JP6125328B2 - 軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法 - Google Patents

軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法に関する。
ペン型の位置指示器を位置検出平面上で移動させて位置を検出する位置検出装置は、デジタイザと呼ばれ、コンピュータの入力装置として普及している。この位置検出装置は、位置検出平面板と、その下に配置され、ループコイルが基板の表面に形成された回路基板(センサ基板)とを備えている。そして、位置指示器とループコイルとによって発生する電磁誘導を利用することにより、位置指示器の位置を検出する。
位置検出装置には、電磁誘導の際に発生する磁束を制御して通信を効率化するために、センサ基板の位置検出平面とは反対側の面に、ニッケル・クロム合金からなるシールド板が接着剤層を介して取り付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、電磁波によるデータの送受を行う自動認識装置において、データキャリアやリーダライタにおけるアンテナの裏面に配設される複合磁性シートとして、扁平状の軟磁性粉末と結合剤とを配合して形成された柔軟性を有する複合磁性シートが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−158606号公報 特開2006−39947号公報
しかるに、特許文献1に記載の位置検出装置では、接着剤層を介してシールド板をセンサ基板に取り付ける必要があるが、薄膜化および取扱い性の観点から、接着剤層を必要とせずに、回路基板とシールド板とを積層させることが求められている。
一方、特許文献2に記載の複合磁性シートは、接着剤層を介せずに、回路基板に貼り付けることは可能である。
しかしながら、特許文献2に記載の複合磁性シートでは、回路基板との接着性が弱く、容易に剥離が生じる。
また、複合磁性シートを貼り付けた回路基板は、その後の電子部品の実装に伴うリフロー工程が一般的に実施される。しかしながら、そのリフロー工程による高温によって、回路基板と複合磁性シート界面にボイドが発生、膨張したり、軟磁性フィルム表面に凹凸が発現したり、軟磁性フィルムと回路基板とが剥離する場合が生じる。その結果、軟磁性フィルムの磁気特性を十分に発現できなかったり、外観が不良となる。
本発明の目的は、軟磁性フィルムと回路基板との接着性が良好であり、また、耐リフロー性が良好である軟磁性フィルム積層回路基板を製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法は、軟磁性フィルムが回路基板の少なくとも一方面に積層されている軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法であって、軟磁性粒子を含有し、空隙率が15%以上60%以下であって、半硬化状態である軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板の一方面に接触させる工程、および、前記軟磁性熱硬化性フィルムを、真空熱プレスにより、硬化状態にする工程、
を備えることを特徴としている。
また、本発明の磁性フィルム積層回路基板の製造方法では、前記軟磁性熱硬化性フィルムの半硬化状態における比重に対する、前記軟磁性熱硬化性フィルムの硬化状態における比重が、1.5倍以上であることが好適である。
本発明の軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法は、接着剤層を用いずに軟磁性フィルムを回路基板に確実に接着することができ、また、耐リフロー性が良好な軟磁性フィルム積層回路基板を製造することができる。
図1は、本発明の軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法の一実施形態の製造工程図であり、 図1Aは、軟磁性熱硬化性フィルムと回路基板とを用意する工程、図1Bは、軟磁性熱硬化性フィルムを回路基板に接触させる工程、図1Cは、軟磁性熱硬化性フィルムを加熱硬化する工程を示す。
本発明の軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法は、軟磁性粒子を含有し、空隙率が15%以上60%以下であって、半硬化状態である軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板の一方面に接触させる工程、および、前記軟磁性熱硬化性フィルムを、真空熱プレスにより、硬化状態にする工程を備える。この製造方法を図1を参照して説明する。
この方法では、まず図1Aに示すように、軟磁性熱硬化性フィルム2と回路基板5とを用意する。より具体的には、セパレータ1が積層された軟磁性熱硬化性フィルム2と、配線パターン3が基板4の表面に形成された回路基板5とを用意し、次いで、軟磁性熱硬化性フィルム2と、回路基板5とを間隔を隔てて厚み方向に、対向配置する。
軟磁性熱硬化性フィルム2は、例えば、軟磁性粒子6および熱硬化性樹脂成分7を含有する軟磁性樹脂組成物から形成される。
軟磁性粒子6の軟磁性材料としては、例えば、磁性ステンレス(Fe−Cr−Al−Si合金)、センダスト(Fe−Si−A1合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、ケイ素銅(Fe−Cu−Si合金)、Fe−Si合金、Fe−Si―B(−Cu−Nb)合金、Fe−Si−Cr−Ni合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr合金、フェライトなどが挙げられる。
これらの中でも、好ましくは、センダスト(Fe−Si−Al合金)が挙げられる。より好ましくは、Si含有割合が9〜15質量%であるFe−Si−Al合金が挙げられる。これにより、軟磁性熱硬化性フィルム2の透磁率を良好にすることができる。
軟磁性粒子6の形状は、好ましくは、扁平状(板状)が挙げられる。扁平率(扁平度)は、例えば、8以上、好ましくは、15以上であり、また、例えば、80以下、好ましくは、65以下である。なお、扁平率は、50%粒径(D50)の粒径を軟磁性粒子の平均厚さで除したアスペクト比として算出される。
軟磁性粒子6の平均粒子径(平均長さ)は、例えば、3.5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下でもある。平均厚みは、例えば、0.3μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、3μm以下、好ましくは、2.5μm以下でもある。軟磁性粒子6の扁平率、平均粒子径、平均厚みなどを調整することにより、軟磁性粒子6による反磁界の影響を小さくでき、その結果、軟磁性粒子6の透磁率を増加させることができる。なお、軟磁性粒子6の大きさを均一にするために、必要に応じて、ふるいなどを使用して分級された軟磁性粒子6を用いてもよい。
軟磁性粒子6の比重は、例えば、5.0以上、好ましくは、6.0以上であり、また、例えば、9.0以下、好ましくは、8.0以下である。
軟磁性樹脂組成物における軟磁性粒子6の含有割合(溶媒を除く固形分(すなわち、軟磁性粒子、熱硬化性樹脂成分、ならびに、必要に応じて含有される熱硬化触媒、ポリエーテルリン酸エステルおよびその他の添加剤)における割合)は、例えば、50体積%以上、好ましくは、60体積%以上であり、例えば、95体積%以下、好ましくは、90体積%以下である。また、例えば、80質量%以上、好ましくは、85質量%以上であり、また、例えば、98質量%以下、好ましくは、95質量%以下でもある。上記上限以下の範囲とすることにより、軟磁性樹脂組成物の成膜性が優れる。一方、上記下限以上の範囲とすることにより、軟磁性熱硬化性フィルム2の磁気特性が優れる。
熱硬化性樹脂成分7は、熱硬化性樹脂を含有する。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられる。好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられ、より好ましくは、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂の併用が挙げられる。
エポキシ樹脂は、例えば、接着剤組成物として用いられるものが使用でき、ビスフェノール型エポキシ樹脂(特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂など)、フェノール型エポキシ樹脂(特に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオンレン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂が挙げられる。また、例えば、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂なども挙げられる。これらのエポキシ樹脂のうち、好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
これらは単独または2種以上を併用して用いることができる。
エポキシ樹脂を含有させることより、フェノール樹脂との反応性が優れ、その結果、軟磁性フィルムの耐リフロー性が優れる。
エポキシ樹脂の比重は、例えば、1.0以上であり、また、例えば、1.5以下である。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤であり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、例えば、レゾール型フェノール樹脂、例えば、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキシスチレンが挙げられる。これらは単独で使用また2種以上を併用することができる。これらのフェノール樹脂のうち、好ましくは、ノボラック型樹脂、より好ましくは、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、さらに好ましくは、フェノールアラルキル樹脂が挙げられる。これらのフェノール樹脂を含有することにより、軟磁性フィルム積層回路基板11の接続信頼性を向上させることができる。
フェノール樹脂の比重は、例えば、1.0以上であり、また、例えば、1.5以下である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が1g/eq以上100g/eq未満である場合、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、15質量部以上、好ましくは、35質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下でもあり、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下でもある。
エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が100g/eq以上200g/eq未満である場合、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下でもあり、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下でもある。
エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が200g/eq以上1000g/eq以下である場合、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下でもあり、熱硬化性樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、15質量部以上、好ましくは、35質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下でもある。
なお、エポキシ樹脂が2種併用される場合のエポキシ当量は、各エポキシ樹脂のエポキシ当量に、エポキシ樹脂の総量に対する各エポキシ樹脂の質量割合を乗じて、それらを合算した全エポキシ樹脂のエポキシ当量である。
また、フェノール樹脂中の水酸基当量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量当たり、例えば、0.2当量以上、好ましくは、0.5当量以上であり、また、例えば、2.0当量以下、好ましくは、1.2当量以下でもある。水酸基の量が上記範囲内であると、軟磁性熱硬化性フィルム2の硬化反応が良好となり、また、劣化を抑制することができる。
熱硬化性樹脂成分7中の熱硬化性樹脂の含有割合は、熱硬化性樹脂成分100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、60質量部以下である。
熱硬化性樹脂成分7は、熱硬化性樹脂に加えて、好ましくは、アクリル樹脂を含有する。より好ましくは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を併用する。熱硬化性樹脂成分7が、これらの樹脂を含有することにより、軟磁性樹脂組成物から得られる軟磁性熱硬化性フィルム2は、良好な接着性および熱硬化性を発現する。
アクリル樹脂としては、例えば、直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上をモノマー成分とし、そのモノマー成分を重合することにより得られるアクリル系重合体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を表す。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などカルボキシル基含有モノマー、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルまたは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなど燐酸基含有モノマー、例えば、スチレンモノマー、アクリロニトリルなどが挙げられる。
これらの中でも、好ましくは、グリシジル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーまたはヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。アクリル樹脂が(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれらのその他のモノマーとの共重合体である場合、すなわち、アクリル樹脂がグリシジル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有する場合、軟磁性熱硬化性フィルムから得られる軟磁性フィルムの耐リフロー性が優れる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のモノマーとの共重合体である場合、その他のモノマーの配合割合(質量)は、共重合体に対して、好ましくは、40質量%以下である。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、例えば、1×10以上、好ましくは、3×10以上であり、また、例えば、1×10以下でもある。この範囲とすることにより、軟磁性熱硬化性フィルムの接着性、耐リフロー性に優れる。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトフラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値により測定される。
アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は、例えば、−30℃以上、好ましくは、−20℃以上であり、また、例えば、30℃以下、好ましくは、15℃以下でもある。上記下限以上であると、軟磁性熱硬化性フィルム2の接着性に優れる。一方、上記上限以下であると、軟磁性熱硬化性フィルム2の取扱い性に優れる。なお、ガラス転移点は、動的粘弾性測定装置(DMA、周波数1Hz、昇温速度10℃/min)を用いて測定される損失正接(tanδ)の極大値により得られる。
アクリル樹脂の比重は、例えば、1.0以上であり、また、例えば、1.3以下である。
熱硬化性樹脂成分7がアクリル樹脂を含有する場合、アクリル樹脂の含有割合は、熱硬化性樹脂成分100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、40質量部以上であり、また、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下でもある。この範囲とすることにより、軟磁性樹脂組成物の成膜性および軟磁性熱硬化性フィルム2の接着性に優れる。
軟磁性樹脂組成物における熱硬化性樹脂成分7の含有割合は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、15質量%以下でもある。上記範囲とすることにより、軟磁性樹脂組成物の成膜性、軟磁性熱硬化性フィルム2の磁気特性に優れる。
熱硬化性樹脂成分7は、熱硬化性樹脂およびアクリル樹脂以外のその他の樹脂を含有することもできる。このようなその他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PET、PBTなど)、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂成分7の比重は、例えば、1.0以上、好ましくは、1.1以上であり、また、例えば、1.5以下、好ましくは、1.3以下である。
熱硬化性樹脂成分7中におけるその他の樹脂の含有割合は、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
軟磁性樹脂組成物(ひいては、軟磁性熱硬化性フィルム2や軟磁性フィルム10)は、好ましくは、熱硬化触媒を含有する。
熱硬化触媒としては、加熱により熱硬化性樹脂成分7の硬化を促進する触媒であれば限定的でなく、例えば、イミダゾール骨格を有する塩、トリフェニルフォスフィン構造を有する塩、トリフェニルボラン構造を有する塩、アミノ基含有化合物などが挙げられる。
イミダゾール骨格を有する塩としては、例えば、2−フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2−メチルイミダゾール (商品名;2MZ)、2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z)、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2−PHZ)、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル(1)’)エチル−s−トリアジン・イソシアヌール酸付加物(商品名;2MAOK−PW)などが挙げられる(上記商品名は、いずれも四国化成社製)。
トリフェニルフォスフィン構造を有する塩としては、例えば、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ(p−メチルフェニル)フォスフィン、トリ(ノニルフェニル)フォスフィン、ジフェニルトリルフォスフィンなどのトリオルガノフォスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(商品名;TPP−PB)、メチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MB)、メチルトリフェニルホスホニウムクロライド(商品名;TPP−MC)、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MOC)、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(商品名;TPP−ZC)、メチルトリフェニルホスホニウム(商品名;TPP−MB)などが挙げられる(上記商品名は、いずれも北興化学社製)。
トリフェニルボラン構造を有する塩としては、例えば、トリ(pメチルフェニル)フォスフィンなどが挙げられる。また、トリフェニルボラン構造を有する塩としては、更にトリフェニルフォスフィン構造を有するものも含まれる。トリフェニルフォスフィン構造及びトリフェニルボラン構造を有する塩としては、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名;TPP−K)、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリボレート(商品名;TPP−MK)、ベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名;TPP−ZK)、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン(商品名;TPP−S)などが挙げられる(上記商品名は、いずれも北興化学社製)。
アミノ基含有化合物としては、例えば、モノエタノールアミントリフルオロボレート(ステラケミファ社製)、ジシアンジアミド(ナカライテスク社製)などが挙げられる。
熱硬化触媒の形状は、例えば、球状、楕円体状などが挙げられる。
熱硬化触媒は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
熱硬化触媒の比重は、例えば、1.0以上であり、また、例えば、1.5以下である。
熱硬化触媒の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.2質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下でもある。熱硬化触媒の配合割合が上記上限以下であると、軟磁性熱硬化性フィルムにおける室温下での長期保存性を良好にすることができる。一方、熱硬化触媒の配合割合が下限以上であると、軟磁性熱硬化性フィルム2を低温度かつ短時間で加熱硬化させることができる。また、軟磁性熱硬化性フィルム2から得られる軟磁性フィルム10の耐リフロー性を良好にすることができる。
軟磁性樹脂組成物は、好ましくは、ポリエーテルリン酸エステルを含有する。これにより、軟磁性粒子が高い割合で含有する場合であっても、軟磁性樹脂組成物を軟磁性熱硬化性フィルム2(フィルム状)に確実に成形することができる。また、軟磁性熱硬化性フィルム2の磁気特性を向上させることができる。
ポリエーテルリン酸エステルとしては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。好ましくは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
ポリエーテルリン酸エステルは、単独で使用または2種類以上併用することができる。また、ポリエーテルリン酸エステルは、アミンなどとの混合物であってもよい。
ポリエーテルリン酸エステルとして、具体的には、楠本化成社のHIPLAADシリーズ(「ED152」、「ED153」、「ED154」、「ED118」、「ED174」、「ED251」)などが挙げられる。
ポリエーテルリン酸エステルの酸価は、例えば、10以上、好ましくは、15以上であり、また、例えば、200以下、好ましくは、150以下である。酸価は、中和滴定法などによって測定される。
ポリエーテルリン酸エステルの比重は、例えば、1.0以上であり、また、例えば、1.3以下である。
ポリエーテルリン酸エステルの含有割合は、軟磁性粒子100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上である。また、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
軟磁性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、その他の添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、架橋剤、無機充填材などの市販または公知のものが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、多価アルコールとジイソシアネートの付加物などのポリイソシアネート化合物が挙げられる。
架橋剤の含有割合としては、熱硬化性樹脂成分100質量部に対し、例えば、7質量部以下であり、また、0質量部を上回る。
また、軟磁性樹脂組成物は、その用途に応じて無機充填剤を適宜配合することができる。これにより、軟磁性フィルム10の熱伝導性や弾性率を向上させることができる。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素などのセラミック類、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの金属、または合金類、その他、カーボンなどが挙げられる。これら無機充填剤は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
無機充填剤の平均粒子径は、例えば、0.1μm以上80μm以下である。
無機充填剤を配合する場合、配合割合は、熱硬化性樹脂成分100質量部に対し、例えば、80質量部以下、好ましくは、70質量部以下であり、また、0質量部を上回る。
次いで、軟磁性熱硬化性フィルム2の製造方法について説明する。
軟磁性熱硬化性フィルム2を作製するには、上述した成分を混合することにより軟磁性樹脂組成物を得、次いで、軟磁性樹脂組成物を溶媒に溶解または分散させることにより、軟磁性樹脂組成物溶液を調製する。
溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などケトン類、例えば、酢酸エチルなどのエステル類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類などの有機溶媒などが挙げられる。また、溶媒として、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコールなどの水系溶媒も挙げられる。
軟磁性樹脂組成物溶液における固形分量は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、70質量%以下、より好ましくは、50質量%以下でもある。
次いで、軟磁性樹脂組成物溶液を基材(セパレータ、コア材など)の表面に所定厚みとなるように塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜を所定条件下で乾燥させる。これにより、軟磁性熱硬化性フィルムが得られる。
塗布方法としては特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。
乾燥条件としては、乾燥温度は、例えば、70℃以上160℃以下であり、乾燥時間は、例えば、1分以上5分以下である。
軟磁性熱硬化性フィルム2の平均膜厚は、例えば、5μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下、より好ましくは、300μm以下でもある。
得られる軟磁性熱硬化性フィルム2では、軟磁性粒子6が、軟磁性熱硬化性フィルム2に対して、例えば、50体積%以上、好ましくは、60体積%以上であり、また、例えば、95体積%以下、好ましくは、90体積%以下含有されている。これにより、磁気特性に優れる。
軟磁性熱硬化性フィルム2は、室温(具体的には、25℃)において、半硬化状態(Bステージ)である。半硬化状態(Bステージ)とは、溶剤に可溶な未硬化状態(Aステージ)と、完全硬化した硬化状態(Cステージ)の間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、溶剤に膨潤するが完全に溶解せず、加熱によって軟化するが溶融しない状態をいう。
軟磁性熱硬化性フィルム2(半硬化状態)の比重は、例えば、2.0以上、好ましくは、2.5以上であり、また、例えば、3.5以下、好ましくは、3.0以下である。フィルムの比重は、電子分析天秤(島津製作所社製、「AEL−200」)を用いて、比重測定法により、空気中でのフィルムの重さ(g)および水中でのフィルムの重さ(g)を測定し、下記式により算出される。
比重(S.G.)=W1/(W1−W2)
なお、式中におけるW1は、空気中でのフィルムの重さ(g)を示し、W2は、水中でのフィルムの重さ(g)を示す。
軟磁性熱硬化性フィルム2の空隙率は、15%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、30%以上である。また、例えば、60%以下、好ましくは、50%以下、より好ましくは、40%以下である。空隙率が上記下限を下回る場合は、接着性および耐リフロー性が十分でない。一方、空隙率が、上記上限を上回る場合は、軟磁性熱硬化フィルムを真空熱プレスにより加熱硬化する際に、空隙内部の空気を外部に排出する時間が長くなり、歩留まり性に劣る。
空隙率は、下記式により測定される。
空隙率(%)={1−(比重(S.G.))/(理論比重)}×100
理論比重は、例えば、軟磁性熱硬化性フィルムを形成する軟磁性樹脂組成物に含まれる各固形分成分(軟磁性粒子6、熱硬化性樹脂成分、ならびに、必要に応じて添加される熱硬化触媒、ポリエーテルリン酸エステルおよびその他の添加剤)について、各固形分成分の比重のそれぞれを各固形分成分の配合割合(重量)のそれぞれで乗じ、それらを足し合わせることにより得られる。なお、各固形分成分の比重(例えば、軟磁性粒子)は、カタログ値などを参照することができる。
また、軟磁性樹脂組成物の各固形分成分のうち、軟磁性粒子6および熱硬化性樹脂成分が主成分を占める場合は、軟磁性熱硬化性フィルム2の理論比重は、軟磁性粒子6および熱硬化性樹脂成分のみからなる軟磁性熱硬化性フィルム2における理論比重を代用することもできる。
軟磁性熱硬化性フィルム2(半硬化状態)の理論比重は、例えば、2.0以上、好ましくは、2.2以上であり、また、例えば、8.0以下、好ましくは、6.0以下である。
軟磁性熱硬化性フィルム2の平均厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、250μm以下でもある。
セパレータ1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、紙などが挙げられる。これらは、その表面に、例えば、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤、シリコーン系剥離剤などにより離型処理されている。
コア材としては、例えば、プラスチックフィルム(例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムなど)、金属フィルム(例えば、アルミウム箔など)、例えば、ガラス繊維やプラスチック製不織繊維などで強化された樹脂基板、シリコン基板、ガラス基板などが挙げられる。
セパレータ1またはコア材の平均厚みは、例えば、1μm以上500μm以下である。
軟磁性熱硬化性フィルム2は、好ましくは、軟磁性熱硬化性フィルム2の片面にセパレータ1が積層された多層構造などの形態とする。これにより、軟磁性熱硬化性フィルム2を回路基板5に転写する際の支持基材として用いることができる。
回路基板5は、例えば、電磁誘導方式で使用される回路基板5などであり、ループコイルなどの配線パターン3が、基板4の一方面および他方面(両面)に形成されている。配線パターン3は、セミアディティブ法またはサブトラクティブ法などによって形成される。
基板4を構成する絶縁材料としては、例えば、ガラスエポキシ基板、ガラス基板、PET基板、テフロン基板、セラミックス基板、ポリイミド基板などが挙げられる。
基板4は、好ましくは、可撓性を備える、すなわち、可撓性基版である。
基板4の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下でもある。
配線パターン3は、例えば、銅などの導体から形成されている。
配線パターン3を構成する各配線8の幅は、例えば、5μm以上、好ましくは、9μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下でもある。
配線8の厚み(高さ、図1Aで示すYの長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、35μm以下でもある。
各配線8間の隙間9(ピッチ間、図1Aで示すXの長さ)は、例えば、50μm以上、好ましくは、80μm以上であり、また、例えば、3mm以下、好ましくは、2mm以下でもある。
回路基板5の厚みは、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下でもある。
次いで、図1Bに示すように、軟磁性熱硬化性フィルム2を回路基板5の一方面に接触(積層)させる。すなわち、軟磁性熱硬化性フィルム2の下面(他方面)を、回路基板5に形成される配線8の上面に接触させる。
その後、図1Cに示すように、軟磁性熱硬化性フィルム2に対して真空熱プレスを実施する。具体的には、軟磁性熱硬化性フィルム2を、真空(低圧)環境下において、軟磁性熱硬化性フィルム2を加熱しながら、回路基板5に向かって押圧する。
これにより、軟磁性熱硬化性フィルム2を形成する軟磁性樹脂組成物が流動し、配線パターン3が軟磁性樹脂組成物に埋没される。つまり、配線パターン3を構成する各配線8の表面および側面が軟磁性樹脂組成物に被覆される。これとともに、配線パターン3から露出する基板4の表面が軟磁性樹脂組成物に被覆される。また、熱硬化性樹脂成分7は、熱により硬化され、硬化樹脂成分7aとなり、軟磁性フィルム10(硬化状態)となる。これにより、軟磁性フィルム10が回路基板5に積層された軟磁性フィルム積層回路基板11が得られる(図1C)。
圧力は、例えば、10kN/cm以上、好ましくは、100kN/cm以上であり、また、例えば、1000kN/cm以下、好ましくは、500kN/cm以下である。
加熱温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、175℃以下でもある。
真空度は、例えば、2000Pa以下、好ましくは、1000Pa以下、より好ましくは、100Pa以下である。
真空熱プレスに要する時間は、例えば、0.1時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、また、例えば、24時間以下、好ましくは、3時間以下、より好ましくは、2時間以下でもある。
このようにして得られる軟磁性フィルム積層回路基板11は、図1Cに示すように、配線パターン3が形成された回路基板5と、その回路基板5の一方面に積層される軟磁性フィルム10とを備えている。
軟磁性フィルム10は、軟磁性熱硬化性フィルム2が加熱硬化されてなるフィルムである、すなわち、軟磁性熱硬化性フィルム2の硬化状態(Cステージ)である。軟磁性フィルム10は、軟磁性粒子6と、熱硬化性樹脂成分7が加熱硬化されてなる硬化樹脂成分7aと、必要に応じて添加される成分(熱硬化触媒、ポリエーテルリン酸エステル、その他の添加剤など)とから形成されている。
軟磁性フィルム積層回路基板11では、配線パターン3が軟磁性フィルム10に埋没されている。つまり、配線パターン3を構成する各配線8の表面および側面が軟磁性フィルム10に被覆されている。これとともに、配線パターン3から露出する基板4の表面は、軟磁性フィルム10に被覆されている。
また、セパレータ1と配線8または基板4との間、および、配線8間の隙間9には、軟磁性粒子6および硬化樹脂成分7aが存在しており、その軟磁性粒子6が扁平状軟磁性である場合は、その長手方向(厚み方向と直交する方向)が軟磁性フィルム10の面方向に沿うように配向している。
軟磁性フィルム10(すなわち、軟磁性熱硬化性フィルム2の硬化状態)の比重は、例えば、3.5以上、好ましくは、4.0以上であり、また、6.5以下である。
また、軟磁性熱硬化性フィルム2の半硬化状態における比重に対する、軟磁性フィルム10における比重(比重比)は、例えば、1.5倍以上、好ましくは、1.8倍以上であり、また、例えば、3.3倍以下でもある。このような比重比にすることにより、軟磁性フィルム積層回路基板11において、軟磁性フィルム10と回路基板5との界面に空隙の発生をより一層低減でき、軟磁性フィルム積層回路基板11の耐リフロー性を向上させることができる。
なお、図1の実施態様では、回路基板5は、基板4の一方面および他方面に配線パターン3が形成されていたが、基板4の一方面または他方面にのみ配線パターンが3が形成させることもできる。
また、図1の実施態様では、軟磁性熱硬化性フィルム2は、1枚(一層)のみを回路基板に貼り付けていたが、所望の厚みの軟磁性フィルム10を得るために、軟磁性熱硬化性フィルム2を、複数枚(複数層)貼り付けることもできる。この場合、例えば、2〜20層、好ましくは、2〜5層貼り付ける。
また、図1の実施態様では、回路基板5の他方面には、カバー層などの層が積層されていないが、例えば、回路基板5の他方面には、ポリイミドなどから形成されるカバー層を設けることもできる。カバー層を設ける場合、必要に応じて、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などを含有する接着剤層をカバー層と回路基板5との間に積層することもできる。
この軟磁性フィルム積層回路基板11は、例えば、位置検出装置として使用することができる。
位置検出装置は、例えば、軟磁性フィルム積層回路基板11およびその軟磁性フィルム積層回路基板11に実装されるセンサ部を備えるセンサ基板と、センサ基板の上に対向配置される位置検出平面板とを備えている。
軟磁性フィルム積層回路基板11にセンサ部を実装する際におけるリフロー工程の方法としては、例えば、熱風リフロー、赤外線リフローなどが挙げられる。また、全体加熱または局部加熱のいずれの方式でもよい。
リフロー工程における加熱温度は、例えば、200℃以上、好ましくは、240℃以上であり、また、例えば、300℃以下、好ましくは、265℃以下である。加熱時間は、例えば、1秒以上、好ましくは、5秒以上、より好ましくは、30秒以上であり、また、例えば、2分以下、好ましくは、1.5分以下である。
上記で得られたセンサ基板に、位置検出平面板を、間隔を隔てて対向配置させることにより、位置検出装置が製造される。
そして、この軟磁性フィルム積層回路基板11の製造方法では、軟磁性粒子6を含有し、空隙率が15%以上60%以下であって、半硬化状態である軟磁性熱硬化性フィルム2を、回路基板5の一方面に接触させる工程、および、軟磁性熱硬化性フィルム2を、真空熱プレスにより、硬化状態にする工程を備えている。
そのため、軟磁性フィルム10を、回路基板5に確実に接着(ないし固定)することができる。よって、軟磁性フィルム10と回路基板5との接着性が良好である軟磁性フィルム積層回路基板11が得られる。
また、軟磁性熱硬化性フィルム2が特定の空隙率を有し、真空下で熱プレスするため、軟磁性熱硬化性フィルム2の空隙を通じて、軟磁性熱硬化性フィルム2を硬化させながら、軟磁性熱硬化性フィルム2と回路基板5との界面における隙間の空気を効率的に吸引することができる。そのため、製造される軟磁性フィルム積層回路基板11と軟磁性フィルム10との界面における空隙の発生を低減しつつ、軟磁性フィルム10内部の空隙も減らして軟磁性フィルムを高密度化することができる。その結果、軟磁性フィルム積層回路基板11にセンサ部などの電子部品を実装させて高温化で処理するリフロー工程においても、その空隙の膨張による軟磁性フィルム積層回路基板11表面の凹凸の発生や軟磁性フィルム10の剥離などを抑制できる。よって、耐リフローに優れる軟磁性フィルム積層回路基板11が得られる。
また、接着剤層を必要としないため、軟磁性フィルム積層回路基板11の薄膜化を図ることができる。さらに、接着剤層を設ける作業が不要となるため、簡易に軟磁性フィルム積層回路基板11を製造することができる。
また、回路基板5表面(近傍)に軟磁性フィルム10を配置することができるため、磁性特性に優れる軟磁性フィルム積層回路基板11が得られる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下に示す実施例の数値は、上記の実施形態において記載される数値(すなわち、上限または下限値)に代替することができる。
実施例1
(回路基板の用意)
ループコイル状の厚み15μmの配線パターンが、可撓性基板(ポリイミドフィルム、厚み18μm)の両面に形成された両面配線パターン形成回路基板(合計厚み48μm、配線の幅100μm、配線間の間隔(ピッチ間)500μm)を用意した。
(軟磁性熱硬化性フィルムの用意)
軟磁性熱硬化性フィルムを下記に従い、用意した。
軟磁性粒子が50体積%となるように、軟磁性粒子500質量部、アクリル酸エステル系ポリマー25質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)13質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)7質量部、フェノールアラルキル樹脂9質量部、熱硬化触媒0.27質量部(熱硬化性樹脂成分100質量部に対して0.5質量部)およびポリエーテルリン酸エステル2.5質量部(軟磁性粒子100質量部に対して0.5質量部)を混合することにより、軟磁性樹脂組成物を得た。
この軟磁性樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させることにより、固形分濃度43質量%の軟磁性樹脂組成物溶液を調製した。
この軟磁性樹脂組成物溶液を、シリコーン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(平均厚みが50μm)上に塗布し、その後、130℃で2分間乾燥させた。
これにより、セパレータが積層された軟磁性熱硬化性フィルム(軟磁性熱硬化性フィルム2のみの平均厚み、200μm)を製造した。この軟磁性熱硬化性フィルムは、半硬化状態であった。
比重の測定(後述)を実施したところ、2.7であった。また、この軟磁性熱硬化性フィルムの空隙率の測定(後述)を実施したところ、32%であった。
(軟磁性フィルム積層回路基板の製造)
用意したセパレータが積層された軟磁性熱硬化性フィルムを、軟磁性熱硬化性フィルム表面が回路基板の一方面(配線パターン表面)に接触するように積層し、次いで、これを真空熱プレス装置(ミカドテクノス社製)に配置した。
次いで、真空下1000Pa、温度175℃、圧力400kN/cm、30分間の条件下で、熱プレスを実施することにより、軟磁性熱硬化性フィルムを、熱硬化させた。これにより、軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。
このときの軟磁性フィルム(硬化状態となった軟磁性熱硬化フィルム)の比重を測定したところ、4.0であった。
実施例2および実施例3
(回路基板および軟磁性熱硬化性フィルムの用意)
軟磁性粒子が表1に記載の配合割合(充填量)となるように、軟磁性粒子の配合割合を調整した以外は、実施例1と同様にして、各実施例の軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。また、回路基板は、実施例1と同様のものを用意した。
(軟磁性フィルム積層回路基板の製造)
この軟磁性熱硬化性フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。
これらのフィルムの空隙率および比重は、表1に示す。
実施例4
(回路基板および軟磁性熱硬化性フィルムの用意)
軟磁性粒子が表1に記載の配合割合(充填量)となるように、軟磁性粒子の配合割合を調整した以外は、実施例1と同様にして、各実施例の軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。また、回路基板は、実施例1と同様のものを用意した。この軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板に積層させる前に、軟磁性熱硬化性フィルムのみを、真空熱プレス機に配置し、真空下1000Pa、温度175℃、圧力400kN/cm、30秒の条件下で熱プレス(前処理熱プレス)を実施した。
(軟磁性フィルム積層回路基板の製造)
この前処理熱プレスした軟磁性熱硬化性フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。
これらのフィルムの空隙率および比重は、表1に示す。
比較例1
(回路基板および軟磁性熱硬化性フィルムの用意)
実施例1と同様にして、軟磁性熱硬化性フィルムおよび回路基板を用意した。この軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板に積層させる前に、軟磁性熱硬化性フィルムのみを、真空熱プレス機に配置し、真空下1000Pa、温度175℃、圧力400kN/cm、2分の条件下で熱プレス(前処理熱プレス)を実施した。
この前処理熱プレスした軟磁性熱硬化性フィルムの空隙率は、13%であり、比重は、3.5であった。
(軟磁性フィルム積層回路基板の製造)
この前処理熱プレスした軟磁性熱硬化性フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。
このときの軟磁性フィルム(硬化状態となった軟磁性熱硬化フィルム)の比重を測定したところ、3.7であった。
比較例2
(回路基板および軟磁性熱硬化性フィルムの用意)
実施例2と同様にして、軟磁性熱硬化性フィルムおよび回路基板を用意した。この軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板に接触する前に、軟磁性熱硬化性フィルムのみを、真空熱プレス装置に配置し、真空下1000Pa、温度175℃、圧力400kN/cm、2分の条件下で熱プレス(前処理熱プレス)を実施した。
この前処理熱プレスした軟磁性熱硬化性フィルムの空隙率は、11%であり、比重は、4.0であった。
(軟磁性フィルム積層回路基板の製造)
この前処理熱プレスした軟磁性熱硬化性フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、軟磁性フィルム積層回路基板を製造した。
このときの軟磁性フィルム(硬化状態となった軟磁性熱硬化フィルム)の比重を測定したところ、4.5であった。
<比重の測定>
各実施例および各比較例の軟磁性熱硬化性フィルム(半硬化状態)は、それぞれセパレータから剥がした状態で、各実施例および各比較例の軟磁性フィルム(硬化状態)は、それぞれ回路基板から剥がした状態で、下記に従い、測定した。
フィルムの比重は、電子分析天秤(島津製作所社製、「AEL−200」)を用いて、比重測定法により、空気中のフィルムでの重さ(g)と、水中でのフィルムの重さ(g)とをそれぞれ測定し、下記式により算出した。
比重(S.G.)=W1/(W1−W2)
なお、式中におけるW1は、空気中でのフィルムの重さ(g)を示し、W2は、水中でのフィルムの重さ(g)を示す。
<空隙率の測定>
空隙率は、下記式に従い測定した。
空隙率(%)={1−(比重(S.G.))/(理論比重)}×100
(評価)
・接着性
各実施例および各比較例の軟磁性フィルム積層回路基板について、回路基板から軟磁性フィルムのみを剥離しようと試みた。
軟磁性フィルムの凝集破壊を生じずに、軟磁性フィルムのみを回路基板から完全に剥離することができた場合を×と評価し、軟磁性フィルムを回路基板から剥離することができたが、軟磁性フィルムのごく一部が回路基板に付着した場合を△と評価し、剥離途中に軟磁性フィルムの凝集破壊が生じ、軟磁性フィルムの一部が回路基板に付着したままであった場合を○と評価した。
その結果を表1に示す。
・耐リフロー性
各実施例および各比較例の軟磁性フィルム積層回路基板を、260℃以上の温度を10秒保持するように温度設定したIRリフロー炉に通過させ、リフロー処理基板を得た。
このリフロー処理基板について、軟磁性フィルム表面に凹凸や浮きが発生していた場合を×と評価し、軟磁性フィルム表面に凹凸の発生がごくわずかに認められた場合を△と評価し、軟磁性フィルム表面に凹凸の発生が認められなかった場合を○と評価した。
その結果を表1に示す。
・磁気特性
各実施例および各比較例で得られた軟磁性フィルム積層回路基板における軟磁性フィルムの透磁率を、インピーダンスアナライザー(Agilent社製、商品番号「4294A」)を用いて、1ターン法で測定した。
周波数1MHzにおける透磁率μ´が100以上であった場合を○と評価し、100未満であった場合を×と評価した。
その結果を表1に示す。
Figure 0006125328
なお、実施例および比較例における各成分は下記の材料を用いた。
・Fe−Si−Al合金:商品名「SP−7」、軟磁性粒子、平均粒子径65μm、扁平状、メイト社製、比重6.8
・アクリル酸エステル系ポリマー:商品名「パラクロンW−197CM」、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー、根上工業社製、比重約1.0
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1):商品名「エピコート1004」、エポキシ当量875〜975g/eq、JER社製、比重1.21
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2):商品名、「エピコートYL980」、エポキシ当量180〜190g/eq、JER社製、比重1.15
・フェノールアラルキル樹脂:商品名「ミレックスXLC−4L」、水酸基当量170g/eq、三井化学社製、比重1.18
・ポリエーテルリン酸エステル:商品名「HIPLAAD ED152」、ポリエーテルリン酸エステル、楠本化成社製、酸価17、比重1.03
・熱硬化触媒:商品名「TPP−SCN」、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、北興化学工業社製、比重約1.2
2 軟磁性熱硬化フィルム
5 回路基板
6 軟磁性成分
7 樹脂成分
10 軟磁性フィルム
11 軟磁性フィルム積層回路基板

Claims (2)

  1. 軟磁性フィルムが回路基板の少なくとも一方面に積層されている軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法であって、
    軟磁性粒子を含有し、空隙率が15%以上60%以下であって、半硬化状態である軟磁性熱硬化性フィルムを、回路基板の一方面に接触させる工程、および、
    前記軟磁性熱硬化性フィルムを、真空熱プレスにより、硬化状態にする工程、
    を備えることを特徴とする、軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法。
  2. 前記軟磁性熱硬化性フィルムの半硬化状態における比重に対する、前記軟磁性熱硬化性フィルムの硬化状態における比重が、1.5倍以上であることを特徴とする、請求項1に記載の軟磁性フィルム積層回路基板の製造方法。
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