JP6126950B2 - 部分スイッチング回路を備えた電源回路、電源回路の異常検出方法、電源回路の異常検出プログラム、及び空気調和装置 - Google Patents
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前記制御部は、前記直流電圧が前記目標電圧から所定電圧(例えば、定常偏差/許容電圧幅)以上外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記負荷に印加される直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定することを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態である電源回路を備えた空気調和装置の構成図である。
空気調和装置1は、単相商用電源ACに接続された電源回路10と、該電源回路10に接続されたインバータ2と、インバータ2に接続された同期電動機3と、同期電動機3に直結されたコンプレッサ4と、電源回路10に接続された報知部5とを備えるコンプレッサ装置である。なお、電源回路10は、力率改善機能や昇圧機能を実現し、報知部5は、これらの機能の何れかが停止し、低出力状態で駆動しているエラー状態であることを使用者に報知するように構成されている。
VDC=√2・VAC・(1+TON/TOFF)
となり、部分スイッチング回路14は、昇圧動作を行う。つまり、トランジスタ16のオン時間TONを長くすると、直流電圧VDCが高くなる。また、部分スイッチング回路14は、リアクトル11に流れる瞬時電流の時間平均値が単相商用電源ACの瞬時電圧に比例するように短絡時間TON、及び開放時間TOFFを制御することにより、力率改善機能が実現される。
VDC=√2・VAC
となり、昇圧動作が行われなくなる。つまり、トランジスタ16の開放故障や短絡故障では、低電圧かつ低出力状態となるのみである。
制御部9は、電圧低下エラー判定部21と、部分SW故障判定部22と、ベクトル制御部23と、出力電圧設定部24と、PWM信号生成部25と、スイッチング回路制御部26と、モータ保護部27と、コンデンサ13の両端に接続されたA/D変換部28とを備え、A/D変換部28は、コンデンサ13の直流電圧VDCを計測して、計測データを電圧低下エラー判定部21や、スイッチング回路制御部26に引き渡している。
なお、出力電圧設定部24は、同期電動機3が重負荷の場合に、同期電動機3が高出力のときに必要となる高い設定DC電圧に設定している。一方で、出力電圧設定部24は、同期電動機3が低負荷の場合に、同期電動機3が低出力でも足りるような低い電圧を設定DC電圧として設定している。これにより、インバータ2のスイッチング損失(電力ロス)が低減するようになっている。
なお、出力電圧設定部24は、ヒューズ溶断信号を受信した場合には、部分スイッチング回路14による昇圧ができないため、昇圧しない場合の電圧を設定DC電圧として設定する。
かつ、部分スイッチングのパルス幅設定値が規定値以上(あるいは最大値)
かつ、トランジスタ16を制御するパルス幅を意図的に可変させ、その変化に測定DC電圧が追従しない。
条件2:設定DC電圧未満の状態を規定時間以上保持
かつ、部分スイッチングのパルス幅設定値が規定値以上(あるいは最大値)
かつ、設定DC電圧を意図的に可変させ、その変化に測定DC電圧が追従しない。
条件3:設定DC電圧未満の状態を規定時間以上保持
かつ、部分スイッチングのパルス幅設定値が規定値以上(あるいは最大値)
かつ、設定DC電圧を意図的に可変させ、その変化に部分スイッチング制御のパルス幅設定値が追従しない。
この仮エラー状態において、かつ、「部分スイッチングのパルス幅設定値が規定値以上(あるいは最大値)」の場合は、コンプレッサ4の重負荷により、コンデンサ13に充電される充電電力よりも、放電される放電電力の方が多く、電圧低下が起きている状態である。この状態では、スイッチング回路制御部26は、設定DC電圧により決定される値よりも長いパルス幅(あるいは、最大値)を出力して、直流電圧VDCを高くしようとする。なお、このパルス幅は、予め設定されたリミット値(最大パルス幅)により、制限されている。また、この最大パルス幅は、電源回路10の定格出力電力により定められる。
その結果、目標とする回転速度よりも抑制された回転速度で、同期電動機3が駆動し、空気調和装置1の運転が継続される。
出力電圧設定部24は、コンデンサ13の直流電圧の目標値(設定DC電圧)を設定する(S10)。そして、スイッチング回路制御部26は、A/D変換部28を用いてコンデンサ13の直流電圧(現状DC電圧)を測定する(S12)。さらに、スイッチング回路制御部26は、測定された現状DC電圧を用いてパルス幅設定値を算出する(S14)。このパルス幅設定値は、トランジスタ16のゲートに印加されるパルス幅の設定値であり、設定DC電圧と現状DC電圧との関係から演算される。具体的には、パルス幅設定値は、現状DC電圧の方が設定DC電圧よりも高いときには、パルス幅が短く設定され、現状DC電圧の方が設定DC電圧よりも低いときには、パルス幅が長く設定される。
電圧低下エラー判定部21は、設定DC電圧未満の状態が規定時間以上経過しているか否か判定する(S20)。つまり、電圧低下エラー判定部21は、A/D変換部28にコンデンサ13の直流電圧VDCを測定させ、測定された直流電圧VDCが設定DC電圧未満か否か判定し、この設定DC電圧未満の状態が規定時間t1以上経過しているか否か判定する。ここで、規定時間t1は、前記したように、コンデンサ13の直流電圧VDCのリップル及びバラツキの周期よりも十分に長い時間である。
コンプレッサ4は、シリンダ42の内部空間43で、同期電動機3(図1)によってクランクシャフト44が反時計方向に回転(左回転)させられる。これによって、コンプレッサ4は、図示しないバネで押圧されたブレード45がローラ46に当接し、内部空間43でローラ46を偏心しながら反時計方向(図の矢印方向)に回転する。
負荷状態L1の負荷トルクピーク値は、クランク角度180[deg]の位置で1である。負荷状態L2の負荷トルクピーク値は、クランク角度180[deg]の位置で2である。負荷状態L3の負荷トルクピーク値は、クランク角度230[deg]の位置で3.5である。負荷状態L4の負荷トルクピーク値は、クランク角度260[deg]で4である。負荷状態L1、L2、L3、及び、L4の負荷トルクTは、負荷トルクピーク値を頂点とする山型の曲線のように変化する。
高速回転域は、コンプレッサ4の内部圧力が高くなるので、負荷トルクTが大きくなる。一方、低速回転域は、コンプレッサ4の内部圧力が低くなるので、負荷トルクTが小さくなる。
負荷トルク曲線は、負荷トルクピーク値がコンプレッサ4の上死点位置(クランク角度360[deg])に近づくように移動する。一方、負荷が軽くなると、負荷トルク曲線は、負荷トルクピーク値がコンプレッサ4の下死点位置(クランク角度180[deg])に近づくように移動する。
図8は、本発明の第2実施形態である電源回路を含む空気調和装置の構成図である。
前記実施形態の電源回路10は、単相商用電源ACの一端と整流回路12との間にリアクトル11を挿入し、リアクトル11と単相商用電源ACの他端との間を部分スイッチング回路14で短絡/開放したが、単相商用電源ACに整流回路12を接続し、その正極出力端とコンデンサ13との間にリアクトル11を挿入し、リアクトル11と整流回路12の負極出力端との間を部分スイッチング回路14で短絡/開放することもできる。
図8において、電源回路10aは、単相商用電源ACと電気回路的に接続された整流回路12と、単相商用電源ACと整流回路12との間に挿入されたリアクトル19と、整流回路12の正極出力端と負極出力端との間に接続されたコンデンサ13と、リアクトル19とコンデンサ13との接続点に一端が接続されたヒューズ15と、ヒューズ15の他端と整流回路12の負極出力端とコンデンサ13との接続点との間に接続された部分スイッチング回路14aとを備える。部分スイッチング回路14aは、整流回路18を備えていない点で前記実施形態の部分スイッチング回路14と異なり、トランジスタ16と転流ダイオード17の並列回路のみで構成されている。その他のインバータ2、同期電動機3、コンプレッサ4、及び報知部5の構成は、前記実施形態の空気調和機1の構成と同様である。
このとき、制御部9は、リアクトル11に流れる電流の時間平均値が単相商用電源ACの瞬時電圧に比例するように制御すれば、力率改善が行われ、比例係数により、昇圧電圧が決定する。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、単相交流電源ACに接続したが、三相交流電源にも接続することもできる。具体的には、三相交流電源のU相、V相、W相のそれぞれにリアクトル11の一端を接続し、中性点Pに整流回路12,18を接続することになる。
(2)前記実施形態は、昇圧による力率改善を行ったが、降圧による力率改善も可能である。
2 インバータ
3 同期電動機
4 コンプレッサ
5 報知部
9 制御部
10,10a 電源回路
11,19 リアクトル
12 整流回路
13 コンデンサ
14,14a 部分スイッチング回路
15 ヒューズ
16 トランジスタ
17 転流ダイオード
18 整流回路
21 電圧低下エラー判定部
22 部分SW故障判定部
23 ベクトル制御部
24 出力電圧値設定部
25 PWM信号生成部
26 スイッチング回路制御部
27 モータ保護部
28 A/D変換部
42 シリンダ
43 内部空間
44 クランクシャフト
45 ブレード
46 ローラ
47 シャフト
48 吸入口
49 吐出口
AC 単相商用電源
θ 位置信号
Claims (11)
- 商用電源の一端に接続されたリアクトルと、該リアクトルの他端と前記商用電源の他端との間に接続され、負荷に直流電力を供給する順変換回路と、一端が前記リアクトルの負荷側に接続され、前記商用電源の他端との間で、短絡/開放を逐次実行する部分スイッチング回路と、前記負荷に印加される直流電圧が目標電圧になるように、前記部分スイッチング回路を制御する制御パルスのパルス幅を帰還制御させる制御部とを備えた電源回路であって、
前記制御部は、
前記直流電圧が前記目標電圧から所定電圧以上外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、
前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記負荷に印加される直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定する
ことを特徴とする電源回路。 - 前記リアクトルの負荷側と前記部分スイッチング回路との間は、ヒューズを介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
- 前記制御パルスのパルス幅は、前記目標電圧と前記直流電圧との差分値の関数として設定されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源回路。 - 商用電源に接続された整流回路と、該整流回路の出力端に接続されたリアクトルと、一端が前記リアクトルの他端側に接続されたヒューズと、前記ヒューズの他端に接続され、前記整流回路の他の出力端との間で、短絡/開放を逐次実行する部分スイッチング回路と、一端が前記リアクトルの他端側に接続された整流素子と、該整流素子の他端と前記整流回路の他の出力端との間に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに印加される直流電圧が目標電圧になるように、前記部分スイッチング回路を制御する制御パルスのパルス幅を帰還制御させる制御部とを備えた電源回路であって、
前記制御部は、
前記直流電圧が前記目標電圧から所定電圧以上外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、
前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定する
ことを特徴とする電源回路。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電源回路を備えた空気調和装置。
- 前記電源回路の出力電力で駆動する電動コンプレッサを備え、
前記制御部は、
前記負荷に印加される直流電圧が目標電圧幅から外れている場合に、前記電動コンプレッサの回転速度を制限状態とし、前記正常であると判定したとき、前記制限状態を解除し、前記異常と判定したとき、前記制限状態を継続する
ことを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置。 - 請求項4に記載の電源回路と、
前記電源回路の出力電力で駆動する電動コンプレッサとを備えた空気調和装置であって、
前記制御部は、
前記コンデンサに印加される直流電圧が目標電圧幅から外れている場合に、前記電動コンプレッサの回転速度を制限状態とし、前記正常であると判定したとき、前記制限状態を解除し、前記異常と判定したとき、前記制限状態を継続する
ことを特徴とする空気調和装置。 - 商用電源の一端に接続されたリアクトルと、該リアクトルの他端と前記商用電源の他端との間に接続され、負荷に直流電力を供給する順変換回路と、一端が前記リアクトルの負荷側に接続され、前記商用電源の他端との間で、短絡/開放を逐次実行する部分スイッチング回路と、前記順変換回路が発生する直流電圧が目標電圧になるように、前記部分スイッチング回路を制御する制御パルスのパルス幅を帰還制御させる制御部とを備えた電源回路の異常検出方法であって、
前記制御部は、
前記直流電圧が目標電圧幅から外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、
前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定する
ことを特徴とする電源回路の異常検出方法。 - 請求項8に記載の電源回路の異常検出方法を前記制御部のコンピュータに実行させる電源回路の異常検出プログラム。
- 商用電源の一端に接続されたリアクトルと、該リアクトルの他端と前記商用電源の他端との間に接続される順変換回路と、該順変換回路から直流電力が供給されるインバータと、該インバータが生成する三相交流電力により駆動する三相電動機と、該三相電動機により駆動されるコンプレッサと、一端が前記リアクトルの順変換回路側に接続され、前記商用電源の他端との間で、短絡/開放を逐次実行する部分スイッチング回路と、前記インバータに印加される直流電圧が目標電圧になるように、前記部分スイッチング回路を制御する制御パルスのパルス幅を帰還制御させる制御部とを備えた空気調和装置であって、
前記制御部は、
前記直流電圧が前記目標電圧から所定電圧以上外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、
前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定する
ことを特徴とする空気調和装置。 - 商用電源に接続された整流回路と、該整流回路の出力端に接続されたリアクトルと、一端が前記リアクトルの他端側に接続され、前記整流回路の他の出力端との間で、短絡/開放を逐次実行する部分スイッチング回路と、一端が前記リアクトルの他端側に接続された整流素子と、該整流素子の他端と前記整流回路の他の出力端との間に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに印加される直流電圧が目標電圧になるように、前記部分スイッチング回路を制御する制御パルスのパルス幅を帰還制御させる制御部とを備えた空気調和装置であって、
前記制御部は、
前記直流電圧が前記目標電圧から所定電圧以上外れ、且つ、前記制御パルスのパルス幅は、予め設定された最大パルス幅に到達している場合に、
前記パルス幅、又は前記目標電圧を可変させて、前記直流電圧がその変化に追従するときに正常であると判定し、追従しないときに異常と判定する
ことを特徴とする空気調和装置。
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