JP6123729B2 - 麺皮類および麺皮包餡食品 - Google Patents

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Description

本発明は、麺皮類及び麺皮包餡食品に関する。
小麦粉や米粉等の澱粉含有素材を主原料として、水やその他副材料を加えて練りシート状に圧延してなる麺皮類は、日本を含め世界の各地域においても広く用いられる食品素材である。麺皮類に具材やソース類を包み調理する麺皮包餡食品には、焼売、春巻、餃子、ワンタン、小龍包、ラビオリ等があり、これらは惣菜として良く普及している。
油ちょう等油で調理される麺皮包餡食品は、調理後の麺皮の食感、すなわちパリパリ感、クリスピー感が優れるという歯切れの良さ等が重視される。油ちょう等油で調理される麺皮包餡食品は飲食店内で調理・喫食される場合のほか、調理後すぐに喫食されない形態で冷凍や冷蔵で長時間保存後提供される場合も多い。このように長時間保存された結果、麺皮のパリパリ感、クリスピー感が経時的に失われ曳きの強い、歯切れの悪い食感に変化し、好ましい食感が損われる場合がある。
また、油ちょう等油で調理される麺皮包餡食品は、油ちょう後の油切れが悪いと、食した際の油っぽさが残る上経時的に油臭さが増すため、食味が損なわれる。また、昨今の消費者の健康意識の高まりにより油の摂取量を控える傾向もあり、油ちょう食品には油切れの良さが益々求められている。
麺皮包餡食品の品質向上、あるいは経時的な品質低下の抑制について、種々の方法が検討されている。例えば麺皮類に乳化剤を含有する乳化物を添加する方法(特許文献1)や、粉末油脂を添加する方法(特許文献2)、麺皮類に油脂類を塗布する方法(特許文献3)が提案されている。
昨今は、消費者が天然物を嗜好する傾向により、乳化剤や加工澱粉に代わる天然の機能性素材のニーズが高まりを見せている。天然素材を用いた例としては、豆科種子粉末を用いる方法(特許文献4)、雑穀外皮や米・麦・コーン等の澱粉質に含まれる水溶性食物繊維の使用(特許文献5)が開示されている。
また、餃子の油っぽさを低減する技術として、パーム油以外の植物性脂肪、パーム油、乳化剤を含有する油脂組成物を餃子の焼き面に予め付着させる技術(特許文献6)が開示されている。
特開2010-178709号公報 特開平8-289767号公報 特開2007-209206号公報 特開2007-189990号公報 特開2001-238646号公報 特開2012-178989号公報
従来技術では油ちょう等油を使用して調理される麺皮包餡食品の歯切れ等の食感について十分なものといえず、特に経時的な食感が悪化する問題を十分に解決できていない。また、特許文献1の技術では乳化剤の添加は生地に特有の悪風味を与え、特許文献2の技術では粉末油脂の添加は調理後経時的な生地の硬化を招くことがあり、特許文献3の技術では工程が複雑化したり、コスト上昇につながる場合がある等の問題があった。また、特許文献4の技術では不溶性食物繊維が多分に含まれるため、麺皮生地の形成を阻害する場合があり、特許文献5の技術では外皮の繊維は麺皮の食感維持に及ぼす効果が不十分な場合があり、また澱粉質に含まれる繊維は絶対量が少ないことから食品機能剤として望ましい量を添加するには非効率的となる場合があった。
さらに近年求められている油切れの問題について十分取り組めているとはいえない。特許文献7の技術では効果が十分といえない上、予め油脂組成物を餃子の焼き面に付着させなければならず生産上効率的とはいえず、更なる改良技術が望まれている。
本発明では、油を使用した調理後の歯切れや油切れを改良し、さらに、これらの効果を維持することの出来る麺皮類と、それを用いてなる麺皮包餡食品を提供することを目的とした。
本発明者らは、前記の目的を達成すべく種々検討した結果、水溶性エンドウ多糖類を麺皮類の生地中に添加することで、油を使用して調理される麺皮類ならびに麺皮包餡食品の歯切れや油切れを改良し、またこれらの効果を維持出来ることを見出した。さらに麺皮包餡食品が冷凍や冷蔵保存される場合であっても、それらの効果が顕著であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)水溶性エンドウ多糖類を含有することを特徴とする、油を使用して調理される麺皮包餡食品に用いる麺皮類、
(2)水溶性エンドウ多糖類を穀粉に対して0.1〜5重量%含有する、(1)記載の麺皮類、
(3)(1)に記載の麺皮類に具材を包んでなる麺皮包餡食品、
(4)水溶性エンドウ多糖類を穀粉に対して0.1〜5重量%配合し、生地を調製することを特徴とする油を使用して調理される麺皮包餡食品に用いる麺皮類の製造方法、
である。
本発明の麺皮類や麺皮包餡食品は、油を使用して調理した際の歯切れ、油切れが優れ、また、保存後においてもこれらの効果を持続することができる。製造から調理までの保存工程、また調理から喫食までの時間経過に伴う品質の劣化を抑えることで、食品の提供者、消費者の両者にとって高い価値を持つ麺皮包餡食品を提供することが出来る。
(油を使用して調理される麺皮包餡食品に用いる麺皮類)
本発明の麺皮類は水溶性エンドウ多糖類を含有することを特徴とする。
本発明における麺皮類とは、強力粉、準強力粉、薄力粉、中力粉等の小麦粉、米粉等の澱粉を主成分とする穀粉に、水やその他副材料を入れて練りシート状に圧延したものをいう。代表的な麺皮類として、例えば、春巻きの皮、餃子の皮、ワンタンの皮、ラビオリの皮、焼売の皮が例示出来る。
なお、本発明において「油を使用して調理される」とは、油ちょう加熱して調理する方法の他、例えば、焼き餃子において、油を添加して加熱して調理する方法も意味する。いずれの場合も、油を熱媒体とする100℃以上の加熱を意味する。本発明においては、特に油ちょう加熱による調理の場合に、その効果を好適に発揮する。
(麺皮包餡食品)
本発明における麺皮包餡食品とは、肉、魚介類、豆、乳製品、卵、野菜等からなる具材や、それらを調理してなるソース、ペースト類を、餡として麺皮類の中に包んだ食品のことをいう。代表的な麺皮包餡食品として、春巻き、餃子、揚げワンタン、ラビオリ、焼売等が例示出来る。麺皮包餡食品は、焼き調理、炒め調理、油ちょう等の加熱調理を行った後に提供される。また、調理の前後あるいは半調理された状態で冷凍や冷蔵の保存工程を取り、喫食の前に改めて加熱される場合もある。改めて加熱される場合は、前述の加熱調理のほかにも、電子レンジ等によるマイクロ波加熱が行われる場合もある。
(水溶性エンドウ多糖類)
本発明における水溶性エンドウ多糖類とは、エンドウ種子から抽出される水溶性の多糖類を指す。好ましくはエンドウ種子の子実部から抽出されたものであり、更に好ましくは黄色エンドウの種子から抽出されたものである。その製造方法は、例えば国際出願PCT/JP2012/065907号明細書に記載される製造例で得ることが出来る。
(水溶性エンドウ多糖類の製造法)
工業的には、エンドウ種子に含まれる蛋白質画分並びに澱粉画分を除去した繊維画分を原料として、水または熱水で抽出して得ることが出来る。製造法の一例を示せば、原料に5〜20倍量の水を加水したのち、酸或いはアルカリを添加してpH3からpH12の範囲、好ましくはpH4からpH10の範囲に調整する。続いて、60℃以上150℃以下、好ましくは80℃以上130℃以下の温度で水溶性エンドウ多糖類を抽出する。抽出時間は概ね0.5〜3時間であるが、原料の状態や温度等により、任意に調整することが出来る。抽出した水溶性エンドウ多糖類は、不溶性繊維分を遠心分離機等により分離した後に、任意で除澱粉・除蛋白・除低分子等の精製処理や殺菌処理を行い、そのまま水溶液として用いても良いし、乾燥して用いても良い。
(分子量)
本発明に使用する水溶性エンドウ多糖類は、構成成分として分子量1万以上の高分子成分を含むが、以下の条件でのゲル濾過で分析される、分子量1万以上と認められる画分をもって、高分子成分と定義する。平均絶対分子量(MM)は10万から100万が好ましく、20万から80万がより好ましい。
ゲル濾過は、HPLC(TSK-gel G-5000PWXL: 東ソー φ7.8mm×300mm)を用い、平均絶対分子量(MM)は、カラム通液後にトルエンでキャリブレーションしたマルチアングルレーザーライトスキャッタリング(MALLS)により求める。分析条件は、溶離液:50mM酢酸ナトリウム水溶液(pH5.0)、流速:1.0mL/min、 RI検出器及びMALLS検出器にて行う。
(構成糖)
本発明に使用する水溶性エンドウ多糖類は、構成糖として酸性糖であるガラクツロン酸が含まれるものである。また主要な中性糖としてアラビノースとガラクトースが含まれるものである。その他の中性糖としてグルコース、ラムノース、キシロースおよびフコースが含まれていても良い。酸性糖であるガラクツロン酸の糖組成は3〜40重量%であることが好ましい。また中性糖の糖組成は60〜97重量%であることが好ましい。また中性糖としてアラビノースの糖組成が20〜50重量%であるのが好ましく、ガラクトースの糖組成は10〜30重量%であるのが好ましい。 尚、水溶性エンドウ多糖類の全糖含量はフェノール硫酸法を用いた比色定量法にて、ガラクツロン酸含量はBlumenkrantz法を用いた比色定量法にて測定する。中性糖の組成は、硫酸分解した後、電気化学検出器を用いたイオンクロマトグラフィー法(HPLC-PAD法)を用いて測定する。
(水溶性エンドウ多糖類の麺皮類への添加)
本発明で使用する水溶性エンドウ多糖類は、粉状、粒状、液状など様々な形態で添加することが出来る。添加方法として、例えば、他の原料と粉体混合する方法、予め水溶液にして添加する方法、乳化物の水相側に予め溶解させた状態で添加する方法が挙げられるが、生地の混練過程において他の原料と均一に混ぜることができる添加方法であればどのような方法を選択しても差し支えない。
添加量は、所望する麺皮類の物性、食感によって任意に選択して良いが、対穀粉0.1重量%以上が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が更に好ましく、1〜5重量%が最も好ましい。0.1重量%未満の場合は、物性や食感の改良効果が十分でなく、5重量%を超えるとベタつき等が生じ作業性が低下する場合がある。
(食感)
水溶性エンドウ多糖類は麺皮中の澱粉や蛋白質に作用し、麺皮包餡食品の食感を改良することができる。
油ちょうされる麺皮包餡食品の場合、調理により生じた麺皮のパリパリ、サクサクといったクリスピーな食感が調理後の餡から麺皮への水分移行によって経時的に失われ、曳きの強いガミーな歯切れの悪いものになるが、水溶性エンドウ多糖類を麺皮に添加することにより食感の悪化が抑制され、作りたてのクリスピー感、歯切れの良さが維持される。これらの効果は、揚げ春巻、揚げ餃子、揚げ焼売、揚げワンタン、揚げラビオリ等で顕著である。
また、油を添加して焼き調理される麺皮包餡食品の場合、調理後の時間経過と共に澱粉の老化と乾燥が進み、麺皮の食感が硬く曳きが強く歯切れの悪いものになるが、水溶性エンドウ多糖類を添加することにより食感の悪化が大きく抑制される。これらの効果は焼き餃子等で顕著である。
(油切れ)
油ちょうされる麺皮包餡食品は、油ちょう後の油切れが悪いと、食した際の油っぽさが残る上経時的に油臭さが増すため、食味が損なわれる。水溶性エンドウ多糖類を用いた麺皮包餡食品を油ちょうした場合、麺皮に留まる油分が減少し、油切れが非常に良好な仕上がりとなる。この効果は、油を用いた焼き調理の場合でも、同様に発揮される。麺皮がベタベタせず、油っぽさや油臭さの抑えられた、食感・風味ともに優れた麺皮包餡食品を提供することが出来る。
(他の多糖類・蛋白質素材との併用)
水溶性エンドウ多糖類に加えて、麺皮生地の物性や好ましい食感を損わない範囲で、ガム剤、増粘剤、蛋白質、あるいはその加水分解物を配合することが出来る。併用出来る物質としては、例えば、生澱粉、加工澱粉、各種セルロース、寒天、カラギーナン、ファーゼラン、グアーガム、ローカストビーンガム、フェノグリークガム、コンニャクマンナン、タマリンド種子多糖類、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、ジェランガム、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、イヌリンなどの多糖類、ゼラチン、コラーゲン、グルテン等の蛋白質が例示出来る。添加方法は、水溶性エンドウ多糖類の場合と同様に、他の原料と均一に混ぜることができる添加方法が好ましい。
(他の機能剤との併用)
水溶性エンドウ多糖類に加えて、麺皮生地の物性や好ましい食感を損わない範囲で、他の機能剤、例えば、糖質、乳化剤、酵素等と併用することが出来る。糖質としては、ショ糖、トレハロース、澱粉加水分解物、ソルビトール、還元澱粉加水分解物などの糖質及び糖アルコール類、乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、酵素としては、β-アミラーゼ、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼなどの澱粉分解酵素や、キシラナーゼ、グルカナーゼなどのヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、或はセルラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼなどの蛋白質分解酵素等が例示出来る。添加方法は、水溶性エンドウ多糖類の場合と同様に、他の原料と均一に混ぜることができる添加方法が好ましい。
(麺皮類の製造)
本発明の麺皮類を製造するに際しては、公知の方法に準じて行うことが出来る。例えば、小麦粉、水溶性エンドウ多糖類、水等の原料をミキサーにて混合、混練し、だまが発生した場合には篩等を用いてだまを解消して麺皮類の生地を得る。得られた生地は、圧延や複合を行った後、熱風乾燥や焼成等の加熱処理によって固化してもよいし、加熱しないで使用することも出来る。生地の厚さは、所望する食品の食感によって任意に選択して差し支えないが、中に具材を包む際の妨げにならない厚さが好ましい。生地は、最終製品の形状や大きさに応じて、任意に切り出しや成型を行っても良い。
以下に実施例を記載することで本発明を説明する。例中の「部」は重量部を意味する。
(製造例1)水溶性エンドウ多糖類の製造
エンドウの種子50kgを脱皮した後、5倍量の水を加えて24時間浸漬した。ホモミキサー(5,000rpm、30分間)にて種子を砕き、蛋白質と澱粉を抽出した。遠心濾過機を用いて1,500×g、20分間で水に分散している蛋白質や澱粉などの成分を除去し、繊維質を回収した。更に、繊維質に5倍量の水を加えてホモミキサー(3,000rpm、30分間)で攪拌し、遠心濾過(1,500×g、20分間)により繊維質を回収した。この操作を2回繰り返し、凍結乾燥して10kgのエンドウ繊維を得た。エンドウ繊維80部を920部の水に分散し、塩酸を用いてpH5に調整した後、120℃にて90分間加熱して水溶性エンドウ多糖類を抽出した。エンドウ繊維100部に対して0.2部に相当するアミラーゼ(「Fungamyl」ノボザイム社製)を抽出液に添加し、澱粉を分解した後、不溶性繊維を遠心分離(5,000rpm、30分間)にて除去して上清を回収した。この上清に60重量%になるようにエタノールを加えて水溶性エンドウ多糖類を沈殿させ、90重量%の含水エタノールで精製し、得られた沈殿を風乾して水溶性エンドウ多糖類を得た。
得られた水溶性エンドウ多糖類の分析値を表1に示した。
(表1)水溶性エンドウ多糖類の分析値
Figure 0006123729
(実施例1)春巻きの製造
準強力粉(「特飛龍」日清製粉株式会社製)100部、製造例1の水溶性エンドウ多糖類1.5部、食塩1部、水130部をミキサーを用いて6分間混合した。180℃で1分間ドラム焼成を行い、厚さ1mm、大きさ20cm×20cmの春巻きの皮を得た。豚ひき肉100部、筍40部、人参32部、椎茸21部、長ネギ3部、生姜汁1部、おろしにんにく0.5部、片栗粉9部、日本酒8部、醤油5部、砂糖2.8部、食塩1.2部、ごま油1.2部を炒めた後に室温まで放冷し、春巻きの具材とした。春巻きの皮に具材20gを長方形になるよう包み、190℃のパーム油(「パームエース」不二製油株式会社製)で3分間油ちょうし、春巻きAを得た。
(実施例2〜3)春巻きの製造(2)
実施例1の春巻きの製造において、水溶性エンドウ多糖類の添加量を、0.5部、5部とした以外は同様の方法で春巻きを製造し、それぞれ、春巻きB、Cを得た。
(実施例4)焼き餃子の製造
準強力粉(「特飛龍」日清製粉株式会社製)100部、製造例1の水溶性エンドウ多糖類1.5部、食塩1部、水38部をミキサーを用いて12分間混合した。生地を製麺機に2回通した後室温で15分間熟成させ、更に製麺機に4回通して厚さ1.1mmまで圧延した。生地は、伸びが良好で収縮が少なく、高い作業性を有していた。生地を直径10cmの円形に型抜きし、餃子の皮を得た。豚ひき肉100部、キャベツ200部、ニラ100部、酒5部、塩2.5部を混合して餃子の具材とし、これを餃子の皮で9g包んだものを餃子とした。餃子をフライパンに10個並べ強火で熱し、サラダ油5gと水100gを入れてフタをして4分間蒸し焼きにした後、フタを取りサラダ油を15g回し掛けて2分間焼き、焼き餃子Aを得た。
(実施例5)冷凍春巻きの製造
実施例1で製造した油ちょう済みの春巻きAを、-30℃で急速冷凍して冷凍春巻きAとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで2日あるいは14日間保存した。5個を皿に並べ、電子レンジで500W・2分の加熱を行ってから評価に供した。
(実施例6)冷凍餃子の製造
実施例4で調製した生餃子を、焼き調理を行わずに、-30℃で急速冷凍して冷凍餃子Aとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで12日間保存した。フライパンに10個並べ強火で熱し、サラダ油5gと水160gを入れてフタをして8分間蒸し焼きにした後、フタを取りサラダ油を15g回し掛けて2分間焼いてから評価に供した。
(比較例1〜2)
実施例1、4の麺皮包餡食品の製造において、水溶性エンドウ多糖類を添加しない以外は同様の方法、配合にて春巻き、餃子を製造し、春巻きZ、焼き餃子Zを得た。
(比較例3〜4)
実施例1、4の麺皮包餡食品の製造において、水溶性エンドウ多糖類を水溶性大豆多糖類(「ソヤファイブ-S-DN」不二製油株式会社製)で代える以外は同様の方法、配合にて春巻き、餃子を製造し、春巻きY、焼き餃子Yを得た。
(比較例5)
比較例1で製造した油ちょう済みの春巻きZを、-30℃で急速冷凍して冷凍春巻きZとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで2日あるいは14日間保存した。5個を皿に並べ、電子レンジで500W・2分の加熱を行ってから評価に供した。
(比較例6)
比較例3で製造した油ちょう済みの春巻きYを、-30℃で急速冷凍して冷凍春巻きYとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで2日あるいは14日間保存した。5個を皿に並べ、電子レンジで500W・2分の加熱を行ってから評価に供した。
(比較例7)
比較例2の焼き餃子Zの製造過程において調製した生餃子を、焼き調理を行わずに、-30℃で急速冷凍して冷凍餃子Zとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで12日間保存した。フライパンに並べ強火で熱し、サラダ油5gと水160gを入れてフタをして8分間蒸し焼きにした後、フタを取りサラダ油を15g回し掛けて2分間焼いてから評価に供した。
(比較例8)
比較例4の焼き餃子Yの製造過程において調製した生餃子を、焼き調理を行わずに、-30℃で急速冷凍して冷凍餃子Yとした。急速冷凍の後に-20℃のフリーザーで12日間保存した。フライパンに並べ強火で熱し、サラダ油5gと水160gを入れてフタをして8分間蒸し焼きにした後、フタを取りサラダ油を15g回し掛けて2分間焼いてから評価に供した。
(麺皮包餡食品の官能評価)
実施例1〜6、比較例1〜8で製造した麺皮包餡食品を官能評価に供した。官能評価では、10人のパネラーによる評価点の平均値を算出し、各項目に関する評価とした。
・歯切れ
5点:曳きがなく、歯切れが非常に良好である。
4点:曳きがなく、歯切れが良好である。
3点:曳きが殆どなく、歯切れは標準的である。
2点:曳きがあり、歯切れが悪い。
1点:曳きが強く、歯切れが非常に悪い。
・油切れ(油っぽさの抑制)
5点:油切れが非常に良好で油っぽさがなく、口中でベタつかない。風味も良好である。
4点:油切れが良好で油っぽさが殆どなく、口中でベタつかない。
3点:油切れが標準的で油っぽさはやや残るが、気になる程ではない。
2点:油切れが悪く油っぽさが感じられ、口中がベタつく。
1点:油切れが非常に悪く油っぽさが強く感じられ、口中がベタつく。風味も不良である。

歯切れ、油切れとも調理後8時間後において、官能評価の平均点が3.2点以上あるものを合格とした。
また、一旦調理したものを冷凍後加熱したものについては、歯切れ、油切れとも3.2点以上のものを合格とした。
実施例1〜3及び比較例1、3の春巻き及び、実施例4、比較例2の焼き餃子について、調理直後、調理8時間後(室温22℃中に静置)に官能評価を行った。春巻きの結果を表2に、焼き餃子の結果を表3に示した。
(表2)春巻きの官能評価
Figure 0006123729
(表3)焼き餃子の官能評価
Figure 0006123729
水溶性エンドウ多糖類を用いた春巻きA〜Cは、歯切れが良好で、特に油切れが著しく改善されていた。また、その効果は8時間経過した後でも失われることがなく、春巻きZ、春巻きYに対して高い評価が持続した。
また、焼き餃子A〜Cにおいても、歯切れ、油切れの持続度が改善され、焼き餃子Z、焼き餃子Yと比較して長時間食味が損なわれず良好な評価が得られた。
実施例5及び比較例5、6の冷凍春巻きについて、電子レンジで加熱解凍した直後に官能評価を行った。結果を表4に示した。
(表4)冷凍春巻きの官能評価
Figure 0006123729
冷凍春巻きAは冷凍春巻きZ、Yと比べて、冷凍保存および電子レンジ加熱により皮が固く曳きの強い食感に変化するのが著しく抑制されており、歯切れの良い食感を有していた。加えて、油切れが良好で、油っぽさのない良好な風味であった。
実施例6及び比較例7、8の冷凍餃子について、調理直後に官能評価を行った。結果を表5に示した。
(表5)冷凍餃子の官能評価
Figure 0006123729
冷凍餃子Aは、歯切れ、油切れ共に冷凍餃子Zよりも良好な評価を得た。また、冷凍餃子ZとYの皮には冷凍保存中にヒビ・割れ・欠けが生じて外観・調理適性が損なわれたのに対し、冷凍餃子Aの皮にはそれらの問題は生じず、優れた生産・流通適性があった。
本発明の麺皮類や麺皮包餡食品は、歯切れ、油切れが優れ、また、保存後においてもこれらの効果を持続することができる。従って、製造から調理までの保存工程、また調理から喫食までの時間経過に伴う品質の劣化を抑えることができるため、食品の提供者、消費者の両者にとって高い価値を持つ麺皮包餡食品を提供することができる。

Claims (4)

  1. 水溶性エンドウ多糖類(不溶性食物繊維を分離していない態様のものを除く。)を含有することを特徴とする、油を使用して調理される麺皮包餡食品に用いる麺皮類。
  2. 水溶性エンドウ多糖類を穀粉に対して0.1〜5重量%含有する、請求項1記載の麺皮類。
  3. 請求項1に記載の麺皮類に具材を包んでなる麺皮包餡食品。
  4. 水溶性エンドウ多糖類(不溶性食物繊維を分離していない態様のものを除く。)を穀粉に対して0.1〜5重量%配合し、生地を調製することを特徴とする油を使用して調理される麺皮包餡食品に用いる麺皮類の製造方法。
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