り出される電流値が大きい場合(S414→Yes)、比較的高いONデューティでインジェクタ23Aを駆動する(S415、S416)。これによって、燃料電池11のアノード流路11aに向けて大流量の水素が供給され、高出力状態を維持できる。
<高出力時制御:INJ B>
次に、高出力時制御でインジェクタ23Bを駆動する処理について、図17のフローチャート、及び図18のタイムチャートを参照しつつ説明する。
図17のステップS421においてECU50(圧力比較部527)は、アノード圧力が閾値P3以下であるか否かを判定する。前記した閾値P3(図18参照)は、インジェクタ23Aのみでは不足する分の水素を補うためにインジェクタ23Bを開弁するか否かの判定基準となる閾値である。
アノード圧力が閾値P3を超えている場合(S421→No)、ECU50はステップS421の処理を繰り返す。一方、アノード圧力が閾値P3以下である場合(S421→Yes)、ECU50の処理はステップS422に進む。
ステップS422においてECU50(INJ B噴射量算出部523)は、例えば、PID(Proportional Integral Derivative)制御に基づいて、インジェクタ23Bの噴射量(つまり、ONデューティ)を算出する。
ステップS423においてECU50(INJ B駆動制御部529)は、ステップS422で算出した噴射量に対応するONデューティでインジェクタ23Bを開弁する。
ステップS424においてECU50は、噴射時間が経過したか否かを判定する。噴射時間が経過していない場合(S424→No)、ECU50の処理はステップS423に戻る。一方、噴射時間が経過した場合(S424→Yes)、ECU50(INJ B駆動制御部538)は、インジェクタ23Bを閉弁して処理を終了する(END:通常制御に移行)。
<効果>
本実施形態では、目標圧力P0に対するアノード圧力の偏差ΔPに応じて、インジェクタ23Bの開弁時刻及び開弁時間を適宜設定するようにした(S302、S322、S326)。これによって、きめ細かなフィードバック制御を実行でき、目標圧力P0に対する偏差ΔPを打ち消すように各インジェクタ23A,23Bを制御できる。
また、本実施形態では、インジェクタ23A,23Bのうち少なくとも一つが開弁している間、アノード圧力が目標圧力P0を超えているか否かをECU50が監視する処理を行う(S308,S313)。アノード圧力が目標圧力P0を超えている場合(S308→No,S313→No)、各インジェクタ23A,23Bによる水素供給を一旦打ち切ることで(S315、S316)、水素の無駄な消費を低減できる。
また、インジェクタ23A,23Bのいずれも閉弁している間にアノード圧力が所定圧力P1を下回った場合(S317→No)、即座にインジェクタ23Bから水素を噴射することで(S320)、ストイキ不足を確実に回避できる。
また、インジェクタ23Aから水素を噴射することで、エゼクタ24(図1参照)が有するノズル24pの周囲で負圧を発生させ、配管a4,アノード流路11a、配管a5,a6を含む循環流路でオフガスを循環させることができる。つまり、未反応の水素をアノード流路11aに戻すことによって、水素を高効率で消費できる。
一方、インジェクタ23Bから水素を噴射することで、配管b2,a4を介して高濃度の水素が直接的にアノード流路11aに供給されると共に、アノード流路11aの水素圧が高応答で変化する。したがって、インジェクタ23Bの噴射量及び噴射タイミングを調整することで、アノード流路11aの圧力及び水素濃度を適切な範囲に維持できる。
また、燃料電池システムの起動時において、各インジェクタ23A,23Bのインターバル及びONデューティを固定してシーケンス制御を実行するようにした。このようなシーケンス制御を行う際、インジェクタ23Aの閉弁時間にインジェクタ23Bを開弁することで(S402,S403)、アノード流路11aに向かう水素を連続流に近づけることができる。したがって、アノード流路11aの水素濃度を速やかに上昇させることができる。
また、本実施形態では、高出力時制御を行う際、インジェクタ23AのONデューティを固定し(S412,S415)、インジェクタ23Aで足りない分をインジェクタ23Bで補うようにした(S421→Yes、S423)。つまり、大流量の水素をインジェクタ23Aから供給しつつ、インジェクタ23Bによって水素供給をアシストすることで、アノード流路11aに向けて適切な流量の水素を供給し、高出力状態を維持できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る燃料電池システムS1について前記各実施形態により説明したが、本発明の実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
図19は、本発明の変形例に係る燃料電池システムの全体構成図である。図19に示す燃料電池システムS2は、2つの水素タンク21A,21Bを備えている。インジェクタ23A(第1燃料ガス噴射装置)は、第1実施形態と同様に、上流側が配管a2、遮断弁22A、配管a1を介して水素タンク21Aに接続され、下流側が配管a3を介してエゼクタ24に接続されている。一方、インジェクタ23B(第1燃料ガス噴射装置)は、上流側が配管d2、遮断弁22B、配管d1を介して水素タンク21Bに接続され、下流側が配管d3を介して配管a4に接続されている。
この場合、インジェクタ23Aが設けられる「第1燃料ガス供給流路」は、配管a1,a2,a3,a4を含んで構成される。また、インジェクタ23Bが設けられる「第2燃料ガス供給流路」は、配管d1,d2,d3を含んで構成される。
なお、その他の構成及びインジェクタ23A,23Bの制御方法は、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。図19に示す構成の場合でも、第1実施形態で説明した場合と同様の作用・効果を奏する。
また、前記各実施形態では、インジェクタ23B(及び23C)による噴射量・噴射タイミングを設定する際に3つの閾値(Q1,Q2,Q3)を用いる例を示したが、これに限らない。すなわち、使用する閾値は2つ以下でもよいし、4つ以上でもよい。
また、第1実施形態では、インジェクタ23Aの閉弁時における燃料ガス要求量が閾値Q1以上である場合や(S115→Yes:図4参照)、閾値Q2以上Q1未満である場合(S119→Yes:図4参照)、インターバルの後半でインジェクタ23Bを開弁する場合について説明したが、これに限らない。つまり、インジェクタ23Bを開弁するタイミングを適宜変更し、例えばインターバルの前半又は中盤でインジェクタ23Bを開弁してもよい。
また、第1実施形態では、インジェクタ23Aのインターバル開始時における燃料ガス要求量が閾値Q1以上であるとき(S103→Yes:図3参照)、インジェクタ23Bのインターバルをインジェクタ23Aのインターバルと同一区間とする場合について説明したが(S104:図3参照)、これに限らない。すなわち、インジェクタ23Aのインターバル終了時刻においてインジェクタ23Bの開弁が終了し、かつ、前記した燃料ガス要求量が満たされるように、インジェクタ23Bのインターバルを適宜設定してもよい。
また、例えば、燃料ガス要求量の大小に関わらず、インターバルInt(B)の中盤に開弁するようにインジェクタ23Bの噴射タイミングを設定してもよい。
また、第2実施形態では、インジェクタ23B,23Cの噴射量・噴射タイミングの設定をインジェクタ23Aの閉弁時に行う場合について説明したが、これに限らない。すなわち、インジェクタ23Aの閉弁時にインジェクタ23Bの噴射量・噴射タイミングを設定し、さらにインジェクタ23Bの閉弁時にインジェクタ23Cの噴射量・噴射タイミングを設定してもよい。これによって、よりきめ細かく水素供給を行うことが可能となる。
また、第2実施形態では、インジェクタ23B,23Cのインターバルの開始時刻及び終了時刻をそれぞれ同一時刻に設定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、インジェクタ23Aの閉弁時間を2等分し、前半をインジェクタ23Bのインターバルとし、後半をインジェクタ23Cのインターバルとしてもよい。この場合において、インジェクタ23Cの噴射量・噴射タイミングを、インジェクタ23Aの閉弁時刻に設定してもよいし、インジェクタ23Bの閉弁時刻に設定してもよい。
また、第2実施形態では、インジェクタ23Bのノズルの口径が、インジェクタ23Cのノズルの口径よりも大きい場合について説明したが、これに限らない。すなわち、インジェクタ23B,23Cとして同一口径のノズルを有するものを使用してもよい。
また、前記各実施形態では、ECU50が、燃料電池11の目標発電電流、アノード流路11aの目標圧力、パージ弁25が開弁した際のパージ量などに基づいて燃料ガス要求量を算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、燃料電池11のセル電圧や温度なども考慮して燃料ガス要求量を算出してもよい。また、燃料電池システムS1,S2が搭載される燃料自動車のアクセル開度に応じて燃料ガス要求量を算出してもよい。
また、前記各実施形態では、燃料ガスとして水素を用いる場合について説明したが、燃料ガスとして天然ガスなどを用いてもよい。
また、前記各実施形態では、インジェクタ23A,23Bのインターバルを可変とする場合について説明したが、これに限らない。すなわち、インジェクタ23A,23Bのインターバルを固定値にしてもよい。
また、第1実施形態では、高出力が要求される場合(S103→Yes)、インジェクタ23A,23Bのインターバルを同一区間に設定する場合について説明したが(S104)、これに限らない。すなわち、要求される出力の高低に関わらず、インジェクタ23A,23Bのインターバルを同一区間に設定してもよい。
また、第1実施形態では、低出力が要求される場合(S103→No)、インジェクタ23Aの開弁終了時における燃料ガス要求量に応じてインジェクタ23Bの噴射量を設定する場合について説明したが(S116)、これに限らない。すなわち、要求される出力の高低に関わらず、インジェクタ23Aの開弁終了時における燃料ガス要求量に応じて、インジェクタ23Bの噴射量を設定するようにしてもよい。
S1,S2 燃料電池システム
11 燃料電池
11a アノード流路(燃料ガス流路)
11c カソード流路(酸化剤ガス流路)
21,21A,21B 水素タンク
23A インジェクタ(第1燃料ガス噴射装置)
23B インジェクタ(第2燃料ガス噴射装置)
24 エゼクタ
25 パージ弁
50 ECU(制御手段)
501 燃料ガス要求量算出部(燃料ガス要求量算出手段)
502 INJ Aインターバル設定部(インターバル設定手段)
503 第1比較部
504 INJ A噴射量算出部(第1開弁時間算出手段)
505,514 INJ B噴射量算出部(第2開弁時間算出手段)
506,515 INJ B噴射タイミング設定部(噴射開始時刻設定手段)
507 INJ Bインターバル設定部(インターバル設定手段)
508 INJ B噴射量確定時刻設定部
509 燃料ガス要求量積算部(燃料ガス要求量増加分算出手段)
510 INJ A実噴射量積算部
511 加減算器
512 加算器
513 第2比較部
61 アクセル
a1,a2,a3,a4 配管(第1燃料ガス供給流路)
a1,a2,b1,b2,d1,d2,d3 配管(第2燃料ガス供給流路)
a5,a7,a8 配管(燃料オフガス排出流路)
a6(戻り流路)

Claims (12)

  1. 燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流する第1燃料ガス供給流路と、
    前記燃料ガス流路から排出される燃料オフガスが通流する燃料オフガス排出流路と、
    前記燃料オフガス排出流路から前記第1燃料ガス供給流路に戻る燃料オフガスが通流する戻り流路と、
    前記第1燃料ガス供給流路に設けられ、弁の開閉によって燃料ガスを噴射する第1燃料ガス噴射装置と、
    前記第1燃料ガス噴射装置よりも下流側の前記第1燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料オフガス排出流路から前記戻り流路を介して前記第1燃料ガス供給流路に戻る燃料オフガスと、前記第1燃料ガス噴射装置によって噴射される燃料ガスと、を混合するエゼクタと、
    前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流すると共に、その下流端が前記エゼクタよりも下流側の前記第1燃料ガス供給流路に接続される第2燃料ガス供給流路と、
    前記第2燃料ガス供給流路に設けられ、弁の開閉によって燃料ガスを噴射する第2燃料ガス噴射装置と、
    前記第1燃料ガス噴射装置及び前記第2燃料ガス噴射装置を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、
    前記第1燃料ガス噴射装置の開弁期間における燃料ガス要求量の増加分を算出する燃料ガス要求量増加分算出手段を有し、
    交互に繰り返される前記第1燃料ガス噴射装置の開弁期間及び閉弁期間を調整することで、前記第1燃料ガス噴射装置から噴射される燃料ガスの流量を調整し、
    前記燃料ガス要求量増加分算出手段によって算出される燃料ガス要求量の増加分に基づいて前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、その開弁期間の少なくとも一部が前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間に重なるようにする
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、
    前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、前記第1燃料ガス噴射装置及び前記第2燃料ガス噴射装置がいずれも閉弁している連続的な時間が所定時間以上とならないようにする
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、
    前記第2燃料ガス噴射装置を開弁させる場合、その開弁期間が、前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間の中央付近の時刻を含むようにする
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、
    前記第1燃料ガス噴射装置の開閉時間である第1インターバル、及び前記第2燃料ガス噴射装置の開閉時間である第2インターバルを設定するインターバル設定手段と、
    前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する第1開弁時間算出手段と、
    前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する第2開弁時間算出手段と、
    前記第1燃料ガス噴射装置の開弁開始時に高出力が要求されている場合、少なくとも前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁期間中、前記第2燃料ガス噴射装置が開弁状態となっているように前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する噴射開始時刻設定手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、
    前記燃料電池の発電に要する燃料ガス要求量を算出する燃料ガス要求量算出手段を有し、
    前記インターバル設定手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル及び前記第2インターバルを設定し、
    前記第1開弁時間算出手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出し、
    前記第2開弁時間算出手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記噴射開始時刻設定手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2燃料ガス噴射装置の開弁終了時刻が前記第1インターバルの終了時刻と一致するように、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記インターバル設定手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第1インターバル内における前記第1燃料ガス噴射装置の閉弁時間を前記第2インターバルとして設定し、
    前記第2開弁時間算出手段は、
    前記第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時に、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間を算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第2開弁時間算出手段は、
    前記燃料ガス要求量算出手段によって算出される燃料ガス要求量に応じて、前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の開弁時間をゼロに設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  9. 前記噴射開始時刻設定手段は、
    前記第1燃料ガス噴射装置の開弁終了時における燃料ガス要求量に応じて、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  10. 前記インターバル設定手段は、
    前記第2インターバルを前記第1インターバルと同一区間に設定する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料電池システム。
  11. 前記噴射開始時刻設定手段は、
    前記第2インターバル内における前記第2燃料ガス噴射装置の連続閉弁時間が所定時間以上とならないように、前記第2燃料ガス噴射装置の噴射開始時刻を設定する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料ガス要求量算出手段は、
    前記燃料電池システムが搭載される燃料電池自動車のアクセル開度に応じて燃料ガス要求量を算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
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